医学的レビュー担当者:
髙橋 悟(たかはし さとる)- 日本大学医学部泌尿器科学系主任教授12
本記事の科学的根拠
本記事は、提示された研究報告書に明示的に引用されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。以下の一覧には、実際に参照された情報源のみを記載し、提示された医学的指針との直接的な関連性を示しています。
- 夜間頻尿診療ガイドライン(日本泌尿器科学会): 本記事における夜間頻尿の定義、診断基準(夜間多尿指数など)、行動療法、およびデスモプレシン治療に関する指針は、このガイドラインに基づいています3。
- 過活動膀胱診療ガイドライン(日本排尿機能学会): 過活動膀胱(OAB)の定義(尿意切迫感の重要性)、診断プロセス(残尿測定の役割)、および薬物療法(β3作動薬、抗コリン薬)や専門治療(ボツリヌス毒素注入療法、仙骨神経刺激療法)に関する記述は、このガイドラインに準拠しています4。
- 国内外の研究論文・メタアナリシス: 過活動膀胱の世界的な有病率5、危険因子6、および薬物療法の安全性と有効性に関する最新の知見78は、PubMedなどに掲載された査読付き学術論文の分析に基づいています。
- 髙橋悟教授による監修書籍・著作: 患者の生活の質(QOL)を重視する視点や、一般の方向けの分かりやすい解説は、髙橋悟教授の著作『頻尿・尿もれ 自力でできるリセット法』や『過活動膀胱がわかる本』などの情報源を参考にしています910。
要点まとめ
- 頻尿は「年のせい」ではなく、過活動膀胱や夜間多尿など、原因が特定できる治療可能な「症状」です。
- 自身の症状を客観的に把握する最も重要な方法は「排尿日誌」をつけることです。これが診断と治療の鍵となります。
- 頻尿の二大原因は、急な強い尿意を特徴とする「過活動膀胱」と、夜間の尿量が増える「夜間多尿」です。
- 治療の第一歩は、薬に頼らない「行動療法」(生活指導、膀胱訓練、骨盤底筋訓練)です。これだけで改善する人も多くいます。
- 行動療法で改善しない場合でも、副作用の少ない新薬や、難治性症例に対する専門的な治療法など、効果的な選択肢があります。
- 頻尿の裏に、糖尿病や膀胱がん、前立腺がんなどの病気が隠れている可能性もあるため、自己判断せず専門医に相談することが重要です。
第1章:「頻尿」とは? 正しい定義とセルフチェック
頻尿と一言でいっても、その状態は様々です。まずは、医学的な定義を正しく理解し、ご自身の症状を客観的に把握することから始めましょう。そのために最も強力なツールが「排尿日誌」です。
正しい定義を理解する
頻尿は、主に日中の頻尿と夜間の頻尿に分けて考えられます。
- 昼間頻尿(ちゅうかんひんにょう)
一般的に、朝起きてから夜寝るまでの間に8回以上排尿する場合を指します14。ただし、これはあくまで目安です。水分を多く摂れば回数は増えますし、個人差も大きいため、回数だけで異常と決めつけることはできません。 - 夜間頻尿(やかんひんにょう)
就寝後、排尿のために1回以上起きなければならない状態と定義されます3。臨床的には、QOLへの影響が大きくなる「夜間2回以上」の排尿が、治療を検討する一つの目安とされています15。夜間頻尿は、単に夜間にトイレが近いというだけでなく、睡眠の分断による健康への影響が懸念される重要な症状です。
最も重要なセルフチェック「排尿日誌」
ご自身の頻尿のパターンを正確に把握し、その原因を探る上で、何よりも重要なのが「排尿日誌(排尿記録)」をつけることです。これは、日本だけでなく世界の診療ガイドラインでも強く推奨されている、診断の基本となるツールです3。
排尿日誌を記録することで、頻尿の主な原因が以下のどれに当てはまるかのヒントが得られます。
- 多尿(たにょう): 1日の尿量そのものが全体的に多い状態。
- 夜間多尿(やかんたにょう): 1日の総尿量は正常でも、夜間に作られる尿の割合が不相応に多い状態。
- 膀胱蓄尿障害(ぼうこうちくにょうしょうがい): 尿量は正常範囲内でも、膀胱に尿を十分に溜められず、少量ずつ何度もトイレに行く状態(1回排尿量が少ない)。
