【科学的根拠に基づく】健康の危険信号!唇に現れる8つの兆候、原因と対処法を徹底解説。がんの可能性も?
口腔の健康

【科学的根拠に基づく】健康の危険信号!唇に現れる8つの兆候、原因と対処法を徹底解説。がんの可能性も?

唇は、他の部位の皮膚とは一線を画す独自の生理学的特徴を持っています。顔の他の部分の皮膚に比べて角質層が極めて薄く、皮脂腺や汗腺を欠いているため、自ら潤いを保ち外部の刺激から身を守るための皮脂膜を形成できません2。この構造的な特異性により、唇は体内の変化や外部環境からの刺激に対して非常に敏感に反応します。まさに、全身の健康状態を映し出す「鏡」と言えるでしょう5
本稿では、JAPANESEHEALTH.ORG編集部が、唇に現れる8つの主要な「危険信号」を特定し、それぞれについて詳細な医学的分析と、読者の皆様が取るべき具体的な行動計画を提示します。単なる症状の羅列に留まらず、なぜその兆候が現れるのかという病態生理学的な背景から、実践可能なセルフケア、専門医へ相談すべき適切なタイミング、そして受診すべき診療科までを網羅的に解説することを目的とします。
本稿は、健康に関する意識を高め、適切な行動を促すための情報提供を目的としています。個人の自己診断に代わるものではなく、最終的な診断と治療は必ず専門の医療機関で行う必要があります。気になる症状がある場合は、決して自己判断で放置せず、速やかに医師にご相談ください。

この記事の要点まとめ

  • 唇は角質層が薄く皮脂腺がないため、体内の健康状態を敏感に反映する「鏡」です25
  • 唇が青白い場合は貧血8、紫色は心肺機能低下(チアノーゼ)9の可能性があり、息苦しさを伴う場合は緊急受診が必要です。
  • 唇のシミやほくろの変化は、悪性黒色腫(メラノーマ)のサインである可能性があり、即時皮膚科受診が推奨されます22
  • 治りにくい口角炎は、感染症やビタミンB群不足1718、ピリピリ痛む水ぶくれは口唇ヘルペスの特徴です1
  • 市販薬で改善しない唇の乾燥や亀裂、腫れは、シェーグレン症候群や全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患のサインかもしれません4170
  • 2週間以上治らないしこりや潰瘍は、光線口唇炎(前がん病変)や有棘細胞がんの可能性があり、絶対に放置してはいけません84

【兆候一覧】唇の危険信号と緊急性の目安

唇の兆候別・考えられる原因と受診すべき診療科の目安
唇の兆候 考えられる主な原因 推奨される診療科 緊急性の目安
1. 唇の色が悪い(青白い、紫色) 鉄欠乏性貧血、心肺機能低下(チアノーゼ)、血行不良 内科、循環器内科 紫色で息苦しさ等を伴う場合は緊急受診
2. シミ・ほくろ(色素斑) 炎症後色素沈着、全身性疾患(ポイツ・ジェガース症候群等)、悪性黒色腫 皮膚科、口腔外科 形や色の変化があれば即時受診
3. 口角が切れる・ただれる 感染症(カンジダ等)、栄養不足(ビタミンB群、鉄)、物理的刺激 皮膚科、歯科、内科 1週間以上改善しない場合は受診
4. ピリピリ痛む水ぶくれ 単純ヘルペスウイルス(HSV-1)の再活性化 皮膚科 前兆を感じたら48時間以内に受診
5. 全体の持続的な腫れ・皮むけ 接触皮膚炎、アトピー性口唇炎、自己免疫疾患(SLE等) 皮膚科、リウマチ科 原因不明で続く場合は専門医へ
6. 深刻な乾燥と深い亀裂 剥脱性口唇炎、シェーグレン症候群、薬剤の副作用 皮膚科、リウマチ科 市販品で改善しない場合は受診
7. 舌の異常を伴う唇のトラブル 鉄欠乏性貧血、ビタミンB群欠乏、亜鉛欠乏 内科 全身性の栄養不足が強く疑われる
8. 治らないしこり・潰瘍 光線口唇炎(前がん病変)、有棘細胞がん、悪性黒色腫 皮膚科、口腔外科 2週間以上治らない場合は即時受診

兆候1:唇の色の変化(青白い、または紫色)

兆候の解説

健康な唇は、豊富な毛細血管を反映した自然な赤みを帯びています。しかし、これが明らかに青白い、または土気色を呈する場合や、青紫色(チアノーゼ)に見える場合は、体内の酸素供給や血液の状態に何らかの問題が生じている可能性を示唆する重要なサインです8

潜在的な原因と病態生理

青白い唇:貧血、特に鉄欠乏性貧血のサイン
唇が青白く見える最も一般的な原因の一つが貧血です。血液中の赤血球、あるいはその主成分であり酸素を運搬するヘモグロビンが減少すると、組織への酸素供給が低下します8。ヘモグロビンは鉄を含む赤い色素タンパク質であるため、これが不足すると血液自体の赤みが薄れ、皮膚が薄く血管が透けて見える唇ではその影響が顕著に現れます10
日本の診断基準では、貯蔵鉄の指標である血清フェリチン値が特に重要視され、一般的に12 ng/mL未満で鉄欠乏状態と判断されます1112。世界保健機関(WHO)の基準では、成人女性の貧血はヘモグロビン(Hb)値が12 g/dL未満と定義されています12。唇の蒼白に加えて、疲れやすさ、動悸、息切れ、頭痛、めまいといった全身症状を伴うことが多く、これらの症状が重なる場合は貧血の可能性がより高まります8
唇が青白いという単一の兆候も重要ですが、他の症状と組み合わせて観察することで、診断の精度は飛躍的に高まります。例えば、口角の切れ(口角炎)や舌の痛み(舌炎)が同時に見られる場合、それは局所的な問題ではなく、鉄分やビタミンB群の欠乏といった全身的な栄養不足を強く示唆する「兆候のクラスター(集合体)」を形成します。この症状の組み合わせは、内科での血液検査を強く推奨する根拠となります。

紫色の唇:チアノーゼと循環不全
唇が青紫色に見える状態はチアノーゼと呼ばれ、血液中の酸素が不足し、酸素と結合していない「還元ヘモグロビン」が5 g/dL以上に増加することで生じます9。原因は、寒さや強いストレスによる一時的な血管収縮・血行不良から、心不全や慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった心臓や肺の重篤な疾患による深刻な酸素供給不足まで多岐にわたります15。喫煙もニコチンの血管収縮作用により、慢性的な血行不良と酸素不足を招く一因となります15

行動計画

青白い唇の場合:

