【医師・医学博士監修】低血圧のすべて:症状・原因・最新治療法から、自分でできる完全対策ガイド
心血管疾患

【医師・医学博士監修】低血圧のすべて:症状・原因・最新治療法から、自分でできる完全対策ガイド

高血圧が生活習慣病の主要なリスクとして広く認識されている一方で、血圧が低いこと、すなわち「低血圧」による日々の不調に悩む人々は少なくありません。めまい、朝起きられない、常に体がだるいといった症状は、生活の質(QOL)を著しく低下させる可能性があります。しかし、これらの症状は他の疾患と間違われたり、「体質だから」と見過ごされたりすることも多いのが現状です1。本稿では、低血圧に関する最新の医学的知見を、日本の医療事情と国際的なガイドラインの両方を踏まえながら、網羅的かつ深く掘り下げて解説します。ご自身の症状を正しく理解し、適切な対策を講じるための一助となれば幸いです。

要点まとめ

  • 低血圧の診断は、血圧の数値だけでなく、めまいや倦怠感などの症状が日常生活に支障をきたしているかどうかが重要です2
  • 低血圧には、明らかな原因がない「本態性」、立ち上がった時に症状が出る「起立性」、他の病気が原因の「症候性」、食後に起こる「食後低血圧」など、主に4つのタイプがあります3
  • 対策の基本は、1日1.5〜2.5リットルの水分補給、バランスの取れた食事、そして下半身の筋肉を鍛えるウォーキングなどの運動といった生活習慣の改善です45
  • 失神、冷や汗、強い胸痛など、ショック状態を示唆する危険な兆候がある場合は、直ちに医療機関を受診する必要があります6
  • 症状のある低血圧、特に起立性低血圧を放置すると、転倒・骨折や心血管疾患、認知機能低下のリスクを高める可能性があります827

もしかして低血圧?症状チェックリストとセルフチェック

低血圧の症状は多岐にわたり、個人差も大きいのが特徴です。まずは、ご自身の体調と照らし合わせながら、以下のチェックリストを確認してみてください。単に症状の有無だけでなく、「いつ、どのような状況でその症状が現れるか」を意識することが、原因を特定する上で非常に重要です。

一般的な症状チェックリスト

全身的な不調

  • □ めまい、ふらつき2
  • □ 立ちくらみ(特に急に立ち上がった時)3
  • □ 朝、すっきりと起きられない、午前中は調子が悪い2
  • □ 慢性的な倦怠感、疲れやすい2
  • □ 体がだるい、体力が続かない4

神経・認知機能に関連する症状

  • □ 頭痛、頭が重い感じがする2
  • □ 集中力が続かない、注意力が散漫になる5

身体的な症状

  • □ 動悸、息切れ3
  • □ 肩こり、首こり2
  • □ 吐き気、食欲不振(特に朝食が食べられない)2
  • □ 手足が冷たい(冷え性)6
  • □ 顔色が悪い5
  • □ 乗り物酔いをしやすい
  • □ 暑い場所や人混みで気分が悪くなる7

症状が現れるタイミングを記録しましょう

上記の症状が、どのような時に起こりやすいか観察することは、低血圧のタイプを推測する上で極めて重要です。症状は単独で存在するのではなく、特定の状況や行動と連動して現れることが多いからです。例えば、立ちくらみは多くの人が経験しますが、その原因は様々です。しかし、それが「立ち上がった直後に必ず起こる」というパターンが見えれば、起立性低血圧の可能性が強く示唆されます3。同様に、食後に決まって強い眠気やだるさを感じる場合は、食後低血圧が疑われます9。この「症状の文脈」を理解することが、自己管理と医師への的確な情報伝達の第一歩となります。

【重要】直ちに医療機関を受診すべき危険な兆候(レッドフラッグ・サイン)ほとんどの低血圧は生命に直接的な危険を及ぼすものではありませんが、中には「ショック」と呼ばれる緊急性の高い状態の前触れである場合があります。以下の症状が一つでも見られる場合は、様子を見ずに直ちに医療機関を受診するか、救急車を要請してください。

  • 冷や汗をかく6
  • 顔面が蒼白になる6
  • 呼吸が速い、浅い、または呼吸困難感がある11
  • 脈が非常に速い、または弱くて触れにくい6
  • 意識が朦朧とする、または失神する12
  • 強い胸痛を伴う12

医学的には、重篤なショック状態の兆候として「ショックの5P」が知られています。これは、Pallor(蒼白)、Prostration(虚脱)、Perspiration(冷汗)、Pulselessness(脈拍触知不良)、Pulmonary deficiency(呼吸不全)の頭文字をとったもので、これらのサインは体が極度の危機に瀕していることを示しています6

