【2025年最新版】脳卒中予防の全知識:科学的根拠に基づく食事・運動・生活習慣ガイド
脳と神経系の病気

【2025年最新版】脳卒中予防の全知識:科学的根拠に基づく食事・運動・生活習慣ガイド

脳卒中は、日本における主要な死亡原因の一つであり、数多くの人々の生命と生活の質を脅かす深刻な疾患です。厚生労働省の2023年の調査によれば、国内の患者数は188.6万人に上り、その影響は本人だけでなく、家族や社会全体にも及んでいます35。しかし、希望はあります。最新の研究と臨床ガイドラインは、脳卒中の大部分が予防可能であることを明確に示しています。この記事は、日本脳卒中学会(JSS)の「脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2025年〕」13や、米国心臓協会/米国脳卒中協会(AHA/ASA)の「2024年脳卒中一次予防ガイドライン」11といった、国内外の最も権威ある科学的根拠に基づき、食事、運動、生活習慣の管理に至るまで、脳卒中予防に関する全ての知識を包括的に解説します。あなたの未来を守るための確かな一歩を、ここから始めましょう。


この記事の科学的根拠

本記事は、入力された研究報告書に明示的に引用されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいて作成されています。以下は、参照された実際の情報源と、提示された医学的指導との直接的な関連性を示したものです。

  • 日本脳卒中学会(JSS): 本記事における血圧目標値、脂質管理、その他の治療法に関する推奨事項は、同学会が発行した「脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2025年〕」に基づいています13
  • 米国心臓協会/米国脳卒中協会(AHA/ASA): 食事療法(地中海食)、糖尿病患者におけるGLP-1受容体作動薬の役割、性差による特異的な危険因子に関する指針は、これらの組織が発行した「2024年脳卒中一次予防ガイドライン」に基づいています11
  • 世界脳卒中機関(WSO): 脳卒中ケアにおけるエビデンスに基づくガイドラインの重要性に関する記述は、同機関の「世界脳卒中ガイドライン及びアクションプラン」を参考にしています23
  • 厚生労働省(MHLW): 日本国内の脳卒中患者数、関連医療費、高血圧の有病率、食塩摂取目標などの統計データは、同省が発表した「患者調査」35、「国民医療費の概況」32、「国民健康・栄養調査」30に基づいています。
  • 国立循環器病研究センター(NCVC): 危険因子や予防法、先進的な治療法(血栓回収療法など)に関する一般向けの解説は、日本の循環器病研究を牽引する同センターの公開情報を基にしています4

要点まとめ

  • 脳卒中は日本の主要な死亡・要介護原因ですが、その多くは予防可能です。最新の統計では国内患者数は188.6万人に達します35
  • 最大の危険因子は高血圧であり、最新ガイドラインでは個別化された目標値(例:75歳未満で130/80mmHg未満)が推奨されています1311
  • 科学的根拠のある食事療法(地中海食など)と、伝統的な和食における減塩(味噌汁の工夫、漬物を控える)の実践が重要です524
  • 週150分の中強度な運動(速歩きなど)が推奨されており、日常生活に「プラス10分」の意識で取り入れることが効果的です226
  • 「ACT-FAST」は脳卒中の初期症状を素早く見抜くための標語です。顔の麻痺、腕の下がり、言葉の障害に気づいたら、時間を記録し、直ちに救急車を呼ぶことが命を救います33

第1章:脳卒中とは?日本の現状と深刻さ

脳卒中という言葉を耳にしたことがあっても、その具体的な種類や、私たちの社会にどれほど深刻な影響を与えているかをご存知でしょうか。この章では、まず敵を知ることから始めます。

