本稿の科学的根拠
JapaneseHealth.org編集委員会は、読者の皆様に最高水準の正確性と信頼性を提供するため、本稿の執筆にあたり、世界的に権威のある診療ガイドラインおよびシステマティックレビューのみを情報源としています。本稿で提示される全ての推奨事項、統計、および臨床的判断は、以下の情報源に直接基づくものです。
- 日本国内の主要学会ガイドライン:日本鼻科学会、日本耳科学会などが発行する診療ガイドラインは、日本の医療環境、疫学、薬剤耐性状況を反映した治療方針の基盤となっています。特に『急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン』1、『小児急性中耳炎診療ガイドライン』22は、本稿における国内標準治療の記述の中核をなします。
- 国際的な主要診療ガイドライン:米国耳鼻咽喉科頭頸部外科学会(AAO-HNS)3、米国小児科学会(AAP)26、米国感染症学会(IDSA)36、英国国立医療技術評価機構(NICE)37、欧州鼻科学会(EPOS)9が公表するガイドラインを横断的に分析し、国際的な標準治療との比較考察を行っています。これにより、グローバルな視点からの最適な医療実践を提示します。
- コクラン・レビュー(Cochrane Review):治療介入の有効性と安全性を評価する上で最も信頼性の高いエビデンスとされる、コクラン共同計画によるシステマティックレビューを複数引用しています。特に、抗菌薬の有効性に関するレビュー124は、本稿が提唱する抗菌薬適正使用の論理的根幹を形成しています。
要点まとめ
- 耳鼻咽喉科の三大急性疾患(鼻副鼻腔炎、中耳炎、咽頭炎)の圧倒的多数はウイルスが原因であり、抗菌薬は不要で自然に治癒します。
- 診断の核心は、抗菌薬治療が真に有益となる少数の細菌感染症を、臨床経過(例:10日以上改善なく続く、一度良くなりかけた後に再悪化する)などの厳格な基準で見極めることにあります。
- 抗菌薬が不要な場合、治療の主役は症状緩和です。鎮痛薬、鼻腔内ステロイド、鼻洗浄など、科学的根拠のある対症療法を積極的に行うことが推奨されます。
- 小児急性中耳炎では、肺炎球菌ワクチンの普及により重症例が減少し、「待機的経過観察」が安全な選択肢となりました。治療の最優先事項は、抗菌薬投与よりも適切な鎮痛薬による疼痛管理です。
- 咽頭炎では、迅速抗原検出テスト(RADT)を用いて、治療が必要なA群レンサ球菌(GAS)感染症を正確に特定することが重要です。ウイルス性咽頭炎への抗菌薬投与は避けるべきです。
- 抗菌薬が必要と判断された場合、第一選択薬はペニシリン系の薬剤(アモキシシリン)であり、これは国際的な標準治療として確立されています。
第1部: 急性鼻副鼻腔炎 (Acute Rhinosinusitis: ARS)
1.1. 定義と病態生理
急性鼻副鼻腔炎(ARS)の定義は、国際的に高いレベルで調和が図られています。日本鼻科学会はARSを「急性に発症し、発症から4週間以内の鼻副鼻腔の感染症」と定義し、その主要症状として鼻閉、鼻漏(前鼻漏・後鼻漏)、咳嗽、そして頭痛や顔面痛を挙げています1。この定義は、欧州のEPOS2020ガイドラインが示す「鼻閉または鼻漏を必須症状とする2つ以上の症状が12週未満続く状態」9や、米国のAAO-HNSガイドラインの定義10と実質的に一致しており、本疾患概念に関する国際的な合意が形成されていることを示しています。
ARSの病態を理解する上で最も重要なのは、その多くが感冒、すなわちウイルス感染を発端とするという点です1。ウイルス感染による鼻粘膜の炎症とそれに伴う線毛機能の低下が、副鼻腔の自然口を閉塞させ、二次的な細菌感染を誘発する「ウイルスから細菌へ」という病態の連続性が特徴です1。ほとんどの症例はウイルス性の段階で1週間以内に自然寛解しますが7、一部が細菌感染へと移行します。主要な起炎菌としては、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、そしてモラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)が知られています1。この病態の連続性を理解することこそが、後述する治療戦略の論理的根幹をなします。
