甲状腺がん
最終更新: 2026年7月 | 編集: JHO編集部(AI技術活用・公的資料に基づく)
✦ 結論から言うと
甲状腺にできたしこり(結節)のうち悪性のものが甲状腺がんです。組織型(がんの種類)は乳頭がん・濾胞がん・低分化がん・髄様がん・未分化がんの5つに分かれ、国立がん研究センター がん情報サービスによれば、その中で乳頭がんが最も多く約90%を占め、多くはゆっくり進行するため急に命に関わる状況になることはまれです[1]。一方、未分化がんは甲状腺がんの約1〜2%と少数ながら悪性度が高く進行が速いため、対応が大きく異なります[1]。首のしこりに気づいた、声のかすれ(嗄声)が続く、飲み込みにくさがあるといった場合は、早めに耳鼻咽喉科や内分泌科を受診しましょう[1]。
| 原因 | はっきりとは分かっていない。血縁者に甲状腺がんの既往があると発生する可能性が高くなると考えられており[5]、特に髄様がんでは遺伝の影響(RET遺伝子)が大きい[1] |
|---|---|
| 主な症状 | 多くの場合、自覚症状がないか、しこり以外の症状はない。進行すると、のどの違和感・嗄声・痛み・飲み込みにくさ・誤嚥・血痰・呼吸困難感が出ることがある[1] |
| 受診の目安 | 首のしこりや声のかすれ等の症状が気になる場合は、早めにかかりつけ医、耳鼻咽喉科、内分泌科へ[1] |
甲状腺がんとは?原因と症状が出る仕組み
甲状腺は、のどぼとけ(甲状軟骨)のすぐ下、気管を前から取り囲むように位置する、重さ10〜20gの小さな臓器です。羽を広げた蝶々のような形をしており、中央の峡部と左右の腺葉(右葉・左葉)からできています。甲状腺の裏側には、声帯を動かす反回神経が通っています[1]。甲状腺は、血液中のヨウ素(ヨード)を取り込んで甲状腺ホルモン(T3・T4)をつくり、脳や骨の成長、脂質や糖の代謝を促進する働きを持ちます。また、傍濾胞細胞からはカルシトニンが分泌され、血液中のカルシウム濃度の調整に関わっています[1]。
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「甲状腺がんについて」をもとにJHO編集部が作図
甲状腺にできたしこりを甲状腺結節といい、そのうち悪性のものを甲状腺がんといいます[1]。腫瘍が大きくなると、隣接する反回神経を圧迫・巻き込むことで声のかすれ(嗄声)が生じたり、気管や食道を圧迫することで飲み込みにくさや呼吸困難感が出ることがあります[1]。ただし国立がん研究センター がん情報サービスは、甲状腺がんの発生要因について「はっきりと分かっていません」としており、血縁者に甲状腺がんの既往がある場合に発生する可能性が高くなると考えられている点を挙げるにとどめています[5]。特に髄様がんでは、RET遺伝子という遺伝子に変異がある場合があることが指摘されています[1]。
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「甲状腺がんについて」「甲状腺がん 予防・検診」(更新日:2023年12月26日/2025年04月07日)[1][5]
5つの組織型をそれぞれ詳しく知る
国立がん研究センター がん情報サービスは、甲状腺がんの組織型(がんの種類)として乳頭がん・濾胞がん・低分化がん・髄様がん・未分化がんの5つを挙げ、それぞれで治療法が異なるとしています。一般的に若年であるほど予後がよいとされ、乳頭がん・濾胞がん・低分化がんでは55歳という年齢でステージ(病期)の分け方が変わります[1]。
①乳頭がん:甲状腺がんの中で最も多く、約90%を占めます。リンパ液の流れに乗って転移するリンパ節転移(リンパ行性転移)が多いものの、基本的にゆっくりと進行するため、急に命に関わる状況になることはまれです。ただし、ごく一部の乳頭がんは再発を繰り返すことがあり、また突然悪性度の高い未分化がんに変化することがごくまれにあります[1]。
②濾胞がん:甲状腺がんの中で2番目に多く、約5%です。良性の甲状腺腫瘍(濾胞腺腫)との区別が難しいことがあります。乳頭がんに比べてリンパ節への転移は少ないものの、血液の流れに乗って肺や骨など遠くの臓器に転移(血行性転移)しやすい傾向があります。遠くの臓器への転移(遠隔転移)が起こらない場合は、乳頭がんと同様、予後は比較的よいとされています[1]。
③低分化がん:甲状腺がんの中で1%未満とまれです。乳頭がん・濾胞がんと未分化がんの中間的な性質を持ち、乳頭がん・濾胞がんに比べると遠隔転移や再発をしやすい性質があります。乳頭がん・濾胞がんから低分化がんに変化したり、低分化がんから未分化がんに変化したりすることもあります[1]。
