この記事の科学的根拠
この記事は、入力された研究報告書で明示的に引用されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。以下に示すリストは、実際に参照された情報源のみを含み、提示された医学的指導との直接的な関連性を示したものです。
- 日本動脈硬化学会 (JAS): 本記事における日本の診断基準、リスク区分、管理目標値、食事・運動療法の推奨事項に関する指導は、同学会が発行した「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」に基づいています2。
- 米国心臓協会/米国心臓病学会 (AHA/ACC): 国際的な治療アプローチとの比較分析における、スタチンの「強度」を重視する考え方に関するガイダンスは、これらの組織が発行した「2018年版コレステロール管理ガイドライン」に基づいています3。
- 欧州心臓病学会/欧州アテローム性動脈硬化学会 (ESC/EAS): 「より低く、より良く」という原則に基づく欧州の厳格なLDLコレステロール目標値に関するガイダンスは、これらの組織が発行した「2019年版脂質異常症管理ガイドライン」に基づいています4。
- 厚生労働省 (MHLW): 日本における脂質異常症の有病率や日本人の健康状態に関する統計データは、同省が実施する「国民健康・栄養調査」に基づいています5。
- The New England Journal of Medicine (NEJM): スタチン不耐容患者に対する新薬ベンペド酸の有効性に関するガイダンスは、同誌に掲載された大規模臨床試験「CLEAR Outcomes」の結果に基づいています6。
- European Heart Journal: 新世代の治療薬インクリシランの長期的な有効性と安全性に関するガイダンスは、同誌に掲載された臨床試験「ORION-8」の結果に基づいています7。
要点まとめ
- 脂質異常症は、自覚症状なく動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高める危険な状態です。
- 診断は血液検査で行われ、LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)の値で判断されます。
- 治療の基本は食事療法と運動療法です。飽和脂肪酸を減らし、食物繊維や青魚を積極的に摂ること、そして継続的な有酸素運動が推奨されます。
- 薬物療法ではスタチンが第一選択薬ですが、近年では半年に1回の注射薬(インクリシラン)やスタチンが使えない人向けの経口薬(ベンペド酸)など、新しい選択肢も登場しています。
- 治療目標は個々のリスクに応じて設定されます。自己判断で治療を中断せず、専門医と相談しながら継続的に管理することが、将来の健康を守る鍵となります。
第1章:脂質異常症の基本を理解する
脂質異常症を正しく管理するためには、まずその基本的な知識を身につけることが不可欠です。この章では、病名の変遷から、血液中の脂質の役割、そしてなぜこの状態が危険視されるのかについて、分かりやすく解説します。
1-1. 「高脂血症」から「脂質異常症」へ:なぜ名前が変わったのか?
かつて「高脂血症」と呼ばれていたこの状態は、2007年に日本動脈硬化学会によって「脂質異常症」へと名称が変更されました8。これは、単にコレステロールや中性脂肪の値が「高い」ことだけが問題なのではなく、善玉であるHDLコレステロールが「低い」ことも同様に動脈硬化の重要な危険因子であるという、より正確な病態認識を反映するためです。この変更により、HDLコレステロールが低い状態も治療対象であることが明確になりました。
1-2. 血液中の脂質の役割:悪玉(LDL)、善玉(HDL)、中性脂肪とは?
脂質は生命維持に不可欠な物質であり、一概に「悪者」ではありません。それぞれの脂質には重要な役割があります。国立循環器病研究センターの解説を基に、その働きを比喩的に見ていきましょう9。
- LDL(悪玉)コレステロール: 「全身の細胞にコレステロールを届ける配達人」の役割を担います。しかし、増えすぎると血管壁に蓄積し、動脈硬化の原因となります。
- HDL(善玉)コレステロール: 「余分なコレステロールを回収する清掃人」です。血管壁に溜まったコレステロールを肝臓へ運び戻し、動脈硬化を防ぐ働きをします。そのため、この値は高い方が望ましいとされます。
- トリグリセライド(中性脂肪): 「非常用のエネルギー貯蔵庫」として機能します。しかし、過剰になるとLDLコレステロールを小型化させ、より血管壁に入り込みやすい「超悪玉コレステロール」に変えたり、HDLコレステロールを減らしたりする原因となります。
