【科学的根拠に基づく】良性脳腫瘍の生存率と予後:種類・グレード別の最新データから治療後の生活までを徹底解説
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【科学的根拠に基づく】良性脳腫瘍の生存率と予後:種類・グレード別の最新データから治療後の生活までを徹底解説

「良性脳腫瘍」という診断を受けたご本人、あるいはそのご家族の方は、大きな不安と多くの疑問を抱えていらっしゃることでしょう。「良性」という言葉に少し安堵する一方で、「脳」という極めて重要な臓器の腫瘍であるという事実に、今後の人生がどうなるのか、どれくらい生きられるのかという根源的な問いが心に浮かぶのは当然のことです。この記事は、そのような不安や疑問に対し、科学的根拠に基づいた正確な情報を提供することで、皆様がご自身の状況を客観的に理解し、過度な恐怖から解放され、前向きに治療や今後の人生と向き合うための一助となることを目指しています。本稿で提供する情報は、米国のジョンズ・ホプキンス・メディスン(Johns Hopkins Medicine)1、英国の国民保健サービス(NHS)3、そして日本の脳腫瘍学会4といった、国内外の極めて信頼性の高い医療機関や学術団体の公開情報、最新の研究論文、診療ガイドラインに基づいています。「良性」という言葉は、必ずしも「無害」や「完全に放置してよい」という意味ではありません8。しかし、正しい知識を持つことで、ご自身の状態を正確に把握し、主治医との対話に主体的に参加し、最適な治療法を選択することが可能になります。この記事が、そのための「知識の武器」となることを心から願っています。

この記事の科学的根拠

この記事は、米国のジョンズ・ホプキンス・メディスン、英国の国民保健サービス(NHS)、日本の脳腫瘍学会や国立がん研究センターなど、国内外の信頼性が高い医療機関、学術団体、および公的機関が公開する最新の研究報告や診療ガイドラインに基づき、JapaneseHealth.orgの編集委員会が編纂しています。すべての主要な情報には、本文中で対応する参考文献番号が付記されています。

  • 世界保健機関(WHO): 本稿における脳腫瘍の分類と診断基準は、最新の「WHO中枢神経系腫瘍分類 第5版」に準拠しています。これにより、分子遺伝学的特徴を統合した最も正確な診断情報を提供します15
  • 米国国立がん研究所(NCI)SEERプログラム: 記事中の生存率データの一部は、米国の広範な人口を対象とした大規模ながん統計データベース(SEER)に基づいており、国際的な標準データとして参照しています42
  • 日本脳腫瘍学会 / 日本脳神経外科学会: 日本国内の治療方針や診療の標準は、これらの学会が策定する「脳腫瘍診療ガイドライン」を主要な典拠としています。日本の医療現場の実情に即した情報を提供します4
  • 東京大学・京都大学医学部附属病院: 日本における最先端の治療法や研究動向の具体例として、国内トップレベルの医療機関が公開している情報を参照し、先進的な取り組みを紹介しています29, 34

要点まとめ

  • 良性脳腫瘍は、増殖が遅く転移しない性質を持ちますが、発生部位と大きさによっては頭蓋内圧の上昇や神経症状を引き起こし、生命に危険を及ぼすことがあります。
  • 最新のWHO分類では、従来の顕微鏡診断に遺伝子情報を加えた「統合診断」が標準となり、より正確な予後予測と個別化医療が可能になっています。
  • 髄膜腫(Grade I)や神経鞘腫など多くの良性脳腫瘍の5年相対生存率は90%以上と良好ですが、グレード(悪性度)や分子遺伝学的特徴(IDH変異など)によって予後は大きく異なります。
  • 個人の予後を左右する因子は、腫瘍の種類・グレード、分子情報、発生部位、手術の摘出度、そして患者自身の年齢や全身状態など多岐にわたります。
  • 治療法には経過観察、手術、放射線治療、薬物療法があり、日本のトップ医療機関では術中MRIや覚醒下手術などの先進技術を駆使し、安全性と精度の高い治療が行われています。
  • 治療後は後遺症に対するリハビリや、再発を早期に発見するための定期的な経過観察が重要です。高額療養費制度などの公的支援や、患者会との繋がりも大きな支えとなります。