最低でも連続して2〜3日間、記録をつけてみましょう。この客観的なデータを持って医療機関を受診することで、医師はより正確な診断を下すことができ、的確な治療方針を立てやすくなります。
項目 | 記録方法 |
---|---|
時刻 | 飲水や排尿をした時間を24時間形式で記録します(例:7:30, 15:00, 23:15)。 |
飲んだもの・量 (mL) | 水、お茶、コーヒー、アルコールなど、飲んだものの種類と量(ミリリットル)を記録します。 |
排尿量 (mL) | 計量カップを使って、排尿した尿の量をミリリットル単位で測定・記録します。 |
尿意切迫感の有無 | 「急に我慢できないほどの強い尿意」があった場合に「あり」と記録します。 |
尿もれの有無 | 意図せず尿がもれてしまった場合に「あり」と記録します。 |
【記録後の分析ポイント】
記録をつけ終えたら、以下の項目を計算して、ご自身の状態をチェックしてみましょう。
分析項目 | 計算方法・見方の目安 |
---|---|
1日の総排尿回数 | 24時間の排尿回数を数えます。日中8回以上、夜間2回以上が目安です。 |
1日の総尿量 | 24時間の排尿量をすべて合計します。目安は体重1kgあたり20〜25mLです。体重1kgあたり40mL(例:体重60kgで2400mL)を超える場合は「多尿」の可能性があります3。 |
夜間多尿指数 (%) | (夜間の総尿量 ÷ 1日の総尿量) × 100 で計算します。65歳以上の方でこの値が33%を超える場合、「夜間多尿」が強く疑われます3。 |
1回平均排尿量 | 1日の総尿量 ÷ 1日の総排尿回数 で計算します。この値が常に150mL〜200mL以下と少ない場合、「膀胱蓄尿障害」の可能性があります16。 |
最大1回排尿量 | 24時間の中で最も多かった1回の排尿量です。これが膀胱の最大容量の目安になります。 |
この日誌は、あなたの症状を物語る最も客観的な証拠です。ぜひ実践し、専門医への相談にお役立てください。
第2章:頻尿の二大原因「過活動膀胱」と「夜間多尿」を深く知る
頻尿の原因は多岐にわたりますが、特に多くの人を悩ませているのが「過活動膀胱(OAB)」と「夜間多尿」です。この二つはメカニズムが全く異なるため、正しく見分けることが適切な治療への第一歩となります。
2.1 過活動膀胱 (Overactive Bladder – OAB): 「急な尿意」がサイン
過活動膀胱は、特定の病名ではなく、「症状症候群」として定義されます。その診断に不可欠な中核症状が「尿意切迫感」です4。
尿意切迫感とは?
「急に起こる、我慢することが難しい、強い尿意」のことです。例えば、外出先で急にトイレに行きたくなり、慌てて探すような経験がこれにあたります。頻尿や夜間頻尿、時には間に合わずに漏れてしまう「切迫性尿失禁」を伴うこともありますが、診断の必須条件はこの「尿意切迫感」です。
メカニズム
健康な膀胱は、尿が溜まっている間はリラックスして広がり、脳からの指令があって初めて収縮して尿を排出します。しかし、過活動膀胱では、まだ尿が十分に溜まっていないにもかかわらず、膀胱の筋肉(排尿筋)が本人の意思とは関係なく勝手に収縮してしまいます。この意図しない収縮が、突然の強い尿意(尿意切迫感)を引き起こすのです16。
危険因子
過活動膀胱は誰にでも起こり得ますが、特に危険性を高める要因として、加齢、肥満(高いBMI)、そして脳卒中やパーキンソン病などの特定の神経疾患が知られています5。
診断
日本では、問診の際に「過活動膀胱症状スコア(OABSS)」という質問票が広く用いられ、症状の程度を客観的に評価します4。
2.2 夜間多尿 (Nocturnal Polyuria): 「夜間の尿量」が問題
夜間頻尿に悩む方の中で、特に多いのがこの「夜間多尿」です。これは、過活動膀胱とは異なり、膀胱の機能自体よりも「夜間に作られる尿の量」が問題となる状態です。
定義
