はじめに
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、近年私たちの日常生活や健康観を大きく変えた感染症であり、その症状は多岐にわたります。その中でも、多くの方が不安や疑問を抱きやすい症状の一つとして挙げられるのが、喉の痛みです。喉の痛みは決して珍しいものではなく、風邪やインフルエンザ、アレルギー、細菌感染(ストレプトコッカス喉炎)や扁桃炎など、非常に多くの要因で引き起こされることがあります。また、新型コロナウイルス感染症が世界的な関心事となっている現在、「喉が痛むとコロナなのではないか?」という不安を抱く方は少なくありません。
免責事項
当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。
本記事では、喉の痛みがCOVID-19によるものなのか、それとも他の一般的な呼吸器疾患や要因によるものなのかを的確に見分けるポイントや考え方を、日本で日常的に行われている健康管理の習慣や文化的背景も踏まえつつ詳細に解説します。また、症状が出た際の具体的な対処法や、早期発見・受診の重要性についても掘り下げます。
さらに、信頼性の高い研究や医学的エビデンス、近年(過去5年以内)に発表された最新の医学論文の知見を交え、読者の方々が納得しやすく、かつ実生活の中で応用しやすい情報を提供します。本記事は、専門的な医療知識を持たない方でも理解しやすいように平易な表現を用いる一方、医療専門家や研究者が読んでも価値を感じられるよう、厳密で専門的な説明やエビデンス提示にも力を入れています。
最終的には、喉の痛みに不安を覚えたときに、読者の方々が適切な行動をとれるようになることを目標としています。その際には、自己判断に頼らず、必要に応じて早めに医療専門家へ相談することを強く推奨します。
専門家への相談
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ただし、ここで提供する情報はあくまで参考であり、読者個々の症状や健康状態に必ずしも当てはまるとは限りません。十分な臨床的エビデンスが欠如している項目に関しては、その点を明記します。また、最終的な判断や治療法の選択は、必ず専門の医師や医療機関に相談し、その指示に従うようにしてください。
喉の痛みとCOVID-19:なぜ見極めが必要か
喉の痛みは誰もが経験しやすい非常に一般的な症状です。しかし、近年の新型コロナウイルス感染症流行下においては、「この喉の痛みは風邪なのか?それともCOVID-19なのか?」という不安が生まれがちです。なぜこの見極めが重要なのでしょうか。
第一に、COVID-19は他者への感染リスクを伴う疾患であり、特に高齢者や基礎疾患を有する方にとっては重篤化のリスクが高いとされています。2020年以降、世界中で膨大な臨床研究が行われ、COVID-19が社会や個人に及ぼす影響が詳細に報告されてきました。特に「JAMA(2020年、doi:10.1001/jama.2020.6775)」に掲載された大規模研究によれば、米国ニューヨーク市近郊で入院した5700人以上のCOVID-19患者を対象に症状・経過を解析した結果、発熱、咳、呼吸困難は共通して多く見られる症状でしたが、喉の痛みも一部患者で認められています。多くの患者では初期症状が多様であり、その中に喉の違和感や痛みが見受けられることがありました。このような報告からも、喉の痛みだけでCOVID-19を断定することはできないものの、疑いを排除することも難しいことが示唆されています。
第二に、迅速な見極めは適切な対応につながります。もしCOVID-19によるものであれば、自主隔離や早期の医療機関受診が重要となり、周囲の人々への感染拡大を防止できる可能性が高まります。逆に、他の原因による場合(例えばアレルギーや通常の風邪など)であれば、過度な不安を和らげ、適切なセルフケアへと繋げることができます。
新型コロナウイルスとその他呼吸器疾患の症状の違い
