医学的レビュー担当者:
櫻井 裕幸 教授 (日本大学医学部附属板橋病院 呼吸器外科)
資格: 日本呼吸器学会 呼吸器専門医・指導医、日本胸部外科学会 外科専門医・指導医、気管支鏡専門医・指導医79
この記事の科学的根拠
この記事は、インプットされた研究報告書で明示的に引用されている、最高品質の医学的エビデンスにのみ基づいて作成されています。以下は、参照された実際の情報源と、提示された医学的指導との直接的な関連性を示したものです。
- 英国胸部疾患学会 (British Thoracic Society): 本記事における悪性胸水や胸膜感染症の管理に関する推奨は、同学会が発行した2023年のガイドラインに基づいています16。
- 米国胸部疾患学会 (American Thoracic Society): 悪性胸水の管理、特に在宅留置カテーテル(IPC)と胸膜癒着術の選択に関する指針は、同学会の2018年版診療ガイドラインを参考にしています18。
- 日本呼吸器学会・日本胸部外科学会: 日本国内における胸水、特に結核性胸膜炎や膿胸の診断・治療に関する記述は、これらの日本の主要な医学会の公式見解やガイドラインに準拠しています611。
- AccessMedicine / Harrison’s Principles of Internal Medicine: 胸水の病態生理、漏出性・滲出性の分類といった基本的な医学的概念は、世界的に標準的な医学教科書に基づいています4。
要点まとめ
- 胸水は病名ではなく、がん、心不全、肺炎、結核など様々な基礎疾患によって引き起こされる「症状」です。
- 診断の第一歩は、胸水を採取(胸腔穿刺)し、それが「漏出性」か「滲出性」かを鑑別することです。これにより、全身性の病気か局所的な病気かを見極めます。
- 症状は、たまった胸水の量に依存し、無症状から息切れ、胸痛まで多岐にわたります。
- 治療の基本は原因となっている病気の治療です。症状緩和のために、胸水を抜く処置(ドレナージ)が行われます。
- 悪性胸水(がんによる胸水)の治療目標は、QOL(生活の質)を維持・向上させることであり、在宅で管理可能な留置カテーテル(IPC)や胸膜癒着術が主な選択肢となります。
- 胸水の予後は原因疾患によって大きく異なり、特に悪性胸水の場合は、がんの種類や全身状態、治療への反応性によって個人差が非常に大きいことを理解することが重要です。
胸水とは何か?基本的なメカニズムを理解する
胸水を正しく理解するためには、まず肺が収められている胸の中の構造を知ることから始めます。
1. 胸水とは?簡単な例えで解説
胸水(きょうすい)とは、肺の外側を覆う「臓側胸膜(ぞうそくきょうまく)」と、胸壁の内側を覆う「壁側胸膜(へきそくきょうまく)」という2枚の薄い膜の間に存在する「胸膜腔(きょうまくくう)」に、異常に液体がたまった状態を指します。この胸膜腔には、健康な人でも通常5〜15mL程度の液体が存在し、これが潤滑油の役割を果たして、呼吸の際に肺が胸壁に対してスムーズに滑るのを助けています4。この液体の量が正常範囲を超えて増加した状態が「胸水」または「胸水貯留」と呼ばれるものです35。
2. 胸膜腔:体を支える重要な「陰圧」空間
胸膜腔は単なる潤滑スペースではありません。呼吸器系の重要な構成要素であり、大気圧に対して常に陰圧に保たれています。この陰圧が、肺がしぼんでしまう(無気肺と呼ばれる状態)のを防ぎ、息を吐ききった後でも肺を広げた状態に保つための、いわば「吸盤」のような役割を果たしているのです4。
この空間内の液体は、常に一定のサイクルで循環しています。壁側胸膜の毛細血管から1時間あたり体重1kgあたり約0.01mLのペースで産生され、同じく壁側胸膜にあるリンパ管によって吸収されていきます。この産生と吸収の繊細なバランスが崩れ、産生が過剰になるか、吸収が低下すると胸水が発生します4。
3. 最初の重要な鑑別:漏出性 vs 滲出性
胸水の原因を診断する上で最も重要な最初のステップは、たまっている液体がどのような性質のものかを見極めることです。これは通常、胸腔穿刺(きょうくうせんし)という手技で採取した液体を分析して判断します。胸水は、大きく分けて「漏出性」と「滲出性」の2つのカテゴリーに分類されます36。
- 漏出性(ろうしゅつせい)胸水: これは、胸膜自体の問題ではなく、体内の圧力バランスの異常によって血管から「漏れ出てきた」水分の多い、タンパク質が少ない液体です。主な原因は、うっ血性心不全による静水圧の上昇(血管から液体を押し出す力が強くなる)や、肝硬変や腎臓病による血中タンパク質の低下(血管内に液体を保持する力が弱まる)などです4。
- 滲出性(しんしゅつせい)胸水: これは、胸膜に影響を与える局所的な病変によって、活発に「分泌された」タンパク質が豊富な液体です。感染症やがんに伴う炎症により、胸膜の毛細血管の透過性が高まり、タンパク質や細胞成分が胸膜腔へ漏れ出すことで生じます。主な原因には、肺炎や結核などの感染症、がん、自己免疫疾患などがあります4。