前述の通り、65歳以上の成人において、1日(24時間)の総尿量のうち、就寝中に作られる尿の割合が33%を超える状態を指します3。排尿日誌をつけることで、この状態を明確に判断できます。
主な原因
夜間多尿は、主に以下のような要因が絡み合って生じます。
- 加齢による抗利尿ホルモンの分泌低下: 私たちの体は、夜間には「抗利尿ホルモン」を分泌し、尿を濃縮して量を減らすように調整しています。しかし、加齢とともにこのホルモンの夜間分泌が減少し、日中と同じように薄い尿が多く作られてしまうのです17。
- 夕方以降の水分・塩分の過剰摂取: 就寝前に多くの水分や、塩分の多い食事を摂ると、夜間の尿量が増加する直接的な原因となります。特に塩分の過剰摂取は、喉の渇きを招いて水分摂取量を増やし、夜間多尿を悪化させる重要な要因です3。
- 心機能や腎機能の低下、足のむくみ: 日中、立ったり座ったりしている間に下半身に溜まった水分(むくみ)が、就寝して横になると血管内に戻ります。心臓や腎臓の機能が低下していると、この戻ってきた水分を処理しきれず、夜間の尿として排出せざるを得なくなります18。
- 睡眠時無呼吸症候群: 睡眠中に呼吸が止まると、体は低酸素状態に陥ります。これに反応して心臓から利尿作用のあるホルモンが分泌され、夜間の尿量を増やしてしまうことが知られています3。
原因の相互作用と診断の重要性
臨床現場では、頻尿の原因が一つだけであることはむしろ稀です。例えば、前立腺肥大症の男性患者さんのうち、55.9%が過活動膀胱を合併しているという報告があります12。また、夜間頻尿で悩んでいる方が、実は夜間多尿と過活動膀胱の両方を合併しているケースも少なくありません。さらに、夜間頻尿による睡眠不足が、日中の活動性を低下させ、過活動膀胱の症状を悪化させるという悪循環に陥ることもあります15。
このように、原因は複雑に絡み合っていることが多いため、「トイレが近いから過活動膀胱だろう」と自己判断するのは危険です。排尿日誌を活用し、専門医による丁寧な問診と検査を通じて、ご自身の頻尿の主たる原因は何か、複数の原因がどの程度関与しているのかを正確に突き止めることが、効果的な治療への最短ルートとなります。夜間多尿が主体なのに過活動膀胱の治療だけを行っても、十分な効果は得られないのです。
第3章:頻尿の裏に隠された危険な病気のサイン
ほとんどの頻尿は、命に直接関わるものではありません。しかし、中には注意すべき病気が隠れているサインである可能性もあります。特に、急に症状が現れたり、他の症状を伴ったりする場合には注意が必要です。この章では、頻尿が警告となりうる病気について解説します。
男性特有の病気
- 前立腺肥大症 (Benign Prostatic Hyperplasia – BPH): 中高年の男性に最も多い原因の一つです。加齢とともに前立腺が肥大し、尿道を圧迫します。これにより、尿の勢いが弱くなる(排尿困難)、尿を出し切れない(残尿感)、そして膀胱が刺激されて頻尿や尿意切迫感が起こります16。
- 前立腺がん (Prostate Cancer): 初期段階では無症状のことが多いですが、進行すると前立腺肥大症と似たような頻尿や排尿困難の症状が現れることがあります。50歳を過ぎたら、定期的なPSA(前立腺特異抗原)検査を検討することが重要です19。
- 前立腺炎 (Prostatitis): 比較的若い世代の男性にも見られる病気で、細菌感染や長時間の座位などが原因で前立腺に炎症が起こります。頻尿、排尿時痛、下腹部や会陰部の不快感などが主な症状です19。
女性特有の病気
- 膀胱炎 (Cystitis): 女性の頻尿で最も一般的な原因です。女性は男性に比べて尿道が短いため、細菌が膀胱に侵入しやすく、炎症を起こします。頻尿に加えて、排尿時の痛み、残尿感、尿の白濁などが特徴的な症状です16。
- 骨盤臓器脱 (Pelvic Organ Prolapse): 出産や加齢により骨盤底筋が緩み、子宮や膀胱などの臓器が下がってくる状態です。膀胱が下がると(膀胱瘤)、尿が完全に出し切れずに残尿が生じ、頻尿の原因となることがあります20。