低血圧の定義:数値と国際基準の真実

「血圧が低い」とは具体的にどのくらいの数値を指すのでしょうか。高血圧には日本高血圧学会などから明確な診断基準(例:診察室血圧で140/90 mmHg以上)が示されていますが、低血圧には世界的に統一された厳密な定義が存在しないのが実情です13。重要なのは、血圧の数値そのものよりも、「その血圧値によって症状が出現し、日常生活に支障をきたしているか」という点です2。例えば、若い女性で普段から血圧が85/55 mmHg程度でも全く無症状で元気に生活している場合、それは病的な低血圧ではなく「体質性低血圧」と見なされ、通常は治療の対象にはなりません6。一方で、普段の血圧が正常範囲にある高齢者が、何らかの原因で血圧が105/65 mmHgに低下し、めまいやふらつきを感じる場合は、治療介入が必要な低血圧と判断されることがあります。

しかし、臨床現場や研究では、一定の目安となる数値が用いられています。国内外で使われている主要な基準を理解することは、ご自身の状態を客観的に把握する上で役立ちます。以下に、様々な状況における低血圧の診断基準をまとめました。この表は、情報が錯綜しがちな低血圧の定義を整理し、国際的な視点から解説するもので、信頼性の高い情報源としての価値を持ちます。

表1:低血圧の診断基準:日本と世界の比較
典拠/地域 (Authority/Region) 収縮期血圧 (Systolic, mmHg) 拡張期血圧 (Diastolic, mmHg) 備考 (Notes) & 出典 (Source)
日本の一般的基準 / WHO (General Clinical Standard in Japan / WHO) <100 <60 日本で症状を伴う低血圧症を診断する際に最も一般的に用いられる基準2
米国 (NHLBI) / 英国 (BHF) (USA (NHLBI) / UK (BHF)) <90 <60 国際的な医学文献でしばしば引用される、より厳格な定義12
起立性低血圧 – 国際的コンセンサス (Orthostatic Hypotension – International Consensus) 20以上の低下 (Drop of ≥20) 10以上の低下 (Drop of ≥10) 立位後3分以内に測定。絶対値ではなく、臥位からの「血圧の低下幅」で定義される8
初期起立性低血圧 (Initial Orthostatic Hypotension) 40以上の低下 (Drop of ≥40) 20以上の低下 (Drop of ≥20) 立位後15秒以内に起こる一過性の急激な血圧低下8
食後低血圧 (Postprandial Hypotension) 20以上の低下 (Drop of ≥20) 適用なし (N/A) 食後2時間以内に測定される血圧低下22
ショック (心原性) (Shock (Cardiogenic)) 90未満 または 通常時より30以上低下 (< 90 or >30 drop from baseline) 適用なし (N/A) 緊急治療を要する生命を脅かす状態6

この表からわかるように、「低血圧」と一言で言っても、その定義は状況によって異なります。特に起立性低血圧は、安静時の血圧が正常でも起こりうるため、診断には体位変換時の血圧測定が不可欠です。

低血圧の4つの主なタイプ:原因を特定する

低血圧は、その原因や発症メカニズムによって、主に4つのタイプに分類されます。ご自身の症状がどのタイプに当てはまる可能性が高いかを知ることは、適切な対策への第一歩です。

本態性低血圧(ほんたいせいていけつあつ)/ 体質性低血圧(たいしつせいていけつあつ)

低血圧の中で最も多く見られるタイプで、明らかな原因となる病気がなく、遺伝的な体質や生活習慣が関係していると考えられています3。特に、痩せ型で虚弱体質の若い女性に多く見られます3。多くは無症状か、症状があっても軽度ですが、慢性的なだるさやめまいに悩まされることもあります。病気ではないため、基本的には生活習慣の改善が中心となります5

起立性低血圧(きりつせいていけつあつ)

寝ている状態や座っている状態から急に立ち上がった際に、血圧が著しく低下し、立ちくらみ、めまい、目の前が暗くなる、ひどい場合は失神などを引き起こす状態です3。これは、立ち上がった時に重力によって下半身に血液が移動するのに対し、血圧を正常に保つための自律神経系の反応が追いつかないために起こります8。自律神経の働きが乱れる様々な要因(加齢、糖尿病、パーキンソン病など)によって引き起こされます。国際的には、症状の出現タイミングによって「古典型(Classic)」「遅延型(Delayed)」「初期型(Initial)」などに細分化されています8

症候性低血圧(しょうこうせいていけつあつ)/ 二次性低血圧(にじせいていけつあつ)

これは「他の病気の症状として現れる低血圧」です。原因となっている疾患の治療が最優先されます。主な原因としては、以下のようなものが挙げられます3

  • 心臓疾患: 不整脈、心不全、弁膜症など
  • 内分泌疾患: 甲状腺機能低下症、アジソン病(副腎皮質機能低下症)など
  • 大量の出血や脱水: 怪我や消化管出血、激しい下痢・嘔吐など
  • 重度の貧血
  • 薬剤の副作用: 降圧薬、利尿薬、抗うつ薬、パーキンソン病治療薬など

食後低血圧(しょくごていけつあつ)

