【科学的根拠に基づく】男性の性欲を科学する:正常な個人差から専門家への相談が必要なケースまで、完全ガイド
性的健康

【科学的根拠に基づく】男性の性欲を科学する:正常な個人差から専門家への相談が必要なケースまで、完全ガイド

「パートナーの性欲が強すぎるのではないか」「自分の性的欲求は正常なのだろうか」― このような疑問は、多くの人が一度は抱く可能性のある、非常に個人的で繊細なものです。しかし、人間の性的欲求は「強いか弱いか」という単純な物差しでは測れない、極めて複雑な現象です。それは生物学的、心理的、そして社会的要因が複雑に絡み合い、生涯を通じて変動する、まさにスペクトラム(連続体)と言えるものです。JAPANESEHEALTH.ORG編集委員会は、この深遠なテーマに対し、信頼できる道標を提供することを使命とします。本記事は、最新の医学的知見と科学的根拠にのみ基づき、男性の性的欲求を動かす内部メカニズム、それが示す幅広い「正常」の範囲、そして医学的な観点から注意が必要となる可能性のある状態までを、包括的かつ深く解説します。読者の皆様がご自身の状態を正しく理解し、不必要な不安から解放され、より健全な自己認識を得るための一助となることを目指します。


この記事の科学的根拠

本記事は、入力された研究報告書に明示的に引用されている、最高品質の医学的エビデンスにのみ基づいて作成されています。以下にリストされているのは、実際に参照された情報源の一部と、それらが本記事で提示される医学的指針とどのように関連しているかについての説明です。

  • 世界保健機関(WHO): 強迫的性行動症(CSBD)に関する記述は、WHOの国際疾病分類第11版(ICD-11)の定義と診断基準に基づいています1012。これは、健康的な強い性欲と臨床的な懸念を区別するための国際的な基準です。
  • 日本性機能学会(JSSM): 日本人男性の性機能に関する最新の統計データ(例:勃起不全の有病率や性交渉頻度)は、同学会が発表した2024年の全国調査の結果を引用しています55。これにより、日本の読者特有の文脈を提供しています。
  • 査読付き学術論文(PubMed掲載): 性欲の生物・心理・社会的決定要因に関する議論は、複数の査読付き論文、特に統合的モデルを検証した研究56や、テストステロン補充療法の効果を検証したメタアナリシス17など、質の高い科学的根拠に基づいています。

要点まとめ

  • 男性の性的欲求は、テストステロンなどの生物学的要因だけでなく、思考や信念といった心理的要因、ストレスや人間関係などの社会的要因が複雑に影響し合う「生物・心理・社会モデル」で理解されます5
  • 性的欲求のレベルには非常に大きな個人差があり、「正常」とされる範囲は極めて広いです。欲求が強いこと自体は、本質的に問題ではありません4
  • 医学的に懸念されるのは欲求の「強さ」ではなく、「コントロールの喪失」です。これが著しい苦痛や生活への支障をきたす場合、世界保健機関(WHO)は「強迫的性行動症(CSBD)」と定義しています12
  • 最新の全国調査では、日本人男性の性交渉頻度が低い傾向にある一方、自慰行為の頻度は維持されており、「欲求はあるが行動に至らない」という乖離が示唆されています55
  • 性的欲求に関する悩みは一人で抱え込まず、泌尿器科や精神科、カウンセリングなど、信頼できる専門家へ相談することが重要です。

第1部:男性の性欲を動かす「エンジン」とは?- 生物学的要因

男性の性的欲求の根底には、ホルモンと神経伝達物質が織りなす精巧な生物学的メカニズムが存在します。しかし、その働きは一般的に考えられているよりもはるかに複雑です。神話や誤解を排し、科学的な視点からその「エンジン」の仕組みを解き明かします。

1-1. テストステロンだけではないホルモンの役割

テストステロンは、一般的に「男性ホルモン」として知られ、性的欲求の維持に不可欠な役割を担っています15。実際に、医学的な理由でテストステロン値が著しく低い「性腺機能低下症」の男性に対してテストステロン補充療法(TRT)を行うと、性的欲求が改善することが多くの研究で示されています17。しかし、ここには重要な注意点があります。複数のメタアナリシス(複数の研究結果を統合して分析する手法)を検証した結果、もともとテストステロン値が正常範囲内にある男性においては、TRTによる性欲の向上効果は限定的であるか、ほとんど見られないことが明らかになっています1718。これは、「テストステロンが多ければ多いほど性欲が強くなる」という広く信じられている俗説が、科学的には正確ではないことを示しています。

さらに、しばしば見過ごされがちですが、男性の性的活動を完全に駆動させるためには、もう一つの重要なプロセスが存在します。それは、テストステロンが脳内でアロマターゼという酵素の働きによって、女性ホルモンの一種であるエストロゲン(特にエストラジオール)に変換されることです22。マウスを用いた実験では、遺伝子操作によって脳内のアロマターゼを欠損させると、血中のテストステロン値が高いにもかかわらず、性的活動が著しく低下することが確認されています23。この事実は、男性の性欲が単純な「テストステロン中心主義」では説明できず、複数のホルモンが協調して働く、より洗練されたシステムであることを物語っています。

1-2. 脳内の化学反応:ドーパミン、セロトニン、オキシトシン

ホルモンが燃料だとすれば、脳内の神経伝達物質はアクセルとブレーキ、そして運転を円滑にする潤滑油のような役割を果たします。性的欲求は、これらの物質の絶妙なバランスによって制御されています24

