間質性肺炎かんしつせいはいえん / Interstitial pneumonia
最終更新: 2026年7月 | 編集: JHO編集部(AI技術活用・公的資料に基づく)
✦ 結論から言うと
間質性肺炎とは、肺の奥にある無数の肺胞の壁(間質)に炎症や傷が起こり、壁が厚く硬くなること(線維化)でガス交換がうまくできなくなる病気の総称であり、詳しく調べても原因を特定できないものは「特発性間質性肺炎(IIPs)」と呼ばれ、厚生労働省の指定難病85に指定されている[1][2]。IIPsの中で最も頻度が高いのは特発性肺線維症(IPF)で、50歳以上の喫煙歴がある人に多く、痰を伴わない乾いた咳と体を動かしたときの息切れが徐々に強くなっていく[1][3]。数日〜1か月以内に息切れが急激に悪化する場合は「急性増悪」と呼ばれる危険な状態であり、ただちに専門の医療機関を受診する必要がある[1][2][3]。
| 原因 | 特発性間質性肺炎(IIPs)そのものは原因不明。ただし間質性肺炎全体で見ると、膠原病(関節リウマチ・皮膚筋炎など)、職業・環境性のカビやトリなどの抗原の慢性吸入、薬剤・漢方薬・サプリメントなど、原因が判明しているものも多く含まれる[3] |
|---|---|
| 主な症状 | 痰を伴わない乾いた咳(乾性咳嗽)、体を動かしたときの息切れ(労作時呼吸困難)。進行するとばち指、安静時の息切れ、体重減少がみられることもある[1][2] |
| 受診の目安 | 乾いた咳や息切れが数週間以上続く場合、または数日〜1か月以内に急激に息切れが悪化した場合は、様子を見ずに呼吸器内科をすぐ受診[1][2] |
間質性肺炎とは?原因と息切れが出る仕組み
肺は、「肺胞」と呼ばれるブドウの房のような小さな袋がたくさん集まってできている。健康な肺胞は壁がとても薄く、その壁(間質)の中を毛細血管が走っており、吸った空気中の酸素が血液に取り込まれ、同時に血液中の二酸化炭素が肺胞の中に排出される「ガス交換」がスムーズに行われる[1][3]。
間質性肺炎では、さまざまな原因によってこの肺胞の壁に炎症や損傷が起こり、壁が厚く硬くなる「線維化」が進む。線維化がさらに進んで肺が硬く縮むと、気道が代償性に広がり、蜂の巣に似た穴だらけの状態(蜂巣肺)になることがあり、胸部CTで確認できる[1][3]。壁が厚くなればなるほど、空気中の酸素が血液に届きにくくなるため、はじめは体を動かしたときだけ感じていた息切れが、進行すると安静にしていても感じるようになる[1]。
間質性肺炎の原因は多岐にわたる。関節リウマチや皮膚筋炎などの膠原病(自己免疫疾患)に伴って起こるもの、職業上・生活上のカビやトリなどの抗原を慢性的に吸い込むことで起こるもの、病院で処方される薬剤・漢方薬・サプリメントなどの健康食品によって起こるもの(薬剤性肺障害)、粉じんの慢性吸入によるじん肺など、原因がわかっているものが少なくない。これらをすべて丁寧に調べても原因が特定できない間質性肺炎だけを「特発性間質性肺炎(IIPs)」と呼ぶ[3]。IIPsはさらに、大きく「主要な特発性間質性肺炎」(頻度の異なる6つの病型)・「まれな特発性間質性肺炎」(2つの病型)・「分類不能型特発性間質性肺炎」の3グループ、合計9つの病型に細分類される[2][3]。分類にあたっては、外科的肺生検(胸腔鏡下肺生検または開胸肺生検)で得られる組織パターン(UIP・NSIP・OP・DIPなど)に基づいて細分類する方法と、生検を行わずHRCT所見を中心とした臨床情報から細分類する方法の2通りが定められている[2]。
出典:日本呼吸器学会 市民のための医療コラム D-01 特発性間質性肺炎[1]/難病情報センター 特発性間質性肺炎(指定難病85)[3]/厚生労働省 指定難病85 概要[2]
診断の目安となる数値・基準
特発性間質性肺炎(IIPs)は、症状・血液検査・呼吸機能検査・画像検査を組み合わせて診断される。厚生労働省の指定難病85の診断基準では、以下の項目を満たし、かつ膠原病や薬剤性など原因が明らかな間質性肺炎を除外したうえで、「Definite(組織診断群)」または「Probable(臨床診断群)」のいずれかに該当するものを特発性間質性肺炎と診断する[2]。
| 検査・項目 | 陽性とする基準 | 備考 |
|---|---|---|
| 主要症状・理学所見 | 4項目中2項目以上 | 捻髪音(fine crackles)/乾性咳嗽/労作時呼吸困難/ばち指[2] |
| 血清学的検査 | 3項目中1項目以上 | KL-6上昇/SP-D上昇/SP-A上昇[2] |
