【科学的根拠に基づく】精巣がん(精巣腫瘍)の生存率のすべて:ステージ・種類別の標準治療と治療後の生活までを徹底解説
がん・腫瘍疾患

【科学的根拠に基づく】精巣がん(精巣腫瘍)の生存率のすべて:ステージ・種類別の標準治療と治療後の生活までを徹底解説

がんの診断は、特に人生の最盛期にある若い男性にとって、計り知れない恐怖と不安をもたらすものです。キャリア、人間関係、家族計画など、未来への希望に満ちた日々が、突然の告知によって一変したかのように感じられるかもしれません。しかし、まず知っておくべき最も重要な事実は、精巣がんは固形がん(白血病などの血液腫瘍以外のがん)の中で、最も治癒率が高いがんの一つであるということです。Prevent Cancer Foundationによると、全体での5年生存率は95%を超えており、これは医療の大きな進歩を物語っています1。精巣がんは男性のがん全体の中では1%未満と比較的まれですが、NCCN(米国総合がんネットワーク)の臨床実践ガイドラインが指摘するように、20代から30代の男性においては最も頻度の高い固形がんです2。この事実は、多くの若者がこの病気と向き合い、そして乗り越えていることを示しています。この記事の目的は、最新の医学的根拠に基づき、精巣がんの診断から治療、そしてその後の生活に至るまで、信頼できる情報を包括的かつ分かりやすく提供することです。特に、患者様やご家族が最も知りたいと願う「生存率」について、国内外の最新データを基に詳細に解説します。この情報が、不安を和らげ、希望を持って治療に臨むための一助となることを目指します。

この記事の科学的根拠

本記事は、明示的に引用された最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。以下に、参照された実際の情報源と、提示された医学的ガイダンスへの直接的な関連性を示します。

  • NCCN(米国総合がんネットワーク)、EAU(欧州泌尿器科学会)、日本泌尿器科学会: 本記事における精巣がんの分類(セミノーマ/非セミノーマ)、ステージング、および各ステージにおける標準治療の推奨(経過観察、化学療法、放射線療法など)に関する記述は、これらの組織が発行する最新の診療ガイドラインに基づいています2456
  • 国立がん研究センター: 日本国内における精巣がんのリスク因子、症状、診断方法、および治療後の療養に関する情報は、同センターが提供するがん情報サービスの知見を参考にしています391222
  • IGCCCG(国際胚細胞腫瘍共同研究グループ): 転移性精巣がんの予後分類(良好群、中間群、不良群)およびそれに対応する5年生存率のデータは、IGCCCGによる世界的な基準に基づいています6
  • がん研究会有明病院、新潟県立がんセンター、全がん協: 日本国内のステージ別5年・10年生存率に関する具体的な数値データは、これらの主要な医療機関による院内がん登録の集計結果から引用しています152021

要点まとめ

  • 精巣がんは固形がんの中で最も治癒率が高いがんの一つで、全体の5年生存率は95%を超えます1
  • 治療法は「セミノーマ」と「非セミノーマ」という組織型と、がんの進行度(ステージ)によって決定され、その方法は世界的に標準化されています4
  • ステージIでは、手術後に特別な追加治療を行わない「経過観察」が第一選択となり、多くの患者が不要な治療の副作用を避けることが可能です15
  • 転移がある場合でも化学療法が極めて有効であり、高い治癒率が期待できます。将来子どもを望む場合は、治療を開始する前に精子を凍結保存することが極めて重要です22

精巣がんの基本:種類とリスク因子

精巣がんを理解する第一歩は、その基本的な性質を知ることから始まります。

精巣がんとは?