  • ドーパミン(アクセル信号): ドーパミンは、脳の報酬系回路(中脳辺縁系や視床下部など)で作用し、意欲、動機付け、そして快感を司る主要な神経伝達物質です26。性的な刺激に触れたときに感じる興奮や「やりたい」という気持ちは、ドーパミンの放出によって引き起こされます。まさに性欲の「アクセル」と言えるでしょう28
  • セロトニン(ブレーキ信号): 一方、セロトニンは主に抑制的に働き、満足感や安心感をもたらします。性欲においては「ブレーキ」の役割を担っており、その働きは選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)として知られる抗うつ薬の副作用からもうかがい知ることができます。SSRIは脳内のセロトニン濃度を高めることでうつ症状を改善しますが、その一般的な副作用として性欲の減退が報告されています2632。これは、セロトニンが過剰になると、ドーパミンによる興奮が抑制されるためと考えられています。
  • オキシトシン(「絆」の信号): 「愛情ホルモン」や「抱擁ホルモン」として知られるオキシトシンは、性的興奮時やオーガズムの際に視床下部から放出されます33。オキシトシンは、性的な快感を高めるだけでなく、パートナーとの心理的な親密さや絆の感覚を深める役割を果たします35。また、勃起を促進する作用も報告されており29、性的な体験全体を豊かにする重要な物質です。

これらの生物学的な要因は、性的欲求の「ハードウェア」を構成しています。しかし、このハードウェアの性能を最大限に引き出すか、あるいは制限してしまうかは、次にご紹介する心理的・関係的要因という「ソフトウェア」に大きく依存しているのです。

第2部:心が性欲を左右する – 心理的・関係的要因

生物学的な基盤が正常であっても、私たちの心、つまり思考や感情、そして人間関係が性的欲求に与える影響は、時に生物学的な要因を凌駕するほど強力です。近年の研究は、この「ソフトウェア」の役割の重要性を次々と明らかにしています。

2-1. 最も強力な予測因子は「思考」

驚くべきことに、男性の性的欲求の個人差を最も強力に予測するのは、ホルモン値や年齢といった生物学的要因ではなく、個人の認知、つまり「思考のあり方」であるという画期的な研究結果が報告されています56。これは、私たちの頭の中にあるものが、身体の反応を直接的に支配することを示唆しています。具体的には、以下のような認知要因が性欲の低下と強く関連していることが分かっています。

  • 性に対する否定的な信念: 「性は汚らわしいものだ」「性欲を持つべきではない」といった、性に対して制限的・否定的な考え方。
  • 勃起に関する懸念: 「ちゃんと勃起できるだろうか」「途中で萎えてしまったらどうしよう」といった、性行為のパフォーマンスに対する過度な不安。
  • 非エロティックな思考: 性行為の最中に、仕事のことや他の悩み事など、性的でない思考に気を取られてしまう「注意散漫」の状態。

これらの認知的な壁は、生物学的な衝動が自然に湧き上がるのを妨げ、性欲という炎を消してしまうのです5

2-2. ストレス、不安、うつ病の影響

現代社会において多くの人が経験する心理的な不調も、性欲に直接的な影響を及ぼします。特に、慢性的なストレス、不安障害、うつ病は、性欲減退の主要な原因となり得ます4。ストレスを感じると、体内で「ストレスホルモン」であるコルチゾールが分泌されます。コルチゾールとテストステロンはシーソーのような関係にあり、コルチゾールのレベルが慢性的に高い状態が続くと、テストステロンの産生が抑制される可能性があります40。また、うつ病や不安障害は、それ自体が意欲や快感を感じる能力を低下させるため、性的な関心も失われやすくなります。

2-3. パートナーシップの質

男性の性的欲求は、真空状態で存在するわけではありません。特に、長期的なパートナーシップにある場合、その関係の質は性欲を大きく左右する決定的な要因となります4。コミュニケーションの不足、解決されない対立、感情的な距離感、信頼感の欠如などは、生物学的な衝動があったとしても、それをパートナーに向けようという気持ちを削いでしまいます。性欲の低下が、実はパートナーとの関係における未解決の問題の表れであるケースは少なくありません。逆に、良好なコミュニケーションと情緒的な親密さは、性欲を育むための豊かな土壌となるのです。

第3部:生活習慣が作る性欲の土台 – ライフスタイル要因

「性的健康は全身の健康を映す鏡である」という言葉があります7。これは、日々の生活習慣が、身体全体の健康状態を通じて、性的欲求や性機能に直接的な影響を与えることを意味します。ここでは、読者の皆様が今日から実践できる、性欲の土台を築くための具体的なライフスタイル改善策を解説します。

  • 食事: 栄養バランスの取れた食事は、健康なホルモンレベルと良好な心血管機能を維持するための基本です。特に、地中海式食事に代表されるような、野菜、果物、全粒穀物、良質な脂肪(オリーブオイルや魚油など)、赤身の肉を適度に摂取する食生活が推奨されます8。逆に、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含む超加工食品や高脂肪食は、肥満や心血管疾患のリスクを高めるだけでなく、精子の質を低下させ、テストステロンレベルの低下と関連することが示唆されています4243
  • 運動: 定期的な運動、特に有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせは、血流を改善し、心血管系を強化し、ストレスを軽減し、気分を向上させるなど、複数の経路を通じて性欲に良い影響を与えます。また、適度な運動はテストステロンレベルを高める効果も報告されています840
  • 睡眠: 質の高い十分な睡眠は、テストステロン産生を含むホルモンバランスの調整に極めて重要です。テストステロンは主に睡眠中に分泌されるため、睡眠不足や睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群など)は、テストステロンレベルを著しく低下させ、性欲減退の直接的な原因となり得ます40
  • 体重管理: 過体重や肥満は、2型糖尿病や心血管疾患のリスクを高めるだけでなく、脂肪組織でテストステロンがエストロゲンに変換されるのを促進するため、テストステロン値を低下させる可能性があります。適正体重を維持することは、健康なホルモンバランスを保つ上で重要です8
  • 慢性疾患と薬剤: 糖尿病、心血管疾患、腎不全、インフルエンザのような全身性の疾患は、それ自体が性欲を抑制することがあります4。また、降圧薬、一部の抗うつ薬、前立腺疾患治療薬、スタチン(コレステロール低下薬)など、日常的に使用される多くの薬剤が、副作用として性欲を低下させる可能性があることを知っておくことも大切です432。薬剤による変化が疑われる場合は、自己判断で中断せず、必ず処方した医師に相談してください。

