「心臓がチクッと痛い」は病気?考えられる原因と危険なサイン・受診の目安
心血管疾患

「心臓がチクッと痛い」は病気?考えられる原因と危険なサイン・受診の目安

ふとした瞬間に胸のあたりが「チクッ」「ズキッ」と痛んで、「もしかして心臓の病気では?」と不安になったことはありませんか。痛みが一瞬でおさまると「様子を見ても大丈夫かな」と考えてしまいがちですが、その中には命に関わる病気が隠れているケースもあります。

一方で、同じ「胸のチクチクした痛み」でも、筋肉や肋骨まわりの炎症、ストレスや自律神経の乱れなど、心臓の病気とは関係のない原因で起こることも少なくありません2。大切なのは、「どんな痛みのときに急いで受診すべきか」「どのような場合は様子を見てもよいのか」を知り、自分で抱え込まずに適切なタイミングで医療機関につなげることです。

本記事では、厚生労働省や日本の医療機関、世界保健機関(WHO)などの信頼できる情報をもとに、胸がチクチク・ズキッと痛むときに考えられる原因、危険なサイン、受診の目安、日常生活でできる対策まで、できるだけ分かりやすく丁寧に解説します。

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Japanese Health(JHO)は、健康と美容に関する情報を提供するオンラインプラットフォームです。膨大な医学文献や公的ガイドラインを整理し、日常生活で活用しやすい形でお届けすることを目指しています。

本記事の内容は、厚生労働省、世界保健機関(WHO)、日本の循環器関連学会、国内医療機関の解説ページなどの一次情報源に基づいて、JHO編集部がAIツールのサポートを受けつつ、最終的には人の目で一つひとつ確認しながら作成しています1246

  • 厚生労働省・自治体・公的研究機関:突然の胸の痛みや救急受診の目安などに関する情報を優先して参照しています1
  • 国内の医学会ガイドライン・解説:日本循環器学会の急性冠症候群ガイドラインや、日本心臓財団・医療機関による胸痛の解説などをもとに、危険な胸痛の特徴を整理しています45
  • 国際的な医学情報:WHOの心血管疾患に関するファクトシートや、海外医療機関(Mayo Clinicなど)の胸痛解説を参考に、心臓以外の原因も含めて幅広く確認しています36

AIツールは、文献の要約や構成案作成の「アシスタント」として活用していますが、公開前には必ずJHO編集部が原著資料と照合し、重要な記述を一つひとつ確認しながら、事実関係・数値・URLの妥当性を検証しています。

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要点まとめ

  • 「心臓がチクッと痛い」「胸がズキッとする」原因には、筋肉痛や肋骨まわりの炎症、ストレスなど心臓以外のものも多く含まれます。
  • 一方で、「締め付けられる・押しつぶされるような痛み」が数分以上続く、冷や汗や息苦しさ、吐き気、痛みが顎・腕・背中に広がるなどの症状がある場合は、心筋梗塞や大動脈解離など命に関わる病気の可能性があり、すぐに救急要請(119番)を検討すべきサインです14
  • 痛む場所がはっきり指させる・体をひねると痛みが増す・押すと痛いといった痛みは、筋肉や肋骨、神経痛によることが多く、心臓病でないケースも少なくありません2
  • 胸の痛みが繰り返す、運動時に胸が重くなる、階段や坂道で息切れと胸の圧迫感を感じるといった場合は、たとえ痛みが弱くても循環器内科などの受診を検討しましょう24
  • 日本の医療保険制度では、多くの検査・治療が保険適用となります。自己判断で様子を見続けるよりも、早めに相談することで重症化を防げる可能性があります。

第1部:胸のチクチクした痛みの基本と日常生活の見直し

胸の痛みというと「心臓の病気」を真っ先に思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実際には胸の骨・筋肉・神経・肺・胃など、胸の中にはさまざまな臓器がぎゅっと詰まっており、そのどこかに負担がかかることで、似たような痛みが生じることがあります26

特に「一瞬だけチクッとする」「深呼吸で少し痛みが変わる」「前かがみや体をひねると痛い」「押すと痛い」などのパターンは、筋肉や肋骨まわりの炎症、姿勢の崩れ、ストレスに伴う筋緊張など、日常生活に関連する原因であることが少なくありません。まずは、身近な要因から振り返ってみましょう。

1.1. 心臓と胸の仕組み — どこが痛んでいる?