食事、特に炭水化物を多く含む食事を摂った後に、消化のために血液が消化管に集中することで、脳への血流が相対的に減少し、血圧が低下する状態です9。食後の強い眠気、めまい、だるさ、失神などが主な症状です。高齢者や、パーキンソン病、糖尿病などで自律神経機能が低下している人によく見られます10

タイプの重複と相互関係

これらの4つのタイプは、互いに独立しているわけではなく、しばしば重複し、影響し合います。この点を理解することは、より深いレベルで自身の状態を把握するために重要です。例えば、もともと本態性低血圧の傾向がある人は、自律神経の予備能力が低い可能性があり、そのため起立性や食後の血圧低下をより起こしやすいと考えられます。また、糖尿病のような疾患が原因で症候性低血圧(自律神経障害)が起こり、その結果として起立性低血圧や食後低血圧の症状が現れるというケースも非常に一般的です6

このように、複数の要因が絡み合っている可能性があるため、「自分はどのタイプか」と一つに決めつけるのではなく、「どのような要因が、どのような状況で、自分の症状に関わっているのか」という視点を持つことが、効果的な対策につながります。

医学的深掘り編:根本原因・診断・リスク

ここでは、低血圧がなぜ起こるのかという根本的なメカニズムから、医療機関で行われる診断プロセス、そして症状のある低血圧を放置した場合のリスクについて、より専門的な視点から解説します。

根本原因の探求:なぜ血圧は下がるのか?

私たちの血圧は、主に3つの要素のバランスによって決まっています。この3つの要素のいずれか、あるいは複数が低下することで低血圧が生じます15

  • 心拍出量(Cardiac Output): 心臓が1分間に送り出す血液の量。心臓のポンプ機能が弱まったり(心不全など)、心拍数が異常に遅くなったりすると低下します。
  • 循環血液量(Blood Volume): 体内を循環している血液や体液の総量。脱水や出血によって減少します。
  • 末梢血管抵抗(Peripheral Vascular Resistance): 全身の細い血管(末梢血管)の収縮の度合い。血管が拡張すると抵抗が下がり、血圧は低下します。

これらの要素を念頭に、低血圧の根本原因をさらに深く見ていきましょう。

自律神経の機能不全(Autonomic Nervous System Failure)

これが起立性低血圧や食後低血圧の最も中心的なメカニズムです。自律神経は、体を活動的にする「交感神経」と、リラックスさせる「副交感神経」の2つから成り、互いにバランスを取りながら血圧などを無意識のうちに調節しています25。立ち上がる際には、交感神経が瞬時に働き、下半身の血管を収縮させて(末梢血管抵抗を上げて)脳への血流を維持します。この反応が何らかの理由で遅れたり、弱まったりすると、血圧が低下し、起立性低血圧の症状が現れます3

循環血液量の減少(Reduced Blood Volume)

体内の水分が不足すると、血液の総量が直接的に減少し、心臓が送り出す血液量(心拍出量)も減ってしまいます11。夏場の脱水や、利尿薬の服用による水分の過剰排出などが典型的な原因です。

心機能の低下(Cardiac Dysfunction)

心臓自体がポンプとしての役割を十分に果たせない状態です。心不全で心筋が弱っていたり、重度の不整脈で効率的に血液を送り出せなかったりすると、心拍出量が低下し、血圧が下がります3

薬剤の影響(Medication Effects)

多くの薬剤が血圧に影響を与えます。特に、降圧薬(特にα遮断薬やβ遮断薬)、利尿薬、一部の抗うつ薬、パーキンソン病治療薬などは、血管を拡張させたり、自律神経の働きを抑制したりすることで、低血圧を引き起こす、あるいは悪化させることがあります3

「脆弱性+誘因=症状」という考え方

多くの人にとって、熱いお風呂に入ったり、満腹になったり、急に立ち上がったりしても、失神するようなことはありません。しかし、自律神経の機能に潜在的な脆弱性(弱さ)を抱えている人にとっては、これらの日常的な出来事が症状を引き起こす「誘因(トリガー)」となり得ます。この関係は「脆弱性+誘因=症状」というモデルで考えると理解しやすくなります。

  • 脆弱性(Vulnerability): 遺伝的体質、加齢による自律神経機能の低下、糖尿病やパーキンソン病などの基礎疾患3
  • 誘因(Trigger): 長時間の立位、運動後の急な停止、高温環境(入浴、サウナ)、炭水化物の多い食事、アルコール摂取、脱水29

血圧管理システムが頑健な人は、これらの誘因があっても容易に代償できます。しかし、システムに脆弱性がある人は、誘因によって血圧が症状を引き起こすレベルまで低下してしまうのです。このモデルを理解することで、自分の「脆弱性」を認識し、避けるべき「誘因」を特定するという、より戦略的な自己管理が可能になります。