第4部:「性欲が強い」は病気? – 正常な個人差と臨床的障害の境界線

この記事の核心部分として、読者の皆様が最も知りたいであろう疑問、「自分の性欲は正常なのか?」に答えていきます。ここでは、まず「正常」とされる範囲が非常に広いことを理解した上で、どのような場合に医学的な懸念が生じるのか、その明確な境界線を世界保健機関(WHO)の公的な基準に基づいて解説します。

4-1. 「普通」の範囲は人それぞれ

まず、最も重要なことは、性的欲求に単一の「正しい」レベルや「普通」の基準は存在しないという事実です4。性欲の強さは、指紋のように人それぞれ異なり、また同じ個人の中でも年齢、健康状態、ストレスレベル、パートナーとの関係性といった無数の要因によって、生涯を通じて波のように変動するのが自然な姿です8。したがって、他者と比較して性欲が強い、あるいは弱いと感じること自体は、それが個人的に著しい苦痛を引き起こしたり、人間関係に深刻な問題をもたらしたりしない限り、病的なものでも異常なものでもありません。それは、人間の多様性における正常なバリエーションの一つなのです。

4-2. 懸念すべきサイン:強迫的性行動症(CSBD)とは

「性欲が強すぎる」ことが真に懸念となるのは、欲求の「強度」そのものではなく、その欲求に対する「コントロールを失っている」場合です。これが、健康で強い性欲と、臨床的な介入が必要となる可能性のある障害とを分ける決定的な違いです。

世界保健機関(WHO)は、その国際疾病分類第11版(ICD-11)において、この状態を「強迫的性行動症(Compulsive Sexual Behaviour Disorder, CSBD)」という正式な診断名で定義しています(コード:6C72)10。重要なのは、これが「性依存症」という俗称とは異なり、「依存症」ではなく「衝動制御障害群」に分類されている点です。つまり、問題の本質は、薬物依存のように特定の物質に依存することではなく、自らの性的な衝動や行動を制御できないことにあります12

ICD-11に基づくCSBDの主な診断基準は以下の通りです。これらの特徴が長期間(例:6ヶ月以上)持続し、結果として著しい苦痛や生活上の重大な機能障害を引き起こしている場合に診断が考慮されます。

  • コントロールの喪失: 強い、反復性の性的衝動や欲求を制御できないという持続的なパターンがあり、結果として反復的な性行動に至る。
  • 生活の中心化: 反復的な性行動が生活の中心となり、健康、個人のケア、その他の興味、活動、責任といった重要な事柄が疎かになる。
  • 制御の失敗: 性行動を制御したり、大幅に減らしたりしようとする試みが何度も失敗に終わる。
  • 悪影響下の継続: 人間関係の破綻、仕事や学業上の問題、法的な問題といった否定的な結果が生じているにもかかわらず、あるいはその行動からほとんど、あるいは全く満足感が得られなくなっているにもかかわらず、反復的な性行動を続ける。

WHOはまた、重要な除外基準を設けています。それは、苦痛が、性的な衝動や行動そのものではなく、それらに対する単なる道徳的な判断や社会的な不承認に「のみ」関連している場合は、CSBDとは診断されないという点です12。これは、非標準的であっても合意に基づく健全な性的嗜好が、不当に病理化されることを防ぐための重要な規定です。

以下の比較表は、健康的な強い性欲とCSBDとの違いを理解する助けとなります。

表1:強い性欲 vs. 強迫的性行動症(CSBD)の比較
特徴 強い(しかし健康的な)性的欲求 強迫的性行動症(CSBD)(ICD-11準拠)
中核となる経験 性に対する強い関心や興味8 強い性的衝動をコントロールできない失敗のパターン12
主な動機 快楽、親密さ、つながり、ストレス解消 強迫観念、衝動の緩和、不安の軽減
コントロール 生活に統合可能。衝動を行動に移すか否かを選択できる。 行動を制御・削減しようとする試みが何度も失敗する12
生活への影響 一般的に肯定的または中立的。生活を豊かにする。 著しい苦痛、または個人的・家庭的・社会的・職業的機能における重大な障害を引き起こす12
満足度 性的活動は通常、満足のいくものである。 ほとんど、あるいは全く満足感が得られなくても行動を続ける12
臨床的状態 人間のセクシュアリティにおける正常なバリエーション。 WHOのICD-11で認められた衝動制御障害10

第5部:日本の男性が直面する現実 – データと文化的背景

男性の性的欲求に関する議論は、その社会の文化的な文脈と切り離して考えることはできません。日本の読者にとって真に意味のある情報を提供するためには、日本の現代的な性の実態と、その背景にある文化的な特徴を理解することが不可欠です。

データが示す日本の性

近年の複数の全国調査は、日本の男性が置かれている複雑な状況を浮き彫りにしています。特に注目すべきは、欧米諸国と比較して性的に不活発な傾向が見られる一方で、それが必ずしも性欲の欠如を意味しないという「ギャップ」の存在です。

