この記事の科学的根拠
この記事は、入力された研究報告書で明示的に引用されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。以下のリストには、実際に参照された情報源と、提示された医学的ガイダンスへの直接的な関連性が含まれています。
要点まとめ
- 前立腺肥大症は癌ではなく良性の変化ですが、放置すると生活の質を著しく低下させ、急性尿閉や腎機能障害などの重篤な合併症を引き起こす危険性があります。
- 治療の最大の目的は症状の改善による生活の質(QOL)の向上であり、治療方針は医師と患者が相談して決める「共有意思決定」が現代医療の基本です。
- 治療法は経過観察や薬物療法に加え、性機能の温存が期待できる新しい低侵襲手術(ウロリフトやレジューム)も保険適用となり、個々の状態や希望に応じた多様な選択が可能です。
- 症状の自己評価には国際前立腺症状スコア(IPSS)が有用であり、中等症以上、または軽症でも生活に支障があれば専門医への相談が推奨されます。
第1章:前立腺肥大症とは? – がんとは違う「良性」のコブ
1-1. 前立腺の役割と場所
まず、前立腺そのものについて理解することから始めましょう。前立腺は男性だけにある臓器で、膀胱の真下に位置し、尿道を取り囲むように存在しています5。大きさは健康な成人男性でクルミ大ほど(約20mL)6。主な役割は、精液の一部となる「前立腺液」を分泌し、精子を保護しその運動を助けることです6。このように、生殖機能に重要な役割を担う一方で、尿の通り道である尿道に隣接していることが、後に述べる排尿症状の直接的な原因となります。
1-2. 前立腺肥大症の正体:何が、どこで大きくなるのか?
前立腺肥大症(Benign Prostatic Hyperplasia, BPH)とは、その名の通り、前立腺が「良性(Benign)」に「肥大(Hyperplasia=細胞数が増えることによる組織の増大)」する状態を指します3。これはがん細胞の無秩序な増殖とは全く異なる、加齢に伴う生理的な変化の一環と考えられています。ここで極めて重要なのは、前立腺の「どこが」大きくなるかという点です。前立腺は、尿道を取り囲む中心部の「内腺(移行域)」と、その外側を覆う「外腺(辺縁域)」に分けられます。前立腺肥大症で大きくなるのは、主にこの内腺です17。内腺が肥大することで、内側を通る尿道が圧迫され、尿の通り道が狭くなるのです。この解剖学的な特徴が、前立腺がんとの大きな違いにつながります。
1-3. 【重要】前立腺肥大症と前立腺がんの違い
多くの人が最も心配するのが、前立腺肥大症と前立腺がんの関係性です。結論から言うと、前立腺肥大症が直接がん化することはありません5。これらは発生する場所も性質も異なる、全く別の病気です。ただし、同じ前立腺という臓器に、両者が同時に存在(合併)することはあり得ます18。そのため、排尿症状で受診した際に、がんの可能性も念頭に置いた検査(PSA検査など)が行われるのです。両者の違いを明確に理解するために、以下の比較表をご覧ください。この違いを知ることは、いたずらに不安がることを避け、冷静にご自身の状態を把握するための第一歩です。
項目 | 前立腺肥大症 (BPH) | 前立腺がん (Prostate Cancer) |
---|---|---|
発生部位 | 主に内腺(移行域)17 | 主に外腺(辺縁域)17 |
性質 | 良性腫瘍17 | 悪性腫瘍17 |
転移 | なし17 | 骨やリンパ節などに転移する可能性あり17 |
主な症状 | 初期から排尿障害(尿が出にくい、頻尿など)が出やすい1 | 初期は無症状のことが多く、進行すると排尿障害や骨の痛みなどが出現17 |
PSA値 | 正常~軽度上昇することがある16 | 高値になることが多い(ただし、早期では正常範囲のこともある)16 |
進行 | 生命予後は良好17 | 進行度や悪性度により様々17 |