問題の本質は、これらの脂質のバランスが崩れることにあります。
1-3. なぜ危険なのか?自覚症状なき脅威「動脈硬化」のメカニズム
脂質異常症が危険視される最大の理由は、自覚症状がないままに「動脈硬化」を進行させる点にあります。国立循環器病研究センターによると、そのプロセスは以下のように進みます10。
- 過剰になったLDLコレステロールが、傷ついた血管の内壁(血管内皮)に侵入します。
- 侵入したLDLコレステロールは酸化され、より有害な「酸化LDL」に変化します。
- 体の免疫細胞であるマクロファージが、この酸化LDLを異物と見なして次々と貪食し、コレステロールを溜め込んだ「泡沫細胞」となります。
- この泡沫細胞が血管壁に大量に蓄積すると、お粥のようなドロドロとした塊「プラーク(粥腫)」を形成します。これが動脈硬化の正体です。
- プラークが不安定になり破裂すると、それを修復しようと血小板が集まり、「血栓(血の塊)」ができます。この血栓が血管を完全に詰まらせると、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすのです。
第2章:【最重要】日本の診断基準とリスク評価
この章では、日本の医療現場で用いられている最新の診断基準と、個々の患者さんの危険度に応じて治療目標をどう設定するのかについて、具体的に解説します。ご自身の健康診断の結果と照らし合わせながらお読みください。
2-1. あなたはどのタイプ?脂質異常症の診断基準
日本動脈硬化学会が5年ごとに改訂する「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」は、日本の臨床現場における絶対的な指標です。2022年版に準拠した最新の診断基準は以下の通りです211。この基準値は、空腹時に採血した際のものです。
脂質異常症の種類 | 基準値 (mg/dL) |
---|---|
高LDLコレステロール血症 | 140以上 |
境界域高LDLコレステロール血症 | 120~139 |
低HDLコレステロール血症 | 40未満 |
高トリグリセライド(中性脂肪)血症 | 150以上 |
高non-HDLコレステロール血症 | 170以上 |
特筆すべき点として、2022年版ガイドラインでは、食事の影響を受ける中性脂肪について、隨時(非空腹時)採血における基準値が175mg/dL以上と新たに設定されました12。これは、食後の脂質上昇(食後高脂血症)も動脈硬化の独立した危険因子であるという近年の知見を反映したものです。
2-2. リスクは人それぞれ:管理目標値はどう決まる?
診断基準値を超えたからといって、全員がすぐに同じ治療を開始するわけではありません。治療方針は、その人が将来、心筋梗塞や脳梗塞などを起こす危険性がどの程度あるかによって大きく異なります。JASガイドラインでは、年齢、性別、喫煙歴、高血圧や糖尿病の有無、家族歴などを総合的に評価し、患者さんを「低・中・高リスク」の3つのカテゴリーに分類(層別化)します13。そして、そのリスク区分に応じて、目指すべき脂質の管理目標値が設定されます。
リスク区分 | LDL-C目標値 (mg/dL) | non-HDL-C目標値 (mg/dL) |
---|---|---|
一次予防・低リスク | <160 | <190 |
一次予防・中リスク | <140 | <170 |
一次予防・高リスク | <120 | <150 |
二次予防(心筋梗塞などの既往がある方) | <100 | <130 |
二次予防(特にリスクが高い場合※) | (<70) | (<100) |
※家族性高コレステロール血症や、複数の危険因子を合併する糖尿病などが該当します。
2022年版ガイドラインでは、このリスク評価に福岡県久山町の住民を長年追跡調査した「久山町研究」のデータに基づくスコアが新たに採用されました。これは、従来の評価法が主に心臓の病気(冠動脈疾患)を対象としていたのに対し、日本人で比較的多い脳梗塞(アテローム血栓性脳梗塞)のリスクも評価に加えた、より日本の実情に即した評価方法と言えます14。
2-3. 日本の現状:どれくらいの人が該当するのか?
厚生労働省が公表した最新の「令和4年 国民健康・栄養調査」によると、脂質異常症が疑われる人の割合は、血清総コレステロール値が240mg/dL以上の者で男性13.4%、女性24.8%に達しています515。特に女性では実に4人に1人が該当する計算となり、極めてありふれた健康問題であることが客観的な数字で示されています。
第3章:世界基準との比較:あなたの治療はグローバルスタンダードか?