  • セルフチェック: まず、疲れやすさ、立ちくらみ、息切れなど、他の貧血関連症状がないかを確認します10
  • 食事改善: 日常の食事で、鉄分を多く含む赤身の肉、レバー、あさり、ほうれん草や、鉄の吸収を助けるビタミンC(果物、野菜)を意識的に摂取することが推奨されます17
  • 専門医への相談: 症状が改善しない、あるいは日常生活に支障をきたす場合は、 内科 を受診してください。血液検査によってヘモグロビン値や血清フェリチン値を測定し、貧血の有無と種類を診断します12。鉄欠乏性貧血と診断された場合、治療は主に経口鉄剤の服用となります。症状が改善しても、体内の貯蔵鉄を十分に回復させるため、医師の指示に従い数ヶ月間は服用を継続することが重要です19

紫色の唇の場合:

  • 状況確認: 寒冷な環境や運動後の一時的なものであれば、体を温めたり安静にしたりすることで改善するかを観察します15
  • 緊急受診: 唇の紫色の変化に加えて、 息苦しさ、胸の痛み、強いめまい、意識が遠のく感覚 などを伴う場合は、心臓や肺の重篤な疾患が原因である可能性が否定できません。この場合は、 直ちに救急外来を受診するか、救急車を要請してください9

兆候2:唇やその周りのシミ・ほくろ(色素斑)

兆候の解説

唇やその周辺に、これまでなかったシミやほくろのような黒色から茶褐色の斑点(色素斑)が出現したり、以前からあったものの形、大きさ、色の濃淡が変化したりした場合は、単なる美容上の問題ではなく、背景に疾患が隠れている可能性を考慮し、注意深い観察が必要です。

潜在的な原因と病態生理

良性・一般的な原因
唇のシミの多くは良性です。口唇炎やニキビ、物理的な摩擦などの後に生じる炎症後色素沈着は、レーザー治療などで比較的容易に改善することが可能です22。また、加齢や体質によって生じる生理的色素沈着単純黒子(ほくろ)も一般的で、これらは通常、治療の必要はありません。しかし、これら良性の色素斑と、後述する悪性疾患や全身性疾患の兆候とを正確に鑑別することが極めて重要になります23

注意すべき全身性疾患

  • ポイツ・ジェガース症候群 (Peutz-Jeghers Syndrome, PJS): この遺伝性疾患では、小児期に口唇、口腔粘膜、目の周り、さらには手足に特徴的な暗青色から暗褐色の色素斑が出現します23。この色素斑は、消化管(特に小腸)に多発性の過誤腫性ポリープが存在することを示唆する重要な皮膚症状です24。この疾患の重大性は、ポリープが腹痛、出血、腸重積・腸閉塞の原因となるだけでなく、消化管や乳腺、膵臓などのがんを発症するリスクが著しく高い点にあります25。唇の斑点は成人期に薄くなることがあるため26、小児期にこのサインを見逃さないことが、将来の合併症に対する長期的な医学的管理(定期的な内視鏡検査など)を開始する上で決定的に重要です。
  • アジソン病 (Addison’s Disease): 副腎皮質の機能が慢性的に低下する疾患で、ホルモンバランスの異常によりメラニン産生が亢進し、皮膚や粘膜にびまん性の色素沈着を引き起こします。特に口唇、歯肉、頬粘膜といった日光に曝されない部位の色素沈着が特徴的です22。全身の倦怠感、筋力低下、体重減少、低血圧などの症状を伴うため、これらの症状と併せて色素沈着が見られる場合は、内分泌内科での精査が必要です23

最も警戒すべき疾患

  • 悪性黒色腫(メラノーマ): 最も悪性度の高い皮膚がんの一つであり、唇にも発生します。特に日本人は欧米人と比較して口腔粘膜に発生する頻度が高いと報告されています22。初期症状はシミやほくろと見分けがつきにくいですが、「形が左右非対称」「境界がギザギザで不明瞭」「色に濃淡のムラがある」「大きさが拡大する」「隆起してくる」といった変化は危険なサインです。診断にはダーモスコピーによる観察に加え、最終的には病変を完全に切除して病理組織学的に調べる全切除生検が不可欠です22

行動計画

  • セルフモニタリング: 唇やその周囲の色素斑について、「ABCDEルール」(Asymmetry: 非対称性, Border: 境界, Color: 色調, Diameter: 直径, Evolving: 変化)を参考に、大きさ、形、色、隆起の有無を定期的にチェックし、スマートフォンなどで撮影して記録しておくことが有効です。
  • 即時受診の基準: 新しい色素斑の出現、あるいは既存のものが少しでも変化(特に拡大、形状・色の変化、出血、ただれ)した場合は、様子を見るという選択はせず、 直ちに皮膚科または口腔外科 を受診してください22
  • 専門医による鑑別: 医師はダーモスコピーという特殊な拡大鏡を用いて病変を詳細に観察し、悪性の疑いがあれば生検(組織を一部採取して調べる検査)を行い、確定診断を下します22。良性か悪性か、また全身疾患の兆候かどうかの鑑別は、専門医でなければ不可能です。
【鑑別診断表】唇のシミ・斑点の鑑別診断
特徴 良性色素斑(単純黒子) ポイツ・ジェガース症候群 悪性黒色腫
発症時期 様々 主に小児期 中高年以降に多い
色・形 均一な褐色・黒色、境界明瞭 暗青色〜暗褐色、多発性 不均一な色調、境界不明瞭、非対称
随伴症状 なし 消化管ポリープ(腹痛、血便など) なし(進行すると転移症状)
好発部位 全身の皮膚・粘膜 口唇、口腔粘膜、手足 口唇、口腔粘膜、硬口蓋など
緊急性 通常は低い 専門医による消化器の精査が必要 極めて高い。即時受診

兆候3:口角の切れ・ただれ(口角炎)

兆候の解説

口角炎は、唇の両端(口角)に炎症が生じ、赤み、腫れ、亀裂、びらん(ただれ)、かさぶたなどを形成する病変です28。口を開ける動作で亀裂が深くなり、痛みや出血を伴うことが多く、一度なると治りにくいという特徴があります30

潜在的な原因と病態生理

口角炎は単一の原因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合って発症する多因子性の疾患です29。根本的な病態として、不適合な義歯や加齢による口元のたるみなどによって口角に唾液が溜まりやすい環境が形成され、皮膚が常に湿った状態(浸軟)になることでバリア機能が低下することが挙げられます32。この脆弱化した皮膚に、さまざまな要因が加わって炎症が引き起こされます。