1.2. 診断的アプローチ:ウイルス性 vs. 細菌性の鑑別
急性細菌性鼻副鼻腔炎(Acute Bacterial Rhinosinusitis: ABRS)の診断は、主に臨床経過に基づいて行われます。このアプローチは、不要な画像検査を避け、抗菌薬の適正使用を促進するために極めて重要です。米国耳鼻咽喉科頭頸部外科学会(AAO-HNS)をはじめとする主要な国際ガイドラインは、合併症や他の重篤な疾患が疑われる場合を除き、ARSの診断目的での日常的な画像検査(X線撮影など)を推奨していません3。
診断の核心は、抗菌薬が不要なウイルス性鼻副鼻腔炎(Viral Rhinosinusitis: VRS)と、抗菌薬治療が選択肢となりうるABRSとを、臨床経過を用いて鑑別することです。この鑑別のための時間的基準は、抗菌薬適正使用における最初の、そして最も重要な関門となります。国際的に広く合意されている基準は以下の二つです。
- 10日間基準 (10-day mark): 鼻閉や膿性鼻汁などの症状が、発症から10日間以上、全く改善傾向なく持続する場合7。
- 二峰性増悪 (Double Worsening): 感冒様の症状が数日間続いた後に一旦改善傾向を見せたものの、発症後5〜7日目以降に再び発熱、鼻症状、顔面痛などが明らかに悪化する場合7。
これらの基準のいずれかを満たす場合にABRSの可能性が高いと判断されます。逆に、発症から10日以内で症状が重篤でなく、かつ改善傾向にある場合は、VRSと診断し、抗菌薬は不要であると判断するのが標準的なアプローチです7。
1.3. 治療戦略:国際的ガイドラインの比較考察
1.3.1. 抗菌薬適正使用の原則:「待機的経過観察」という積極的選択
ARS治療における近年の最も大きな進展は、抗菌薬の役割が限定的であることが高品質な科学的根拠によって示されたことです。2018年に発表されたコクラン・レビューは、成人のARSに対する抗菌薬の有効性について決定的な結論を提示しました。このレビューによると、抗菌薬はプラセボ(偽薬)と比較して治癒率をわずかに高めるものの、その利益を得るためには19人の患者を治療する必要がある(利益を得るための治療必要数, NNTB = 19)一方で、8人に1人の割合で下痢などの有害事象を引き起こす(有害事象のための治療必要数, NNTH = 8)ことが明らかになりました12。この科学的根拠は、利益が害を明確に上回るとは言えず、合併症のないARSに対する抗菌薬の日常的な使用を否定する強力なものです。
この科学的根拠に基づき、AAO-HNSガイドラインは、合併症のないABRSと診断された成人患者に対し、「抗菌薬の即時投与」または「待機的経過観察(watchful waiting)」のいずれかを、患者との共同意思決定(Shared Decision-Making)の上で選択することを強く推奨しています3。ここで重要なのは、「待機的経過観察」が単なる放置ではないという点です。これは、7日以内に症状が改善しない、あるいは経過中いつでも症状が悪化した場合には抗菌薬を開始するという明確な安全策(セーフティネット)を伴う、積極的な管理戦略です11。日本のガイドラインも「軽症例の一次治療には抗菌薬投与を行わないことを推奨する」と明記しており7、この国際的な潮流と完全に軌を一にしています。
1.3.2. 薬物療法
ARSの薬物療法は、抗菌薬療法と、症状緩和を目的とした補助療法に大別されます。
抗菌薬療法(必要な場合)
抗菌薬の投与が適切と判断された場合、その薬剤選択には国際的な合意が存在します。
