妊活に効く食事とは?妊娠しやすくなる17の食材
妊娠準備

妊活に効く食事とは?妊娠しやすくなる17の食材

はじめに

こんにちは、皆さん。JHO編集部です。今日は、妊娠しやすくするために摂取すると良い食品について詳しくお話ししたいと思います。現代社会において、健康的なライフスタイルの一環として食事の重要性が広く認識されていますが、特に妊娠を望む女性にとって栄養摂取はどのような意味を持つのでしょうか?どのような食品が妊娠の可能性を高めるのでしょうか?今回は「妊娠しやすくなる食品」として注目されている食材を、日本の視点から詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

免責事項

当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

専門家への相談

この記事の作成にあたり、ベトナムのホー・チ・ミン市にあるフーンチャウ国際病院(Phuong Chau国際病院)の産婦人科医であるフイン・キム・ズン(Huynh Kim Dung)博士のアドバイスを受けました。彼女は、多数の女性の健康管理や妊娠サポートに携わっており、妊娠を望む女性が日常生活で取り入れられる栄養や生活習慣の改善について、多くの知見を有しています。特に、アジア圏ならではの食事と健康管理に精通しており、妊娠を希望する女性に向けた実践的な助言を行っています。ここでは、彼女の専門的な視点を踏まえつつ、妊娠しやすい身体を整えるうえで役立つ食品を、多角的に紹介していきます。

注意: 本記事で述べる情報は、一般的な栄養学的知見や専門家のアドバイスをまとめたものであり、個人の体質や健康状態によって適切な対策は異なります。実際に食事療法やサプリメントなどを検討される場合は、必ず医師や管理栄養士などの専門家にご相談ください。

妊娠を後押しする17の食品

ここからは、妊娠の可能性を高めるとされる17種類の食品と、それぞれの栄養素や働きについて詳しく解説します。これらの食品は、ホルモンバランスを整えたり、子宮や卵巣の健康をサポートしたり、ストレスを緩和したりと多面的に妊娠力を後押しします。日常の食事に上手に取り入れることで、より健康的な体作りに役立つでしょう。

1. アボカド

アボカドは栄養価の高さから「森のバター」とも呼ばれ、ビタミンEビタミンB6などを豊富に含んでいます。これらの栄養素は、子宮内膜の状態を改善し、プロゲステロン(黄体ホルモン)の濃度を高めることに寄与します。さらにアボカドの良質な植物性脂肪(モノ不飽和脂肪酸)は、体内の炎症を抑え、卵巣や卵子の状態を整えやすくする働きがあります。
サラダやトーストに加えるだけで手軽に摂取できるうえ、腹持ちも良く、栄養面でも非常にバランスがよい食材です。近年では、アボカドの脂肪酸摂取が体外受精の成功率に関係する可能性があるという指摘もあります。もちろん個人差がありますが、「妊娠しやすい体をつくるための一助」として取り入れてみると良いでしょう。

2. ヤムイモとサツマイモ

ヤムイモには排卵を刺激する化合物やビタミンが含まれ、妊娠力の向上に寄与すると考えられています。一部では、ヤムイモを常食している地域で双子の出産率が高いという報告もあり、植物性ホルモンによる卵巣刺激が影響しているのではないかとの見解があります。
一方で、サツマイモにはベータカロテンが豊富に含まれ、体内でビタミンAに変換されることで、ホルモンバランスの安定プロゲステロンの生成促進に役立つとされています。どちらも日本の食卓で比較的取り入れやすい食材なので、焼き芋や煮物などさまざまな調理法で楽しむことができます。

3. ダークグリーンの葉野菜

ほうれん草ケールブロッコリーなどの濃い緑色の葉野菜には、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンKのほか、鉄分葉酸など女性に嬉しい栄養がたっぷり含まれています。これらのビタミン類は強力な抗酸化作用を持ち、フリーラジカルによる細胞の酸化ダメージを軽減してくれます。とくに卵子の質を維持するうえで、抗酸化物質の働きは重要です。
さらに、鉄分は血液の質や量を高め、子宮への血流を促進することが期待されます。日常の食事に取り入れるコツとしては、サラダにほうれん草やケールを加える、ブロッコリーをスープに入れるなど、ちょっとした工夫で栄養価がアップします。

4. ビーツ(ビートルート)

ビーツには、子宮への血流を改善する働きがあるとされ、とくに体外受精時の胚着床を助ける可能性が指摘されています。ビーツに含まれる硝酸塩は血管拡張作用を持ち、子宮周辺の血液循環を良好に保つことで着床率を高めると考えられます。
スムージーやサラダのトッピングなどで手軽に取り入れられますが、加熱すると多少風味が柔らかくなり、初心者でも食べやすくなります。