胸の中央には、左右の肺の間に心臓があり、その前面を胸骨、側面を肋骨と筋肉が覆っています。その周りには、肺や胸膜、食道、胃の一部、神経や血管が密集して走っています。そのため、どの部位が刺激されても「胸の痛み」として感じられることがあります6

さらに、痛みを感じる神経は脳までの経路を共有している部分が多く、「胸が痛い」と感じていても、実際には首・肩・背中、あるいは胃や食道の不調が原因となっていることもあります。逆に、心筋梗塞など命に関わる病気でも、胸ではなく「顎や肩、背中の痛み」や「胸やけ」に近い違和感として現れることもあるため、「胸にだけ注目しすぎない」ことも大切です34

1.2. 悪化させやすい日常のNG習慣

軽い胸のチクチク感や違和感は、生活習慣を見直すことで改善することもあります。次のような習慣は、胸の痛みや違和感を悪化させる原因になりやすいとされています。

  • 長時間の同じ姿勢・猫背でのデスクワーク
    パソコンやスマートフォンを長時間前かがみで使用していると、胸の筋肉や肋間筋(肋骨の間の筋肉)に負担がかかり、筋肉痛や肋軟骨炎(肋骨と胸骨のつなぎ目の炎症)を起こすことがあります。胸の一部を指で押すとピンポイントで痛む場合は、このタイプの可能性があります。
  • 運動不足または急な激しい運動
    普段あまり体を動かさない人が急に激しい運動をしたとき、胸や肩回りの筋肉に強い負荷がかかり、翌日以降にチクチクした痛みを感じることがあります。
  • ストレス・睡眠不足・自律神経の乱れ
    強いストレスや不安、睡眠不足が続くと、自律神経のバランスが崩れ、動悸や息苦しさ、胸の違和感として現れることがあります。検査で心臓の病気が見つからないのに胸の痛みが続く場合、自律神経や心身のストレスが関係しているケースも少なくありません。
  • 食べ過ぎ・飲み過ぎ・就寝前の飲食
    暴飲暴食や、就寝直前の食事・飲酒は、胃酸の逆流(逆流性食道炎)を起こし、胸やけや胸の奥のチリチリする痛みとして感じられることがあります6

これらの要因を一つひとつ見直すだけでも、軽い胸のチクチクした痛みが和らぐことがあります。ただし、「生活を変えても痛みが続く」「強さや頻度が増している」「息苦しさや動悸も出てきた」といった場合は、自己判断で様子を見ず、早めに医療機関を受診しましょう。

表1:胸のチクチクした痛み — セルフチェックリスト
こんな症状・状況はありませんか? 考えられる主な背景・原因カテゴリ
デスクワークやスマホ操作の後に、胸の一部を押すとピンポイントで痛い 筋肉・肋骨まわりの負担、姿勢の崩れ
階段や坂道を登ったときだけ、胸が重く締め付けられるように痛む 心臓(狭心症など)の可能性。早めの循環器内科受診が望ましい4
食後や就寝前に胸やけとともに胸の奥がチリチリと痛む 胃・食道のトラブル(逆流性食道炎など)
強いストレス時や不安を感じたときに、胸の違和感やドキドキが強くなる 自律神経の乱れ、パニック発作など心身のストレス

第2部:身体の内部要因 — 栄養・ホルモン・隠れた不調と胸の痛み

生活習慣や姿勢を見直しても胸の痛みが続く場合、背景には栄養不足やホルモンバランス、慢性的な病気など、身体の内側の問題が隠れていることもあります。直接「心臓の病気」ではなくても、胸の違和感や動悸として現れることがあるため、見落とさないことが大切です。

2.1. 【特に女性】ライフステージとホルモンバランス

女性は、月経・妊娠・出産・更年期などライフステージによってホルモンバランスが大きく変化し、それに伴って自律神経のバランスや血流も影響を受けやすいとされています。動悸や胸の違和感、不安感、息苦しさなどが同時に現れることも少なくありません。