第1章:良性脳腫瘍とは何か?―「良性」という言葉の正しい理解

脳腫瘍について理解を深める第一歩は、「良性」という言葉の意味を正確に知ることから始まります。この章では、良性脳腫瘍の基本的な定義から、なぜそれが問題となりうるのか、そして現代の診断がいかに進歩しているかについて解説します。

1.1. 良性脳腫瘍と悪性脳腫瘍の決定的違い

脳腫瘍は、その性質から大きく「良性」と「悪性」に分けられます。この二つを分ける決定的な違いは、腫瘍細胞の増殖パターンと挙動にあります3

  • 良性脳腫瘍 (Benign Brain Tumor):
    • 増殖速度: 一般的に、増殖するスピードが比較的ゆっくりです1
    • 境界: 周囲の正常な脳組織との境界が比較的はっきりしています。
    • 浸潤: 周囲の組織に染み込むように広がる(浸潤する)ことが少ないです。
    • 転移: 最も重要な特徴として、脳以外の他の臓器に転移することはありません11
  • 悪性脳腫瘍 (Malignant Brain Tumor / Brain Cancer):
    • 増殖速度: 増殖スピードが速い傾向にあります。
    • 境界: 周囲の正常組織との境界が不明瞭で、染み込むように広がっていきます。
    • 浸潤: 正常な脳組織を破壊しながら浸潤していく性質があります。
    • 転移: 脳内で広がるだけでなく、種類によっては脳脊髄液を介して他の部位に播種(はしゅ)することがあります。

このように、良性脳腫瘍は悪性腫瘍と比べておとなしい性質を持つため、適切な治療を行えば根治(完全に治ること)が期待できるケースが多くなります10

1.2. なぜ「良性」でも問題になるのか?―頭蓋内圧亢進と局所症状

「良性」という診断名は、あくまで腫瘍細胞の生物学的な性質(転移しない等)を指すものであり、臨床的な危険性がないことを保証するものではありません。良性であっても、脳腫瘍が問題となる主な理由は二つあります。

第一に、頭蓋内圧亢進(とうがいないあつこうしん)です。私たちの頭蓋骨は硬く、内部の容積は限られています。その閉鎖された空間内で腫瘍が成長すると、脳全体が圧迫され、頭蓋骨内部の圧力が高まります13。これにより、以下のような全般的な症状が現れることがあります3

  • 持続的な、あるいは朝方に悪化する頭痛
  • 吐き気や嘔吐
  • ものが二重に見える(複視)、かすんで見える(霧視)などの視力障害

第二に、局所症状(局所神経症状)です。脳は部位ごとに異なる機能を司っています。腫瘍が特定の部位を圧迫したり、その機能を障害したりすることで、その部位に特有の症状が現れます3。例えば、以下のようなケースが挙げられます。

  • 前頭葉の腫瘍: 思考力や判断力の低下、意欲の減退、人格の変化など8
  • 側頭葉の腫瘍: 記憶障害、言語の理解が困難になる(失語症)、けいれん発作など。
  • 聴神経鞘腫: 耳鳴り、難聴、めまい、ふらつきなど3
  • 視神経や下垂体周辺の腫瘍: 視野が狭くなる、視力が低下するなどの視覚障害8

このように、良性腫瘍であっても、発生した場所と大きさによっては、生活の質(QOL)を著しく低下させ、場合によっては生命に関わる状態を引き起こす可能性があるのです8。そのため、「良性だから大丈夫」と自己判断せず、症状の有無や変化に注意し、専門医の診断と方針に従うことが極めて重要です。

