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子宮の病気

最終更新: 2026年7月 | 編集: JHO編集部(AI技術活用・公的資料に基づく)

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日本産科婦人科学会の解説によると、子宮の病気は大きく、良性の「子宮筋腫」「子宮内膜症・子宮腺筋症」「子宮内膜ポリープ」「子宮脱(骨盤臓器脱)」と、悪性の「子宮体がん」「子宮頸がん」に分かれ、原因も検査も治療も別物です[1]。日本産科婦人科学会によると30歳以上の女性の3割前後が子宮筋腫を持つとされるほどありふれた病気がある一方[1]、閉経後の不正出血は子宮体がんのサインであることが多く、様子見をせず早めの受診が必要です[3]。このページでは子宮の構造から、良性・悪性それぞれの病気の見分け方、受診の目安までを一気に整理し、57本の関連記事への入り口にします。「今の症状が何を意味しているのか分からない」「病院に行くべきか迷っている」という段階の方が、まずこのページだけで大まかな見通しを立てられることを目指しています。

子宮の主な病気(良性) 子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮内膜ポリープ・子宮脱(骨盤臓器脱)など[1]
子宮の主な病気(悪性) 子宮体がん(子宮内膜がん)・子宮頸がん。発生部位も原因も別のがん[3]
特に注意すべき症状 不正出血(とくに閉経後)・月経量の異常な増加・下腹部痛・おりものの変化[4]
受診の目安 閉経後の出血は量にかかわらず早めに産婦人科へ。月経以外の出血が続く場合も同様[4]

子宮とは?体部・頸部・内膜・筋層の位置関係と病気が起こる仕組み

子宮は骨盤の中央にある、鶏卵ほどの大きさの臓器です。日本産科婦人科学会は、子宮は大きく分けて赤ちゃんが育つ袋状の「子宮体部」と、腟につながる細い筒状の「子宮頸部」から成ると説明しています[1]。子宮体部の壁は内側から順に「子宮内膜」(月経のたびにはがれ落ちる粘膜)、「筋層」(子宮の大部分を占める分厚い筋肉の層)、「漿膜」(いちばん外側の膜)の3層構造になっています。

子宮の病気は、この「どの層・どの部位で何が起きているか」で名前と対応が変わります。日本産科婦人科学会の解説では、筋層の中に良性のこぶができれば「子宮筋腫」、子宮内膜と似た組織が子宮の外(卵巣や腹膜など)に飛び火して増えれば「子宮内膜症」、その組織が筋層の中に入り込めば「子宮腺筋症」、子宮内膜自体にポリープ状のできものができれば「子宮内膜ポリープ」とされています[1]。子宮を支える骨盤底の筋肉や靭帯が緩んで子宮そのものが下がってくると「子宮脱(骨盤臓器脱)」になります。日本産科婦人科学会は、がん化する場所によって子宮内膜から発生する「子宮体がん」と、子宮頸部から発生する「子宮頸がん」に分かれると説明しています[3]。

子宮内膜は、毎月のホルモンの変化に合わせて厚くなったり、妊娠が成立しなければはがれ落ちたりする組織で、このはがれ落ちる現象が月経です。子宮の病気の多くが「月経の異常」というかたちで最初のサインを出すのは、子宮内膜がホルモンの影響を強く受ける組織だからです。筋層は子宮のほとんどの体積を占める筋肉組織で、妊娠中は赤ちゃんを育てるために大きく伸び、分娩時には収縮して赤ちゃんを押し出す役割を担います。日本産科婦人科学会の解説をもとに整理すると、子宮筋腫はこの筋層から発生し、子宮内膜症・子宮腺筋症は内膜と似た組織が本来あるべきでない場所(筋層の中や子宮の外)に入り込むことで起こる病気です[2]。


出典:日本産科婦人科学会「子宮内膜症」「子宮筋腫」市民向け解説[1]/国立がん研究センター がん情報サービス「子宮体がん」[3]

子宮の病気にまつわる主な数値・目安

子宮の主な病気の頻度・統計
病気・統計 数値 備考
子宮筋腫の頻度 30歳以上の女性の3割前後 良性腫瘍で、がんではない[1]
子宮内膜症で月経痛を伴う割合 患者の9割 20〜30代で発症が多く、ピークは30〜40歳[2]
子宮内膜症患者のうち不妊に悩む割合 半数近く 不妊症の原因になりうる[2]
子宮体がんの年間罹患数(2023年) 19,945例 人口10万人あたり31.2例[6]
子宮体がんの年間罹患・死亡(学会推計) 罹患 約18,000人/死亡 約2,500人 婦人科がんの中で最も多く、年々増加[3]
子宮体がんの5年相対生存率 81.3% 2009〜2011年診断例の全国集計[6]

出典:日本産科婦人科学会「子宮筋腫」[1]「子宮内膜症」[2]「子宮体がん」[3]/国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計 子宮体部」[6]