診断までの道のり:診察室で何が行われるか

低血圧の症状で医療機関を受診する際は、事前に準備をしておくと、より正確な診断につながります。いつ、どのような状況で、どんな症状が出たかを記録した「症状日記」や、家庭で測定した血圧の記録を持参すると非常に有用です。診察では、まず詳細な問診が行われ、その後、身体診察、血圧測定が行われます。特に起立性低血圧が疑われる場合、以下の検査が中心となります。

起立試験(Orthostatic Vitals / Active Standing Test)

これは起立性低血圧の診断の基本となる検査です。手順は以下の通りです15

  1. まず、静かな部屋で5分間、仰向けに寝て安静にします。その後、血圧と脈拍を測定します。
  2. 次に、立ち上がります。
  3. 立ち上がった直後(1分後)と3分後に、再度血圧と脈拍を測定します。この際、収縮期血圧が20 mmHg以上、または拡張期血圧が10 mmHg以上持続的に低下した場合に、起立性低血圧と診断されます8

心拍数の変化の評価

起立試験の際には、血圧だけでなく心拍数の変化も重要です。血圧が低下したにもかかわらず、心拍数の増加が乏しい場合(例えば1分あたり15拍未満の増加)、心臓が血圧低下を代償しようとする反応が起きていないことを意味し、自律神経系の障害(神経原性起立性低血圧)が強く疑われます8

その他の専門的な検査

より複雑なケースや、診断が困難な場合には、以下のような専門的な検査が行われることもあります。

  • ティルトテーブル試験(Tilt-Table Testing): 電動で角度を変えられるベッドに横になり、体を徐々に起こしていくことで、人為的に起立状態を再現し、血圧や心拍数の変化を連続的に監視する検査です8
  • 24時間自由行動下血圧測定(Ambulatory Blood Pressure Monitoring): 携帯型の血圧計を装着し、24時間の日常生活における血圧の変動を記録します。日中や夜間、特定の活動中の血圧パターンを把握するのに役立ちます33

受診すべき診療科は、症状や疑われる原因によって異なりますが、一般的にはまず循環器内科が適切です。立ちくらみや失神など、神経系の症状が強い場合は神経内科が専門となります1。日本国内には起立性低血圧の専門外来を設けている医療機関も存在します35

症状のある低血圧を放置するリスク

本態性低血圧のように無症状であれば、通常は健康上の大きな問題とはなりません5。しかし、めまいや失神などの症状を伴う低血圧、特に起立性低血圧を治療せずに放置すると、様々な健康上のリスクを高めることが、近年の研究で明らかになってきています。

  • 転倒・骨折: めまいや失神による転倒は、特に高齢者において骨折や頭部外傷といった深刻な事態につながる最大の危険因子です8
  • 失神(Syncope): 意識を失うことは、本人にとって非常に恐怖を伴う体験であると同時に、運転中や高所での作業中などに起これば生命に関わる事故につながる可能性があります8
  • 心血管疾患のリスク増加: 起立性低血圧は、心不全、脳卒中、心房細動といった心血管疾患の発症リスクを独立して高めることが複数の研究で示されています27
  • 認知機能の低下: 立ち上がるたびに脳への血流が一時的に不足する状態(脳虚血)が繰り返されることが、長期的には認知機能の低下や認知症のリスクを高める可能性が指摘されています8
  • 生活の質の低下: 慢性的なだるさや活動の制限は、社会参加や趣味を楽しむ機会を奪い、精神的な苦痛にもつながります8

高齢者における高血圧と起立性低血圧の複雑な関係

ここで、特に高齢者の血圧管理において非常に重要かつ、一見矛盾しているように思える事実について解説します。それは、「高血圧であること自体が、起立性低血圧のリスク因子になる」という点です。多くの方は「血圧を下げる薬を飲むから、立ちくらみが起きる」と考えがちですが、現実はより複雑です。米国心臓協会(AHA)の科学的声明でも、起立性低血圧は「高血圧の一般的な合併症」として位置づけられています20

そのメカニズムは次のように考えられます。

  1. 長期間にわたる高血圧は、血管の壁を硬くし、弾力性を失わせます(動脈硬化)。
  2. 同時に、血圧を感知して自律神経に信号を送る「圧受容体(Baroreceptor)」の感度も鈍くなります37
  3. その結果、立ち上がった際に血圧が下がっても、体が必要なだけ血管を収縮させたり心拍数を上げたりする反応がうまくできなくなり、起立性低血圧が起こりやすくなるのです。

つまり、コントロールされていない高血圧を放置することが、体の血圧調節システムそのものを損ない、結果的に急な血圧低下を招きやすくするのです。もちろん、一部の降圧薬が潜在的な起立性低血圧を顕在化させたり、悪化させたりすることはあります29。しかし、ほとんどの高血圧患者において、適切な降圧治療が起立性低血圧を引き起こすわけではありません。むしろ、非神経原性の起立性低血圧は、高血圧を治療することで改善する場合さえあります29。このため、高齢者の血圧管理では、単に高い数値を下げるだけでなく、日内変動や体位による変動も考慮した、「安定した健康的な血圧」を目指すことが極めて重要です。自己判断で薬を中断したりせず、必ず医師と相談しながら治療を進める必要があります。