1.1. 脳卒中の種類:脳梗塞、脳出血、くも膜下出血

脳卒中は、脳の血管に異常が起こる病気の総称で、主に3つのタイプに分けられます。それぞれ原因とメカニズムが異なります39

  • 脳梗塞(のうこうそく):脳の血管が詰まることで、その先の脳組織に酸素や栄養が届かなくなり、組織が壊死してしまう状態です。日本の脳卒中の最も多いタイプを占めます。
  • 脳出血(のうしゅっけつ):脳の中の細い血管が破れて出血し、血液の塊(血腫)が脳組織を圧迫・破壊する状態です。高血圧が主な原因とされています。
  • くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ):脳の表面を覆う「くも膜」という膜の下にある血管にできたこぶ(脳動脈瘤)が破裂して出血する状態です。突然の激しい頭痛が特徴です。

1.2. 日本における衝撃的な統計データ

脳卒中の問題は、決して他人事ではありません。具体的な数字は、その深刻さを雄弁に物語っています。

  • 患者数:厚生労働省の2023年「患者調査」によると、日本国内で脳血管疾患の治療を受けている患者総数は188.6万人(男性101.7万人、女性86.8万人)にものぼります3536
  • 医療費:2022年度の国民医療費の概況では、脳血管疾患にかかる年間医療費は約1.8兆円と推計されており、国の財政にも大きな負担となっています32
  • 要介護の原因:2019年の「国民生活基礎調査」では、脳血管疾患(脳卒中)は、介護が必要となった主な原因の第2位(12.8%)を占めています37。これは、脳卒中が命を取り留めた後も、麻痺などの後遺症により長期的なケアを必要とすることを示しており、家族にとって大きな身体的・精神的負担となります。

第2章:命を救うサイン:脳卒中の前兆「ACT-FAST」

脳卒中の治療は、時間との戦いです。「Time is Brain(時は脳なり)」という言葉があるように、発症から治療開始までの時間が早ければ早いほど、後遺症を軽くできる可能性が高まります4。そのためには、私たち一人ひとりが脳卒中のサインを正しく、そして迅速に見抜くことが不可欠です。

2.1. 「突然」起こる警告サインを見逃さない

日本脳卒中協会によると、脳卒中の症状の最大の特徴は「突然」起こることです33。以下のような症状が一つでも急に現れたら、脳卒中を疑ってください。

  • 片側の顔、手、足がしびれる、力が入らない
  • ろれつが回らない、言葉が出ない、他人の言うことが理解できない
  • めまいがして、バランスが取れず、まっすぐ歩けない
  • 今まで経験したことのないような激しい頭痛がする
  • 片方の目が見えにくくなる、物が二重に見える

2.2. ACT-FAST:誰もができる救命行動

いざという時に慌てず対応できるよう、国際的に推奨され、日本でも普及が進んでいる標語が「ACT-FAST」です。これは脳卒中の主な3つの症状と、取るべき行動の頭文字を合わせたものです134

F (Face) – 顔の麻痺
「イーッ」と歯を見せるように笑ってもらいましょう。顔の片方が歪んだり、口の片端が下がったりしていませんか?

A (Arm) – 腕の麻痺
両腕を水平に前に上げてもらい、目を閉じてもらいます。片方の腕がだらんと下がってきませんか?

S (Speech) – 言葉の障害
簡単な短い文(例:「今日の天気は晴れです」)を言ってもらいます。ろれつが回らなかったり、言葉に詰まったり、全く言えなかったりしませんか?

T (Time) – 発症時刻の確認と救急要請
上記3つのうち、一つでも症状が見られたら、それは脳卒中のサインです。すぐに症状が始まった時刻を確認し、ためらわずに119番に電話して救急車を呼んでください。

救急隊員に「脳卒中かもしれない」と伝え、確認した発症時刻を正確に伝えることが、その後の迅速な治療につながります。

第3章:最大の危険因子を管理する:脳卒中予防の核心

脳卒中の多くは、日々の生活習慣に潜む「危険因子」を管理することで予防できます。この章では、科学的根拠に基づき、特に重要な危険因子とその管理方法について詳しく解説します。

3.1. 高血圧:沈黙の殺人者を制御する

高血圧は、自覚症状がほとんどないまま血管にダメージを与え続けるため「沈黙の殺人者(サイレントキラー)」と呼ばれ、脳卒中の最大の危険因子です。厚生労働省の2023年の調査では、収縮期血圧140mmHg以上の成人は男性の27.5%、女性の22.5%にものぼります30。この普遍的な問題を管理することが、予防の第一歩です。

