咽頭がん
最終更新: 2026年7月 | 編集: JHO編集部(AI技術活用・公的資料に基づく)
✦ 結論から言うと
咽頭がんは、鼻の奥から食道の入り口までの約13cmの管である「咽頭」にできるがんの総称で、発生する場所によって上咽頭がん・中咽頭がん・下咽頭がんの3つに分かれ、原因も症状も治療も異なります[1][2][3]。上咽頭がんはEBウイルス、中咽頭がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)、下咽頭がんは喫煙・飲酒との関連が指摘されており、いずれも初期は無症状のことが多く、首のしこりで気づかれることも少なくありません[1]。5年相対生存率は部位によって66%〜54%と差があり、早期発見が予後を大きく左右します[10]。
| 主な原因 | 上咽頭=EBウイルス/中咽頭=HPV・喫煙・飲酒/下咽頭=喫煙・飲酒[1][2][3] |
|---|---|
| 主な症状 | 初期は無症状のことが多く、進行すると首のしこり・のどの違和感・声の変化・耳の痛みなど[1][2][3] |
| 受診の目安 | 2週間以上続く咽頭痛・飲み込みにくさ・片側だけの首のしこり・血の混じった鼻水や痰 |
咽頭がんとは?上咽頭・中咽頭・下咽頭でどう違う
「咽頭(いんとう)」は、鼻の奥から食道の入り口までをつなぐ、筋肉と粘膜でできた長さ約13cmの管です[1]。呼吸のときは空気が、食事のときは食べ物や飲み物が、この同じ通り道を通過します。この咽頭は、上から順に3つの領域に分けられます。
上咽頭(じょういんとう)は、鼻の奥、口蓋垂(のどちんこ)と口蓋扁桃より上にあたる部分です[1]。中咽頭(ちゅういんとう)は、咽頭の中間にあたる部分で、軟口蓋(口の天井の奥側)、口の奥の突き当たりの壁、口蓋扁桃、舌の付け根(舌根)が含まれます[2]。下咽頭(かいんとう)は咽頭のもっとも下の部分で、すぐ下にある喉頭(発声を担う器官)に隣接し、下は食道につながります[3]。
3つの部位はわずか数cmしか離れていませんが、隣接する臓器や粘膜の性質が異なるため、がんの原因になりやすいウイルスや生活習慣、できやすい組織型(ほとんどが扁平上皮がん[3])、進行の仕方まで別物として扱われます。この違いを理解することが、症状に気づいたときにどの診療科・どの検査を受けるべきかを判断する第一歩になります。
国立がん研究センター がん情報サービス「上咽頭がん」「中咽頭がん」「下咽頭がん」(原因・治療方針)および日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の統計(患者数・生存率)をもとにJHO編集部が作図[1][2][3][4][6][7][8][9][10]
原因:EBウイルス・HPV・喫煙飲酒、部位ごとに違う理由
上咽頭がんの発生には、EBウイルス(エプスタイン・バール・ウイルス)と呼ばれるウイルスが関連するものと、喫煙や飲酒が関連するものが多いとされています[1]。EBウイルスは日本人の成人の多くが感染している一般的なウイルスですが、上咽頭がんの発生に関わっていることが分かっています。
中咽頭がんの発生には、喫煙や飲酒のほか、子宮頸がんの原因として知られているヒトパピローマウイルス(HPV)感染が原因となっているものもあることが分かっています[2]。HPV関連の中咽頭がんは、そうでないものに比べて予後がよいことが知られており[5]、治療方針を考えるうえでも重要な情報です。
下咽頭がんの主な原因は喫煙や飲酒です[3]。喫煙や飲酒は下咽頭以外にも、口腔・喉頭・食道など複数の臓器に同時にがんを発生させるリスク(重複がん)を高めるため、同じ生活習慣が複数の臓器に影響することが多いとされています[3]。
| 部位 | 主な原因 | 特徴 |
|---|---|---|
| 上咽頭がん | EBウイルス/喫煙・飲酒 | ウイルス関連の比率が比較的高い[1] |
| 中咽頭がん | HPV/喫煙・飲酒 | HPV陽性は予後がよい傾向[2][5] |
| 下咽頭がん | 喫煙・飲酒 | 重複がんのリスクが高い[3] |
初期症状:3部位とも「無症状」からはじまることが多い