日本性機能学会が2024年に発表した25年ぶりの大規模調査によると、驚くべきことに日本人男性の45.7%が性交渉を年に1回以下しか行っておらず、いわゆる「セックスレス」の状態にあることが示されました55。しかし同時に、自慰行為の頻度は高い水準で維持されており、これは「性的な欲求や関心はあるものの、実際の性交渉には至っていない」という実態を示唆しています55。この欲求と行動の乖離は、日本の男性が抱える問題の根源が、パートナーシップの問題、機会の欠如、あるいはパフォーマンスへの不安など、生物学的な欲求以外の要因にある可能性を示しています。

以下の表は、近年の調査から明らかになった日本の男性の性に関する健康統計の概要です。

表2:日本の男性の性に関する健康統計(2022-2024年調査)
指標 統計データ 主な対象層・特記事項 出典
勃起不全(ED)有病率 約30.9%(約1400万人) 20-24歳の有病率(26.6%)が50-54歳(27.8%)とほぼ同等という驚きの結果。 55
性交渉頻度(年1回以下) 45.7% 全年代の男性。 55
過去1年間の性交渉なし 44.5% (20-49歳) 20-29歳男性で最も高い(55.1%)。 52
自慰行為の頻度 「毎日~月1回程度」が多数派 全年代の男性。欲求が行動(性交渉)に結びついていない可能性を示唆。 55
性欲低下の悩み 30代後半男性の62%が実感 年齢とともに増加。仕事や家庭のストレス、自信喪失が原因として挙げられる。 59

文化的な背景:「男らしさ」のプレッシャー

男性の性的欲求は、その社会が持つ「男らしさ(マスキュリニティ)」の規範に強く影響されます。現代の日本では、「稼ぎ手としての役割」や「常に有能であるべき」といった社会的期待が、男性に無言のプレッシャーを与えています72。このような文化的圧力は、「男なら常に性的に有能でなければならない」という非現実的な期待を生み出し、逆説的にパフォーマンス不安を引き起こし、EDや性欲低下の原因となり得ます。ある学術的なレビューでは、「ジェンダー役割や男らしさの性的脚本に関連する認知要因」が、低い性的欲求の重要な予測因子として特定されています6。この記事で解説した「思考が性欲を左右する」という事実は、こうした文化的なプレッシャーによって、より深刻な形で現れる可能性があるのです。

第6部:いつ、どこに相談すればよいか?

性的欲求に関する悩みは非常にプライベートなものであり、誰に相談すればよいか分からず、一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。しかし、専門家の助けを求めることは、問題を解決するための重要で建設的な一歩です。ここでは、どのような場合に受診を検討すべきか、そしてどこに相談すればよいかの目安を具体的に示します。

受診を検討すべきサイン

以下のような状況に当てはまる場合は、専門家への相談を検討することをお勧めします。

  • 性的欲求のレベル(強すぎる、あるいは弱すぎる)が、ご自身やパートナーにとって著しい苦痛の原因となっている。
  • 性的な衝動や行動がコントロールできず、仕事や学業、人間関係、法的な側面で具体的な問題が生じている(強迫的性行動症の可能性)。
  • 性欲の急激な変化とともに、疲労感、気分の落ち込み、筋力低下といった他の身体症状が見られる(加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)などの可能性14)。
  • 勃起不全(ED)や射精障害など、他の性機能の問題を伴う。EDは心血管疾患の初期症状である可能性も指摘されています13

主な相談先

悩みの内容に応じて、適切な相談先は異なります。

  • 泌尿器科: ED、射精障害、LOH症候群の疑いなど、身体的な問題やホルモンの異常が考えられる場合の第一選択となります。日本泌尿器科学会13や日本性機能学会55は、ED診療に関するガイドラインを発行しており、専門的な診断と治療が期待できます。
  • 精神科・心療内科: 悩みや苦痛が主に心理的な要因(うつ病、不安障害など)に起因する場合や、強迫的性行動症(CSBD)が疑われる場合に適しています。薬物療法や精神療法を通じて問題にアプローチします。
  • カウンセリング(公認心理師・臨床心理士): パートナーとの関係性の問題、性に対する認知の歪み、ストレス管理など、心理的な側面からのサポートを求める場合に有効です76。医療機関と連携しているカウンセリングルームもあります。

医療機関への相談に抵抗があるかもしれませんが、専門家は多くの同様のケースに対応しており、プライバシーを尊重しながら最善の解決策を一緒に探してくれます。勇気を出して一歩を踏み出すことが、状況を改善する鍵となります。

よくある質問

性欲が強いのは、テストステロン値が高いからですか?

必ずしもそうとは言えません。テストステロンは性欲に不可欠ですが、その値が正常範囲内にある場合、テストステロンの量と性欲の強さが単純に比例するわけではないことが分かっています17。性欲は、ホルモンだけでなく、ドーパミンやセロトニンといった脳内の神経伝達物質のバランス、さらには個人の思考、ストレスレベル、パートナーとの関係など、心理・社会的要因に大きく影響されます5

性欲の強さに「正常値」はありますか?

医学的に「正常」とされる性欲のレベルは存在しません。性欲には非常に大きな個人差があり、また一人の人間の中でも生涯を通じて変動するのが自然です4。重要なのは、その性欲のレベルが本人やパートナーにとって苦痛になっていないか、また生活に支障をきたしていないかという点です。

性欲が強すぎて悩んでいます。これは「性依存症」ですか?