- 第一選択薬: 日本および米国のガイドラインは、第一選択薬としてアモキシシリン(または必要に応じてクラブラン酸を配合したアモキシシリン・クラブラン酸)を推奨しています711。これは、主要な起炎菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌に対して良好な活性を持ち、かつ比較的抗菌範囲が狭いため、耐性菌を誘導する危険性が低いという理由に基づいています。
- 投与期間: 米国ガイドラインでは、成人に対する投与期間として5〜10日間が推奨されています11。
- 第二選択・代替薬: ペニシリンアレルギーを持つ患者や初期治療に反応しない症例に対する代替薬の選択には、各国の薬剤耐性パターンを反映した地域差が見られます。米国ガイドラインではドキシサイクリンや呼吸器系キノロンが推奨される一方で11、日本のガイドラインでは経口第3世代セフェム系薬やマクロライド系薬も選択肢として考慮されます7。
補助療法と対症療法
抗菌薬の要否にかかわらず、症状緩和はARS治療の重要な柱です。
- 科学的根拠が確立された治療: 鼻腔内ステロイド(INCS)と生理食塩水による鼻洗浄は、VRSおよびABRSのいずれにおいても症状緩和に有効であることが、複数のガイドラインやコクラン・レビューによって一貫して支持されており315、全てのARS患者に積極的に推奨されるべき治療法です。
- 議論のある治療: 経口ステロイドは、抗菌薬との併用で短期的な症状改善効果を示すという科学的根拠が存在しますが(NNTB 7)16、その効果は限定的であり、全身性の副作用の危険性を考慮すると、日常的な使用は推奨されません。
- 日本特有の実践: 日本の耳鼻咽喉科診療では、抗菌薬などを含んだ薬剤を霧状にして吸入するネブライザー治療が広く行われています18。日本鼻科学会のガイドラインでもその有効性が検討されていますが1、国際的な主要ガイドラインにおける推奨度はINCSほど高くはありません。ネブライザー治療は、鼻腔内の加湿や粘液線毛機能の改善を目的とした補助的な治療法として位置づけるのが妥当と考えられます。
項目 | 日本急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン (2013年追補版)7 | 米国耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 (AAO-HNS) ガイドライン (2015年)11 |
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第一選択薬 | アモキシシリン(AMPC) | アモキシシリン(Amoxicillin)またはアモキシシリン・クラブラン酸 |
用量(成人) | 500 mg, 1日3回 | 500 mg, 1日3回 または 875 mg, 1日2回 |
投与期間 | 7~10日間 | 5~10日間 |
第二選択薬/代替薬 | ・経口第3世代セフェム系薬(高用量) ・レスピラトリーキノロン ・マクロライド系薬 |
ペニシリンアレルギー時: ・ドキシサイクリン ・レスピラトリーキノロン(レボフロキサシン、モキシフロキサシン) 初期治療不応時: ・高用量アモキシシリン・クラブラン酸 ・レスピラトリーキノロン |
1.4. 日本における診療の実際と提言
ARSに対する抗菌薬の限定的な有効性を示すコクラン・レビュー12のような科学的根拠は、一見すると「治療しても意味がない」という考えに繋がりかねません。しかし、日米欧の主要ガイドラインが示す方向性は、単に抗菌薬を否定するのではなく、治療の目標そのものを「細菌の撲滅」から「患者の生活の質の向上(症状の緩和)と重症化の監視」へと再定義することにあります7。この考え方の転換により、「待機的経過観察」は「何もしない」ことではなく、鎮痛薬、鼻腔内ステロイド、鼻洗浄といった科学的根拠のある対症療法を積極的に行いながら11、明確な基準をもって経過観察する「積極的な症状管理戦略」へと昇華されます。この治療概念の転換を理解することが、現代のARS診療を実践する上での鍵となります。