良性の病気(子宮筋腫・子宮内膜症)と悪性の病気(子宮体がん)の見分け方

「子宮の病気」と一括りにされがちですが、良性と悪性では命に関わる緊急度がまったく異なります。国立がん研究センターの資料をもとに整理すると、良性の病気は命に直結しにくい一方で長期間にわたり生活の質(QOL)を下げ、悪性の病気は初期のうちに見つけることが生死を分けます[3]。

項目 子宮筋腫(良性) 子宮内膜症(良性) 子宮体がん(悪性)
できる場所 子宮の筋層・粘膜下・漿膜下[1] 卵巣・腹膜など子宮の外(腺筋症は筋層内)[2] 子宮内膜(子宮の内側の粘膜)[3]
主な症状 過多月経、鉄欠乏性貧血、月経痛[1] 強い月経痛(9割)、下腹部・腰の慢性痛、不妊[2] 不正出血(とくに閉経後)が最多の自覚症状[3]
命への影響 基本的にがん化しない良性腫瘍[1] 良性だが進行すると不妊や慢性痛が長期化[2] 全体の5年相対生存率は81.3%で、早期ほど高く進行すると低下[6]
治療の基本方針 薬物療法(ホルモン治療)と手術(筋腫核出術・子宮全摘術)[1] 鎮痛剤・低用量ピル・黄体ホルモン剤、必要に応じ手術[2] 子宮・卵巣卵管・リンパ節の摘出手術が基本[3]

見分けるカギ:日本産科婦人科学会の資料をもとにすると、閉経前の月経痛・過多月経は筋腫や内膜症を疑い、閉経後の出血、または閉経前でも月経と関係のない不正出血が続く場合はがんを念頭に置いて産婦人科を受診することが、良性・悪性を見分ける最初の一歩です[4]。ただし、症状だけで良性・悪性を自己判断することはできません。子宮筋腫があるからといって子宮体がんではないと安心してよいわけではなく、逆に閉経後に出血があってもすぐにがんと決まるわけでもありません。最終的な診断は、経腟エコーや細胞診、必要であれば内膜生検といった検査を組み合わせて医師が行うものであり、この表はあくまで「どちらの可能性を先に考えて受診するか」の目安として使ってください。

子宮筋腫のタイプと治療の選択肢

日本産科婦人科学会によると、子宮筋腫は子宮の筋肉組織からできる良性のこぶで、がんではありません[1]。できる場所によって3つのタイプに分かれます。日本産科婦人科学会は、発生部位により子宮の内側の粘膜のすぐ下にできる「粘膜下筋腫」、子宮の筋肉の中にできる「筋層内筋腫」、子宮のいちばん外側にできる「漿膜下筋腫」の3種類に分類しています[1]。同じ大きさでも、粘膜下筋腫は子宮内膜を圧迫・変形させやすいため過多月経や不妊への影響が出やすく、漿膜下筋腫は月経量への影響が比較的少ない一方で大きくなると周囲の臓器を圧迫することがあります。

主な症状は、月経の出血量が異常に多い過多月経とそれに伴う鉄欠乏性貧血、月経痛です。日本産科婦人科学会によれば、月経以外の異常出血、腰痛、頻尿、不妊症なども生じます[1]。治療は症状の強さ・筋腫の大きさや場所・妊娠の希望の有無によって選択されます。日本産科婦人科学会の解説では、薬物療法としてGnRHの促進剤(アゴニスト、注射剤)や拮抗剤(アンタゴニスト、内服薬)を用いて一時的にホルモンの分泌を抑え、筋腫を縮小させたり症状を軽くしたりするとされています[1]。日本産科婦人科学会によると、手術療法には子宮全体を摘出する子宮全摘術と、筋腫の部分だけを切り取る筋腫核出術があり、開腹手術のほか腹腔鏡下手術や子宮鏡下手術など、体への負担が少ない方法も選択肢になります[1]。症状・治療法・費用をさらに詳しく知りたい方は、子宮筋腫の全知識:症状・原因から最新治療・妊娠への影響まで徹底解説もあわせてご覧ください。

子宮内膜症・子宮腺筋症――強い月経痛と不妊の関係

日本産科婦人科学会は、子宮内膜症とは子宮の内膜組織が何らかの原因で子宮の内側以外の場所(卵巣・腹膜など)に入り込み、発育してしまう病気だと説明しています[2]。日本産科婦人科学会によると、20〜30代の女性で発症することが多く、そのピークは30〜40歳ともいわれています[2]。主な症状は痛みと不妊です。日本産科婦人科学会の解説では、月経痛(月経困難症)は子宮内膜症の患者の9割にみられ、月経でないときも下腹部や腰が痛んだり、排便や性交のときに痛みを感じることもあるとされています[2]。