  • 感染症:
    • カンジダ菌: 口腔内の常在真菌ですが、免疫力の低下(疲労、ストレス、糖尿病、ステロイド薬の使用など)、抗生物質の長期服用、あるいは義歯の清掃不良などを背景に異常増殖し、カンジダ性口角炎を引き起こします。特に高齢者や義歯使用者で頻度が高いとされています18
    • 黄色ブドウ球菌: 皮膚の常在細菌で、乾燥や舐める癖によって生じた微細な亀裂から侵入し、二次感染を起こします。小児の口角炎ではこの細菌感染が多いと報告されています29
  • 栄養不足:
    • ビタミンB群(特にB2、B6): ビタミンB2(リボフラビン)やB6(ピリドキシン)は、皮膚や粘膜のエネルギー代謝と再生に不可欠な補酵素として機能します。これらのビタミンが欠乏すると、細胞のターンオーバーが正常に行われなくなり、粘膜の炎症として口角炎や口唇炎、舌炎が生じやすくなります17。現代日本の食生活における精白米や加工食品の摂取増加は、ビタミンB群の潜在的な欠乏リスクを高める一因と考えられます36
    • 鉄・亜鉛: 鉄欠乏性貧血や亜鉛欠乏も、皮膚の修復能力や局所の免疫力を低下させるため、口角炎の重要な誘因となります31
  • 物理的・機械的刺激: 乾燥した唇を無意識に舐める癖は、唾液に含まれる消化酵素と蒸発時の気化熱によってさらに乾燥を悪化させる悪循環を生みます2。また、不適合な義歯や歯列不正は、口角への持続的な刺激や唾液の停滞を招きます17
  • 全身性疾患: アトピー性皮膚炎、炎症性腸疾患(特にクローン病)、シェーグレン症候群、糖尿病、HIV感染症など、免疫機能に影響を及ぼす全身性疾患が背景に存在することもあります34

この疾患の診断プロセスは、治療への反応自体が診断の手がかりとなる「治療的診断」の側面を持ちます。例えば、保湿や生活習慣の改善で治らなければ、次に感染を疑い抗真菌薬や抗菌薬を試します。それでも改善しない場合、その難治性は局所的な問題ではなく、栄養不足や全身疾患といった、より根本的な原因の存在を強く示唆することになります。この段階的なアプローチを理解することは、適切な治療へと繋がる鍵となります。

行動計画

  • 初期対応(セルフケア):
    • 保護と保湿: ワセリンや刺激の少ないリップクリームをこまめに塗り、乾燥と外部からの刺激を防ぎます28
    • 生活習慣の改善: 唇を舐めたり、皮をむいたりする癖を意識的にやめることが最も重要です17。また、香辛料の多い食事やアルコールなど、刺激の強い飲食物は避けましょう17
  • 専門医への相談:
    • 受診の目安: セルフケアを1週間続けても改善が見られない、症状が悪化する、あるいは頻繁に再発する場合は、自己判断を続けずに医療機関を受診してください34
    • 診療科の選択:
      • 皮膚科: 細菌や真菌の感染が疑われる場合の第一選択です。必要に応じて病変部から検体を採取し、原因菌を特定します。治療は、原因に応じて抗真菌薬や抗菌薬の外用・内服、炎症が強い場合は短期間のステロイド外用薬が処方されます18
      • 歯科・口腔外科: 義歯の不適合や噛み合わせの問題が原因として考えられる場合に相談します17
      • 内科: 繰り返す口角炎で栄養不足や全身疾患が疑われる場合、血液検査で原因を精査します18

兆候4:ピリピリ痛む水ぶくれ(口唇ヘルペス)

兆候の解説

口唇ヘルペスは、唇やその周辺に、特徴的な前兆症状を伴って発症するウイルス感染症です。まず「ピリピリ」「チクチク」「ムズムズ」といった違和感やかゆみが現れ、その半日〜1日後くらいに同じ場所に赤みが生じ、続いて小さな水ぶくれ(水疱)が複数個集まって出現します1。水疱は数日で破れてただれ(潰瘍)を形成し、最終的に黄色いかさぶたとなって、通常は1〜2週間で自然に治癒します46

潜在的な原因と病態生理

口唇ヘルペスの原因は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の感染です47。このウイルスは非常に感染力が強く、一度感染すると、顔面の感覚を支配する三叉神経節という神経細胞の集まりに潜伏し、生涯にわたって体内に存在し続けます48
この潜伏と再発のサイクルは、「神経免疫学」の観点から理解することができます。潜伏しているウイルスは、通常、神経節内に常在する免疫細胞(特にCD8陽性T細胞などの組織常在記憶T細胞)によって常に監視され、その活動が抑制されています50。しかし、過労、精神的ストレス、風邪による発熱、強い紫外線への曝露、月経などによるホルモンバランスの変化、免疫抑制剤の使用といった要因で全身の免疫機能が低下すると、この監視システムが一時的に弱まります1。この免疫監視の隙を突いてウイルスは再活性化し、神経線維を逆行して皮膚表面へと到達、そこで増殖して特徴的な症状を引き起こすのです49。発症前のピリピリとした違和感は、まさにウイルスが神経内で再活性化し、移動しているサインなのです。

行動計画

早期治療の絶対的重要性: 口唇ヘルペスの治療は、時間との勝負です。「ピリピリとした前兆を感じてから48時間以内」に抗ウイルス薬による治療を開始することが、症状の悪化を防ぎ、治癒までの期間を短縮し、色素沈着や傷跡といった後遺症のリスクを最小限に抑えるための鍵となります1

治療法(日本皮膚科学会ガイドライン準拠):

  • 基本治療: 抗ヘルペスウイルス薬の内服(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルなど)と外用(アシクロビル軟膏など)を併用するのが標準的な治療です45。内服薬は全身でウイルスの増殖を抑制し、外用薬は局所のウイルス量を減少させ皮膚へのダメージを軽減します。
  • PIT(Patient Initiated Therapy)療法: 年に3回以上など、再発を頻繁に繰り返す患者向けの画期的な治療法です。これは、医師があらかじめ抗ウイルス薬(日本では再発性口唇ヘルペスに対し、ファムビルアメナリーフがこの用法で承認されています)を処方し、患者が再発の前兆を感じた時点で、医療機関を受診することなく自身の判断で直ちに服用を開始するものです1。これにより、治療開始までのタイムラグをなくし、最も効果的なタイミングでウイルスの増殖を抑制できます。
  • 抑制療法: 年に6回以上など、極めて再発頻度が高い場合には、低用量の抗ウイルス薬を毎日長期間服用し続けることで、ウイルスが再活性化すること自体を予防する治療法も選択肢となります1

受診科: 皮膚科を受診してください。

日常生活での注意: 水疱やただれの部分にはウイルスが大量に含まれているため、感染を広げないよう、患部に触れた後は必ず手を洗う、タオルや食器、リップクリームなどを他者と共用しないといった配慮が不可欠です45

【鑑別診断表】口角炎と口唇ヘルペスの違い
比較項目 口角炎 (Angular Cheilitis) 口唇ヘルペス (Oral Herpes)
原因 多因子性(感染、栄養不足、刺激など) 単純ヘルペスウイルス(HSV-1)
主な症状 亀裂、びらん、赤み、かさぶた 小さな水ぶくれ(水疱)の集まり
前兆 特になし ピリピリ、チクチクした違和感・かゆみ
好発部位 口角(唇の両端)に限定的 唇とその周囲、時に鼻の下など
感染性 通常はなし(原因菌は常在菌) あり(水疱内容物にウイルス多量)

この二つの疾患はしばしば混同されますが、原因と治療法が全く異なるため、正確な鑑別が不可欠です31。特に水ぶくれの有無は重要な判断基準となります。

兆候5:唇全体の持続的な腫れ・赤み・皮むけ(口唇炎)