また、ARSの診断基準(10日間基準や二峰性増悪)や第一選択抗菌薬(アモキシシリン)において、日本のガイドライン7と国際ガイドライン9は著しく収束しており、世界的な標準が確立されていると言えます。一方で、日本の臨床現場で頻用されるネブライザー治療18は、国際的な科学的根拠の階層においては、鼻腔内ステロイド15ほど強力な推奨を得ていません。これは、科学的根拠の強さと長年の臨床現場での慣習との間に存在する隔たりを示唆しています。日本の臨床医には、国際的な科学的根拠の潮流を深く理解した上で、ネブライザー治療を「鼻腔内の加湿と排膿促進」という補助的な役割として位置づけ、より科学的根拠レベルの高い鼻腔内ステロイドや鼻洗浄と適切に組み合わせる、という統合的なアプローチが求められます。
第2部: 小児急性中耳炎 (Pediatric Acute Otitis Media: AOM)
2.1. 定義と疫学
小児急性中耳炎(AOM)は、中耳腔に生じる急性の炎症性疾患であり、典型的にはウイルス性の上気道炎に続発して発症します20。解剖学的に耳管が成人よりも太く、短く、水平に近いという乳幼児特有の特徴が、鼻咽腔の病原体を中耳腔へと到達させやすくしており、本疾患が乳幼児に好発する主要な要因となっています20。
近年のAOM診療において最も画期的な出来事は、肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)の定期接種化です。これにより、かつて難治性AOMの主要な原因であったワクチン血清型の薬剤耐性肺炎球菌による感染が劇的に減少し22、AOM全体の重症度が低下しました。この疫学的な変化は、抗菌薬への依存度を低減させ、後述する「待機的経過観察」という治療戦略の安全性を担保する科学的基盤となり、日本の診療ガイドラインが改訂される大きな背景ともなっています22。
2.2. 診断の要点:過剰診断の回避
AOMの過剰診断とそれに伴う不必要な抗菌薬処方は、小児医療における長年の課題でした。この問題を克服するため、現代の診療ガイドラインは客観的な所見に基づく厳格な診断基準を設けています。米国小児科学会(AAP)のガイドラインでは、AOMの確定診断には以下のいずれかが必要であると定めています:(1) 中等度から高度の鼓膜の膨隆、または (2) 軽度の鼓膜膨隆を伴う最近48時間以内の耳痛、もしくは強い鼓膜の発赤26。単に泣いた後などにみられる鼓膜の発赤だけではAOMと診断すべきではない、という点が重要です23。
一方、日本の診療ガイドラインは、より精緻なアプローチを採用しています。鼓膜所見(発赤、膨隆)と臨床症状(耳痛、発熱など)を点数化し、その合計スコアによって軽症・中等症・重症に分類する独自のシステムを導入しています23。この重症度分類は、個々の患者の状態を客観的に評価し、治療方針を決定する上で極めて実践的なツールとなります。いずれのガイドラインにおいても、治療選択の根幹をなすのは、正確な鼓膜所見の評価であるという点で共通しています。
2.3. 治療戦略:抗菌薬投与と経過観察の分岐点
2.3.1. 待機的経過観察の強力な科学的根拠
AOMに対する抗菌薬の有効性については、2023年に更新された最新のコクラン・レビューが決定的な見解を示しています。この大規模なメタアナリシスによると、抗菌薬はプラセボと比較して、発症後24時間時点での疼痛を改善せず、その後の数日間の疼痛に対する効果もごくわずかであることが確認されました。その一方で、抗菌薬を投与された小児は、14人に1人の割合で下痢、嘔吐、発疹といった有害事象を経験します4。