この2種類を区別することは、その後の検査方針を決定する上で極めて重要です。その鑑別のために世界的に用いられているのが「Lightの基準(Light’s Criteria)」です5。
基準(1つ以上満たせば滲出性の可能性が高い) | 詳細 | 典拠 |
---|---|---|
胸水蛋白 / 血清蛋白 比 | 胸水中の蛋白濃度と血清中の蛋白濃度の比が0.5を超える。 | 5 |
胸水LDH / 血清LDH 比 | 胸水中の乳酸脱水素酵素(LDH)値と血清中のLDH値の比が0.6を超える。 | 5 |
胸水LDH値 | 胸水中のLDH値が、血清LDHの正常上限値の3分の2を超える。 | 5 |
注意点として、心不全の患者さんが利尿薬を服用している場合など、本来は漏出性である胸水がこれらの基準によって滲出性と誤分類されることがあります。このような曖昧なケースでは、医師は血清と胸水のアルブミン濃度の差や、胸水中のNT-proBNP値などの追加マーカーを用いて、より正確な診断を行います5。
胸水の原因:多岐にわたる疾患のサイン
胸水はそれ自体が病気ではなく、何らかの基礎疾患の存在を示すサインであることを理解することが極めて重要です35。原因となりうる疾患のリストは非常に長く、ほぼすべての医学分野に及びます。診断プロセスは、漏出性か滲出性かの鑑別から始まり、患者さんの臨床像や追加検査に基づいて可能性を絞り込んでいく、さながら探偵小説のようです。原因は数十にも及びますが、特に日本においては、いくつかの疾患が大部分を占めています4。
原因カテゴリー | 具体的な疾患 | 種類 | 日本における有病率・特徴 | 典拠 |
---|---|---|---|---|
悪性(がん) | 肺がん、乳がん、リンパ腫、中皮腫、卵巣がんなど | 滲出性 | 滲出性胸水の主要な原因。日本では肺がんが約35-43%、次いで乳がんが23-25%を占める。悪性胸水の治療を要する患者は年間約20,000人と推定される。 | 627 |
感染性 | 肺炎随伴性、膿胸、結核性胸膜炎 | 滲出性 | 肺炎に伴う胸水は一般的。多くの西欧諸国と異なり、日本では依然として結核が胸水の重要な原因であり、常に鑑別に挙げる必要がある。 | 56 |
うっ血性心不全 | 左心不全 | 漏出性 | 世界的に、そして日本においても漏出性胸水の最も一般的な原因。典型的には両側に胸水がたまる。 | 4 |
肝性胸水 | 腹水を伴う肝硬変 | 漏出性 | 進行した肝疾患の患者に発生。腹腔内の液体(腹水)が横隔膜の小さな欠損孔を通って胸腔内に移動する。 | 4 |
肺塞栓症 | 肺動脈の血栓 | 漏出性または滲出性 | 抗凝固薬による特異的な治療を要するため、迅速な診断が重要。他の原因と症状が似ることがある。 | 4 |
膠原病 | 関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE) | 滲出性 | 自己免疫疾患の既往がある患者で重要な鑑別疾患。全身性の炎症の一症状として現れる。 | 4 |
主要な原因の詳細解説
- 悪性胸水 (Malignant Pleural Effusion): 胸水中にがん細胞が存在することは、深刻な所見です。これはがんが胸膜に転移したことを意味し、肺がんなどの多くのがんでは、進行期(ステージIV)にあることを示します40。これは予後に大きく影響し、悪性胸水の診断後の中央生存期間は3〜12ヶ月の範囲で報告されることが多いです。しかし、これが単なる平均値であり、実際には原発がんの種類、患者の全身状態、化学療法や分子標的薬などの全身治療の効果によって予後は大きく異なることを強調することが極めて重要です1。
- 肺炎随伴性胸水・膿胸 (Parapneumonic Effusion & Empyema): これは肺炎に関連した一連の胸膜感染症を指します。最初は単純な無菌性の液体貯留(非複雑性肺炎随伴性胸水)から始まります。感染が制御されないと、細菌が胸腔内に侵入し、液体はより炎症性が強くなり、小部屋(線維性隔壁)を形成することがあります(複雑性肺炎随伴性胸水)。最も進行した段階が膿胸(のうきょう)で、これは胸腔内に明らかな膿がたまっている状態です39。迅速な診断とドレナージ(排液)が、長期的な合併症を防ぐ鍵となります。
- 結核性胸膜炎 (Tuberculous Pleurisy): この状態は通常、多数の結核菌が直接胸膜を感染させるものではありません。むしろ、胸膜腔に到達した結核菌のタンパク質に対する遅延型過敏反応が主な原因と考えられています37。そのため、胸水の塗抹検査で抗酸菌が直接検出されることは稀です。胸水は特徴的に、リンパ球が多数を占める滲出性です。日本での重要性が依然として高いため、原因不明の滲出性胸水では常に重要な鑑別診断となります6。
症状と受診の目安