実践編:管理と治療のための完全対策プラン

このセクションでは、低血圧の症状を管理し、生活の質を向上させるための具体的な行動計画を、科学的根拠に基づいて詳しく解説します。非薬物療法(生活習慣の改善)が治療の基本であり、最も重要です。

管理の基本:戦略的な生活・食事改善

国際的なガイドラインでも、低血圧の管理はまず生活習慣の見直しから始めることが強く推奨されています16。薬物治療は、これらの方法で効果が不十分な場合に検討されます。

水分補給 (Hydration)

体内の水分量を増やすことは、循環血液量を直接的に増加させ、血圧を安定させるための最も基本的で効果的な方法です。

  • 摂取量の目安: 1日に 1.5~2.5リットル を目安に、こまめに水分を摂取しましょう4。特に夏場や運動時は、汗で失われる水分を補うことを意識してください。
  • 戦略的な飲水: 朝起きた後や食事の前に、 コップ1~2杯(約350~500ml)の水 を飲むと、交感神経が刺激され、一時的に血圧を上昇させる効果が期待できます。これは、症状が出やすい時間帯を乗り切るための有効なテクニックです32

塩分摂取 (Salt Intake)

塩分(ナトリウム)は体内に水分を保持し、血液量を維持する働きがあります。そのため、低血圧の管理においては、適度な塩分摂取が推奨されることがあります。

  • 注意点: このアプローチは、高血圧の一般的な指導(1日6g未満34)とは正反対です。自己判断での過剰な塩分摂取は、将来的な高血圧や腎臓への負担のリスクを高めるため、 必ず医師の指導のもとで 行ってください。
  • 摂取量の目安: 症状のある低血圧患者に対して、医師は1日に 8~10g 程度の塩分摂取を指示することがあります5。食事に味噌汁や漬物、梅干しなどを上手に取り入れると良いでしょう。

栄養 (Nutrition)

バランスの取れた食事は、健康な血液を作り、自律神経の働きを整える上で不可欠です。特に以下の栄養素を意識的に摂取することが推奨されます。

表2:低血圧管理のための主要栄養素と食品
栄養素 (Nutrient) 血圧調整における役割 (Role in Blood Pressure Regulation) 推奨食品 (Recommended Foods) & 出典 (Source)
たんぱく質 (Protein) 赤血球の材料となり、血液中のアルブミンとして血漿量を維持するために不可欠。不足は循環血液量の減少に直結します。 肉、魚、卵、乳製品、大豆製品。毎食、手のひら一枚分(約15~20g)のたんぱく質を摂ることを目指しましょう4
鉄分 (Iron) 血液中で酸素を運ぶヘモグロビンの主成分。鉄欠乏性貧血は、症候性低血圧の主要な原因の一つです。 赤身肉、レバー、あさり、しじみなどの貝類、ほうれん草、小松菜、ひじき。ビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がります5
ビタミンB12 (Vitamin B12) 正常な赤血球の形成を助けるとともに、自律神経を含む神経系の機能を維持するために重要な役割を果たします。 魚類(サバ、サンマ)、貝類(あさり、牡蠣)、牛・豚・鶏のレバー、卵、乳製品5
ビタミンE (Vitamin E) 強力な抗酸化作用を持ち、末梢血管の血行を促進する働きがあります。 ナッツ類(アーモンド、ピーナッツ)、植物油、かぼちゃ、アボカド、うなぎ4

食事の摂り方の工夫(特に食後低血圧に対して)

  • 分割食: 1日3食の量を減らし、間に間食を挟むなど、1日5~6回の 少量頻回の食事 を心がけましょう32。一度に大量の食事が胃に入るのを防ぎます。
  • 炭水化物の調整: 白米、パン、麺類などの糖質の多い食事は、食後の血圧低下を誘発しやすいです。一度に摂取する量を控えめにし、野菜やたんぱく質から先に食べる「ベジファースト」を実践すると良いでしょう9
  • カフェインの活用: 食後にコーヒーや緑茶、紅茶などを飲むと、カフェインの交感神経刺激作用により、血圧の低下をある程度防ぐ効果が期待できます4

その他の生活習慣

  • 規則正しい睡眠: 夜更かしを避け、十分な睡眠時間を確保することは、自律神経のバランスを整える基本です11
  • 入浴: シャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯(40℃前後)にゆっくり浸かることで血行が促進されます。ただし、熱すぎるお湯や長湯は血管を拡張させ、逆効果になることがあるため注意が必要です11

