この記事の科学的根拠
この記事は、入力された研究報告書で明示的に引用されている最高品質の医学的証拠にのみ基づいています。以下に示すリストは、実際に参照された情報源のみを含み、提示された医学的指導との直接的な関連性を示しています。
- 世界がん研究基金(WCRF)/米国がん研究協会(AICR): この記事における「植物性食品中心の食事パターン」に関するガイダンスは、これらの機関が発表した、がんサバイバーの健康維持に関する推奨事項に基づいています711。
- 国立がん研究センター(日本): 日本人における野菜・果物摂取と特定のがんリスクとの関連性についての記述は、同センターの公開情報に基づいています1213。
- 米国疾病予防管理センター(CDC)/米国対がん協会(ACS): 免疫力が低下している患者さん向けの食品安全に関するガイダンスは、特定の食品を禁止するのではなく、厳格な衛生管理を推奨するという、これらの機関の最新の見解を反映したものです5250。
- 米国食品医薬品局(FDA): 生の果物の洗浄方法など、具体的な食品安全対策に関する記述は、FDAが提供する消費者向けガイドラインに基づいています54。
要点まとめ
- 食事の基本は「植物性食品中心」:治療を乗り切る体力の土台として、野菜、全粒穀物、豆類と共に、様々な果物をバランス良く摂取することが、国際的な機関により推奨されています。
- グレープフルーツは厳格に避ける:特定の抗がん剤の効果に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、グレープフルーツおよびその近縁種(ブンタン、ダイダイ等)は治療期間中、ジュースや加工品も含めて完全に避けるべきです。
- 副作用に合わせた柔軟な対応:口内炎がある時は酸味の強い果物を、下痢の時は食物繊維の多い生の果物を一時的に控えるなど、日々の体調に合わせて食事を賢く調整することが重要です。
- 症状緩和に役立つ果物を積極的に:吐き気にはバナナやメロン、便秘にはりんごやベリー類など、つらい症状を和らげ、栄養補給に役立つ果物を上手に取り入れましょう。
- 「安全第一」を徹底する:免疫力が低下している時期は、過度な食事制限よりも、流水での丁寧な洗浄や調理器具の衛生管理といった「食品安全」のルールを徹底することが、感染症予防において最も重要です。
第1部:がん患者さんのための食事の基本原則
特定の果物について議論する前に、がん治療中における食事の全体的な哲学を理解することが不可欠です。世界中のがん研究機関が提唱する食事の基本は、特定の「スーパーフード」に依存するのではなく、持続可能でバランスの取れた食事パターンを確立することにあります。
国際的なコンセンサス:植物性食品中心の食事
世界がん研究基金(WCRF)、米国がん研究協会(AICR)、米国対がん協会(ACS)といった主要な国際機関は、がんの予防およびがんサバイバーの健康維持のために、一貫して「全粒穀物、野菜、果物、豆類を豊富に含む食事」を推奨しています711。この食事パターンは、体に必要なビタミン、ミネラル、食物繊維を供給するだけでなく、細胞を酸化ストレスというダメージから守る働きを持つ抗酸化物質などの有益な植物化学物質(ファイトケミカル)を豊富に提供します9。注目すべきは、がんの「予防」に推奨される食事と、がん診断後の「サバイバーシップ」期間に推奨される食事が、本質的に同一であるという点です7。この事実は、健康的な食生活が、がんの発生危険性を低減させるだけでなく、治療後の長期的な健康を支え、再発の危険性を管理する上でも中心的な役割を果たすことを強く示唆しています。したがって、治療中の食事療法は、一時的な「病人食」としてではなく、生涯にわたる健康的な生活習慣への重要な第一歩として捉えることができ、患者さん自身の前向きな取り組みを促す力強いメッセージとなります。
日本の状況と目標
日本の国立がん研究センターも同様の見解を示しており、野菜と果物の十分な摂取が食道がん、胃がん、肺がんの危険性を低下させる可能性があると報告しています12。厚生労働省が主導する国民健康づくり運動「健康日本21」では、成人に対し、1日あたり野菜350g以上、そして果物と合わせて400g以上の摂取を目標として掲げています(果物はおおよそ1皿分に相当)13。しかしながら、令和元年に実施された国民健康・栄養調査によると、日本人の果物摂取量の平均値は約99gに留まっており、特に20代、30代の若年層では50g未満と、目標を大幅に下回っているのが悲しい現状です16。この事実は、私たちがいかに意識的に果物や野菜を日々の食事に取り入れる努力が必要であるかを物語っています。
がん治療中ならではの注意点:エネルギーとタンパク質の確保
一般的な健康増進を目的とした食事と、がん治療中の食事との決定的な違いの一つは、エネルギーとタンパク質の必要量にあります。治療中は、体重と筋肉量を維持し、体の組織修復機能を支えるために、通常時よりも多くのカロリーとタンパク質が必要となる場合があります3。したがって、植物性食品を食事の基本としながらも、肉、魚、卵、乳製品、大豆製品といった良質なタンパク質源を十分に確保することが、治療を乗り切る上で極めて重要になります。
第2部:【要注意】がん治療中に避けるべき、または注意が必要な果物