このように、症状の出方や発生場所に明確な傾向の違いがあります。排尿の悩みがあるからといって、すぐにがんと結びつけて考える必要はありません。しかし、正確な診断のためには専門医による診察が不可欠です。
1-4. どれくらいの人がなる? – 日本と世界の統計データ
前立腺肥大症は、加齢とともに非常に多くの男性が経験する疾患です。その有病率は驚くほど高く、決して特別な病気ではありません。
- 年齢との関係: 51歳から60歳の男性の約50%、60歳から69歳では70%、そして70歳を超えると80%から90%の男性に前立腺肥大の組織学的変化が見られると報告されています4。まさに「男性の宿命」とも言える変化です。
- 世界の状況: 2019年の時点で、世界には9400万人の前立腺肥大症患者がいると推定されており、これは2000年の5110万人から70.5%も増加しています21。この急増の背景には、がんなどの他の疾患による死亡率が低下し、世界的に平均寿命が延びたことで、加齢と密接に関連するBPHを患う人が絶対数として増えているという事実があります。
- 日本の状況: 日本も例外ではありません。超高齢社会を迎えた日本では、前立腺肥大症の患者数は増加の一途をたどっており、2020年の厚生労働省の調査では約108万人と推計されています2。日本泌尿器科学会のガイドラインでも、65歳以上の人口が全体の25%を超える日本において、本疾患の重要性がますます高まっていると指摘されています8。
このデータが示すのは、前立腺肥大症は「病気」であると同時に、多くの男性が経験する「加齢現象」の一面も持つということです。この普遍的な状態と、いかにうまく付き合っていくかが、健康で快適な生活を送る上での鍵となります。
第2章:「前立腺肥大は危険か?」という問いへの答え – 放置が招く5つのリスク
記事の核心である「前立腺肥大は危険か?」という問いに、ここでお答えします。結論を先に述べると、「直接的に命を脅かすことは稀ですが、放置することで生活の質(QOL)を著しく損ない、重大な健康被害を引き起こす危険性がある病気」です。その具体的なリスクを理解するために、まずはご自身の症状の程度を客観的に把握することから始めましょう。
2-1. まずは症状を知る:国際前立腺症状スコア(IPSS)でセルフチェック
泌尿器科では、症状の重症度を評価するために「国際前立腺症状スコア(International Prostate Symptom Score: IPSS)」という世界共通の質問票を用います9。以下の7つの質問に答え、合計点を算出してみてください。これは、ご自身の状態を客観的に把握し、医師に症状を伝える上で非常に役立つツールです23。
【国際前立腺症状スコア(IPSS)】
この1ヶ月間、次のようなことがどれくらいの頻度でありましたか?
質問 | 全くない (0点) | 5回に1回未満 (1点) | 半分未満 (2点) | 約半分 (3点) | 半分より多い (4点) | ほとんどいつも (5点) |
---|---|---|---|---|---|---|
1. 排尿後、尿が残っている感じがありましたか?(残尿感) | ||||||
2. 排尿後、2時間以内にもう一度トイレに行きたくなりましたか?(頻尿) | ||||||
3. 排尿中に尿が途切れることがありましたか?(尿線途絶) | ||||||
4. 尿意を感じたとき、我慢するのが難しいことがありましたか?(尿意切迫感) | ||||||
5. 尿の勢いが弱いと感じることがありましたか?(尿勢低下) | ||||||
6. 排尿を開始するためにお腹に力を入れる必要がありましたか?(腹圧排尿) |
質問 | 0回 (0点) | 1回 (1点) | 2回 (2点) | 3回 (3点) | 4回 (4点) | 5回以上 (5点) |
---|---|---|---|---|---|---|
7. 夜、就寝してから朝起きるまでに、何回排尿のために起きましたか? |
【症状の重症度判定】23