この強力な科学的根拠に基づき、AAPおよび日本のガイドラインは、特定の条件下での待機的経過観察(Initial observation)を標準治療の一つとして推奨しています。特に、2歳以上で症状が重度でなく、片側性のAOMに罹患している患児は、待機的経過観察の優れた適応となります23。このアプローチは、多くのAOMが自然治癒するという事実と、抗菌薬の限定的な利益および明確な害とのバランスを考慮した、合理的な戦略です。
2.3.2. 抗菌薬が推奨される場合
待機的経過観察が推奨される一方で、抗菌薬の即時投与が明確に推奨される病態も存在します。ガイドラインが示す主な適応は以下の通りです23。
- 生後6ヶ月未満の全てのAOM
- 年齢にかかわらず、重篤な症状(中等度以上の耳痛、48時間以上持続する耳痛、39℃以上の高熱)を伴うAOM
- 生後6ヶ月から2歳未満の両側性AOM
これらの条件に該当する場合、抗菌薬投与の利益が危険性を上回ると判断されます。
- 第一選択薬: 抗菌薬を投与する場合、その第一選択薬は、薬剤耐性肺炎球菌の存在を考慮した「高用量アモキシシリン」(80-90 mg/kg/日)です。この点において、日米のガイドラインは完全に一致しており2326、これがAOM薬物療法の世界的な標準治療となっています。
- 治療期間: 2歳未満の乳幼児や重症例では10日間、2歳以上の軽症から中等症例では5〜7日間の治療が推奨されます31。
- 治療不応時: 高用量アモキシシリンによる初期治療に48〜72時間以内に反応しない場合は、β-ラクタマーゼ産生菌(インフルエンザ菌やモラクセラ・カタラーリスなど)の関与を考慮し、アモキシシリン・クラブラン酸への変更が推奨されます31。
2.3.3. 疼痛管理と外科的介入
AOMの主症状は強い耳の痛みであり6、抗菌薬が即効性を示さない以上、適切な疼痛管理が治療の最優先事項となります。アセトアミノフェンやイブプロフェンといった解熱鎮痛薬を適切に使用し、患児の苦痛を速やかに和らげることが極めて重要です26。
また、日本のガイドラインでは、抗菌薬治療に抵抗する重症例や、強い疼痛が持続する場合、鼓膜の膨隆が著しい場合などに、鼓膜切開を考慮することが明記されています20。鼓膜切開は、中耳腔に貯留した膿を排出することで迅速な症状緩和をもたらし、同時に原因菌を特定するための検体採取を可能にしますが、実施には専門的な技能と設備が必要とされます23。
患者群 | 日本急性中耳炎診療ガイドライン (2018/2024)2223 | 米国小児科学会 (AAP) ガイドライン (2013)26 |
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生後6ヶ月未満 | 即時抗菌薬投与 | 即時抗菌薬投与 |
生後6ヶ月~2歳未満 | 片側性・軽症~中等症: 待機的経過観察または即時抗菌薬投与 両側性または重症: 即時抗菌薬投与 |
片側性・非重症: 待機的経過観察または即時抗菌薬投与 両側性または重症: 即時抗菌薬投与 |
2歳以上 | 軽症~中等症: 待機的経過観察を推奨 重症: 即時抗菌薬投与 |
非重症: 待機的経過観察または即時抗菌薬投与 重症: 即時抗菌薬投与 |
第一選択薬 | 高用量アモキシシリン(AMPC) | 高用量アモキシシリン(Amoxicillin) (80-90 mg/kg/日) |
治療不応時 | アモキシシリン・クラブラン酸(CVA/AMPC)など | アモキシシリン・クラブラン酸(Amoxicillin-clavulanate) |
2.4. 日本のプライマリケアへの提言
AOM診療の背景には、公衆衛生、疫学、そして臨床医学が相互に影響し合う動的な関係性が存在します。PCVワクチンの普及という公衆衛生上の介入が22、難治性AOMの主因であった耐性肺炎球菌を減少させました23。この疫学的な変化が、抗菌薬への依存度を下げ、「待機的経過観察」という治療選択肢の安全性を担保する科学的根拠となったのです。つまり、「公衆衛生の進歩が、臨床医学をより保守的で安全な方向へと進化させた」という明確な因果関係を理解することは、AOM診療の歴史的文脈と現代的意義を深く把握する上で不可欠です。