ここでは、COVID-19とその他の一般的な呼吸器疾患(風邪、インフルエンザ、アレルギー、ストレプトコッカス喉炎、扁桃炎)における喉の痛みの特徴や、関連する症状の差異についてより詳しく見ていきます。以下は、元の情報に加えて、より臨床的な観点や近年の研究結果を統合し、分かりやすく整理したものです。
COVID-19の場合
COVID-19の特徴的症状:
- 嗅覚・味覚の喪失
- 息苦しさ(呼吸困難)
- 下痢や消化器症状
- 乾いた咳
- 微熱または発熱
- 全身倦怠感
これらの症状の中で、喉の痛みは決して主症状とは限らず、症状の組み合わせや経過で判断する必要があります。例えば、嗅覚・味覚の喪失はCOVID-19で比較的特徴的とされており、これが喉の痛みと組み合わさる場合はCOVID-19を強く疑う要因になり得ます。また、2021年にClinical Infectious Diseases(doi:10.1093/cid/ciab614)で発表された研究によると、この研究は国際的に評価の高い臨床感染症学雑誌での査読済み論文であり、DOI(10.1093/cid/ciab614)を介してオンラインで簡単にアクセス可能です。そこではCOVID-19患者の初期症状や症状の経過が報告されており、初期段階で軽度の喉の痛みを訴える患者も存在する一方、嗅覚・味覚の異常や呼吸器症状が併存することでCOVID-19が強く示唆されるとされています。
通常の風邪
特徴:
- 喉の痛みや鼻水、軽度の咳
- 発熱はあまり高くならない(微熱程度)
- 全身の倦怠感は軽度
- 嗅覚・味覚の喪失は稀
通常の風邪は数日から1週間程度で自然治癒に向かうことが多く、日本では季節の変わり目に非常に多く見られます。COVID-19に比べて重篤化することは稀であり、一般的なセルフケア(休養、十分な水分摂取、うがい、手洗いなど)で改善することが多いです。
インフルエンザ
特徴:
- 高熱(突然の高熱発症が多い)
- 強い全身倦怠感や関節痛、筋肉痛
- 咳、喉の痛み、鼻水など
- 一般的に嗅覚・味覚異常は顕著ではない
インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症であり、COVID-19とは原因ウイルスが異なりますが、高熱や全身の痛み、強い倦怠感が特徴的です。ただしCOVID-19は、インフルエンザよりも一部の患者で呼吸困難や肺炎に進行しやすく、重篤化リスクが高いと報告されています。特に高齢者や持病を持つ方は、インフルエンザとCOVID-19の区別が難しい場合があるため、医療機関による検査が推奨されます。
アレルギー
特徴:
- 喉の痛みよりも鼻のかゆみ、くしゃみ、涙目などが主
- 季節性(花粉症など)や特定のアレルゲン(ダニ、ペットの毛)による症状
- 抗ヒスタミン薬で症状が軽減することが多い
- 発熱や嗅覚・味覚異常は基本的にない
アレルギーの場合、感染症ではないため、自己隔離や他者への感染予防は必要ありません。ただし、症状が長期的かつ季節や環境要因と関連している場合、アレルギーを疑うべきです。
ストレプトコッカス喉炎
特徴:
- 細菌感染による激しい喉の痛み
- 喉が赤く腫れ、白い斑点が見えることが多い
- 高熱・リンパ節の腫れ
- 抗生物質で改善する
ストレプトコッカス喉炎は、子どもだけでなく大人にも感染する可能性があり、適切な治療が行われないと合併症が生じることがあります。COVID-19との違いは、細菌感染であること、嗅覚・味覚異常がないこと、そして抗生物質が有効である点などです。
扁桃炎
特徴:
- 扁桃腺の赤み・腫れ・膿の付着
- 高熱や強い喉の痛み、嚥下困難
- ウイルスまたは細菌が原因
- 免疫力低下時に悪化しやすい
扁桃炎はウイルス・細菌のいずれもが原因となり得ますが、感染経路や予防策が異なるため、医師の判断が重要です。
COVID-19による喉の痛みへの対処法
もし喉の痛みがCOVID-19による可能性があると疑われる場合、他者への感染拡大を防止するための行動やセルフケアが重要となります。以下は、元の情報をベースに、より詳細で実用的なアドバイスを示したものです。