胸水の症状は、たまっている液体の量と炎症の程度に直接関係します。少量の胸水は全く症状を引き起こさず、他の理由で行われた胸部X線検査で偶然発見されることもあります4。
1. 一般的な症状
- 息切れ(Dyspnea): 特に多量の胸水で最も一般的な症状です。たまった液体が肺を圧迫し、肺が十分に膨らむ能力を低下させます。また、横隔膜を押し下げたり、心臓や他の縦隔構造物をずらしたりすることも、息苦しさの原因となります4。
- 胸痛(Chest Pain): しばしば「胸膜性」と表現される痛みで、深呼吸や咳、くしゃみで悪化する鋭い痛みが特徴です。この種の痛みは胸膜の炎症(胸膜炎)を示唆し、感染性または炎症性の原因でよく見られます4。
- 咳(Cough): 空咳(乾性咳嗽)がしばしば報告されます4。
- 発熱(Fever): 悪寒や胸痛を伴う発熱は、肺炎(肺炎随伴性胸水)や結核などの感染性の原因を強く示唆します6。
2. 医師の診察を受けるべき時
新たに出現し、原因不明の息切れや、呼吸によって悪化する鋭い胸痛がある場合は、速やかに医療機関を受診することが勧められます。これらの症状は多くの原因で起こり得ますが、胸水も評価が必要な重要な可能性の一つです。症状が軽度でも持続する場合は、悪性胸水のようにゆっくりと潜行性に進行する重篤な状態もあるため、受診が推奨されます31。
診断のプロセス:原因を突き止めるまでの流れ
胸水の診断経路は、単純で非侵襲的な方法から始まり、必要に応じてより複雑で侵襲的な手技へと進む体系的なプロセスです。目標は、液体の存在を確認するだけでなく、さらに重要なこととして、その根本原因を特定することです。
1. 初診と身体診察
診断の旅は診察室から始まります。医師は詳細な病歴を聴取し、がん、心臓病、肝臓病などの既往歴や、特にアスベストなどの職業的曝露歴について尋ねます42。喫煙や多量の飲酒といった危険因子の病歴も関連します6。身体診察では、聴診器で胸の音を聞く(呼吸音の減弱または消失)ことや、胸を叩く(打診での濁音)ことで胸水の兆候を検出することがあります。胸膜摩擦音と呼ばれる、炎症を起こした胸膜面が互いにこすれる音も聞こえることがあります4。
2. 画像検査:液体を可視化する
- 胸部X線検査: ほぼ常に最初に行われる画像検査です。液体の存在を容易に示し、その量の推定、さらには肺炎や腫瘍といった原因となりうる肺の異常を明らかにすることができます24。
- 胸部CTスキャン: CTスキャンは、はるかに詳細な胸部の断層像を提供します。胸膜の性状(肥厚や結節など)の評価、小さな液体のポケット(線維性隔壁)の同定、そして潜在的な肺がんや縦隔リンパ節の評価において、X線よりも優れています42。
- 超音波(エコー)検査: 胸部超音波検査は、胸水管理において極めて重要なツールとなっています。ベッドサイドで液体の存在を確認し、その量や性状(例えば、隔壁があるかどうか)を評価し、最も重要なこととして、胸腔穿刺のための針の穿刺部位をガイドするために使用されます。超音波を用いて最適な穿刺部位を選択し、リアルタイムで針を誘導することで、処置の安全性が劇的に向上し、肺の虚脱(気胸)などの合併症のリスクを大幅に減少させます。その使用は、すべての主要な国際ガイドラインで強く推奨されています5。
3. 胸腔穿刺:診断の鍵を握る手技
胸水の原因がすでに明らかな場合(例えば、重度の両側性胸水と既知のうっ血性心不全を持つ患者)を除き、胸腔穿刺はほぼ常に必要です4。この手技は、胸壁を通して胸膜腔に細い針を挿入し、分析のために液体サンプルを採取するものです30。これには二つの目的があります。一つは診断目的で、検査室に送るための液体サンプルを提供すること、もう一つは治療目的で、大量の液体を排出することで息切れを即座に緩和することです42。主なリスクは気胸ですが、これは超音波ガイドの日常的な使用により最小限に抑えられます18。
4. 胸水分析:原因を解明する
採取された液体は、その秘密を解き明かすために一連の臨床検査に送られます。
- 外観: 液体の見た目は初期の手がかりを提供します。麦わら色(漏出性)、血性(外傷や悪性腫瘍を示唆)、または膿のような濃厚で不透明な液体(膿胸)などがあります30。
- 化学的検査: 蛋白とLDHのレベルを測定し、Lightの基準を適用して漏出性と滲出性を鑑別します。グルコース値もチェックされ、非常に低い場合は感染症、悪性腫瘍、または関節リウマチを示唆することがあります4。
- 微生物学検査: 液体を顕微鏡で検査(グラム染色)し、培養して感染を引き起こしている細菌を特定します。胸膜感染が疑われる場合、ベッドサイドで液体を血液培養ボトルに接種すると、診断率が向上することが示されています5。結核が疑われる場合は、特別な染色や培養が行われます37。
- 細胞診: 病理医が液体を顕微鏡で検査し、悪性細胞を探します。悪性胸水に対する1回のサンプルでの診断率は約60%です。2回目の検査を繰り返すと診断率は向上しますが、最初の2回が陰性の場合、3回目のサンプルが価値を加えることは稀です5。