さらに、治療目標の再定義も重要です。コクラン・レビューが示す通り、抗菌薬は初期の痛みを緩和しません30。一方で、保護者が医療機関を受診する最大の動機は、子供の苦痛を和らげることです6。この事実から導き出されるべき臨床的洞察は、「AOM初期治療の主目的は、細菌の撲滅ではなく、疼痛管理である」ということです。AAPガイドラインも疼痛管理を重要な行動声明として重視しています26。臨床医は、保護者との対話において「抗菌薬は必要か」という問いから、「どうすればお子さんの痛みを最も効果的に和らげられるか」という問いへと焦点を移すべきです。適切な鎮痛薬の使用こそが、待機的経過観察を安全かつ人道的に実践するための鍵となります。最新の『小児急性中耳炎診療ガイドライン 2024年版』では、軽症から重症までを網羅した「アルゴリズムのまとめ」が新たに追加されました22。これは、複雑化する治療選択を日常臨床でより平易に適用できるよう工夫されたものであり、科学的根拠を臨床現場へ実装することを重視する、現代のガイドライン作成の潮流を明確に反映しています。
第3部: 急性咽頭炎 (Acute Pharyngitis)
3.1. 病因の鑑別:ウイルス性 vs. 細菌性
急性咽頭炎は、その圧倒的多数がウイルス性であり、特別な治療を要さず自然に軽快する疾患です35。したがって、咽頭炎診療の主眼は、抗菌薬治療が唯一有効かつ必要となる細菌性咽頭炎、すなわちA群β溶血性レンサ球菌(Group A Streptococcus: GAS)による咽頭炎を、いかに効率的かつ正確に特定するかに置かれます。
GAS咽頭炎は、臨床的にいくつかの特徴的な兆候を示します。典型的には、突然の発症、38℃以上の発熱、嚥下時の強い痛み、滲出物を伴う扁桃の腫大、そして圧痛を伴う前頸部リンパ節腫脹が見られます。一方で、咳、鼻漏、嗄声(声がれ)、口腔内潰瘍といった、ウイルス感染を強く示唆する所見を欠くことが多いのが特徴です38。これらの臨床所見を注意深く評価することが、鑑別の第一歩となります。
3.2. 診断的アプローチ:GAS咽頭炎の特定
臨床所見のみでGAS咽頭炎とウイルス性咽頭炎を確実に鑑別することは困難であるため41、客観的な検査に進むべき患者を選別するために、臨床予測ルールが広く用いられます。
- 臨床予測ルールの活用: Centorスコア(または年齢で補正したMcIsaacスコア)は、①38℃以上の発熱、②咳がない、③圧痛を伴う前頸部リンパ節腫脹、④扁桃の腫大または滲出物、の4項目(McIsaacスコアでは年齢も加味)を評価し、GAS感染の事前確率を層別化します36。スコアが低い(0〜1点)場合、GASの可能性は極めて低いため、さらなる検査は不要と判断されることが一般的です。
- 検査戦略:
- 迅速抗原検出テスト(RADT): Centorスコアが2点以上など、GAS咽頭炎が臨床的に疑われる場合に、RADTが第一選択の検査となります42。RADTは特異度が非常に高いため、陽性であればGAS咽頭炎と確定診断できます。
- 咽頭培養: RADTの感度は100%ではないため、偽陰性の可能性が残ります。この偽陰性を見逃す危険性と、それによって生じうる不利益(特に急性リウマチ熱)を考慮し、米国感染症学会(IDSA)/米国疾病予防管理センター(CDC)ガイドラインは、リウマチ熱の発症危険性が比較的高い小児および青年において、RADTが陰性であった場合に咽頭培養による確認検査を行うことを強く推奨しています42。一方で、成人ではリウマチ熱の危険性が極めて低いため、この確認培養は通常不要とされています42。
3.3. 治療戦略:GAS咽頭炎と対症療法
3.3.1. GAS咽頭炎に対する抗菌薬療法