| 呼吸機能検査 | 3項目中1項目以上 | 拘束性障害(%VC<80%)/拡散障害(%DLCO<80%)/低酸素血症(安静時PaO2 80Torr未満・安静時AaDO2 20Torr以上・6分間歩行時SpO2 90%未満のいずれか)[2] |
| 胸部HRCT | 両側性に1項目以上 | 網状影/すりガラス影/浸潤影(コンソリデーション)[2] |
| 患者数(令和元年度医療受給者証保持者数) | 15,301人 | 指定難病85全体(IIPs 9疾患合計)の数値[2] |
| 有病率(全国データベース・2019年) | 人口10万人対 約23人 | 発症率は人口10万人対 約6.5人。これは特発性肺線維症(IPF)単独の数値[3] |
出典:厚生労働省「指定難病85 特発性間質性肺炎」診断基準[2]/難病情報センター 特発性間質性肺炎(指定難病85)FAQ[3]
特発性肺線維症(IPF)だけを診断する場合は、さらに胸部HRCTで「肺底部・胸膜下優位の陰影分布」「牽引性気管支・細気管支拡張を伴う網状影」「蜂巣肺」の3所見のうち、蜂巣肺を含む2所見以上を満たすと「確実」、蜂巣肺を含まない2所見のみだと「疑い」と判定される、より詳しい臨床診断基準が別に定められている[2]。この診断には、呼吸器専門医・胸部放射線診断医・肺病理専門医の3者による集学的検討(MDD)が推奨されている[2]。
この基準は変わってきている:指定難病85の医療受給者証保持者数は、平成24年度時点では7,367人だったのに対し、令和元年度時点では15,301人と2倍以上に増えている[5][2]。この間にIIPsの分類は7疾患から9疾患へと細分化され、主要症状・理学所見の基準は「捻髪音を含む2項目以上」から「4項目中2項目以上(捻髪音を含まなくてもよい)」へ、呼吸機能検査の基準も「2項目以上」から「1項目以上」へとゆるやかになった。血清マーカーの項目からはLDHが外れ、KL-6・SP-D・SP-Aの3項目に整理されている[5][2]。一方で、医療費助成の対象となる重症度分類「Ⅲ度以上」という線引き自体は、旧基準・現行基準を通じて変わっていない[5][2]。患者数の増加は、病気そのものが急に増えたというより、診断基準の整理や認知度の向上によって、これまで見過ごされていた患者が診断されるようになった影響も大きいと考えられる。
特発性肺線維症(IPF)・過敏性肺炎・膠原病肺・薬剤性肺障害との見分け方
「間質性肺炎」という診断名だけでは、実はどの型なのかがわからない。指定難病85の医療費助成の対象になるのは、詳しく調べても原因が特定できない「特発性間質性肺炎(IIPs)」9疾患だけであり、原因が判明している間質性肺炎は指定難病85には含まれない[2]。この「原因がわかっているかどうか」が最初の分かれ道になる。
| 項目 | 特発性肺線維症(IPF) | 過敏性肺炎 | 膠原病に伴う間質性肺炎 | 薬剤性肺障害 |
|---|---|---|---|---|
| 原因 | 不明(特発性)[2] | カビ・トリなどの抗原を慢性的に吸入[3] | 関節リウマチ・皮膚筋炎などの膠原病(自己免疫疾患)[3] | 病院で処方される薬剤・漢方薬・サプリメントなど[3] |
| 指定難病85(医療費助成)の対象か | 対象(IIPs 9疾患のひとつ)[2] | 対象外(原因が判明しているため除外診断の対象)[2] | 対象外(同上。ただし原疾患の膠原病自体が別の指定難病に該当する場合がある)[2] | 対象外(同上)[2] |
| 治療の第一選択 | 抗線維化薬(ピルフェニドン・ニンテダニブ)[1][2] | 今回参照した資料には、過敏性肺炎・膠原病肺・薬剤性肺障害それぞれの第一選択治療についての詳しい記載は見当たりませんでした。指定難病85以外のIIPs(NSIP・COPなど)ではステロイド薬がまず使われることが多いとされている[2] | ||
見分けるカギ:過敏性肺炎・膠原病肺・薬剤性肺障害は、問診でカビ・トリなどへの曝露歴、関節痛や皮疹などの膠原病を示唆する症状、薬剤の使用歴を確認すれば「原因」にたどり着ける可能性がある。これらをすべて除外してもなお説明がつかないときにはじめて「特発性」と診断される、という順番が診断基準そのものに組み込まれている[2]。