- 子宮筋腫 (Uterine Fibroids) や子宮内膜症: 子宮にできた筋腫が大きくなると、隣接する膀胱を物理的に圧迫し、頻尿を引き起こすことがあります20。
男女共通の全身性疾患
- 糖尿病 (Diabetes Mellitus): 頻尿、特に尿量そのものが増える「多尿」の代表的な原因です。血糖値が高い状態が続くと、余分な糖が尿中に排出される際に、水分も一緒に引き連れて出て行ってしまいます(浸透圧利尿)。その結果、尿量が増え、体は水分不足となり、異常な喉の渇き(多飲)を伴います17。
- 膀胱がん (Bladder Cancer): 最も多い症状は痛みを伴わない血尿ですが、がんが膀胱の粘膜を刺激することで、治りにくい膀胱炎のような頻尿や尿意切迫感を引き起こすことがあります16。
- 腎機能障害 (Kidney Disease): 病気の初期段階では、腎臓の尿を濃縮する能力が低下し、薄い尿がたくさん作られる「多尿」となり、夜間頻尿の原因となることがあります18。
- 尿崩症 (Diabetes Insipidus): 抗利尿ホルモンの異常によって腎臓での水分再吸収がうまくいかなくなり、激しい喉の渇きと、1日に何リットルもの薄い尿が出る状態です。非常に稀な病気ですが、多尿の原因として鑑別が必要です17。
- 神経疾患 (Neurological Conditions): 脳卒中、パーキンソン病、多発性硬化症、脊髄損傷など、脳や脊髄の病気は、膀胱の収縮や弛緩をコントロールする神経の働きを障害することがあります。これにより、膀胱が過敏になったり、逆にうまく収縮できずに残尿が増えたりして、頻尿につながります。これを「神経因性膀胱」と呼びます16。
考えられる病気 | 主な随伴症状 | 特に注意すべき人 | 受診の目安 |
---|---|---|---|
膀胱炎 | 排尿時の痛み、残尿感、尿の濁り、血尿 | 女性 | 症状があれば早めに泌尿器科へ |
前立腺肥大症 | 尿の勢いが弱い、尿が出始めるまで時間がかかる、残尿感 | 50歳以上の男性 | 症状が生活に支障をきたし始めたら泌尿器科へ |
過活動膀胱 | 急に我慢できない強い尿意(尿意切迫感)、切迫性尿失禁 | 中高年の男女 | 尿意切迫感で困っていれば泌尿器科へ |
糖尿病 | 異常な喉の渇き、多飲、体重減少、倦怠感 | 肥満、家族歴のある方 | これらの症状があれば内科・糖尿病内科へ |
膀胱がん | 痛みを伴わない血尿、治りにくい頻尿 | 喫煙歴のある方、高齢者 | 血尿が出たらすぐに泌尿器科へ |
前立腺がん | 初期は無症状。進行すると排尿困難や頻尿 | 50歳以上の男性 | 定期的なPSA検診を推奨。症状があれば泌尿器科へ |
夜間多尿 | 夜間の尿量が特に多い、足のむくみ | 高齢者、高血圧や心臓病のある方 | 排尿日誌を持参し、泌尿器科やかかりつけ医へ |
第4章:専門医はこう診断する ― 診療の流れと検査
頻尿で医療機関を受診すると、どのような診察や検査が行われるのでしょうか。ここでは、日本の診療ガイドラインに基づいた標準的な診断プロセスを解説します。プロセスを理解することで、安心して診察に臨むことができます。
一般医と専門医の役割分担
日本の診療ガイドラインでは、かかりつけ医などの「一般医家」と「泌尿器科専門医」の役割が区別されています。多くの場合、患者さんはまず一般医家を受診し、そこで基本的な評価が行われます。診断が難しいケースや、専門的な治療が必要な場合に専門医へ紹介される、という流れが一般的です4。
- 一般医家(かかりつけ医など)の役割:
初期対応とスクリーニングを行います。問診、簡単な身体診察、尿検査などを通じて、膀胱炎のような比較的単純な病気の診断・治療や、血尿などの「危険なサイン」を見つけて専門医へつなぐ役割を担います4。 - 泌尿器科専門医の役割:
一般医から紹介された症例や、初期治療で改善しない複雑な症例を扱います。排尿日誌の詳細な分析や、後述する専門的な検査を駆使して、頻尿の根本原因を正確に突き止め、最適な治療法を決定します3。