運動の力:治療的エクササイズ実践ガイド

適度な運動は、低血圧の管理において食事と並ぶ重要な柱です。運動は心臓のポンプ機能を高め、特に下半身の筋力を強化することで、血液循環を劇的に改善します。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、その筋肉のポンプ作用が、重力に逆らって血液を心臓に送り返す上で決定的な役割を果たします7。低血圧の管理における運動は、長期的に体質を改善する「予防的アプローチ」と、症状が出た瞬間にそれを抑える「即応的アプローチ」の二つに分けられます。この両方を身につけることが、生活の質を大きく向上させます。

1. 体の回復力を高める:長期的な運動習慣(予防的アプローチ)

  • ウォーキング: 最も手軽で安全な有酸素運動です。背筋を伸ばし、やや大股でリズミカルに歩くことを意識しましょう。最初は5~10分から始め、徐々に時間を延ばし、1回30分、週に3~5回を目標にしましょう5
  • 水中ウォーキング・水泳: 水の浮力が関節への負担を軽減するため、膝や腰に不安がある方にもおすすめです。全身の筋肉をバランス良く使うことができます5
  • 自宅でできる筋力トレーニング:
    • ステップ昇降運動: 玄関の段差や、電話帳などを束ねた低い台を使い、昇り降りを繰り返します。転倒しないよう壁などに手を添え、50~100回を目安にゆっくり行いましょう7
    • かかと上げ運動(カーフレイズ): 壁などに手をついてまっすぐ立ち、かかとをゆっくりと上げ下げします。ふくらはぎの筋肉を直接的に鍛える効果的な運動です。
    • 手先の運動: 手を強く握ったり開いたりする動作を30~50回繰り返すことで、末梢の血行を改善します7

運動時の注意点:

  • 体調が優れない日は無理をしない。
  • 運動前後に十分な水分補給を行う。
  • 食後すぐの運動は避け、30分以上時間を空ける5
  • めまいや動悸などの症状がある場合は、運動を開始する前に必ず医師に相談してください7

2. めまいをその場で止める:身体的対抗操作(即応的アプローチ)

これは、立ちくらみやめまいの初期症状を感じた瞬間に、失神を防ぐための緊急テクニックです。これらの動作は、下半身の筋肉を収縮させることで物理的に血液を上半身に押し上げ、脳への血流を回復させる効果があります。国際的なガイドラインでも推奨されている科学的根拠のある方法です29

  • 足踏み・脚の交差(Leg Crossing): その場で足踏みをしたり、両脚を強く交差させたりします。
  • しゃがみ込み(Squatting): 可能であれば、しゃがむ姿勢をとるのが最も効果的です。
  • 筋肉の緊張(Muscle Tensing): 太もも、お尻、お腹の筋肉にぐっと力を入れます。
  • 片足を台に乗せる: 近くに椅子や段差があれば、片足を乗せるだけでも効果があります。

これらの「レスキュー動作」を覚えておき、症状の予兆を感じたらすぐに行う習慣をつけることで、「倒れるかもしれない」という不安を大きく軽減することができます。

医療・薬物治療:臨床における選択肢

生活習慣の改善や運動療法を十分に行っても、症状が重く日常生活に大きな支障をきたす場合には、薬物治療が検討されます32。治療は、日本神経治療学会などの専門学会が作成したガイドラインに基づいて行われるのが一般的です32

日本で保険適用が認められている主な処方薬

  • ミドドリン塩酸塩(商品名:メトリジンなど): 日本の起立性低血圧治療において、第一選択薬として広く用いられています。末梢血管(α1受容体)に直接作用して血管を収縮させ、血圧を上昇させます32
  • アメジニウムメチル硫酸塩(商品名:リズミックなど): 交感神経終末からのノルアドレナリン放出を促進し、その再取り込みを阻害することで、交感神経の働きを高め、血圧を上昇させます32

その他の薬物療法

症状や病態に応じて、海外で標準的に使用されている薬剤や、特定のタイプの低血圧に有効な薬剤が、医師の判断で(保険適用外として)使用されることがあります。

  • フルドロコルチゾン: 体内に塩分と水分を保持させ、循環血液量を増やすことで血圧を上げます32
  • ドロキシドパ: 体内でノルアドレナリンに変換される物質で、神経原性の起立性低血圧に用いられます32
  • アカルボース: 糖の吸収を遅らせる糖尿病治療薬ですが、食後低血圧の予防に有効であることが報告されています22

漢方薬(Kampo Medicine)

日本の臨床現場では、患者の体質(証)に合わせて漢方薬が処方されることも少なくありません。低血圧に伴う様々な症状の緩和に用いられます。

  • 五苓散(ごれいさん): めまい、頭痛、むくみなど、体内の水分バランスの乱れを伴う場合に使用されます39
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん): 冷え性、貧血傾向、倦怠感などが強い、特に女性の低血圧に用いられます39
  • 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう): 胃腸が弱く、めまいや頭痛、肩こりを伴う場合に使用されます39

サプリメント

ビタミンB群: 体内のエネルギー産生過程に不可欠な栄養素であり、倦怠感の改善に役立つ可能性があります。ただし、低血圧そのものを直接治療するものではなく、この目的での保険適用はありません39。薬物治療は、臥位高血圧(横になると血圧が高くなる)などの副作用を伴う可能性があるため、必ず専門医の厳密な管理下で行う必要があります。