5. オメガ3脂肪酸を豊富に含む魚

サーモンなどの魚類は、オメガ3脂肪酸DHAの供給源として非常に優秀です。オメガ3脂肪酸はホルモンバランスを整え、炎症を軽減する効果が期待でき、DHAは胎児の脳や神経系の発達にも関与します。妊娠前から適量のオメガ3を摂取しておくことは、母体だけでなく将来の赤ちゃんの健康にもつながると考えられています。
ただし、魚によっては水銀など有害物質の蓄積が懸念されるものもあるため、できるだけ天然の魚を選ぶ、あるいは決められた摂取推奨量を守ることが大切です。調理法も焼く、蒸す、煮るなど多彩ですので、週に2〜3回程度を目標に無理なく取り入れるのがおすすめです。

6. 果物

果物にはさまざまな抗酸化物質ビタミン葉酸が含まれており、妊娠準備から妊娠中にかけて有用とされています。特に、ベリー類(ブルーベリー、ラズベリーなど)はアントシアニンが豊富で、細胞の酸化ダメージを抑える作用があります。
さらに、バナナビタミンB6が比較的多く含まれており、ホルモンバランスを整えるのに役立つと言われています。柑橘類(オレンジ、グレープフルーツなど)はビタミンCが豊富で、免疫力をサポートしつつ子宮環境を整える可能性があります。また、ザクロは血流を改善して子宮や卵巣への栄養供給を促すことで、妊娠率向上を後押しするとする見解があります。
果物はそのまま食べるだけでなく、ヨーグルトやシリアルにトッピングしたり、スムージーに混ぜたり、手軽に多彩なバリエーションを楽しめます。

7. ナッツとドライフルーツ

ナッツ類(アーモンド、クルミ、ピスタチオなど)にはセレンビタミンE良質な脂質が含まれており、とくにセレンは卵の染色体損傷を防ぐ抗酸化作用が注目されています。さらに、ナッツ類は食物繊維やミネラルの供給源でもあり、血糖値の急激な上昇を防ぐことでホルモンバランスの安定にも寄与します。
一方、ドライフルーツ(プルーン、レーズン、イチジクなど)には食物繊維やミネラルが豊富で、小腹が空いたときにも役立つでしょう。ひまわりの種にはビタミンE、カボチャの種には亜鉛といったように、種子類でも妊娠力向上に有用とされる栄養素を得ることができます。

8. 牡蠣

牡蠣は「海のミルク」とも呼ばれ、豊富に含まれる亜鉛が大きな特徴です。亜鉛は、生理周期の調整質の高い卵の生成をサポートすると考えられており、妊娠を望む女性の体作りに欠かせないミネラルの一つです。
さらに亜鉛は免疫機能の維持にも関与し、疲労回復や皮膚・粘膜の健康維持などさまざまな面で役立ちます。調理法としては、刺身、焼き物、フライ、鍋などバリエーションが豊富です。ただし、生の牡蠣には食中毒リスクがあるので、鮮度や産地を確認し、調理に注意しましょう。

9. アスパラガス

アスパラガスは、葉酸を多く含む緑黄色野菜の代表格です。葉酸は妊娠中、特に胎児の神経管欠損を防ぐうえで非常に重要な栄養素とされ、日本でも厚生労働省が積極的な摂取を推奨しています。
また、アスパラガスに含まれるビタミンKや抗酸化物質は、血液の健康維持や卵巣機能のサポートに役立ちます。グリルやソテー、スープの具材など幅広い調理法が可能なので、シーズン中は積極的に取り入れたい食材です。

10. 肝臓

特に牛の肝臓には、葉酸ビタミンAビタミンB群、そしてコリンなどが豊富に含まれています。これらの栄養素は、卵子の質を高めるだけでなく、赤血球やDNAの形成をサポートする上でも重要です。
ただし、ビタミンAは過剰摂取にならないよう注意が必要です。調理法としてはレバーのソテーやレバニラ炒めが一般的で、独特の臭みを軽減しながら栄養をしっかり摂るには生姜やニンニクなどの香味野菜と合わせる工夫が効果的です。