- 鎮痛薬の適正使用(アセトアミノフェン、イブプロフェンなど)
喉の痛みや微熱がある場合、アセトアミノフェンやイブプロフェンが一時的な痛み緩和に有効です。ただし、これらの薬を過量投与すると肝機能障害などを引き起こす可能性があるため、用法用量を厳守し、迷った場合は薬剤師や医師に相談してください。 - 十分な休息と睡眠
良質な睡眠は免疫力を高め、体力回復を促します。普段からの健康管理として、就寝前のスマートフォンやパソコン使用を控え、静かな環境でしっかりと休むことで、免疫系が十分に機能する基盤を整えます。 - 十分な水分補給
喉の乾燥は痛みを悪化させます。水やお茶、スポーツドリンク、温かいスープなどをこまめに摂取して喉を潤しましょう。カフェインやアルコールは脱水を促す可能性があるため控えることが望ましいです。 - 栄養バランスの取れた食事
ビタミンCや亜鉛、ビタミンDを多く含む食事は免疫機能をサポートします。野菜、果物、良質なタンパク質、発酵食品(納豆、味噌など)を取り入れることで、腸内環境を整え、免疫機能向上に役立ちます。例えば温かいスープ、おかゆ、消化に良く喉に優しい食品が適しています。 - 温かい塩水でうがい
塩水うがいは、喉の粘膜を清浄に保ち、細菌やウイルスを減少させ、炎症を和らげる効果があるといわれます。0.9%程度の食塩水(生理食塩水濃度)でうがいを行うと効果的です。 - ハーブティーや蜂蜜、のど飴の活用
カモミールティーや蜂蜜入りハーブティーは、炎症軽減作用や喉の潤い保持に役立ちます。のど飴は唾液分泌を促し、喉の粘膜保護に有効ですが、糖分過剰摂取には注意してください。
もし1週間以上症状が改善せず、呼吸困難、発熱の持続、全身倦怠感の悪化などがみられる場合は、直ちに医療機関へ連絡し、適切な治療を受けることが必要です。十分な臨床的エビデンスが欠如している場合や、市販薬で改善しない場合は特に早めの受診を心掛けてください。
臨床研究から見るCOVID-19と喉の痛み
COVID-19発生以来、多くの研究が感染症状や経過観察を行い、その結果が国際的に評価の高い医学雑誌で公表されています。例えば、BMJ(2022年、doi: 10.1136/bmj-2021-067194)では、COVID-19とその他呼吸器疾患との症状比較を含むシステマティックレビューが発表されました。この研究は、多数の研究結果を統合分析し、プライマリケアや外来設定で、患者がCOVID-19であるかどうかを症状から正確に判断することは極めて難しいと指摘しています。特に喉の痛みは、COVID-19特有とは言い難く、多くの非特異的な呼吸器疾患で共通しうる症状です。
また、LancetやJAMAなどの国際的に権威のある医学誌で報告された研究では、COVID-19患者において嗅覚・味覚異常や発熱、咳が最も有意な特徴とされており、喉の痛みはこれらより特異度が劣ることが多いとされています。これらの研究は大規模な患者群を対象としており、世界各地で行われた観察研究や無作為化比較試験、メタアナリシスなどのエビデンスが累積されています。総合的にみると、喉の痛みだけでCOVID-19か否かを判断するのは極めて困難であり、他の症状や検査結果、濃厚接触歴、地域的流行状況などと併せて総合的に判断する必要があります。
さらに、Clinical Microbiology and Infection(2020年、doi:10.1016/j.cmi.2020.04.040)に掲載されたKimらの研究では、軽症もしくは無症状のCOVID-19患者の臨床的特徴が報告されており、喉の痛みは主要症状と比較すると頻度は低いものの、一部の患者に認められる症状であるとされています。ただし、嗅覚・味覚異常や発熱などのほかの症状や接触歴を考慮しながら総合的に評価することが重要であると指摘されています。
文化的背景とセルフケア習慣
日本では、季節の変わり目に喉の痛みや風邪症状が増えることは珍しくありません。また、昔から「うがい」を日常的に行う習慣が定着しており、特に外出先から帰宅時に行うことで呼吸器感染症予防が期待されています。さらに、温かいお茶や出汁を活用した食文化は、喉を潤す効果もあり、免疫力低下を防ぐ食生活が根付いています。