「性依存症」は俗称であり、WHOの正式な診断名は「強迫的性行動症(CSBD)」です10。問題となるのは欲求の強さ自体ではなく、「コントロールの喪失」です。つまり、性的な衝動や行動を自分で制御できず、その結果として人間関係や仕事などに深刻な悪影響が出ているにもかかわらず、その行動をやめられない状態を指します12。単に性欲が強いだけで、生活をコントロールできている場合は、CSBDには該当しません。

年齢とともに性欲は必ず衰えるものですか?

加齢に伴いテストステロンが緩やかに減少するため、性欲が低下する傾向は多くの男性に見られます。日本の調査でも、30代以降に性欲の低下を実感する男性が増えることが報告されています5859。しかし、その程度には個人差が大きく、良好な健康状態、ストレスの少ない生活、良好なパートナーシップを維持することで、高齢になっても健康的な性的関心を保つことは十分に可能です。

性欲を高めるサプリメントは効果がありますか?

マカや亜鉛などの成分を含むサプリメントが市販されていますが、その効果に関する科学的根拠は限定的です。一部の研究で性欲改善効果が示唆されているものもありますが、テストステロン値を直接増加させるなどの明確な効果が大規模な臨床試験で証明されているものはほとんどありません82。サプリメントに頼る前に、本記事で解説した食事、運動、睡眠といった生活習慣の改善に取り組むことが、より確実で健康的なアプローチです。補完代替医療の利用にあたっては、標準的な医療を代替するものではないことを理解し、厚生労働省などの公的な情報を参考にすることが重要です85

結論

男性の性的欲求は、単純な強弱の指標では測れない、深く多層的な人間の経験です。本記事で見てきたように、それはテストステロンやドーパミンといった生物学的な「ハードウェア」と、私たちの思考、感情、ストレス、そして人間関係という心理・社会的な「ソフトウェア」が織りなす、複雑なタペストリーに他なりません。特に、認知的な要因が性欲のレベルを強力に規定するという事実は、私たちが自身の内面と向き合うことの重要性を示唆しています。

この記事の最も重要なメッセージは、性的欲求が強いこと自体は病気でも異常でもなく、人間の多様性における一つの側面に過ぎないということです。医学的に、そして倫理的に問われるべきは、その欲求が「コントロールできているか」、そして「本人や他者に苦痛や実害をもたらしていないか」という点に尽きます。世界保健機関が定める「強迫的性行動症」の基準は、この境界線を理解するための客観的な指標となります。

日本の男性が直面する「欲求と行動のギャップ」や文化的プレッシャーという特有の文脈を理解することもまた、自己認識を深める上で不可欠です。ご自身の性的欲求について悩みを抱えているのであれば、それは決して恥ずべきことではありません。一人で抱え込まず、本記事で示したような信頼できる情報源を参考にし、必要であれば泌尿器科、精神科、あるいはカウンセラーといった専門家に相談する勇気を持ってください。自身の性を正しく理解し、コントロールすることは、より豊かで健康的な人生を送るための重要な鍵となるのです。

免責事項本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言を構成するものではありません。健康に関する懸念や、ご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