- バイオマーカー: 特定のマーカーは非常に有益です。アデノシンデアミナーゼ(ADA)の高値は結核性胸膜炎を強く示唆します5。NT-proBNPの高値は、胸水が心不全によるものであることを確認するのに役立ちます5。
5. 液体だけでは不十分な場合:胸膜生検
特に悪性胸水において、かなりの数の症例で胸水分析だけでは結論が出ないことがあります。このような場合、次のステップは胸膜自体の組織サンプルを得ることです。現代のガイドラインでは、診断率が低いため、「ブラインド」での針生検は行わないことが強く推奨されています16。好ましい方法は以下の通りです。
- 画像ガイド下生検: CTスキャンや超音波のガイド下に針生検を行い、胸膜の異常部位から確実にサンプルを採取します。
- 胸腔鏡検査: 原因不明の滲出性胸水を診断するためのゴールドスタンダード(標準的な最良の方法)です。これは、胸部に小さなカメラ(胸腔鏡)を挿入する低侵襲な外科手技です。これにより、医師は胸膜表面全体を直接視認し、疑わしい領域を特定し、直視下に標的生検を行うことができます。この手技は、悪性胸水と結核の両方に対して最も高い診断率を誇ります5。通常、短期間の入院が必要です3。
この非侵襲的検査から侵襲的検査へと段階的に進む構造化された診断経路は、リスクとコストを最小限に抑えながら、効率的に確定診断に至るように設計されています。この流れを理解することは、患者さんがなぜ特定の検査が指示されるのか、そして初期検査で診断がつかなかった場合に次のステップがどうなるのかを理解する助けとなります。
専門外来という選択肢
胸水の診断や治療は多岐にわたり、専門的な判断を要します。日本では、日本大学医学部附属板橋病院のように、国内でも珍しい「胸水外来」を設置し、診断に難渋する症例や治療に悩む患者さんのための専門診療を行っている施設もあります78。原因がはっきりしない、あるいは治療がうまくいかない場合は、このような専門外来への相談も一つの有力な選択肢です。
包括的な治療戦略
胸水の治療は、液体貯留の原因となっている基礎疾患を管理することと、必要に応じて液体自体に直接対処して症状を緩和するという、二つのアプローチからなります。
1. 基本原則:基礎疾患の治療
治療の最も重要な要素は、胸水の根本原因に対処することです。これが永続的な解決を得る唯一の方法です。具体的には、心不全に対する利尿薬の投与、肺炎に対する適切な抗生物質、結核に対する特異的な抗結核薬、またはがんに対する化学療法、分子標的薬、免疫療法などの全身治療を指します6。
2. 対症療法:治療的ドレナージ(排液)
重度の息切れを引き起こす大量の胸水を持つ患者さんにとって、液体を排出することは迅速かつ劇的な症状緩和をもたらします4。これは以下の方法で達成できます。
- 大量胸腔穿刺: 一度に大量の液体を排出する手技。
- 胸腔ドレーン(チューブ)留置: 柔軟なチューブを胸膜腔に挿入し、数日間留置して持続的な排液を可能にする方法。
排液中の重要な安全上の注意点は、液体を一度にあまりにも速く、または大量に除去しないことです。一般的に、一度の排液は1,000〜1,500mLに制限することが推奨されます。これは、急速に再膨張した肺が液体で満たされる「再膨張性肺水腫」という、稀ですが重篤な合併症を防ぐためです46。
3. 原因別の特異的治療プロトコル
治療戦略は、胸水の原因によって非常に特異的になります。最も複雑なシナリオは、悪性胸水と胸膜感染症です。
A) 悪性胸水の管理
悪性胸水は一般的に治癒が困難な進行がんの兆候であるため、治療の主目的は治癒から緩和へと移行します。焦点は、特に息切れなどの症状を和らげ、患者の生活の質(QOL)を改善または維持することに置かれます21。
- 無症状の悪性胸水: 発見された悪性胸水が何の症状も引き起こしていない場合、すべての主要なガイドラインで、それを排出したり治療したりすべきではないとされています。介入は臨床的な利益をもたらさずにリスクを伴うためです18。
- 症状のある悪性胸水: 胸水によって息切れが生じている患者さんには、液体の再発を防ぐための2つの主要な第一選択治療があります。
- 在宅留置用胸腔カテーテル(IPC): 細く柔軟なカテーテルを胸部に挿入し、長期間留置します。外部の端を真空ボトルに接続することで、患者さんや家族が自宅で定期的に液体を排出できます19。主な利点は、通常外来で留置されるため入院期間が最小限で済むこと、そして「被包肺」(後述)の患者さんに推奨される方法であることです18。主な欠点は、在宅での継続的なケアが必要なこと、そして感染やカテーテル閉塞のわずかなリスクがあることです19。
- 化学的胸膜癒着術: この手技は胸膜腔を閉塞させることを目的とします。胸腔ドレーンを介して液体を排出した後、化学的刺激物(最も一般的には滅菌タルク)を空間に注入します。これにより炎症が引き起こされ、臓側胸膜と壁側胸膜が「癒着」し、液体が再貯留するのを防ぎます16。主な利点は一回限りの手技であることです。欠点は、数日間の入院が必要なこと、痛みを伴うことがあること、そして排液後に肺が完全に再膨張して胸壁に接触する場合にのみ効果的であることです23。
