この記事のポイント
- 女性の身体は、思春期、性成熟期、更年期、老年期を通じてダイナミックに変化します。本記事では、その変化を支える生殖器系の構造と機能を、最新の3D解剖図を用いて基礎から丁寧に解説します。
- 子宮筋腫、子宮内膜症、PCOS、子宮頸がんといった頻度の高い疾患について、日本産科婦人科学会(JSOG)や海外の最新ガイドラインに基づき、診断法から最先端の治療選択肢までを網羅的に紹介し、国際比較も行います。
- 日本の女性が直面する特有の課題(更年期と仕事の両立、ストレスと月経トラブルなど)にも焦点を当て、科学的根拠に基づいた日々の具体的なセルフケア方法を提案します。この記事一本で、あなたの身体に関する疑問と不安を解消することを目指します。
はじめに:なぜ今、女性の身体を深く知るべきなのか
日本の女性が直面する健康課題
現代の日本女性を取り巻く環境は大きく変化しています。厚生労働省の「令和5年国民健康・栄養調査」によると、20歳以上の女性の1日の平均歩数は過去10年間で有意に減少しており、こうしたライフスタイルの変化が健康に与える影響は無視できません1。一方で、医療へのアクセスが向上したにもかかわらず、多くの女性特有の疾患が見過ごされがちであるという深刻な課題も存在します。
例えば、日本子宮内膜症協会(JEMA)の調査では、子宮内膜症の患者が症状を自覚してから診断が確定するまでに、平均で11年もの歳月を要するという驚くべき実態が報告されています2。多くの女性が「ただのひどい生理痛」と思い込み、長年にわたって一人で痛みに耐え続けているのです。しかし、正しい知識を持つことが、早期発見と適切な治療への第一歩となります。この記事を読んでいるあなたも、決して一人ではありません。
女性生殖器の基本構造(アナトミー)
女性の生殖器は、外から見える「外性器(外陰部)」と、体内にある「内性器」に大別されます。それぞれの構造と働きを理解することは、自身の健康を守る上で非常に重要です。
図1. 女性内部生殖器の構造と各部位の役割
- 子宮 (しきゅう – Uterus): 鶏の卵ほどの大きさの、厚い筋肉でできた器官。受精卵が着床し、胎児が育つ「生命のゆりかご」です。
- 子宮底 (しきゅうてい – Uterine fundus): 子宮の上部で、最も丸みを帯びた部分。妊娠中、この高さを測る「子宮底長」は胎児の成長を知る重要な指標となります。
- 内膜 (ないまく – Endometrium): 子宮の内側を覆う組織。ホルモンの影響で周期的に厚くなり、受精卵の着床に備えます。着床がなければ剥がれ落ち、月経となります。子宮内膜症はこの組織が子宮以外の場所で増殖する病気です。
- 筋層 (きんそう – Myometrium): 子宮壁の大部分を占める平滑筋の厚い層。分娩時には力強い収縮(陣痛)を起こして胎児を押し出します。子宮筋腫はこの筋層から発生する良性の腫瘍です。
- 漿膜 (しょうまく – Perimetrium): 子宮の最も外側を覆う薄い膜です。
- 卵巣 (らんそう – Ovary): 左右に一つずつあり、卵子の元となる原子卵胞を貯蔵しています。周期的に卵子を成熟させて排卵すると同時に、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)を分泌する重要な内分泌器官です。
- 卵管 (らんかん – Fallopian tube): 卵巣と子宮を繋ぐ約10cmの細い管。精子と卵子が出会う受精の主な舞台です。先端の卵管采が排卵された卵子を捉え、子宮へと運びます。
- 卵管采 (らんかんさい – Fimbriae): 卵管の先端にある、イソギンチャクのような形をした部分。排卵時に卵巣から放出された卵子をうまくキャッチする役割を持ちます。
- 卵巣固有靭帯 (らんそうこゆうじんたい – Ovarian ligament): 卵巣と子宮体部を繋いでいる結合組織です。
- 子宮頸部 (しきゅうけいぶ – Cervix): 子宮の下部に位置し、膣へと繋がる部分。細菌の侵入を防ぐバリアの役割も果たします。子宮頸がんはこの部位に発生します。
- 頸管 (けいかん – Cervical canal): 子宮頸部の内部にあるトンネル状の通路です。
- 膣 (ちつ – Vagina): 子宮頸部と体外を繋ぐ、筋肉と粘膜でできた管状の器官。性交の受け入れや、出産時の赤ちゃんの通り道(産道)となります。
- (参考) 胚 (はい – Embryo): 受精卵が細胞分裂を繰り返し、子宮内膜に着床した後の、ごく初期段階の生命体。ここからさらに成長して「胎児」となります。
2.1. 外部生殖器(外陰部)
外陰部は、身体の外部に位置し、内部生殖器を保護する役割を担っています。主要な部位は以下の通りです4。
- 恥丘(ちきゅう):脂肪組織に富み、下腹部の骨(恥骨結合)を保護します。
- 大陰唇(だいいんしん):外側にある一対のふくらみで、内部の繊細な組織を守ります。
- 小陰唇(しょういんしん):大陰唇の内側にある薄い皮膚のひだです。
- 陰核(いんかく、クリトリス):神経が非常に集中しており、性的快感において中心的な役割を果たします。
- 腟前庭(ちつぜんてい):小陰唇に囲まれた部分で、尿道口と腟口が開いています。