精巣は、男性ホルモンの分泌と精子の生成という重要な役割を担う臓器です。精巣がんは、この精巣の細胞が異常に増殖することで発生します。その95%以上は、精子のもとになる「胚細胞」から発生する胚細胞腫瘍(GCT)です2

最も重要な分類:セミノーマと非セミノーマ

精巣がんと診断された後、治療方針を決定する上で最も重要な情報が、腫瘍の組織型です。胚細胞腫瘍は、大きく「セミノーマ」と「非セミノーマ」の2種類に大別され、この分類が予後や治療法の選択に直結します。NCCN(米国総合がんネットワーク)4、EAU(欧州泌尿器科学会)6、そして日本の精巣癌診療ガイドライン5など、世界中の主要な診療ガイドラインは、すべてこの分類を治療選択の出発点としています。

  • セミノーマ (Seminoma): 一般的に進行が比較的緩やかで、放射線治療や化学療法(抗がん剤治療)に対する感受性が非常に高いという特徴があります。
  • 非セミノーマ (Non-seminoma): セミノーマに比べて進行が速い傾向があり、多様な種類の細胞(胎児性がん、奇形腫、絨毛がん、卵黄嚢腫瘍など)から構成されることがあります2。治療はより複雑な化学療法や手術が必要になる場合があります。

手術後に得られるこの病理組織学的診断は、今後の治療の道のりを理解するための鍵となります。

精巣がんのリスク因子

精巣がんの正確な原因はまだ解明されていませんが、いくつかの危険因子が特定されています。国内外のガイドラインで指摘されている主なリスク因子は以下の通りです。

  • 停留精巣(ていりゅうせいそう): 最もよく知られたリスク因子です。胎児期に腹部で作られた精巣が、出生までに陰嚢内に下降してこない状態を指します。国立がん研究センターによると、停留精巣の既往がある男性は、ない男性に比べて精巣がんになるリスクが2倍から10倍高くなると報告されています3
  • 家族歴・既往歴: 父親や兄弟に精巣がんの既往がある場合、リスクは4倍から8倍に増加します。また、片方の精巣にがんを発症した場合、もう一方の精巣にもがんが発生するリスクは20倍以上と高くなります2
  • その他の因子: 日本のガイドラインでは、不妊症や精液検査の異常もリスク因子として挙げられています5

診断から病期確定まで:早期発見の重要性

精巣がんは、早期に発見し、正確に病期を診断することが、最適な治療を選択し、高い治癒率を達成するために不可欠です。

気づくべき症状と自己検診のススメ

精巣がんの最も一般的な症状は、片方の精巣に生じる「痛みのないしこりや腫れ」です8。その他、鈍い痛みや重い感じ、陰嚢内に液体が溜まるなどの症状が現れることもあります8。恥ずかしさなどから受診が遅れるケースも少なくありませんが8、早期発見はより負担の少ない治療につながるため、迅速な行動が極めて重要です。月に一度、入浴時などに自分で精巣を触ってしこりがないか確認する「自己検診」が推奨されます。

専門医による検査の流れ

精巣の異常に気づいた場合、泌尿器科を受診します。検査は以下の流れで進められます。

  1. 触診: 医師が精巣を直接触って、しこりの有無や硬さ、大きさを確認します10
  2. 超音波(エコー)検査: 高周波の音波を使い、しこりが精巣内部にあるか、固形物かなどを画像で確認する、診断に不可欠な検査です11
  3. 血液検査(腫瘍マーカー): 精巣がんの診断、病期分類、治療効果の判定に極めて重要な役割を果たすのが腫瘍マーカーです。特にAFP、hCG、LDHの3つが測定されます5。ただし、これらのマーカーが正常値でも精巣がんを否定することはできません11
  4. 高位精巣摘除術(こういせいそうてきじょじゅつ): 精巣がんが強く疑われる場合、診断の確定と初期治療を兼ねて、手術で精巣を摘出します。この手術は、がん細胞の拡散を防ぐため、陰嚢(いんのう)ではなく足の付け根(鼠径部)を切開して行われます8。この専門的な手技は、がん治療における重要な原則です。

病期(ステージ)分類の仕組み

治療方針を決定するため、がんの進行度を示す「病期(ステージ)」を正確に診断します。精巣がんのステージングは、TNM分類と、転移がある場合はIGCCCG予後分類を組み合わせて行われます。