咽頭がんは3部位とも、初期のうちは自覚症状がみられないことが少なくありません[2][3]。進行してから症状が出ることが多いため、以下のような症状が2週間以上続く場合は注意が必要です。
| 部位 | 気づかれやすい症状 |
|---|---|
| 上咽頭がん | 頸部リンパ節転移による首のしこり(最も多い発見のきっかけ)、鼻づまり、鼻血、鼻水に血が混じる、耳のつまった感じ・聞こえにくさ、物が二重に見える・視界のかすみ[1] |
| 中咽頭がん | 飲み込むときの違和感、おさまらない咽頭痛、のどからの出血、口を大きく開けにくい、舌を動かしにくい、耳の痛み、口の奥・のど・首にできるしこり、声の変化[2] |
| 下咽頭がん | 飲み込むときの違和感、むせ込み、おさまらない咽頭痛、のどからの出血、耳の痛み、口の奥・のど・首にできるしこり、声の変化[3] |
出典:国立がん研究センター がん情報サービス 各部位「症状」ページ[1][2][3]
HPV関連の中咽頭がんでは、痛みなどの自覚症状がないまま首のしこり(無痛性の頸部腫瘤)だけが初発症状になる場合もあり、「痛くないから大丈夫」と自己判断できない点に注意が必要です[2]。片側だけに続くのどの違和感や、消えない首のしこりは、風邪や扁桃炎とは区別して考える必要があります。
検査と診断の流れ
上咽頭がんが疑われる場合、鼻腔内視鏡検査で上咽頭の粘膜を直接観察し、異常があれば内視鏡下で組織を採取する生検を行います。首のしこりやほかの部位への転移が疑われる場合は、CT・MRI・PET検査で広がりを確認します[1]。
下咽頭がんでは、触診や内視鏡検査で咽頭を確認し、がんが疑われる場合は組織を採取して詳しく調べる検査(生検)を受けます[3]。あわせてCT・MRI・超音波検査・PET検査などで、がんの広がりや転移の有無を調べます。中咽頭がんでも同様に、内視鏡・生検に加え画像検査で病期を確定します[2]。
中咽頭がんでは、採取した組織を使ってHPV関連の有無を示す「p16」というタンパク質が陽性か陰性かを調べる検査が行われます。これはTNM分類・病期の判定そのものに影響するため、通常の生検とあわせて重要な検査です[5]。
ステージ(病期)分類の考え方
咽頭がんの病期は、いずれの部位もTNM分類という国際的な基準の組み合わせで決まります。Tカテゴリーは原発腫瘍の広がり、Nカテゴリーは頸部リンパ節に転移したがんの大きさと個数、Mカテゴリーはがんができた場所から離れた臓器への転移の有無を表し、これらを組み合わせて0期からⅣ期(上咽頭がんはⅣB期まで)に分類されます[4][6]。
中咽頭がんでは、TNM分類および病期の基準そのものが、HPV関連を示す「p16」というタンパク質が陽性か陰性かによって異なります[5]。同じ大きさ・広がりのがんでも、p16陽性か陰性かで病期の数字が変わることがあるため、「ステージⅢ」という数字だけを他人・他サイトの情報と単純比較しないことが大切です。
| カテゴリー | 意味 |
|---|---|
| T(原発腫瘍) | がんそのものの大きさ・広がり |
| N(リンパ節) | 頸部リンパ節転移の大きさ・個数 |
| M(遠隔転移) | 離れた臓器への転移の有無 |
治療:部位・ステージによって「手術」か「放射線」かが大きく変わる
上咽頭がんは、原発巣の位置が手術で到達しにくい場所にあるため、原発巣そのものを手術で切除することはほとんどなく、Ⅰ期からⅣA期を通して放射線治療を主体とした治療が標準治療です。Ⅱ期〜ⅣA期では、主に放射線治療と薬物療法を併用する化学放射線療法が行われます。ⅣB期のように遠隔転移がある場合は、薬物療法を行うかどうかを検討します[4]。
中咽頭がんは、手術・放射線治療・化学放射線療法・薬物療法(細胞障害性抗がん薬・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬)の中から、がんの進行度や本人の希望、生活環境、体の状態などを総合的に検討して選択します。放射線治療は33〜35回(6〜7週間)の外部照射が一般的です。手術と手術以外の治療法(放射線・化学放射線療法)を比較しても、どちらがよいかはまだ分かっておらず、また、がんがp16陽性か陰性かによって治療の選択が変わることはないとされています[5]。