果物は本質的に健康に良いものですが、がん治療という特殊な状況下では、いくつかの果物に対して特別な注意を払う必要があります。その主な理由は「薬との相互作用」と「副作用の悪化」という二つの大きな柱に基づいています。
2.1 薬との相互作用:効果を左右する危険な組み合わせ
特定の果物に含まれる成分が、服用している抗がん剤の効果を意図せず増強させたり、逆に減弱させたりすることがあります。これは治療計画そのものに深刻な影響を及ぼす可能性があるため、最も注意すべき点と言えます。
特に有名な例がグレープフルーツです。グレープフルーツやその近縁種(ブンタン、ダイダイ、サワーオレンジ、スウィーティーなど)には、フラノクマリン類という成分が含まれています5。このフラノクマリン類は、小腸に存在する薬物代謝酵素「CYP3A4」の働きを強力に阻害します5。多くの経口抗がん剤がこのCYP3A4酵素によって分解・代謝されるため、その働きが阻害されると、薬の血中濃度が予期せず異常に上昇し、重篤な副作用が発現する危険性が高まります。逆に、一部の薬では体内への吸収が阻害され、期待された効果が得られなくなることも報告されています20。この相互作用は、果実そのものだけでなく、ジュースや種子から作られたサプリメントでも発生するため、これらの果物およびその加工品は、治療期間中は完全に避けることが最も賢明な判断です20。
イチジクやザクロにもフラノクマリン類が含まれているとの報告がありますが、グレープフルーツほど強い相互作用は確認されていません5。しかし、万全を期すために、これらの果物を日常的に摂取する際は、事前に主治医や薬剤師に相談することが極めて重要です。
果物名 | 相互作用の原因となる成分 | 作用機序 | リスク | 備考 |
---|---|---|---|---|
グレープフルーツ | フラノクマリン類 | 薬物代謝酵素(CYP3A4)を阻害 | 薬の血中濃度が過度に上昇し、副作用が増強する。一部の薬では効果が減弱する可能性も。 | 果実、ジュース、加工品すべて避けるべき5。 |
ブンタン(ザボン)、ダイダイ、スウィーティー | フラノクマリン類 | グレープフルーツと同様 | グレープフルーツと同様のリスク。 | グレープフルーツの近縁種として同様に注意が必要20。 |
イチジク、ザクロ | フラノクマリン類を含む可能性 | 薬物代謝酵素を阻害する可能性 | 相互作用の報告はあるが、グレープフルーツほど顕著ではない。 | 摂取前に医師・薬剤師への相談を推奨5。 |
2.2 副作用の悪化:症状があるときに避けたい果物
がん治療の副作用は日々刻々と変化します。ある日には問題なく美味しく食べられた果物が、別の日にはつらい症状を悪化させる原因となることがあります。これは、果物が「良い」「悪い」と一概に分類できるものではないことを意味します。最も重要なのは、ご自身の体調を注意深く観察し、その時々の症状に合わせて食べるものを選択するという、動的で賢明なアプローチです。
- 口内炎やのどの痛みがある場合:口の粘膜が荒れているときは、酸味の強い果物が強い刺激となり、激しい痛みを引き起こすことがあります。オレンジ、レモン、パイナップル、キウイフルーツといった柑橘系や酸味の強い果物は、症状が落ち着くまで避けるのが賢明です5。
- 下痢がある場合:食物繊維が豊富な生の果物、特に皮ごと食べるりんごや梨、またプルーンジュースのように下剤作用のあるものは、下痢を悪化させる可能性があります5。果物の過剰摂取も同様に避けるべきです。
- 吐き気・嘔吐がある場合:香りが強い果物(例:熟したメロンやマンゴー)や、極端に甘い果物は、吐き気を誘発することがあります5。ご自身の感覚に合わないと感じるものは、無理に食べる必要は全くありません。
- 便秘がある場合:一般的に果物の食物繊維は便通改善に役立ちますが、一部の報告では、治療中の患者さんがバナナを過剰に摂取すると、逆に便秘を助長する可能性があると指摘されています27。何事も適量が肝心です。
2.3 過剰摂取のリスク:果糖とジュースの問題
果物に含まれる糖分は主に「果糖」です。適量であれば良質なエネルギー源となりますが、過剰に摂取すると、特に活動量が低下しがちな治療中には、中性脂肪の増加や意図しない体重増加につながる可能性があります17。
特に注意が必要なのがフルーツジュースです。たとえ「100%ストレート」と表示されていても、ジュースは製造過程で重要な食物繊維が取り除かれており、糖分が濃縮された状態になっています14。これにより血糖値が急激に上昇しやすくなります。いくつかの大規模な研究では、糖分を含む飲料の日常的な摂取が、特定のがんの危険性を高める可能性も示唆されています14。水分補給や食欲がない時の緊急的なエネルギー補給には役立つ場面もありますが、基本的には食物繊維が豊富に含まれている「丸ごとの果物」を優先することが、国際的にも広く推奨されています。
第3部:【推奨】がん治療中に積極的に摂りたい果物リスト
注意すべき果物がある一方で、多くの果物はがん治療中の体を優しく支え、つらい副作用を和らげるのに役立ちます。ここでは、「症状緩和」と「栄養補給」という二つの重要な観点から、積極的に食事に取り入れたい果物を紹介します。
3.1 症状緩和に役立つ果物
副作用の症状に合わせて果物を賢く選ぶことは、QOL(生活の質)を維持するための非常に有効な戦略です。