- 0~7点:軽症
- 8~19点:中等症
- 20~35点:重症
中等症以上の方、あるいは軽症でも生活に支障を感じている方は、泌尿器科の受診を強くお勧めします。
2-2. 危険性①:突然おしっこが出なくなる「急性尿閉」
放置した場合の最も劇的で苦痛な合併症が「急性尿閉」です1。これは、膀胱が尿でパンパンに張っているにもかかわらず、尿道が完全に塞がれて一滴も尿が出せなくなる状態です。下腹部に激しい痛みを伴い、救急受診が必要となります。処置としては、尿道からカテーテルという細い管を挿入して、強制的に尿を排出させます24。急性尿閉は、飲酒、風邪薬(特に抗ヒスタミン薬や交感神経刺激薬を含む総合感冒薬)の服用、体が冷えることなどが引き金となりやすいことが知られています14。
2-3. 危険性②:腎臓にダメージが及ぶ「腎機能障害」
これは最も深刻な危険性の一つです。前立腺肥大によって常に尿の出が悪い状態が続くと、膀胱は尿を出し切ることができず、常に一定量の尿が残る「慢性的な残尿」状態になります。この状態が長期化すると、膀胱内の圧力が高まり、その圧力が尿管を通じて腎臓にまで逆流します。このバックプレッシャーにより、腎臓が損傷を受け、最終的には腎機能障害や腎不全に至る可能性があります1。この状態は「水腎症」とも呼ばれ、重症の場合には透析が必要になることもあり、生命に関わる危険性と言えます。これは、症状が重い場合に手術が強く推奨される大きな理由の一つです11。
2-4. 危険性③:繰り返す「尿路感染症」と「膀胱結石」
膀胱内に常に尿が残っている(残尿)と、そのよどんだ尿の中で細菌が繁殖しやすくなります。これにより、膀胱炎などの尿路感染症を繰り返し起こすことがあります5。発熱や排尿時痛を伴い、場合によっては腎臓にまで感染が及ぶ「腎盂腎炎」という重篤な状態になることもあります。また、残尿中の尿の成分が結晶化し、膀胱の中で石(膀胱結石)が作られることもあります5。結石ができると、血尿や排尿時痛の原因となったり、感染の温床になったりします。尿路感染症や膀胱結石を繰り返す場合も、手術を検討する強い理由となります。
2-5. 危険性④:生活の質(QOL)の著しい低下
ここまでに挙げた合併症は比較的重度な場合ですが、前立腺肥大症がもたらす最も一般的かつ切実な「危険」は、生活の質(Quality of Life, QOL)の低下です1。
- 夜間頻尿による睡眠不足: 夜中に何度もトイレに起きることで熟睡できず、日中の眠気や倦怠感、集中力の低下につながります。
- 外出への不安: トイレが近いことや、急な尿意(尿意切迫感)を心配するあまり、長時間の外出や旅行、乗り物での移動をためらうようになります。
- 仕事や趣味への影響: 会議中や仕事に集中している時にトイレが気になったり、趣味の活動(ゴルフ、映画鑑賞など)を心から楽しめなくなったりします。
- 精神的なストレス: 常に排尿のことを気にしなければならない生活は、大きな精神的負担となり、気分が落ち込んだり、不安になったりすることもあります。
IPSSの8番目の質問「今の排尿状態を抱えたまま暮らしていくとしたら、あなたはどう思いますか?」は、まさにこのQOLを問うものです9。このスコアが高いほど、症状が生活に与える影響が大きいことを意味します。
2-6. まとめ:前立腺肥大症は「命に関わることは稀だが、生活を脅かす危険性のある」病気
ここまでをまとめると、「前立腺肥大は危険か?」という問いへの答えは明確です。前立腺がんのように直接命を奪う病気ではありません。しかし、放置すれば急性尿閉や腎機能障害といった身体的な危険を招く可能性があり、それ以上に、日々の快適な生活、安らかな睡眠、社会活動への参加といった、人間らしい暮らしそのものを脅かす「生活の質に対する危険性」をはらんだ病気なのです。この危険性を正しく理解し、適切なタイミングで専門家と相談することが、健康長寿の鍵となります。
第3章:診断までの道のり – 泌尿器科では何をするのか?