GAS咽頭炎と診断された場合、抗菌薬治療が適応となります。その目的は多岐にわたります:(1) 発熱や咽頭痛などの症状の期間を1〜2日短縮すること、(2) 治療開始後24時間で他者への伝播性をなくすこと、(3) 扁桃周囲膿瘍などの化膿性合併症を予防すること、そして最も重要な目的として、(4) 心臓弁膜症などを引き起こしうる非化膿性合併症である急性リウマチ熱を予防することです36。
- 第一選択薬: ペニシリンVまたはアモキシシリンが、その狭域な抗菌範囲、確立された有効性、高い安全性、低費用、そしてGASに自然耐性株が存在しないという事実から、国際的に不動の第一選択薬と位置づけられています3637。
- 投与期間: 急性リウマチ熱の予防を確実にするため、伝統的に10日間の投与が標準とされています41。
- ペニシリンアレルギー患者への対応: アレルギーのタイプ(即時型か非即時型か)に応じて代替薬を慎重に選択します。アナフィラキシー歴のない非即時型アレルギーであれば、交差反応の危険性が低い第1世代セファロスポリン(例:セファレキシン)が使用可能です。即時型アレルギーの場合は、クリンダマイシンやマクロライド系(アジスロマイシン、クラリスロマイシン)が選択肢となりますが、マクロライド系薬剤に対しては地域によって耐性菌が存在するため、地域の耐性化動向に注意が必要です36。
項目 | 米国感染症学会 (IDSA) ガイドライン (2012)36 | 英国国立医療技術評価機構 (NICE) ガイドライン (2018)37 |
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第一選択薬 | ペニシリンV または アモキシシリン | フェノキシメチルペニシリン(ペニシリンV) |
用量(成人) | ペニシリンV: 500 mg, 1日2回 アモキシシリン: 500 mg, 1日2回 or 1000 mg, 1日1回 |
500 mg, 1日4回 または 1,000 mg, 1日2回 |
投与期間 | 10日間 | 5~10日間 |
ペニシリンアレルギー時 | 非即時型: 第1世代セファロスポリン(セファレキシン等) 即時型: クリンダマイシン, クラリスロマイシン, アジスロマイシン |
非妊娠時: クラリスロマイシン (5日間) 妊娠時: エリスロマイシン (5日間) |
3.3.2. 症状緩和のための科学的根拠(大多数のウイルス性咽頭炎を含む)
抗菌薬が不要な大多数のウイルス性咽頭炎患者、およびGAS咽頭炎の初期症状に対しては、症状緩和が治療の中心となります。
- 対症療法の基本: 安静、十分な水分補給、そして室内の加湿が基本となります46。
- 鎮痛薬: アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs、イブプロフェンなど)は、咽頭痛や発熱の緩和に有効です。複数の科学的根拠は、NSAIDsがアセトアミノフェンよりも疼痛緩和効果において優れる可能性を示唆しています37。
- 局所療法: 温かい塩水でのうがい、局所麻酔薬や抗炎症薬を含むトローチやスプレーも、一時的な症状緩和に寄与し得ます37。
- コルチコステロイドの役割: 2017年に英国医師会雑誌(BMJ)で発表されたシステマティックレビューは、単回低用量の経口または筋注コルチコステロイドが、プラセボと比較して24時間後の疼痛を有意に改善させること(相対リスク 2.2)を明らかにしました51。しかし、その効果は限定的であり、利益と潜在的危険性を考慮すると、日常的な使用は推奨されません。重度の症状を呈する患者に対し、選択肢の一つとして共同意思決定の上で慎重に検討されるべき治療法と位置づけられています51。
3.4. 日本の診療における推奨事項
咽頭炎診療の本質は、治療対象となる少数のGAS咽頭炎を「見つける」ことではなく、治療が不要な大多数のウイルス性咽頭炎を「除外する」ことにあります。臨床医の思考プロセスは、「これはGASだろうか?」と考えるよりも、「これはGASではないと自信を持って言えるだろうか?」という問いから始めるべきです。Centorスコアを用いて低リスク群をふるい落とし44、中〜高リスク群に対してRADTで陰性を確認する42という一連のプロセスは、まさにこの「除外戦略」を具現化したものです。この思考の転換、すなわち「初期設定はウイルス性であり、抗菌薬は例外である」という原則を臨床現場で徹底することが、咽頭炎における抗菌薬適正使用の最も重要な鍵となります。