- 吐き気・嚥下困難(飲み込みにくさ)がある時:柔らかく、のどごしが良く、酸味の少ない果物が適しています。バナナはその代表格で、カリウムなどの栄養価も高く、胃にも優しい食品として知られています29。その他、熟したメロン(カンタロープ、ハネデュー)、すりおろしたりんご(アップルソース)、加熱して柔らかくした桃や洋梨のコンポート、缶詰なども食べやすい選択肢です26。パパイヤやマンゴーも吐き気を和らげるのに役立つとされています32。
- 下痢がある時:水溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収してゲル状になり、便を固めるのを助ける働きがあります。特にバナナやりんごに豊富に含まれる「ペクチン」という水溶性食物繊維は、下痢の症状緩和に有効であることが知られています26。
- 便秘がある時:不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく含む果物(りんご、洋梨、ベリー類など)を、十分な水分と共に摂取することで、腸の動きを自然に促し、便通を改善する効果が期待できます33。
- 食欲不振の時:食欲がない時でも、果物のさっぱりとした甘みや穏やかな酸味は口にしやすいことが多いです34。果物に含まれる果糖は速やかにエネルギーに変換されるため、体重減少が心配な時の効率的なエネルギー補給源としても非常に優れています34。牛乳やヨーグルト、豆乳などと一緒にミキサーにかければ、タンパク質も同時に摂取できる栄養価の高いスムージーになります23。
副作用の症状 | 推奨される果物 | 食べ方の工夫 |
---|---|---|
口内炎・のどの痛み | バナナ、メロン、熟した桃、洋梨、パパイヤ | 酸味の強いものは避ける。よく熟したものを選ぶ。冷やしたり、スムージーにしたりすると刺激が少ない24。 |
吐き気・嘔吐 | バナナ、缶詰の桃や洋梨、メロン | 香りが強くなく、酸味が少ないものを選ぶ。冷たくして食べると吐き気が和らぐことがある5。 |
下痢 | バナナ、りんご(皮なし、すりおろし) | 水溶性食物繊維(ペクチン)が豊富なものを選ぶ。加熱するとより消化しやすくなる26。 |
便秘 | りんご、洋梨、ベリー類、プルーン(少量から) | 食物繊維が豊富な果物を十分な水分と共に摂る。ドライフルーツも有効33。 |
食欲不振 | 好きな果物全般 | さっぱりして食べやすいものを選ぶ。スムージーやジュース、ゼリーにするなど形態を工夫する34。 |
味覚変化 | レモン、オレンジなど(口内炎がない場合) | 食前に酸味のあるもので味覚を刺激すると、唾液の分泌が促され、味を感じやすくなることがある23。 |
3.2 がんとの闘いをサポートする可能性のある果物
まず最初に、そして最も強く強調すべきは、いかなる単一の食品もがんを治癒させることはできないということです9。ここでの目的は、体全体の健康状態を良好に保ち、治療の土台となる体を支える可能性のある栄養素を、サプリメントではなく日常の食事から自然な形で摂取することにあります。以下の情報は主に基礎研究(実験室レベル)や動物実験に基づくものであり、人間での有効性についてはまだ研究途上であることをご理解ください。
- ベリー類(ブルーベリー、ブラックベリーなど):ベリー類は、アントシアニンをはじめとする抗酸化物質や抗炎症物質を極めて豊富に含んでいます8。基礎研究の段階では、これらの成分ががん細胞の増殖を抑制し、アポトーシス(細胞のプログラムされた自然死)を誘導する可能性が示されています38。ただし、これらの成分が体内でどれだけ効率的に吸収され、がん細胞に届くか(生体利用率)という課題や、一部の化学療法との干渉の可能性も指摘されているため41、サプリメントなどでの高濃度摂取には注意が必要です。
- ザクロ:ザクロに含まれるエラジタンニンというポリフェノールは、腸内細菌によってウロリチンという物質に変換されます。このウロリチンが、近年の研究で強力な抗炎症作用や抗増殖作用を持つことが分かり、世界中の研究者から大きな注目を集めています42。
- りんご:りんごには水溶性食物繊維であるペクチンのほか、フロレチンなどのポリフェノールが含まれており、腸内環境の改善や抗酸化作用を通じて、体の防御機能をサポートすることが期待されます29。
- 柑橘類:口内炎がない時には、ビタミンCとフラボノイドの優れた供給源となります。ビタミンCは強力な抗酸化作用を持つだけでなく、植物性食品からの鉄分の吸収を高める働きがあるため、化学療法の副作用で起こりやすい貧血の予防にも間接的に貢献します29。
これらの研究成果は非常に希望の持てるものですが、現段階ではこれらの果物を「がんを治す魔法の弾丸」としてではなく、あくまで健康的な食事パターンを構成する重要で美味しい一要素として捉えることが、科学的に正確で責任ある態度と言えます。
第4部:【最重要】感染症を防ぐための食品安全衛生ガイド
がん治療中、栄養補給と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが食品の安全管理です。特に、果物を生で摂取する際には、食中毒や日和見感染を防ぐための正しい知識と実践が不可欠となります。
なぜ食品安全がこれほど重要なのか?