「泌尿器科に行くのは少し恥ずかしい」「どんな検査をされるのか不安だ」と感じる方もいるかもしれません。しかし、前立腺肥大症の診断プロセスは体系化されており、いたずらに侵襲的な検査を行うわけではありません。ここでは、泌尿器科を受診してから診断が確定するまでの一般的な流れを解説し、その不安を解消します。診断のプロセスは、いわば「漏斗(じょうご)」のようなものです。最初は広く情報を集め、必要に応じて徐々に専門的な検査へと絞り込んでいきます。これは、患者さんの負担を最小限に抑えつつ、正確な診断を下すための合理的なアプローチです。
3-1. 最初のステップ:問診と診察
全ての診断は、患者さんの話を聞くことから始まります。
- 問診 (Medical History): どのような症状で、いつから困っているのか、その症状が生活にどれくらい影響しているかなどを詳しく聞きます。ここで前述のIPSSが活躍します9。また、既往歴や服用中の薬(特に風邪薬やアレルギーの薬は症状を悪化させることがあるため重要です)についても確認します10。
- 身体所見(直腸診) (Digital Rectal Exam – DRE): 医師が肛門から指を入れ、直腸越しに前立腺を触診します6。これにより、前立腺のおおよその大きさ、硬さ、表面の滑らかさを確認します。前立腺肥大症では弾力のある硬さですが、もし石のように硬いしこり(結節)を触れる場合は、前立腺がんの可能性を疑い、さらに詳しい検査が必要になります。
3-2. 基本的な検査
問診と診察に続いて、体の負担が少ない基本的な検査を行います。
- 尿検査 (Urinalysis): 尿中の血液(血尿)、白血球(膿尿)、細菌の有無を調べます9。尿路感染症や結石、がんなど、他の病気の可能性を選別する重要な検査です。
- PSA検査 (Prostate-Specific Antigen Test): 前立腺特異抗原(PSA)という、前立腺で作られる蛋白質の血中濃度を測定する血液検査です。これは「前立腺がんの腫瘍マーカー」として知られていますが、PSA値が高いからといって、がんであるとは限りません16。PSA値は、前立腺肥大症、前立腺の炎症、射精や直腸診などの物理的な刺激でも上昇します16。しかし、がんの可能性を選別する上で非常に有用な指標です。また、後述する薬物療法(5α還元酵素阻害薬)の効果予測や、治療方針の決定にも役立ちます。この薬を服用するとPSA値が約50%低下するため、治療開始前の値を把握しておくことが極めて重要です11。
3-3. 専門的な検査(選択評価)
基本的な検査の結果、さらに詳しい情報が必要と判断された場合や、治療方針を決定するために、以下のような専門的な検査が行われます。
- 超音波(エコー)検査 (Ultrasound): お腹の上から、あるいは肛門から専用の器具を挿入して超音波を当て、前立腺の正確な大きさ(体積)を測定します6。前立腺の体積は、薬物療法(5α還元酵素阻害薬は30-40mL以上が目安)や手術方法を選択する上で重要な情報となります11。
- 尿流測定 (Uroflowmetry): 専用の測定機器付きトイレに排尿し、尿の勢い(1秒間に出る尿量、最大尿流量:Qmax)や排尿にかかる時間などを測定します9。Qmaxが低い場合、前立腺による尿道の閉塞が強く疑われます。
- 残尿測定 (Post-void Residual – PVR): 排尿直後に、超音波検査でお腹の上から膀胱にどれくらいの尿が残っているかを測定します9。残尿量が多いことは、膀胱の排出機能が低下していることを示し、合併症の危険性評価にもつながります。
3-4. 手術を検討する際の追加検査
薬物療法で効果が得られない場合や、症状が重く手術を検討する段階では、さらに詳細な検査が必要になることがあります。
- 膀胱鏡検査 (Cystoscopy): 尿道から細い内視鏡(カメラ)を挿入し、尿道や前立腺、膀胱の内部を直接観察します19。前立腺による圧迫の程度や、膀胱結石、膀胱がんなどの有無を視覚的に確認できます。
- ウロダイナミクス検査(内圧尿流検査) (Urodynamic and Pressure Flow Studies): 尿道からカテーテルを挿入し、膀胱に生理食塩水を注入しながら膀胱内の圧力を測定する検査です19。これにより、排尿困難の原因が「前立腺による物理的な閉塞」なのか、それとも「膀胱の収縮力の低下(排尿筋低活動)」なのかを正確に鑑別できます。手術の適応を厳密に判断するために行われることがあります。
