【科学的根拠に基づく】マラリアワクチンRTS,S(モスキリックス)のすべて:有効性・世界的展開から日本の現状まで徹底解説
感染症

【科学的根拠に基づく】マラリアワクチンRTS,S(モスキリックス)のすべて:有効性・世界的展開から日本の現状まで徹底解説

マラリアは、今なお世界中の、特にサハラ以南アフリカの幼児に甚大な被害をもたらしている寄生虫疾患です。この長年の脅威に対し、科学界は数十年にわたり有効なワクチンの開発に挑み続けてきました。その永年の努力が結実したのが、世界初のマラリアワクチン「RTS,S/AS01」(商品名:モスキリックス)です。このワクチンの登場は、単なる新薬の開発に留まらず、マラリア対策の歴史における画期的な転換点となりました。本記事では、JapaneseHealth.org (JHO) 編集委員会が、モスキリックスの開発経緯とその科学的基盤、厳格な臨床検証、そして世界的な展開に至るまでの全貌を、最新の研究報告に基づき包括的に解説します。さらに、次世代ワクチンとの比較や、日本人旅行者が知るべき予防策についても深く掘り下げ、この歴史的ワクチンの真の価値と今後の展望を明らかにします。

この記事の科学的根拠

この記事は、JHO編集委員会が、提供された研究報告書に明示的に引用されている最高品質の医学的証拠にのみ基づいて作成したものです。以下に、本記事で提示される医学的指導の根拠となった主要な情報源とその関連性を示します。

  • 世界保健機関(WHO): 本記事におけるモスキリックスの広範な使用推奨、マラリアワクチン導入プログラム(MVIP)の評価結果(全死亡率の低下など)、およびR21/Matrix-Mワクチンの推奨に関する指針は、世界保健機関が発表した公式報告書および声明に基づいています5131427
  • 欧州医薬品庁(EMA): モスキリックスの利益と危険性の評価、およびその限定的な有効性にもかかわらず使用を支持するという科学的見解は、欧州医薬品庁の第58条手続きに基づく評価報告書に基づいています9
  • グラクソ・スミスクライン(GSK)およびPATHマラリアワクチンイニシアチブ(MVI): ワクチンの開発経緯、作用機序、および第3相臨床試験の設計と初期結果に関する記述は、開発を主導したGSK社およびPATH MVIからの公式発表と学術論文に基づいています14
  • The Lancet誌および関連医学ジャーナル: 第3相臨床試験の詳細な有効性データ(年齢層別の効果、4回目接種の重要性など)は、The Lancet誌をはじめとする査読付き医学ジャーナルに掲載された論文を情報源としています1231
  • Gavi(ワクチンと予防接種のための世界同盟): アフリカ諸国へのワクチン展開状況、供給量、および資金提供に関する情報は、Gaviの公式発表および報告に基づいています1720

要点まとめ

  • モスキリックス(RTS,S/AS01)は、30年以上の開発期間を経て、世界保健機関(WHO)に使用が推奨された世界初のマラリアワクチンです。
  • 大規模な臨床試験およびアフリカ3カ国での先行導入プログラムにより、対象小児の重症マラリアと全死亡率を有意に減少させる救命効果が実証されました。
  • 現在、Gavi(ワクチンと予防接種のための世界同盟)の支援のもと、アフリカの多くの国で定期予防接種への導入が進んでいます。
  • より高い有効性を示し、低コストで大量生産が可能な第二のワクチン「R21/Matrix-M」もWHOに推奨され、供給不足の解消が期待されています。
  • 日本人旅行者に対しては、このワクチンは承認されておらず、予防の基本は従来通り、防蚊対策と予防薬の内服です。

第I部 モスキリックス(RTS,S/AS01)の起源と科学

マラリアという複雑な寄生虫疾患に対するワクチン開発は、医学史上最も困難な挑戦の一つであり続けてきました。その中で、RTS,S/AS01ワクチン(商品名:モスキリックス)の登場は、数十年にわたる科学的停滞を打破し、マラリア制御の歴史に新たな章を開いた画期的な出来事でした。本章では、この第一世代ワクチンの長く複雑な開発の道のり、その科学的基盤、そして世界的な使用推奨に至るまでの厳格な臨床的検証プロセスを詳述します。