日本産科婦人科学会は、内膜組織が子宮の筋層の中で増殖するタイプを「子宮腺筋症」として区別しています[2]。子宮内膜症・子宮腺筋症とも、卵巣にチョコレート嚢胞と呼ばれる血液のたまった袋ができることがあり、これが大きい場合は手術が検討されます。日本産科婦人科学会の解説では、妊娠を希望する場合は嚢胞の部分だけを切除して卵巣の正常な部分をできるだけ残す手術が選ばれるとされています[2]。日本産科婦人科学会によると治療は痛みに対する鎮痛剤、低用量ピル、黄体ホルモン剤による薬物療法が中心ですが、同学会は子宮内膜症の患者さんのうち半数近くが不妊に悩むと説明しており[2]、日本産科婦人科学会によれば、妊娠を強く希望する場合は体外受精や顕微授精へ進むことも少なくありません[2]。内膜の構造や役割、内膜症・子宮体がんとの関係をさらに詳しく知りたい方は子宮内膜のすべて|正常な厚さ・役割から不妊、子宮内膜症、子宮体がんの症状・治療まで徹底解説もあわせてご覧ください。

子宮内膜ポリープとは

子宮内膜ポリープは、子宮内膜の一部が茎を持ったこぶ状に増殖してできる、多くは良性の隆起です。不正出血や過多月経の原因になるほか、子宮内腔の形を変えることで着床を妨げ、不妊や不育の一因になることがあります。無症状で健診の経腟エコーで偶然見つかることも少なくありません。症状がある場合や、大きさ・数によっては子宮鏡下でポリープを切除する手術が検討されます。切除した組織は、まれに前がん病変やがんが隠れていないかを確認するため、病理検査に提出されるのが一般的な流れです。

子宮頸部の異常(頸管炎・びらん・異形成CIN)――子宮頸がんとの関係に注意

子宮の入り口である子宮頸部には、感染による炎症(頸管炎)、見た目には赤くただれて見えるが多くは病的意味を持たない「びらん」、そして前がん病変である「子宮頸部異形成(CIN)」など、性質の異なる複数の変化が起こります。この中でとくに注意が必要なのが異形成(CIN)です。

日本産科婦人科学会は、ほとんどの子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因で発生することが分かっていると説明しています[5]。日本産科婦人科学会によると、HPVは性的接触を通じて感染するありふれたウイルスで、性交経験のある女性の大半が一生に一度は感染したことがあるといわれています[5]。日本産科婦人科学会の解説では、HPVが子宮頸部に感染した場合、約10%の方で感染が長期間持続し、感染が自然に治癒しなかった一部の方が子宮頸部異形成という前がん病変を経て、数年後に子宮頸がんへ進行すると考えられています[5]。日本産科婦人科学会の考え方に沿えば、この「感染→持続感染→異形成(CIN)→がん」という段階を踏むため、定期的な子宮頸がん検診で異形成の段階で見つけることが、がんへの進行を防ぐ鍵になります[5]。日本産科婦人科学会は、20歳を過ぎたら症状がなくても国や自治体が定めた方法で子宮頸がん検診を受けるよう勧めています[5]。

びらんや軽度の炎症だけであれば、多くの場合は経過観察や炎症を抑える治療で対応できますが、細胞診でCINの疑いが指摘された場合は、コルポスコピー(拡大鏡で頸部を詳しく観察する検査)や組織診で、前がん病変の程度を確認する流れになります。異形成の程度が軽ければ経過観察となることもありますが、程度が進んでいる場合は、レーザーや電気メスで病変部分を円錐状に切り取る円錐切除術が検討されます。頸部にしこりや硬い部分が見つかった場合の考え方や検査については、次の記事で詳しく解説しています。子宮頸部のしこり――考えられる原因と、症状がない時にこそ知るべき子宮頸がん予防の全知識

子宮脱(骨盤臓器脱)とは

子宮脱は、子宮を支えている骨盤底の筋肉や靭帯が緩み、子宮が腟の方へ下がってくる、進行すると体外に出てくることもある病気です。妊娠・出産(とくに経腟分娩)の負担や、加齢に伴う骨盤底の筋力低下、慢性的な便秘や咳などで腹圧が繰り返しかかることが背景として挙げられます。子宮だけでなく膀胱や直腸が下がってくることもあり、まとめて「骨盤臓器脱」と呼ばれます。恥ずかしさから相談をためらう方も多い病気ですが、決して珍しいものではなく、産婦人科・泌尿器科が連携して対応する体制を持つ病院も増えています。

主な症状は、下腹部の圧迫感や「何かが下がってくる」感覚、股の間に何かが触れる感覚、排尿・排便のしにくさなどです。軽症では骨盤底筋トレーニング(骨盤底筋体操)やペッサリー(腟内に器具を挿入して子宮を支える方法)で経過をみることが多く、症状が強い場合や生活に支障が出る場合は手術が検討されます。産後や更年期以降に症状が出やすいため、それぞれの状況に応じた対応方法を次の記事にまとめています。

子宮脱は治るのか?症状・原因から最新治療法まで/産後子宮脱のすべて

経過と治療:ライフステージ別に気をつけたいこと

子宮の病気は、年代(ライフステージ)によって出やすい病気と考え方が変わります。ここでは発症から治療方針決定までの流れを、年代を軸に整理します。

思春期〜性成熟期(10代後半〜30代):この時期に多いのは月経困難症や子宮内膜症です。日本産科婦人科学会の資料をふまえると、強い月経痛が「よくあること」として見過ごされがちですが、月経痛が年々強くなる、鎮痛剤が効きにくくなるといった変化は子宮内膜症のサインである可能性があり、早めの婦人科受診が将来の不妊予防にもつながります[2]。