これらの検査は、全ての患者さんに行われるわけではありません。医師はガイドラインに基づき、個々の患者さんの状態に合わせて、診断と治療に必要な情報を得るために最適な検査を段階的に選択します。
第4章:治療法の全体像と選択 – あなたに最適な治療法を見つけるために
診断が確定したら、次は治療方針の決定です。現代の前立腺肥大症治療は、かつての「医師が一方的に決める」形式から、「患者さんと医師が共に考える」形式へと大きく変化しています。ここでは、その基本的な考え方と、治療選択肢の全体像を解説します。
4-1. 治療の目標は「QOLの改善」
前立腺肥大症治療の最大の目的は、「症状による苦痛を取り除き、生活の質(QOL)を改善・維持すること」です12。第2章で述べたような重篤な合併症(腎機能障害など)がある場合はその治療が最優先されますが、多くの患者さんにとっては、夜ぐっすり眠れること、外出を不安なく楽しめること、仕事や趣味に集中できること、といった日常を取り戻すことが目標となります。この考え方は非常に重要です。なぜなら、前立腺の大きさが同じでも、症状の感じ方や生活への影響は人それぞれだからです。例えば、IPSSスコアが同じ15点(中等症)でも、「このくらいならまだ大丈夫」と感じる人もいれば、「夜2回起きるのが辛くてたまらない」と感じる人もいます。治療は、客観的な検査データだけでなく、患者さん自身の「困りごと」を解決するために行われるのです。
4-2. 治療方針を決める3つの柱
最適な治療法は、画一的に決まるものではありません。国際的なガイドラインが推奨しているのは、「共有意思決定(Shared Decision-Making)」という取り組みです10。これは、医師と患者が対等な協力者として情報を共有し、対話を重ねながら、その人にとって最善の治療法を一緒に見つけていく過程です。この決定は、主に以下の3つの柱に基づいて行われます。
- 客観的なデータ(医学的評価): IPSSスコア、前立腺の体積、尿の勢い(Qmax)、残尿量など、第3章で解説した検査結果。
- 患者さんの希望や価値観 (Patient Preferences):
- 治療に何を期待するか(症状の完全な解消か、ある程度の改善か)
- 副作用への懸念(特に性機能への影響を避けたいか)
- 手術への抵抗感や希望
- 通院の頻度や、毎日の服薬に対する考え方
- 費用に関する懸念
- 医師の専門的推奨 (Physician’s Recommendation): 最新の診療ガイドラインや医学的根拠、そして個々の患者さんの状態(年齢、合併症の有無など)を踏まえた専門家としての意見。
これら3つを総合的に勘案し、最終的な治療方針が決定されます。
4-3. 治療の選択肢フローチャート
前立腺肥大症の治療は、症状の重症度に応じて段階的に進められるのが一般的です。その大まかな流れを、診療ガイドラインに沿ったフローチャートで示します24。ご自身がどの段階に当てはまるのか、想像を掴んでみてください。
【前立腺肥大症 治療選択フローチャート】
このフローチャートが示すように、治療には複数の選択肢があり、一つの方法がうまくいかなくても次の段階が用意されています。この患者中心の取り組みこそが、現代のBPH治療の根幹をなす考え方です。次の章では、それぞれの治療法について、さらに詳しく解説していきます。
第5章:治療法【詳細解説】 – 経過観察から最新手術まで
ここでは、フローチャートで示した各治療法の内容を、一つひとつ具体的に掘り下げていきます。それぞれの利点・欠点を理解し、ご自身に合った選択肢を考えるための参考にしてください。
5-1. 段階1:経過観察と行動療法(自己管理)
症状が軽症で、日常生活に大きな支障がない場合は、すぐに薬や手術による治療を開始するのではなく、定期的に状態を確認しながら様子を見る「経過観察」が第一選択となります24。これと並行して、日常生活の工夫で症状を和らげる「行動療法」を実践します。これだけで症状が改善することも少なくありません。
- 飲水管理: 就寝前や長時間の外出前は水分摂取を控える。特に、利尿作用のあるアルコールやカフェインの摂取を夕方以降は避ける14。
- 排尿習慣の見直し: 尿意を感じたら我慢しすぎず、早めにトイレに行く。また、時間を決めてトイレに行く「計画排尿」や、排尿後にもう一度いきんで残尿を出し切る「二段排尿」も有効です5。