デリケートゾーンのケアとして、洗浄のしすぎは常在菌のバランスを崩し、かえって感染症のリスクを高めることがあります。洗浄する際は、刺激の少ない弱酸性の洗浄剤で優しく洗うことが推奨されます。

2.2. 内部生殖器
体内にあり、妊娠・出産に直接関わる重要な器官群です。
子宮 (Uterus)
- 構造と機能:厚い筋肉でできた洋梨のような形の器官で、主な役割は受精卵が着床し、胎児として育つための「ベッド」となることです。子宮の内側は「子宮内膜」と呼ばれる組織で覆われており、月経周期に応じて女性ホルモンの影響を受け、厚くなったり剥がれ落ちたり(月経)を繰り返します5。
- 臨床的意義:子宮は、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症といった良性疾患や、子宮体がん、子宮頸がんといった悪性疾患の好発部位であり、定期的な検診が非常に重要です。
卵巣 (Ovaries)
- 構造と機能:子宮の両脇に一つずつあるアーモンド大の器官です。卵子の元となる原子卵胞を貯蔵し、月に一度、成熟した卵子を放出(排卵)する役割と、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌する内分泌器官としての二つの重要な役割を担っています4。
- 臨床的意義:加齢とともに卵巣の機能は自然に低下し、ホルモン分泌が減少することが更年期障害の直接的な原因となります。また、排卵の過程に異常が生じる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や、卵巣がんなどの疾患の舞台ともなります。
卵管 (Fallopian Tubes)
卵巣と子宮をつなぐ細い管で、排卵された卵子を子宮へと運びます。精子との受精は、通常この卵管内で行われます。
腟 (Vagina)
子宮と体外をつなぐ筒状の器官で、月経血を体外に排出する通路であり、性交の際にペニスを受け入れ、出産時には赤ちゃんの通り道(産道)となります。
生命を司る精巧な機能(フィジオロジー)
3.1. 月経周期とホルモンの相互作用
女性の身体は、約1ヶ月の周期で妊娠の準備とリセットを繰り返しています。この精巧なシステムは、脳の視床下部、下垂体、そして卵巣が連携して分泌するホルモンによって厳密にコントロールされています(視床下部-下垂体-卵巣系、H-P-O axis)4。
ストレスとホルモンバランスの乱れ
日本人女性を対象とした複数の研究から、心理社会的ストレスが視床下部に直接影響を与え、ホルモンバランスを乱すことで、月経前症候群(PMS)や、より重篤な月経前不快気分障害(PMDD)の症状を悪化させることが強く示唆されています67。心と身体のつながりを理解し、適切なストレス管理を行うことが重要です。
3.2. 膣内フローラ(マイクロバイオーム):健康のバロメーター
腟内は無菌ではなく、様々な細菌が共生する「膣内フローラ」と呼ばれる生態系を形成しています。2024年に発表された最新の系統的レビューによると、健康な膣内環境(eubiosis)では乳酸菌の一種であるLactobacillus属が優位を占め、腟内を酸性に保つことで、外部からの病原菌の侵入や増殖を防いでいます8。しかし、不適切な衛生管理、特定の性行動、喫煙、ストレスなどによってこのバランスが崩れる(dysbiosis)と、細菌性腟症や性感染症のリスクが高まります。
日本の食生活との関連性
近年、腸内環境と膣内環境の関連性が注目されています。日本の伝統的な発酵食品(味噌、納豆、漬物など)が豊富な食事が、腸内環境を介して膣内フローラに良い影響を与える可能性が示唆されています9。これは「プロバイオティクス」として知られ、今後の更なる研究が期待される分野です。
ライフステージによる変化とケア
4.1. 思春期から性成熟期
初経を迎え、月経周期が安定してくると、女性の身体は妊娠・出産が可能な状態になります。この時期は、PMSや月経困難症(ひどい生理痛)、子宮内膜症などのトラブルが起こりやすい時期でもあります。気になる症状があれば、婦人科への相談をためらわないことが大切です。
4.2. 更年期:身体と心の大きな転換期
閉経前後の約10年間(一般的に45歳〜55歳頃)を更年期と呼びます。この時期は卵巣機能が急激に低下し、女性ホルモン(特にエストロゲン)の分泌が大きく揺らぎながら減少するため、心身に様々な不調が現れます。日本産科婦人科学会の情報や国内の調査によると、日本人女性に特に多いとされる症状には、ほてりやのぼせ(ホットフラッシュ)といった血管運動神経症状に加え、肩こり、疲労感、頭痛などがあります1011。
日本の職場における深刻な課題
更年期症状は個人の健康問題に留まらず、社会経済的な側面にも大きな影響を及ぼしています。NHKや労働政策研究・研修機構(JILPT)などによる共同調査では、更年期症状が原因で「仕事のパフォーマンスが低下した」と感じる女性は5割以上にのぼり、約2割が退職を検討、あるいは実際に退職しているという衝撃的なデータが示されました12。これは、経験豊富な女性労働力の損失であり、日本全体の経済にとっても大きな課題です。
治療と管理:国際比較の視点
更年期症状の管理には、様々な選択肢があります。ここでは、日本のガイドラインと国際的なガイドラインを比較し、多角的な視点から治療法を解説します。