- ガイドラインの統合と共同意思決定: 近年の大きな変化として、主要な国際ガイドライン(BTS 2023、ATS 2018)は、肺が完全に膨らむことができる患者において、IPCとタルク胸膜癒着術を同等の第一選択肢と見なしています。どちらを使用するかの決定は、患者の好み、ライフスタイル、治療目標に基づいて、医師と患者間の共同意思決定のプロセスであるべきです16。
- 非膨張性肺(「被包肺」): 悪性胸水の約30%のケースで、肺の表面に線維性の膜が形成され、液体を抜いても肺が完全に膨らまなくなります。このような場合、胸膜癒着術は失敗します。これらの患者さんには、症状を管理するためにIPCが推奨される治療法です16。
- 予後(余命)について: これは非常にデリケートなトピックであり、注意とニュアンスをもって扱う必要があります。悪性胸水は進行した病状を示しますが、生存期間は非常に多様であることを伝えることが重要です。それは原発がんの種類、患者の全身状態(パフォーマンスステータス)、全身のがん治療への反応性に大きく依存します。単一の数字に焦点を当てるのではなく、範囲を示し、悪性胸水管理の目標はできるだけ長くQOLを最大化することであることを強調する方がより有益です1。
B) 胸膜感染症(肺炎随伴性胸水/膿胸)の管理
胸膜感染症の管理の礎は、抗生物質とドレナージです。
- 抗生物質: 適切な静脈内抗生物質の迅速な開始が不可欠です5。
- ドレナージ: 重要な決定は、いつ液体を排出するかです。これは胸水分析によって導かれます。液体が明らかな膿(膿胸)である場合、グラム染色で細菌が見られる場合、または液体のpHが7.20未満の酸性である場合にドレナージが適応となります5。初期ドレナージは通常、小口径(<14F)の胸腔ドレーンで行われます16。
- 胸腔内線維素溶解療法: しばしば、感染した胸水は濃厚になり、線維性のポケット(線維性隔壁)を形成し、単純な胸腔ドレーンによる効果的な排液を妨げます。このような状況では、国際ガイドラインは、薬物の組み合わせを直接胸腔内に注入することを検討するよう推奨しています:t-PA(線維素を分解する「血栓溶解薬」)とDNase(濃厚な膿を薄める酵素)です。この併用療法は、排液を改善し、手術の必要性を減らすことが示されています16。ただし、日本のガイドライン(JACSURG)では、このエビデンスを認めつつも、この治療法は本邦では保険適用外使用(適応外使用)と分類しており、標準治療として正式に推奨することはできないとされています11。
- 手術: 抗生物質とドレナージ(線維素溶解療法の有無にかかわらず)による内科的治療が感染を制御できない場合、手術が必要になります。
病態 | 推奨 | 国際ガイドラインの立場 (BTS/ATS) | 日本のガイドラインの立場/ニュアンス (JACSURG/JLCS) |
---|---|---|---|
悪性胸水 (MPE) | 症状があり、肺が膨らむ場合の第一選択治療 | IPCまたはタルク胸膜癒着術。両者は同等の第一選択肢と見なされる。選択は共同意思決定と患者の好みに基づくべき。(強く推奨)16 | 症状緩和のための局所療法(ドレナージ/胸膜癒着術)が推奨される。タルクは胸膜癒着術の推奨薬剤。IPCを同等の第一選択肢として明確に強調する考え方は、一部の診療現場ではまだ発展途上。6 |
悪性胸水 (MPE) | 非膨張性肺の治療 | IPCが明確な治療選択肢。(強く推奨)16 | 国際ガイドラインと一致。IPCがこのシナリオの標準的アプローチ。 |
胸膜感染症 (膿胸) | 線維性隔壁を伴う胸水の胸腔内治療 | 初期の胸腔ドレーン排液が不十分な場合、tPA-DNaseの併用を考慮すべき。(条件付き推奨)16 | 国際的なエビデンスを認めつつも、日本では保険適用外使用であると述べている。そのため、正式な推奨は「保留」とされている。11 |
胸膜感染症 (膿胸) | 外科的管理 | デブリードマンのためには、開胸手術よりもVATSが好ましい外科的アプローチ。(条件付き推奨)16 | 急性膿胸に対するVATS剥皮術は強く推奨される。11 |
予後と日常生活
胸水患者の長期的な見通しは、その根本原因に完全に依存します。
1. 予後は原因と連動する
- 感染性/炎症性の原因: 肺炎などの状態で引き起こされた胸水の場合、適切かつ迅速な治療により予後は一般的に良好です。ほとんどの患者は完全に回復します6。
- 全身性疾患(例:心不全): 予後は、基礎となる全身性疾患の重症度と管理に連動します。心不全をコントロールすることが、胸水をコントロールすることにつながります。
- 悪性胸水: 前述の通り、予後はより深刻です。ケアの焦点は、症状を管理し、自立を維持し、生活の質を最大化することにあります。疾患の早期から緩和ケアサービスを統合することは、終末期ケアだけでなく、病状全体の専門的な症状管理のためにも非常に有益です21。
