医学的監修:
岩﨑 雄樹 医師(日本医科大学大学院医学研究科 循環器内科学分野 准教授)34
この記事の科学的根拠
本記事は、明示的に引用された最高品質の医学的エビデンスのみに基づいています。以下は、参照された実際の情報源と、提示された医学的指導との直接的な関連性を含むリストです。
- 日本循環器学会 (JCS) / 日本不整脈心電学会 (JHRS): 本記事における植込み型除細動器(ICD)の適応、リードレスペースメーカー、刺激伝導系ペーシング、カテーテルアブレーションの新技術(PFA)、そして日本独自の脳梗塞リスクスコア「HELT-E2S2スコア」に関する記述は、同学会が2024年に発表した「不整脈治療に関するガイドライン フォーカスアップデート版」1に準拠しています。このガイドライン作成の班長は、本記事の監修者である岩﨑雄樹医師が務めています。
- 欧州心臓病学会 (ESC): 心房細動の管理に関する国際的な標準治療「AF-CARE」アプローチや、徐脈(毎分50回未満)の定義に関する記述は、同学会が2024年に発表した心房細動ガイドライン2および2021年のペーシングガイドライン5に基づいています。
- 米国心臓協会 (AHA): 上室性頻拍の急性期治療に関する推奨事項は、同学会が発表した診療ガイドライン6を参考にしています。
- 厚生労働省 (MHLW): 日本国内の生活習慣病(高血圧、糖尿病など)の有病率に関する統計データは、同省が実施した最新の「国民健康・栄養調査」7の結果を引用しており、心拍数異常のリスク因子を国内の状況に即して解説しています。
要点まとめ
- 心拍数の正常値は安静時で毎分50~100回が一般的ですが、個人差や状況により変動します。安静時心拍数が高いと、死亡リスクが上昇するという科学的データがあります8。
- 毎分100回を超える「頻脈」と、50回未満の「徐脈」は注意が必要なサインです。特に、失神や強い胸痛を伴う場合は命に関わる危険な不整脈の可能性があります。
- 頻脈の原因として最も多い「心房細動」は脳梗塞の強い危険因子であり、2024年の最新ガイドラインでは包括的な管理(AF-CARE)と、日本人向けのリスク評価(HELT-E2S2スコア)が推奨されています12。
- 治療法は飛躍的に進歩しており、カテーテルアブレーション(パルスフィールドアブレーションなど)や、小型化・高機能化したペースメーカー(リードレスペースメーカーなど)といった新しい選択肢が登場しています1。
- 動悸やめまいなどの症状を感じたら自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。スマートウォッチでの測定は、あくまで受診の「きっかけ」として有用です。
危険な心拍数を理解する:正常値と異常値のすべて
心拍数とは、心臓が1分間に拍動する回数のことです。よく似た言葉に「脈拍数」がありますが、これは動脈が心臓の拍動によって押し出された血液により拡張する回数を指します。健康な人では両者はほぼ一致しますが、一部の不整脈では心臓が空打ちして脈拍として触知できない場合があるため、厳密には異なります。この記事では主に「心拍数」として解説します。
安静時心拍数とは?健康のバロメーターとしての重要性
安静時心拍数とは、心身ともにリラックスした安静な状態で測定した心拍数のことです。これは、心臓の基本的な能力や自律神経のバランスを示す重要な健康指標となります。学会や検査の目的によって基準値は若干異なりますが、一般的には以下の範囲が目安とされています。
対象 | 基準・提唱機関 | 正常とされる心拍数(回/分) |
---|---|---|
成人一般 | 日本循環器学会/日本不整脈心電学会9 | 50~100 |
健康診断 | 日本人間ドック学会10 | 90以下 |
徐脈の定義 | 欧州心臓病学会 (ESC)5 | 50未満を徐脈と定義 |
頻脈の定義 | 日本循環器学会/日本不整脈心電学会11 | 100以上を頻脈と定義 |