治療法 | 日本女性医学学会(JMWH)の推奨13 | 英国国立医療技術評価機構(NICE)の推奨14 |
---|---|---|
ホルモン補充療法 (HRT) | 中等症以上の血管運動神経症状に対し、第一選択薬として推奨。骨粗鬆症予防効果も明確。 | 生活の質に影響を与える血管運動神経症状に対し、利益とリスクを説明の上で提供すべきと推奨。 |
認知行動療法 (CBT) | 精神症状に対する選択肢の一つとして言及。 | 気分の落ち込みや不安に加え、ホットフラッシュや睡眠障害の管理にも有効な選択肢として推奨。 |
漢方薬 | HRTが使用できない場合や、多彩な症状に対して選択肢として考慮。 | 有効性のエビデンスが限定的であるため、積極的には推奨されていない。 |
- ホルモン補充療法(HRT):HRTは、不足したエストロゲンを補うことで、ほてりや発汗、動悸などの症状を根本的に改善する最も効果的な治療法です。日本女性医学会の最新ガイドライン案によれば、骨密度の維持やQOL(生活の質)の向上といった明確な利益があります13。一方で、血栓症や乳がんのリスクに関する情報も正しく理解し、専門医と相談しながら個々に最適な治療法を選択することが不可欠です。
- 認知行動療法(CBT):英国のNICEガイドラインでは、薬物療法だけでなく、CBTがホットフラッシュや睡眠障害の管理にも有効な選択肢として推奨されています14。これは、症状に対する考え方や行動パターンを変えることで、不調を乗り越える力をつける心理療法です。
更年期に関する悩みは、NPO法人「更年期と加齢のヘルスケア」15や日本女性医学学会16などの専門機関で相談することができます。

主な婦人科疾患:正しい知識があなたを守る
5.1. 子宮筋腫 (Uterine Fibroids)
子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍で、成人女性の3〜4人に1人が持つと言われるほど頻度の高い疾患です。日本ナースヘルス研究(JNHS)のデータでは、30代後半から40代前半で発症率がピークに達することが示されています17。症状としては、過多月経(経血量が多い)、月経痛、貧血、頻尿などがあります。
治療法:あなたの選択肢を広げる
治療法は、筋腫の大きさや位置、症状の程度、年齢、そして今後の妊娠希望の有無などを総合的に考慮して決定されます。国内外の標準治療を比較することで、より広い視野で選択肢を検討できます。
治療法 | 日本産科婦人科学会(JSOG)の推奨18 | 米国産科婦人科学会(ACOG)の推奨19 |
---|---|---|
薬物療法 (GnRHアゴニスト) | 手術前の補助療法として推奨(貧血改善、筋腫縮小目的)。長期使用は推奨されない。 | 手術前の短期間の使用を考慮。長期的な単独療法としては推奨されない。 |
低侵襲手術 (腹腔鏡下核出術) | 挙児希望があり、技術的に可能な場合に強く推奨される。 | 子宮温存を望む適切な患者への主要な選択肢として推奨。 |
腹腔鏡下ラジオ波焼灼術 (Lap-RFA) | ガイドラインでは言及が限定的だが、先進医療として実施されている。 | 子宮温存を望む患者への低侵襲な選択肢として推奨。 |
特に、米国産科婦人科学会(ACOG)のガイドラインで推奨されている「腹腔鏡下ラジオ波焼灼術(Lap-RFA)」は、腹腔鏡で筋腫に直接針を刺し、ラジオ波で加熱して壊死させる治療法です19。身体への負担が非常に少ない子宮温存治療として注目されていますが、日本国内ではまだ実施可能な施設が限られています。自身の状況に合った最新の治療法について、主治医とよく相談することが重要です。
5.2. 子宮内膜症 (Endometriosis)
子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所(卵巣、腹膜など)で発生し、増殖する疾患です。月経周期に合わせて出血や炎症を繰り返すため、激しい月経痛、性交痛、排便痛、そして不妊の原因となります。前述の通り、日本における11年という診断遅延は深刻な問題であり2、早期の認識と介入が生活の質(QOL)を保つ鍵となります。
治療法:痛みを管理し、生活の質を高める
治療の基本は、薬物療法による痛みのコントロールと病巣の進行抑制です20。症状が重い場合や、チョコレート嚢胞(卵巣にできた内膜症)が大きい場合には手術も考慮されます。近年、薬物療法以外の選択肢の有効性も科学的に証明されつつあります。
食事・運動療法という新たな光
2025年に国際的な科学雑誌PLOS ONEに掲載されたメタ分析(複数の研究を統合・解析した信頼性の高い研究)では、ヨガや漸進的筋弛緩法を含む定期的な身体活動が、子宮内膜症患者のQOLと疼痛を有意に改善することが示されました21。これは、薬物療法だけに頼らない、QOL向上のための強力なエビデンスです。
一人で悩まず、日本子宮内膜症協会(JEMA)22や、子宮筋腫・内膜症体験者の会「たんぽぽ」23などの患者支援団体に相談することも大きな助けになります。
5.3. 多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS)