3.1.1. 目指すべき血圧目標値:最新ガイドラインの解説

かつては年齢によって緩やかな目標値が設定されていましたが、近年の研究により、より厳格な血圧管理が脳卒中予防に有効であることが示されています。ただし、目標値は個々の健康状態によって調整されるべきです。

  • 国際的な推奨:米国心臓協会(AHA/ASA)の2024年ガイドラインでは、多くの成人にとって130/80 mmHg未満を一般的な目標として推奨しています1116
  • 日本の推奨:日本脳卒中学会の2025年改訂版ガイドラインでは、より詳細な層別化を行っています。例えば、75歳未満の成人では130/80 mmHg未満、75歳以上の高齢者では140/90 mmHg未満を目標とすることが推奨されています13

これらの目標はあくまで目安であり、最終的にはかかりつけ医と相談の上、個別の目標を設定することが重要です。

3.1.2. 家庭血圧測定の重要性

病院で測る血圧(診察室血圧)だけでなく、家庭でリラックスした状態で測る血圧(家庭血圧)を毎日記録することが、正確な血圧管理には不可欠です。血圧手帳などを活用し、朝と晩の2回測定する習慣をつけましょう。これにより、医師はより適切な治療方針を立てることができます3

3.2. 脂質異常症(高コレステロール):血管の詰まりを防ぐ

血液中の脂質、特にLDL(悪玉)コレステロールが過剰になると、血管の壁にプラークと呼ばれる塊が蓄積し、動脈硬化を引き起こします。これが脳梗塞の直接的な原因となります。脂質異常症の管理は、食事療法や運動療法が基本ですが、医師の判断によりLDLコレステロールを強力に下げるスタチン系薬剤が処方されることが多く、これは脳卒中予防の根幹をなす治療法の一つです22。特別な場合には、より新しいPCSK9阻害薬などが用いられることもあります。

3.3. 糖尿病:血糖コントロールが鍵

糖尿病による高血糖状態は、血管の内壁を傷つけ、動脈硬化を促進します。血糖コントロールは、脳卒中予防において極めて重要です。AHAの2024年ガイドラインでは、心血管疾患の危険因子を持つ2型糖尿病患者に対し、血糖降下作用に加えて心血管保護作用が示されているGLP-1受容体作動薬の使用が、脳卒中リスクを低減するために推奨される、という新しい知見が追加されました114。これは治療における大きな進歩です。

3.4. 心房細動:見えない血栓のリスク

心房細動は、心臓が不規則に細かく震える不整脈の一種です。これにより心臓内に血流のよどみができ、血の塊(血栓)が形成されやすくなります。この血栓が血流に乗って脳に達し、血管を詰まらせると、重症化しやすい脳梗塞(心原性脳塞栓症)を引き起こします。心房細動と診断された場合は、血栓をできにくくする抗凝固薬の服用が、予防の鍵となります4

3.5. その他の主要な危険因子

上記の疾患以外にも、日常生活に根差した多くの危険因子が存在します。日本脳卒中協会が提唱する「予防十か条」などでも広く啓発されています13

  • 喫煙:喫煙は血管を収縮させ、動脈硬化を著しく促進します。受動喫煙にも同様の危険性があります。禁煙は、脳卒中予防において最も確実な効果をもたらす行動の一つです。
  • 過度の飲酒:習慣的な大量飲酒は血圧を上昇させ、脳出血のリスクを高めます。適度な飲酒量を守ることが大切です。
  • 肥満:肥満、特に内臓脂肪型肥満は、高血圧、脂質異常症、糖尿病の温床となり、間接的に脳卒中リスクを高めます。
  • 家族歴:家族に脳卒中になった人がいる場合、遺伝的な要因や共通の生活習慣により、自身のリスクも高まる可能性があります。