④髄様がん:甲状腺がんの約1〜2%で、カルシトニンを分泌する傍濾胞細胞に由来します。分化がん(乳頭がんや濾胞がん)と比べて悪性度が高く、リンパ節や肺のほか肝臓へ転移しやすいという特徴があります。RET遺伝子という遺伝子に変異がある場合があるため、治療方針を決めるためにRET遺伝子検査を受けることが勧められていますが、遺伝子検査は血縁者の遺伝情報を知ることにもつながるため、遺伝カウンセリングなどで専門家とよく相談することが大切です[1]。
⑤未分化がん:甲状腺がんの約1〜2%です。悪性度が高く進行が速いことから、甲状腺周囲の臓器(反回神経・気管・食道など)への浸潤や全身の臓器への転移を起こしやすいという特徴があります。なお、甲状腺に悪性リンパ腫ができることもありますが、これは甲状腺がんとは病気のなりたちや治療法が異なる別の病気です[1]。
診断の目安となる数値・基準
甲状腺がんが疑われた場合、まず触診でしこりの有無を調べ、超音波検査で腫瘍の大きさや性質、リンパ節転移の有無を確認します。がんが疑われる場合は、超音波の画像を見ながら細い針でしこりから細胞を採取する穿刺吸引細胞診(病理検査)を行い、良性か悪性かを確定します[2]。米国甲状腺学会(American Thyroid Association、ATA)は、細針吸引細胞診(FNA)の結果を4つに分類しており、良性(最大80%、がんリスクは3%未満)・悪性または悪性疑い(約5%、多くは乳頭がん)・意義不明(最大20%、濾胞性病変を含みがんリスクは20〜30%)・検体不良(超音波ガイド下で5%未満)と整理しています[7]。
| 組織型 | 年齢による分類の違い | 備考 |
|---|---|---|
| 乳頭がん・濾胞がん・低分化がん | 55歳未満/55歳以上で分類方法が異なる | 55歳未満はM(遠隔転移)の有無でⅠ期かⅡ期のみ、Ⅲ期以上はない[3] |
| 髄様がん | 年齢にかかわらず一律 | がんの大きさ・広がり・リンパ節や別の臓器への転移の有無で分類[3] |
| 未分化がん | 年齢にかかわらず一律 | ⅣA・ⅣB・ⅣCの3区分のみ[3] |
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「甲状腺がん 治療」、UICC日本委員会編『TNM悪性腫瘍の分類 日本語版 第8版』(2017年、金原出版)より作成[3]
分化がん(乳頭がん・濾胞がん)と未分化がんの見分け方
| 項目 | 乳頭がん・濾胞がん(分化がん) | 未分化がん |
|---|---|---|
| 甲状腺がんに占める割合 | 乳頭がん約90%、濾胞がん約5%(編集部試算:合計約95%)[1] | 約1〜2%[1] |
| 進行の速さ | 基本的にゆっくり進行し、急に命に関わる状況になることはまれ[1] | 悪性度が高く進行が速い[1] |
| 広がり方の特徴 | 乳頭がんはリンパ節転移(リンパ行性転移)が多い。濾胞がんは血行性転移で肺や骨に転移しやすい[1] | 反回神経・気管・食道など周囲臓器への浸潤や全身への転移を起こしやすい[1] |
| 治療の基本方針 | リスク分類(超低〜高リスク)に応じ、経過観察〜甲状腺一部切除〜全摘+放射性ヨウ素内用療法[3] | 手術に加え、放射線治療・薬物療法を組み合わせた集学的治療が中心[3] |
見分けるカギ:同じ甲状腺がんでも、乳頭がん・濾胞がんのような「分化がん」と、未分化がんとでは進行速度と治療の緊急性がまったく異なります。穿刺吸引細胞診による組織型の確定が、その後の方針を左右する最初の分岐点です[2]。
血液検査で確認するホルモン・物質
甲状腺の状態を確認するため、血液検査で複数のホルモン・物質を調べます。遊離サイロキシン(FT4)は代謝を調整する甲状腺ホルモンで、甲状腺の機能を調べるために検査します。甲状腺刺激ホルモン(TSH)は下垂体から分泌され、乳頭がん・濾胞がんを増殖させる因子として調べることがあります。サイログロブリンは甲状腺から分泌されるタンパク質で、良性の腫瘍や炎症でも上昇するためがんの診断そのものには有用ではありませんが、甲状腺全摘後の再発確認のために検査されます。カルシトニンは傍濾胞細胞でつくられ、髄様がんでは傍濾胞細胞が変化してがん化するため増加するので、髄様がんの疑いがある場合や治療効果・予後の予測のために検査します[2]。
ステージ診断のための画像検査
がんであることが確定した場合、治療方針を決めるためにステージ(病期)を調べる目的で、CT検査・MRI検査・PET検査などが行われます[2]。CT検査は体の周囲からX線をあてて体の断面を画像化する検査で、がんの大きさ・深さ・広がりやリンパ節への転移の有無を調べる際に、主にステージ診断に用いられます。MRI検査は強力な磁石と電波を使って体の断面を撮影する検査で、CT検査よりもがん組織と正常組織の区別が明確とされ、CT検査とは異なる情報からリンパ節転移の有無を調べることができます[2]。シンチグラフィ検査は放射性医薬品を内服または注射し、体内から放出される微量の放射線を計測して画像化するもので、甲状腺がんでは甲状腺の機能や形状を調べる甲状腺シンチグラフィと、他の臓器への転移を確認する腫瘍シンチグラフィが行われます[2]。