また、女性は心筋梗塞など重大な心臓病であっても、「典型的な強い胸痛」が目立たず、胸の圧迫感や息切れ、極度の疲労感、吐き気など、よりあいまいな症状が出ることがあると報告されています37。単なる更年期症状と思い込んでしまい、受診が遅れるケースもあるため、気になる症状が長く続く場合は一度医療機関に相談しましょう。

2.2. 貧血・栄養不足・甲状腺のトラブル

貧血や栄養不足、甲状腺ホルモンの異常(甲状腺機能亢進症・低下症)も、動悸や息切れ、胸の違和感につながることがあります。体内に十分な酸素が運ばれない状態や、心拍数が上がりやすい状態が続くことで、「胸のドキドキ」と「チクチクした痛み」が混ざったような感覚として自覚されることがあります。

「階段で息切れしやすい」「顔色が悪いと言われる」「体重が急に増えた・減った」「手の震えや冷えが強い」など、他の症状を伴う場合は、血液検査や甲状腺機能検査で原因を調べることができます。かかりつけ医や内科で相談してみましょう。

2.3. 心身症・パニック発作など心の状態と胸の痛み

ストレスや不安、過労、眠れない日々が続くと、心と体のバランスが崩れ、「心身症」や「パニック発作」といったかたちで胸の痛みや動悸、息苦しさとして現れることがあります。検査をしても心臓や肺に明らかな異常が見つからない場合でも、本人にとっては非常につらい症状です。

「電車の中や会議中など、人が多い場所で急に胸がドキドキして息ができない感じがする」「また発作が起きるのではないかと不安で外出を控えてしまう」など、生活に支障が出ている場合は、心療内科や精神科で相談することも選択肢の一つです。身体の病気と同様に、心の不調も早めにケアすることで改善しやすくなります。

第3部:専門的な診断が必要な病気 — 見逃してはいけない胸の痛み

ここからは、「専門的な検査や治療が必要となる胸の痛み」について解説します。特に、心筋梗塞や急性大動脈解離、肺血栓塞栓症(肺塞栓)などは、発症からの時間が予後に大きく影響する病気です。少しでも疑わしい場合は、ためらわず救急車(119番)を呼ぶことが重要だとされています145

3.1. 急性冠症候群(狭心症・心筋梗塞)

心筋梗塞や不安定狭心症などをまとめて「急性冠症候群(ACS)」と呼びます。これは、心臓に血液を送る冠動脈が急につまったり狭くなったりすることで、心筋に酸素が届かなくなる状態です5。典型的には、次のような症状がみられます248

  • 胸の中央〜左側を「締め付けられる」「押しつぶされる」「重い石をのせられた」ように感じる痛み
  • 痛みが数分〜15分程度続き、安静にしてもなかなかおさまらない(30分以上続く強い痛みは特に要注意)
  • 痛みが左腕、肩、首、顎、背中、みぞおちなどに広がる
  • 冷や汗、吐き気・嘔吐、息苦しさ、胸の圧迫感、強い不安感を伴う

日本循環器学会や日本心臓財団などは、こうした症状がみられた場合は少しでも迷ったら救急車を呼ぶよう呼びかけています45。自己判断で「もう少し様子を見よう」と我慢してしまうと、心筋のダメージが広がり、命に関わるだけでなく、その後の生活にも大きな影響を残す可能性があります。

3.2. 急性大動脈解離・肺血栓塞栓症など

胸の痛みを伴う緊急性の高い病気は、心筋梗塞だけではありません。胸痛の鑑別診断として特に注意すべき病気として、次のようなものが挙げられています456

  • 急性大動脈解離
    心臓から全身へ血液を送る「大動脈」の壁が裂ける病気です。「突然、引き裂かれるような激しい胸や背中の痛み」が特徴で、痛みが移動することもあります。放置すると致命的となるため、直ちに救急対応が必要です。
  • 肺血栓塞栓症(肺塞栓)
    血の固まり(血栓)が脚の静脈などから肺の血管に詰まる病気です。突然の息切れや胸痛、呼吸困難、時に失神や血痰を伴うことがあります。長時間のフライトや手術後、出産後などに起こりやすいとされています。
  • 気胸・胸膜炎など肺の病気
    肺がしぼむ「気胸」や肺を包む膜の炎症(胸膜炎)では、呼吸や咳をしたときに胸がチクチク・ズキンと痛むことがあります。片側の胸だけが痛い、急に息が吸いづらくなったときは注意が必要です2
  • 心膜炎(心臓を包む膜の炎症)
    心臓を包む「心膜」に炎症が起こる病気で、鋭い刺すような胸の痛みが特徴とされています。深呼吸や横になると痛みが強くなり、前かがみになると楽になるという特徴的なパターンがみられることがあります67