1.3. 診断の最前線:WHO中枢神経系腫瘍分類 第5版(2021年)のインパクト

近年の脳腫瘍診療における最も大きな進歩の一つが、診断方法の革新です。2021年に世界保健機関(WHO)が発表した「中枢神経系腫瘍分類 第5版(WHO CNS5)」は、脳腫瘍の診断に革命的な変化をもたらしました15。従来、脳腫瘍の診断は主に、手術で摘出した組織を顕微鏡で観察する組織診断(病理診断)に基づいて行われてきました。しかし、WHO CNS5では、これに分子診断の情報を統合することが標準となりました16。分子診断とは、腫瘍細胞が持つ特有の遺伝子変異や染色体の変化などを調べる検査です。この改訂により、たとえ顕微鏡での見た目が似ていても、遺伝子レベルの特徴が異なれば、全く異なる腫瘍として分類されるようになりました。このアプローチは「統合診断(Integrated Diagnosis)」と呼ばれ、より正確な予後予測と、個々の患者に最適化された治療法(個別化医療)の選択を可能にしました17。例えば、神経膠腫(グリオーマ)という種類の腫瘍では、「IDH」という遺伝子の変異の有無が、予後を大きく左右することが知られています。WHO CNS5では、このIDH変異の有無が分類の根幹に据えられました16。この進歩は、患者さんにとっても非常に重要です。主治医から診断結果を聞く際には、「私の脳腫瘍の正確なWHO分類(組織診断と分子診断を統合した最終診断名)は何ですか?」と確認することが、ご自身の状態を深く理解するための鍵となります。

第2章:【データで見る】良性脳腫瘍の生存率―種類・グレード別 最新統計の完全解説

良性脳腫瘍と診断された方が最も知りたい情報の一つが「生存率」です。この章では、科学的データに基づき、主要な良性脳腫瘍の生存率を解説します。ただし、これらの数値はあくまで統計データであり、個人の未来を断定するものではないことをご理解ください。

2.1. 生存率データの正しい読み方

医療の文脈でよく使われる「5年相対生存率」とは、あるがんと診断された人が、診断から5年後に生存している割合が、日本人全体の同じ性別・年齢の人々と比べてどのくらいかを示す指標です18。例えば、5年相対生存率が90%であれば、そのがんと診断された人が5年後に生存している可能性は、一般の人々と比べて90%であることを意味します。これは、そのがん以外の原因(他の病気や事故など)で亡くなる影響を取り除いた、がんそのものによる生命への影響を示すための数値です。重要なのは、これが個人の「余命」を直接示すものではないという点です。生存率は過去に治療を受けた多くの患者さんのデータの集計であり、個々の患者さんの予後は、後述する様々な要因によって大きく異なります。また、医療は日々進歩しているため、現在診断された患者さんの予後は、過去のデータよりも良好である可能性も十分に考えられます。

2.2. 主要な良性脳腫瘍の生存率

以下に、日本国内および国際的な大規模データベース(米国のSEERプログラムなど)から報告されている、代表的な良性脳腫瘍の生存率をまとめます。生存率は、腫瘍の種類だけでなく、悪性度を示す「WHOグレード」によって大きく異なることがわかります18

代表的な良性脳腫瘍の種類別・グレード別生存率
腫瘍の種類 WHOグレード 5年相対生存率(%) 10年相対生存率(%) データソース(例) 備考(分子情報など)
髄膜腫 (Meningioma) Grade I 95.7% 90% Cleveland Clinic14 最も一般的なタイプ。完全摘出で治癒が期待できる。
Grade II (異型) 81.8% 69% Cleveland Clinic14 再発リスクがGrade Iより高い。術後の放射線治療が考慮されることがある。
Grade III (退形成性/悪性) 46.7% Cleveland Clinic14 悪性であり予後は厳しいが、手術、放射線、薬物療法による集学的治療が行われる。
神経鞘腫 (Schwannoma) Grade I 98.8% がんメディ18 主に聴神経に発生(聴神経腫瘍)。予後は極めて良好。
下垂体腺腫 (Pituitary Adenoma) Grade I (非機能性) 98.3% がんメディ18 ホルモンを産生しないタイプ。視神経圧迫などが問題となる。予後良好。
星細胞腫 (Astrocytoma) Grade II (びまん性) 75.0% がんメディ18 近年の分類ではIDH遺伝子変異の有無が予後を大きく左右する。
乏突起膠腫 (Oligodendroglioma) Grade II 85% Ubie10 IDH変異および1p/19q共欠失が特徴。化学療法が奏効しやすい傾向がある。