兆候の解説

唇全体が慢性的に赤く腫れぼったくなったり、乾燥してカサカサと皮がむけたり、ひび割れたりする状態が続く場合、それは「口唇炎」と呼ばれる皮膚炎の一種です。単純な乾燥による「唇の荒れ」とは異なり、その背景には特定の原因が存在します42

潜在的な原因と病態生理

口唇炎は、様々な初期要因が唇の脆弱なバリア機能を破綻させるという共通の経路をたどって発症します。この「病態生理学的収束」の考え方を理解することが、適切な対処に繋がります。

  • 接触皮膚炎: 口紅、リップクリーム、歯磨き粉、マンゴーなどの果物、あるいは楽器の金属製のマウスピースなどに含まれる特定の化学物質が原因となります58。これらの物質に対するアレルギー反応(アレルギー性接触皮膚炎)や、物質そのものの刺激(刺激性接触皮膚炎)によって炎症が引き起こされます。日本人におけるアレルゲンの詳細な統計は限られていますが、化粧品に含まれる香料、防腐剤、着色料(ロドデノールなど)や金属(ニッケルなど)が原因となる症例が報告されています61
  • アトピー性口唇炎: アトピー性皮膚炎の症状の一つとして唇に現れるものです。アトピー性皮膚炎の患者は、皮膚のバリア機能に重要な役割を果たすフィラグリンというタンパク質の遺伝子に変異があることが多く、これが皮膚の乾燥や外部刺激への感受性の高まりにつながります63。日本人アトピー性皮膚炎患者でも複数のフィラグリン遺伝子変異が同定されており65、遺伝的素因が口唇炎の背景にある可能性を示唆しています。
  • 自己免疫疾患の兆候:
    • 全身性エリテマトーデス(SLE): SLE患者では、自己抗体が皮膚や粘膜を攻撃するため、口唇炎や痛みを伴わない口腔内潰瘍が高頻度に見られます67。特に日光(紫外線)によって症状が悪化する光線過敏症を伴うことが特徴です。
    • シェーグレン症候群: 唾液腺が自己免疫によって破壊され、著しい口腔乾燥(ドライマウス)をきたします。唾液による保護・保湿機能が失われるため、唇は極度に乾燥し、慢性的な剥脱性口唇炎や口角炎を引き起こします70
    • 炎症性腸疾患(IBD): 特にクローン病では、腸管の炎症と共通の免疫学的機序により、腸の症状に先行して、あるいは並行して、唇が持続的に腫れる「肉芽腫性口唇炎」やアフタ性潰瘍などが現れることがあります41

このように、アレルギーという外部からの攻撃、遺伝子という内部の脆弱性、自己免疫という全身からの誤った攻撃、これら全く異なる三つの原因が、最終的には「唇のバリア機能破綻と炎症」という共通の病態に収束し、臨床的には類似した口唇炎の症状を呈するのです。医師の役割は、この最終的な症状から原因を遡り、根本的な引き金を特定することにあります。

行動計画

  • 原因物質の特定と回避: 最近使い始めた化粧品、リップクリーム、歯磨き粉など、原因として思い当たる製品があれば、まず使用を中止してみます。原因が特定できない場合は、皮膚科でパッチテストを受けることが根本的な解決への近道です。これは、疑わしい物質を皮膚に貼り付け、アレルギー反応が起きるかどうかを確認する検査です75
  • 専門医による診断と治療:
    • 皮膚科: 接触皮膚炎やアトピー性口唇炎の診断と治療を行います。治療の基本は、原因物質の回避と、炎症を抑えるためのステロイド外用薬の使用です。
    • 内科・リウマチ科: 唇の症状に加えて、発熱、関節痛、皮疹、下痢、目の乾きなど、他の全身症状を伴う場合は、自己免疫疾患の可能性を考慮する必要があります。唇の症状が、全身疾患を診断するための重要な手がかりとなることも少なくありません。皮膚科での治療で改善しない場合も、これらの専門科への相談が推奨されます41
  • 基本的なスキンケア: 原因が何であれ、ワセリンなどで唇を物理的に保護し、さらなる刺激を避けることは、症状の悪化を防ぐ上で非常に重要です40

兆候6:深刻な乾燥と深い亀裂

兆候の解説

市販のリップクリームをいくら塗っても潤わず、常に唇が乾燥して硬くなり、時には縦に深い亀裂(裂溝)が入り、出血や痛みを伴うような状態です。これは単なる乾燥のレベルを超えた、医学的な介入を必要とする病的な状態と考えられます。

潜在的な原因と病態生理

  • 剥脱性口唇炎 (Exfoliative Cheilitis): これは、唇のターンオーバー(新陳代謝)が異常に亢進し、角質が正常に成熟しないまま次々と剥がれ落ちてしまう状態です。結果として、唇は常に未熟な皮膚で覆われることになり、バリア機能が著しく低下し、深刻な乾燥と亀裂を引き起こします。アトピー素因、精神的ストレス、そして無意識に唇を舐めたり皮をむいたりする癖が、この悪循環を助長すると考えられています42
  • シェーグレン症候群 (Sjögren’s Syndrome): この自己免疫疾患は、涙腺と唾液腺を標的とし、それらの機能を破壊します70。その結果生じる重度の口腔乾燥症(ドライマウス)は、唇の健康に壊滅的な影響を及ぼします。唾液には、保湿、抗菌、自浄、消化といった多様な機能がありますが、これらがすべて失われるため、唇は極度の乾燥にさらされ、深い亀裂や二次感染(特にカンジダ感染)を容易に起こすようになります71
  • 薬剤の副作用 (Drug Side Effects): ニキビ治療薬などに用いられるレチノイド(ビタミンA誘導体)や、一部の抗がん剤などは、皮脂の分泌を抑制したり、細胞の増殖に影響を与えたりすることで、副作用として重度の口唇乾燥や口唇炎を引き起こすことが知られています42
  • 重度の栄養失調 (Severe Malnutrition): 体の構成要素であるタンパク質や、皮膚・粘膜の正常な維持に不可欠なビタミン(A, B群)、ミネラル(亜鉛、鉄)が極度に欠乏すると、皮膚の再生能力そのものが損なわれ、深刻な乾燥や亀裂につながります。

行動計画

  • セルフケアの限界の認識: 市販のリップクリームで全く改善しない深刻な乾燥は、単なる「肌荒れ」の範疇を超えています。根本的な原因が他にある可能性が高いと認識することが第一歩です。
  • 専門医への相談:
    • 皮膚科: まずは皮膚科を受診し、剥脱性口唇炎や薬剤性の可能性について診断を受けます。適切な外用薬(ステロイドや保湿剤)の処方や、原因と考えられる癖の是正指導が行われます。
    • 内科・リウマチ科: 口の乾燥だけでなく、目の乾燥感(目がゴロゴロする、乾いて痛い)、関節の痛み、原因不明の疲労感などの症状が伴う場合は、シェーグレン症候群を強く疑います。専門医による詳細な検査(血液検査での抗SS-A/SS-B抗体などの自己抗体測定、唾液分泌量検査、涙の量を確認するシルマーテスト、診断確定のための口唇小唾液腺生検など)が必要です77
  • 対症療法と環境整備: 原因疾患の治療と並行して、刺激の少ない高保湿のリップクリームやワセリンで唇を徹底的に保護し、加湿器を使用して室内の湿度を保つなどの対症療法も、症状緩和のために重要です70465