  1. ジークムント・フロイト. Wikipedia. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%A0%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%88
  2. フロイトとユングの分岐における – 〈人類の先史としての子ども〉. 東京大学学術機関リポジトリ. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/record/31440/files/KJ00004259181.pdf
  3. フロイトの意識・前意識・無意識、超自我・自我・イドと発達理論. メンタルケア研究室. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://mentalcare-lab.com/unconscious/
  4. Dean J, Incrocci L. Assessing and managing male sexual problems. BMJ. 2004;329(7458):159-62. Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC1070726/
  5. Carvalho J, Nobre P. Biopsychosocial determinants of men’s sexual desire: testing an integrative model. J Sex Med. 2011;8(3):754-63. doi:10.1111/j.1743-6109.2010.02157.x. PMID: 21176114.
  6. Carvalho J, Vieira AL, Nobre P. Male Sexual Desire: An Overview of Biological, Psychological, and Relational and Sociocultural Factors. Sex Med Rev. 2019;7(2):296-307. doi:10.1016/j.sxmr.2018.11.001. PMID: 30803921.
  7. Mao J, Li Y, Zhou X, Tao J, Wang H. What Affects Male Sexual Activity: A Comprehensive Review. Open Journal of Urology. 2023;13(2):59-71. doi: 10.4236/oju.2023.132007.
  8. Felman A. 10 natural ways to boost libido (sex drive). MedicalNewsToday. [Internet]. 2023 Dec 19 [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.medicalnewstoday.com/articles/323918
  9. Isidori AM, Buvat J, Corona G, Goldstein I, Jannini EA, Tiefer L, et al. Standard operational procedures for low sexual desire in men. J Sex Med. 2012;9(11):2717-30. doi:10.1111/j.1743-6109.2012.02924.x. PMID: 22971157.
  10. Compulsive sexual behaviour disorder. Wikipedia. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://en.wikipedia.org/wiki/Compulsive_sexual_behaviour_disorder#:~:text=This%20disorder%20can%20also%20cause,rather%20than%20%22sexual%20addiction%22.&text=CSBD%20is%20recognised%20by%20the,disorder%20in%20the%20ICD%2D11.
  11. Hypoactive sexual desire disorder. Wikipedia. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://en.wikipedia.org/wiki/Hypoactive_sexual_desire_disorder
  12. 6C72 Compulsive sexual behaviour disorder. ICD-11 MMS. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.findacode.com/icd-11/code-1630268048.html
  13. ED診療ガイドライン[第3版]. Mindsガイドラインライブラリ. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00469/
  14. LOH 症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き. 日本泌尿器科学会. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/44_loh.pdf
  15. Testosterone. Wikipedia. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://en.wikipedia.org/wiki/Testosterone
  16. 男性の性腺機能低下症 ガイドライン 2022. 日本小児内分泌学会. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://jspe.umin.jp/medical/files/guide20230217.pdf
  17. Boloña ER, Uraga MV, Haddad RM, Tracz MJ, Sideras K, Kennedy CC, et al. Testosterone use in men with sexual dysfunction: a systematic review and meta-analysis of randomized placebo-controlled trials. Mayo Clin Proc. 2007;82(1):20-8. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK74209/
  18. Isidori AM, Giannetta E, Gianfrilli D, Greco EA, Bonifacio V, Aversa A, et al. Effects of testosterone on sexual function in men: results of a meta-analysis. Clin Endocrinol (Oxf). 2005;63(4):381-94. doi:10.1111/j.1365-2265.2005.02350.x. PMID: 16181230.
  19. Saad F, Aversa A, Isidori AM, Zafalon L, Zitzmann M, Gooren L. Testosterone as potential effective therapy in treatment of obesity in men with testosterone deficiency: a review. Curr Diabetes Rev. 2012;8(2):131-43. PMID: 22260533.
  20. Corona G, Rastrelli G, Morgentaler A, Sforza A, Mannucci E, Maggi M. Meta-analysis of Results of Testosterone Therapy on Sexual Function Based on International Index of Erectile Function Scores. Eur Urol. 2017;72(6):1000-11. doi:10.1016/j.eururo.2017.04.007. PMID: 28434676.
  21. Isidori AM, Buvat J, Corona G, Goldstein I, Jannini EA, Tiefer L, et al. Testosterone supplementation and sexual function: a meta-analysis study. J Sex Med. 2014;11(4):1042-56. doi:10.1111/jsm.12456. PMID: 24697970.
  22. Pfaus JG. Sex drive and sexual desire. Curr Opin Behav Sci. 2015;3:101-7. doi:10.1016/j.cobeha.2015.03.003. PMID: 26382159.
  23. Libbey M. Site of Male Sexual Desire Uncovered in Brain. Neuroscience News. [Internet]. 2020 Oct 21 [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://neurosciencenews.com/male-sexual-desire-17004/
  24. Pfaus JG. Neurobiology of Sexual Response in Men and Women. J Sex Med. 2006;3(Suppl 4):103-12. Available from: https://www.researchgate.net/publication/6915570_Neurobiology_of_Sexual_Response_in_Men_and_Women
  25. Oracle D. What neurochemicals and brain areas are involved in regulating libido (sex drive)?. droracle.ai. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.droracle.ai/articles/2983/neurochemicals-and-brain-areas-involved-in-libido
  26. Covey T, Clayton A. Circuits of Sexual Desire in Hypoactive Sexual Desire Disorder. Psychiatrist.com. [Internet]. 2017 Aug 1 [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.psychiatrist.com/jcp/circuits-sexual-desire-hypoactive-sexual-desire-disorder/
  27. Clayton AH, El Khayat H, Kingsberg SA, Althof S. An Overview of Hypoactive Sexual Desire Disorder: Physiology, Assessment, Diagnosis, and Treatment. Innov Clin Neurosci. 2021;18(10-12):39-49. PMID: 35003882; PMCID: PMC8673442.
  28. Correa-Alves E, Melis MR, Argiolas A. Dopamine, Erectile Function and Male Sexual Behavior from the Past to the Present: A Review. Int J Mol Sci. 2022;23(14):7744. doi:10.3390/ijms23147744. PMID: 35887093; PMCID: PMC9312911.
  29. Melis MR, Argiolas A. Dopamine and Male Sexual Function. J Sex Med. 2011;8(3):638-51. Available from: https://www.researchgate.net/publication/11554525_Dopamine_and_Male_Sexual_Function