第4章:毎日の食事が未来を変える:科学的食事療法

「医食同源」という言葉があるように、日々の食事は私たちの健康を形作る最も基本的な要素です。科学的根拠に基づいた食事療法は、脳卒中予防の強力な柱となります。

4.1. 脳卒中予防の食事:国際的な推奨(地中海食)

世界的に最も多くの科学的根拠に裏打ちされているのが「地中海食」です。PREDIMED試験という大規模な臨床研究では、地中海食を実践したグループで心血管疾患(脳卒中を含む)のリスクが大幅に低下することが証明されました24。地中海食の主な特徴は以下の通りです。

  • 豊富に摂取する:野菜、果物、全粒穀物、豆類、ナッツ類
  • 主な脂肪源:エキストラバージンオリーブオイル
  • 適度に摂取する:魚(特に青魚)、鶏肉、乳製品
  • 控えめに摂取する:赤身肉、加工肉

4.2. 和食のジレンマ:健康的な伝統食と減塩を両立させるには?

「和食は健康的」というイメージが定着していますが、こと脳卒中予防に関しては、一つの大きな課題、すなわち「塩分の過剰摂取」というジレンマが存在します10

4.2.1. 日本人の塩分摂取量の現状

WHO(世界保健機関)が推奨する成人の1日あたりの食塩摂取目標量は5g未満ですが、日本人の平均摂取量は約10gと、依然として高い水準にあります。日本のガイドラインでは、高血圧患者で1日6g未満が目標とされています38

4.2.2. 味噌汁と漬物:敵か味方か?

塩分源としてよく挙げられるのが味噌汁と漬物です。しかし、近年の研究は、これらの影響が単純ではないことを示唆しています。

  • 味噌汁:一部の研究では、具沢山にし、1日1杯程度の摂取であれば、必ずしも血圧上昇に直結せず、大豆イソフラボンの効果でむしろ血管に良い影響を与える可能性も指摘されています38。解決策は「具だくさん味噌汁」です。野菜やきのこ、海藻などをたくさん入れることで、汁の量を減らし、一杯あたりの塩分を抑えつつ、カリウムや食物繊維を摂取できます5
  • 漬物:一方で、漬物は塩分濃度が非常に高く、習慣的な摂取は注意が必要です7。食べる量を減らす、減塩タイプの製品を選ぶ、自家製の浅漬けにするなどの工夫が求められます。

4.2.3. 鍵はカリウム:ナトリウムを排出する味方

塩分(ナトリウム)の悪影響を打ち消す上で重要な役割を果たすのが「カリウム」です。カリウムには、体内の余分なナトリウムを尿として排出する働きがあり、血圧を下げる効果が期待できます。SSaSS(Salt Substitute and Stroke Study)という画期的な研究では、通常の食塩をカリウム塩を含む代替塩に変えるだけで、脳卒中のリスクが有意に低下することが示されました24。このことは、減塩と同時に、カリウムを豊富に含む食品を積極的に摂ることの重要性を示しています。

4.3. 積極的に摂りたい栄養素と食品

以下の栄養素と、それらを豊富に含む食品を日々の食事に意識して取り入れましょう6

栄養素 主な働き 多く含む食品
DHA・EPA(オメガ3脂肪酸) 血液をサラサラにし、動脈硬化を防ぐ サバ、アジ、イワシなどの青魚
カリウム 余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる ほうれん草、小松菜、アボカド、バナナ、海藻類、いも類
食物繊維 コレステロールの吸収を抑え、血糖値の上昇を緩やかにする 玄米、きのこ類、ごぼう、豆類、海藻類
抗酸化物質(ビタミンC、ポリフェノール等) 血管の老化を防ぎ、しなやかさを保つ パプリカ、ブロッコリー、ベリー類、緑茶

第5章:体を動かす習慣:効果的な運動療法

定期的な運動は、血圧や血糖値、コレステロール値を改善し、体重を管理する上で極めて有効です。特別な運動でなくても、日常生活の中で体を動かす意識を持つことが大切です。

5.1. どのくらいの運動が必要か?