1.1 寄生虫学における画期的な成果:第一世代ワクチンの開発

複数世代にわたる探求

RTS,Sワクチンの開発は、1987年にスミスクライン・ビーチャム(現グラクソ・スミスクライン、GSK)の研究所で構想が始まってから、2021年に世界保健機関(WHO)による広範な使用が推奨されるまで、30年以上の歳月を要しました1。この長い時間軸は、例えばウイルス性疾患のワクチン開発と比較して、複雑な生活環を持つ寄生虫に対するワクチン開発がいかに困難であるかを物語っています3

官民パートナーシップの力

このワクチンの開発は、一企業による単独の努力ではなく、画期的な官民パートナーシップ(Public-Private Partnership)の成果でした。この成功には、以下の主要な協力組織が不可欠な役割を果たしました。

  • GSK社:科学的開発を主導し、ワクチンを創出しました。同社は初期に3億6500万米ドル以上を投資し、さらに開発完了までに2億~2億5000万米ドルの追加投資が見込まれています1
  • PATHマラリアワクチンイニシアチブ(MVI):ビル&メリンダ・ゲイツ財団からの2億米ドルを超える多額の助成金を受け、2001年以降、資金的、科学的、運営的、そして現場での専門知識を提供し、開発を共同で主導した世界的な非営利団体です1
  • ウォルター・リード陸軍研究所(WRAIR):初期の臨床開発において協力しました1

この官民パートナーシップの仕組みは、単なる協力関係以上の意味を持っていました。営利企業であるGSKは高い研究開発能力を持つ一方で、主に低所得国を対象とする事業への長期的な高リスク投資を正当化することは困難です。一方、非営利団体であるPATHは現場の専門知識を持つものの、大規模な研究開発力はありません。ここに、ゲイツ財団のような慈善団体が長期的な資金を提供することで、各組織の強みが互いの弱点を補い、この画期的なワクチン開発が実現したのです。このモデルは、その後の貧困関連疾患への取り組みにおける青写真となり、複雑な地球規模の健康問題が多分野の協力によってのみ解決可能であることを証明しました。

作用機序:赤血球外ステージ戦略

モスキリックスは、ヒト宿主内におけるマラリア原虫の最も初期の段階を標的とする「赤血球外ステージワクチン」です7。その戦略は、蚊の刺咬によって血流に侵入した熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)の胞子体(スポロゾイト)が、肝臓に到達して成熟・増殖する前に免疫応答を誘導することにあります1。肝臓内での寄生虫の段階を阻止することにより、原虫が再び血流に戻り、臨床症状を引き起こす赤血球に感染するのを防ぎます5

ワクチンの構成:RTS,S抗原とAS01アジュバント

ワクチンの科学的名称「RTS,S/AS01」は、その革新的な構成を反映しています。

  • RTS,S抗原:ワクチンの核となるのは、遺伝子組換え融合タンパク質です。これは、熱帯熱マラリア原虫の胞子体の表面に豊富に存在するサーカムスポロゾイトプロテイン(CSP)の一部、特にその反復(’R’)領域とT細胞エピトープ(’T’)領域を、B型肝炎ウイルスの表面抗原(’S’)と融合させたものです。この融合タンパク質は、追加のB型肝炎表面抗原と共に、酵母細胞内でウイルス様粒子として自己組織化します2。この設計により、副次的な利益としてB型肝炎に対する予防効果ももたらされます8
  • AS01アジュバントシステム:免疫応答を強力に増強するため、この抗原はGSK独自のAS01アジュバントと組み合わされます。このアジュバントは、2つの免疫賦活剤を含んでおり、防御に必要とされる高レベルの液性免疫(抗体)および細胞性免疫を誘導する上で極めて重要です12

1.2 臨床的検証:第3相臨床試験と規制当局の審査

画期的な第3相臨床試験

モスキリックスの有効性と安全性を評価するために実施された第3相臨床試験は、アフリカでこれまでに行われた最大規模のワクチン試験の一つでした。

  • 規模と範囲:2009年から2014年にかけて実施されたこの試験には、アフリカ7カ国(ブルキナファソ、ガボン、ガーナ、ケニア、マラウイ、モザンビーク、タンザニア)の11施設から、約15,500人の乳幼児が参加しました。これらの施設は、低度から高度まで様々なマラリア伝播環境を代表していました4
  • 対象年齢層:試験は主に2つの年齢層、すなわち初回接種時に生後5~17カ月の幼児と、生後6~12週の乳児を対象としました12。この設計は、既存の小児定期予防接種スケジュール内での最適な接種時期を決定する上で極めて重要でした。