腫瘍マーカー検査は、がんの診断の補助や診断後の経過・治療効果を見る目的で行われます。ただし腫瘍マーカーの値の変化だけでは、がんの有無や進行の有無は確定できず、画像検査などの結果とあわせて総合的に判断されます。髄様がんではCEA(がん胎児性抗原)が、甲状腺全摘後の分化がんではサイログロブリンが、髄様がんではカルシトニンが、それぞれ腫瘍マーカーとして扱われることがあります[2]。
経過と治療:組織型・リスク別のケア
治療方法は、がんの組織型とステージ(病期)、体の状態などを総合的に検討して決められます。甲状腺がんの治療には、手術(外科治療)・放射線治療(放射性ヨウ素内用療法を含む)・薬物療法(TSH抑制療法・分子標的療法など)があります[3]。
乳頭がん:がんの大きさや転移の有無により超低リスク・低リスク・中リスク・高リスクに分けられます。超低リスクは治療をせず経過観察となることがあり、超低〜中リスクは甲状腺の一部を切除する手術が行われます。中〜高リスクでは甲状腺をすべて摘出する手術のあと、残ったがんや転移したがんを消滅させるために放射性ヨウ素内用療法(アブレーション)が行われ、再発予防のためTSH抑制療法が検討されます[3]。
濾胞がん:遠隔転移がなければ、がんがある側の甲状腺を切除する片葉手術がまず行われ、がんであった場合は残った甲状腺の全摘が追加されることがあります。遠隔転移がある場合は全摘後に放射性ヨウ素内用療法が行われます[3]。
髄様がん:遺伝カウンセリングを受けたうえでRET遺伝子検査を行い、治療方針を決めることが勧められています。遺伝性の場合は褐色細胞腫の有無を先に調べ、必要な治療のあとに甲状腺全摘が行われます[3]。
未分化がん:予後不良因子の数や遠隔転移の有無に応じて、手術に加え放射線治療・化学療法を組み合わせた集学的治療が検討されます[3]。
治療後の経過観察:手術後1〜2年間は1〜3カ月ごと、2〜3年間は半年ごとの通院が一般的です。特に乳頭がん・濾胞がんは10年あるいは20年たってから再発する可能性があるため、長期の経過観察が必要になります[4]。
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「甲状腺がん 治療」「甲状腺がん 療養」(更新日:2023年12月26日/2025年04月07日)[3][4]/日本内分泌外科学会・日本甲状腺病理学会編『甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018年版』(同ページ内で引用)
手術の方法と主な合併症
手術の方法は、がんのある場所や大きさ、転移の有無によって検討されます。甲状腺をすべて摘出する全摘術と、右葉あるいは左葉を切除する片葉切除術があります。全摘術は甲状腺からの再発予防が期待でき、術後の採血によるサイログロブリン値の確認で再発の発見がしやすく、再発・転移時に放射性ヨウ素内用療法がしやすいという利点がありますが、甲状腺ホルモンが分泌されなくなるため、術後は甲状腺ホルモン薬の内服が必要になります。片葉切除術は、甲状腺が一部でも残っていれば体に必要なホルモンをつくり出せるため、術後にホルモン薬の内服が不要な場合が多い一方、残した甲状腺に小さながんが残る可能性や、再発時に再手術が必要になることがあります[3]。
手術では、リンパ節への転移が疑われる場合だけでなく、明らかな転移がない場合にも予防的にリンパ節郭清(周囲のリンパ節の切除)が行われることがあります。がんに反回神経が巻き込まれている場合は、通常は神経を切断し、可能な限り修復します[3]。合併症としては、切除範囲が大きいほど、甲状腺機能低下(だるさ・疲労感・食欲不振など)、副甲状腺機能低下による低カルシウム血症(手足のしびれなどのテタニー症状)、反回神経麻痺(声のかすれ)のリスクが高くなります。反回神経麻痺は、神経が温存されていれば多くの場合6カ月程度で回復するとされています[3]。
妊娠・出産と日常生活への影響
がんの治療が妊娠や出産に影響することがあるため、将来子どもをもつことを希望している場合は、妊孕性温存治療が可能かどうか治療開始前に担当医に相談することが勧められています[3]。手術後の日常生活は、基本的に食事や運動の制限はありません。放射性ヨウ素内用療法の前後にはヨウ素を制限した食事が必要で、治療後は体内から出る放射線量が基準値を下回ってから退院となりますが、退院後数日は周囲の人への被ばくに気を付けた生活が必要です。性生活によってがんの進行に悪影響を与えることはありませんが、薬物療法中やその後は、腟分泌物や精液に薬の成分が含まれることがあるためコンドームを使用し、胎児への影響を避けるため一定期間の避妊が勧められています[4]。