下咽頭がんは、早期であれば発声機能を担う喉頭を残すこと(喉頭温存)を目指し、放射線による根治的な治療や、喉頭を残す手術(喉頭温存手術)が行われます。がんが進行し喉頭にまで広がっている場合は、喉頭を含めて切除する手術(喉頭全摘出術を伴う場合も)が選択されることがあります。放射線治療は1日1回・週5日を6〜7週間、合計33〜35回受けるのが一般的で、薬物療法(細胞障害性抗がん薬)と組み合わせる化学放射線療法が行われることもあります[6]。
| 部位 | 主な治療の考え方 |
|---|---|
| 上咽頭がん | 放射線治療が主体。ⅡA期以降は化学放射線療法が中心。手術はほぼ行われない[4] |
| 中咽頭がん | 手術/放射線/化学放射線療法/薬物療法から選択。手術と非手術の優劣は未確定[5] |
| 下咽頭がん | 早期は喉頭温存を目指す放射線・手術。進行例は喉頭合併切除も検討[6] |
出典:国立がん研究センター がん情報サービス 各部位「治療」ページ[4][5][6]
喫煙・飲酒が原因である下咽頭がん・中咽頭がんでは、治療後も禁煙・節酒を続けることが、口腔・喉頭・食道などにできる重複がんのリスクを下げるうえで重要とされています[3]。
治療後の生活:飲み込み・声のリハビリと栄養
咽頭は「食べる」「話す」という日常生活に直結する器官であるため、手術や放射線治療のあとは、飲み込み(嚥下)や発声への影響が出ることがあります。放射線治療では、治療中から治療後にかけて口の中や喉の粘膜炎、味覚の変化、口の渇き(唾液分泌の低下)が起こりやすく、十分な水分・栄養をとりにくくなることがあります[4][5]。手術で咽頭や喉頭の一部を切除した場合は、飲み込みの訓練(嚥下リハビリ)や、場合によっては発声方法の再訓練が必要になることがあります。
下咽頭がんで喉頭を含めて切除した場合、声帯そのものを失うため、食道発声や器具を使った発声法など、代わりの発声方法を身につけるリハビリが行われることがあります[6]。治療方針を決める段階で、「治療後にどの機能がどの程度変化する可能性があるか」を担当医・言語聴覚士・栄養士を含めたチームに確認しておくと、治療後の生活のイメージを持ちやすくなります。
喫煙・飲酒が原因に関わる中咽頭がん・下咽頭がんでは、治療そのものの効果を高め、治療後の回復を良くするためにも、診断が確定した時点から禁煙・節酒に取り組むことが勧められています。院内の禁煙外来やアルコール専門外来を利用できる病院もあるため、担当医に相談してみてください。
予防の視点:HPVワクチン・禁煙・節酒でできること
中咽頭がんの一部はHPV感染が関連することが分かっています[2]。子宮頸がんの原因として知られるHPVワクチンは、もともと子宮頸がん予防を主な目的として承認・導入されたワクチンですが、HPVそのものへの感染を防ぐしくみを持つため、HPV関連のほかのがんの予防にも関心が寄せられています。個別の予防効果や接種の適応については、今回参照した国立がん研究センターの上咽頭・中咽頭・下咽頭の各ページには、中咽頭がんとHPVワクチンを直接結びつけた記載は見当たりませんでした。ワクチンの適応や効果については、かかりつけ医や自治体の情報を確認してください。
上咽頭がんの原因の一つであるEBウイルスは、ワクチンによる予防法が確立されているものではなく、現時点で確実な予防手段としては、喫煙・過度の飲酒を避けることが挙げられます[1]。下咽頭がんについても、主な原因である喫煙・飲酒を避けることが、現時点で分かっている最も確実な予防策です[3]。
いずれの部位でも、「原因を完全になくせば絶対にがんにならない」というものではありません。生活習慣を見直すことはリスクを下げる一つの手段であり、症状に気づいたときに早く受診することが、結果として最も予後に影響する行動だと言えます。
生存率と患者数:国立がん研究センターの統計データ