妊娠・出産期(20代〜40代):この時期は子宮筋腫や子宮内膜ポリープが不妊や流産のリスク要因として問題になりやすく、また出産(とくに経腟分娩)が子宮脱の背景要因になります。妊娠を希望する場合は、筋腫やポリープの場所・大きさに応じて治療のタイミングを産婦人科医と相談することが重要です。妊娠がわかってから子宮筋腫が急に大きくなったように感じられることもありますが、これはホルモンの影響で筋腫が一時的に腫れるためで、出産後に元の大きさに戻ることも珍しくありません。妊娠経過に影響がないか、担当医が定期的な健診の中で観察していきます。

更年期〜閉経後(40代後半以降):この時期に最も注意すべきなのが不正出血です。国立がん研究センターの資料をふまえると、閉経が近づく時期はホルモンバランスの乱れによる出血も起こりやすくなりますが、閉経後の出血は良性の変化では説明しにくく、子宮体がんの可能性を第一に考えて受診することが求められます[3]。子宮筋腫や子宮内膜症の症状は、閉経に伴うエストロゲンの減少とともに軽快することが多い一方、閉経後に新たに出てきた症状や出血は「年のせい」と自己判断せず、婦人科での確認が必要です。

このように、同じ「不正出血」という症状でも、10代であればホルモンバランスの未熟さによる一時的なもの、20〜30代であれば内膜症や筋腫、40代以降であれば更年期のゆらぎか、あるいは子宮体がんの可能性か、年代によって医師が最初に思い浮かべる病気の優先順位は変わります。だからこそ、受診の際には「いつから」「どれくらいの頻度で」「どんなタイミングで」出血や痛みがあるのかを具体的に伝えることが、正確な診断への近道になります。恥ずかしさや忙しさから受診を先延ばしにする方も多いですが、婦人科の診察は病気を早く見つけて選べる治療の幅を広げるためのものであり、「大したことないかもしれない」と思う段階で相談することは決して大げさな行動ではありません。

子宮体がんと子宮頸がんの違い――同じ「子宮のがん」でも別のがん

日本産科婦人科学会は、「子宮がん」とひとまとめに語られがちですが、子宮体がんと子宮頸がんは発生する部位、主な原因、予防・検診の方法がすべて異なる別のがんだと説明しています[3]。子宮体がんは子宮内膜から発生し、エストロゲン(女性ホルモン)の影響や閉経前後の年代での発症が多いのに対し、子宮頸がんは子宮の入り口である頸部から発生し、多くはヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染が原因となる、性交渉に関連するがんです。子宮頸がんはHPVワクチンと定期的な子宮頸がん検診(細胞診・HPV検査)による予防と早期発見の体制が確立している点が、子宮体がんとの大きな違いです。

治療の考え方にも違いがあります。日本産科婦人科学会によれば子宮体がんは手術(子宮・卵巣卵管・リンパ節の摘出)が治療の基本であるのに対し[3]、子宮頸がんは前がん病変(異形成)の段階であれば病変部分だけを切除する円錐切除術で子宮を温存できる場合があり、進行してからでは手術に加えて放射線治療や化学療法が組み合わされることもあります。どちらも「早期に見つかるほど、子宮を残せる可能性・治癒の可能性が高くなる」という点は共通していますが、たどり着く検査や予防の入り口が異なるため、このハブでは子宮体がんを中心に扱い、子宮頸部・HPVに関する詳細は専門ページに譲ります。

子宮頸がんについては、原因(HPV感染)・予防(ワクチン)・検診方法など専門に扱うページを別に用意しています。頸部の症状やHPV、頸がん検診について詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。

子宮頸がんの真実:最新の予防・検診・治療法のすべてで、頸部のがんについてくわしく解説しています。

主な症状から考えられる病気

「不正出血」「月経量の異常」「下腹部痛」「おりものの変化」は、いずれも複数の病気に共通する症状です。日本産科婦人科学会の資料をもとにすると、同じ症状でも背景にある病気は年代や随伴症状によって変わります[4]。1つの症状だけで病気を特定することはできないため、複数の症状の組み合わせや、症状が出るタイミング(月経周期のどの時期か、閉経の前か後か)を医師に伝えることが、診断の手がかりになります。

症状から考えられる主な病気
症状 考えられる主な病気 備考
不正出血(月経以外の出血) 子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮腺筋症、子宮体がんなど[4] 「重大な病気が潜んでいることもあるので注意が必要」[4]
閉経後の出血 子宮体がんの可能性を第一に考える[3] 量の多少にかかわらず要受診[3]
過多月経・月経痛の悪化 子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症[1] 鉄欠乏性貧血を伴うことがある[1]
排卵前後に起こる少量の出血 月経間期出血(異常子宮出血の一種)[4] ホルモンの変動による場合もある[4]
下腹部の圧迫感・何かが下がる感じ 子宮脱(骨盤臓器脱)[1] 出産や加齢に伴う骨盤底の緩みが背景[1]