IIPsの中でも病型ごとにHRCTの見え方が違う:同じ「特発性間質性肺炎」と診断されても、9つの病型のうち代表的な3つは胸部HRCTの見え方が異なる。特発性肺線維症(IPF)は、典型的にはのう胞が蜂の巣状に集まる「蜂巣肺」という所見を示す。特発性非特異性間質性肺炎(NSIP)は、肺野の末梢部分よりもやや内側にすりガラス状の陰影を認め、線維化を示す牽引性気管支拡張を伴うこともある。特発性胸膜肺実質線維弾性症(iPPFE)は、上肺野の胸膜下に濃厚な陰影と牽引性気管支拡張を認める、という特徴がある[1]。また診断時にはこれら9疾患のうち、頻度からいえばIPF・NSIP・特発性器質化肺炎(COP)の3疾患のいずれかに診断されることがほとんどである[3]。
出典:厚生労働省 指定難病85 診断基準・鑑別診断[2]/難病情報センター FAQ[3]/日本呼吸器学会 D-01(図1)[1]
経過と治療:時期別のケア
特発性肺線維症(IPF)とIPF以外のIIPs(8疾患)とでは、治療方針が基本的に異なる[2]。
①無症状・ごく軽症の段階:胸部HRCTで蜂巣肺の所見が確認されても自覚症状がなく安定している場合は、無治療のまま経過観察を行うこともある。喫煙者であればまず禁煙し、数か月単位で進行の程度を見ることもある[2][3]。
②症状が進行してきた段階:咳や労作時呼吸困難が悪化してきた場合は、専門医による本格的な治療が必要になる。IPFでは抗線維化薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ)が中心となり、臨床試験では肺活量の年あたりの低下(進行の速さ)を半分程度に抑える結果が示され、国内外のガイドラインで使用が提案(条件付きで推奨)されている[1][3]。IPF以外のIIPs(NSIP・COPなど)では、診断当初から病状に応じてステロイド薬や免疫抑制薬が使われることが多く、それでも進行性の線維化がみられる患者には、ニンテダニブが有効との報告もある[1]。病気が進行し、酸素を十分取り込めなくなった場合には在宅酸素療法や呼吸リハビリテーションが行われる[3]。
③急性増悪の段階:経過中に、数日〜1か月以内という短期間で息切れが急激に悪化することがあり、これを「急性増悪」と呼ぶ。IPFで最も多いが、他の病型のIIPでも起こりうる[1][3]。急性増悪を起こした場合は、緊急入院のうえ急性呼吸窮迫症候群に準じた治療(ステロイドパルス療法など)が行われる[1][2]。
合併症への対応:間質性肺炎の経過では、肺以外にも注意すべき合併症がある。肺病変の影響で心臓に負担がかかり、肺高血圧や右心不全を起こすことがあり、その場合はあわせて治療が行われる[3]。また、喫煙歴のある間質性肺炎の患者、とくに肺気腫を合併した肺線維症(気腫合併肺線維症)の患者は肺がんを合併しやすいことが知られており、病状が安定していても定期的な検査を受けることが勧められている[2][3]。年齢が比較的若いにもかかわらず呼吸不全に至るような患者では、一定の厳しい基準を満たすことを確認したうえで、肺移植の適応も検討される[3]。
予後(生存期間)についての数字の違い:「IPFの生存期間」という同じテーマでも、参照する資料によって数字が異なって見える。これは資料が嘘をついているのではなく、①数える起点が「診断が確定した日」なのか「初めて受診した日」なのか、②対象にした患者集団や調査年が異なるためである。日本呼吸器学会の市民向けページによれば、生存期間中央値は診断確定から欧米では28〜52か月、わが国では35か月(約3年)とされ[1]、厚生労働省の指定難病85概要は「診断確定後の平均生存期間は3〜5年間」としている[2]。一方、難病情報センターのFAQは「欧米の報告では診断確定から28〜52か月、わが国の報告では初診時から61〜69か月」と、起点を明示したうえでより長い数字を紹介している[3]。いずれの資料も、経過には患者ごとに大きな個人差があり、正確な予測は困難であるとしている[1][2][3]。また急性増悪を起こした後の生存期間は、2か月以内ときわめて厳しいとされている[2]。IPF以外のIIPs(急性間質性肺炎AIPを除く)は一般に治療が奏効し、予後はIPFより良好であることが多いが、なかには軽快と増悪を繰り返しながら徐々に悪化する例もある[1][3]。
受診の目安:今すぐ救急外来か、経過観察でよいか
間質性肺炎、とくに特発性肺線維症(IPF)と診断されている人にとって最も注意すべきなのは「急性増悪」である。数日〜1か月以内という短期間で息切れが急激に悪化した場合は危険な状態であり、風邪のような上気道感染がきっかけになることが多い[1][3]。
