【科学的根拠に基づく】コレステロール値の完全ガイド:日本の心臓血管健康のための科学的アプローチ
心血管疾患

【科学的根拠に基づく】コレステロール値の完全ガイド:日本の心臓血管健康のための科学的アプローチ

「コレステロールの正常値はどれくらいですか?」この問いは、健康に関心を持つ多くの人々が抱く疑問です。しかし、現代医学の観点からの答えは、意外なものかもしれません。それは、「すべての人に当てはまる単一の『正常値』は存在しない」という事実です。理想的なコレステロール値という概念は、もはや固定された基準値を超えて進化しています。個人の「目標とすべき」あるいは「健康的な」コレステロール値は、年齢、性別、血圧、喫煙状況、そして糖尿病のような他の疾患の有無を含む、その人の総合的な心血管リスクプロファイルに完全に依存します。12

日本においてこの問題を深く理解する必要性は、極めて高いと言えます。最新の「令和5年 国民健康・栄養調査」によると、総コレステロール値が240 mg/dL以上という高い値を示す成人が、女性で23.1%、男性で10.1%にものぼります。3 特に女性では人口の約4分の1近くに達するこの高い割合は、これが重大な公衆衛生上の課題であり、国民からの正しい知識と関心が求められていることを示唆しています。4

最も正確で信頼性の高い情報を提供するため、本稿では日本の医学におけるゴールドスタンダード、すなわち日本動脈硬化学会(JAS)が発行した「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」を基盤とします。5 このガイドラインを深く掘り下げることで、なぜコレステロール管理が個別化されたプロセスであるのかを解き明かし、心臓血管の健康を守るためのエビデンスに基づいた道筋を示します。

要点まとめ

  • コレステロールには、すべての人に共通する単一の「正常値」は存在しません。目標値は個々の心血管リスクに応じて個別化されます。
  • 脂質異常症の診断と管理は、日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」に基づいて行われます。
  • リスク評価には、糖尿病や慢性腎臓病などの併存疾患の有無や、「久山町研究スコア」が用いられ、低・中・高リスクに分類されます。
  • 治療の基本は、魚や野菜、大豆製品を豊富に含む日本食パターンのような健康的な食事、定期的な運動、禁煙といった生活習慣の改善です。
  • 心筋梗塞などの既往歴がある場合(二次予防)は、再発防止のためにさらに厳格なコレステロール管理(例:LDL-C 100 mg/dL未満)が求められます。

脂質検査パネルの解読:「善玉」「悪玉」以上の意味

コレステロール管理に関する推奨を理解するためには、まず血液脂質検査の主要な指標が何を意味するのかを把握する必要があります。「善玉コレステロール」や「悪玉コレステロール」という言葉は単なる簡略化された表現であり、その生物学的な役割ははるかに複雑です。

LDL-C (低密度リポタンパク質コレステロール)

一般的に「悪玉コレステロール」と呼ばれるLDL-Cは、実際には肝臓から体内の各細胞へコレステロールを運ぶ「輸送分子」であり、細胞膜の構築やホルモンの生成といった生命維持に不可欠な機能に関与しています。しかし、血中のLDL-C濃度が過剰になると、それらは蓄積し、酸化され、動脈壁に侵入しやすくなります。このプロセスがアテローム性動脈硬化(プラーク形成)の引き金となり、血管を狭く、硬くさせ、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患の根本原因となります。そのため、LDL-Cは動脈硬化性疾患の予防および治療における主要な管理目標とされています。6

HDL-C (高密度リポタンパク質コレステロール)

「善玉コレステロール」として知られるHDL-Cは、「清掃チーム」のような役割を果たします。その主な機能は「コレステロール逆転送系」と呼ばれるプロセスを実行すること、すなわち動脈壁のプラークを含む組織から余分なコレステロールを回収し、肝臓へ戻して処理・排泄させることです。高いHDL-C値は心血管保護因子と見なされます。逆に、低いHDL-C値(40 mg/dL未満)はリスク因子とされ、脂質異常症の診断基準の一つとなっています。7