兆候7:舌の異常を伴う唇のトラブル

兆候の解説

唇のトラブル、例えば口角が切れる、唇が青白いといった症状と同時に、舌にも異常が現れることがあります。具体的には、「舌がヒリヒリ痛む」「舌が赤く腫れる」「舌の表面のブツブツがなくなりツルツルになる」「味がわかりにくい」といった症状です10。唇と舌は、どちらも粘膜組織であり新陳代謝が非常に活発なため、両者に同時に異常が出る場合は、局所的な問題ではなく、全身的な栄養状態の乱れを強く示唆しています。

潜在的な原因と病態生理

  • 鉄欠乏性貧血:症状のクラスター: 唇が青白くなる、口角炎が起こることに加え、舌の表面にある糸状乳頭という微細な突起が萎縮し、舌が赤く平滑になる「舌炎(プランマー・ビンソン症候群やハンター舌炎で見られる所見)」が特徴です8。舌の痛み(グロソディニア)や、食べ物がしみたりすることもあります。鉄はヘモグロビンの合成だけでなく、粘膜細胞の正常なターンオーバーにも必須であり、欠乏すると再生サイクルの早い舌や唇に影響が顕著に現れます。
  • ビタミンB群欠乏症:症状のクラスター: 口角炎と並行して、舌が赤く腫れあがり、痛みを伴う舌炎が起こります。特にビタミンB2(リボフラビン)、B6(ピリドキシン)、B12(コバラミン)の欠乏で顕著です28。ビタミンB群は体内のエネルギー代謝と細胞の再生プロセス全体に関わるため、欠乏すると新陳代謝の活発な粘膜組織に炎症が生じやすくなります。
  • 亜鉛欠乏症:症状のクラスター: 口角炎や口唇炎に加え、味蕾細胞の機能低下による味覚障害や、原因不明の舌の痛みを伴うことがあります39。亜鉛は細胞分裂や免疫機能の維持に重要な役割を担っており、不足するとこれらの機能が低下します。日本の高齢者では潜在的な亜鉛欠乏が少なくないと報告されています39

行動計画

  • 症状の組み合わせへの着目: 「唇」と「舌」に同時に症状が現れた場合、それは局所的なケアだけでは解決しない、体からのSOSサインであると認識することが何よりも重要です。
  • 内科の受診: このような症状の組み合わせが見られたら、迷わず内科を受診してください。医師に唇と舌の具体的な症状を詳しく伝えることで、全身的な栄養欠乏を念頭に置いた診察が可能になります。
  • 原因の特定と治療: 医師は血液検査を行い、血中ヘモグロビン、血清フェリチン(貯蔵鉄)、各種ビタミン、亜鉛などの値を測定し、欠乏している栄養素を特定します18。診断に基づき、鉄剤、ビタミン剤、亜鉛製剤などの補充療法が行われます。同時に、栄養バランスの取れた食事への改善指導も治療の重要な柱となります17

兆候8:治らないしこり・潰瘍・ただれ

兆候の解説

唇にできもの(しこり)、硬くなった部分、あるいは口内炎のような潰瘍やただれができて、2〜3週間以上経っても一向に治る気配がない場合、これは最も警戒すべき危険信号です84。特に、痛みを伴わないことも多いため、「そのうち治るだろう」と放置されがちですが、それがかえって発見を遅らせる原因となります38

潜在的な原因と病態生理

  • 光線口唇炎(日光角化症):これは長年にわたる紫外線曝露の蓄積によって引き起こされる、皮膚がんの「前がん病変」です。特に日光が当たりやすい下唇に好発します。症状としては、唇の乾燥、持続的な皮むけ、境界が不鮮明になる、白っぽい斑点や硬い部分ができる、などが挙げられます。この段階ではまだがんでありませんが、放置すると有棘細胞がんに移行するリスクが高まります22
  • 有棘細胞がん:唇に発生する代表的な皮膚がんであり、光線口唇炎から移行することが多いです。初期は、治りにくいびらんや、触れると硬いしこりとして現れます。進行すると、カリフラワー状に盛り上がったり、中心部が崩れて潰瘍を形成したりして、出血しやすくなります23。早期に発見し治療すれば予後は良好ですが、進行するとリンパ節などに転移する可能性があります。
  • その他の腫瘍:良性腫瘍の可能性もありますが、前述の悪性黒色腫(メラノーマ)など、他の悪性腫瘍との鑑別も極めて重要です23

行動計画

  • 「2週間」という期間の重要性: 通常の口内炎や小さな傷は、体の自己修復機能により1〜2週間で治癒に向かいます。それを超えて持続する、あるいは悪化する病変は、正常な治癒プロセスから逸脱した異常な状態と考えるべきです84
  • 絶対的な受診勧告: 痛みの有無にかかわらず、2週間以上治らない唇のしこり、硬化、潰瘍、ただれがある場合は、自己判断で様子を見ることは絶対に避けてください。直ちに皮膚科または口腔外科を受診することが、がんの早期発見・早期治療の機会を逃さないために極めて重要です。
  • 診断と治療: 専門医は視診・触診の後、確定診断のために生検(病変の一部を切り取って病理組織検査を行う)を実施します。これにより、病変が良性か悪性か、悪性であればどの種類のがんかを正確に診断します。がんと診断された場合は、病気の進行度に応じて、病変部を周囲の正常組織を含めて切除する拡大切除手術や、放射線治療、化学療法などが組み合わせて行われます22

全身の健康と唇の深い関係

唇に現れる兆候は、単なる局所的な皮膚トラブルに留まりません。それらは、栄養、免疫、神経といった全身のシステムと深く結びついており、体内のより大きな問題を映し出す「窓」としての役割を果たしています。この関連性を理解することは、唇のケアを全身の健康管理の一環として捉える上で不可欠です。

栄養の軸:唇は栄養状態のバロメーター

唇や舌の粘膜は、体の中でも特に細胞の新陳代謝(ターンオーバー)が活発な組織です3。唇のターンオーバーは約3〜4日と、皮膚の約28日周期に比べて非常に短いことが知られています3。この速いサイクルを維持するためには、細胞分裂やエネルギー産生に大量の栄養素、特にタンパク質、ビタミンB群、そして鉄や亜鉛といったミネラルを絶えず必要とします10
したがって、これらの栄養素が不足すると、その影響は新陳代謝の盛んな組織にいち早く現れます。これが、鉄欠乏で唇が青白くなったり、ビタミンB群の不足で口角炎や舌炎が起こったりする理由です。現代の日本の食生活では、加工食品の多用や偏ったダイエットにより、カロリーは足りていても特定の微量栄養素が不足する「現代型栄養失調」が問題となっています36。慢性的に続く唇のトラブルは、自身の食生活を見直すための重要なきっかけとなり得るのです。