化学療法や放射線治療は、がん細胞だけでなく、骨髄でつくられる正常な白血球にも大きな影響を与えます。白血球の中でも、細菌と戦う最前線の兵士である「好中球」が著しく減少した状態を、医学的に好中球減少症(ニュートロペニア)と呼びます46。この状態になると体の免疫力が著しく低下し、健康な人なら全く問題にならないような、ごくわずかな細菌でも、生命を脅かす重篤な感染症を引き起こす原因となり得るのです48。
「好中球減少食」から「食品安全遵守」へのパラダイムシフト
かつて、免疫力が低下した患者さんには、「好中球減少食」という名の下で、生の野菜や果物、サラダ、刺身などを一切禁止するような、非常に厳しい食事制限が指導されることが一般的でした46。しかし、近年の複数の研究により、この厳格な食事が感染症の発生率を低下させるという明確な科学的根拠はないことが示されています52。むしろ、過度な制限は栄養不足やQOL(生活の質)の低下を招くというデメリットの方が大きいと懸念されるようになりました。そのため、現在では米国疾病予防管理センター(CDC)や米国対がん協会(ACS)といった主要な国際機関は、特定の食品を画一的に禁止するのではなく、すべての食品に対して厳格な安全衛生管理を行うことを強く推奨しています52。恐怖に基づく「制限」から、知識に基づく「管理」へ。これは、患者さんにとって食べられるものの選択肢を大きく広げ、食事の楽しみを維持するための非常に重要なパラダイムシフトです。
果物を安全に食べるための具体的な方法
免疫力が低下している時期であっても、以下の基本的なルールを徹底すれば、多くの果物を安全に楽しむことができます。
- 「洗う」が基本中の基本:すべての果物は、食べる直前に、清潔な流水で少なくとも20秒以上、丁寧にもみ洗いします。特に重要なのは、皮をむいて食べるバナナやオレンジ、メロンなども、皮をむく前に必ず洗うことです。皮の表面に付着した細菌が、包丁や手を通じて果肉に付着する「交差汚染」を防ぐためです53。メロンのように表面が網目状でごつごつしたものは、清潔な野菜用ブラシでこすり洗いすることが、米国食品医薬品局(FDA)によって推奨されています56。
- 傷んだ果物は避ける:皮に傷やあざ、カビが生えているものは、細菌が内部に侵入している可能性があるため、迷わず避けましょう53。
- 交差汚染を徹底的に防ぐ:生の肉や魚を切った包丁やまな板を、洗浄・消毒せずに果物のカットに使用することは絶対にいけません。理想的には調理器具を食品ごとに使い分けるか、それが難しい場合は、使用の都度、洗剤と熱湯で十分に洗浄してください54。
- 外食時の注意:スーパーのカットフルーツやサラダバー、デリで販売されている作り置きの食品は、どのような環境で調理・管理されたかが不確かなため、免疫力が特に低下している時期は避けるのが最も安全な選択です48。
免疫力低下時の果物の安全な取り扱いチェックリスト
- □ 買い物:果物の表面に傷、あざ、カビがないか注意深く確認したか?
- □ 調理前:石鹸と流水で20秒以上、しっかりと手を洗ったか?
- □ 調理器具:まな板や包丁は清潔か?(生の肉・魚用とは明確に分けているか?)
- □ 洗浄:流水で丁寧にもみ洗いしたか?(最低20秒)
- □ 皮むき前洗浄:皮をむく果物(バナナ、オレンジ、メロン等)も、むく前に洗ったか?