  30. Dopamine and Sex: What’s the Connection?. Good Health by Hims. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.hims.com/blog/dopamine-and-erectile-dysfunction
  31. What Is Libido in a Man? Male Sex Drive. MedicineNet. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.medicinenet.com/what_is_libido_in_a_man/article.htm
  32. Taylor MJ, Rudkin L, Hawton K. Drug-induced sexual dysfunction in men and women. Australian Prescriber. 2013;36:9-11. Available from: https://australianprescriber.tg.org.au/articles/drug-induced-sexual-dysfunction-in-men-and-women.html
  33. Melis MR, Argiolas A. Oxytocin, Erectile Function and Sexual Behavior: Last Discoveries and Possible Advances. Front Neuroendocrinol. 2021;63:100943. doi:10.1016/j.yfrne.2021.100943. PMID: 34487847; PMCID: PMC8509000.
  34. Hormone and neurotransmitter interactions in sexual behavior. Vinmec. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.vinmec.com/eng/blog/hormones-and-transmitters-produced-during-sexual-activity-en
  35. Oxytocin in Males: How the Love Hormone Works in Men. Good Health by Hims. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.hims.com/blog/oxytocin-in-males
  36. Georgiadis JR. The Neurobiology of Sex. Psychology Today. [Internet]. 2025 Apr 1 [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.psychologytoday.com/us/blog/best-practices-in-health/202504/the-neurobiology-of-sex
  37. Cacioppo S, Cacioppo JT. Neuroanatomy and function of human sexual behavior: A neglected or unknown issue?. J Comp Neurol. 2020;528(1):15-26. doi:10.1002/cne.24729. PMID: 31267590; PMCID: PMC6908863.
  38. Stoleru S, Pfaus J. Neurophysiology of male sexual arousal—Behavioral perspective. Front Behav Neurosci. 2023;17:1330460. doi:10.3389/fnbeh.2023.1330460.
  39. Corona G, Mannucci E, Ricca V, Lotti F, Boddi V, Bandini E, et al. Risk factors associated with primary and secondary reduced libido in male patients with sexual dysfunction. J Sex Med. 2010;7(4 Pt 1):1495-505. doi:10.1111/j.1743-6109.2009.01633.x. PMID: 20042013.
  40. Spritzler F. 8 Proven Ways to Increase Testosterone Levels Naturally. Healthline. [Internet]. 2022 Aug 10 [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.healthline.com/nutrition/8-ways-to-boost-testosterone
  41. Rastrelli G, Corona G, Maggi M. The role of testosterone in male sexual function. Sex Med Rev. 2022;10(4):718-35. doi:10.1016/j.sxmr.2022.04.004. PMID: 35680456; PMCID: PMC9789013.
  42. 「45年間で、精子の数が50%以上減少している」 医学誌が発表、その理由や危惧されること&改善策とは?. Women’s Health. [インターネット]. 2025年7月1日 [2025年7月1日引用]. Available from: https://www.womenshealthmag.com/jp/wellness/a65165117/ayumi-20250701/
  43. 加工食品が男の性機能・テストステロンに与える負の影響. 青山セレスクリニック. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://celes-clinic.com/blogs/ed/%E5%8A%A0%E5%B7%A5%E9%A3%9F%E5%93%81%E3%81%8C%E7%94%B7%E3%81%AE%E6%80%A7%E6%A9%9F%E8%83%BD%E3%83%BB%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%81%AB%E4%B8%8E%E3%81%88%E3%82%8B/
  44. 男性の食生活・生活習慣と精子の質について. 麗ニア婦人科クリニック. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://reniya-womens.com/wordpress/wp-content/uploads/file/firstvisit/013_firstvisit.pdf
  45. Sexual arousal. Wikipedia. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://en.wikipedia.org/wiki/Sexual_arousal
  46. Compulsive sexual behaviour disorder. Wikipedia. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://en.wikipedia.org/wiki/Compulsive_sexual_behaviour_disorder
  47. 1 ICD-11 Definition of compulsive sexual behavior disorder. Missouri Psychological Association. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.mopaonline.org/uploads/9/4/5/9/9459095/1_icd-11_definition_of_compulsive_sexual_behavior_disorder.pdf
  48. Kraus SW, Krueger RB, Briken P, First MB, Stein DJ, Kaplan MS, et al. Compulsive sexual behaviour disorder in the ICD-11. World Psychiatry. 2018;17(1):109-10. doi:10.1002/wps.20499. PMID: 29352554; PMCID: PMC5775124.
  49. Hypoactive Sexual Desire Disorder in Men (HSDD). San Diego Sexual Medicine. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.sdsm.info/male-issues/hypoactive-sexual-desire-disorder-in-men-hsdd
  50. Burri A, Spector T. Pharmacologically Induced Hypogonadism and Sexual Function in Healthy Young Women and Men. J Sex Med. 2011;8(11):3134-43. doi:10.1111/j.1743-6109.2011.02422.x. PMID: 21883928; PMCID: PMC3206259.
  51. Taniguchi H, Fukuda M. Sexual Behaviors among Individuals Aged 20-49 in Japan: Initial Findings from a Quasi-Representative National Survey, 2022. J Sex Res. 2023;60(4):534-44. doi:10.1080/00224499.2023.2178614. PMID: 36842974.
  52. Taniguchi H, Fukuda M. Sexual Behaviors among Individuals Aged 20-49 in Japan: Initial Findings from a Quasi-Representative National Survey, 2022. Request PDF. ResearchGate. [Internet]. 2023 [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.researchgate.net/publication/368834170_Sexual_Behaviors_among_Individuals_Aged_20-49_in_Japan_Initial_Findings_from_a_Quasi-Representative_National_Survey_2022
  53. Taniguchi H, Fukuda M. Sexual Behaviors among Individuals Aged 20-49 in Japan: Initial Findings from a Quasi-Representative National Survey, 2022. PubMed. [Internet]. 2023 [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36842974/
  54. より加速化する性的活動の不活発化が明らかに. 東京大学大学院医学系研究科・医学部. [インターネット]. 2023年2月27日 [2025年7月1日引用]. Available from: https://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/PR/2023/release_20230227.pdf
  55. 25年ぶりの全国調査で日本人男性の性機能が明らかに 「約1400万人が勃起障害(ED)」 「セックスの回数1年に1回程度以下が45.7%」 「早漏で悩んでいる人は約910万人」. アットプレス. [インターネット]. 2024年11月28日 [2025年7月1日引用]. Available from: https://www.atpress.ne.jp/news/400999
  56. 25 年ぶりの全国調査で日本人男性の性機能が明らかに(男性の7割がセックスレス). A&HB. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://aandhb.com/news/%E5%9B%BD%E5%86%85%E3%81%AE%E5%8B%83%E8%B5%B7%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%AF1400%E4%B8%87%E4%BA%BA25%E5%B9%B4%E3%81%B6%E3%82%8A%E5%85%A8%E5%9B%BD%E8%AA%BF%E6%9F%BB/