このように、単に「正常・異常」と二分するのではなく、どのような状況で、どの基準に基づいているかを理解することが専門的な観点からは重要です。
【コラム】あなたの心拍数は寿命を左右する?科学が示す驚きの関連
安静時心拍数は、単なる健康指標にとどまらず、将来の生命予後とも深く関わっていることが、近年の研究で明らかになっています。2016年に発表された大規模なメタアナリシス(複数の研究を統合して分析した研究)によると、安静時心拍数が毎分10回増加するごとに、全死亡リスクが9%、心血管疾患による死亡リスクが8%上昇することが示されました8。さらに、2025年に発表された最新の研究では、特に若年層から中年層において、高血圧よりも高い安静時心拍数の方が、全死亡リスクを予測する上でより強力な因子である可能性が示唆されています12。これは、心拍数が高い状態が続くこと自体が、心臓に持続的な負担をかけ、血管の動脈硬化を促進する可能性があることを意味します。ご自身の安静時心拍数を把握し、それが高い傾向にある場合は、生活習慣を見直すきっかけとすることが賢明です。
頻脈(脈が速い状態):放置してはいけない危険なサイン
頻脈の定義:毎分100回以上が続く状態
頻脈とは、成人の安静時心拍数が毎分100回以上になる状態を指します11。運動や興奮、発熱などによって一時的に心拍数が上がるのは「洞性頻脈」と呼ばれる生理的な反応であり、通常は原因が解消されれば元に戻ります。しかし、心臓の電気系統の異常によって起こる病的な頻脈は、放置すると危険な状態に至る可能性があるため注意が必要です。
頻脈の種類と危険度
頻脈は、その発生源や心電図の波形によっていくつかの種類に分類され、危険度も大きく異なります。
- 洞性頻脈: ストレス、不安、発熱、脱水、貧血、甲状腺機能亢進症などが原因で起こる、最も一般的な頻脈です。多くの場合、原因となっている背景疾患の治療や生活習慣の改善で対応しますが、心不全の初期症状として現れることもあるため、持続する場合は精査が必要です13。
- 発作性上室性頻拍(PSVT): 突然、規則正しい動悸が始まり、突然止まるのが特徴です。心臓内の異常な電気回路が原因で起こります。命に直接関わることは稀ですが、頻繁に起こると生活の質を著しく損ないます。米国心臓協会(AHA)のガイドラインでは、応急処置として、息をこらえて強くきばる「バルサルバ法」などの迷走神経刺激手技が推奨されることがあります6。
- 心房細動(AF):脳梗塞リスクを伴う最も一般的な不整脈: 心房が不規則に細かく震え、脈が完全にバラバラになる不整脈です。高齢化に伴い患者数が急増しており、無症状の場合も少なくありません。最大の問題は、心房内にできた血栓(血の塊)が脳に飛んで、重篤な脳梗塞(心原性脳塞栓症)を引き起こすリスクが高いことです。
【2024年最新】心房細動管理の新常識「AF-CARE」アプローチ
2024年の欧州心臓病学会(ESC)ガイドラインでは、心房細動の包括的な管理アプローチとして「AF-CARE」が提唱されました2。これは、単に不整脈を抑えるだけでなく、患者全体の健康状態を改善し、予後を向上させることを目的としています。
C (Comorbidity management): 併存疾患(高血圧、糖尿病、肥満など)の管理
A (Anticoagulation for stroke prevention): 脳卒中予防のための抗凝固療法
R (Rate or Rhythm control): 心拍数調整または洞調律維持
E (Evaluation and follow-up): 定期的な評価と再評価あなたの脳梗塞リスクは?日本人に最適化された「HELT-E2S2スコア」
