胸膜中皮腫手術の違い-知っておくべき選択肢とその効果

胸膜中皮腫は非常に難治性のがんであり、主にアスベスト露出によって引き起こされます。胸膜中皮腫の手術には「胸膜外肺全摘術(EPP)」と「胸膜切除剝皮術(P/D)」の二つの選択肢があります。それぞれの手術の特徴と、そのメリットおよびデメリットについて詳しく見てみましょう。

序論

胸膜中皮腫は胸膜に発生するまれな悪性腫瘍です。アスベストの長期吸入が主な原因とされており、症状が進行するまで気づかれないことが多いのが特徴です。この病気は進行が早く、治療も困難を極めますが、その中で手術は治療の一つの柱となっています。

主な手術方法には胸膜外肺全摘術(EPP)胸膜切除剝皮術(P/D)の二つがありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。この点を理解し、自分に合った治療を選ぶことが重要です。

専門的な助言

本記事で紹介する内容は、ベルランド総合病院 呼吸器外科 部長の岡部 和倫先生による解説を基にしています。信頼できる情報源から引用し、お伝えいたします。

胸膜外肺全摘術(EPP)の詳細

高度な手術

胸膜外肺全摘術(EPP)は、胸膜、肺、心膜、横隔膜をすべて摘出する手術です。この手術は高い技術と豊富な経験を持つ術者でないと実施が困難であり、術後の管理も非常に注意を要します。

腫瘍減量効果の高さ

胸膜外肺全摘術(EPP)は、がんの再発リスクを減らすために放射線療法や化学療法を併用します。このため、腫瘍減量効果が高く、他の手術方法よりも再発率が低いと言われています。

適用可能性の制限

しかしながら、この手術はすべての患者に適用できるわけではありません。以下の条件に該当する場合、胸膜外肺全摘術(EPP)は適用できません:
呼吸機能や心機能の低下
– 重い喘息や重度の糖尿病
心筋梗塞や脳出血の既往歴

適用可能な患者は、心臓や肺の機能が良好で、大きな合併症がない人に限られます。

治療成績の良好性

世界肺癌学会(IASLC)のデータによると、ステージⅠの胸膜中皮腫患者での生存期間中央値は、胸膜外肺全摘術(EPP)が40か月、胸膜切除剝皮術(P/D)が23か月です。このデータからも、EPPを第一選択とすることが多いのです。

胸膜切除剝皮術(P/D)の特徴

石原適応の患者にも実施可能

一方、胸膜切除剝皮術(P/D)は胸膜のみを切除する手術であり、肺は残されます。そのため、体への負担が少なく、呼吸機能が維持できる利点があります。

腫瘍減量効果の低さ

しかし、腫瘍減量効果は胸膜外肺全摘術(EPP)と比べて低いため、再発リスクが高くなることが多いです。放射線療法を併用できない場合もあり、その点で限界があります。

手術時間と出血量

また、胸膜切除剝皮術(P/D)は手術時間が長く、出血量も多いため、術中管理が重要です。しかし、手術後の回復期間が比較的短いため、多くの患者に適応される選択肢となります。

2つの手術、どちらを選択する?

医師によって異なる見解

胸膜外肺全摘術(EPP)胸膜切除剝皮術(P/D)の選択については、医師によって見解が異なります。胸膜外肺全摘術(EPP)で良い成績を出している医師はその方法を選択しやすいですが、一方でP/Dを第一選択とする医師もいます。

手術方法の検討

結局のところ、手術方法は術者の技術施設の設備患者の状態など、多くの要素を考慮して決定されます。一概にどちらの方法が優れているとは言えないため、担当医と十分に相談することが重要です。

中皮腫の手術は確立されていない?

未確立の理由

胸膜中皮腫の手術法は未確立で、その効果が明確に証明されていないのが現状です。理由としては以下が挙げられます:
症例数の少なさ: 症例の比較が難しい
病理診断の難しさ: 診断の質が病院により異なる
術者の技術差: 治療の品質が術者に大きく依存する

経験豊富な医師の判断が必要

手術の成功率を上げるためには、経験豊富な施設で治療を受けることが大切です。実績のある医師のもとで手術を受けることで、少しでも負担を減らし、成功率を高めることが期待できます。

手術を受けられた患者さんへのメッセージ

残った肺を大事に

手術後は残った肺を大事にすることが重要です。例えば、寝たまま飲食を行うと誤嚥(ごえん)のリスクが高まり、肺炎を引き起こす恐れがあります。できる限り体を動かし、体力を維持する努力も欠かせません。

気になることは専門医に相談

治療後も気になることがあれば、早めに専門医に相談することが重要です。痛みや不安を放置せず、専門の医療機関で相談するよう努めましょう。

胸膜中皮腫に関連する一般的な質問

1. 手術後に再発の可能性はどの程度ありますか?

回答:

胸膜中皮腫の再発率は高いとされています。手術のタイプや術後管理の方法によって異なりますが、再発のリスクは常に考慮する必要があります。

説明:

胸膜中皮腫は非常に攻撃的で再発しやすい腫瘍です。胸膜外肺全摘術(EPP)を受けた場合でも、放射線や化学療法を追加して再発リスクを下げる努力が必要です。

ガイド:

再発を防ぐためには、定期的な検診が欠かせません。早期発見が非常に重要であり、小さな異変も見逃さないようにしましょう。また、生活習慣の見直しや、医師からのアドバイスを守ることも大切です。

2. 術後の生活で注意すべきことは何ですか?

回答:

術後の生活では、肺の機能を保つためのケアが重要です。適切な運動や誤嚥の防止など、多くの注意点があります。

説明:

中皮腫の手術後は、呼吸機能の維持が非常に重要です。呼吸リハビリや、栄養状態の管理も大切です。無理をせず、医師と相談しながら自分に適したケアを行うようにしましょう。

ガイド:

術後は定期的にリハビリを行い、肺機能を維持する努力が必要です。散歩や軽い運動から始め、少しずつ体力をつけていきましょう。また、食事の際は誤嚥を防ぐために、座った状態で食べるように心がけてください。

3. 中皮腫の最新の治療法について教えてください。

回答:

中皮腫の治療法は日々進化しています。免疫療法新しい化学療法剤の導入により、治療成績が向上することが期待されています。

説明:

最近では、免疫チェックポイント阻害薬などの新しい治療法が注目されています。これらの治療法は従来の治療法とは異なり、がん細胞に対する免疫反応を強化するものです。

ガイド:

最新の治療法については、専門医に相談し、自分に合った治療法を見つけることが大切です。新しい治療法の臨床試験にも参加することを検討してみてください。

結論と推奨事項

結論

胸膜中皮腫の手術には、胸膜外肺全摘術(EPP)胸膜切除剝皮術(P/D)の二つの大きな選択肢があります。それぞれの手術にはメリットとデメリットがあり、自分に最適な手術を選ぶために、十分な情報を収集し、専門医とよく相談することが重要です。

推奨事項

特に経験豊富な医師のもとで治療を受けることが、成功率を高めるための重要な要素です。再発リスクも高いため、術後の定期的な検診や、生活習慣のケアも欠かせません。新しい治療法についても積極的に情報収集し、自分に最適な治療法を見つける努力を続けてください。

参考文献