  • TNM分類:
    • T (Tumor): 原発腫瘍が精巣内でどの程度広がっているか13
    • N (Nodes): 腹部の後腹膜リンパ節への転移の有無と広がり13
    • M (Metastasis): 肺や肝臓など、遠隔臓器への転移の有無13
    • S (Serum Markers): 精巣摘除術の後、化学療法などの追加治療を開始する直前の腫瘍マーカー値。これがステージ分類に組み込まれるのが精巣がんの大きな特徴です4

このTNM分類の結果、ステージI(転移なし)、ステージII(後腹膜リンパ節転移のみ)、ステージIII(遠隔転移あり)に分類されます。精巣がんにはステージIVは存在しません12。特に重要なのは「S」分類の考え方です。患者様の公式なステージは、追加治療を開始する直前に最終決定されます。医師は、化学療法を開始するまさにその日に腫瘍マーカーを再測定します。なぜなら、その時点でのマーカー値が、体内に残存するがんの量を最も正確に反映し、治療法を最適化するための最良の指標となるからです4。この精密なアプローチが、現代のがん治療の精度を高めています。

  • IGCCCG予後分類: ステージII以上の転移性精巣がんに対しては、世界的な標準としてIGCCCG(国際胚細胞腫瘍共同研究グループ)による予後分類が用いられます。これは、腫瘍の種類(セミノーマか非セミノーマか)、原発部位、腫瘍マーカーの値に基づいて、予後を「良好群」「中間群」「不良群」の3つに分類するものです6。この分類により、化学療法の強度などが決定されます。

【ステージ・種類別】精巣がんの標準治療

精巣がんの治療は、組織型(セミノーマ/非セミノーマ)と病期(ステージ)に基づき、日本泌尿器科学会17、NCCN4、EAU6などの国内外のガイドラインに沿って標準化されています。近年の治療の大きな流れは、治癒率を維持しつつ、いかに長期的な副作用を減らすかという「治療のデエスカレーション(低減化)」にあります。

ステージI セミノーマ

第一選択:経過観察(Active Surveillance):
ステージIセミノーマの患者の約80%は、精巣摘除術のみで治癒し、再発しません15。そのため、現在最も推奨されるのが、手術後に特別な追加治療を行わず、定期的な検査で厳重に経過を観察する「経過観察」です。これは「何もしない」のではなく、万が一の再発を早期に発見するための積極的な医療戦略です。再発した場合でも、その時点から化学療法を開始することで98%以上の治癒が期待できるため、多くの患者が不要な治療の副作用を避けることができます15

補助療法(Adjuvant Treatment):
定期的な通院が困難な場合など、経過観察が適切でないと判断される患者には、再発予防を目的とした補助療法が選択されます。カルボプラチンという抗がん剤を1回だけ投与する方法が一般的です6。かつて行われていた補助放射線療法は、長期的な副作用のリスクから、現在ではほとんど推奨されません6

ステージI 非セミノーマ

リスクに応じた治療選択:
ステージI非セミノーマの治療方針は、摘出した腫瘍の病理検査で「脈管侵襲(リンパ管や血管へのがんの浸潤)」の有無によって決定されます。

  • 低リスク(脈管侵襲なし): 経過観察が第一選択です6
  • 高リスク(脈管侵襲あり): 経過観察、または再発予防のための補助化学療法(BEP療法を1コース)が選択肢となります6。化学療法は再発リスクを大幅に低下させますが、副作用も伴うため、医師と患者がそれぞれの利点と欠点を十分に話し合って決定します。
  • 後腹膜リンパ節郭清(RPLND): 米国などでは選択肢の一つですが、日本では予防的な治療としてはあまり一般的ではありません2

転移のある精巣がん(ステージII・III)

標準治療:多剤併用化学療法:
転移を有する精巣がんの治療の根幹は、多剤併用化学療法です。最も標準的なレジメンは、ブレオマイシン、エトポシド、シスプラチンの3剤を組み合わせた「BEP療法」で、これを3〜4コース(約2〜3ヶ月)行います6

化学療法後の治療方針(セミノーマと非セミノーマの違い):