診断の主要なステップ
専門医のもとでは、以下のステップで体系的に診断が進められます。
- 問診 (Medical History): 最も重要なステップです。いつから、どのような時に、どの程度困っているか、といった症状の詳細に加え、水分摂取の習慣、現在服用中の薬、過去の病気や手術歴などを詳しくお聞きします4。
- 症状スコア (Symptom Scores): 症状の重症度やQOLへの影響を客観的に評価するために、国際的に標準化された質問票を用います。例えば、過活動膀胱には「OABSS」、男性の前立腺症状には「国際前立腺症状スコア(IPSS)」、夜間頻尿のQOL評価には「N-QOL質問票」などが使われます3。
- 排尿日誌の確認 (Bladder Diary Review): 患者さんが記録した排尿日誌は、診断の宝庫です。1日の総尿量、夜間多尿の有無、1回あたりの排尿量などを分析し、頻尿のタイプを特定します3。
- 尿検査 (Urinalysis): 尿中の血液(血尿)、細菌や白血球(膿尿)、糖などを調べる基本的な検査です。尿路感染症や膀胱がん、糖尿病などの手がかりを得ることができます4。
- 残尿測定 (Post-Void Residual – PVR – Measurement): 排尿直後に、超音波(エコー)を使って膀胱内にどれくらい尿が残っているかを測定する、痛みのない簡単な検査です。これが診断プロセスにおける非常に重要な分岐点となります4。
診断の分岐点となる「残尿測定」の重要性
残尿測定は、単なる検査の一つではありません。治療方針を決定する上で、極めて重要な意味を持つ「分かれ道」です。
日本の過活動膀胱診療ガイドラインでは、残尿量が100mL(高齢者などでは50mL)以上ある場合は、安易に過活動膀胱の治療薬を開始せず、専門医による精密検査が必要とされています4。その理由は「安全性」と「正確な診断」にあります。
過活動膀胱の治療薬(抗コリン薬やβ3作動薬)は、膀胱の異常な収縮を抑え、リラックスさせることで効果を発揮します。しかし、もし患者さんが前立腺肥大症や神経の障害によって、もともと尿を出す力が弱く、多くの残尿がある状態(排尿障害)だった場合、どうなるでしょうか。そこに膀胱をさらにリラックスさせる薬を投与すると、ますます尿が出しにくくなり、最悪の場合、尿が全く出せなくなる「尿閉」という危険な状態に陥る可能性があります。
つまり、残尿測定は、このような医原性(治療が原因で起こる)の合併症を防ぐための重要な安全確認なのです。そして、多くの残尿が認められた場合、問題の焦点は「尿を溜められないこと(蓄尿障害)」から「尿を出し切れないこと(排尿障害)」へとシフトします。治療戦略は、過活動膀胱の治療から、まず残尿の原因(前立腺肥大症など)を解決することへと大きく転換されるのです。このメカニズムに基づいた安全かつ論理的なアプローチこそが、専門的な診療の根幹をなしています。
第5章:治療の第一歩「行動療法」― 今日からできるセルフケア
頻尿の治療と聞くと、すぐに薬を思い浮かべるかもしれませんが、国内外のすべての主要な診療ガイドラインで、最も重要かつ最初に行うべき「第一選択」として位置づけられているのが「行動療法」です。行動療法は、薬のような副作用の心配がなく、原因によらず多くのタイプの頻尿に効果が期待できる、安全で強力な治療法です3。
行動療法は、主に「生活指導」「膀胱訓練」「骨盤底筋訓練」の3つの柱から成り立っています。
1. 生活指導 (Lifestyle Guidance)
日々の生活習慣を見直すことで、症状を大きく改善できる可能性があります。
- 水分摂取の適正化 (Fluid Management): 水分を摂りすぎれば尿量が増えるのは当然ですが、逆に極端に制限するのも問題です。尿が濃くなりすぎると、かえって膀胱を刺激して尿意を強く感じることがあります。1日の水分摂取量は1.5L〜2.0L程度を目安にし、一度にがぶ飲みせず、こまめに摂るようにしましょう。特に、利尿作用のあるカフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶など)やアルコールは、夕方以降は控えるのが賢明です3。