出典:日本産科婦人科学会「異常子宮出血と不正性器出血」[4]「子宮筋腫」[1]/国立がん研究センター がん情報サービス「子宮体がん」[3]

検査の種類と流れ

子宮の病気が疑われるときの検査は、まず問診と内診から始まります。問診では月経周期・出血のパターン・妊娠歴・家族歴などを確認し、内診では子宮や卵巣の位置・大きさ・圧痛の有無を医師が直接触れて確認します。この段階で大まかな異常の見当をつけたうえで、次の検査に進みます。

経腟エコー(超音波検査)は、腟の中に細い器具を挿入して子宮や卵巣を映し出す検査で、痛みは少なく、子宮の形・筋腫やポリープの有無・子宮内膜の厚さ・卵巣の腫れなどを確認できる基本的な検査です。細胞診は、日本産科婦人科学会の解説によれば子宮頸部や子宮内膜の細胞をブラシなどで採取し、がん細胞や前がん病変の細胞がないかを顕微鏡で調べる検査で、子宮頸がん検診の中心的な方法です[5]。閉経後の不正出血など子宮体がんが疑われる場合は、子宮内膜の組織を少量採取する内膜生検が行われることがあります。

妊娠を希望していて不妊が疑われる場合には、卵管の通り具合や子宮の内腔の形を確認する子宮卵管造影(HSG)が行われます。造影剤を子宮内に注入してレントゲン撮影する検査で、検査中に一時的な痛みを伴うことがあります。どの検査を選ぶかは、疑われている病気や年代、妊娠を希望するかどうかによって異なるため、症状を医師に具体的に伝えることが適切な検査選択につながります。

不妊治療の一環として卵管の通過性を調べる子宮卵管造影(HSG)については、痛みや費用、検査の流れを含めて別ページで詳しく解説しています。子宮卵管造影検査(HSG)のすべてもあわせてご覧ください。

受診の目安:今すぐ産婦人科を受診すべきか、様子を見てよいか

もっとも重要なサインは「閉経後の不正出血」です。日本産科婦人科学会は、更年期や閉経後に不正な出血を認めた場合の受診の重要性を明確に示しており[3]、量が少ない・一度きりであっても「様子を見てよい出血」とは考えず、早めに産婦人科を受診してください。異常子宮出血についても日本産科婦人科学会は「重大な病気が潜んでいることもあるので注意が必要」とし、繰り返す場合は必ず産婦人科を受診するよう明記しています[4]。

日本産科婦人科学会の考え方に沿うと、閉経前の場合でも月経以外のタイミングでの出血が複数回続く、月経量が急に増えて生活に支障が出る、強い下腹部痛が続く、といった状態は自己判断せず受診の対象です[4]。症状の緊急度を大まかに整理すると、次のように考えることができます。

症状別・受診の目安の考え方
状態 目安 行動
閉経後の出血(量にかかわらず) 🔴 すぐに受診 子宮体がんの可能性を念頭に、早期に産婦人科を受診[3]
月経以外の出血が繰り返す/量が急に増えた強い下腹部痛が続く 🟡 早めに受診 数日以内を目安に産婦人科を予約[4]
いつも通りの月経痛・排卵期の少量出血のみ 🟢 経過観察も可 症状が悪化・長期化する場合は受診を検討

出典:日本産科婦人科学会「子宮体がん」[3]「異常子宮出血と不正性器出血」[4]をもとにJHO編集部が整理

医療費の目安

子宮の病気にかかる費用は、検査だけで済む場合と、手術や長期の薬物療法が必要になる場合とで大きく変わります。経腟エコーや細胞診など外来でできる検査は保険適用の範囲内で比較的少額ですが、子宮筋腫核出術や子宮全摘術などの手術になると、入院費を含めた自己負担が大きくなることがあります。高額療養費制度を利用すれば、1か月あたりの医療費の自己負担には上限が設けられており、あらかじめ加入している健康保険組合や市区町村の窓口に相談しておくと安心です。また、子宮体がんなど悪性腫瘍と診断された場合は、治療内容によって「がん患者ケア」や身体障害者手帳、傷病手当金といった公的な支援制度の対象になることもあり、治療と並行して病院の相談支援センターやソーシャルワーカーに相談できる体制が整っている施設も増えています。費用面の不安から受診や治療をためらうことのないよう、まずは検査の段階で医師や医療事務窓口に見積もりの目安を確認しておくと安心です。具体的な検査・処置ごとの費用の目安は下記の通りです。

💰 高額療養費制度の自己負担限度額(医療費100万円の例)
自己負担限度額(70歳未満・区分別)— 適用時期に注意
適用時期年収の目安計算式100万円の場合
~2026年7月診療分
現行
年収約370万~770万円(区分ウ) 80,100円+(医療費-267,000円)×1% 87,430円
2026年8月診療分から
見直し後(第1段階)
年収約370万~770万円(区分ウ) 85,800円+1%(PDF原文の表記) 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small>
+ 年間上限 53万円(新設)