国立がん研究センターの統計によると、2021年に日本全国で上咽頭がんと診断されたのは約760例、中咽頭がんは4,116例、口腔・咽頭がん全体(下咽頭がんを含む)は22,781例、そのうち下咽頭がんは5,162例でした[7][8][9]。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が紹介している頭頸部がん登録(2012年症例、5年間追跡)のデータでは、部位別の5年相対生存率は、上咽頭がん66%、中咽頭がん64%、下咽頭がん54%となっており、頭頸部がんの中では下咽頭がんの生存率がもっとも低く、甲状腺がん(94.7%)がもっとも高いとされています[10]。この数値は2012年症例をもとにした統計であり、診断・治療技術の進歩により、現在の生存率はこれより改善している可能性がある点に留意してください[10]。
| 部位 | 2021年 年間診断数 | 5年相対生存率(2012年症例) |
|---|---|---|
| 上咽頭がん | 約760例[7] | 66%[10] |
| 中咽頭がん | 4,116例[8] | 64%[10] |
| 下咽頭がん | 5,162例[9] | 54%[10] |
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「患者数(がん統計)」各部位ページ[7][8][9]/日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「頭頸部がんについて」(日本頭頸部癌登録2012年症例)[10]
この生存率はあくまで統計上の目安であり、実際の見通しは、がんの広がり(ステージ)、HPV陽性か陰性か、年齢や持病の有無などによって一人ひとり大きく異なります。担当医から提示される数値は、個々の状況を踏まえたものであり、この表の全国平均値とは別に考える必要があります。数字だけを見て一喜一憂するのではなく、自分自身のステージや治療方針について担当医としっかり話し合うことが大切です。
国際的な病期分類との関係
咽頭がんの病期分類に使われるTNM分類は、日本国内だけの基準ではなく、国際対がん連合(UICC)やアメリカがん合同委員会(AJCC)が定める国際的な分類方式を土台にしています[4][6]。国立がん研究センターの各部位ページで示されているT・N・Mカテゴリーの考え方も、この国際基準に沿ったものです。
特に中咽頭がんでは、HPV関連の有無(p16陽性・陰性)によって病期分類そのものが分かれる点は、国際的な分類の改定(AJCC第8版での変更)を反映したものです[5]。これは、同じ「ステージⅢ」という表記でも、HPV陽性のがんとHPV陰性のがんでは、実際のがんの広がりや予後の意味合いが異なることを示しています。
| 項目 | 日本(国立がん研究センター) | 海外/国際(AJCC第8版・国際共同試験) |
|---|---|---|
| 中咽頭がんの病期分類 | p16陽性・陰性で病期分類が異なると説明[5] | 第8版でp16陰性の中咽頭・下咽頭章と、p16陽性(HPV関連)中咽頭がんの章を完全に分離し、N分類の考え方(節外浸潤の扱いなど)もp16陽性では異なる[11] |
| 上咽頭がんの頸部照射範囲 | 放射線治療主体という方針は明記されるが、頸部照射範囲の詳細な記載は今回参照ページには見当たらず | 中国の多施設共同ランダム化比較試験(N0〜1の上咽頭がん446例)では、患側上頸部のみへの選択的照射(UNI)と両側頸部全体への照射(WNI)とで、5年局所領域無再発生存率に有意差がなかった(95.0% vs 94.9%)と報告されている[12] |
この2点からは、日米いずれも同じTNM分類の枠組みを土台にしながら、国際的な臨床試験データに基づいて照射範囲を絞り込む研究が進んでいることが分かります。ただし今回参照した国立がん研究センターの日本語ページには、この頸部照射範囲の詳細な国際比較までは記載がなく、この点は海外の一次資料(学術誌に掲載された臨床試験論文)でのみ確認できた情報です[12]。国際比較の詳細な違いや、自分のケースにどちらの知見が当てはまるかについては、担当医に確認することをおすすめします。
風邪・扁桃炎との見分け方
| 項目 | 咽頭がん(上・中・下) | 風邪・急性咽頭炎 |