- 食事指導 (Dietary Guidance): 香辛料の多い刺激物、柑橘系の果物、炭酸飲料なども膀胱を刺激することがあります。ご自身の排尿日誌と食事内容を照らし合わせ、特定の食品を摂った後に症状が悪化するようであれば、それを避けるようにしましょう21。夜間多尿が疑われる場合は、夕食の塩分を控えることが非常に効果的です3。
- 体重管理 (Weight Management): 肥満は、腹圧を高めて膀胱を圧迫し、過活動膀胱や腹圧性尿失禁の症状を悪化させます。適度な運動とバランスの取れた食事で体重を減らすことは、症状改善に直結します4。
- 便秘の解消 (Managing Constipation): 便秘で腸内に便が溜まっていると、すぐ後ろにある膀胱が圧迫されて頻尿の原因となります。食物繊維の多い食事や適度な運動を心がけ、快便を保つことも大切です21。
2. 膀胱訓練 (Bladder Training)
過活動膀胱のように、膀胱が過敏になっている場合に特に有効な訓練です。これは、尿意を感じてもすぐにはトイレに行かず、少しだけ我慢する習慣をつけることで、膀胱に「もう少し尿を溜めても大丈夫だ」と再教育するプログラムです4。
【膀胱訓練の進め方】
- まず排尿日誌で、ご自身の現在の排尿間隔を把握します(例:平均1時間)。
- その時間より15分〜30分長い間隔で、排尿スケジュールを立てます(例:1時間半ごと)。
- スケジュールされた時間になるまでは、尿意を感じてもトイレに行くのを我慢します。途中で強い尿意に襲われたら、後述する骨盤底筋訓練の「クイックフリック」などで気を紛らわせます。
- スケジュールを守れるようになったら、さらに15分〜30分ずつ間隔を延ばしていきます。
- 最終的に2〜3時間程度、尿意をコントロールできるようになることを目指します。
この訓練は、焦らず少しずつ進めることが成功の鍵です。
3. 骨盤底筋訓練 (Pelvic Floor Muscle Training – PFMT)
骨盤の底でハンモックのように膀胱や子宮を支えている「骨盤底筋」を鍛える運動です。一般的に「ケーゲル体操」として知られています。この筋肉を強化することで、尿道をしっかりと締める力がつき、尿意切迫感や尿もれの改善が期待できます4。
【基本的な骨盤底筋訓練】
- 仰向けに寝て、膝を立てます。
- お腹や足に力が入らないようにリラックスします。
- 肛門と膣(男性の場合は肛門と陰嚢の間)を、体の中に引き上げるようなイメージで「きゅっ」と締めます。5秒間維持します。
- その後、ゆっくりと10秒かけて力を抜きます。
- この「締める・緩める」を1セットとし、10回繰り返します。これを1日に数セット行います。
【緊急時のテクニック:クイックフリック】
急に強い尿意(尿意切迫感)に襲われた時には、「クイックフリック」と呼ばれるテクニックが有効です。骨盤底筋を「きゅっ、きゅっ、きゅっ」と素早く数回締めることで、膀胱の異常な収縮を抑制し、尿意の波を乗り切ることができます21。
これらの行動療法は、効果が出るまでに数週間から数ヶ月かかる場合がありますが、継続することで着実な改善が期待できます。ぜひ今日から生活に取り入れてみてください。
第6章:薬物療法から最新治療まで ― 専門医による治療選択肢
行動療法を続けても症状が十分に改善しない場合、あるいは症状が非常に強く、早期の改善を望む場合には、薬物療法が次の選択肢となります。これを「第二選択」の治療と呼びます。ここでは、頻尿の原因別に用いられる主な薬剤と、さらにその先の専門的な治療法について解説します。
6.1 薬物療法 (Pharmacotherapy)
薬物療法では、頻尿の根本原因に合わせて薬剤を選択することが極めて重要です。
過活動膀胱(OAB)に対する治療薬
主に「β3作動薬」と「抗コリン薬」の2種類が用いられます。
- β3作動薬 (Beta-3 Agonists)