注:これらの数値は複数の大規模研究や医療機関の報告に基づく代表値であり、研究によって若干の差異があります。

全体として、Grade Iに分類される良性脳腫瘍の多くは、5年生存率が90%を超えており、適切な治療によって長期的な生存が期待できることがわかります10

2.3. 日本における脳腫瘍の統計データ

日本国内の統計を見ると、脳腫瘍の現状についてさらに理解が深まります。

  • 発生頻度: 原発性脳腫瘍全体の発生率は、人口10万人あたり約15人程度と報告されています20。このうち、良性腫瘍が悪性腫瘍よりも多くを占めます。
  • 患者数: 2021年に日本全国で「悪性」の脳腫瘍と診断されたのは5,741例でした21。良性腫瘍を含めると、患者数はさらに多くなります。
  • 登録事業: 日本脳神経外科学会や日本脳腫瘍学会は、脳腫瘍の全国的な登録事業を行っており、年間4,000〜5,000人のデータが集められています23。これらのデータが、日本の実情に合った治療法の開発や予後予測の精度向上に貢献しています。

日本特有の状況:脳ドックの普及と偶発的発見

日本では、健康診断のオプションとして「脳ドック」が広く普及しています。これにより、頭痛などの自覚症状がない段階で、偶然に小さな良性脳腫瘍が発見されるケース(偶発腫瘍)が少なくありません21。これは、症状が進行してから発見されることが多い他国とは異なる、日本特有の状況と言えます。無症状の段階で、より小さいうちに発見されることは、治療の選択肢を広げ、手術がより安全かつ容易になり、結果として良好な予後につながる可能性を高めるという側面があります。一方で、治療の必要がないほど小さな腫瘍を発見し、過剰な不安や検査につながる可能性も指摘されており、偶発的に発見された腫瘍をどのように管理していくかは、現代日本の医療における重要なテーマの一つです。

第3章:あなたの予後を左右する5つの重要因子

前章で示した生存率は、あくまで大規模な集団の平均値です。個々の患者さんの長期的な見通し(予後)は、一つの数字で語れるほど単純ではありません。ここでは、あなたの予後に影響を与える5つの重要な因子について、より深く掘り下げて解説します。

3.1. 因子1:腫瘍の種類とWHOグレード(悪性度)

これは予後を決定する最も基本的な因子です。第2章の表が示すように、例えば同じ「髄膜腫」であっても、ゆっくり増殖するGrade Iと、増殖が速く再発しやすいGrade II、そして悪性であるGrade IIIとでは、5年生存率に大きな差があります14。腫瘍の種類とグレードによって、増殖速度、周囲への広がり方(浸潤性)、そして治療への反応性が根本的に異なるため、これらが予後の最も重要な基盤となります。

3.2. 因子2:分子遺伝学的特徴(IDH, 1p/19qなど)

現代の脳腫瘍診療において、予後予測の精度を飛躍的に向上させたのが、この分子遺伝学的特徴の解析です。特に神経膠腫(グリオーマ)では、その影響が顕著です。例えば、WHO分類でGrade IIの「びまん性星細胞腫」と診断された場合でも、IDH遺伝子に変異がある(IDH-mutant)か、変異がない(IDH-wildtype)かによって、予後は劇的に異なります16。一般的に、IDH変異がある方が予後は良好とされています。また、「乏突起膠腫(オリゴデンドログリオーマ)」においては、IDH遺伝子変異に加えて1p/19qという染色体領域の共欠失が見られることが特徴です17。この特徴を持つ腫瘍は、放射線治療や化学療法に対する感受性が高く、比較的良好な経過をたどることが知られています。このように、顕微鏡での見た目だけでは分からない遺伝子レベルの情報が、個々の患者さんの未来を予測する上で不可欠な時代になっているのです。