免疫の軸:自己免疫疾患の「前触れ」としての口唇症状

唇の症状は、時に体内で起きている免疫システムの異常を知らせる早期警告として機能します。炎症性腸疾患(IBD)、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群といった自己免疫疾患では、腹痛、関節痛、発熱といった全身の典型的な症状が出現する数ヶ月から数年前に、口唇炎、口角炎、アフタ性潰瘍といった口腔症状が先行して現れることが少なくありません67
これは「先行症状(Preceding Manifestation)」と呼ばれ、診断において極めて重要な意味を持ちます。例えば、難治性の口唇炎がクローン病の最初のサインであったり41、重度の乾燥と亀裂がシェーグレン症候群の診断の手がかりになったりします70。これらの疾患は早期に診断し、適切な治療を開始することが長期的な予後を大きく左右します。したがって、皮膚科や歯科での治療に抵抗する頑固な口唇症状は、単なる皮膚トラブルとして片付けるのではなく、リウマチ・膠原病内科など、全身を診る専門医との連携を考慮すべき重要なサインなのです。

神経免疫の軸:ストレスとヘルペス再発の科学

口唇ヘルペスの再発が「ストレスや疲れが溜まると出る」という経験は、多くの人が持っていますが、これは精神論ではなく、明確な生物学的メカニズムに基づいています。この現象は、神経系と免疫系が密接に連携する「神経免疫軸」によって説明できます。

  1. 潜伏 (Latency): 初感染後、単純ヘルペスウイルス(HSV-1)は感覚神経を遡り、三叉神経節に潜伏します50
  2. 監視 (Surveillance): 神経節内では、免疫細胞の一種である「組織常在記憶T細胞」が常にウイルスを監視し、活動を抑え込んでいます50。これは、免疫システムが神経組織内でウイルスの「見張り番」をしている状態です。
  3. 攪乱 (Disruption): しかし、強い心理的ストレスや物理的ストレス(過労、紫外線、発熱など)にさらされると、ストレスホルモンの影響などでこの免疫監視システムが一時的に弱体化します49
  4. 再活性化 (Reactivation): 監視が緩んだ隙に、潜伏していたウイルスが目を覚まし、再び増殖を開始します。そして、もと来た神経線維を伝って唇の皮膚へと到達し、水ぶくれなどの症状を引き起こすのです50

このメカニズムを理解することは、ヘルペスの再発予防において、抗ウイルス薬による早期治療の重要性だけでなく、日々のストレスマネジメント、十分な休養、バランスの取れた生活がいかに大切であるかを科学的に裏付けています。

よくある質問 (FAQ)

Q1: 口角炎と口唇ヘルペスの違いは何ですか?

A: 最も大きな違いは症状です。口角炎は主に唇の両端(口角)に亀裂やただれができますが、口唇ヘルペスは唇やその周りに「ピリピリとした痛みを伴う小さな水ぶくれ」の集まりとして現れます463。原因も異なり、口角炎は感染症や栄養不足など多因子性ですが、口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルスの再活性化によるものです463。治療法も全く異なるため、水ぶくれがある場合は自己判断せず皮膚科を受診してください。

Q2: 唇のシミやほくろ、どんな時に病院へ行くべきですか?

A: 新しくシミやほくろができた場合、または以前からあったものが少しでも変化した場合は、すぐに皮膚科か口腔外科を受診してください。特に、「形が非対称になった」「境界がギザギザになった」「色にムラが出てきた」「大きくなった」「盛り上がってきた」という変化は、悪性黒色腫(メラノーマ)という危険な皮膚がんのサインである可能性があります22。早期発見が極めて重要です。

Q3: 唇が紫色になる「チアノーゼ」とは何ですか?すぐ病院に行くべき?

A: チアノーゼは、血液中の酸素が不足している状態を示すサインです9。寒さなどによる一時的な血行不良で起こることもありますが、もし唇の紫色の変化に加えて「息苦しさ」「胸の痛み」「強いめまい」などを伴う場合は、心臓や肺の重篤な病気が隠れている可能性があります。その場合は、ためらわずに救急車を呼ぶか、救急外来を受診してください9

Q4: 2週間以上治らない口内炎のようなものは、がんの可能性がありますか?

A: はい、その可能性は否定できません。通常の口内炎や傷は1〜2週間で治ることが多いですが、それを超えて持続するしこり、潰瘍、ただれは、光線口唇炎(前がん病変)や有棘細胞がんなどの可能性があります84。痛みがなくても「そのうち治るだろう」と放置せず、2週間を一つの目安として、治らない場合は必ず皮膚科か口腔外科を受診してください。

結論:唇を日々の健康モニターとして活用する

本稿で詳述したように、唇は単なる顔の一部ではなく、その繊細な構造ゆえに栄養状態、免疫システム、循環器系、さらには精神的ストレスの状態まで、全身の健康状態を敏感に反映する非常に優れた生体モニターです。
唇に現れる8つの危険信号は、体からの重要なメッセージです。これらの変化に早期に気づき、その背景にある医学的な意味を理解し、そして適切に行動すること( 観察・理解・行動 )が、重篤な疾患の予防や早期発見に直結します。
唇の小さな変化を「これくらい大丈夫」と安易に見過ごさないでください。特に、セルフケアで改善しない、繰り返す、あるいは本稿で示したような全身症状を伴う場合は、ためらわずに専門の医療機関に相談することが不可欠です。あなたの唇は、あなた自身と医療専門家が協力して健康を守るための、最も身近で信頼できるパートナーとなり得るのです。日々の観察を習慣づけ、唇からの声に耳を傾けることで、より健やかな生活を送るための一助としてください。

免責事項この記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスに代わるものではありません。健康上の問題や症状がある場合は、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