- 抗コリン薬 (Anticholinergics)
薬物選択における専門的な視点
β3作動薬と抗コリン薬のどちらを選ぶかは、単なる好みではなく、患者さん一人ひとりの状態に基づいた専門的な判断です。両者の有効性には大きな差がないとされていますが8、安全性プロファイルには明確な違いがあります。特に、高齢で便秘がち、あるいは認知機能の低下が心配される患者さんに対しては、副作用の危険性が低いβ3作動薬が優先的に選択されます。これは、単に症状を抑えるだけでなく、患者さんの全体的な健康と安全を最優先する、個別化医療の考え方に基づいています。
夜間多尿に対する治療薬
- デスモプレシン (Desmopressin)
- 作用: 夜間に不足しがちな抗利尿ホルモンを補う合成ホルモン剤です。尿を濃縮し、夜間の尿量を効果的に減らします3。
- 注意点: 夜間多尿に対して非常に有効ですが、体内のナトリウム濃度が低下する「低ナトリウム血症」という重篤な副作用の危険性があります。そのため、特に高齢者に使用する際は、定期的な血液検査でナトリウム値を監視しながら、少量から慎重に投与する必要があります。
前立腺肥大症(BPH)に伴う頻尿に対する治療薬
- α1遮断薬 (Alpha-1 Blockers)
- 作用: 前立腺や膀胱の出口の筋肉の緊張を緩め、尿の通りを良くすることで、排尿困難とそれに伴う頻尿を改善します4。
- 5α還元酵素阻害薬 (5-alpha Reductase Inhibitors)
- 作用: 時間をかけて前立腺そのものを小さくする薬です。効果発現は緩やかですが、根本的な改善が期待できます4。
薬剤の種類 | 主な薬剤名(製品名) | 主な作用 | 期待される効果 | 主な副作用・注意点 |
---|---|---|---|---|
β3作動薬 | ミラベグロン(ベタニス®)、ビベグロン(ベオーバ®) | 膀胱を弛緩させ、蓄尿量を増やす | 尿意切迫感、頻尿の改善 | 副作用は比較的少ない。まれに血圧上昇、便秘など。 |
抗コリン薬 | ソリフェナシン(ベシケア®)、イミダフェナシン(ステーブラ®)など | 膀胱の異常な収縮を抑える | 尿意切迫感、頻尿の改善 | 口渇、便秘、目のかすみ。高齢者では認知機能への影響や残尿増加に注意。 |
デスモプレシン | デスモプレシン(ミニリンメルト®) | 尿を濃縮し、夜間の尿量を減らす | 夜間多尿による夜間頻尿の改善 | 低ナトリウム血症の危険性。定期的な血液検査が必須。 |
α1遮断薬 | タムスロシン(ハルナール®)、シロドシン(ユリーフ®)など | 膀胱の出口を広げ、尿の出を良くする | 前立腺肥大症による排尿困難、頻尿の改善 | めまい、立ちくらみ(特に服用初期)。 |
6.2 難治性症例への専門治療(第三選択)
行動療法や薬物療法を組み合わせても改善しない「難治性」の過活動膀胱に対しては、さらに専門的な治療法があります。
- ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法 (Botulinum Toxin Injections): 膀胱鏡を使い、膀胱の筋肉にボツリヌス毒素(ボトックス®)を直接注射する治療法です。筋肉を弛緩させる強力な作用があり、半年〜1年程度、症状を劇的に改善させる効果が期待できます。ただし、効果が強すぎて一時的に尿が出にくくなり、自己導尿(自分でカテーテルを挿入して尿を出すこと)が必要になる場合があります4。
- 仙骨神経刺激療法 (Sacral Neuromodulation – SNM): 「膀胱のペースメーカー」とも呼ばれる治療法です。お尻のあたりにある仙骨神経の近くに電極を、皮下に刺激装置本体を植え込み、微弱な電気刺激を継続的に送ることで、膀胱と脳の間の過剰な神経信号を正常化します。長期的な効果が期待できる治療法です4。
これらの治療は、実施できる医療機関が限られていますが、重度の症状に悩む患者さんにとっては大きな希望となり得ます。
よくある質問
Q1: 頻尿は何科を受診すればよいですか?