国際的なガイドラインでは、脳卒中予防のために以下の運動量が推奨されています1120

  • 有酸素運動:ウォーキング、ジョギング、水泳など、「ややきつい」と感じる程度の中強度の運動を、週に合計150分以上。または、ランニングなどの高強度の運動を週に75分以上。
  • 筋力トレーニング:週に2回程度、主要な筋肉群を対象としたトレーニング。

日本国内の集団を対象とした研究でも、中強度の身体活動が脳卒中、特に出血性脳卒中のリスク低下と関連していることが示されています26

5.2. 日本の生活に合わせた運動の提案

「週150分」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、細切れの時間でも効果はあります。日常生活の中で、以下のような工夫を取り入れてみましょう2

  • 「プラス10(テン)」ウォーク:今より10分多く歩くことを意識する。一駅手前で降りて歩く、エレベーターを階段にするなど。
  • ながら運動:テレビを見ながら足踏みをする、歯を磨きながらかかとの上げ下ろしをする。
  • ラジオ体操:全身をバランス良く動かすことができる、優れた運動です。
  • 入浴時の注意:冬場の入浴は、急激な温度変化による血圧の急変動(ヒートショック)を引き起こし、脳卒中の引き金になることがあります。脱衣所や浴室を暖めておく、湯温を41度以下にするなどの対策が重要です1529

第6章:最新の研究と治療法(希望の光)

脳卒中との闘いは、予防だけでなく、治療法の進歩によっても新たな局面を迎えています。日本の研究者たちは、世界をリードする研究で未来への希望を切り拓いています。

6.1. 日本における脳卒中研究の最前線

日本では、脳卒中後の機能回復を目指す革新的な研究が進められています。

  • 再生医療:自身の骨髄などから採取した幹細胞を培養し、体に戻すことで、損傷した脳組織の再生を促す治療法の研究が臨床段階に入っています9
  • エクソソーム研究:細胞から放出される「エクソソーム」という微小なカプセルが、脳梗塞後の神経再生に関わることを日本の研究チームが解明し、新たな治療薬開発への道を開いています8

6.2. 急性期治療の進歩:血栓回収療法(EVT)

脳梗塞の急性期治療において、革命的な進歩が「機械的血栓回収療法(EVT)」です。これは、カテーテルを足の付け根の血管から脳の詰まった血管まで挿入し、ステント型の器具で血栓を絡め取って回収する治療法です4。国立循環器病研究センターなどの研究により、この治療が可能な時間が従来よりも延長される可能性が示され、より多くの患者を救える希望が生まれています27。この治療の恩恵を最大限に受けるためにも、「ACT-FAST」による早期発見が何よりも重要です。

よくある質問

脳ドックは受けた方が良いですか?

はい、特に高血圧、糖尿病などの危険因子をお持ちの方や、ご家族に脳卒中の方がいる場合には、受けることが推奨されます。脳ドックは、MRIなどを用いて、未破裂脳動脈瘤や脳血管の狭窄といった、自覚症状のない異常を早期に発見することを目的としています。受診を検討する際は、日本脳ドック学会が認定する施設を選ぶと、質の高い検査が期待できます。

塩分を1日6g未満にするのは難しすぎます。何かコツはありますか?

完璧を目指すのではなく、できることから始めるのが成功のコツです。以下の小さな工夫を試してみてください。
・麺類の汁は飲み干さない。
・醤油やソースは「かける」のではなく「つける」。
・香辛料(こしょう、唐辛子)、香味野菜(しょうが、にんにく、しそ)、酸味(酢、レモン汁)を上手に使い、味にメリハリをつける。
・加工食品や惣菜を購入する際は、栄養成分表示を確認し、食塩相当量の少ないものを選ぶ習慣をつける。
これらの積み重ねが、大きな減塩効果につながります38