  57. 3人に1人がED、910万人が早漏:日本人男性の性機能に関する全国調査の最新結果. HOKUTO. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://hokuto.app/post/p3XgMTCvdlRp8GrCvuPM
  58. 年齢と性欲の関係性とは。性欲が減退・なくなる年齢や強くなる年齢なども解説. HOMMEZ. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://hommez.co.jp/blogs/ninkatsu-taizen/583_1
  59. 性欲の衰えを実感したのは何歳から?30歳以降の男性323名に聞いたリアルな実態. value-press. [インターネット]. 2024年11月13日 [2025年7月1日引用]. Available from: https://www.value-press.com/pressrelease/347099
  60. 18歳~39歳男性765名を対象にした性欲減退とセックス頻度調査. valuepress. [インターネット]. 2020年2月12日 [2025年7月1日引用]. Available from: https://www.value-press.com/pressrelease/236470
  61. Somogy Varga, Andrew J. Latham & Jacob Stegenga. Health, Disease, and the Medicalization of Low Sexual Desire: A Vignette-Based Experimental Study. PhilArchive. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://philarchive.org/rec/VARHDA-3
  62. Health, Disease, and the Medicalization of Low Sexual Desire: A Vignette-Based Experimental Study. Ergo an Open Access Journal of Philosophy. Michigan Publishing. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://journals.publishing.umich.edu/ergo/article/id/7139/
  63. Full article: Empowered, Handmaid, or Rejector? The Framing of Low Libido in Women according to Scholarly Investigations of Public Communication. Taylor & Francis Online. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/10410236.2021.1971356
  64. Sexuality in Japan. Wikipedia. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://en.wikipedia.org/wiki/Sexuality_in_Japan
  65. The Sex Culture of Feudal Japan. Ranker. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.ranker.com/list/intimacy-in-feudal-japan/t-l-perez
  66. Homosexuality in Japan. Wikipedia. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://en.wikipedia.org/wiki/Homosexuality_in_Japan
  67. Male-Male Desire: “Danshoku” Culture and Its Legacy in Japan. Nippon.com. [Internet]. 2023 Dec 27 [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.nippon.com/en/in-depth/d00925/male-male-desire-danshoku-culture-and-its-legacy-in-japan.html
  68. Sexuality and Male-Male Love in Historical Japan- Transcript. /Queer. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://slashqueer.com/sexuality-and-male-love-in-historical-japan-transcript
  69. The shifting sexual norms in Japan’s literary history. The Japan Times. [Internet]. 2016 Nov 19 [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.japantimes.co.jp/culture/2016/11/19/books/shifting-sexual-norms-japans-literary-history/
  70. 大正期における性科学の受容. 関西学院大学リポジトリ. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://kwansei.repo.nii.ac.jp/record/30943/files/6.pdf
  71. In the Company of Men. Stanford University Press. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.sup.org/books/asian-studies/company-men
  72. 日本ジェンダー研究. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://jp-gender.jp/wp/wp-content/uploads/2023/05/f68181ad562f3b21b1eb254052dc65c7.pdf
  73. マスキュリニティーズ 男性性の社会科学. お茶の水女子大学ジェンダー研究所. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://www2.igs.ocha.ac.jp/wp-content/uploads/2024/09/6fb1a8b21c02969dc67555505923ac38.pdf
  74. 男性性の社会科学 – マスキュリニティーズ. 新曜社. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b605480.html
  75. マッチョイズム 男性がありのままになることを阻む壁 筒井健太郎. リクルートワークス研究所. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://www.works-i.com/column/works04/detail054.html
  76. 《 臨床心理士による》性のお悩みカウンセリング・カップルカウンセリング. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://coubic.com/amaricounseling/908268
  77. カウンセリング室について. 日本性科学会. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://sexology.jp/counseling/
  78. セックスレス・性嫌悪のカウンセリング. うららか相談室. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://www.uraraka-soudan.com/listing/kw/O088
  79. How Safe is Long Term Testosterone Replacement Therapy Use?. Urology Austin. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://urologyaustin.com/safe-long-term-testosterone-replacement-therapy-use/
  80. Rastrelli G, Maggi M. Controversies in testosterone replacement therapy: testosterone and cardiovascular disease. J Endocrinol Invest. 2017;40(5):445-6. doi:10.1007/s40618-016-0599-1. PMID: 28005232; PMCID: PMC5418306.
  81. Khera M. Controversies with testosterone therapy. Can J Urol. 2020;27(S3):25-8. PMID: 32941547.
  82. マカは勃起に効果あり?マカの効果・取り入れ方・注意点を詳しく解説!. CLINIC FOR. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://www.clinicfor.life/telemedicine/ed/about/ed-36/
  83. 小林製薬 マカ亜鉛プレミアム 約30日分 90粒のレビュー・口コミ. Yahoo!ショッピング. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://shopping.yahoo.co.jp/review/item/list?store_id=serafinet-y&page_key=s-087
  84. マカの効果出るまで期間?マカの男性の勃起効果と精力増強の働きを解説. 大建ショップ. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://www.daikenshop.co.jp/healthblog/maca-for-men
  85. がん医療現場における 補完代替医療に関する 情報発信の取り組み. 厚生労働省. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002lamn-att/2r9852000002lard.pdf
  86. 補完代替療法に関する 患者相談対応の手引き. 厚生労働省eJIM. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://www.ejim.mhlw.go.jp/common/pdf/pro_guidance.pdf
  87. がんの補完代替医療ガイドブック. 四国がんセンター. [インターネット]. [2025年7月1日引用]. Available from: https://shikoku-cc.hosp.go.jp/cam/dl/pdf/cam_guide(3rd)20120220_forWeb.pdf
  88. Testosterone therapy: Potential benefits and risks as you age. Mayo Clinic. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/sexual-health/in-depth/testosterone-therapy/art-20045728
  89. 7. low sexual desire and male hypoactive sexual desire disorder. EAU Guidelines on Sexual and Reproductive Health. Uroweb. [Internet]. [cited 2025 Jul 1]. Available from: https://uroweb.org/guidelines/sexual-and-reproductive-health/chapter/low-sexual-desire-and-male-hypoactive-sexual-desire-disorder
この記事はお役に立ちましたか?
はいいいえ