※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は 厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF) |JHO確認日:2026-07-16


妊娠・不妊と子宮の病気の関係

子宮の病気の中には、妊娠のしやすさ(妊孕性)に直接関わるものがあります。日本産科婦人科学会の資料によれば、子宮筋腫のうち子宮内膜のすぐ下にできる粘膜下筋腫は、子宮内腔の形を変えて受精卵の着床を妨げることがあるため、妊娠を希望する場合は特に注意が必要とされています[1]。日本産科婦人科学会によれば子宮内膜症は、患者さんのうち半数近くが不妊に悩むといわれるほど不妊との関連が強く[2]、卵巣にチョコレート嚢胞ができている場合は、卵巣そのものの機能に影響することもあります。子宮内膜ポリープも子宮内腔の形を変えるため、不妊治療を始める前に切除が検討されることがあります。

一方で、これらの病気があるからといって必ずしも妊娠できないわけではありません。筋腫やポリープの場所・大きさ、内膜症の進行度によって影響の程度は大きく異なるため、妊娠を希望する場合は、自己判断で治療を先延ばしにせず、産婦人科・不妊治療専門医と相談しながら、治療のタイミングと方法を決めていくことが重要です。逆に、すでに妊娠している状態で子宮筋腫や子宮脱が見つかることもあり、その場合は出産方法や経過観察の頻度について、通常の妊婦健診とは別に個別の説明を受けることになります。

不妊治療を検討している場合、多くの施設では治療を始める前の基本検査として経腟エコーや子宮卵管造影(HSG)が組み込まれており、この段階で子宮筋腫・子宮内膜ポリープ・卵管の閉塞などが見つかることも珍しくありません。「不妊の原因を調べていたら子宮の病気が見つかった」というケースは実際に多く、不妊治療と子宮の病気の治療が並行して進むことも少なくないため、不妊治療専門医と婦人科医が連携して方針を立てることが望ましいとされています。

日常生活でのセルフチェックと気をつけたいポイント

子宮の病気の多くは、初期には自覚症状が乏しいか、月経に伴う症状と区別がつきにくいという特徴があります。だからこそ、次のような変化に気づいたら「いつもと違う」というサインとして受け止めることが早期発見につながります。

  • 月経の出血量が急に増えた、レバー状の塊が増えた、経血で立てないほどふらつく
  • 月経痛が年々強くなっている、鎮痛剤の量が増えている
  • 月経の周期がバラバラになった、月経以外の時期に出血がある
  • 閉経したはずなのに出血があった
  • 下腹部にしこりのようなものを触れる、お腹が張って服がきつくなった
  • 股の間に何か下がってくる感覚がある、排尿・排便がしにくくなった

これらはいずれも、良性の病気からがんまで幅広い可能性を含む変化であり、自己判断で様子を見続けるより、婦人科・産婦人科での経腟エコーなどの検査を一度受けておくことが、結果的に不安の解消と早期治療につながります。特に月経に関する記録は自己判断の助けだけでなく、受診時に医師へ症状を正確に伝えるための材料にもなります。月経アプリや手帳に、出血が始まった日・終わった日・量の変化・痛みの強さをメモしておく習慣は、「いつもと違う」変化に自分自身で気づく力を高め、受診のタイミングを逃さないことにつながります。

いつ・何科を受診すればよいか

子宮の症状はまず「婦人科」または「産婦人科」を受診します。妊娠中・妊娠を希望している場合は産婦人科、それ以外の一般的な症状(不正出血、月経の異常、下腹部痛など)は婦人科で対応可能です。かかりつけがない場合は、住んでいる地域の産婦人科・婦人科クリニックや総合病院の産婦人科を受診してください。「どの病院を選べばよいかわからない」というときは、自治体や医師会の医療機関検索サービスで近隣の産婦人科を調べる、あるいは健診を受けた施設に紹介状を書いてもらうといった方法があります。閉経後の出血など、がんの可能性が念頭にある場合は、婦人科腫瘍を専門とする医師がいる総合病院やがん診療連携拠点病院を紹介してもらえるか、まずはかかりつけの婦人科に相談するとスムーズです。

手術・治療法を選ぶときに知っておきたいこと

子宮の病気の治療法は「薬で様子をみる」か「手術をするか」の二択ではなく、症状の重さ・病気の種類と場所・妊娠を希望するかどうか・年齢によって、いくつもの選択肢の中から医師と相談しながら決めていくものです。日本産科婦人科学会の資料をもとにすると、子宮筋腫や子宮内膜症ではまずホルモン剤や鎮痛剤による薬物療法で症状のコントロールを試み、効果が不十分な場合や、貧血が強い場合、不妊治療を優先したい場合などに手術が検討されるという流れが一般的です[1][2]。