新型コロナウイルス流行以降、マスク着用や手指消毒、3密回避などの感染対策が定着し、これらは一般的な風邪やインフルエンザの感染予防にも一定の効果を示しています。実際、厚生労働省や海外の公的機関、WHOなども、基本的な感染対策が幅広い呼吸器系疾患の予防に有効であることを示唆しています。喉の痛みを感じた場合も、こうした生活習慣や衛生対策を見直すことで、症状の悪化や周囲への感染拡大を抑えられる可能性があります。
ガイドラインと国際的な推奨事項
COVID-19を含む呼吸器疾患に関するガイドラインや推奨事項は、世界中の公衆衛生機関や学会によって随時更新されています。例えば、WHOは定期的に各国の研究結果を統合し、ガイドラインを改定しています。一方、厚生労働省や日本医師会などの国内組織も、日本の医療体制や文化的背景を踏まえた情報提供やガイドライン策定を行っています。
インフルエンザとCOVID-19の同時流行が懸念された年には、ワクチン接種や適切なマスク着用、換気の徹底が繰り返し強調され、感染症対策の強化が呼びかけられました。このような公的機関が発表する情報は基本的に査読や専門家の審査を経ており、その信頼性は高いと考えられます。したがって、喉の痛みが生じた際は、国や自治体の公的情報や信用ある医療機関の発信を参考にすることが大切です。
十分な臨床的エビデンスが欠如している場合
一部の代替療法やサプリメント、民間療法については、科学的な裏付けが不十分な場合があります。例えば、「特定のハーブを摂取すればCOVID-19による喉の痛みが即座に治る」といった主張には、しばしば十分な臨床的エビデンスが欠如していることがあります。このような情報に惑わされず、信頼できる情報源に基づいて対策を立てることが不可欠です。
また、新規の治療法や予防手段に関しては、論文が発表されたばかりの場合、さらなる研究や追試験が必要な場合もあります。そのため、最新情報を入手しつつも、偏った情報に即飛びつかず、一定の批判的思考を維持することが重要です。
他国の研究と日本での応用可能性
COVID-19をはじめとする呼吸器疾患に関する研究は、世界中で行われており、その結果には地理的、文化的、環境的な差異が反映されることがあります。例えば、アレルギー症状の頻度や重症度は、地域の気候、花粉の種類、生活習慣などに依存します。そのため、他国で得られた研究結果をそのまま日本に当てはめることには限界があります。
しかし、基礎的な生理学やウイルス学的メカニズムは人類共通であり、大規模な国際的研究(メタアナリシスやシステマティックレビュー)によって得られた知見は、日本でも十分に参考にできます。日本に特有の生活習慣(例えば、外出時のマスク着用、帰宅時のうがい、味噌汁や緑茶などの飲用習慣)が感染症予防や喉の痛み軽減に役立つ可能性を、こうした国際的な研究の知見と組み合わせて解釈することが有用です。
実践的アドバイスとケーススタディ
- ケース1: 微熱と喉の痛みがある場合
軽度の喉の痛みと微熱が数日続くが嗅覚・味覚の喪失はなく、咳や呼吸困難もない場合、まずは十分な休養と水分・栄養補給、塩水うがいを行い、改善を観察します。症状が徐々に軽快すれば通常の風邪の可能性が高いでしょう。もし1週間経過しても改善せず、呼吸が苦しくなったり、嗅覚・味覚異常が出現した場合は、医療機関へ相談します。 - ケース2: 季節的変動と共に発症する喉の痛み
特定の季節(花粉が多い時期)に喉の痛みや鼻のかゆみ、くしゃみ、目のかゆみが出現し、発熱や嗅覚・味覚異常が全くない場合は、アレルギー性鼻炎や花粉症を疑うべきです。この場合は抗ヒスタミン薬や点鼻薬が有効なことが多く、COVID-19の可能性は低いと考えられます。 - ケース3: 突然の高熱と激しい喉の痛み
突然高熱が出て強い喉の痛みがあり、扁桃腺が赤く腫れ、膿が見られる場合はストレプトコッカス喉炎や扁桃炎の可能性が高まります。この場合はウイルスではなく細菌感染を疑うべきで、適切な抗生物質治療が必要です。呼吸困難や嗅覚・味覚異常が伴わない場合、COVID-19の可能性は低いと考えられますが、確定には医師による鑑別診断が欠かせません。