A1: まずはかかりつけの内科医に相談するのも一つの方法ですが、頻尿や尿もれを専門とするのは「泌尿器科」です。特に、症状が長引いている場合、排尿時の痛みや血尿など他の症状を伴う場合、あるいは男性で尿の勢いが弱いといった症状がある場合は、最初から泌尿器科専門医を受診することをお勧めします。専門医は、本記事で解説したような詳細な検査を通じて、正確な原因を診断し、最適な治療法を提案してくれます。
Q2: 水分を控えているのに、トイレが近いです。なぜですか?
Q3: 夜間頻尿で眠れません。睡眠薬を飲んでもよいですか?
A3: 自己判断で睡眠薬を服用することは推奨されません。夜間頻尿の原因が「夜間多尿」や「過活動膀胱」などにある場合、睡眠薬で根本的な解決にはなりません。それどころか、一部の睡眠薬には筋肉を緩める作用があり、夜間の尿もれを助長する可能性があります。また、深い眠りによって尿意に気づくのが遅れたり、薬の影響で足元がふらつき、夜中にトイレに行く際の転倒・骨折の危険性が高まることも懸念されます3。まずは泌尿器科で夜間頻尿の原因を正確に診断してもらい、原因に応じた適切な治療を受けることが、安全で質の高い睡眠を取り戻すための最も確実な方法です。
Q4: 薬物療法には副作用が心配です。ずっと飲み続けないといけませんか?
A4: 副作用へのご心配は当然のことです。近年の過活動膀胱治療薬、特にβ3作動薬は、従来の抗コリン薬に比べて口の渇きや便秘といった副作用が大幅に軽減されています7。医師は患者さん一人ひとりの状態や他の持病などを考慮し、最も安全と考えられる薬を選択します。また、薬物療法は行動療法と並行して行うのが基本です。生活習慣の改善や膀胱訓練などで症状がコントロールできるようになれば、薬の量を減らしたり、中止したりすることも可能です。治療の目標は、薬を飲み続けることではなく、症状をコントロールして快適な生活を送ることです。治療方針については、定期的に医師と相談しながら決めていくことが大切です。
結論
本記事を通じて、頻尿という症状の多面性とその対処法について解説してきました。最後に、最も重要なメッセージを改めてお伝えします。
第一に、頻尿は「年のせい」とあきらめるべき単なる老化現象ではありません。その背景には、過活動膀胱、夜間多尿、前立腺肥大症、あるいは全身の病気など、特定可能な医学的原因が存在する、治療可能な「症状」です。
第二に、治療への第一歩は、ご自身の症状を正しく知ることから始まります。「排尿日誌」という簡単なツールを用いることで、ご自身の頻尿のパターンを客観的に把握し、専門医との対話をより実りあるものにすることができます。
そして第三に、頻尿には効果的な治療法が数多く存在します。副作用の心配がない安全な「行動療法」から、近年の進歩が著しい「薬物療法」、さらには難治性の症状に対する「専門的な治療」まで、選択肢は多岐にわたります。
頻尿の悩みは、他人に相談しにくく、一人で抱え込みがちな問題です。しかし、その悩みは日々の快適さを奪い、外出への不安を生み、睡眠を妨げ、ひいては心身の健康全体を損なう可能性があります。治療の最終目標は、単にトイレの回数を減らすことだけではありません。不安なく外出を楽しみ、夜はぐっすりと眠り、自信に満ちた毎日を送る――その失われた「生活の質(QOL)」を取り戻すことにあります9。
この記事が、頻尿に悩むすべての方々にとって、沈黙を破り、専門家への扉を叩くための勇気となることを心から願っています。どうぞ、お近くの泌尿器科専門医にご相談ください。
参考文献
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