- □ ブラシ使用:表面が硬い果物(メロン、りんご等)は、清潔なブラシでこすり洗いしたか?
- □ 調理後:カットした果物はすぐに食べるか、速やかに冷蔵保存したか?
- □ 接触防止:調理済みの食品に素手で触れていないか?
このチェックリストを日々の習慣とすることで、感染症の危険性を大幅に低減し、安心して栄養豊富な果物を食事に取り入れることができます。
よくある質問
なぜグレープフルーツだけが特に厳しく禁止されるのですか?
グレープフルーツに含まれる「フラノクマリン類」という成分が、多くの経口抗がん剤を分解する体内の酵素(CYP3A4)の働きを強力に阻害してしまうためです5。これにより、薬が分解されずに血中濃度が意図せず高くなり、命に関わるような重篤な副作用を引き起こす危険性が非常に高いからです。この作用は他の果物と比べて突出して強いため、特に厳格な注意喚起がなされています。
ジュースやスムージーなら食べやすいのですが、問題ありますか?
オーガニック(有機栽培)の果物なら安全ですか?
オーガニックであるかどうかと、細菌汚染のリスクは別の問題です。オーガニックの果物も、土壌や水、収穫・輸送過程で細菌に汚染される可能性は十分にあります。したがって、オーガニックの果物であっても、本稿で解説した「流水での洗浄」や「衛生的な調理器具の使用」といった食品安全の基本原則を同様に徹底する必要があります53。
冷凍フルーツは使っても良いですか?
市販の冷凍フルーツは、一般的に衛生管理された工場で洗浄・加工されているため、比較的安全な選択肢とされています。特にスムージーなどに利用しやすく便利です。ただし、開封後は家庭の冷凍庫の衛生状態に注意し、一度解凍したものを再冷凍するのは避けてください57。
結論
がん治療中の食事、特に果物との賢い付き合い方について、科学的根拠に基づき多角的に解説してきました。複雑に感じられたかもしれませんが、重要なポイントはいくつかのシンプルな原則に集約されます。
- 基本は「植物性食品中心」のバランスの取れた食事:治療を乗り切る体力の土台として、様々な野菜、全粒穀物、豆類と共に、多種多様な果物を食事に取り入れることを目指しましょう。
- 「避けるべき」は明確に:薬との相互作用の危険性が極めて高いグレープフルーツとその近縁種は、治療期間中、厳格に避ける必要があります。
- 「適応する」勇気と知恵を持つ:口内炎がある時は酸っぱい果物を、下痢の時は食物繊維の多い生の果物を一時的に控えるなど、日々の副作用に合わせて食事を柔軟に調整することが、QOLを保つ鍵です。
- 「積極的に摂る」果物を賢く選ぶ:バナナやりんご、ベリー類など、症状緩和や栄養補給に役立つ果物を、体調の良い時に上手に取り入れましょう。
- 「安全第一」を何よりも徹底する:免疫力が低下している時期は、過度な食事制限に固執するよりも、徹底した手洗いや食材の洗浄といった食品安全衛生のルールを守ることが、感染症を防ぐ上で最も重要です。
最終的に、世界中の栄養専門家たちが一貫して強調しているのは、個々の「スーパーフード」にこだわるのではなく、食事全体の「パターン」こそが長期的な健康を左右するということです859。
そして、本稿で提供した情報は、あくまで一般的な指針に過ぎません。あなたの治療内容、病状、体質、そして個人の好みによって、最適な食事は一人ひとり異なります。したがって、最も重要で、最後の、そして最強の推奨事項は、必ずあなたの治療チーム、特にがん医療における栄養管理の専門家である「がん病態栄養専門管理栄養士」に相談することです4764。医師、看護師、薬剤師、そして管理栄養士は、あなたのためだけの個別化された食事プランを作成するための、最高のパートナーです。
食事は、単に生命を維持するための作業ではありません。それは日々の喜びであり、文化的な営みの一部でもあります。がん治療という厳しい現実によって、その食事が苦痛や不安の源になってしまうことは、QOLを著しく損ないます263。本稿が提供する知識が、患者さんとご家族が食事に対する漠然とした恐怖を乗り越え、自らの手で食生活を賢く管理し、再び食べる喜びを取り戻すための一助となることを、JHO編集委員会一同、心より願っています。正しい知識を身につけ、医療チームと緊密に連携することで、あなたは自身のケアにおける、主体的で情報に基づいた意思決定の参加者となることができるのです。
参考文献
- 栄養・食事関連メディア情報の科学的評価及び 国民への影響の分析のための研究. 厚生労働行政推進調査事業費補助金(がん政策研究事業). [インターネット]. 2022. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/download_pdf/2023/202308025A.pdf
- 国立がん研究センターがん情報サービス. 食事と栄養のヒント. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://ganjoho.jp/public/qa_links/book/public/pdf/41_183-190.pdf
- 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン作成委員会. がんの苦痛症状の緩和および支持療法に関するガイドライン(2013年版)Ⅴ章 資料. [インターネット]. 2013. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://www.jspm.ne.jp/files/guideline/glhyd_2013/05_03.pdf
- American Cancer Society. Nutrition for People with Cancer. [Internet]. [Updated 2020 Jun 29; cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.cancer.org/cancer/survivorship/coping/nutrition.html
- 株式会社セルクラウド. 抗がん剤治療中に食べてはいけないものは?副作用別に食事のポイントを解説. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://micro-ctc.cellcloud.co.jp/column/not-eat-during-chemotherapy
- 第一三共エスファ株式会社. がん患者さんの感染症予防. Assist. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://oncology-assist.jp/patient/infection/ic05.php?certification=1
- Muscaritoli M, Arends J, Bachmann P, et al. ESPEN practical guideline: Clinical Nutrition in cancer. Clin Nutr. 2021;40(5):2898-2913. doi:10.1016/j.clnu.2021.02.005. Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2770876/ [Note: Provided URL is for a different, older article but retained as per instructions. The primary citation is correct.]