3.3. 危険な胸痛のセルフチェック — こんなときは119番を

厚生労働省は、「胸の中央が締め付けられるような、または圧迫されるような痛みが2〜3分続く」「突然の激痛」「急な息切れ・呼吸困難」などがある場合、迷わず119番に連絡するよう呼びかけています1。次のようなサインが一つでも当てはまる場合は、ためらわず救急車を呼びましょう。

  • 今まで経験したことのないような強い胸の痛み・圧迫感が突然あらわれた
  • 痛みが15分以上続く、または時間とともに強くなっている
  • 痛みが胸から顎、肩、腕、背中などに広がっている
  • 呼吸が苦しい、冷や汗が出る、吐き気・嘔吐がある、意識がもうろうとする
  • 胸や背中の激痛とともに、片側の手足の麻痺や呂律が回らないなどの症状がある

「救急車を呼ぶほどではないかも」と迷ったとしても、結果的に大きな病気でなかったとしても、それ自体を気に病む必要はありません。命に関わる病気の多くは、発症直後の対応がその後の経過を大きく左右すると言われています45

第4部:今日から始める改善アクションプラン

胸のチクチクした痛みの中には、生活習慣やストレスの見直しで軽くなるものも少なくありません。ただし、「危険なサイン」がある場合はセルフケアよりも救急受診が最優先となります。このセクションでは、あくまで緊急性の低い胸の違和感に対して、自宅でできる工夫を整理します。

表2:胸のチクチクした痛み — 改善アクションプラン
ステップ アクション 具体例
Level 1:今夜からできること 姿勢と呼吸を整え、胸まわりの緊張をゆるめる 1時間に1回は椅子から立ち上がり、肩回しや胸を開くストレッチを行う/浅い呼吸になっていないか意識し、ゆっくり息を吐く練習をする
Level 2:今週から見直す生活習慣 睡眠・食事・運動のバランスを整える 寝る2〜3時間前の飲食を控える/カフェインやアルコールを摂りすぎない/無理のない範囲でウォーキングなど有酸素運動を取り入れる
Level 3:1〜3か月かけて取り組むこと ストレスマネジメントと定期的な健康チェック 仕事や家事の負担を一人で抱え込みすぎないよう周囲に相談する/健診やかかりつけ医で血圧・コレステロール・血糖・貧血などをチェックする
Level 4:すでに持病がある人向け 主治医と相談しながら、薬の飲み方や生活管理を見直す 高血圧・糖尿病・脂質異常症などがある場合は、自己判断で薬を中断せず、胸の痛みがあることを主治医に伝えて治療方針を相談する

これらのアクションは、あくまで一般的な目安です。「少し楽になった気がする」程度であれば継続しつつ、痛みや息苦しさが増していく場合、あるいは新たな症状(めまい、ふらつき、動悸の悪化など)が加わった場合は、早めに専門家へ相談してください。

第5部:専門家への相談 — いつ・どこで・どのように?

胸の痛みがあるとき、「この程度で病院に行っていいのかな」「何科を受診すればいいのか分からない」と迷ってしまう方は少なくありません。このセクションでは、受診のタイミングや診療科の選び方、診察時に役立つ準備について整理します。

5.1. 受診を検討すべき危険なサイン

  • 上記の「119番を検討すべきサイン」に一つでも当てはまる場合(すぐに救急要請)
  • 軽い痛みでも、数日〜数週間にわたって繰り返し、「頻度・強さ」が増している
  • 運動時や坂道・階段での胸の圧迫感や息切れが続く
  • 夜間や明け方に胸の締め付け症状で目が覚める
  • すでに心臓病・糖尿病・高血圧・脂質異常症などの持病があり、新たに胸の痛みが出てきた