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「甲状腺がん 治療」「甲状腺がん 療養」(更新日:2023年12月26日/2025年04月07日)[3][4]
再発した場合の治療
再発とは、治療によって見かけ上なくなったことが確認されたがんが、再びあらわれることです。原発巣やその近くにがんが再びあらわれることだけでなく、別の臓器で「転移」として見つかることも再発に含まれます。甲状腺がんでは、もともとがんがあった甲状腺やその周辺のリンパ節での局所再発が多く、再発時には手術、放射線治療(内照射・外照射)、薬物療法が検討されます。肺や骨、肝臓などの遠隔臓器への転移はまれですが、その場合は放射線治療や薬物療法による治療が検討されます[3]。
甲状腺がんのうち分化がん(乳頭がん・濾胞がん)では、再発したときのがんや転移の状態によって、手術や放射性ヨウ素内用療法が行われることがあります。転移したがんによる症状があり、手術や放射性ヨウ素内用療法が行えない場合は、放射線外照射による治療が検討されます。初回の治療後に再発し手術ができない場合や遠隔転移が出現した場合、未分化がんの再発などの場合は、分子標的薬を使った薬物療法が勧められています。薬物療法を行うときは副作用への対応が重要となるため、予測される副作用とその対応について担当医とよく相談し、治療中や治療後にいつもと違う症状を感じたら医療スタッフにすぐに相談することが必要です[3]。
受診の目安:今すぐ相談すべきか、様子を見てよいか
甲状腺がんは多くの場合、自覚症状がないか、しこり以外の症状はありません。ただし、次のような症状が続く場合は、早めにかかりつけ医に相談するか、耳鼻咽喉科・内分泌科を受診することが勧められています[1]。
| 状態 | 目安 |
|---|---|
| 🔴 早めの受診が勧められる | 声のかすれ(嗄声)・のどの痛み・飲み込みにくさ・誤嚥・血痰・呼吸困難感が続く[1] |
| 🟡 気になれば受診 | 首のしこりに自分で気づいた、家族に甲状腺がんの既往がある[1][5] |
| 🟢 現時点で急ぐ必要は低い | 症状がなく、健診等でも指摘がない(なお甲状腺がんは指針として定められたがん検診がない)[5] |
日本と米国のガイドライン比較
日本では、日本内分泌外科学会・日本甲状腺病理学会編『甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018年版』に基づき、乳頭がんを超低リスク・低リスク・中リスク・高リスクに層別化し、超低リスクでは手術をせず経過観察を選択できるとされています[3]。米国甲状腺学会(ATA)も、細針吸引細胞診(FNA)の結果を良性・悪性(疑い)・意義不明・検体不良の4区分に分類し、良性結節については6〜12カ月ごとの超音波経過観察を基本とする点で、リスクに応じて経過観察を組み込む方向性は共通しています[7]。
ただし、経過観察の対象となる具体的な腫瘍サイズや条件の細かな基準は、日本の学会資料と米国甲状腺学会の一次資料とで完全には一致しない可能性があり、本記事で参照した米国側の一次資料(thyroid.org)には、確定した乳頭がんに対する具体的な経過観察基準までは明記されていませんでした。この点は、担当医と相談する際に「どの基準に基づく判断か」を確認することをお勧めします。
また、細胞診の結果の分け方についても、日本では甲状腺癌取扱い規約に基づく分類が用いられる一方、米国甲状腺学会(ATA)は良性・悪性(疑い)・意義不明・検体不良という4区分を採用しており、名称や区分の数が異なります[7]。診断や治療方針の説明を受ける際に、どちらの分類体系に基づく説明かを意識すると、セカンドオピニオンや海外情報との照合がしやすくなります。
甲状腺がんと診断される人はどれくらいいるか
国立がん研究センター がん情報サービスは、甲状腺がんの患者数(がん統計)について、国立がん研究センターがん対策研究所がん登録センターが公表している院内がん登録から算出した最新の生存率・患者数データを、専用の「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」で公開しています。同システムでは、甲状腺乳頭・濾胞がん、甲状腺未分化がん、甲状腺髄様がんのそれぞれについて、病期別の5年生存率を個別に確認できます[6]。