- NutritionFacts.org. The Best Diet for Cancer Patients. [Internet]. 2017 Jul 18 [cited 2025 Jun 23]. Available from: https://nutritionfacts.org/video/the-best-diet-for-cancer-patients/
- Iowa Radiology. More Matters! Fruits and Veggies Help Your Body Fight Cancer. [Internet]. 2014 Oct 16 [cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.iowaradiology.com/more-matters-fruits-and-veggies-help-your-body-fight-cancer/
- World Cancer Research Fund. Evidence for our recommendations. [Internet]. [cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.wcrf.org/research-policy/evidence-for-our-recommendations/
- World Cancer Research Fund. Our Cancer Prevention Recommendations. [Internet]. [cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.wcrf.org/preventing-cancer/cancer-prevention/our-cancer-prevention-recommendations/
- 国立がん研究センターがん情報サービス. がんの発生要因. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/factor.html
- 国立がん研究センターがん情報サービス. 科学的根拠に基づくがん予防. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/evidence_based.html
- 株式会社協和企画. がんのリスクを防ぐ食べ物・飲み物とは. からだケアナビ. [インターネット]. 2022年2月1日 [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://www.karadacare-navi.com/foods/19/
- 消費者庁. わが国における栄養政策の動向について. [インターネット]. 2023年11月1日 [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms206_20231101_04.pdf
- 国立健康・栄養研究所. 果物の摂取量は年代によって差がある?. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://www.nibn.go.jp/eiken/kenkounippon21/download_files/other/document_08.pdf
- nosh. 果物摂取量、1日の目安はどのくらい?厚生労働省が新しい目標を発表. NOSH MAGAZINE. [インターネット]. 2022年9月30日 [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://nosh.jp/magazine/health/6631/
- 埼玉県国民健康保険団体連合会. 日本人の1日当たりの果物摂取量の実際. [インターネット]. 2022年10月 [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://www.saikokuhoren.or.jp/pages/02_2410.html
- National Cancer Institute. Nutrition During Cancer. [Internet]. [Updated 2022 May 25; cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/side-effects/nutrition
- がん情報サイト「オンコロ」. [患者さん向け]がん治療と食品に関する情報(支持療法). [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://cancerinfo.tri-kobe.org/summary/detail_view?pdqID=CDR0000805098&lang=ja
- 公益財団法人長寿科学振興財団. 薬と食べ物の相互作用. 健康長寿ネット. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyou-shippei/yobou-kusuri-shokuji.html
- 大阪国際がんセンター. 薬と食品の相互作用について. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://oici.jp/hospital/patient/fdin/medicine_01/
- 近畿大学病院 がんセンター. 抗がん剤治療と食事. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://www.med.kindai.ac.jp/gancenter/files/anticancer_treatment_and_meal.pdf
- がんクラス. がんとつきあう(がん治療の副作用)口のなかに不快感がある時の食事の仕方. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://www.ganclass.jp/confront/associate/oral_food
- Memorial Sloan Kettering Cancer Center. 食道がん治療中の食事と栄養. [インターネット]. 2021年9月23日 [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://www.mskcc.org/ja/pdf/cancer-care/patient-education/nutrition-during-treatment-esophageal-cancer
- American Cancer Society. High-Fiber and Low-Fiber Foods. [Internet]. [Updated 2020 Jan 29; cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.cancer.org/cancer/survivorship/coping/nutrition/low-fiber-foods.html
- パンキャンジャパン. 食事と栄養:膵臓癌の際に食べるべきものと避けるべきもの. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://pancan1.org/index.php?option=com_content&view=article&id=1317:%E9%A3%9F%E4%BA%8B%E3%81%A8%E6%A0%84%E9%A4%8A%EF%BC%9A%E8%86%B5%E8%87%93%E7%99%8C%E3%81%AE%E9%9A%9B%E3%81%AB%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%82%8B%E3%81%B9%E3%81%8D%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%A8%E9%81%BF%E3%81%91%E3%82%8B%E3%81%B9%E3%81%8D%E3%82%82%E3%81%AE&catid=93&Itemid=464
- くにちか内科クリニック. がんを防ぐ ー 野菜・果物とがん. [インターネット]. 2015年7月 [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://kunichika-naika.com/information/hitori201507
- Healthline. Fruits to Eat During and After Cancer Treatment. [Internet]. 2022 Dec 15 [cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.healthline.com/nutrition/fruits-for-cancer-patients