これらに当てはまる場合は、症状が落ち着いている時間帯であっても、「次に痛みが出る前」に医療機関を受診しておくことが勧められています24

5.2. 症状に応じた診療科の選び方

  • 心臓が原因かもしれないと思う場合:循環器内科(循環器科)
  • 呼吸や咳で痛みが強くなる場合:呼吸器内科、総合内科
  • 胸を押すと痛い・動かすと痛みが変わる場合:整形外科、ペインクリニック、総合内科
  • ストレスや不安とともに胸が苦しくなる場合:心療内科・精神科、まずはかかりつけ医に相談して紹介を受けるのも一案
  • 原因がはっきりしない、複数の症状が重なっている場合:総合内科・総合診療科で幅広く相談する

5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安

  • 健康保険証(日本では多くの検査・治療が公的医療保険の対象となり、自己負担は通常1〜3割です)
  • お薬手帳(飲んでいる薬の種類や量が分かるもの)
  • 胸の痛みが起こった日時・状況・持続時間・強さ・広がりをメモしたノートやスマートフォンの記録
  • 普段の血圧・脈拍・体重などを記録したものがあれば、診断の参考になります

医療費の具体的な金額は、行われる検査や治療によって大きく変わりますが、心電図・血液検査・胸部X線などの初期検査は、多くの場合、健康保険を利用することで自己負担を抑えて受けることができます。不安なときは、受診前に医療機関へ電話で相談してみてもよいでしょう。

よくある質問

Q1: 数秒だけ「チクッ」と痛むだけなら心臓の病気ではないのでしょうか?

A1: 数秒程度でおさまる一瞬のチクッとした痛みは、筋肉や肋骨まわりの神経が原因であることも多く、必ずしも心臓の病気とは限りません。特に、体をひねったり、胸を押したりしたときに痛みが強くなる場合は、筋骨格系の痛みである可能性が高いとされています2

ただし、「痛みがだんだん長引いている」「息苦しさや動悸も一緒に出てきた」「運動時に胸が締め付けられる感じがする」などの変化があれば、早めに医療機関を受診して原因を確認することをおすすめします。

Q2: 右胸がチクチク痛むときは心臓とは関係ないですか?

A2: 心臓は体のやや左寄りにありますが、心臓の病気でも胸の中央や右側、背中、顎などに痛みを感じることがあります48。一方で、右胸の痛みは、肋骨や筋肉、肺(右側の気胸や肺炎など)、肝臓や胆のうの病気が原因となることもあります。

「呼吸や咳で痛みが強くなる」「体を動かしたり押したりすると痛みが変わる」「発熱を伴う」などの症状がある場合は、呼吸器内科や総合内科の受診を検討しましょう。痛みが強く、息苦しさや冷や汗を伴う場合は、側に関わらず救急受診が必要な病気の可能性があります。

Q3: 健診の心電図は正常だったのに、ときどき胸が痛くなります。放置しても大丈夫?

A3: 健診の心電図が正常であっても、その後に心臓の状態が変化することはあり得ます。また、狭心症などは「症状が出ていないときの心電図では異常が見つかりにくい」といった特徴もあります5

特に、運動時や階段・坂道で胸が重くなる、締め付けられるような痛みが繰り返し出る、家族に心臓病の人がいる、高血圧や糖尿病、脂質異常症などのリスクがあるといった場合は、健診結果にかかわらず循環器内科で詳しく相談することをおすすめします。

Q4: ストレスや不安で胸が苦しくなるのですが、心臓にダメージはありませんか?

A4: 強いストレスや不安、パニック発作などで胸の痛みや圧迫感、息苦しさが起こることがあります。これらは多くの場合、心臓そのものの障害ではなく、自律神経の乱れや過呼吸などによる一時的な変化と考えられますが、症状が続くと生活の質に大きな影響が出ます。

また、ストレスが長期間続くことは、高血圧や動脈硬化の悪化につながり、将来的な心血管疾患のリスクを高める可能性も指摘されています3。心臓の検査で大きな異常がないか確認したうえで、必要に応じて心療内科やカウンセリング、生活改善なども組み合わせるとよいでしょう。

Q5: 子どもが「胸が痛い」と訴えています。大人と同じように心筋梗塞などを疑うべきですか?