|---|---|---|
| 持続期間 | 2週間以上、症状が改善せず続く・悪化する[2][3] | 通常は数日〜1週間程度で軽快 |
| 首のしこり | 片側だけに、痛みを伴わず消えないしこりが多い[1][2] | 両側が腫れることが多く、発熱とともに軽快 |
| 随伴症状 | 声のかすれ、飲み込みにくさ、片側の耳の痛みが長引く[2][3] | 発熱・鼻水・咳など全身のかぜ症状を伴うことが多い |
見分けるカギ:市販薬や安静で2週間経っても症状が改善しない、あるいは片側だけの症状(片側の首のしこり・片側の耳の痛み)が続く場合は、単なる風邪や扁桃炎ではなく耳鼻咽喉科での精密検査を検討すべきサインです。風邪や扁桃炎は通常、発熱や喉全体の痛みなど左右対称に近い症状を伴い、数日から1週間程度で自然に軽快していきます。一方、咽頭がんによる症状は片側性で、痛みを伴わないまま徐々に大きくなるしこりや、長期間改善しない違和感として現れることが多い点が大きな違いです。「いつもの風邪と何かが違う」と感じたときは、様子を見続けるより先に、耳鼻咽喉科で内視鏡検査を受けることをおすすめします。
受診の目安:何科に行けばよいか
咽頭がんが疑われる症状に気づいたら、まずは耳鼻咽喉科(耳鼻咽喉科・頭頸部外科)を受診してください。以下のような症状がある場合は、早めの受診を検討してください[1][2][3]。
- 🟡 のどの違和感・咽頭痛が2週間以上続く、あるいは悪化している
- 🟡 片側だけに、痛みのない首のしこりがあり、消えない
- 🟡 声のかすれ・飲み込みにくさが続いている
- 🔴 鼻血や痰・唾液に血が混じることが繰り返される
- 🔴 首のしこりが急速に大きくなっている、または複数個ある
特に喫煙・飲酒の習慣がある方、HPV感染のリスクがある方は、上記の症状がなくても定期的な耳鼻咽喉科でのチェックを検討する価値があります。症状が軽くても自己判断で様子を見続けず、専門医の診察を受けることが早期発見につながります。
診断後の心構え:セカンドオピニオンと治療チーム
咽頭がんと診断されると、多くの人が大きな不安を感じます。特に上咽頭がん・中咽頭がん・下咽頭がんは、放射線治療科・頭頸部外科・腫瘍内科・歯科口腔外科・言語聴覚士・管理栄養士など、複数の専門職が連携するチーム医療で治療方針が検討されることが多いがんです。担当医から提示された治療方針について疑問や不安がある場合は、遠慮せずに質問することや、必要に応じて別の医療機関でセカンドオピニオンを受けることも選択肢の一つです。
特に中咽頭がんのように「手術と手術以外の治療法のどちらがよいかまだ分かっていない」[5]とされる場面では、担当医と十分に話し合い、生活の質(QOL)への影響や本人の希望を踏まえて治療法を選ぶことが重要です。治療方針で迷ったときは、「なぜこの治療法が勧められるのか」「ほかにどんな選択肢があるのか」「治療後、声や飲み込みにどのような変化が想定されるか」を具体的に尋ねてみてください。
医療費の目安
| 適用時期 | 年収の目安 | 計算式 | 100万円の場合 |
|---|---|---|---|
| ~2026年7月診療分 現行 | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% | 87,430円 |
| 2026年8月診療分から 見直し後(第1段階) | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 85,800円+1%(PDF原文の表記) | 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small> |
| + 年間上限 53万円(新設) | |||
※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は
厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF)
|JHO確認日:2026-07-16
よくある質問(FAQ)
咽頭がんは何科を受診すればいいですか?