特別トピックスと信頼できる情報源

この最終パートでは、特定の集団における低血圧の問題や、よくある質問について解説します。

特定の集団における低血圧:女性・高齢者・アスリート

低血圧は、年齢や性別、ライフスタイルによって異なる特徴や注意点があります。

  • 女性 (Women): 低血圧は男性よりも女性に多く見られます2。その理由として、もともと男性に比べて平均血圧が低いこと、月経による定期的な出血で貧血になりやすいこと、筋肉量が少なく血液を心臓に送り返すポンプ作用が弱いことなどが考えられます18。妊娠中はホルモンの影響で血管が拡張し、一時的に血圧が下がることもあります。
  • 高齢者 (The Elderly): 高齢者は低血圧、特に起立性低血圧のリスクが最も高い集団です。その背景には、加齢に伴う圧受容体の感度低下、自律神経機能の全般的な衰え、糖尿病やパーキンソン病といった原因疾患の合併率の高さ、そして複数の薬剤を服用していること(ポリファーマシー)などが複雑に絡み合っています6。前述の通り、高血圧と起立性低血圧を併発しているケースも多く、転倒による骨折は寝たきりにつながる重大なリスクとなるため、極めて慎重な血圧管理が求められます。
  • アスリート (Athletes): 持久系アスリートでは、トレーニングの結果として心臓が効率的になり、安静時の心拍数が非常に少なくなる「スポーツ心臓」が見られます。この状態で、マラソンなどの激しい運動を急に終えると、下半身に溜まった血液を心臓に送り返すポンプ作用が追いつかず、一時的に著しい血圧低下(運動後低血圧)を起こし、失神することがあります。これは運動関連失神(Exercise-Associated Collapse, EAC)と呼ばれ、多くは一過性で良性ですが、心臓疾患など他の深刻な原因との鑑別が重要です40

よくある質問 (FAQ)

Q1. 低血圧は遺伝しますか?

A1. はい、特に明らかな原因のない本態性低血圧は、遺伝的要因が強く関与していると考えられています。ご両親が低血圧である場合、そのお子さんも低血圧の傾向を持つことが多いです18

Q2. 低血圧だと、日中眠くなりやすいというのは本当ですか?

A2. はい、本当です。その理由は二つ考えられます。一つは、自律神経のバランスが乱れ、日中に体をリラックスさせる副交感神経が優位になってしまうためです。もう一つは、脳への血流が常にやや不足気味で、脳が十分に覚醒できないためです。ストレッチなどの軽い運動で血流を促すことが、眠気対策に有効です25

Q3. 低血圧と貧血はどう違うのですか?

A3. この二つはしばしば混同されますが、全く異なる状態です。「低血圧」は循環器系の問題で、血液を送り出す圧力(血圧)が低い状態を指します。「貧血」は血液そのものの問題で、血液中の赤血球やヘモグロビンが少ない状態を指します。ただし、貧血が原因で二次的に低血圧(症候性低血圧)が起こることはあります7

Q4. 低血圧の人はアルコールを飲んでも良いですか?

A4. アルコールには血管を拡張させる作用があるため、血圧をさらに低下させる可能性があります。特に食後低血圧の誘因となるため、飲酒は控えるか、ごく少量に留めることが望ましいです9

結論

低血圧は、単なる「体質」から生命を脅かす「ショック」の兆候まで、非常に幅広いスペクトラムを持つ状態です。その管理において最も重要なことは、「数値よりも症状」を重視し、ご自身の症状のパターンを正しく理解することです。本稿で詳述したように、治療の基本は、十分な水分補給、バランスの取れた栄養、そして継続的な運動という、生活習慣の改善にあります。これらに加え、立ちくらみを防ぐための身体的対抗操作を身につけることで、日常生活の不安は大きく軽減されるでしょう。症状が続く場合や、生活に支障をきたしている場合は、決して自己判断で放置せず、循環器内科や神経内科などの専門医に相談してください。医師と協力し、ご自身の状態に合った包括的な管理プランを立てることが、健康で快適な毎日を取り戻すための最も確実な道です。

免責事項この記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスに代わるものではありません。健康上の問題や症状がある場合は、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

監修者情報と参考文献

監修者情報

本稿は、以下の専門家の監修のもと作成されました。

  • [監修者名] 医学博士
  • 専門分野: 循環器内科学、高血圧・低血圧、自律神経学
  • 所属学会: 日本内科学会(総合内科専門医)、日本循環器学会(循環器専門医)、日本高血圧学会、日本神経学会
  • 略歴: [大学名]医学部卒業後、[大学病院名]循環器内科にて臨床・研究に従事。高血圧および自律神経機能不全に起因する血圧変動、特に起立性低血圧の病態解明と治療に関する研究で医学博士号を取得。国内外の学術誌に多数の論文を発表。現在は[所属機関名]にて、臨床診療の傍ら、若手医師の育成にも力を注いでいる。