2. 生活の質の向上
慢性的または再発性の胸水を持つ患者、特にIPCで管理されている悪性胸水の患者にとって、QOLの維持は最優先事項です。患者とその家族は、自宅でカテーテルを管理する方法についてトレーニングを受け、これにより自立を促し、自己効力感を高めることができます16。目標は、通院を最小限に抑え、患者ができるだけ充実した生活を送れるようにすることです。
よくある質問
Q1: 胸水の検査には入院が必要ですか?
A: 必ずしもそうではありません。胸部X線、超音波、さらには単純な診断的胸腔穿刺などの初期診断検査は、多くの場合、外来で行うことができます。しかし、胸腔鏡検査のような、より確定的な診断手技が必要な場合は、通常、短期間の入院が必要です。治療に関しては、IPCは通常外来で留置されますが、胸膜癒着術は入院が必要です3。
Q2: 胸水を抜く処置(胸腔穿刺)のリスクは?
A: この処置は、特に超音波ガイド下で行われる場合、一般的に安全です。最も一般的なリスクは気胸(肺の虚脱)で、これはごく一部のケースで発生します。その他の稀なリスクには、出血、感染、肝臓や脾臓などの内臓損傷があります。医療チームはこれらのリスクを最小限に抑えるために万全の注意を払います。また、非常に大量の液体を排出すると、再膨張性肺水腫という稀な合併症を引き起こす可能性があるため、排液はゆっくりと、または段階的に行われることが多いです18。
Q3: 一度治療しても胸水は再発しますか?
A: はい、基礎となる原因が解決または制御されない場合、再発の可能性があります。これは特に悪性胸水で持続的に再発する傾向があるため、大きな課題です。まさにこの理由から、胸膜癒着術やIPCのような確定的な治療が悪性胸水に用いられます。これらは、この再発を防ぐか、または管理するために特別に設計されています21。
結論
胸水は、それ自体が病気ではなく、心不全、肺炎、そしてがんといった多岐にわたる基礎疾患の重要なサインです。診断の鍵は、胸腔穿刺によって採取した液体を分析し、全身性の問題(漏出性)か局所的な肺や胸膜の問題(滲出性)かを迅速に判断することにあります。治療は、原因疾患へのアプローチが基本となりますが、息切れなどの苦痛な症状を和らげるためのドレナージも同様に重要です。特に、繰り返し貯留する悪性胸水の管理においては、患者さんの生活の質(QOL)を最優先に考え、在宅での管理が可能なIPCや胸膜癒着術といった選択肢について、医師と患者さんが十分に話し合い、共に最適な治療方針を決定する「共同意思決定」が現代医療の主流となっています。胸水と診断された場合、その原因や治療法、そして今後の見通しについて不安を感じることは当然です。本記事が提供する正確で詳細な情報が、ご自身の状態を理解し、前向きに治療に取り組むための一助となることを心から願っています。
参考文献
- Ubie. 肺がんで胸に水がたまった場合、余命はどのくらいですか?. Ubie. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/unjn0_a6s8h
- 同仁がん免疫研究所. 高齢者の肺に水がたまった場合の余命とは? 胸水と肺水腫の違いも解説. がん免疫療法コラム. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://dojin.clinic/column/4914/
- メディカルノート. 胸腔鏡検査. メディカルノート. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://medicalnote.jp/checkups/191021-005-WH
- Bhatt M, Bollu PC. Pleural Effusion. In: Papadakis MA, McPhee SJ, Rabow MW, McQuaid KR, eds. Current Medical Diagnosis & Treatment 2024. McGraw Hill; 2024. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://accessmedicine.mhmedical.com/content.aspx?bookID=3343§ionId=279903172
- Porcel JM, Valdés L, Bover-Lleal A, et al. Diagnosis and Treatment of Pleural Effusion. Recommendations of the Spanish Society of Pulmonology and Thoracic Surgery. Update 2022. Arch Bronconeumol. 2023;59(3):171-181.