3.3. 因子3:腫瘍の発生部位と大きさ

たとえ完全に良性の腫瘍であっても、その「場所」と「大きさ」は予後に深刻な影響を与えます。脳は機能ごとに役割分担がなされており、手術で安全に到達し、摘出できる範囲には限界があるからです。特に、脳幹(呼吸や心拍など生命維持の中枢)、視交叉(視神経が交わる部位)、あるいは太い血管や重要な神経が密集している頭蓋底などに腫瘍が発生した場合、手術で完全に取り除くこと(全摘出)は大きなリスクを伴います3。手術によって重要な機能を損なう危険性が高い場合、意図的に腫瘍の一部を残す(部分摘出)選択がなされることがあります。残存した腫瘍は将来的に再増殖する可能性があるため、長期的な予後に影響を与える要因となります8

3.4. 因子4:治療の選択と効果(特に手術の摘出度)

どのような治療が選択され、それがどの程度の効果を上げたか、特に手術で腫瘍をどれだけ取り除けたか(摘出度)は、再発率と長期予後に直結します。髄膜腫の治療において、手術の摘出度と再発率の関係を示した「Simpson(シンプソン)分類」が有名です25。この分類では、腫瘍本体だけでなく、腫瘍が付着している硬膜や、影響を受けている頭蓋骨まで含めて切除できた場合(Grade I)は再発率が最も低く、腫瘍を部分的にしか摘出できなかった場合(Grade IV)は再発率が著しく高くなることが示されています。もちろん、全ての腫瘍で全摘出が可能なわけではありませんが、手術による摘出度が高いほど、その後の再発リスクを低減させ、根治の可能性を高めることができるのです12

3.5. 因子5:患者自身の年齢と全身状態(PS)

最後に、患者さん自身の要因も予後に影響します。一般的に、年齢が若いほど、また全身状態が良好であるほど、予後が良い傾向にあります27。若年者の方が、侵襲の大きな手術や放射線治療、化学療法といった治療に対する忍容性(耐える力)が高く、治療後の回復力も旺盛です。また、日常生活の自立度を示す指標であるパフォーマンス・ステータス(Performance Status, PS)が良好であることも、治療を計画通りに完遂し、良好な結果を得るための重要な要素となります。

第4章:最新の治療選択肢―日本の医療現場における標準治療と先進医療

良性脳腫瘍の治療目標は、腫瘍を制御し、症状を改善させ、可能な限り長期にわたって良好な生活の質(QOL)を維持することです。ここでは、日本の医療現場で行われている主要な治療法と、トップレベルの医療機関における先進的な取り組みを紹介します。

4.1. 経過観察(Wait-and-see)という選択肢

すべての良性脳腫瘍が、診断後すぐに治療を必要とするわけではありません。特に、脳ドックなどで偶然発見された、サイズが小さく、症状もなく、増大傾向が見られない腫瘍の場合、「経過観察」という方針が取られることがあります2。これは、治療に伴うリスク(手術の合併症など)が、現状のまま様子を見ることのリスクを上回ると判断される場合です。定期的にMRIなどの画像検査を行い、腫瘍の大きさや形状に変化がないか、新たな症状が出現しないかを慎重に監視します9。腫瘍が生涯にわたって大きくならず、問題を起こさないケースも少なくありません。

4.2. 手術(外科的摘出)

症状を引き起こしている腫瘍や、増大傾向にある腫瘍に対しては、手術による摘出が最も根治的な治療法であり、第一選択となります3。手術の目的は、可能な限り安全に腫瘍を最大限摘出し、正常な脳機能への影響を最小限に抑えることです。近年の脳神経外科手術の進歩は目覚ましく、日本のトップレベルの医療機関では、以下のような先進技術を駆使して、手術の安全性と精度を極限まで高める努力がなされています。