手術が必要になった場合も、方法は一つではありません。日本産科婦人科学会によれば、お腹を大きく切る開腹手術のほか、小さな穴から器具を挿入する腹腔鏡下手術、腟から器具を挿入する子宮鏡下手術など、体への負担が少ない方法が選択肢として増えています[1]。子宮を残す手術(筋腫核出術など)か、子宮そのものを摘出する手術(子宮全摘術)かによって、術後の妊娠の可能性や生活への影響は大きく異なるため、将来子どもを希望するかどうかを含めて事前に医師とよく話し合っておくことが重要です。手術後の生活や性生活への影響について具体的に知りたい方は、子宮筋腫手術後の性行為はいつから?回復期間、痛み、注意点の完全ガイドで詳しく解説しています。どの治療法にもメリット・デメリットがあり、「一番新しい方法」や「一番体に優しそうな方法」が必ずしも自分に最適とは限りません。セカンドオピニオンを受けられる制度もあるため、大きな手術を決める前には、納得できるまで説明を受ける権利があることも知っておいてください。

予防のためにできること

子宮の病気のすべてを完全に防ぐ方法はありませんが、リスクを下げたり早期発見につなげたりするためにできることはあります。日本産科婦人科学会によると、子宮頸がんについてはHPVワクチンによる一次予防と、20歳を過ぎてから定期的に受ける子宮頸がん検診による二次予防(早期発見)の両方が確立されています[5]。国立がん研究センター・日本産科婦人科学会の資料をもとにすると、子宮体がんには子宮頸がんのような対策型検診(住民全体を対象にした公的な検診)は一般的ではないため、閉経後の不正出血など気になる症状が出たときに、我慢せずすぐに受診することが、実質的な早期発見の手段になります[3]。

子宮筋腫や子宮内膜症のように原因がはっきり解明されていない病気については、確実な予防法は確立されていませんが、定期的な婦人科健診で経腟エコーを受けておくことで、症状が出る前に見つかるケースは少なくありません。子宮脱(骨盤臓器脱)については、妊娠中からの骨盤底筋トレーニングや、慢性的な便秘・咳を防ぐことが、将来のリスクを下げる可能性があるとされています。年に一度の婦人科健診を「異常があったら行く場所」ではなく「異常がないことを確認しに行く場所」として習慣化することが、子宮の病気全体に共通する予防の基本です。仕事や家事で忙しく健診を先延ばしにしがちな方も多いですが、子宮の病気の多くは初期には痛みも自覚症状もないまま進行することがあるため、「症状がないから大丈夫」ではなく「症状がないうちに一度確認する」という発想の転換が、結果的に治療の選択肢を狭めないことにつながります。

よくある質問(FAQ)