卵巣内で多数の小さな卵胞が発育するものの、うまく排卵できずに卵巣内に留まってしまう状態です。月経不順、無月経、にきび、多毛、そして不妊の原因となります。日本人女性における有病率は5〜8%と報告されており24、インスリンの働きが悪くなる「インスリン抵抗性」との密接な関連が指摘されています。根本的な治療法はまだ確立されていませんが、食事や運動といった生活習慣の改善が、長期的な健康管理の鍵となります。
5.4. 子宮頸がん (Cervical Cancer)
子宮の入り口である子宮頸部にできるがんで、そのほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの持続的な感染が原因で発生します。世界保健機関(WHO)は、2030年までに子宮頸がんを撲滅するため、「HPVワクチン接種率90%・検診受診率70%・治療率90%」という「90-70-90ターゲット」を掲げています25。しかし、国立がん研究センターの統計によれば、日本の検診受診率は依然として低い水準にあり、若年層での罹患率が増加傾向にあることが大きな課題です26。
予防の二本柱:HPVワクチンと検診
子宮頸がんは、予防可能な数少ないがんの一つです。その鍵となるのが「HPVワクチン」と「子宮頸がん検診」です。
- HPVワクチン:日本では、小学校6年生から高校1年生相当の女子を対象に、公費(無料)で接種が可能です。現在、公費で接種できるワクチンには、防げるHPVの種類によって2価、4価、そして最も多くの種類をカバーする9価の3種類があります27。
- 子宮頸がん検診:日本の国立がん研究センターは、20歳以上の女性に対して2年に1度の細胞診を推奨しています26。ワクチン接種と検診を併用することで、子宮頸がんの90%以上が予防可能であると報告されています27。
日常から始める健康管理とセルフケア
これまで述べてきた科学的根拠を基に、日々の生活で実践できる具体的なアクションプランを提案します。
- 食事:特定の食品に偏るのではなく、多様な食材を取り入れたバランスの良い食事、特に日本の伝統的な和食を心がけることが、腸内環境を整え、ひいては婦人科系の健康にも良い影響を与えると考えられます928。大豆イソフラボンの摂取は有益な側面もありますが、サプリメントなどでの過剰摂取は専門家と相談が必要です29。
- 運動:ウォーキングなどの有酸素運動やヨガ、ストレッチなど、自身が心地よいと感じ、継続可能な運動習慣を見つけることが、血行を改善し、ストレスを軽減し、ホルモンバランスを整える助けとなります2130。
- 睡眠:質の良い睡眠は、ホルモン分泌や自律神経のバランスを整える上で不可欠です。毎日決まった時間に就寝・起床するなど、生活リズムを整えましょう30。
- ストレス管理:現代社会でストレスを完全になくすことは困難です。趣味の時間を持つ、自然の中で過ごす、親しい友人と話すなど、自分に合ったリラクゼーション方法を見つけ、意識的に実践することが、心と身体の健康を守ります9。
よくある質問 (FAQ)
Q1. 低用量ピルはホルモンバランスを整える効果がありますか?
Q2. ホルモン補充療法(HRT)は、いつまで続けられますか?
Q3. 子宮筋腫があると、がんに変わることはありますか?
Q4. HPVワクチンを接種すれば、子宮頸がん検診は受けなくてもよいですか?
結論:あなたの身体の主治医は、あなた自身
女性の身体は、生涯を通じて複雑でダイナミックな変化を経験します。この記事を通じて、その精巧な仕組みの一端をご理解いただけたなら幸いです。最も重要なことは、ご自身の身体から発せられる小さなサインに気づき、それを無視しないことです。「これくらいは普通」「みんな我慢しているから」と思い込まず、正しい知識を持って主体的に行動すること。そして、信頼できる医療専門家を人生のパートナーとして定期的な検診を受けること。それが、健やかで豊かな人生を送るための、最も確実な投資と言えるでしょう。
免責事項この記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスに代わるものではありません。健康上の問題や症状がある場合は、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。
参考文献
- 厚生労働省. 令和5年国民健康・栄養調査結果の概要 [インターネット]. 2024. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45540.html
- Takeda T, et al. 子宮内膜症患者の月経に伴う自覚症状の特徴と診断・治療の実態. 日本ナースヘルス研究. 2013;11(2):129-137. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjnhs/11/2/11_KJ00008857739/_article/-char/ja/
- Visible Body. 女性生殖器の構造 [インターネット]. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.visiblebody.com/ja/learn/reproductive/female-reproductive-structures