  1. 0th CLINIC. 口唇ヘルペス 皮膚科 日本橋|早期治療、予防治療. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://0thclinic.com/medical/dermatology/herpes_labialis
  2. ひびき皮ふ科. 唇の荒れが治らない…乾燥や刺激、考えられる要因と皮膚科を受診…. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.hibiya-skin.com/column/202205_02.html
  3. ユースキン製薬株式会社. 唇の乾燥をケアするには?原因から自分でできる対処法まで|肌育…. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.yuskin.co.jp/hadaiku/detail.html?pdid=65
  4. デンタルダイアリー. 若い子は特に、唇がガサガサになりやすい!荒れる原因は??. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://dentaldiary.jp/column/242341
  5. Ciancio SG. Systemic manifestations of oral diseases. [インターネット]. PMC; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3329699/
  6. Arundhathi, et al. Oral and Maxillo-Facial Manifestations of Systemic Diseases: An Overview. [インターネット]. PMC; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8002330/
  7. 美的.com. 唇のできもの、原因まとめ【対策法】. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.biteki.com/skin-care/trouble/472588
  8. Drip Hydration. What Does Anemia Lips Discoloration Look Like?. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://driphydration.com/blog/anemia-lip-discoloration/
  9. TRUE DESIGN CLINIC. もう悩まない!唇の色の悩みを解決|くすみの原因からケア、メイクアップまで徹底解説. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://true-design-clinic.com/archives/2194
  10. The Iron Clinic. Symptoms and signs you might be Iron deficient or anaemic.. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.theironclinic.com/symptoms/
  11. 日本新薬. 鉄欠乏性貧血の診断と治療. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://med.nippon-shinyaku.co.jp/ida/disease_info/detail03/
  12. おおば内科クリニック. 鉄不足が原因!鉄欠乏性貧血について|おおば内科クリニック|京都市下京区の内科・血液内科. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://ohba-cl.com/blog/%E9%89%84%E4%B8%8D%E8%B6%B3%E3%81%A7%E3%81%8A%E6%82%A9%E3%81%BF%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B%EF%BC%9F%E9%89%84%E6%AC%A0%E4%B9%8F%E6%80%A7%E8%B2%A7%E8%A1%80%E3%82%92%E5%BE%B9%E5%BA%95%E8%A7%A3%E8%AA%AC/
  13. まえだクリニック. 鉄欠乏性貧血の診断について. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://maeda.clinic/blog/20231122_diagnosis-of-iron-deficiency/
  14. 日本臨床検査医学会. 36.貧 血. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.jslm.org/books/guideline/36.pdf
  15. TRUE DESIGN CLINIC. 突然、唇が紫色に!?20代・30代の私が知っておくべき原因と解決方法. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://true-design-clinic.com/archives/2626
  16. Bangkok Heart Hospital. 5 つの兆候、小さな子どもの心臓に異常あり. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.bangkokhospital.com/ja/bangkok-heart/content/five-abnormal-signs-that-might-indicate-heart-disease-in-the-kids
  17. ユビー. 口角炎の場合、主にどのような治療をしますか?. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/93mkiuf83
  18. ユビー. 口角炎が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/8mukxmy03ob
  19. ゼリア新薬. 鉄欠乏性貧血. [インターネット]. ZERIA Medical Site; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://medical.zeria.co.jp/product/ferinject/%E9%89%84%E6%AC%A0%E4%B9%8F%E6%80%A7%E8%B2%A7%E8%A1%80_%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E8%A8%BA%E6%96%AD%E3%83%BB%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%A8%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97.pdf
  20. IBD研究班. 潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: http://www.ibdjapan.org/pdf/doc15.pdf
  21. 大塚製薬. てんかんとは – もしかして「てんかん」?|お子さんの場合. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.tenkan.info/about/childcase/
  22. はなふさ皮膚科. 唇のシミについて. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://mitakabiyou.com/shimi/lips-spot
  23. 日本口腔外科学会. 口唇や頬の粘膜に黒い色素斑がある/歯ぐきに…. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.jsoms.or.jp/public/soudan/ha/shikiso/
  24. GeneReviews Japan. GRJ Peutz-Jeghers症候群2011.3.1. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://grj.umin.jp/genereviews-archives/pjs20110301.htm
  25. MedlinePlus. Peutz-Jeghers syndrome. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://medlineplus.gov/genetics/condition/peutz-jeghers-syndrome/
  26. National Organization for Rare Disorders. Peutz-Jeghers Syndrome. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://rarediseases.org/rare-diseases/peutz-jeghers-syndrome/
  27. Gao H, et al. Clinical features, diagnosis, and treatment of Peutz-Jeghers syndrome: Experience with 566 Chinese cases. World J Gastroenterol. 2023;29(10):1627-1638. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.wjgnet.com/1007-9327/full/v29/i10/1627.htm
  28. Medical DOC. 唇の両端に炎症が起こる「口角炎」発症する原因をご存知ですか…. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://medicaldoc.jp/cyclopedia/disease/d_dental/di0580/
  29. Laboratorios KIN. Angular cheilitis: Causes, Symptoms and Treatments. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.kin.es/en/patologias/queilitis-angular/
  30. Apollo Hospitals. Angular Cheilitis – Causes, Symptoms, Diagnosis, and Treatment. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.apollohospitals.com/diseases-and-conditions/angular-cheilitis
  31. かわべ歯科. 口を開けるとまた切れる…治りにくい唇の端が切れる症状:口角炎の原因と対策. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.kawabeshika.com/post/angular
  32. Cleveland Clinic. Angular Cheilitis: What it is, Symptoms, Causes & Treatments. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/21470-angular-cheilitis
  33. American Osteopathic College of Dermatology. Angular Cheilitis. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.aocd.org/page/angularcheilitis
  34. 田辺三菱製薬. 『口角炎・口唇炎』の症状、原因、治療・予防法. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://hc.mt-pharma.co.jp/hifunokoto/solution/1863
  35. 厚生労働省. (2)水溶性ビタミン ①ビタミン B1. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000067134.pdf
  36. Jミルク. 日本人の栄養問題の変遷と 今、直面する”栄養障害の二重負荷”. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.j-milk.jp/report/study/h4ogb400000011hw-att/h4ogb400000011k9.pdf
  37. 徳島県医師会. 口角炎. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.tokushima.med.or.jp/kenmin/doctorcolumn/hc/1642-2018-04-09-00-33-18
  38. Tsuruta D, et al. Zinc Deficiency with Cheilitis: A Report of Five Cases. Med J Tokai Univ. 2022;47(4):307-311. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: http://mj-med-u-tokai.com/pdf/470409.pdf
  39. ツムラ. 唇に現れる不調は、カラダの不調のサイン!. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.tsumura.co.jp/kampo-view/column/kvnews/5288.html
  40. Orion, et al. オーソモレキュラー栄養医学研究所. ビタミンB群. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.orthomolecular.jp/nutrition/vitamin_b/
  41. Lankarani KB, et al. Oral Manifestations in Inflammatory Bowel Disease: A Review. [インターネット]. PMC; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3870502/
  42. A. Lugović-Mihić M, et al. DIFFERENTIAL DIAGNOSIS OF CHEILITIS – HOW TO CLASSIFY CHEILITIS?. [インターネット]. PMC; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6531998/
  43. 病気スコープ. 口角炎(カラスのお灸)とは?症状・原因・治療・病院の診療科目. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://fdoc.jp/byouki-scope/disease/angularcheilitis/
  44. ふかさわ歯科クリニック篠崎. 口角炎・口唇炎とは?原因・症状・治療・予防まで徹底解説!. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://2525.biz/medical/dental-surgery/angular_cheilitis/
  45. こばとも皮膚科. 口唇ヘルペス. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://oogaki.or.jp/hifuka/infection/herpes-labialis/
  46. DermNet. Hand, Foot, and Mouth disease (HFMD): Enteroviral vesicular stomatitis. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://dermnetnz.org/topics/hand-foot-and-mouth-disease