子宮の病気にはどんな種類がありますか?
大きく分けて、子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮内膜ポリープ・子宮脱といった良性の病気と、子宮体がん・子宮頸がんという悪性の病気があります。日本産科婦人科学会によれば、できる場所と原因がそれぞれ異なります[1]。
子宮筋腫はどれくらいの人がなりますか?
日本産科婦人科学会によると、30歳以上の女性の3割前後に子宮筋腫が認められるとされ、非常にありふれた良性の病気です[1]。
子宮内膜症と子宮腺筋症はどう違いますか?
子宮内膜症は子宮内膜に似た組織が子宮の外(卵巣や腹膜など)で増える病気、子宮腺筋症はその組織が子宮の筋層の中で増える病気です。日本産科婦人科学会によれば、症状が似ている一方、できる場所が異なります[2]。
閉経後に出血がありました。様子を見てもいいですか?
様子を見ずに、なるべく早く産婦人科を受診してください。閉経後の不正出血は子宮体がんの代表的な自覚症状であり、日本産科婦人科学会・国立がん研究センターともに閉経後出血の受診の重要性を示しています[3]。
子宮体がんと子宮頸がんは同じ病気ですか?
違います。日本産科婦人科学会によれば、子宮体がんは子宮内膜(子宮の内側)から発生し、子宮頸がんは子宮頸部(子宮の入り口)から発生する、原因も予防法も異なる別のがんです[3]。
子宮体がんはどれくらいの人がかかりますか?
国立がん研究センターの統計では2023年に19,945例が罹患し、人口10万人あたり31.2例とされています。日本産科婦人科学会は年間約18,000人が罹患し、婦人科がんの中で最も多く年々増加していると説明しています[6]。
子宮体がんの生存率はどれくらいですか?
国立がん研究センターの集計(2009〜2011年診断例)では、子宮体部がんの5年相対生存率は81.3%です[6]。早期発見であるほど生存率は高くなる傾向があります。
子宮筋腫があると妊娠しにくくなりますか?
筋腫のできる場所や大きさによっては不妊の原因になることがあります。日本産科婦人科学会の資料によれば、粘膜下筋腫は特に着床への影響が指摘されており、妊娠を希望する場合は医師に相談のうえ治療方針を決めることが大切です[1]。
子宮内膜症があると不妊になりますか?
子宮内膜症の患者さんのうち、半数近くが不妊に悩むとされています。日本産科婦人科学会の資料によればすべての人が不妊になるわけではありませんが、関連性の高い病気です[2]。
子宮脱とはどんな病気ですか?
子宮を支える骨盤底の筋肉や靭帯が緩み、子宮が腟の方へ下がってくる、あるいは体外に出てくる病気です。出産や加齢が主な背景とされ、下腹部の圧迫感や「何かが下がる」感覚が主な症状です。
不正出血と月経の違いがわかりません。何を基準に受診すべきですか?
月経の周期・期間・量から明らかに外れる出血、月経と月経の間に起こる出血、閉経後の出血はすべて「異常子宮出血・不正性器出血」として受診の対象です。日本産科婦人科学会は繰り返す場合は必ず産婦人科を受診するよう明記しています[4]。
子宮のがん検診は体がんと頸がんの両方を調べますか?
一般に行われている「子宮がん検診」は主に子宮頸がん検診(細胞診・HPV検査)を指し、子宮体がんは対象に含まれないことが多いです。国立がん研究センターの資料をもとにすると、不正出血などの症状がある場合は体がんを念頭に置いた検査(経腟エコーや内膜細胞診)を別途相談する必要があります[3]。
子宮筋腫や子宮内膜症は自然に治りますか?
日本産科婦人科学会の資料によれば、子宮内膜症は閉経後にホルモンの分泌が減ることで症状が軽快することがありますが、筋腫・内膜症とも自然に完全に消えるとは限らず、症状の程度に応じて薬物療法や手術が検討されます[1]。無症状で小さいまま変化がなければ、経過観察のみで生活に支障がない方も多くいます。
子宮内膜ポリープは放置しても大丈夫ですか?
小さく無症状のポリープは経過観察になることもありますが、不正出血がある場合や、妊娠を希望していて着床への影響が疑われる場合は、子宮鏡下での切除が検討されます。切除した組織はまれに前がん病変やがんが隠れていないか確認するため病理検査に提出されるのが一般的です。
子宮頸部の「びらん」はがんの前段階ですか?
びらんは子宮頸部の表面が赤くただれて見える状態で、多くは病的な意味を持たない生理的な変化です。日本産科婦人科学会の解説によれば、がんの前段階である「子宮頸部異形成(CIN)」とは別のもので、見た目だけでは区別がつかないため、気になる場合は細胞診で確認することが大切です[5]。
子宮の病気は遺伝しますか?
子宮筋腫や子宮内膜症は、家族に同じ病気の人がいると発症しやすい傾向が指摘されていますが、遺伝だけで発症が決まるわけではなく、生活習慣やホルモン環境など複数の要因が関わると考えられています。家族に子宮の病気の人がいる場合は、定期的な婦人科健診を意識するとよいでしょう。
子宮を全部摘出したら、その後の生活はどう変わりますか?
子宮を摘出すると妊娠はできなくなりますが、卵巣を残す手術であればホルモンの分泌自体は保たれ、更年期症状がすぐに出るわけではありません。月経がなくなるため月経に伴う症状からは解放される一方、手術直後は回復期間中の安静や、性生活を再開する時期について医師の指示に従う必要があります。個別の回復期間や注意点は、術式によっても異なるため、担当医とよく相談してください。
子宮筋腫や子宮内膜症の検査は痛いですか?
基本となる経腟エコーは痛みが少なく、数分で終わる検査です。子宮卵管造影(HSG)のように造影剤を注入する検査では、検査中に一時的な痛みを感じることがありますが、検査後は通常の生活に戻れることがほとんどです。痛みへの不安がある場合は、事前に医師や看護師に伝えておくと配慮してもらえます。

子宮の病気に関する記事一覧

ここまでで紹介しきれなかった、子宮筋腫のタイプ別の詳細、子宮内膜症と妊活の両立、子宮脱のセルフケア、検査ごとの費用比較など、より個別具体的なテーマについては、以下の記事で詳しく解説しています。気になる症状や状況に近い記事から読み進めてください。

記事一覧 52件

基礎知識・原因 3

症状・見分け方 2

検査・数値 3

食事・生活 7

治療・薬 27

合併症・リスク 6

その他 4

子宮腺筋症と子宮内膜症の合併頻度、子宮筋腫のタイプ別の妊娠への影響の具体的な割合、子宮体がんの年齢階級別の詳細なピーク年齢、日本と海外の子宮体がん検診方針の違いといった、より細かい統計や国際比較については、今回参照した資料には明確な記載が見当たりませんでした。無理に数字を当てはめることはせず、今後、日本婦人科腫瘍学会や国立がん研究センターの資料が更新され次第、このページに反映していきます。個別の状況やご自身の数値については、必ず婦人科での相談をおすすめします。

参考文献

  1. 日本産科婦人科学会「子宮筋腫」 jsog.or.jp/citizen/5711
  2. 日本産科婦人科学会「子宮内膜症」 jsog.or.jp/citizen/5712
  3. 日本産科婦人科学会「子宮体がん」 jsog.or.jp/citizen/5714
  4. 日本産科婦人科学会「異常子宮出血と不正性器出血」 jsog.or.jp/citizen/5710
  5. 日本産科婦人科学会「子宮頸がん」 jsog.or.jp/citizen/5713
  6. 国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計 子宮体部」 ganjoho.jp/reg_stat/…/18_corpus_uteri.html(2023年)