結論

脳卒中は、確かに恐ろしい病気ですが、決して抗うことのできない運命ではありません。本記事で解説したように、その危険因子の多くは、私たちの意志と行動によって管理することが可能です。最大の危険因子である高血圧の管理を徹底し、地中海食の利点を取り入れつつ、和食の塩分過多という課題を知恵で乗り越える。そして、日常生活の中に楽しみながら運動を取り入れる。これら一つひとつの選択が、あなたの健康な未来を築く礎となります。

最新の科学的根拠は、予防努力が確実に報われることを示しています。この記事で得た知識を、ぜひ今日からの行動に移してみてください。あなたご自身の、そして大切なご家族の「命の生命線」を守るために、専門家と相談しながら、あなたに合った予防プランを立て、実践していくことが何よりも重要です。

免責事項本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスを構成するものではありません。健康に関する懸念がある場合や、ご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

  1. 日本脳卒中協会. 脳卒中予防、10箇条とは. Available from: https://www.jsa-web.org/
  2. 公益社団法人日本理学療法士協会. 脳卒中を予防して健康寿命を のばそう!. Available from: https://www.japanpt.or.jp/assets/pdf/about_pt/therapy/tools/handbook/handbook01_p30-35.pdf
  3. 先進医療.net. 脳卒中にならないために 心掛けよう「予防十か条」. Available from: https://www.senshiniryo.net/stroke_a/09/index.html
  4. 国立循環器病研究センター. 脳卒中|病気について. Available from: https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/stroke-2/
  5. Jミルク. 乳和食のすすめ Part1 これからは、おいしい減塩を!. Available from: https://www.j-milk.jp/nyuwashoku/sp/k2i9dt00000005hc.html
  6. スマートドック. 脳卒中のリスクが低下する食べ物とは?. Available from: https://smartdock.jp/contents/lifestyle/lh009/
  7. CareNet.com. 味噌汁・漬物を減らせば減塩できるか. Available from: https://www.carenet.com/news/general/carenet/39915
  8. 順天堂大学. 「エクソソーム」の機能を解明し脳梗塞の新たな治療法を確立する. Available from: https://www.juntendo.ac.jp/branding/report/sohatsu_03/
  9. 再生医療専門サイト. 脳卒中再生医療とは. Available from: https://www.apoplexy.jp/apoplexy-treatment/
  10. 日本栄養士会. やっぱり日本食は健康に良い!. Available from: https://sndj-web.jp/news/000896.php
  11. Bushnell C, Kernan WN, Sharrief A, et al. 2024 Guideline for the Primary Prevention of Stroke: A Guideline From the American Heart Association/American Stroke Association. Stroke. 2024;55(12):e344-e424. doi:10.1161/STR.0000000000000475. PMID: 39429201. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39429201/
  12. American Heart Association Journals. 2024 Guideline for the Primary Prevention of Stroke. Available from: https://www.ahajournals.org/doi/abs/10.1161/STR.0000000000000475
  13. 日本脳卒中学会. 脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2025〕. Available from: https://www.jsts.gr.jp/img/guideline2021_kaitei2025_kaiteikoumoku.pdf
  14. 国立循環器病研究センター. 脳卒中の予後(死亡率)と脳卒中専門医師数の関係について. 2021. Available from: https://www.ncvc.go.jp/pr/release/20210816_press/
  15. 新さっぽろ脳神経外科病院. 脳卒中の予防について. Available from: https://www.snh.or.jp/care-1
  16. Preventive Cardiovascular Nurses Association. Top 10 Things to Know About the 2024 Stroke Guideline. Available from: https://pcna.net/news/top-10-things-to-know-about-the-2024-stroke-guideline/
  17. J-ASPECT Study. ABOUT US. Available from: https://j-aspect.jp/english.html
  18. 国立循環器病研究センター. 理事長からのご挨拶. Available from: https://www.ncvc.go.jp/about/greeting/
  19. 健都共創のまちづくり. 産学官の集積による健康まちづくり. Available from: https://co-creation.ken-to.jp/town-ncvc/
  20. Professional Heart Daily. 2024 Guideline for the Primary Prevention of Stroke. Available from: https://professional.heart.org/en/science-news/2024-guideline-for-the-primary-prevention-of-stroke