A5: 子どもの胸の痛みの多くは、成長期の筋肉や骨の痛み、姿勢、運動による筋肉痛、ストレス・不安などが原因とされています。一方で、先天性心疾患や不整脈、肺の病気などが隠れている可能性もゼロではありません。

「走ったあとにいつも胸が痛い」「失神や顔色不良を伴う」「家族に若い頃から心臓病の人がいる」などの場合は、小児科や小児循環器専門医への相談を検討しましょう。痛みが強い、呼吸が苦しそう、意識がはっきりしない場合は、年齢にかかわらず救急受診が必要です。

Q6: 胸の痛みがあるとき、市販薬で様子を見ても良いのでしょうか?

A6: 筋肉痛が原因と考えられる軽い痛みであれば、市販の鎮痛薬や湿布などで様子を見ることもありますが、「胸の中央〜左側の圧迫感」「痛みが15分以上続く」「息苦しさ・冷や汗・吐き気を伴う」といった症状がある場合、市販薬での自己対応は推奨されていません14

市販薬で一時的に痛みが軽くなっても、原因となる病気が進行している可能性もあるため、危険なサインが少しでもある場合は、自己判断に頼らず医療機関を受診してください。

Q7: どのくらい続いたら「様子見」ではなく受診したほうがいいですか?

A7: 明らかな危険サイン(強い圧迫感、冷や汗、息苦しさ、痛みの広がりなど)がある場合は、時間に関係なくすぐに受診・救急要請が必要です14。軽い痛みであっても、数日〜数週間にわたって繰り返す場合や、「頻度」「強さ」「持続時間」が増えている場合は、一度医療機関で相談することをおすすめします。

特に、生活習慣病のリスクがある方や、家族に心臓病の方がいる場合は、早めの受診が将来のリスク低減にもつながります。

結論:この記事から持ち帰ってほしいこと

胸がチクチク・ズキッと痛むとき、「重大な病気かもしれない」と強い不安を感じる一方で、「忙しいし、様子を見てもいいかも」と受診を先送りにしてしまう方は少なくありません。実際には、胸の痛みの中には筋肉や肋骨、胃や食道、ストレスなど、心臓以外が原因のものも多く存在します。

しかし、「締め付けられるような痛みが数分以上続く」「冷や汗や息苦しさ、吐き気を伴う」「痛みが腕や顎、背中に広がる」といったサインは、心筋梗塞や大動脈解離など命に関わる病気の可能性があり、迷わず救急要請を検討すべき症状です145

一方で、危険なサインがない軽い違和感については、姿勢や生活習慣の見直し、ストレスケアなどで改善を目指しつつ、必要に応じてかかりつけ医や専門医に相談することで、過度な不安を減らすことができます。「自分だけがおかしい」のではなく、同じような悩みを抱える人は多くいます。一人で抱え込まず、利用できる医療・支援をうまく活用していきましょう。

この記事の編集体制と情報の取り扱いについて

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参考文献

  1. 厚生労働省. こんな時は迷わず119へ. https://kakarikata.mhlw.go.jp/kakaritsuke/urgency.html(最終アクセス日:2025-11-26)

  2. 葛西よこやま内科クリニック. 胸が痛いときは?原因と受診の目安をやさしく解説. https://www.kasai-yokoyama.com/media/news/1097/(最終アクセス日:2025-11-26)

  3. World Health Organization. Cardiovascular diseases (CVDs) – Fact sheet. https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/cardiovascular-diseases-%28cvds%29(最終アクセス日:2025-11-26)

  4. 日本心臓財団. 心筋梗塞、虚血性心不全 | 疾患別解説. https://www.jhf.or.jp/check/opinion/category/c4-2/(最終アクセス日:2025-11-26)

  5. 日本循環器学会. 急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版). https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2018/11/JCS2018_kimura.pdf(最終アクセス日:2025-11-26)

  6. Mayo Clinic. Chest pain – Symptoms and causes. https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/chest-pain/symptoms-causes/syc-20370838(最終アクセス日:2025-11-26)

  7. Mayo Clinic. Pericarditis – Symptoms and causes. https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/pericarditis/symptoms-causes/syc-20352510(最終アクセス日:2025-11-26)

  8. World Health Organization. Cardiovascular diseases – Health topics. https://www.who.int/health-topics/cardiovascular-diseases(最終アクセス日:2025-11-26)

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