  • セミノーマ: 化学療法後に腫瘍が残存していても、それが3cm未満であれば瘢痕組織(傷跡)であることが多いため、そのまま経過観察となることが一般的です。活動性のがんが残っているか判断するために、FDG-PET検査が有用な場合があります17
  • 非セミノーマ: 化学療法後に残存した腫瘍は、活動性のがん細胞や、化学療法が効かない「奇形腫」が含まれている可能性があるため、原則として手術(後腹膜リンパ節郭清など)で摘出されます6

セミノーマに対する放射線治療:
転移が後腹膜リンパ節に限局している初期のステージIIセミノーマでは、化学療法の代わりに放射線治療が選択されることもあります6

【本題】精巣がんの生存率:最新データに基づく詳細解説

生存率は、がん治療の成果を示す重要な指標であり、患者様やご家族にとって最も関心の高い情報の一つです。ここでは、最新の信頼できるデータを基に、精巣がんの生存率を多角的に解説します。

生存率データの見方

データを正しく理解するために、いくつかの用語を説明します。

  • 5年/10年生存率: がんと診断されてから5年後または10年後に生存している人の割合です。
  • 純生存率(Net Survival): がん以外の原因(事故や他の病気など)で亡くなる影響を取り除き、「もしそのがんだけが死因であった場合にどのくらいの人が生存するか」を推定した数値です。がんによる生命への影響をより正確に評価でき、国際比較などにも用いられます。日本の国立がん研究センターもこの指標を採用しています18

【日本国内データ】病期(ステージ)別の5年・10年生存率

日本の主要な医療施設から報告されている、ステージ別の生存率データをまとめました。これは、日本国内の医療環境における治療成績を反映する、非常に価値の高い情報です。

病期 (Stage) 5年生存率 10年生存率 データ出典例
ステージ I 約99-100% 100% がん研究会有明病院15, 新潟県立がんセンター20, 全がん協21
ステージ II 約94-95% 88% がん研究会有明病院15, 新潟県立がんセンター20, 全がん協21
ステージ III 約63-75% 76% がん研究会有明病院15, 新潟県立がんセンター20, 全がん協21

注:上記は複数の主要施設(がん研究会有明病院の1994-2023年データなど)の報告を統合した参考値です。個々の状況により変動します。

この表が示すように、ステージIではほぼ100%の治癒が期待でき、転移があるステージIIやステージIIIであっても、多くの患者が治癒に至っていることがわかります。

【国際標準】予後分類(IGCCCG)別の5年生存率

転移性精巣がん(ステージII・III)の予後は、世界標準であるIGCCCG分類によって、より詳細に評価されます。主治医が用いるこの分類を理解することは、ご自身の状況を把握する上で助けとなります。

組織型 予後分類 5年生存率
セミノーマ 良好群 (Good Prognosis) 95%
中間群 (Intermediate Prognosis) 88%
非セミノーマ 良好群 (Good Prognosis) 96%
中間群 (Intermediate Prognosis) 89%
不良群 (Poor Prognosis) 67%

出典:EAU(欧州泌尿器科学会)ガイドライン 2024年版などに基づくIGCCCG最新分類6

このデータから、転移性精巣がんの大多数を占める「良好群」では極めて高い生存率が示されていること、そして最も進行した「不良群」であっても、3分の2以上の患者が治癒を達成していることがわかります。これは、化学療法の目覚ましい効果を物語っています。

治療後の生活:妊孕性、副作用、フォローアップ

精巣がんの治療は、がんを克服するだけでなく、その後の人生の質(QOL)をいかに高く保つかという点も重視されます。特に若い患者にとっては、妊孕性(にんようせい)や長期的な健康管理が重要な課題となります。

最も大切なことの一つ:妊孕性(にんようせい)の温存

化学療法や放射線治療は、精子を作る機能にダメージを与え、永続的な不妊症の原因となる可能性があります22。将来子どもを持つことを望む場合、治療を開始する「前」に精子を凍結保存しておくこと(精子バンク)が極めて重要です。これは、精巣がん治療における標準的なプロセスの一部であり、必ず主治医と相談すべき事項です4