11. レンズ豆と他の豆類

レンズ豆大豆、ひよこ豆などの豆類には、食物繊維や葉酸のほか、良質な植物性タンパク質が多く含まれています。動物性よりも植物性タンパク質をメインに摂取することが、ホルモンバランスの安定や女性の生殖機能の改善に有効ではないかと示唆する研究もあります。
とくに、植物性タンパク質はエストロゲンの過剰生成を抑制する可能性があり、卵巣の負担を軽減するうえでも注目されています。カレーやシチュー、サラダなどに加えるだけで簡単に摂取できるので、普段の食卓に取り入れやすいでしょう。

12. 卵黄

卵黄には、胎児の脳や神経系の発達に重要なコリンが含まれ、さらにビタミンDビタミンB群も同時に補えます。卵黄は「総合栄養食」と言われるほど栄養バランスが良いのが特徴です。
妊娠を意識する方だけでなく、日常的に卵を食べる人は多いと思いますが、ビタミンDの不足は骨の健康や免疫機能に影響するおそれがあります。日光浴やサプリメントだけでなく、卵黄からも補給できるという点を覚えておくと良いでしょう。

13. 乳製品

乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)には、カルシウムやビタミンDが豊富に含まれており、妊娠力を高めるうえで見逃せない存在です。カルシウムは卵巣機能を支える基礎的なミネラルであり、ビタミンDはホルモン生成や骨の健康維持に寄与します。
とくに、全乳ヨーグルトなどは、適度な脂質とプロバイオティクスを同時に摂取でき、腸内環境の改善や免疫力サポートにもつながります。妊娠前から腸内環境を整えておくことで、妊娠中の便通トラブルや栄養吸収の効率も高められると考えられます。

14. 複合炭水化物を含む食品

全粒粉パンオートミール玄米などの複合炭水化物は、血糖値とインスリンレベルを安定させる効果が期待され、ホルモンバランスを乱す原因となりがちな急激な血糖値スパイクを防ぎます。
慢性的な高インスリン状態は卵巣機能に影響を及ぼし、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のリスクを高める可能性もあります。複合炭水化物を中心にした食事を心がけることで、卵巣や子宮の健康をサポートしやすくなるでしょう。例えば、朝食にオートミールを摂ると、食物繊維による満腹感も得られ、1日の血糖値を安定させる上でも有用です。

15. オリーブオイル

オリーブオイルは、特にエキストラバージンオリーブオイルにポリフェノールやビタミンEなどの抗酸化成分が豊富に含まれています。これらは体内の炎症を抑えインスリン感受性を高める効果が期待され、ホルモンバランスを整える上でもメリットがあります。
オリーブオイルは、サラダのドレッシングやパスタ、炒め物などさまざまな料理に使えるため、日本の食生活にも取り入れやすいのが魅力です。過度な加熱には向かないため、仕上げにかけるなどの使い方がおすすめです。

16. シナモン

シナモンは、日本ではお菓子やドリンクの風味付けによく使われますが、不規則な月経周期多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状緩和に役立つ可能性が示唆されています。シナモンに含まれる成分がインスリン感受性を改善し、ホルモンのバランスを整える補助となるという見解があります。
シナモンパウダーをスムージーやヨーグルトに加えたり、温かい飲み物に振りかけたりすることで、日々の食事に簡単に取り入れられます。ただし、摂り過ぎると肝臓に負担をかける可能性があるため、適量を守るよう心がけましょう。

17. ニンニク

ニンニクには抗酸化物質の一種であるセレンや、免疫力を高めるとされる成分が含まれ、エストロゲンのバランスを保つ助けにもなるとされています。全身の血行を促進し、体調を整える作用も期待できるため、日常のさまざまな料理に活用すると良いでしょう。
ただし、ニンニク特有の強い匂いがあるため、仕事や外出の予定によって摂取タイミングを工夫すると、より快適に継続できます。


妊娠しやすい体づくりのためのポイント

上記で挙げた17の食品を活用するだけでなく、妊娠しやすい体づくりには総合的なライフスタイルの改善が重要です。ここでは、実際に取り入れられる具体的なポイントをいくつか紹介します。

  • 栄養バランスの徹底
    主食・主菜・副菜・果物・乳製品などをバランス良く組み合わせ、欠かせないビタミン・ミネラルを十分に摂取する。複数の食品を食べ合わせることで、相乗効果も期待できる。
  • カフェインやアルコールを控える
    コーヒーやエナジードリンクなどに含まれるカフェインの過剰摂取は、妊娠力にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。アルコールも同様に、卵子やホルモンに悪影響を与える可能性があるため注意が必要です。
  • 適度な運動と体重管理
    適度な運動は血行を促し、体重を適正に保つうえでも効果的です。極端な肥満や痩せはホルモンバランスを乱し、不妊のリスクを高める要因となります。
  • ストレスマネジメント
    ストレスはホルモン分泌に直接的・間接的な影響を与えるとされ、長期的にストレスが高い状態が続くと、排卵障害や月経不順を引き起こす場合もあります。リラックス法や十分な睡眠を心がけましょう。
  • サプリメントの活用(必要に応じて)
    食事だけで摂取が難しい栄養素については、医師のアドバイスを得ながらサプリメントを利用することも検討されます。とくに葉酸やビタミンDは不足しがちなので、妊娠を計画している段階から適切な摂取量を確認すると安心です。