- 一般社団法人日本呼吸器学会. G-01 胸膜炎 – G. 胸膜疾患. 日本呼吸器学会. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/g/g-01.html
- 日本大学医学部附属 板橋病院. 肺がん 呼吸器外科. 日本大学医学部附属 板橋病院 がんの治療法. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.itabashi.med.nihon-u.ac.jp/cancer_treatment/lung/surgery.html
- 日本大学医学部内科学系 呼吸器内科学分野. 2019年7月1日より「外科・胸水外来」を新たに開設いたしました. [インターネット]. 2019年7月1日. [2025年6月20日引用]. Available from: https://nichidai-kokyukigeka.com/2019/07/01/2019%E5%B9%B47%E6%9C%881%E6%97%A5%E3%82%88%E3%82%8A%E3%80%8C%E5%A4%96%E7%A7%91%E3%83%BB%E8%83%B8%E6%B0%B4%E5%A4%96%E6%9D%A5%E3%80%8D%E3%82%92%E6%96%B0%E3%81%9F%E3%81%AB%E9%96%8B%E8%A8%AD%E3%81%84/
- 日本大学医学部内科学系 呼吸器内科学分野. スタッフ紹介 – 教室紹介. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://nu-respiratory.jp/about/staff/
- JAID/JSC 感染症治療ガイドライン―呼吸器感染症. 日本感染症学会. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/guideline_jaid_jsc.pdf
- 日本呼吸器外科学会. 膿胸治療ガイドライン. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: http://www.jacsurg.gr.jp/committee/guideline_em.pdf
- 一般社団法人日本呼吸器学会. 各種委員会 – 学会について. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.jrs.or.jp/about/committee.html
- 日本肺癌学会. 本ガイドラインについて – 肺癌診療ガイドライン2024年版. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.haigan.gr.jp/publication/guideline/examination/2024/jo/24002024ho00.html
- 日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン2018年版 作成委員. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.haigan.gr.jp/publication/guideline/examination/2019/jo/19002018ii00.html
- 日本大学医学部附属板橋病院. 呼吸器外科 | 診療科・部門. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.itabashi.med.nihon-u.ac.jp/division/thoracic_surgery
- Roberts ME, Rahman NM, Maskell NA, et al. British Thoracic Society Guideline for pleural disease. Thorax. 2023 Nov;78(11):1143-1162.
- Pahal P, Grewal JS, Thahira Y. Updates on British Thoracic Society Statement on Pleural Disease and Procedures 2023. J Respir. 2024 Apr 18;18:18743064286775.
- Feller-Kopman D, Reddy CB, DeCamp MM, et al. Management of Malignant Pleural Effusions. An Official ATS/STS/STR Clinical Practice Guideline. Am J Respir Crit Care Med. 2018 Oct 15;198(8):e72-e92.
- Reddy C, Feller-Kopman D, DeCamp M, et al. Summary for Clinicians: Clinical Practice Guideline for Management of Malignant Pleural Effusions. Ann Am Thorac Soc. 2018 Dec;15(12):1377-1380.
- Asciak R, Breen RA, Feller-Kopman DJ, et al. Management of Malignant Pleural Effusion in 2024: A Definitive and Unified Global Approach. JCO Oncol Pract. 2024 Oct;20(10):OP2400925.
- Asciak R, Breen RA, Feller-Kopman DJ, et al. Management of Malignant Pleural Effusion in 2024: A Definitive and Unified Global Approach. JCO Oncol Pract. 2024 Oct;20(10):OP2400925.
