序論:

閉塞性動脈硬化症(Peripheral Arterial Disease, PAD)は、足の血管が動脈硬化によって詰まってしまう疾患です。これは重大な結果を引き起こす可能性があるため、早期の発見と適切な治療が不可欠です。しかし、PADはしばしば無症状で進行し、患者が自覚することが難しいため、定期的な検査が極めて重要です。本記事では、この疾患の検査方法や診断のステップについて、さらに深く掘り下げていきます。

参考資料/専門的相談:

この記事の情報は、札幌心臓血管クリニックで循環器内科を担当する原口拓也先生のご助言を元にまとめています。また、最新の医学研究や信頼できる情報源からの情報も取り入れています。

閉塞性動脈硬化症の検査ステップと方法:

初期診察の重要性

閉塞性動脈硬化症は早期発見が極めて重要です。最初のステップとして、問診視診が行われます。これは簡単な触診や足の外見のチェックを通じて行われます。

これらの兆候は、血流の悪化を示すサインとして診断の参考になります。

ABI検査

ABI(足関節上腕血圧比)検査は、動脈硬化の程度を簡易に測定できる方法です。上腕足関節の血圧を比較し、その比率で診断します。

これは数値で結果が表示され、患者にとっても理解しやすいです。さらに、非侵襲的で体への負担も少ないため、広く利用されています。

エコー検査

ABI検査で異常が見つかった場合、次に足のエコー検査が行われます。これは、血管の詰まり具合や動脈硬化の具体的な部位を画像で確認することができます。

造影CTおよびMRI検査

血管の詳細な状態を把握するためには、造影CTMRI検査も用いられます。

これらの検査は患者の体への負担を考慮し、エコー検査で確実な診断が可能な場合に限り追加で実施されます。

見逃さないための取り組み:

合併症の早期発見

PADの患者の多くは心臓の血管病も併発しています。従って、診療においては合併症を見逃さないことが非常に重要です。札幌心臓血管クリニックでは、心臓のカテーテル治療を受ける患者にもABI検査を実施し、早期発見に努めています。

静脈の検査

動脈だけでなく、静脈の状態も確認します。静脈の異常が心臓に戻る血液の流れに影響を与え、全体の血流に悪影響を及ぼします。時間が許す限り静脈の検査も行うことで、総合的な血流状態を評価します。

症状に気付いたらどうすれば良いか:

医師に相談

典型的な症状(間欠性跛行、しびれ)だけでなく、足に何か違和感があったらすぐに医師に相談すべきです。とくに高齢者や糖尿病患者は無症状であることが多いため、注意が必要です。

心筋梗塞のリスク

ABI検査を行うことで、心筋梗塞脳梗塞など他の重大な疾患を早期に発見できる可能性もあります。これらは命に関わる病気であるため、早めの検査が推奨されます。

札幌心臓血管クリニックでの検査の特徴:

経験とスピーディーな診療

札幌心臓血管クリニックでは、年間約500件の足の治療と5000件の足の検査を行っています。多岐に渡る診療経験があり、臨床検査技師と緊密に連携して迅速な診断と治療に努めています。

遠方の患者への対応

北海道内の約40か所でサテライト外来支援を行っており、遠方の患者も対応。必要があれば車両を派遣し無料送迎サービスも提供しています。

問題に関するよくある質問

1. 閉塞性動脈硬化症は何歳からリスクが増えるのか?

答え:

リスクは主に50歳以上の人々で増加します。

説明:

PADのリスクは年齢とともに増加し、特に50歳を過ぎると動脈硬化の進行が加速します。高血圧、糖尿病、喫煙などのリスク要因がある場合、その進行はさらに早まります。

2. PADは無症状でも検査を受けるべきか?

答え:

はい。無症状でも定期的な検査を受けるべきです。

説明:

PADは無症状で進行することが多い病気です。症状が現れたときにはすでに進行していることが多いため、リスク要因がある場合は早めの検査が推奨されます。

3. ABI検査の費用はどのくらいかかるのか?

答え:

ABI検査は保険適用のため、費用は比較的低く抑えられます。

説明:

ABI検査は非侵襲的で簡便な検査であり、日本では健康保険が適用されるため、自己負担額は一般的に数千円程度です。

4. PADの治療方法はどのようなものがあるのか?

答え:

生活習慣の改善から外科的治療まで様々です。

説明:

PADの治療には、運動療法、薬物治療、血行再建手術(バイパス手術)などが含まれます。症状や病期に応じて治療法が選択されます。

5. 閉塞性動脈硬化症は他の病気とどう関連しているのか?

答え:

心臓病や脳卒中と強く関連しています。

説明:

PADは動脈硬化が全身に及ぶため、心臓病(冠動脈疾患)や脳卒中のリスクが高まります。PADの診断はこれらの病気の早期発見に繋がることもあります。

結論と推奨:

結論:

閉塞性動脈硬化症(PAD)は初期段階では無症状で進行するため、リスクのある人々は定期的な検査が極めて重要です。定期的なABI検査により、PADだけでなく関連する心筋梗塞や脳卒中のリスクも低減できます。

推奨:

特に50歳以上の方、高血圧、糖尿病、喫煙者などリスク因子を持つ方は、定期的なABI検査を含む健康チェックを行うことをおすすめします。PADは早期発見・早期治療が鍵となりますので、少しでも足に違和感を感じたらすぐに医師に相談し、必要な検査を受けることが大切です。

参考資料

この記事が、多くの方々にとって役立つ情報源となり、早期発見と適切な治療の一助となることを願っています。