赤ちゃんと幼児のアトピー性皮膚炎に効く5つの民間療法
小児科

赤ちゃんと幼児のアトピー性皮膚炎に効く5つの民間療法

はじめに

こんにちは、JHO編集部です。今日は、赤ちゃんや幼児に多い肌の悩み、「乳児湿疹」について詳しくお話しします。特に、赤ちゃんがこの病気にかかると、親としてはどうにかしてあげたいと感じるものですよね。乳児湿疹は、赤ちゃんの肌に見られる一般的な症状で、多くの親が直面する問題です。今回は、この乳児湿疹に対する安全で有効な民間療法について深掘りしていきます。この記事では、どのような方法があり、どのように症状を緩和するのか、具体的な手順まで解説していきますので、どうぞ最後までご一読ください。

免責事項

当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

乳児湿疹とは何か?

乳児湿疹(またはアトピー性皮膚炎)は、肌が外的な要因に対して過敏に反応することによって引き起こされる肌の異常です。赤ちゃんや幼児がこの状態に陥ると、肌が赤くなったり乾燥したりして、強い痒みを伴うことがあります。痒みが原因で赤ちゃんが不快感を訴える場合は、親としても心配が尽きません。特に、痒みが夜中に強くなることがあり、寝不足による赤ちゃんのぐずりや機嫌の変化に悩まされることも少なくありません。

赤ちゃんが強い痒みのあまり肌をかきむしると、傷からの感染リスクが高まるため、早めの対処が重要です。また、一度発症すると長期的な管理が必要になるケースが多く、症状を完全に消し去るのが難しい場合でも、適切なケアや生活習慣の調整によって症状をコントロールできる可能性があります。

さらに、乳児湿疹は遺伝的な要因環境的な要因による影響を受けやすいとも言われています。家族にアレルギー体質の人がいる場合や、乾燥した気候、刺激の強い化学物質にさらされる環境にいる場合には、乳児湿疹のリスクが高まることがわかっています。

代表的な乳児湿疹の症状には以下のものがあります。

  • 肌の赤み
  • 乾燥とフレーク状の剥がれ
  • 痒み(特に夜間)
  • ひび割れやかさぶたの形成

これらの症状はいずれも赤ちゃんにとって非常に不快なものであるため、できるだけ早い段階から対処することが望まれます。

専門家への相談

乳児湿疹に対して、安全かつ的確な対策を取るためには、専門家への相談が欠かせません。特に、民間療法を取り入れる際には、必ず医師に相談することが大切です。医師や医療従事者は、赤ちゃんの症状や体質に合わせた最適な治療やケア方法を提示し、副作用や悪化のリスクを最小限に抑えるための助言を行ってくれます。この記事で紹介する民間療法を試す場合でも、まずはHello Bacsiの医療相談委員会などの信頼できる機関や皮膚科医小児科医に相談し、赤ちゃんに合う方法かどうかを必ず確認してください。

症状が重度の場合は、ステロイド外用薬や保湿剤などを中心とした薬物療法が必要になることもあります。市販されている商品や民間療法だけで対応しようとしても、赤ちゃんの肌に合わずに逆効果となる場合があるため、まず専門医の診断を受けることが大切です。

乳児湿疹に対する5つの民間療法

医師の指導のもとで薬物療法を行いつつ、症状の程度に応じて民間療法を上手に活用することで、赤ちゃんの苦痛をやわらげられることがあります。ここで紹介する5つの民間療法は、多くの保護者の間で比較的よく知られており、安全性の面でも広く受け入れられている方法です。ただし、いずれの方法も自己判断だけで行うのではなく、必ず専門家に相談してから始めてください。

1. ココナッツオイルを使った方法

ココナッツオイルは、肌に潤いを与え、炎症をやわらげる効果が期待できるため、赤ちゃんのデリケートな肌をやさしく守ってくれる手段として知られています。使い方は以下のとおりです。

  • まず、ぬるま湯で赤ちゃんの肌を優しく洗浄します。肌を強くこすらないよう注意し、汚れをやわらかく落とすことを心がけてください。
  • 柔らかな布で肌を軽く押さえて水気を拭き取り、まだわずかに水分が残る程度で次のステップへ進みます。
  • 手のひらに少量のココナッツオイルをとり、湿疹部位を中心に円を描くようにマッサージするように塗布します。血行を促進し、保湿成分がより浸透しやすくなります。

ココナッツオイルの主な作用:

  • 抗菌作用:ココナッツオイルには肌を清潔に保つ働きがあり、赤ちゃんがかきむしった傷などからの感染を予防する一助になると考えられています。
  • 保湿効果:特に入浴後や乾燥が激しい季節に1日数回使用することで、肌のバリア機能を補強し、症状の悪化を防ぐことが期待できます。
  • 鎮静効果:肌の乾燥による痒みの軽減に役立ちます。