トリグリセリド (TG – 中性脂肪)

トリグリセリドは血中に存在するもう一つの脂肪であり、体の主要なエネルギー貯蔵源および供給源として機能します。JASガイドライン2022年版における重要な更新点の一つは、従来の空腹時トリグリセリド(空腹時TG)に加え、食後トリグリセリド(随時TG)が診断基準に導入されたことです。5 この変更は、人は一日の大半を食後の状態で過ごしており、食後に持続する高トリグリセリド血症もまた、心血管疾患の独立したリスク因子であるという重要な医学的認識を反映しています。日本の疫学研究では、食後の高いTG値が心血管イベントを予測する能力を持つことが示されており、この指標を測定することで、これまで見逃されていた可能性のあるリスクを持つ患者群を特定するのに役立ちます。1

Non-HDL-C

これは臨床現場でますます重要視されている指標です。Non-HDL-Cは、総コレステロール値からHDL-C値を引くという単純な計算式(Non-HDL-C = 総コレステロール – HDL-C)で算出されます。この指標は、LDL-C、VLDL-C(超低密度リポタンパク質コレステロール)、IDL-C(中間密度リポタンパク質コレステロール)を含む、血中のすべての動脈硬化惹起性リポタンパク質の総濃度を表します。Non-HDL-Cは、特にトリグリセリド値が高い患者のリスク評価に有用です。なぜなら、このような状況では従来のLDL-C計算式が不正確になる可能性があるためです。これはLDL-Cの目標達成後における、第二の管理目標と位置づけられています。8

日本の基準:脂質異常症の診断

ここで強調すべき重要な点は、以下の表にある数値は脂質異常症の状態をスクリーニングし、診断するための基準(スクリーニング基準)であるということです。これらはすべての人に適用される治療目標ではありません。専門家が警告するように、「治療基準と診断基準は異なります」。1 診断はあくまで第一歩であり、治療目標は後述する包括的なリスク評価に基づいて個別化されます。

以下の表は、日本の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」に基づく、脂質異常症の正式な診断基準をまとめたものです。8

脂質異常症の診断基準
脂質異常症のタイプ 指標 基準値 (mg/dL)
高LDLコレステロール血症 LDL-C ≥140
境界域高LDLコレステロール血症 LDL-C 120–139
低HDLコレステロール血症 HDL-C <40
高トリグリセリド血症 トリグリセリド(空腹時) ≥150
トリグリセリド(随時) ≥175
高non-HDLコレステロール血症 Non-HDL-C ≥170
境界域高non-HDLコレステロール血症 Non-HDL-C 150–169

注:「空腹時」は10時間以上の絶食後を指す。「随時」は空腹時であることが確認できない任意の時点を指す。9

この表における重要な概念は、LDL-CおよびNon-HDL-Cに対する「境界域」の存在です。8 この領域に指標がある人は、完全に正常とは見なされませんが、まだ疾患の診断基準には達していません。これは重要な「黄信号」、すなわち早期警告です。これらの個人に対しては、喫煙、高血圧、家族歴といった他のリスク因子を慎重に検討し、次の介入ステップを決定することが極めて重要になります。5 この境界域の存在こそが、単一のコレステロール指標だけでは臨床判断を下すには不十分であり、個別化されたリスク層別化の必要性へと自然につながる論理的な橋渡しとなるのです。

問題の核心:リスクに応じたコレステロール目標の個別化

ここが、「私のコレステロール値は、いくつであるべきか?」という中心的な問いに答える核心部分です。答えは、各個人の心血管リスクのレベルに基づいて脂質管理目標を設定することにあります。JASガイドライン2022年版では、この管理を主に「一次予防」と「二次予防」の二つのグループに分けています。

A. 一次予防

一次予防は、アテローム性動脈硬化による心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中など)の既往歴がない人々を対象とします。このグループの目標は、病気の発症と進行を未然に防ぐことです。JAS 2022のリスク層別化プロセスは以下のように行われます:

  1. 高リスク病態の特定:以下のいずれかの疾患を持つ個人は、自動的に高リスク群に分類されます。
    • 糖尿病
    • 慢性腎臓病 (CKD)
    • 末梢動脈疾患 (PAD)5
  2. 久山町研究スコアの使用:上記の病態がない人々に対しては、医師はこのスコアを用いて、今後10年間の動脈硬化性心血管疾患の発症リスクを推定します。スコアに基づき、患者は低リスク、中リスク、または高リスクに分類されます。5

JAS 2022の重要な改善点の一つは、従来の吹田スコアから久山町研究スコアへ変更したことです。主な理由は、久山町研究スコアが、欧米人と比較して日本人で比較的発生率が高いアテローム血栓性脳梗塞のリスクも評価に含んでいるためです。この変更は、国内の人口の疫学的特徴に最も適合するように評価ツールを洗練させようとする、日本の医学界の努力を示しています。510

リスク分類に基づき、脂質管理目標は以下のように定められます:

一次予防におけるリスク区分別脂質管理目標値
リスク分類 LDL-C目標値 (mg/dL) Non-HDL-C目標値 (mg/dL) 治療方針
低リスク <160 <190 生活習慣の改善が中心。LDL-Cが180以上の場合、薬物療法を考慮。
中リスク <140 <170 生活習慣の改善を行い、その上で薬物療法を考慮。
高リスク <120 <150 生活習慣の改善を行い、その上で薬物療法を考慮。

出典:JASガイドライン2022年版に基づく。8

この表は、なぜ単一の「正常値」が存在しないのかを視覚的に示しています。LDL-Cが135 mg/dLの人が低リスク群に属する場合、経過観察で十分かもしれませんが、同じLDL-C値を持つ別の人(例えば糖尿病を患っているなど)が高リスク群に属する場合、より積極的な介入が必要となります。

B. 二次予防

二次予防は、既にアテローム性動脈硬化による心血管イベントを経験した人々を対象とします。JAS 2022では、この定義が冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症)だけでなく、アテローム血栓性脳梗塞も含むように拡大されました。5

これらの患者では、イベント再発のリスクが非常に高くなります。そのため、現存するアテローム性プラークを安定させ、将来のイベントを防ぐために、コレステロール管理の目標ははるかに厳格になります。

  • 一般的な目標: LDL-C < 100 mg/dL。8
  • 超高リスク症例の目標:特にリスクが高いと見なされる患者に対しては、目標はさらに厳しくなります:LDL-C < 70 mg/dL。2 これらの症例には以下が含まれます:
    • 急性冠症候群
    • 家族性高コレステロール血症
    • 心血管疾患を既に発症している糖尿病患者8

一次予防の目標(例:高リスクで <120 mg/dL)と二次予防の目標(<100 mg/dLまたは <70 mg/dL)との間の明確な差は、重要な医学的メッセージを伝えています。それは、イベントが発生した後にそれをコントロールするよりも、病気を未然に防ぐ方が常に容易であるということです。これは、早期のスクリーニングと介入の重要性を強調しています。

国際的視点:日本(JAS)と米国(AHA/ACC)のガイドライン比較

理解をさらに深めるために、日本のアプローチを米国心臓協会/米国心臓病学会(AHA/ACC)などの国際的なガイドラインと比較することは非常に有益です。

2018年のガイドラインに示されたAHA/ACCのアプローチには、いくつかの注目すべき違いがあります。11 絶対的なLDL-C目標値を設定する代わりに、米国のガイドラインはLDL-Cの相対的な低下率に焦点を当てています。「低ければ低いほど良い(lower is better)」が基本原則であり、高リスク患者に対して高強度スタチン療法を用いてLDL-Cを50%以上低下させるなど、特定の割合でLDL-Cを低下させることを推奨しています。12