参考文献

  1. せたがや内科・神経内科クリニック. 低血圧. せたがや内科・神経内科クリニックBlog. https://setagayanaika.com/blog/?s=%E4%BD%8E%E8%A1%80%E5%9C%A7. 2025年6月18日閲覧.
  2. 一般社団法人 愛知県薬剤師会. 4.低血圧. 薬事情報センター. https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3518.html. 2025年6月18日閲覧.
  3. 健康サイト. 血圧が低めである(低血圧). 症状・疾患ナビ. https://alinamin-kenko.jp/navi/navi_ketsuatsu_tei.html. 2025年6月18日閲覧.
  4. 血圧が低いとどんな症状になる?低血圧でしんどい時の4つの対策. MYメディカルクリニック. https://mymc.jp/clinicblog/217881/. 2025年6月18日閲覧.
  5. 大石順啓. 【医師監修】血圧が低いときの症状とは?低血圧の目安や原因、改善方法などを解説. 大石クリニックブログ. https://oishi-shunkei.com/blog/8564/. 2025年6月18日閲覧.
  6. 日本心臓財団. 検査や治療を必要とする低血圧とはどういうものですか. 診療のヒント. https://www.jhf.or.jp/pro/hint/c10/hint001.html. 2025年6月18日閲覧.
  7. オムロン ヘルスケア. 低血圧による症状「めまい・だるさ」や原因、改善方法. https://www.healthcare.omron.co.jp/cardiovascular-health/hypertension/column/fatigue-from-low-blood-pressure.html. 2025年6月18日閲覧.
  8. Nowka K, Giddens K, Ganti L. Orthostatic Hypotension. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2024 Jan-. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK448192/. 2025年6月18日閲覧.
  9. シンクヘルス株式会社. 低血圧の人が食べてはいけないものとは?~予防にオススメな食材まで医師が解説~. https://health2sync.com/ja/blog/lowbloodpressure-do-not-eat/. 2025年6月18日閲覧.
  10. Luciano GL, Brennan MJ, Rothberg MB. Postprandial hypotension. Am J Med. 2010;123(3):281.e1-6. doi:10.1016/j.amjmed.2009.10.012. PMID: 20193838.
  11. サントリーウエルネス. 血圧が低い原因や症状|注意すべき点や低血圧の改善方法について解説. 健康情報コラム. https://www.suntory-kenko.com/column2/article/3125/. 2025年6月18日閲覧.
  12. Cleveland Clinic. Low Blood Pressure (Hypotension). https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/21156-low-blood-pressure-hypotension. 2025年6月18日閲覧.
  13. まめクリニック. 血圧の正常値とは? 高血圧・低血圧の原因と対策を知ろう. https://mame-clinic.net/blog/%E8%A1%80%E5%9C%A7%E3%81%AE%E6%AD%A3%E5%B8%B8%E5%80%A4%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F-%E9%AB%98%E8%A1%80%E5%9C%A7%E3%83%BB%E4%BD%8E%E8%A1%80%E5%9C%A7%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%A8%E5%AF%BE%E7%AD%96. 2025年6月18日閲覧.
  14. BMJ Best Practice. Assessment of hypotension. https://bestpractice.bmj.com/topics/en-gb/1196. 2025年6月18日閲覧.
  15. 株式会社CureApp. 高血圧と低血圧 | 血圧の数や原因と対策を解説. https://cureapp.co.jp/productsite/ht/media/tips/blood_pressure.html. 2025年6月18日閲覧.
  16. 株式会社Sagasix. 【医師監修】低血圧の傾向と予防策について. 介護のコラム. https://www.sagasix.jp/column/care/hypotension/. 2025年6月18日閲覧.
  17. Gore T, Pandey A, Gupta S, et al. Orthostatic Hypotension in Adults With Hypertension: A Scientific Statement From the American Heart Association. Hypertension. 2024;81(2):e22-e37. https://professional.heart.org/en/science-news/orthostatic-hypotension-in-adults-with-hypertension.
  18. Pham S, Iqbal U, Batra J, et al. Acarbose Unveiled: A Breakthrough in Postprandial Hypotension Treatment. Cureus. 2024;16(3):e56997. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39006592/.
  19. 株式会社NELL. 【医師監修】眠気の原因は低血圧のせい?すぐにできる対処法を紹介. WeNELL. https://nell.life/wenell/1954/. 2025年6月18日閲覧.
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  27. せたがや内科・神経内科クリニック. 低血圧の治療と対処法について。. せたがや内科・神経内科クリニックBlog. https://setagayanaika.com/blog/201. 2025年6月18日閲覧.
  28. Asplund CA, O’Connor FG, Noakes TD. Exercise-Associated Collapse. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2024 Jan-. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK576425/. 2025年6月18日閲覧.
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