- Medical News Today. Fruit and cancer treatment: Can it help?. [Internet]. 2023 Jun 26 [cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.medicalnewstoday.com/articles/best-fruits-to-eat-with-cancer-treatment
- 国立がん研究センター東病院 栄養管理室. 抗がん剤治療中の簡単・お助けレシピ ―第 24 回 「口内炎」. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/division/nutrition_management/info/seminar/recipe/recipe024.pdf
- ワタノソスト病院. 9つのがん予防のための食事の秘訣. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://www.bangkokhospital.com/ja/bangkok-cancer/content/9-diet-secrets-for-cancer-prevention
- 国立がん研究センターがん情報サービス. 大腸がん(結腸がん・直腸がん) Q&A. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/qa.html
- メディ在宅クリニック. 果物について. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://meddy-clinic.jp/kanwacare-new/kudamono/
- 松江赤十字病院. がん化学療法中の患者さんへ. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://www.matsue.jrc.or.jp/files/libs/136/201608031611142851.pdf
- American Institute for Cancer Research. AICR’s Foods that Fight Cancer. [Internet]. [cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.aicr.org/cancer-prevention/food-facts/
- がん専門医が解説【やさしいがん治療】. がん患者さんにおすすめの果物(フルーツ)5つ:医師による研究結果まとめ. [インターネット]. YouTube; 2022. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://www.youtube.com/watch?v=IFFRVMzH3mo
- Seeram NP. Evidence for Anti-Cancer Properties of Blueberries: A Mini-Review. ResearchGate. [Internet]. 2008 Feb [cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.researchgate.net/publication/235414509_Evidence_for_Anti-Cancer_Properties_of_Blueberries_A_Mini-Review
- Sun X, Wang T, Zhang Y, et al. Anthocyanidins Inhibit Growth and Chemosensitize Triple-Negative Breast Cancer via the NF-κB Signaling Pathway. Int J Mol Sci. 2021;22(24):13593. doi:10.3390/ijms222413593. Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8699375/
- Wang L, Gao S, Jiang W, et al. Inhibitory Effect of Blueberry Anthocyanins on Human Gastric Adenocarcinoma Cells and Transplanted Tumor in Nude Mice by Regulating the Endogenous Apoptosis Pathway. Indian J Pharm Sci. 2022;84(2):334-341. doi:10.36468/pharmaceutical-sciences.925. Available from: https://www.ijpsonline.com/articles/inhibitory-effect-of-blueberry-anthocyanins-on-human-gastric-adenocarcinoma-cells-and-transplanted-tumor-in-nude-mice-by-regulatin-5147.html
- Goh JXN, Tan LT, Goh JK, et al. Anthocyanin-Rich Berry Extracts Affect SN-38-Induced Response: A Comparison of Non-Tumorigenic HCEC-1CT and HCT116 Colon Carcinoma Cells. Int J Mol Sci. 2024;25(10):5446. doi:10.3390/ijms25105446. Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11273996/
- Mahzari A, Al-Rejaie SS, Al-Surayea T, et al. The Role of Pomegranate ( Punica granatum ) in Cancer Prevention and Treatment: Modulating Signaling Pathways From Inflammation to Metastasis. Front Pharmacol. 2024;15:1379761. doi:10.3389/fphar.2024.1379761. Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11782917/
- Zarfeshany A, Asgary S, Javanmard SH. Potent health effects of pomegranate. Adv Biomed Res. 2014;3:100. doi:10.4103/2277-9175.129371. [Note: Linked to Herbal Medicine – NCBI Bookshelf source: Pomegranate Ellagitannins. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK92772/]
- Komatsu T, Kiela PR, Mine Y. Urolithin A and B Alter Cellular Metabolism and Induce Metabolites Associated with Apoptosis in Leukemic Cells. Int J Mol Sci. 2021;22(11):6019. doi:10.3390/ijms22116019. Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8196872/
- Song M, Lee S, Kim K, et al. Inhibitory Effects of Urolithins, Bioactive Gut Metabolites from Natural Polyphenols, against Glioblastoma Progression. Int J Mol Sci. 2023;24(24):17180. doi:10.3390/ijms242417180. Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10708538/
- UPMC Hillman Cancer Center. Neutropenic Diet. [Internet]. [cited 2025 Jun 23]. Available from: https://hillman.upmc.com/patients/community-support/education/miscellaneous/neutropenic-diet
- MD Anderson Cancer Center. Neutropenic diets: What cancer patients should know. [Internet]. 2020 Jul 22 [cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.mdanderson.org/cancerwise/neutropenic-diets–what-cancer-patients-should-know.h00-159542112.html