また、診断戦略における年齢に応じた危険性と利益の計算は、科学的根拠に基づく医療の洗練された実践例と言えます。なぜ小児ではRADT陰性時に培養での確認が推奨され、成人では不要なのでしょうか42。この戦略の違いの根底には、年齢に依存した精緻な評価があります。抗菌薬治療の最大の利益の一つは、急性リウマチ熱の予防です42。この重篤な合併症の発症危険性は小児・青年期に高く41、成人では極めて稀です。したがって、感度が100%ではないRADTの偽陰性を見逃す危険性は、小児においては許容しがたく、追加の費用や手間をかけてでも咽頭培養で確認する利益が上回ると判断されます。一方、成人ではその危険性が極小であるため、確認培養の利益は費用に見合わないのです。これは、患者の背景(年齢)によって診断戦略そのものを最適化するという、高度に個別化された医療アプローチの好例です。
よくある質問
これら三つの病気で、抗菌薬(抗生物質)はいつも必要ですか?
「待機的経過観察」とは、何もしないで放っておくことですか?
いいえ、全く違います。「待機的経過観察」は、積極的な治療戦略の一つです。これは、直ちに抗菌薬を使わずに、痛み止め(鎮痛薬)や鼻スプレー、鼻洗浄といった症状を和らげる治療をしっかり行いながら、注意深く様子を見る方法です11。もし症状が悪化したり、一定期間たっても改善しなかったりした場合には、速やかに抗菌薬治療を開始するという安全策が組まれています。多くの場合は自然に治癒するため、不要な抗菌薬による副作用(下痢など)を避けることができる、非常に合理的なアプローチです。
子どもの中耳炎で耳が痛い場合、どうすればよいですか?
のどの痛みの原因を調べる検査は必ず受けたほうがいいですか?
必ずしも全員が必要なわけではありません。医師はまず、Centorスコアなどの臨床予測ルールを用いて、咳がない、高熱があるといった所見から、A群レンサ球菌(GAS)の可能性を評価します36。可能性が低いと判断されれば、検査は不要です。可能性が中程度以上と判断された場合に、迅速抗原検出テスト(RADT)を行います。この戦略により、不要な検査を避け、効率的に診断を進めることができます。
結論
本稿で詳細に検討した急性鼻副鼻腔炎、小児急性中耳炎、そして急性咽頭炎は、それぞれ異なる病態や好発年齢を持つものの、現代の診療においては驚くほど共通した原則が見出せます。第一に、これらの疾患の大多数はウイルス性であり、自然軽快するという事実です。第二に、診断プロセスの核心は、抗菌薬治療の真の利益が期待できる少数の細菌感染症を、科学的根拠に基づいた基準を用いて正確に特定することにあります。そして第三に、抗菌薬が不要な大多数の患者に対しては、積極的な対症療法と、病状が自然に改善することへの安心感の提供が治療の中心となることです。
これら三疾患は、プライマリケアにおける抗菌薬処方の大部分を占めることが知られています。したがって、本稿で詳述した科学的根拠に基づく診断・治療の仕組みを遵守することは、個々の患者への直接的な利益に留まらず、薬剤耐性(AMR)という地球規模の公衆衛生上の課題に対する、我々医療専門家が果たすべき重要な責務でもあります。今後の臨床実践においては、正確な診断技術の習熟(例:鼓膜所見の的確な評価、臨床予測ルールの適切な活用)、患者や保護者との共同意思決定の推進、そして絶えず進化する科学的根拠を吸収し続けるための継続的な自己研鑽が、これまで以上に不可欠となります。本稿が、その一助となることを期待します。
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