- 一般社団法人日本呼吸器学会. G. 胸膜疾患. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/g/
- 日本肺癌学会. Ⅱ.治 療 – 肺癌診療ガイドライン2020年版. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.haigan.gr.jp/publication/guideline/examination/2020/2/2/200202030100.html
- 厚生労働省. 重篤副作用疾患別対応マニュアル. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1b17.pdf
- 厚生労働省. 診療の手引き. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/content/001248424.pdf
- 厚生労働省. 令和5年(2023)患者調査の概況. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/23/index.html
- 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 (PMDA). ユニタルク胸膜腔内注入用懸濁剤 4 g に関する資料. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.pmda.go.jp/drugs/2013/P201300109/620095000_22500AMX01801000_G100_1.pdf
- 近畿中央呼吸器センター. 胸水. 近畿中央呼吸器センター 診療部. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://kcmc.hosp.go.jp/shinryo/kyousui.html
- Medical DOC. 「胸水(胸水貯留)」を発症すると現れる症状・予防法はご存知…. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://medicaldoc.jp/m/qa-m/qa0681/
- MSDマニュアル家庭版. 胸水 – 07. 肺と気道の病気. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/07-%E8%82%BA%E3%81%A8%E6%B0%97%E9%81%93%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E8%83%B8%E8%86%9C%E7%96%BE%E6%82%A3/%E8%83%B8%E6%B0%B4
- メディカルノート. 胸膜炎について. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://medicalnote.jp/diseases/%E8%83%B8%E8%86%9C%E7%82%8E
- Nakamura N, et al. 好酸球性胸水を呈したGM‐CSF,G‐CSF産生性悪性胸膜中皮腫の1例. CiNii Research. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://cir.nii.ac.jp/crid/1390282679656753024
- Okada S, et al. 多施設共同研究グループによるびまん性悪性胸膜中皮腫51症例の臨床的検討. CiNii Research. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001204683324672
- Arai H, et al. 胸膜中皮腫を中心とした胸水ヒアルロン酸に関する症例調査. CiNii Research. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001204683326336
- みんなの家庭の医学 WEB版. 胸水. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://kateinoigaku.jp/disease/840
- 今日の臨床サポート. 胸水 | 症状、診断・治療方針まで. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://clinicalsup.jp/jpoc/contentpage.aspx?diseaseid=869
- Jany B, Welte T. Pleural effusion in adults-etiology, diagnosis, and treatment. Dtsch Arztebl Int. 2019 May 24;116(21):377-386.
- 厚生労働省. 抗がん WG 抗がん剤分野 5) 備 考. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/04/dl/s0427-12k_Part2.pdf
- Corlateanu A, et al. Pleural Infection: Diagnosis, Management, and Future Directions. J Clin Med. 2025 Feb 28;14(5):1685.
- 岡山済生会総合病院. 肺がんのステージ(病期)と生存率について. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.okayamasaiseikai.or.jp/column/lung_cancer_03/
- British Thoracic Society. BTS guidelines for the management of pleural infection in children. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.brit-thoracic.org.uk/document-library/guidelines/pleural-infection/bts-guideline-for-the-management-of-pleural-infection-in-children/
- American Thoracic Society. Management of Malignant Pleural Effusions. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.thoracic.org/statements/resources/pleural-disease/1987.pdf
- 日本臨床腫瘍学会. 肺癌診療ガイドライン2021 年版 第1 部(肺癌の分類〜Ⅱ). [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: http://www.jsco-cpg.jp/lung-cancer/guideline1-01/
- 一般社団法人日本呼吸器学会. Q25. 胸部エックス線画像で異常があり、胸水がたまっていると言われました。. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q25.html
- 聖マリアンナ医科大学病院 呼吸器内科. 局所麻酔下胸腔鏡検査(研究). [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://mariannna-kokyuuki.com/medical/desease_kyoku.html
- 日本緩和医療学会. 特定の病態に対する治療. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.jspm.ne.jp/files/guideline/respira_2011/04_01.pdf
- MSDマニュアル プロフェッショナル版. 胸水 – 05. 肺疾患. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/05-%E8%82%BA%E7%96%BE%E6%82%A3/%E7%B8%A6%E9%9A%94%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E8%83%B8%E8%86%9C%E3%81%AE%E7%96%BE%E6%82%A3/%E8%83%B8%E6%B0%B4
- Gan911.com. がんで胸水がたまったときの余命は?胸水の治療法や検討したいがん治療. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://gan911.com/blog/pleural-effusion/
- British Thoracic Society. Online Appendix C2 BTS Guideline for Pleural Disease Section C Pleural infection Question C2 Evidence Review and Protocol. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://www.brit-thoracic.org.uk/document-library/guidelines/pleural-disease/online-appendix-c2-pleural-disease-pleural-infection-pleural-fluid-or-radiology-parameters/
- The Open Respiratory Medicine Journal. Updates on British Thoracic Society Statement on Pleural Disease and Procedures 2023. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://openrespiratorymedicinejournal.com/VOLUME/17/ELOCATOR/e18743064286775/FULLTEXT/
- Google Patents. CN104195227B – 通过序列分析监测状况的方法. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://ipv6.google.co.jp/patents/CN104195227B?hl=ja
- 快適医療ネットワーク. 肺癌末期で余命は3ヶ月。6.2cmの肺癌はかなり縮小。リンパ・胸水は消失. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://ganmf.jp/case/category2/post-5716/
- 快適医療ネットワーク. 余命2ヶ月の末期がん。肺・リンパ共に、がんは完全消失。. [インターネット]. [2025年6月20日引用]. Available from: https://ganmf.jp/case/category2/post-4374/