- MedlinePlus. Safe eating during cancer treatment. [Internet]. [Updated 2023 Feb 1; cited 2025 Jun 23]. Available from: https://medlineplus.gov/ency/patientinstructions/000061.htm
- American Cancer Society. Nutrition and Physical Activity During and After Cancer Treatment: Answers to Common Questions. [Internet]. [Updated 2020 Jun 29; cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.cancer.org/cancer/survivorship/be-healthy-after-treatment/nutrition-and-physical-activity-during-and-after-cancer-treatment.html
- American Cancer Society. Food Safety During Cancer Treatment. [Internet]. [Updated 2019 Nov 4; cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.cancer.org/cancer/survivorship/coping/nutrition/weak-immune-system.html
- U.S. Department of Health & Human Services. People at Risk: Those with Weakened Immune Systems. FoodSafety.gov. [Internet]. [Updated 2021 Sep 7; cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.foodsafety.gov/people-at-risk/people-with-weakened-immune-systems
- UNC Lineberger Comprehensive Cancer Center. Do you really need to follow the neutropenic diet?. [Internet]. 2020 Sep 28 [cited 2025 Jun 23]. Available from: https://unclineberger.org/nutrition/do-you-really-need-to-follow-the-neutropenic-diet/
- Memorial Sloan Kettering Cancer Center. Neutropenic Diet. [Internet]. [Updated 2024 Apr 24; cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.mskcc.org/experience/patient-support/nutrition-cancer/diet-plans-cancer/neutropenic-diet
- U.S. Food and Drug Administration. FOOD SAFETY For Older Adults and People with Cancer, Diabetes, HIV/AIDS, Organ Transplants, and Autoimmune Diseases. [Internet]. 2012 Jul [cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.fda.gov/downloads/Food/FoodborneIllnessContaminants/UCM312790.pdf
- Centers for Disease Control and Prevention. What You Need to Know: Neutropenia and Risk for Infection. [Internet]. [Updated 2022 Jul 18; cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.cdc.gov/cancer/preventinfections/pdf/neutropenia.pdf
- The Leukemia & Lymphoma Society. Food and Nutrition During Cancer Treatment. [Internet]. [cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.lls.org/sites/default/files/2024-08/FS24_Food_and_Nutrition_Fact_Sheet_0824rev.pdf
- University Hospitals. Food Safety Guidelines for People with Cancer. [Internet]. [cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.uhhospitals.org/-/media/files/services/cancer/patient-education/food-safety-guidelines-for-people-with-cancer.pdf
- Cancer Center for Healing. Food Safety Guidelines for Immunocompromised Cancer Patients. [Internet]. 2023 Dec 5 [cited 2025 Jun 23]. Available from: https://cancercenterforhealing.com/food-safety-guidelines-for-immunocompromised-cancer-patients/
- American Institute for Cancer Research. New Cancer Prevention Report Released: Dietary and Lifestyle Patterns. [Internet]. 2024 May 21 [cited 2025 Jun 23]. Available from: https://www.aicr.org/resources/blog/new-cancer-prevention-report-released-dietary-and-lifestyle-patterns/
- がん情報サイト「オンコロ」. 医療専門家向け がん医療における栄養(PDQ®). [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://cancerinfo.tri-kobe.org/summary/detail_view?pdqID=CDR0000276584&lang=ja
- うじな家庭医療クリニック. 抗がん剤治療中に避けたい10のこと. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://ujina-family-clinic.com/column/%E6%8A%97%E3%81%8C%E3%82%93%E5%89%A4%E6%B2%BB%E7%99%82%E4%B8%AD%E3%81%AB%E9%81%BF%E3%81%91%E3%81%9F%E3%81%8410%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8/
- がん研究会有明病院. 栄養管理部. [インターネット]. [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://www.jfcr.or.jp/hospital/department/clinic/central/nutrition/index.html
- おいしい健康. おいしいはずの食事が苦痛に変わるとき|私はがん病態栄養専門管理栄養士です. [インターネット]. 2021年4月16日 [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://oishi-kenko.com/articles/nutritionist
- 公益社団法人 日本栄養士会. がん病態栄養専門管理栄養士として、患者の人生を支えていきたい. [インターネット]. 2024年2月9日 [引用日: 2025年6月23日]. Available from: https://www.dietitian.or.jp/features/toprunner/20240902.html