心房細動患者さんの脳梗塞リスクを評価するために、国際的には「CHA2DS2-VAScスコア」が広く用いられています。しかし、2024年の日本循環器学会/日本不整脈心電学会(JCS/JHRS)ガイドラインでは、日本人特有のリスク因子(低体重など)をより正確に反映した日本独自のスコア「HELT-E2S2スコア」の活用が新たに示されました1。このスコアは、心不全、高血圧、75歳以上、糖尿病、脳卒中/一過性脳虚血発作の既往、低体重(BMI 18.5未満)などの項目から構成され、医師が抗凝固薬の必要性を判断する際の重要な指標となります。
- 心室頻拍(VT)・心室細動(VF):命に直結する最も危険な不整脈: 心臓のポンプ機能の中心である心室から発生する非常に速い頻脈です。心室頻拍が続くと血圧が維持できなくなり、失神や意識消失を引き起こします。さらに、心室が痙攣するだけで全く血液を送り出せなくなる心室細動に移行すると、数分で死に至る可能性があります。これは突然死の最も大きな原因であり、一刻も早い電気的除細動(AEDなど)が必要です14。
徐脈(脈が遅い状態):めまいや失神は心臓のSOS
徐脈の定義:毎分50回未満が目安
徐脈とは、心拍数が異常に少なくなる状態で、欧州心臓病学会(ESC)のガイドラインでは毎分50回未満と定義されています5。ただし、日常的にトレーニングを積んでいるアスリートなどでは、心臓のポンプ機能が効率的であるため、安静時の心拍数が50回未満でも問題ない「スポーツ心臓」と呼ばれる生理的な状態である場合があります。重要なのは、心拍数が少ないことによって、めまい、ふらつき、極度の倦怠感、息切れ、失神といった症状が出現しているかどうかです。
徐脈の種類と症状
- 洞機能不全症候群(シックサイナス症候群): 心臓のペースメーカー役である「洞結節」の機能が低下し、脈が極端に遅くなったり、数秒間停止したりする状態です。めまいや倦怠感、失神の原因となります15。
- 房室ブロック: 心房から心室への電気信号の伝達が、途中で途切れたり遅れたりする状態です。伝達障害の程度によってI度からIII度(完全房室ブロック)まで分類され、重症度が高いほど、めまいや失神、心不全などの症状が出やすくなります。完全房室ブロックは突然死のリスクがあるため、ペースメーカー治療が必須となります16。
なぜ心拍数は異常になるのか?考えられる原因
心拍数異常は、心臓自体の問題だけでなく、様々な全身性の疾患や生活習慣が原因で引き起こされます。原因を特定することが、適切な治療への第一歩です17。
- 心疾患: 狭心症・心筋梗塞(虚血性心疾患)、心不全、心臓弁膜症、心筋症など、心臓の構造や機能に異常がある場合。
- 生活習慣病:
- その他の疾患: 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や甲状腺機能低下症、貧血、睡眠時無呼吸症候群など。
- 生活習慣: ストレス、過労、睡眠不足、喫煙。
- 嗜好品: カフェインの過剰摂取、アルコールの多飲。
- 薬剤の副作用: 一部の降圧薬、抗うつ薬、市販の風邪薬などが原因となることがあります。
心拍数異常の診断:医療機関で行われる精密検査
心拍数の異常が疑われた場合、循環器専門医は原因を特定するために以下のような検査を段階的に行います。日本循環器学会の「不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン」9でも、体系的な診断プロセスが推奨されています。
- 問診: 症状(動悸、めまい、失神など)の具体的な内容、始まった時期、持続時間、頻度、どのような状況で起こるか、既往歴、家族歴、服用中の薬などについて詳しく聴取します。
- 身体診察: 聴診で心雑音の有無などを確認します。
- 心電図(12誘導心電図): 不整脈診断の基本となる検査です。両手足と胸部に電極を装着し、心臓の電気的な活動を記録します。検査中の不整脈を捉えることができます。
- ホルター心電図(24時間心電図): 携帯可能な小型の心電計を装着し、24時間日常生活中の心電図を記録します。時々しか起こらない不整脈や、夜間の徐脈などを検出するのに非常に有用です。