近年では、ココナッツオイル以外にもオリーブオイルやホホバオイルなどが保湿目的で検討されていますが、いずれも肌に合うかどうかは個人差があります。医師の指示のもと、自分の赤ちゃんに適したオイルを選ぶことが大切です。

2. グアバの葉を使う方法

グアバの葉は東南アジアで古くから親しまれている伝統的な素材であり、抗酸化物質抗炎症成分を豊富に含むことで知られています。日本国内ではあまり一般的ではありませんが、通信販売や専門店などで入手できる場合があります。

  • 一握りの新鮮なグアバの葉を用意し、念入りに洗浄します。
  • 沸騰したお湯にグアバの葉を入れ、5〜7分ほど煮込むことで有効成分を抽出します。葉を煮込むときは蓋をするなどして蒸気が逃げにくいようにすると、より効果的です。
  • 煮込んだ液体を適度に冷ましたら、ガーゼや柔らかいタオルなどに含ませ、赤ちゃんの湿疹部位を中心に優しく塗布します。痒みが強い箇所に軽く当てるだけでも落ち着きを感じやすくなります。

グアバの葉の主な作用:

  • 抗酸化作用:肌の細胞が酸化によってダメージを受けるのを和らげる可能性があります。
  • 抗炎症作用:赤みや炎症を抑えるため、夜間の強い痒みなどを軽減する効果が期待されます。

グアバの葉は近年、日本国内でも健康食品の一部として認知が広まりつつあり、アレルギー症状や湿疹への応用が研究される動きもあります。たとえば、2017年にInternational Journal of Molecular Sciencesで発表された研究(DOI: 10.3390/ijms18040897)では、グアバの葉に含まれる成分がさまざまな健康効果をもたらす可能性を示唆しています。しかし、赤ちゃんへの使用に関しては十分なエビデンスをさらに集める必要があるため、慎重な導入が望まれます。

3. 緑茶の葉を使った方法

緑茶の葉は、日本人になじみ深い存在です。緑茶に含まれるカテキンなどの抗酸化物質が、肌の酸化ストレスを軽減して炎症を鎮める作用をサポートするとされています。

  • 新鮮な緑茶の葉を約100g用意し、沸騰したお湯に入れます。
  • 少量の岩塩を加え、さらに5分ほど煮込みます。岩塩に含まれるミネラルが保湿効果を高め、肌のバリア機能をサポートすると考えられています。
  • 抽出液を少し冷ました後、これを使って赤ちゃんを入浴させる要領で肌を優しくすすぎます。入浴中に円を描くように肌を軽くマッサージすると、より高いリラックス効果や痒みの軽減が期待できます。

緑茶の葉の主な作用:

  • 抗酸化作用:カテキン類が肌を外的刺激から保護する可能性があります。
  • 抗炎症作用:炎症を抑え、特に痒みや赤みをやわらげるのに寄与するとされています。
  • 保湿効果:岩塩との組み合わせにより、肌から水分が失われにくい環境をつくると考えられています。

実際に、緑茶成分がアトピー性皮膚炎様の症状をもつマウスを用いた研究で改善効果が示唆された報告(PMC6394501)もあり、今後の研究発展が期待されています。ただし、赤ちゃんの肌は繊細なので、高温や長時間の入浴は避け、様子を見ながら無理のない範囲で取り入れてください。

4. ミルシアナの葉を使った方法

ミルシアナ、またはシムの葉と呼ばれる植物は、抗酸化物質抗炎症特性を含むことで注目されている素材です。国内での認知度は限定的ですが、海外の一部地域では古くから伝統的に用いられてきました。

  • 新鮮なミルシアナの葉を手に入れたら、使用前に塩水に15分間ほど浸すことで表面の不純物を除去します。
  • その後、沸騰したお湯に入れ、10分ほど煮込みます。
  • 煮出した液体を清潔なボウルなどに移し、十分に冷ましたうえで、湿疹部位に優しく塗布します。ガーゼや綿棒などを使うと清潔かつ簡便です。

ミルシアナの葉の主な作用:

  • 抗酸化作用:肌細胞の酸化ダメージを軽減し、バリア機能をサポートします。
  • 抗炎症作用:赤ちゃんの肌に現れた炎症反応をやわらげる効果が期待できます。

この植物に関しては、2019年以降にさまざまな健康効果を検討する研究が進められており、たとえばRhodomyrtus tomentosa(同じ科に属する植物)に関する研究(ResearchGateの公開論文:The Health Beneficial Properties of Rhodomyrtus tomentosa as Potential Functional Food)では、ポリフェノール類の豊富さが一部の皮膚症状に対して有益に働く可能性が述べられています。ただし、赤ちゃんへ応用する際はデータがまだ限定的であるため、実施前に医師や薬剤師などに必ず相談してください。