有効性の結果:限定的だが意義のある防御効果

試験結果は、限定的ではあるものの、統計的に有意な防御効果を示しました。

  • 年長児(生後5~17カ月):この集団では、3回の初回接種と18カ月後の4回目の追加接種により、4年間の追跡期間中に臨床マラリアの発症が39%減少しました1。重症マラリアに対する有効性は31.5%であり、マラリア関連の入院や輸血の必要性も有意に減少しました13
  • 若年乳児(生後6~12週):この集団での有効性は著しく低く、臨床マラリアに対して27%であり、重症マラリアや入院に対する有意な防御効果は認められませんでした12。この原因として、乳児の免疫系の未熟さや母体由来抗体による干渉の可能性が指摘されています13
  • 4回目の追加接種の重要性:試験は、4回目の追加接種が不可欠であることを明確に示しました。追加接種を受けなかった小児では、重症マラリアに対する防御効果が時間とともに失われ、免疫の減衰という課題が浮き彫りになりました2

この年齢による有効性の顕著な差は、その後の世界的な公衆衛生政策を直接的に形成する決定的な要因となりました。当初期待された生後早期の接種スケジュールではなく、明確な証拠に基づき、WHOの諮問機関は生後5カ月からの4回接種スケジュールを推奨するに至りました10。これは臨床試験データが世界的な公衆衛生政策を方向付けた明確な事例です。

安全性と忍容性

ワクチンは概して良好な忍容性を示しました。最も一般的な副反応は、他の小児用ワクチンと同様に発熱、易刺激性、注射部位の疼痛や腫脹でした7。接種後7日以内の熱性けいれんの危険性がわずかに増加(小児1,000人あたり約1例)しましたが、後遺症は報告されませんでした8。また、年長児のワクチン接種群では髄膜炎の症例数がわずかに増加しましたが、因果関係は確立されず、その後の調査で過剰な危険性の証拠は見つかりませんでした1216

規制当局による承認:慎重かつ肯定的な評価

2015年7月、欧州医薬品庁(EMA)は、EU域外で使用される医薬品を評価する手続きに基づき、モスキリックスに対して肯定的な科学的見解を採択しました。EMAは、「限定的な有効性」にもかかわらず、マラリアによる死亡率が非常に高い流行地域の子どもたちにとって、その便益は危険性を上回ると結論付けました9。この見解と後述するパイロット導入の成功を受け、WHOは2021年10月にワクチンの広範な使用を推奨し2、2022年9月には事前認証を付与しました16。これは、国連機関がワクチンを調達するための必須要件です。

表1:モスキリックス(RTS,S/AS01)第3相臨床試験の有効性および安全性データの概要
評価項目 年齢層(5~17カ月) 年齢層(6~12週) 主な安全性所見
臨床マラリアに対する有効率(4年追跡、追加接種あり) 39%13 27%(3年追跡)1 最も一般的な副反応:発熱(約4人に1人)、易刺激性、注射部位反応8

注目すべき重篤な有害事象:
– 熱性けいれん:接種後7日以内に危険性増加(1,000人に1例)、後遺症なし8
– 髄膜炎:年長児群でわずかな増加が観察されたが、因果関係は不明12。実用化後の調査では過剰な危険性は確認されず16

重症マラリアに対する有効率 31.5%13 有意な防御効果なし12
マラリアによる入院に対する有効率 41%12 有意な防御効果なし12
4回目追加接種の影響 重症マラリアに対する防御効果の維持に不可欠2

第II部 臨床試験から現場へ:世界的な展開と公衆衛生へのインパクト

本章では、管理された臨床試験の環境から、ワクチン展開という複雑な現実へと焦点を移し、パイロットプログラムの成功とそれに続く大規模な展開を検証します。

2.1 マラリアワクチン導入プログラム(MVIP)

実環境での試験

WHOは、全面的な展開に先立ち、2019年から大規模なパイロットプログラムであるマラリアワクチン導入プログラム(MVIP)を主導しました。このプログラムは、Gavi、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)、およびUNITAIDの共同出資によって実現しました17

パイロット国と規模

プログラムは、ガーナ、ケニア、マラウイの中等度から高度の流行地域で実施され5、3カ国で年間約36万人の子どもたちに、既存の定期予防接種プログラムを通じてワクチンを接種することを目標としました14。2019年から2023年にかけて、このプログラムを通じて200万人以上の子どもたちがワクチンを接種しました6