- 心エコー(心臓超音波検査): 超音波を用いて、心臓の大きさ、壁の動き、弁の状態など、心臓の構造的な異常(弁膜症や心筋症など)がないかをリアルタイムで評価します。
- 血液検査: 貧血、甲状腺機能、電解質(カリウム、マグネシウムなど)の異常など、不整脈の原因となりうる全身性の疾患がないかを確認します。
【2024年ガイドライン準拠】心拍数異常の最新治療法
心拍数異常の治療は、ここ数年で目覚ましい進歩を遂げています。2024年に改訂された日本循環器学会/日本不整脈心電学会のガイドライン1では、より安全で効果的な新しい治療選択肢が示されています。
頻脈の治療法
- 薬物療法: 抗不整脈薬を用いて、異常な電気興奮を抑制し、心拍数をコントロールします。薬剤の選択は、不整脈の種類、患者さんの心機能や併存疾患などを考慮して慎重に行われます。基本的な考え方は、2020年版の「不整脈薬物治療ガイドライン」18に基づいています。
- カテーテルアブレーション(心筋焼灼術):
カテーテルアブレーションは、足の付け根などの太い血管からカテーテルと呼ばれる細い管を心臓まで挿入し、不整脈の原因となっている異常な電気回路を高周波電流などで焼灼(しょうしゃく)することで、不整脈の根治を目指す治療法です。2024年のJCS/JHRSガイドライン1では、特に心房細動に対する画期的な新技術としてパルスフィールドアブレーション(PFA)が注目されています。これは、心筋細胞にのみ作用する特殊な電気パルスを用いることで、周辺の食道や神経などの重要な臓器へのダメージを最小限に抑えながら、安全かつ効率的に治療を行うことができる技術です。
- 植込み型除細動器(ICD): 心室頻拍や心室細動といった致死性の不整脈のリスクが高い患者さんに対して、突然死を予防するために植え込むデバイスです。危険な頻脈を感知すると、自動的に電気ショックを作動させて正常な脈に戻します。2024年のガイドラインでは、高齢者への適応を判断する際に、フレイル(虚弱)や認知機能なども含めた総合的な評価の重要性が強調されています1。
徐脈の治療法
- ペースメーカー治療:
症状を伴う重篤な徐脈に対する最も確実な治療法は、ペースメーカーの植込みです。本体を前胸部の皮下に植え込み、リード線と呼ばれる電線を血管を通じて心臓内に留置し、心臓の拍動を監視します。脈が設定された数値を下回ると、電気刺激を送って心臓を動かし、適切な心拍数を維持します。2024年のガイドライン1では、従来のペースメーカーに加えて、以下のような新しいデバイスの有用性が示されています。
・リードレスペースメーカー: 本体とリード線が一体化したカプセル型の非常に小型のペースメーカー。カテーテルを用いて心臓内に直接植え込むため、前胸部に傷跡が残らず、リード線関連の合併症(断線や感染など)のリスクがないのが大きな利点です。
・刺激伝導系ペーシング(CSP): His束ペーシングや左脚領域ペーシングなど、心臓本来の電気刺激の通り道(刺激伝導系)を直接刺激する新しい技術です。これにより、従来のペーシングよりも生理的で自然な心臓の収縮を再現することができ、長期的な心機能の維持に有利と考えられています。 - 薬物療法: 一部の洞機能不全症候群に対しては、シロスタゾールなどの薬剤が有効な場合がありますが、効果は限定的です16。
日常生活で心臓を守るためのセルフケア
薬物治療やデバイス治療と並行して、生活習慣を改善することは、心拍数の安定と心臓の健康維持に不可欠です。科学的根拠に基づいた以下のセルフケアを心がけましょう19。
- 適度な運動: ウォーキングなどの有酸素運動を習慣的に行うことは、自律神経のバランスを整え、安静時心拍数を下げる効果があります。
- バランスの取れた食事: 特に塩分の過剰摂取は高血圧につながるため、減塩を意識することが重要です。野菜や魚を中心とした食生活を心がけましょう。
- ストレス管理: 過度なストレスは交感神経を興奮させ、頻脈を引き起こします。趣味やリラクゼーションの時間を持つなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