- 生活習慣の改善: 適度な運動や、体を冷やさない工夫は症状の緩和に役立ちます。また、肥満は前立腺肥大症の危険因子であるため、体重管理も重要です4。便秘は腹圧を高め排尿を妨げるため、食物繊維を多く摂るなどして便通を整えましょう10。
- 薬への注意: 市販の風邪薬やアレルギー薬に含まれる一部の成分(抗ヒスタミン薬、交感神経刺激薬)は、膀胱の収縮を抑えたり、尿道を締め付けたりして、症状を悪化させることがあります。服用する際は医師や薬剤師に相談してください14。
5-2. 段階2:薬物療法
行動療法だけでは症状が改善しない中等症以上の患者さんには、薬物療法が主体となります。薬にはいくつかの種類があり、作用や目的が異なります。患者さんの症状(尿が出にくい「排尿症状」が主か、トイレが近い「蓄尿症状」が主か)や前立腺の大きさに応じて、単独または組み合わせて使用されます。
薬剤の種類 | 作用機序 | 主な効果 | 対象となる症状 | 主な副作用 | 主な薬剤名(商品名) |
---|---|---|---|---|---|
α1遮断薬 | 前立腺と膀胱頸部の平滑筋を弛緩させる | 尿道の圧迫を緩め、尿の勢いを改善する(即効性あり) | 排尿症状(尿勢低下、腹圧排尿など) | めまい、立ちくらみ(血圧低下)、射精障害(逆行性射精) | タムスロシン(ハルナール)、シロドシン(ユリーフ)、ナフトピジル(フリバス)など9 |
5α還元酵素阻害薬 | 男性ホルモン(DHT)の産生を抑制し、前立腺を縮小させる | 肥大した前立腺そのものを小さくし、症状の進行や尿閉リスクを抑制する(効果発現に数ヶ月要す) | 大きな前立腺(30-40mL以上)による物理的閉塞 | 性欲減退、勃起障害(ED)、射精障害(精液量減少)、PSA値が約半分に低下 | デュタステリド(アボルブ)、フィナステリド(プロペシアは適応外)9 |
PDE5阻害薬 | 前立腺・膀胱・尿道の平滑筋を弛緩させ、血流を改善する | 排尿症状と蓄尿症状の両方を改善する | 排尿症状、蓄尿症状、ED合併例 | 頭痛、ほてり、消化不良 | タダラフィル(ザルティア)9 |
β3作動薬 | 膀胱の筋肉(排尿筋)を弛緩させ、膀胱の容量を増やす | 膀胱の過敏な収縮を抑え、尿をためやすくする | 蓄尿症状(頻尿、尿意切迫感) | 副作用は少ないが、血圧上昇の可能性 | ミラベグロン(ベタニス)、ビベグロン(ベオーバ)9 |
抗コリン薬 | 膀胱の異常な収縮を指令する神経伝達を遮断する | 膀胱の過剰な活動を抑え、尿意切迫感を改善する | 蓄尿症状(頻尿、尿意切迫感) | 口の渇き、便秘、認知機能への影響(特に高齢者で注意) | ソリフェナシン(ベシケア)、イミダフェナシン(ウリトス)など9 |
【漢方薬やサプリメントについて】
八味地黄丸(はちみじおうがん)や牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)といった漢方薬が処方されることもあります9。一方で、サプリメントとして市販されている「ノコギリヤシ(Saw Palmetto)」は、かつて効果が期待されていましたが、信頼性の高い大規模な臨床試験(医学雑誌『The New England Journal of Medicine』に掲載)では、偽薬と比較して有効性に差がないという結果が示されています36。健康食品やサプリメントを利用する際は、過度な期待はせず、必ず主治医に相談することが重要です3。
5-3. 段階3:手術療法
薬物療法で十分な効果が得られない場合や、尿閉、腎機能障害、繰り返す感染・結石といった合併症がある場合には、手術が検討されます11。近年、手術技術は目覚ましく進歩しており、患者さんの体への負担が少なく、入院期間も短い、多様な選択肢が登場しています。特に2022年に日本で保険適用となった新しい低侵襲治療は、従来の治療の常識を大きく変える可能性を秘めています。
手術法 | 手技の概要 | 対象となる前立腺サイズ | 入院期間の目安 | 出血 | 性機能への影響(射精障害) | 保険適用 | 費用目安(3割負担) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
TURP (経尿道的前立腺切除術) | 尿道から内視鏡を入れ、電気メスで肥大した組織を削り取る。従来からの標準手術。 | 30~80g程度 | 約1週間 | 中程度 | 高頻度で発生 | あり | 約18万円15 |
HoLEP (ホルミウムレーザー核出術) | レーザーで肥大した内腺を核(かたまり)としてくり抜き、膀胱内で細かく砕いて吸引。現在の主流の一つ。 | 大きさ問わず(巨大なものも可) | 約5日間 | 少ない | 高頻度で発生 | あり | 約18~20万円15 |