  21. Start With Your Heart. 2024 Guideline for the Primary Prevention of Stroke. Available from: https://www.startwithyourheart.com/wp-content/themes/swyh2019/assets/downloads/meetings/SAC_Meetings/2024/11/PrimaryPreventionUpdate_Bushnell.11.14.24.pdf
  22. Pharmacy Times. Controlling Cholesterol: Stroke Prevention and Updated ASA Guidelines. Available from: https://www.pharmacytimes.com/view/controlling-cholesterol-stroke-prevention-and-updated-asa-guidelines
  23. World Stroke Organization. 世界脳卒中 ガイドライン及びアクションプラン. Available from: https://www.world-stroke.org/assets/downloads/GblStrokeGlnsJPN.pdf
  24. Estruch R, Ros E, Salas-Salvadó J, et al. Primary Prevention of Cardiovascular Disease with a Mediterranean Diet Supplemented with Extra-Virgin Olive Oil or Nuts. N Engl J Med. 2018;378:e34. doi:10.1056/NEJMoa1800389. (SSaSS Trial: Neal B, et al. Salt Substitute and Stroke Study. N Engl J Med. 2021;385:1067-1077. doi:10.1056/NEJMoa2105675). Available from: https://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jacadv.2025.101724
  25. PMC (PubMed Central). 7 Updates in the 2024 AHA/ASA Primary Prevention of Stroke Guideline. Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12277621/
  26. Ikehara S, Iso H, Lee J, et al. Daily Total Physical Activity and Incident Stroke in a Japanese Population: The JPHC Study. Stroke. 2017;48(8):2062-2068. doi:10.1161/STROKEAHA.117.017560. Available from: https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/strokeaha.117.017560
  27. 国立循環器病研究センター. 脳梗塞の治療可能範囲がさらに拡大. 2024. Available from: https://www.ncvc.go.jp/pr/release/pr_42933/
  28. 日本医学会. No.97 日本脳卒中学会. Available from: https://jams.med.or.jp/members-s/97.html
  29. Ministry of Health, Labour and Welfare. Prevention of heat strokes. Available from: https://www.mhlw.go.jp/english/policy/health-medical/health/dl/heatstork.pdf
  30. 日本生活習慣病予防協会. 脳血管疾患で治療を受けている総患者数は174万2000人 令和2年(2020) 「患者調査の概況」より. Available from: https://seikatsusyukanbyo.com/statistics/2024/010791.php
  31. 日本生活習慣病予防協会. 脳血管疾患で治療を受けている総患者数は188万4000人 令和5年(2023) 「患者調査の概況」より. Available from: https://seikatsusyukanbyo.com/statistics/2025/010840.php
  32. 日本生活習慣病予防協会. 脳血管疾患の年間医療費は. Available from: https://seikatsusyukanbyo.com/statistics/2024/010793.php
  33. 公益社団法人 日本脳卒中協会. 脳卒中の主な症状. Available from: https://www.jsa-web.org/citizen/87.html
  34. 日本脳卒中学会. 脳卒中の予防・発症時の対応. Available from: https://www.jsts.gr.jp/common/asset/pdf/onset.pdf
  35. 公益財団法人 生命保険文化センター. 脳血管疾患の患者数はどれくらい? (MHLW 2023 Patient Survey). Available from: https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1096.html
  36. 鹿児島県. 脳卒中を予防しよう!. Available from: https://www.pref.kagoshima.jp/aa02/kohokocho/kouhoushi/kohosi/kawara/documents/28902_20121130090524-1.pdf
  37. 日本脳卒中学会. 脳卒中と循環器病克服 第二次5ヵ年計画. 2021. Available from: https://www.jsts.gr.jp/img/20210820_5kanenn.pdf
  38. オムロン ヘルスケア. vol.167 無理なくできる減塩の手引. Available from: https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/167.html
  39. 大塚製薬. 脳卒中の症状は?. Available from: https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/stroke/symptoms/
この記事はお役に立ちましたか?
はいいいえ