驚くべき実世界でのインパクト

MVIPの評価は、臨床試験の有効率から予想される以上の結果をもたらしました。最も重要な発見は、ワクチン接種対象年齢の子どもたちの全死因による死亡率が13%減少したことです16。さらに、プログラムは重症マラリアによる入院を22%減少させました16

この「全死因による死亡率13%低下」というデータは、ワクチンの認識を根本から覆しました。これは、ワクチンが単にマラリアによる死亡を防ぐだけでなく、マラリアによる衰弱から子どもたちを守り、他の一般的な小児疾患に対する抵抗力を高めることで、子ども全体の生存率を大幅に向上させることを示唆しています。この一つのデータポイントが、モスキリックスを「中程度の有効性を持つワクチン」から「不可欠な子どもの生存ツール」へと転換させ、世界的な展開への強力な後押しとなりました。

2.2 規模拡大:Gavi支援による世界的展開

MVIPの成功とWHOの推奨を受け、Gavi理事会は2021年12月、サハラ以南アフリカにおけるモスキリックスの展開を支援するための資金提供を承認しました5。ワクチンの展開は迅速かつ広範囲に進んでいます。

  • 対象国:2025年4月時点で、アフリカの20カ国がGaviの支援を受けてマラリアワクチンを定期予防接種プログラムに導入しています17。これには3つのパイロット国に加え、2024年に導入したカメルーンやナイジェリア、2025年に導入したウガンダやマリなどが含まれます。これらの国々は、世界のマラリアによる負担の70%以上を占めています19
  • 供給量と接種者数:これまでに2,400万回分以上のワクチンがこれら20カ国に供給され17、2025年初頭までに推定500万人の子どもたちが接種を受けたとされています20。Gaviは、2026年から2030年の間にさらに少なくとも5,000万人の子どもたちへの接種を目指しています20

統合的アプローチ

保健当局は、ワクチンが特効薬ではなく、既存の対策を補完する追加的なツールであることを強調しています。特に、季節性マラリア化学予防(SMC)と組み合わせることで、臨床マラリア、重症例、死亡を60~70%以上減少させることが研究で示されています16。殺虫剤処理蚊帳(ITN)の継続的な使用も、予防の根幹として並行して推奨されています5

供給と保健システムへの影響

当初、ワクチンへの需要は供給をはるかに上回っていましたが22、GSKはインドのバーラト・バイオテック社と提携して生産拡大を進めており、将来的には価格の大幅な引き下げが見込まれます19。また、このワクチン展開は、コールドチェーンの改善や医療従事者の訓練など、各国の保健システムを強化する触媒としても機能しています。マラリアワクチンのために改善された基盤は、他のすべての小児ワクチンやプライマリ・ヘルス・サービスの提供にも恩恵をもたらすという、重要な副次的便益を生み出しています28

表2:Gavi支援によるマラリアワクチン展開状況(2025年第2四半期時点)
項目 データ/状況 典拠
展開中の国数 20カ国 17
供給済み総回数 2,400万回分以上 17
接種を受けた子どもの数(推定) 500万人 20
主な実世界でのインパクト指標 全死因による死亡率:13%減少
重症マラリアによる入院:22%減少
16
Gaviの将来目標(2026-2030年) さらに5,000万人の子どもたちへの接種 20

第III部 進化するマラリア予防の展望

本章では、モスキリックスをマラリアワクチン学というダイナミックで急速に進歩する分野の中に位置づけ、その後継ワクチンとの比較や、次世代技術への展望を探ります。

3.1 比較分析:モスキリックス(RTS,S) vs. R21/Matrix-M

二つのワクチンの物語

2023年10月、WHOが第二のワクチンであるR21/Matrix-Mを推奨したことで、状況は一変しました27。R21は「次世代のRTS,S様ワクチン」と評され、RTS,Sの構造を分析し、その主な限界(標的抗原の密度の低さ)を改善するように設計されました11

技術的な違いと有効性

両ワクチンは共にCSPを標的とする4回接種のワクチンですが、設計に重要な違いがあります。R21は、B型肝炎ウイルスの足場に対するCSP抗原の比率がRTS,Sよりもはるかに高く、これが有効性向上の主な理由と考えられています11。R21の第3相臨床試験では、季節性流行地域で75%、通年性流行地域で68%という、RTS,Sを上回る12カ月有効性が示されました31。ただしWHOは、試験の設計が異なるため直接的な比較には注意が必要だと明言しています11