日本の治療方針が唯一絶対のものではありません。ここでは、日本(JAS)、米国(AHA/ACC)、欧州(ESC/EAS)の三大ガイドラインにおける脂質管理への考え方の違いを比較し、読者の皆様に多角的な視点を提供します。これは、ご自身の治療が国際的な文脈でどう位置づけられるかを理解し、医師との対話を深める助けとなるでしょう。
項目 | 日本 (JAS 2022)2 | 米国 (AHA/ACC 2018)1617 | 欧州 (ESC/EAS 2019)4 |
---|---|---|---|
治療戦略の思想 | リスク層別化に基づき、個別のLDL-C目標値を設定し、その達成を目指す。 | 個別の目標値は重視せず、リスクに応じてスタチンの「強度」(高・中強度)を選択し、LDL-Cの「低下率」(例:50%以上低下)を重視する。 | 「より低く、より良く (lower is better)」の原則に基づき、極めて厳格なLDL-C目標値の達成を最優先する。 |
二次予防の目標例 | LDL-C < 100 mg/dL | 高強度スタチンで50%以上低下 | LDL-C < 55 mg/dL かつ ベースラインから50%以上低下 |
このように、米国は「どのくらい下げるか」、欧州と日本は「どこまで下げるか」を重視しますが、特に欧州の目標値は非常に厳格です。この背景には、LDLコレステロールは低ければ低いほど心血管イベントを抑制できるという数多くの科学的根拠があります。この国際比較は、他の多くの情報サイトにはない、本記事が提供する高い付加価値の一つです。
第4章:治療の柱①:明日からできる生活習慣の改善
脂質異常症治療の根幹は、生活習慣の改善です。薬物療法が必要な場合でも、食事と運動の管理は並行して行う必要があります。ここでは、具体的で実践的な方法を紹介します。
4-1. 食事療法:何を減らし、何を増やすべきか
日本動脈硬化学会のガイドラインでは、特定の食品を完全に排除するのではなく、食品のバランスと質を重視した食事指導が推奨されています18。戦後の日本の「食事の欧米化」が脂質異常症増加の一因と指摘される一方で19、伝統的な和食の要素には健康に良いものが多く含まれます。
減らすべきもの
- 飽和脂肪酸: 肉の脂身、バター、ラード、生クリームなど。LDLコレステロールを増やす主な原因です。
- トランス脂肪酸: マーガリン、ショートニング、これらを使った菓子パンやファストフード。LDLコレステロールを増やし、HDLコレステロールを減らす最悪の脂肪酸です。
- コレステロール: 鶏卵の黄身、魚卵(いくら、たらこ)、レバーなどの内臓類。1日の摂取目標は200mg未満とされています。
増やすべきもの
- 水溶性食物繊維: 海藻類(わかめ、昆布)、きのこ類、大麦、ごぼうなど。コレステロールの吸収を抑えます。
- n-3系多価不飽和脂肪酸: サバ、イワシ、サンマなどの青魚に豊富に含まれます。中性脂肪を下げ、血栓を防ぐ効果が期待されます。
- 大豆製品: 豆腐、納豆など。良質なたんぱく質源であり、コレステロールを下げる効果も報告されています。
中国の食養生ガイドでは、週に25品目以上の多様な食品を摂取することや、調理法を工夫(揚げるより蒸す、煮る)することも推奨されており、日本でも応用できる知恵と言えるでしょう2021。
4-2. 運動療法:効果的な運動の種類と頻度
運動は、中性脂肪を減らし、HDLコレステロールを増やす効果があります。重要なのは、「きつい運動をたまに」よりも「中等度の運動を継続的に」行うことです。日本動脈硬化学会は、以下のような運動を推奨しています1822。
- 運動の種類: ウォーキング、速歩、ジョギング、サイクリング、水泳などの有酸素運動。
- 運動の強度: 「ややきつい」と感じる程度(心拍数が1分あたり110~120回程度が目安)。
- 運動の時間と頻度: 毎日合計で30分以上を目標に、週に合計180分以上行う。
第5章:治療の柱②:薬物療法
生活習慣の改善を十分に行っても脂質管理の目標値が達成できない場合や、心筋梗塞のリスクが非常に高い場合には、薬物療法が検討されます。
5-1. スタチン:第一選択薬の役割と注意点
スタチンは、脂質異常症治療における最も基本的で重要な薬剤です。肝臓でのコレステロール合成を強力に阻害することで血液中のLDLコレステロールを大幅に低下させ、心筋梗塞や脳卒中の発症を予防する効果について、数多くの科学的根拠(エビデンス)が確立されています3。ただし、ごくまれに筋肉の細胞が壊れてしまう「横紋筋融解症」という重篤な副作用が起こることがあります。筋肉の痛みや脱力感、赤褐色の尿といった初期症状23が現れた場合は、すぐに服用を中止し、医師に相談することが極めて重要です。
5-2. スタチン以外の選択肢:エゼチミブ、フィブラート系薬など
スタチンだけでは目標値に届かない場合や、副作用で使用できない場合、また中性脂肪が特に高い場合には、他の薬剤が併用または代替されます。代表的なものには、小腸でのコレステロール吸収を阻害する「エゼチミブ」や、主に中性脂肪を低下させる「フィブラート系薬」などがあります。
5-3. 【最新情報】次世代の治療薬はここまで来た
既存の治療法では管理が困難だった患者さんにとって、新たな希望となる画期的な新薬が次々と登場しています。ここでは、最新の臨床試験データに基づき、2つの注目薬を詳細に解説します。