専門家への相談と医療機関受診の目安
喉の痛みは一般的な症状であるがゆえに軽視しがちですが、以下のような場合は早めに医療機関を受診し、専門家の判断を仰ぐべきです。
- 症状が1週間以上改善せず、悪化傾向にある場合
- 強い呼吸困難、胸の痛み、意識障害などの重篤な症状が出現した場合
- 高熱が続き、水分補給や鎮痛薬でも改善しない場合
- 喉の痛みに加えて嗅覚・味覚異常や肺炎様症状(強い咳、息苦しさ)がある場合
特にCOVID-19が疑われる状況(濃厚接触者である、地域的に感染拡大中、旅行歴があるなど)では、早期に公的相談窓口や医療機関に連絡し、指示に従うことが重要です。
推奨事項(参考用)
以下は、あくまでも参考用の一般的な推奨事項であり、最終的な行動判断は医療専門家への相談を優先してください。
- 基本的な感染対策: 手洗い、うがい、マスク着用、人混みを避ける。
- 生活習慣の見直し: バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動。
- 適切な情報収集: WHOや厚生労働省、信頼できる医療機関の情報を定期的に確認。
- 判断に迷ったら: 専門家(医師、薬剤師、保健所)に相談する。
結論
喉の痛みは多種多様な原因によって生じる極めて一般的な症状であり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のみならず、風邪、インフルエンザ、アレルギー、ストレプトコッカス喉炎、扁桃炎など数多くの疾患が関与し得ます。COVID-19特有の症状として知られる嗅覚・味覚異常や呼吸困難が併存する場合には、感染可能性が高まる一方、これらの特徴的所見がなく喉の痛みだけがある場合、COVID-19と断定することは困難です。
信頼性の高い研究やガイドラインは、症状のみでの判断が難しく、総合的な情報評価(他の症状、濃厚接触歴、地域の流行状況、検査結果)を求めています。十分な臨床的エビデンスが欠如している情報には注意し、必ず信頼できる情報源に基づいた対応を心掛ける必要があります。
いずれの場合も、症状が長引いたり重篤化する場合には、専門家による適切な評価が不可欠です。日本における伝統的な生活習慣(うがい、発酵食品やお茶の活用)や、公衆衛生上の感染対策(マスク、手洗い、換気)が、呼吸器疾患全般の予防や軽減に役立つ可能性があります。最終的には、個々の症状や状況に応じて、専門家のアドバイスを得て行動することが、健康と安全を守る最良の方法です。
参考文献
- Is my sore throat COVID-19 or not? アクセス日: 23/05/2023
- Is my Sore throat COVID 19 or a symptom of a non Coronavirus Health condition ? アクセス日: 23/05/2023
- Allergies, Cold, Flu or COVID-19? How to Tell the Difference. アクセス日: 23/05/2023
- Sore throat (pharyngitis) アクセス日: 23/05/2023
- Sore throat アクセス日: 23/05/2023
- Sore throat アクセス日: 23/05/2023
- Sore Throat アクセス日: 23/05/2023
- Sore Throat (Pharyngitis) アクセス日: 23/05/2023
- Sore Throat アクセス日: 23/05/2023
- Kim GUら(2020)「Clinical characteristics of asymptomatic and symptomatic patients with mild COVID-19」Clinical Microbiology and Infection, doi:10.1016/j.cmi.2020.04.040