生存率には「実測生存率」(死因に関係なくすべての死亡を計算に含めたもの)と「相対生存率」(がん以外の死因を除き、がんのみによる死亡を計算したもの)の2つの示し方があり、通常、治療成績を表す指標としては診断から5年後の数値である5年相対生存率がよく使われます。ただし、これらのデータは平均的・確率的に推測される値であり、すべての人に当てはまるわけではない点に注意が必要です[6]。組織型(乳頭がん・濾胞がん・髄様がん・未分化がん)と病期(ステージ)によって数値が大きく異なるため、本記事では一律の生存率数値をあえて示さず、上記の公式ツールで自分の状況に近い区分を確認することをお勧めします。
医療費の目安
| 適用時期 | 年収の目安 | 計算式 | 100万円の場合 |
|---|---|---|---|
| ~2026年7月診療分 現行 | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% | 87,430円 |
| 2026年8月診療分から 見直し後(第1段階) | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 85,800円+1%(PDF原文の表記) | 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small> |
| + 年間上限 53万円(新設) | |||
※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は
厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF)
|JHO確認日:2026-07-16
よくある質問(FAQ)
甲状腺がんは何科を受診すればいいですか?
甲状腺がんは怖い病気ですか?進行は速いですか?
甲状腺がんの原因は何ですか?遺伝しますか?
甲状腺がんの検査はどのように進みますか?
甲状腺がんは必ず手術が必要ですか?
甲状腺を全部摘出すると、その後の生活はどうなりますか?
放射性ヨウ素内用療法(アブレーション)とはどんな治療ですか?
治療後、どのくらいの頻度で通院が必要ですか?
甲状腺がんの検診(健診)はありますか?
甲状腺がんの生存率はどれくらいですか?
甲状腺がんの手術後、声はどうなりますか?
低分化がんや髄様がんは乳頭がん・濾胞がんと同じように考えてよいですか?
甲状腺がんに関する記事一覧
記事一覧 9件
症状・見分け方 2
検査・数値 1
治療・薬 6
甲状腺がん全体の一律の5年生存率の数値については、今回参照した国立がん研究センターの資料は組織型・病期別の集計システムへの案内にとどまっており、本記事内で単一の数値としては記載しませんでした。正確な数値は院内がん登録生存率集計結果閲覧システムでご確認いただくか、担当医にお尋ねください[6]。
参考文献
- 国立がん研究センター がん情報サービス「甲状腺がんについて」2023年12月26日更新 ganjoho.jp/public/cancer/thyroid/about.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「甲状腺がん 検査」2023年12月26日更新 ganjoho.jp/public/cancer/thyroid/diagnosis.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「甲状腺がん 治療」2023年12月26日更新 ganjoho.jp/public/cancer/thyroid/treatment.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「甲状腺がん 療養」2025年04月07日更新 ganjoho.jp/public/cancer/thyroid/follow_up.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「甲状腺がん 予防・検診」2025年04月07日更新 ganjoho.jp/public/cancer/thyroid/prevention_screening.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「甲状腺がん 患者数(がん統計)」2023年10月19日更新 ganjoho.jp/public/cancer/thyroid/patients.html
- American Thyroid Association「Thyroid Nodules」 thyroid.org/thyroid-nodule/