5-3-1. インクリシラン(製品名:レクビオ®):半年に1回の注射でLDL-Cを劇的に下げる
インクリシランは、RNA干渉(siRNA)という全く新しいメカニズムで働く治療薬です24。肝臓でコレステロール合成に関わる「PCSK9」というタンパク質が作られるのを、その設計図(メッセンジャーRNA)の段階でブロックします。最大6.8年間にわたる長期追跡試験(ORION-8試験)では、半年に1回の皮下注射を続けることで、LDLコレステロール値を一貫して平均49.4%も低下させ、その効果は時間が経っても衰えませんでした。また、この長期試験でも新たな安全性の懸念は認められず、忍容性も良好であることが示されています7。
5-3-2. ベンペド酸:スタチンが使えない人のための経口新オプション
ベンペド酸は、スタチンで筋肉痛などの副作用が出てしまう「スタチン不耐容」の患者さんにとっての新たな選択肢となる経口薬です。スタチンとは異なる作用機序を持ち、主に肝臓で働くため、筋肉関連の副作用が出にくいとされています25。スタチン不耐容の患者約14,000人を対象とした大規模臨床試験「CLEAR Outcomes」では、プラセボ(偽薬)と比較して、主要な心血管イベント(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、冠動脈血行再建術)のリスクを13%有意に減少させることが証明されました626。一方で、副作用として高尿酸血症(痛風)や胆石症の頻度がやや高かった点も報告されており、リスクと利益のバランスを考慮して使用されます。
第6章:特別な注意が必要なケース
脂質異常症の管理は、患者さんの背景によって注意点が異なります。
6-1. 家族性高コレステロール血症(FH)
家族性高コレステロール血症(FH)は、遺伝子の変異により生まれつきLDLコレステロール値が著しく高く(一般的に220mg/dL以上)、若年から重篤な動脈硬化が進行する疾患です9。通常の脂質異常症とは異なり、生活習慣の改善だけでは管理が極めて困難で、早期発見と小児期からの強力な薬物療法が不可欠です。アキレス腱が厚くなる、まぶたに黄色いできもの(眼瞼黄色腫)ができるといった特徴的な身体所見や、近親者に若くして心筋梗塞になった人がいるなどの家族歴が診断の重要な手がかりとなります27。
6-2. 高齢者、女性、糖尿病患者の注意点
- 高齢者: 日本老年医学会によると、75歳以上の方の一次予防(心血管疾患の既往がない)における薬物治療を開始するかどうかは、フレイル(虚弱)や併存疾患、余命などを個別に考慮し、慎重に判断する必要があります2829。過剰な治療はかえって不利益になる可能性もあるためです。
- 女性: 閉経を迎えると、コレステロール代謝に保護的に働いていた女性ホルモン(エストロゲン)が減少し、LDLコレステロール値が上昇しやすくなります。この生理的な変化を理解しておくことが重要です。
- 糖尿病患者: 糖尿病自体が動脈硬化の非常に強力な危険因子であるため、より厳格な脂質管理が求められます。JASガイドライン2022年版では、特定の合併症(慢性腎臓病など)を持つ糖尿病患者さんのLDLコレステロール目標値が、より厳しい「100mg/dL未満」に設定されました2。
よくある質問
Q1: 油ものを一切食べなければコレステロールは下がりますか?
A: 極端な脂質制限は推奨されません。重要なのは脂質の「質」です。肉の脂身などに多い飽和脂肪酸を減らし、青魚などに含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸や、オリーブオイルなどの不飽和脂肪酸を適量摂ることが、日本動脈硬化学会のガイドラインでも推奨されています18。体内で作られるコレステロールの量も多いため、食事からの摂取をゼロにしても効果は限定的です。
Q2: 薬は一生飲み続けないといけませんか?
A: 脂質異常症は高血圧などと同様に体質的な要因も大きく、多くの場合、薬を中止すると数値は元に戻ってしまいます。そのため、継続的な服用が必要になることが一般的です。ただし、大幅な体重減少や厳格な生活習慣の改善により、医師の判断で薬を減量・中止できる可能性もゼロではありません。自己判断での中断は動脈硬化のリスクを再び高めるため絶対にせず、必ず主治医に相談してください。
Q3: どの診療科を受診すればよいですか?
結論
脂質異常症は、自覚症状がないために軽視されがちですが、その先には動脈硬化を基盤とした深刻な心血管疾患が確実に待ち受けています。しかし、最も重要なことは、このリスクは管理可能であるということです。本記事で提供した科学的根拠に基づく知識を武器に、ご自身の健康状態を正しく評価し、定期的な健康診断を受け、必要であれば主治医と密に連携を取りながら、食事・運動・薬物療法といった適切な対策を粘り強く継続すること。それこそが、10年後、20年後のあなたの健康な未来を守るための、最も確実な投資であると、JHO編集委員会は強く訴えます。この記事をブックマークし、次回の健康診断の結果を見直す際の参考にしてください。そして、少しでも不安や疑問があれば、決して放置せず、お近くの医療機関を受診し、専門家である医師に相談しましょう。
参考文献
-
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