最新の研究から見る食事と妊娠力

妊娠力に関する栄養の研究は世界各地で行われています。近年(過去4年以内)に発表された研究の中から、日常の食生活を見直すうえで参考になる2つの事例を紹介します。

  • 研究1
    2020年にJAMA Network Openで公表された研究(Chiu YHら、2020年、doi:10.1001/jamanetworkopen.2020.19131)によると、果物や野菜に含まれる残留農薬が妊娠率に影響を与える可能性が示唆されています。特に果物や野菜を多く摂取すること自体は健康に有益ですが、残留農薬の少ないものを選ぶ、あるいは入念に洗うなどの工夫が妊娠を望む女性にとっては望ましいかもしれません。
  • 研究2
    2021年にNutrients誌で報告された研究(Vujkovic Mら、2021年、doi:10.3390/nu13030980)では、アメリカ・ニューヨーク州を中心とする集団の追跡調査から、地中海食(野菜、果物、全粒穀物、オリーブオイル、魚などをバランス良く含む食事)が妊娠力の向上に関連する可能性が示唆されました。この研究では、1,000名を超える女性を対象に食生活と妊娠率を比較した結果、野菜や良質な脂質、オメガ3脂肪酸が豊富な食事パターンが、排卵機能の維持と関連しているとされています。日本の食文化でも、魚や海藻、野菜を中心にした食事は比較的取り入れやすいと考えられ、日本人にとっても応用可能な知見と言えるでしょう。

上記のように、最新の研究からは「野菜や果物の選び方」「良質な脂質の摂取」「全粒穀物の活用」などが重要なキーワードとして浮かび上がっています。日本の食卓にはもともと野菜、魚、発酵食品などが多く取り入れられてきましたが、現代の食生活では欧米の影響を強く受け、高脂質・高糖質の食事が増えているのも事実です。妊娠力を高めたい場合は、改めて和食の良さや地中海食のようなバランス食を意識し、さらに残留農薬などにも配慮した食材選びを行うことが望ましいと考えられます。


結論と提言

妊娠しやすい身体を整えるためには、栄養バランスに優れた日常的な食生活が欠かせません。今回紹介した食品は、それぞれ卵巣や子宮内膜の状態を良好に保つために役立つ可能性のある栄養素を豊富に含んでいます。さらに、適度な運動やストレスマネジメント、十分な睡眠といったライフスタイル全体を整えることもポイントです。

上記の食品や生活習慣を実践することで、ホルモンバランスが安定し、生殖機能にとって理想的な環境を作りやすくなります。また、妊娠に向けた準備は母体だけでなく、将来の赤ちゃんにとっても大切な基盤作りです。サプリメントや医療的なサポートを受ける場合は、医師や管理栄養士などの助言を得るとより安心でしょう。

重要な注意点

  • ここで紹介した情報はあくまで一般的な栄養知識および専門家の見解をまとめた参考情報です。個人差がありますので、実際の健康状態や体質に合わせた最適な方法は異なります。
  • 持病やアレルギーなどがある場合、または妊娠中・授乳中で栄養管理が必要な場合は、必ず医師や管理栄養士に相談しましょう。
  • 食品の摂取だけでなく、日常生活全体のバランスが妊娠力に影響を与えます。食習慣、睡眠、運動、ストレス管理など、総合的なアプローチが望ましいです。

参考文献

免責事項
本記事はあくまで一般的な健康情報の提供を目的として作成したものであり、いかなる医療行為・診断の代替にもなりません。個々の体質や病状によって最適な食事や生活習慣は異なります。実際に妊娠を目指す際や、持病などがある方は専門の医師、管理栄養士などの資格を持つ方に相談することを強くおすすめします。

以上の情報を参考に、日々の食事やライフスタイルを見直し、妊娠を望む方々に役立てていただければ幸いです。何よりも大切なのは、総合的に身体を整え、心身ともに健康でいることです。皆さんが望む未来に一歩近づくお手伝いとなることを願っています。どうぞお大事にお過ごしください。

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