  47. 新宿駅前クリニック. ヘルペスウイルスとは?症状・治療・予防をわかりやすく解説. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://shinjuku-reiwa.com/2025/03/18/hsv/
  48. 日本性感染症学会. 性器ヘルペス. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://jssti.jp/pdf/guideline2008/02-4.pdf
  49. MSDマニュアル. 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/16-%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87/%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%9A%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87/%E5%8D%98%E7%B4%94%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%9A%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9-hsv-%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87
  50. Depledge DP, et al. Local Immune Control of Latent Herpes Simplex Virus Type 1 in Ganglia of Mice and Man. [インターネット]. Frontiers in Immunology; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.frontiersin.org/journals/immunology/articles/10.3389/fimmu.2021.723809/full
  51. Theil D, et al. Latent Herpesvirus Infection in Human Trigeminal Ganglia Causes Chronic Immune Response. [インターネット]. PMC; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC1892378/
  52. Verjans GM, et al. Selective retention of herpes simplex virus-specific T cells in latently infected human trigeminal ganglia. [インターネット]. PMC; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC1805572/
  53. American Academy of Ophthalmology. Herpes Simplex Keratitis – Asia Pacific. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.aao.org/education/topic-detail/herpes-simplex-keratitis–asia-pacific
  54. カワイ皮膚科. ヘルペスと帯状疱疹の違いは?それぞれの原因や症状・治療方法・予防方法などを解説. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://kawai-hifuka.jp/doctor_blog/herpes-shingles-difference
  55. 0th CLINIC. 【皮膚科医師監修】傷跡を残さないヘルペス治療. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://0thclinic.com/column/2178
  56. Metropolis Japan. Japan Drugstore Guide: The Best Cold Sore Creams in Japan. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://metropolisjapan.com/best-cold-sore-creams-in-japan/
  57. 旭化成ファーマ. Maruho and Asahi Kasei Pharma Announce First Approval in Japan of an Additional Dosage and Administration for Anti-herpes Virus Agent “Famvir® Tab 250 mg” for the Treatment of Recurrent Herpes Simplex. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.asahi-kasei.com/news/2018/e190221.html
  58. ちゃのき皮膚科クリニック. くちびるの荒れ(口唇炎). [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://chanokihifuka.jp/blog/%E3%81%8F%E3%81%A1%E3%81%B3%E3%82%8B%E3%81%AE%E8%8D%92%E3%82%8C%EF%BC%88%E5%8F%A3%E5%94%87%E7%82%8E%EF%BC%89
  59. Al-Snafi AE. Cheilitis – StatPearls. [インターネット]. NCBI Bookshelf; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK470592/
  60. Lim SW, et al. Cheilitis: Analysis of 75 Cases Referred to a Contact Dermatitis Clinic. [インターネット]. ResearchGate; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.researchgate.net/publication/12707652_Cheilitis_Analysis_of_75_Cases_Referred_to_a_Contact_Dermatitis_Clinic
  61. 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会雑誌. 11 巻, 2 号. [インターネット]. J-Stage; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jedca/11/2/_contents/-char/ja
  62. Medicina Oral. Results PubMed (“Pigmented contact cheilitis” OR “Allergic”). [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: http://www.medicinaoral.com/medoralfree01/aop/26484_supplements.pdf
  63. せのおPC. アトピー性皮膚炎の治療. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: http://senoopc.jp/al/atopicdermatitis.html
  64. 日本アトピー協会. 11-12月号. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.nihonatopy.join-us.jp/now/atopynow_2015_11_12.pdf
  65. 厚生労働科学研究費補助金. アトピー性皮膚炎の予防・治療法の開発及び確立に関する研究. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/20043
  66. KAKEN. Mutation analysis of filaggrin gene in Japanese patients with atopic dermatitis. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://kaken.nii.ac.jp/en/grant/KAKENHI-PROJECT-19591324/
  67. Delli K, et al. Oral Manifestations of Systemic Lupus Erythematosus: A Systematic Review. [インターネット]. PMC; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9565705/
  68. 医書.jp. ヒドロキシクロロキン硫酸塩の内服中に口唇色素沈着を生じた全身性エリテマトーデスの1例. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18888/hi.0000002306
  69. 日本皮膚科学会. 専門医研修カリキュラム. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/news/info20180316_02.pdf
  70. 難病情報センター. シェーグレン症候群(指定難病53). [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.nanbyou.or.jp/entry/267
  71. 順天堂医院. 膠原病・リウマチ内科|シェーグレン症候群. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/collagen/concerned/disease/disease02.html
  72. Al-Maweri SA, et al. Oral lesions in Sjögren’s syndrome: A systematic review. [インターネット]. PMC; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6051685/
  73. Lankarani KB, et al. Oral manifestation in inflammatory bowel disease: a review. [インターネット]. PMC; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3870502/
  74. Mays JW, et al. Oral pathology in inflammatory bowel disease. [インターネット]. PMC; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4932203/
  75. 日本皮膚科学会. 接触皮膚炎診療ガイドライン 2020. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/130_523contact_dermatitis2020.pdf
  76. 浅草橋西口クリニックMo. 接触皮膚炎(かぶれ). [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://asakusabashi-mo.jp/dermatology/contact-dermatitis
  77. 再生医療推進機構. シェーグレン症候群と芸能人について. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://neurotech.jp/medical-information/about-sjogrens-syndrome-and-celebrities/
  78. American Dental Association. Sjögren Disease. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.ada.org/resources/ada-library/oral-health-topics/sjogren-disease
  79. 大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫内科学. シェーグレン症候群. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: http://www.imed3.med.osaka-u.ac.jp/disease/d-immu04-5.html
  80. 東大病院アレルギーリウマチ内科. シェーグレン症候群. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://ryumachi.umin.jp/clinical_case/Sjogren.html
  81. PMDA. 重篤副作用疾患別対応マニュアル(医療関係者向け). [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/adr-info/manuals-for-hc-pro/0001.html
  82. Yagi T, et al. Oral adverse events due to zinc deficiency after pancreaticoduodenectomy requiring continuous intravenous zinc supplementation: a case report and literature review. [インターネット]. PMC; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8895859/
  83. Tsuruta D, et al. Zinc Deficiency with Cheilitis: A Report of Five Cases. [インターネット]. ResearchGate; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.researchgate.net/publication/366442333_Zinc_Deficiency_with_Cheilitis_A_Report_of_Five_Cases
  84. 東洋経済オンライン. 堀ちえみさんが患う「口腔がん」はどんな病気か 早期発見しにくく日本では毎年7000人が罹患. [インターネット]. [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://toyokeizai.net/articles/-/266713?display=b
  85. Lage D, et al. Actinic Cheilitis — From Risk Factors to Therapy. [インターネット]. Frontiers; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://www.frontiersin.org/journals/medicine/articles/10.3389/fmed.2022.805425/full
  86. Pitta M, et al. Oral manifestations of inflammatory bowel disease: a review based on the observation of six cases. [インターネット]. PubMed; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19552719/
  87. Min MS, et al. Severely Crusted Cheilitis as an Initial Presentation of Systemic Lupus Erythematosus. [インターネット]. PMC; [引用日: 2025年6月18日]. 以下より入手可能: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5527738/
この記事はお役に立ちましたか?
はいいいえ