上咽頭がん・中咽頭がん・下咽頭がんの違いは何ですか?
咽頭がんの初期症状はどんなものですか?
咽頭がんの原因はHPVですか、それとも喫煙ですか?
咽頭がんの5年生存率はどのくらいですか?
咽頭がんは手術しないこともあるのですか?
HPV陽性の中咽頭がんは予後がよいと聞きましたが本当ですか?
咽頭がんの治療後に気をつけることはありますか?
下咽頭がんになると声は必ず失われますか?
咽頭がんの治療にはどのくらいの期間がかかりますか?
咽頭がんと診断されたら、すぐに仕事を辞めるべきですか?
咽頭がんは何歳くらいの人がなりやすいですか?
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治療・薬 6
合併症・リスク 1
咽頭がんのステージごとの詳しい治療選択や、HPVワクチンと中咽頭がん予防の関係、生存率をさらに高めるための生活面の工夫などについては、今回参照した国立がん研究センターの公的資料には部位横断的な統一見解としての記載が見当たりませんでした。気になる点は担当医に個別に確認することをおすすめします。本記事は上咽頭がん・中咽頭がん・下咽頭がんの全体像を、公的機関の情報をもとに整理したものです。実際の診断・治療方針は、担当医が一人ひとりの検査結果や体の状態を踏まえて判断するものであり、この記事の内容だけで自己判断せず、必ず医療機関で相談してください。
参考文献
- 国立がん研究センター がん情報サービス「上咽頭がん」 ganjoho.jp/public/cancer/nasopharynx/
- 国立がん研究センター がん情報サービス「中咽頭がん」 ganjoho.jp/public/cancer/mesopharynx/
- 国立がん研究センター がん情報サービス「下咽頭がん」 ganjoho.jp/public/cancer/hypopharynx/
- 国立がん研究センター がん情報サービス「上咽頭がん 治療」 ganjoho.jp/public/cancer/nasopharynx/treatment.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「中咽頭がん 治療」 ganjoho.jp/public/cancer/mesopharynx/treatment.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「下咽頭がん 治療」 ganjoho.jp/public/cancer/hypopharynx/treatment.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「上咽頭がん 患者数(がん統計)」 ganjoho.jp/public/cancer/nasopharynx/patients.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「中咽頭がん 患者数(がん統計)」 ganjoho.jp/public/cancer/mesopharynx/patients.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「下咽頭がん 患者数(がん統計)」 ganjoho.jp/public/cancer/hypopharynx/patients.html
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「頭頸部がんについて」(日本頭頸部癌登録2012年症例、5年相対生存率) jibika.or.jp/owned/toukeibu/head_and_neck_cancer_3.html
- “A review of the 8th edition of the AJCC staging system for oropharyngeal cancer according to HPV status”(AJCC第8版レビュー、PMC)2020年 pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7410862
- “Reduced-Volume Irradiation of Uninvolved Neck in Patients With Nasopharyngeal Cancer: Updated Results From an Open-Label, Noninferiority, Multicenter, Randomized Phase III Trial”(Journal of Clinical Oncology)2024年 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38507662