- MSDマニュアル家庭版. 女性の生殖器系の概要 [インターネット]. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/22-女性の健康上の問題/女性の生殖器系の生物学/女性の生殖器系の概要
- 看護roo!. 子宮 | 看護師の用語辞典 [インターネット]. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.kango-roo.com/word/10748
- Akiyama T, et al. 月経前症候群における ストレスが及ぼす自律神経活動と感情への影響. 日本認知科学会第40回大会発表論文集. 2023. 以下より入手可能: https://www.jcss.gr.jp/meetings/jcss2023/proceedings/pdf/JCSS2023_O3-004A.pdf
- Sakurai K, et al. 月経随伴症状に関する心理学的研究の概観と今後の展望. 東京大学大学院教育学研究科紀要. 2017;57:247-256. 以下より入手可能: https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/record/51294/files/edu_57_15.pdf
- Parolin C, et al. The vaginal microbiota and its association with lifestyle, menstrual cycle, and viral infections. Arch Gynecol Obstet. 2024;310(4):1755-1765. PMCID: PMC11405494. 以下より入手可能: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11405494/
- 池袋アイリス婦人科クリニック. ホルモンバランスの乱れチェックリストと整える方法 [インターネット]. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://ikebukuroiris-fujinka.jp/menstrual/female-hormones/
- 日本産科婦人科学会. 更年期障害 [インターネット]. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/
- 全薬グループ. その症状、更年期障害かも?更年期に表れるイライラ・不眠などの症状や原因 [インターネット]. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.zenyaku.co.jp/aropanol/laboratory/page8.html
- NHK, 労働政策研究・研修機構, 他. NHK実施「更年期と仕事に関する調査2021」 結果概要 [インターネット]. 2021. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/collab/nhk-jilpt/docs/20211103-nhk-jilpt.pdf
- 日本女性医学学会. ホルモン補充療法ガイドライン 2025年度版(案). 金原出版; 2025 (予定). [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.kanehara-shuppan.co.jp/books/detail.html?isbn=9784307301589
- National Institute for Health and Care Excellence. Menopause: diagnosis and management (NICE guideline [NG23]) [インターネット]. 2024 (更新). [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.nice.org.uk/guidance/ng23
- NPO法人更年期と加齢のヘルスケア. NPO法人について [インターネット]. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.menopause-aging.org/about/
- 日本女性医学学会. 更年期障害 [インターネット]. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.jmwh.jp/
- 日本ナースヘルス研究(JNHS). Japan Nurses’ Health Study Newsletter 2007 [インターネット]. 2007. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://plaza.umin.ac.jp/~j-snow/0_web/wp-content/uploads/2023/07/NL_2007.pdf