- 禁煙: 喫煙は血管を収縮させ、心臓に大きな負担をかけます。禁煙は心血管疾患予防の基本です。
- 節酒: アルコールの多飲、特に一度に大量に飲む「 binge drinking」は心房細動の引き金になることが知られています。
- 十分な睡眠: 睡眠不足は自律神経の乱れにつながります。質の良い睡眠を確保しましょう。
緊急時の対応:ためらわずに救急車を呼ぶべき危険な症状
以下のような症状が心拍数の異常と同時に現れた場合は、心筋梗塞や致死性不整脈など、命に関わる状態の可能性があります。このような場合は、絶対に様子を見たり我慢したりせず、直ちに救急車(119番)を呼んでください20。
- 突然の、締め付けられるような、あるいは圧迫されるような強い胸痛
- 息が苦しい、呼吸が困難になる
- 冷や汗を伴う
- 意識が遠のく、めまいで立っていられない
- 意識を失う(失神)
よくある質問
Q1. スマートウォッチの心拍数測定は信頼できますか?
A. Apple Watchなどのウェアラブルデバイスによる心拍数や心電図の測定は、無症状の心房細動などを発見する「きっかけ」として非常に有用です。実際に、これらのデバイスがきっかけで病気が見つかるケースも増えています。日本循環器学会と日本不整脈心電学会も、これらのデバイスの適切な使用に関する共同声明を発表しています21。ただし、これらの測定値はあくまで簡易的なスクリーニングであり、医療機器ほどの精度はありません。最終的な診断のためには、必ず医療機関で12誘導心電図などの精密検査を受ける必要があります。
Q2. アスリートの心拍数が低いのはなぜですか?
A. 長期的なトレーニングにより、心臓のポンプ機能が非常に効率的になるため、一度の拍動で多くの血液を送り出すことができます。その結果、安静時の心拍数が少なくても全身に必要な血液を供給できるため、脈が遅くなります。これを「スポーツ心臓」と呼び、通常は病的なものではありません。しかし、アスリートであっても、めまいや失神などの症状を伴う場合は、病的な徐脈の可能性も否定できないため、検査が必要です。
Q3. 治療にかかる費用や保険適用について教えてください。
A. カテーテルアブレーションやペースメーカー・ICD植込み術などの治療は、すべて公的医療保険の適用となります。これらの治療は高額になりがちですが、日本の医療保険制度には「高額療養費制度」があり、所得に応じて1ヶ月の医療費自己負担額に上限が設けられています。事前に加入している健康保険組合などに「限度額適用認定証」の交付を申請しておくことで、窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えることができます。詳しくは、病院の医療相談室やご加入の公的医療保険の窓口にご相談ください。
結論
心拍数は、私たちの健康状態を映し出す「鏡」です。その数値が正常範囲から外れるとき、それは心臓や全身からの重要なメッセージかもしれません。頻脈や徐脈といった心拍数の異常は、時に脳梗塞や突然死といった深刻な事態につながる危険性をはらんでいます。しかし、近年の医学の進歩により、多くの不整脈は正確な診断と適切な治療によって、十分に管理することが可能になりました。特に2024年の最新ガイドラインでは、患者さん一人ひとりの状態に合わせた、より安全で効果的な治療法が示されています。この記事で得た知識が、ご自身の健康状態を正しく理解し、適切な一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。動悸、息切れ、めまいといった症状に気づいたら、「歳のせい」などと自己判断せず、ぜひお近くの循環器専門医にご相談ください。早期の対応が、あなたの未来の健康を守る最も確実な方法です。
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