5. コロイドオートミールを使った方法

コロイドオートミールとは、細かく粉砕したオートミールを原料とした天然由来の成分で、保湿・鎮静作用が知られています。特に乾燥による症状悪化を防ぐ目的で用いられることが多いです。

  • コロイドオートミールを温かいお湯に溶かし、ペースト状にします。使う量は赤ちゃんの肌全体をやさしく覆う程度が目安です。
  • その後、赤ちゃんのお風呂に溶かし入れ、10〜15分ほど浸浴させます。この間、指の腹を使って軽くマッサージするようにすると、より効果的に保湿成分が行き渡ります。
  • 入浴後は柔らかな布で軽く押さえるように拭き取り、早めに保湿剤を塗って肌を保護します。

コロイドオートミールの主な作用:

  • 保湿効果:肌の表面に保護膜を形成し、水分の蒸発を防ぎます。
  • 鎮静効果:炎症や痒みを和らげ、赤ちゃんの不快感を軽減します。
  • 栄養補給:ビタミンやミネラルが含まれ、肌の健康維持に寄与すると考えられています。

アトピー性皮膚炎や湿疹に悩む子どもに対するコロイドオートミールの効果は、保湿の観点で多くの保護者に信頼を得ています。ただし、製品によっては添加物が含まれるものもあるため、できるだけ無添加や低刺激を謳う商品を選択しましょう。

民間療法を実施する際の注意点

これらの民間療法はいずれも、医療専門家の指導を受けて実施することが前提です。赤ちゃんの肌は非常に繊細で、個々の体質や症状の進行度によって安全な範囲や適切な頻度が異なります。特に以下の点に留意してください。

  • 洗浄時にはぬるま湯を使用する
    熱すぎる湯は肌の保護バリアを壊し、乾燥を招きやすくなります。
  • 赤ちゃんを過度に厚着させたり、保温しすぎない
    過剰な保温環境は湿疹の悪化につながることがあります。
  • 保湿剤は香料やアルコールが入っていないものを選ぶ
    刺激成分が含まれない製品を使用し、肌への負担を減らしましょう。
  • 新しい療法を始める前に必ず専門家に相談する
    乳児湿疹の重症度や治療歴によって推奨される方法は変わります。

また、民間療法を取り入れたとしても、赤ちゃんの肌の状態を日々観察する習慣は欠かせません。もしも赤みが増したり、痒みが強くなっていると感じたり、傷が悪化するようであれば、迷わず医師に連絡して指示を仰いでください。

症状緩和に関する新しい研究の一例

民間療法だけでなく、薬物療法やサプリメントの活用など多角的なアプローチが近年注目されています。たとえば、2022年に学術誌Pediatric Allergy and Immunologyに掲載されたChang, C. C.らによるメタアナリシス研究(doi:10.1111/pai.13773)では、子どもに対するプロバイオティクスの投与が、アトピー性皮膚炎の症状コントロールに一定の効果を示す可能性があると報告されています。ただし、このような研究結果も個々の体質や生活環境による差が大きく、また安全性評価も必要であるため、導入を検討する際には専門医の助言を受けることが推奨されます。実際に乳児湿疹にも応用できるかはさらに研究が必要とされる領域ですが、今後の発展が期待されています。

結論と提言

この記事では、乳児湿疹に関する概要と、症状の緩和に役立つ可能性のある民間療法を5つご紹介しました。どの方法も赤ちゃんの肌に優しく、比較的安全とされるものですが、赤ちゃんの肌状態や体質によっては逆効果となることもあり得るため、必ず事前に医師や医療従事者に相談し、慎重に進めてください。

また、乳児湿疹は長期的な管理が必要になる場合が多く、保湿ケアや生活環境の見直し、時には薬物療法などを組み合わせることで症状をコントロールしていくことが一般的です。薬以外にも、栄養バランスや睡眠環境、ストレスケアなど生活全般にわたる注意が重要となります。

最後に:赤ちゃんの健康を守るうえで、日常の細やかな観察や適切なスキンケアは欠かせません。保護者の愛情と適切な知識があれば、乳児湿疹の症状をできるだけやわらげ、赤ちゃんが快適に過ごせる環境を整えることは十分に可能です。必要に応じて専門家のアドバイスを仰ぎながら、赤ちゃんにとって最良のケアを提供してあげてください。

注意:この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的助言の代わりとなるものではありません。症状や治療方針については必ず医療従事者と相談し、専門的な診断や指導を受けるようにしてください。

参考文献

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