PUL (ウロリフト) (経尿道的前立腺吊上術) | 尿道から留置具を留置し、肥大した組織を物理的に持ち上げて尿道を広げる。新しい低侵襲治療。 | 30~80g(中葉肥大がない) | 日帰り~2日 | 非常に少ない | 温存される | あり(2022年4月~) | 約18万円前後15 |
WVTT (レジューム) (経尿道的水蒸気治療) | 尿道から針を刺し、103℃の水蒸気で肥大した組織を加熱・壊死させて縮小させる。新しい低侵襲治療。 | 30~80g | 日帰り~短期入院 | 非常に少ない | 温存される | あり(2022年9月~) | 約15万円43 |
【新しい低侵襲治療(PUL, WVTT)の登場が意味するもの】
PUL(ウロリフト)とWVTT(レジューム)の登場は、前立腺肥大症治療における大きな転換点です。これまでの治療は、「薬物療法」か「TURP/HoLEPのような根治的な手術」かの二者択一に近い側面がありました。しかし、これらの新しい治療法は、その中間に位置する「低侵襲で、性機能を温存できる」という、新たな選択肢を提供します40。TURPやHoLEPは、排尿症状の改善効果が非常に高い一方で、精液が膀胱に逆流する「逆行性射精」という射精障害がほぼ必発でした33。性生活を維持したいと考える患者さんにとっては、これが手術をためらう大きな理由となっていました。PULとWVTTは、この問題を解決しうる画期的な治療法であり、薬では物足りないが、大きな手術には抵抗があるという多くの患者さんにとっての福音となる可能性があります。ただし、対象となる前立腺の大きさや形に制限があるため40、全ての患者さんに適応となるわけではありません。どの治療法が最適か、専門医と十分に相談することが重要です。
よくある質問
Q1. 治療費はどのくらいかかりますか?
Q2. 治療によって性機能(勃起や射精)に影響は出ますか?
A2. これは非常に重要な問題であり、治療法によって影響は異なります。
薬物療法: 5α還元酵素阻害薬(デュタステリドなど)は、一部の患者さんで性欲減退や勃起障害(ED)を引き起こす可能性があります27。α1遮断薬(シロドシンなど)は、逆行性射精の原因となることがあります。
手術療法: TURPやHoLEPでは、排尿症状は劇的に改善しますが、その構造上、高頻度で逆行性射精(オーガズムの感覚はあるが精液が出ない状態)が起こります33。一方、PUL(ウロリフト)やWVTT(レジューム)は、射精機能を温存することを大きな特長として開発された治療法です40。性機能の温存を強く希望される場合は、これらの新しい治療法が適応になるか、主治医とよく相談することが重要です。
Q3. 治療後に再発することはありますか?
Q4. メタボリックシンドロームと関係があると聞きましたが?
Q5. どのタイミングで病院に行くべきですか?
結論
本稿では、「前立腺肥大は危険か?」という問いを起点に、その正体から危険性、診断、そして最新の治療法に至るまでを包括的に解説してきました。重要な要点を改めて整理します。
- 前立腺肥大症はがんではありません。しかし、放置すれば急性尿閉や腎機能障害といった深刻な健康リスクを招き、それ以上に夜間頻尿や外出への不安など、日々の生活の質(QOL)を著しく損なう病気です。
- 治療の選択肢は、かつてないほど多様化しています。経過観察や薬物療法に加え、日本でも保険適用となったPUL(ウロリフト)やWVTT(レジューム)といった、性機能を温存できる新しい低侵襲手術が登場し、患者さん一人ひとりの希望やライフスタイルに合わせた、よりきめ細やかな治療計画を立てることが可能になりました。
- 最適な治療法は、ただ一つではありません。症状の程度、前立腺の状態、そして何よりも患者さんご自身の価値観や希望に基づいて、専門医と相談しながら決定する「共有意思決定」が、現代の治療の標準です。
おしっこの悩みは、繊細で他人に相談しにくい問題かもしれません。しかし、それを「年のせいだ」と諦め、一人で抱え込む必要は全くありません。泌尿器科の専門医に相談することは、失われた快適な日常と、将来の健康を守るための、最も確実で賢明な第一歩です。この記事が、その一歩を踏み出すための、信頼できる道しるべとなれば幸いです。
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