序論

母児感染症とは、妊娠中や出産時に母親から胎児や新生児に感染する病気の総称です。妊娠という特別な時期には、様々な感染症が胎児や新生児に悪影響を及ぼす可能性があるため、この時期についての知識と予防策が非常に重要です。普段は無害とされる病原体でも、特に妊婦にとってはリスクが高まることが少なくありません。

この記事では、母児感染症の主な種類と、それに対する具体的な予防方法について解説していきます。読者が安心して妊娠期を過ごせるよう、必要な情報をわかりやすく提供しますので、ぜひ最後までお読みください。

母児感染症の概要

母児感染症の主な種類とは?

母児感染症の中には予防法が確立されているものもあります。以下に代表的なものを挙げて、その予防法を紹介します。

B型肝炎

B型肝炎はウイルスによって引き起こされる感染症で、出産時に母親から新生児に感染することが多いです。慢性肝臓病の発症を引き起こし、重症化すれば肝がんのリスクもあります。予防としては、母親がB型肝炎ウイルスを保有している場合、新生児に免疫グロブリンを投与し、ワクチン接種を行うことで感染を予防できます。

性器ヘルペス

性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルスによって発症し、妊娠中や出産時に母親から新生児に感染するリスクがあります。特に出産時の産道感染が問題であり、感染すると新生児に重篤な症状を引き起こす可能性があります。予防としては、外陰部にヘルペスがある場合は帝王切開を選択することが有効です。また、口唇にヘルペスがある場合はマスクや手洗いを徹底し、新生児への接触を控えることが推奨されます。

HIV感染

HIV感染による母児感染も深刻な問題です。妊婦がHIVに感染していると、妊娠中に胎児に感染する、または分娩時に感染するリスクがあります。近年の抗HIV薬の進歩により、妊婦と新生児に適切な薬剤を投与することで感染リスクを大幅に低減できます。分娩方法としては、ウイルス量が低ければ経腟分娩も考慮されるようになっていますが、一般的には帝王切開が選択されます。

B群連鎖球菌(GBS)

B群連鎖球菌(GBS)は常在菌でありながら、新生児に感染すると重篤な症状を引き起こすことがあります。妊娠後期に行われるスクリーニング検査で母親が保菌しているか確認し、保菌していた場合には分娩時に抗生物質の点滴を行うことで、新生児への感染を防止します。

風疹

風疹は胎盤を通じて胎児に感染し、先天性風疹症候群を引き起こすことが知られています。風疹の抗体を持っていない妊婦は、周囲の人々から風疹が感染するリスクがあるため、妊娠前にワクチンを接種しておくことが望ましいです。また、家族や周囲の人々も風疹の抗体を持っているか確認し、ワクチン接種を行うことが推奨されます。

クラミジア感染症

クラミジアは性感染症の一種で、妊婦が感染していると新生児に感染が及ぶリスクがあります。妊婦検診でスクリーニングを行い、感染が確認された場合には抗生物質で治療することが重要です。また、パートナーも同時に治療を受ける必要があります。

参考文献

  1. 東京大学医学部附属病院 女性診療科・産科、永松健先生のインタビュー記事。
  2. Medical Note (https://medicalnote.jp/)
  3. 日本産科婦人科学会 (http://www.jsog.or.jp/)
  4. 国立国際医療研究センター (http://www.ncgm.go.jp/)
  5. CDC(Centers for Disease Control and Prevention): 母児感染症に関する報告書 (https://www.cdc.gov/)

専門的な助言

母児感染症の予防と対策には正しい知識と適切な行動が不可欠です。妊娠中の女性、特にこれから出産を控えている方々には、自分や赤ちゃんの健康を守るためにこの記事で紹介した予防策を実践していただきたいと思います。