- 日本産科婦人科学会, 日本産婦人科医会. 産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023 [インターネット]. Mindsガイドラインライブラリ. 2023. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00802/
- American College of Obstetricians and Gynecologists. Management of Symptomatic Uterine Leiomyomas: ACOG Practice Bulletin, Number 228. Obstet Gynecol. 2021 Jun 1;137(6):e100-e115. doi: 10.1097/AOG.0000000000004401. PMID: 34011888. 以下より入手可能: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34011888/
- 日本産科婦人科学会, 日本産婦人科医会. 産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2020 [インターネット]. Mindsガイドラインライブラリ. 2020. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00571.pdf
- Amorim-Alves, M. et al. The effectiveness and safety of physical activity and exercise on women with endometriosis: A systematic review and meta-analysis. PLOS ONE. 2025 Feb 28;20(2):e0317820. doi: 10.1371/journal.pone.0317820. 以下より入手可能: https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0317820
- 特定非営利活動法人 日本子宮内膜症協会 (JEMA). JEMA公式サイト [インターネット]. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.jemanet.org/
- 子宮筋腫・内膜症体験者の会 たんぽぽ. 公式サイト [インターネット]. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.tampopo-org.com/
- Miyake T, et al. PCOSとインスリン抵抗性の関連性 : 現状と今後の展開. 日本内分泌学会雑誌. 2017;93(Suppl.):66-73. 以下より入手可能: https://cir.nii.ac.jp/crid/1540854195317399296
- World Health Organization. WHO guideline for screening and treatment of cervical pre-cancer lesions for cervical cancer prevention [インターネット]. 2021. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK572321/
- 国立がん研究センター がん情報サービス. 子宮頸がん検診について [インターネット]. 2024 (更新). [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/cervix_uteri.html
- 国立がん研究センター. 子宮頸がんの予防・ワクチン [インターネット]. 2025. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.ncc.go.jp/jp/topics/2025/20250307170820.html
- Nagata C, et al. 日本人女性の脂肪,食物繊維,大豆イソフラボン,アルコールの摂取量と子宮筋腫の関連. J-Global. 2009. 以下より入手可能: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200902240065080250
- 国立がん研究センター 多目的コホート研究. 大豆・イソフラボン摂取と子宮体がんとの関連について [インターネット]. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3430.html
- 富士薬品公式通販. 【医師監修】ホルモンバランスを整えるには?女性ホルモンの種類と役割、ゆらぎの対策を解説します [インターネット]. [引用日: 2025年6月17日]. 以下より入手可能: https://www.fujiyaku-direct.com/health_information/article/063main