供給、費用、アクセスへの影響

R21の登場は、需要と供給の不均衡を解決する上で画期的です。世界最大のワクチンメーカーであるインド血清研究所が製造するR21は、1回あたり2~4米ドルと予測され、非常に費用対効果が高く、大規模な供給が可能です27。これにより、2種類の事前認証済みワクチンが利用可能となり、危険に晒されているすべての子どもたちに安定かつ十分な供給が確保される見込みです。

表3:RTS,S/AS01ワクチンとR21/Matrix-Mワクチンの比較
特徴 RTS,S/AS01 (モスキリックス) R21/Matrix-M
開発者/製造者 GSK / バーラト・バイオテック オックスフォード大学 / インド血清研究所
抗原設計(CSP密度) 低密度11 高密度11
アジュバントシステム AS01E10 Matrix-M11
WHO推奨日 2021年10月27 2023年10月29
第3相試験有効率(12カ月、通年性) 約56%9 68%31
予測単価 5米ドル未満(将来的)19 2~4米ドル27
主な利点 初の承認ワクチン、豊富な実用データ 高い有効性、高い製造能力、低費用

3.2 次なるフロンティア:新たなワクチン技術

マラリアワクチン開発の分野は、第一世代のCSPベースのワクチンを超えて急速に進展しています。

  • 遺伝子弱毒化生マラリア原虫(GAP)ワクチン:遺伝子操作で弱毒化させた生きた原虫を用い、人為的マラリア感染試験において89%という高い防御効果が示されています34
  • 伝令RNA(mRNA)ワクチン:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックでの成功を受け、マラリアに対するmRNAワクチンの開発も進められています。長崎大学の研究では、マウスモデルにおいてmRNAワクチンを用いて肝臓での原虫増殖を防ぐことに世界で初めて成功しています36
  • モノクローナル抗体による受動免疫:ワクチン接種の代替として、モノクローナル抗体を投与する予防戦略も有望視されており、流行地域において感染を最大88.2%防ぐことが示されています37

第IV部 日本の視点とグローバルな文脈

最終章では、日本の読者の特定の関心事である旅行者へのアドバイスや国内の研究動向に焦点を当て、最後に世界的な総括で締めくくります。

4.1 日本人旅行者のためのマラリア予防

公式見解:ワクチンではなく、予防内服と防蚊対策が基本

日本人市民がマラリア流行地域へ渡航する際、モスキリックスのようなワクチンは承認された、あるいは推奨される予防法ではないことを明確にする必要があります38。厚生労働省や国立国際医療研究センター(NCGM)などの日本の保健当局は、伝統的な多角的なアプローチを強調しています40

  • 防蚊対策:これが最も重要な対策とされています。具体的には、DEET(ディート)成分を含む虫除け剤の使用、長袖・長ズボンの着用、蚊帳の使用などが含まれます39
  • 化学予防(予防内服):高リスク地域への渡航には、予防薬の内服が強く推奨されます。これには医師の処方が必要です41。主に使用される薬剤は、アトバコン・プログアニル合剤(マラロン)やメフロキン(メファキン)です39
  • 迅速な医療機関受診:流行地域から帰国後に発熱やインフルエンザ様の症状が出た場合は、直ちに医療機関を受診することが勧告されます。マラリアは治療が遅れると致命的になる可能性があるためです41
表4:日本人旅行者のためのマラリア予防ガイドライン(NCGM/厚労省検疫所に基づく)
予防法 主な推奨事項 関連典拠
第一戦略:防蚊対策 最も重要な対策。DEET含有虫除け剤の使用、長袖・長ズボンの着用、蚊帳の使用。 39
第二戦略:化学予防(予防内服) 高リスク地域で推奨。医師の処方が必須。アトバコン・プログアニル、メフロキン等が使用される。 41
渡航後の対応 流行地滞在後に発熱等の症状が出た場合、速やかに医療機関を受診。 41
旅行者向けワクチンの状況 日本国内では承認されておらず、予防接種は選択肢ではない。 38

4.2 日本のマラリア研究への貢献

次世代研究の拠点

第一世代ワクチンの開発において主要な役割を果たしたわけではないものの、日本は最先端のマラリア研究において重要な貢献をしています。長崎大学はmRNAワクチンの先駆的な研究を進め36、大阪大学の堀井俊宏教授のグループは赤血球ステージを標的とする新規ワクチン候補BK-SE36を開発し、ウガンダでの臨床試験で高い有効性を示しました45。また、住友ファーマは愛媛大学と共同で新規の伝播阻止ワクチン候補の研究開発に取り組んでいます46。日本の研究は、第一世代ワクチンの限界を克服し、将来の根絶に必要となる「第二波」のツール開発に焦点を当てており、洗練された未来志向の研究戦略と言えます。