今すぐ受診(救急外来・呼吸器内科への緊急連絡)が必要な状態:数日〜1か月以内に息切れが急激に悪化した、安静にしていても息苦しい、といった症状がある場合。急性増悪の可能性があり、緊急入院のうえ急性呼吸窮迫症候群に準じた治療(ステロイドパルス療法など)が必要になることがある[1][2]。
早めに専門施設(呼吸器内科)を受診すべき状態:以前より坂道や階段で息切れを感じやすくなった、咳がひどくなってきた、といった変化がある場合。病状がある程度進行している可能性があるため、早めに専門施設に紹介してもらうことが重要とされている[3]。
経過観察でよい状態:自覚症状がなく、健診の胸部X線などで偶然指摘されただけの場合。早期発見のために年1回は健診での胸部X線検査が勧められている[3]。
急性増悪の予防としては、日常の手洗い・うがい、冬季のマスク着用、インフルエンザ・肺炎球菌・新型コロナウイルスなどのワクチン接種が推奨されている[1][3]。
受診する診療科は、間質性肺疾患を専門とする呼吸器内科が基本となる。特発性肺線維症(IPF)の危険因子としては喫煙が最も重要とされているが、加齢や逆流性食道炎も危険因子として挙げられており、咳や息切れとあわせて胸やけなどの逆流症状がある場合は、その旨もあわせて医師に伝えるとよい[3]。
日本とATS/ERS/JRS/ALAT国際ガイドラインの比較
間質性肺炎には、日本国内向けの「重症度分類」(厚生労働省 指定難病85)と、日本呼吸器学会(JRS)も作成に加わった国際ガイドライン「ATS/ERS/JRS/ALAT 2022」が定める「進行性肺線維症(PPF:Progressive Pulmonary Fibrosis)」という、目的の異なる2つのものさしが存在する。この2つを混同すると「重症度が低い=進行していない」と誤解しやすい[2][4]。
| 項目 | 日本(厚生労働省 指定難病85) | 国際(ATS/ERS/JRS/ALAT 2022) |
|---|---|---|
| 何を測るものさしか | 今この瞬間の重さ(安静時動脈血酸素分圧という1時点の「静的」な指標)[2] | 過去1年間で悪化しているかどうか(症状・呼吸機能・画像の変化という「動的」な指標=PPF)[4] |
| 目的 | 医療費助成(指定難病の重症度Ⅲ度以上)を受けられるかどうかの判定[2] | ニンテダニブなど抗線維化薬による治療を始めるべきかどうかの判断材料[4] |
| 対象となる疾患の範囲 | 特発性間質性肺炎(IIPs)9疾患に限定[2] | IPF以外の、線維化を伴うあらゆる間質性肺疾患(膠原病肺・過敏性肺炎など、原因を問わない。IPFはPPFの定義から除外され、別枠で扱われる)[4] |
| 具体的な基準 | 安静時PaO2が60Torr未満(Ⅳ度)〜80Torr以上(Ⅰ度)の4段階。Ⅲ度以上(60Torr以上70Torr未満など)が医療費助成の対象[2] | 過去1年以内に、①症状の悪化 ②FVCが予測値の5%以上低下、またはDLCOが予測値の10%以上低下 ③CT画像での進行、のうち2つ以上を満たすと「PPF」と判定[4] |
「重症度Ⅲ度」は今の状態が重いかどうかを1時点で切り取るものさしであるのに対し、国際ガイドラインのPPFは1年間で悪くなっているかどうかを見るものさしであり、両者は目的も対象疾患も異なる。したがって「重症度がⅢ度に達していない=病気が進行していない」とは限らず、逆にPPFの基準を満たしても指定難病85の医療費助成の対象になるとは限らない。この違いは、日本の指定難病制度だけを見ている医師には見落とされやすい点である[2][4]。
なお、国際ガイドラインではIPF以外のILDで進行性の線維化(PPF)が見られた場合、ニンテダニブの使用が条件付きで推奨されているのに対し、ピルフェニドンについては「さらなる研究が必要」とされ、まだ推奨には至っていない。両薬剤ともIPFそのものに対してはすでに確立した治療薬である、という点との違いにも注意が必要である[4]。
出典:厚生労働省 指定難病85 概要・重症度分類[2]/Raghu G, et al. ATS/ERS/JRS/ALAT 2022 Clinical Practice Guideline[4]
医療費の目安
特発性間質性肺炎(IIPs)は厚生労働省の指定難病85であり、重症度分類がⅢ度以上(安静時動脈血酸素分圧60Torr以上70Torr未満、または6分間歩行時の最低SpO2が90%未満などの基準)と判定されると、医療費助成の対象になる[2]。