さらに、境界域または中等度リスクの人々の治療を決定する際、AHA/ACCガイドラインは「リスク増強因子(risk-enhancing factors)」と呼ばれる洗練された概念を用います。これらは、早期心血管疾患の家族歴、慢性腎臓病、慢性炎症性疾患(関節リウマチなど)、女性における妊娠高血圧腎症の既往歴などの因子です。これらの因子の存在は、スタチンによる治療開始の決定を後押しします。1213

アプローチ方法は異なって見えるかもしれませんが、両ガイドラインは共に同じ基本原則に基づいています。すなわち、介入の程度は患者のリスクレベルに見合っていなければならない、という点です。JASのアプローチ(絶対目標値の設定)は、日本の日常的な臨床現場でより直感的で適用しやすいかもしれません。対照的に、AHA/ACCのアプローチ(相対的な低下率)は、スタチンに関するランダム化比較試験(RCTs)の結果をより厳密に反映しています。14

食事性コレステロールに関しては、国際的な見解に変化が見られます。最近のAHAの指針では、食品(卵など)からのコレステロール摂取を厳格に制限することの重要性が以前より強調されなくなりました。15 その代わり、飽和脂肪酸の削減とトランス脂肪酸の完全な排除に重点が置かれています。なぜなら、これらが血中LDL-C濃度に与える影響がはるかに大きいからです。JAS 2022ガイドラインは、食事性コレステロールを1日200mg未満に制限する推奨を維持しています。8 しかし、飽和脂肪酸の少ない食事を遵守すれば、結果的に食事性コレステロールの摂取量も自然に管理されることが多い点に留意すべきです。

あなたの行動計画:生活習慣でコレステロールを管理する

生活習慣の改善は、脂質異常症のすべての予防および治療戦略の基盤です。薬物療法が必要な場合でも、健康的な生活習慣を維持することは、治療効果を最大化し、全体的なリスクを低減するために不可欠です。JASガイドライン2022年版は、具体的でエビデンスに基づいた推奨事項を提示しています。

A. 食事療法

食事療法は、血中脂質管理において中心的な役割を果たします。以下の原則は、JAS 2022ガイドラインから要約され、日本の大規模な疫学研究によって裏付けられています。

脂質管理のための栄養原則
栄養原則 具体的な推奨
エネルギー摂取量の管理 適正体重を維持する。過食を避ける。
脂質の制限 総エネルギーの20-25%を脂質から摂取する。
飽和脂肪酸の削減 総エネルギーの7%未満を飽和脂肪酸から摂取する。動物性脂肪(脂身の多い肉、バター)を控える。
コレステロールの制限 食事性コレステロール摂取量を1日200 mg未満にする。卵黄、内臓を控える。
トランス脂肪酸の排除 「部分水素添加油脂(partially hydrogenated oils)」を含む製品を避ける。
健康的な食品の増強 魚(n-3系脂肪酸が豊富)、野菜(特に葉物野菜)、大豆・大豆製品、海藻、未精製の穀物の摂取を増やす。
糖分と塩分の管理 甘いもの、糖分の多い清涼飲料水を控える。食塩摂取量を1日6 g未満にする。
アルコールの制限 アルコール摂取量を1日25 g未満にする。

出典:JASガイドライン2022年版に基づく。8

これらの推奨事項は、日本の研究によって強力に支持されています。複数のコホート研究のメタアナリシスでは、魚、大豆、野菜、緑茶の摂取量が多いことを特徴とする日本食パターンの遵守が、心血管疾患および脳卒中による死亡リスクの有意な低下と関連していることが示されました。1617 ある臨床試験では、JASが推奨する日本食パターンがLDL-Cを有意に低下させることが示されています。18 これは興味深い「逆説」を示唆しています。過去数十年にわたり日本人の平均コレステロール値は上昇しているにもかかわらず、冠動脈心疾患による死亡率は欧米諸国と比較して依然として低い水準にあります。19 これを説明する主要な仮説の一つが、伝統的な食事からの保護因子です。