4.3 総括:モスキリックスの遺産と根絶への道

分析の統合

本報告書は、モスキリックスを完璧なワクチンとしてではなく、歴史的なブレークスルーとして位置づけます。それは、マラリアワクチンの開発が可能であることを証明し、数十年にわたる科学的停滞を打ち破り、マラリア対策の新時代への道を開いたツールでした。

包括的な課題

しかし、マラリアとの戦いはまだ終わっていません。WHOの世界マラリア報告書が詳述するように、進捗を脅かす大きな脅威が依然として存在します47。世界の症例数と死亡者数はパンデミック以前のレベルよりも高く47、気候変動47、殺虫剤や薬剤への耐性47、そして深刻な資金不足47が、対策の効果を脅かしています。

今後の道筋

結論として、マラリア対策には持続的かつ統合的なアプローチが必要であることを改めて強調します。モスキリックスとR21の利用可能性は記念碑的な一歩ですが、これらは強力なベクターコントロール(蚊の駆除)、化学予防、診断、治療と並行して展開されなければなりません。そのすべてが、強化された保健システムと持続的な政治的・財政的コミットメントによって支えられる必要があります。日本や世界各地で進行中の革新は、将来さらに強力なツールが生まれる希望を与えますが、当面の課題は、今日我々が手にしているツールの救命の可能性を最大限に活用することです。

よくある質問

モスキリックス(RTS,S)ワクチンとは何ですか?

モスキリックス(RTS,S/AS01)は、世界で初めてWHOに使用が推奨されたマラリアワクチンです。主にサハラ以南アフリカの乳幼児を対象とし、熱帯熱マラリア原虫が蚊によって体内に侵入した後、肝臓で増殖するのを防ぐことで発症を予防します15

ワクチンの効果はどのくらいですか?完璧な予防が可能ですか?

完璧な予防はできません。臨床試験では、4回の接種を完了した生後5~17カ月の子どもにおいて、4年間の追跡で臨床マラリアの発症を39%、重症マラリアを約32%減少させました13。ワクチンは万能薬ではなく、蚊帳の使用やその他の予防策と組み合わせることで最大の効果を発揮する、重要な追加ツールと位置づけられています5

なぜ4回も接種が必要なのですか?

臨床試験の結果、ワクチンの防御効果を長期間維持するためには4回の接種が不可欠であることが示されました。生後5カ月頃から3回の初回接種を行い、その約18カ月後に追加の4回目を接種するスケジュールが推奨されています215。4回目の追加接種を受けないと、重症マラリアに対する防御効果は時間とともに失われてしまいます。

R21という新しいワクチンもあると聞きましたが、違いは何ですか?

R21/Matrix-Mは、WHOが推奨した2番目のマラリアワクチンです。RTS,S(モスキリックス)と同様にマラリア原虫のタンパク質を標的としますが、より高い有効性(1年間で最大75%)を示し、製造費用が安く、大量生産が可能であるという利点があります112731。2つのワクチンが利用可能になることで、世界的な供給不足が解消されると期待されています。

日本人旅行者もこのワクチンを接種できますか?

いいえ、できません。モスキリックスやR21ワクチンは、流行地域に住む乳幼児の定期接種用に開発されたものであり、旅行者向けには承認されていません38。日本人の海外渡航者がマラリア流行地域に行く際は、従来通り、虫除け剤や蚊帳などの防蚊対策を徹底し、医師に相談の上で予防薬を内服することが基本となります3941

結論

マラリアワクチンRTS,S/AS01(モスキリックス)の登場は、マラリアとの長い戦いにおける歴史的なマイルストーンです。限定的な有効性という課題を抱えながらも、現実世界で子どもの命を救うという紛れもない事実を証明し、官民パートナーシップの力を示しました。さらに、その成功はR21のような改良型ワクチンの開発を促し、マラリア予防の選択肢を広げました。しかし、マラリア根絶への道は依然として険しく、薬剤耐性や資金不足といった根深い問題が残っています。これらのワクチンは強力な武器ですが、万能薬ではありません。最終的な勝利のためには、ワクチン接種を、蚊帳、診断、治療といった既存の対策と統合し、それを支える保健システムの強化と、揺るぎない国際的な支援を継続していくことが不可欠です。

免責事項本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言を構成するものではありません。健康上の懸念がある場合、またはご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

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