見落とされやすい点として、重症度分類が上記の基準に一定以上該当しない、いわゆる「軽症」の患者であっても、高額な医療を継続する必要がある場合には医療費助成の対象になるという特例(軽症高額)が、厚生労働省の資料に明記されている[2]。この特例を知らないまま「重症度が足りないから対象外」と自己判断してしまうケースがあるため、抗線維化薬などで医療費がかさんでいる場合は、重症度分類の数字だけで諦めず、主治医や医療機関の相談窓口に確認することが重要である。
また、重症度分類の判定は診断された時点の1回だけで終わりではない。治療開始後の重症度分類は、適切な医学的管理のもとで治療が行われている状態であって、直近6か月間で最も悪かった状態を医師が判断することになっている[2]。したがって、治療によって一時的に状態が改善しても、直近6か月の最悪期の記録が重症度分類の判定に使われるため、症状や検査値の記録をこまめに医療機関へ伝えておくことが、医療費助成の判定において重要になる。
| 適用時期 | 年収の目安 | 計算式 | 100万円の場合 |
|---|---|---|---|
| ~2026年7月診療分 現行 | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% | 87,430円 |
| 2026年8月診療分から 見直し後(第1段階) | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 85,800円+1%(PDF原文の表記) | 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small> |
| + 年間上限 53万円(新設) | |||
※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は
厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF)
|JHO確認日:2026-07-16
出典:厚生労働省 指定難病85 概要・重症度分類の留意事項[2]
よくある質問(FAQ)
特発性間質性肺炎は治りますか?
なぜ「特発性」と呼ぶのですか?
特発性間質性肺炎の患者数はどれくらいですか?
どんな人がかかりやすいですか?
遺伝しますか?
間質性肺炎の余命(生存期間)はどれくらいですか?
急性増悪とは何ですか?どんなときに危険ですか?
指定難病85の医療費助成はどんな人が対象ですか?
間質性肺炎と肺線維症は同じ病気ですか?
日常生活で気をつけることはありますか?
間質性肺炎があると肺がんになりやすいのですか?
肺移植は受けられますか?
間質性肺炎に関する記事一覧
記事一覧 5件
検査・数値 1
食事・生活 1
治療・薬 3
特発性肺線維症(IPF)の発症にどの遺伝子異常がどの程度関与しているか、また過敏性肺炎・膠原病肺・薬剤性肺障害それぞれのHRCT典型像の詳細については、今回参照した資料には詳しい記載が見当たりませんでした。原因の解明は現在も研究が続けられている分野です[2][3]。
参考文献
- 日本呼吸器学会「市民のための医療コラム D-01 特発性間質性肺炎」2025年9月改訂 jrs.or.jp/citizen/disease/d/d-01.html
- 厚生労働省「指定難病85 特発性間質性肺炎」概要・診断基準・重症度分類(令和元年度患者数) mhlw.go.jp/content/10905000/001173504.pdf
- 難病情報センター「特発性間質性肺炎(指定難病85)」病気の解説・よくある質問と回答 nanbyou.or.jp/entry/156
- Raghu G, Remy-Jardin M, Richeldi L, et al. Idiopathic Pulmonary Fibrosis (an Update) and Progressive Pulmonary Fibrosis in Adults: An Official ATS/ERS/JRS/ALAT Clinical Practice Guideline. Am J Respir Crit Care Med. 2022;205(9):e18-e47. PMID 35486072 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35486072
- 厚生労働省「指定難病85 特発性間質性肺炎」旧基準・概要(平成24年度患者数時点) mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou…/0000089948.pdf