B. 運動療法

定期的な身体活動は、脂質プロファイルの改善、血圧と体重の管理、心血管リスクの低減に役立ちます。

  • 種類:速歩、軽いジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動(エアロビクス)を優先する。
  • 強度:中強度以上。中強度は、心拍数と呼吸数が上がるが、会話は可能な程度の速歩に相当する。
  • 頻度と時間:1日合計30分以上、できれば週のほとんどの日に行う。810

C. その他の生活習慣因子

  • 禁煙:喫煙は最も強力な心血管リスク因子の一つです。血管壁を直接傷つけるだけでなく、HDL-C(「善玉コレステロール」)を減少させます。JAS 2022ガイドラインでは、糖尿病患者の喫煙は、より厳格なLDL-C管理(<100mg/dL)が必要となる因子とされています。5
  • 適正体重の維持:過体重や肥満の人が減量すると、特にトリグリセリドとHDL-Cの脂質指標が大幅に改善する可能性があります。
  • アルコールの制限:過度の飲酒は、トリグリセリドと血圧を上昇させる可能性があります。

よくある質問 (FAQ)

コレステロールの「正常値」はいくつですか?

医学的には、すべての人に適用される単一の「正常値」というものは存在しません。健康的なコレステロールの目標値は、年齢、性別、喫煙の有無、高血圧や糖尿病などの他の病気の有無といった、個人の総合的な心血管リスクによって決定されます。医師と相談し、あなた自身のリスクに基づいた個別の目標値を知ることが重要です。1

LDLコレステロールが境界域(120-139 mg/dL)の場合はどうすればよいですか?

LDLコレステロールがこの範囲にある場合、それは「黄信号」と見なされます。直ちに病気と診断されるわけではありませんが、リスクが全くないわけでもありません。この段階では、医師があなたの他のリスク因子(例えば、家族歴、喫煙、高血圧など)を総合的に評価し、生活習慣の改善を始めるべきか、あるいはより詳しい検査が必要かを判断します。自己判断せず、専門家のアドバイスを求めることが不可欠です。8

食事で卵を完全に避けるべきですか?

近年の栄養学では、食事から摂取するコレステロール(卵など)そのものよりも、血中のLDL(悪玉)コレステロールを上昇させる力が強い飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取を減らすことのほうが重要だと考えられています。15 日本のガイドラインでは食事性コレステロールを1日200mg未満に抑えることが推奨されていますが8、健康な人であればバランスの取れた食事の一部として適度に卵を食べることは問題ないとされています。心配な場合は、管理栄養士や医師に相談するのが良いでしょう。

結論:健やかな心臓への道

コレステロールを理解し管理することは、患者と医療専門家の間の緊密な協力が求められる、個別化された旅路です。この分析から心に留めておくべき主要な点は以下の通りです。

  • 単一の「正常値」は存在しない:固定された数値を探すのではなく、あなた自身の心血管リスクプロファイルに基づいた、個別化されたコレステロール目標に焦点を当てましょう。
  • 自身の危険度を理解する:最も重要なステップは、医師と話し合い、日本動脈硬化学会(JAS 2022)のガイドラインに従って正確にリスク層別化を受けることです。これが適切な治療目標を決定するための基盤となります。
  • 生活習慣が基盤:魚、野菜、大豆製品が豊富な日本食スタイルの健康的な食事、定期的な運動、そして禁煙を組み合わせることは、心臓の健康を守るための最も強力で効果的な介入策です。
  • 定期的な健康診断:血中脂質指標やその他のリスク因子を定期的に追跡することは、問題を早期に発見し、時機を逸せず介入するための鍵です。

最後に、検査結果を自己判断したり、非公式な情報に基づいて自己治療を行ったりすべきではありません。この分析を、医師や医療専門家とより効果的で深い対話を行うための基礎知識としてご活用ください。それこそが、健やかな心臓を目指すための、最も科学的で持続可能な道筋なのです。

免責事項この記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスに代わるものではありません。健康上の問題や症状がある場合は、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

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