「治療の代償」と向き合う:長期的な副作用とQOL

精巣がんの治療は強力であるため、その「代償」として長期的な健康への影響が起こり得ることが知られています。これは、近年のサバイバーシップ研究における重要なテーマです。EAUの報告によると、主な晩期合併症として、聴力障害や耳鳴り、高血圧や脂質異常症などの心血管系疾患、二次がん(治療が原因で発生する新たながん)のリスク増加などが報告されています23
このような長期的な影響を最小限に抑えることこそ、ステージIの患者に経過観察が推奨される大きな理由です。治療後の人生は、単なる「がんの再発監視」から、「総合的な健康管理」へと移行します。がんの治療を終えた後も、かかりつけ医のもとで血圧やコレステロールの管理、定期的な健康診断を受けるなど、生涯にわたる健康への配慮が大切になります。

治療後の経過観察(フォローアップ)

治療終了後も、再発を早期に発見するために定期的な経過観察が必要です。通常、最初の2年間は再発のリスクが最も高いため、頻繁に検査が行われ、その後は徐々に間隔が空いていきます。フォローアップは、身体診察、腫瘍マーカーの血液検査、CTなどの画像検査を組み合わせて行われます4。この定期的なチェックが、万が一の再発時にも高い治癒率を維持するための安全網となります。

よくある質問

精巣がんの初期症状で、痛みはありますか?

いいえ、精巣がんの最も一般的な初期症状は「痛みのないしこりや腫れ」です8。痛みがないために発見が遅れることもあるため、普段と違うと感じたら、すぐに専門医に相談することが重要です。

ステージIと診断されましたが、追加の治療は必要ないのでしょうか?

はい、多くの場合でその通りです。特にステージIセミノーマでは、約80%の患者さんが精巣の摘除手術だけで治癒するため、手術後に追加治療を行わず厳重に経過をみる「経過観察」が現在の標準的な考え方です15。これは、不要な治療による長期的な副作用を避けるための積極的な医療戦略です。もちろん、再発のリスクや個人の状況に応じて補助療法が選択されることもあります。

化学療法を受けると、将来子どもは持てなくなりますか?

化学療法は精子を作る機能に影響を与え、不妊症の原因となる可能性があります22。そのため、将来子どもを持つことを少しでも考えている場合は、化学療法を開始する「前」に、ご自身の精子を凍結保存しておくこと(精子バンク)を強く推奨します。これは治療における非常に重要なステップですので、必ず主治医と相談してください。

精巣がんは治りやすいと聞きましたが、本当ですか?

はい、その通りです。精巣がんは、すべてのがんの中でも特に治癒率が高いがんとして知られています。全体の5年生存率は95%を超え1、早期のステージIではほぼ100%が治癒を目指せます15。転移がある場合でも、化学療法が非常によく効くため、大多数の患者さんが治癒に至ります。

結論

本稿で解説してきたように、精巣がんは多くの側面で希望に満ちたがんです。重要なポイントを以下に要約します。

  • 極めて高い治癒率: 精巣がんは、固形がんの中でもトップクラスの治癒率を誇ります。
  • 早期発見の重要性: 自己検診を習慣づけ、異常を感じたらためらわずに専門医を受診することが、より負担の少ない治療につながります。
  • 効果的な標準治療: 治療法は世界的に標準化されており、長期的な副作用を減らす方向へと常に改良されています。
  • 治療後の人生: 大多数の患者にとって、治療を乗り越え、健康で充実した人生を送ることが現実的な目標です。

知識は、不安と戦うための力となります。この記事が、精巣がんという病気を正しく理解し、前向きに治療に臨むための一助となれば幸いです。もしご自身の体に少しでも気になる症状があれば、決して一人で悩まず、泌尿器科の専門医に相談してください。それが、未来への確かな一歩となります。
信頼できる情報源より詳しい情報やサポートが必要な場合は、以下の公的機関のウェブサイトをご参照ください。

  • 国立がん研究センター がん情報サービス9
  • 日本泌尿器科学会17
免責事項本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。健康上の懸念や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

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