  • 術中MRI: 手術室内に設置されたMRI装置を用い、手術の途中でリアルタイムに画像を確認しながら、腫瘍の取り残しがないかを確認する技術。
  • 覚醒下手術(Awake Craniotomy): 言語機能や運動機能を司る重要な領域に近い腫瘍を摘出する際に、患者さんに麻酔から覚醒してもらい、会話や手足の動きを確認しながら手術を進める方法。これにより、機能障害のリスクを最小限に抑えます29
  • 神経モニタリング: 手術中に脳や神経の電気的な活動を監視し、重要な神経機能が損なわれていないかを常にチェックする技術。

4.3. 放射線治療

手術による摘出が困難な部位にある腫瘍や、手術後に残存した腫瘍、あるいは再発した腫瘍に対しては、放射線治療が有効な選択肢となります3。特に、良性脳腫瘍に対しては「定位放射線治療」が広く用いられます。これは、多方向から放射線のビームを病変部にピンポイントで集中照射し、周囲の正常な脳組織への影響を最小限に抑える治療法です。代表的なものにガンマナイフやサイバーナイフなどがあり、比較的小さな腫瘍に対して高い治療効果を発揮します24

4.4. 薬物療法

良性脳腫瘍の治療において、薬物療法が中心となることは比較的稀ですが、特定の種類の腫瘍に対しては重要な役割を果たします。例えば、ホルモンを産生するタイプの下垂体腺腫に対しては、ホルモンの分泌を抑える薬物療法が非常に有効な場合があります。また、ごく一部の良性脳腫瘍では、特定の遺伝子変異を標的とする分子標的薬が効果を示す可能性があり、研究が進められています29

4.5. 日本のトップ医療機関の取り組み紹介

日本の脳腫瘍治療は世界的に見ても高い水準にあり、特に大学病院などの高度医療機関では、最先端の研究と臨床が一体となって、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供しています。ここでは、その代表例として二つの大学病院の取り組みを紹介します。

  • 東京大学医学部附属病院: 脳神経外科では、専門分野別の外来が整備されており、脳腫瘍に対しては極めて高度な診療体制が敷かれています29。特筆すべきは、手術で摘出した組織に対し、迅速にゲノム解析を行い、病理診断と統合することで、WHO分類に基づいた極めて正確な診断を下している点です29。また、日本臨床腫瘍グループ(JCOG)などの多施設共同臨床試験に中心的な役割で参加しており、患者さんは標準治療だけでなく、最新の治験に参加できる可能性もあります29。高見 浩数 医師らを中心に、胚細胞腫や覚醒下手術に関する世界トップレベルの研究成果が数多く報告されています33
  • 京都大学医学部附属病院: 同院では「がんセンター」内に脳腫瘍ユニットを設置し、脳神経外科、小児科、放射線治療科などが緊密に連携して集学的治療を行っています34。特に、成人だけでなく小児脳腫瘍に対する豊富な治療経験と専門性の高さは、国内でもトップレベルです34。荒川 芳輝 医師らが中心となって行っている、高度な術中モニタリングを駆使した覚醒下手術は、機能温存を最優先する同院の姿勢を象徴するものです30

これらの医療機関の取り組みは、日本の脳腫瘍治療がいかに個別化され、精密化されているかを示しています。セカンドオピニオンなどを通じて、こうした専門施設の意見を聞くことも、ご自身の治療方針を決定する上で非常に有益な選択肢となり得ます。

第5章:治療後の生活(QOL)を支えるために―後遺症から日本の公的支援、患者コミュニティまで

治療が成功裏に終わった後も、人生は続きます。この章では、治療後の生活の質(Quality of Life, QOL)を維持し、向上させるために知っておくべき重要な情報―後遺症との向き合い方から、日本で利用できる公的支援、そして同じ経験を持つ仲間と繋がることの価値―について解説します。

5.1. 起こりうる後遺症とその向き合い方

脳腫瘍そのものや、手術・放射線治療などの影響により、治療後に様々な後遺症が残ることがあります。これらは身体的なものから、外見からは分かりにくい高次脳機能障害まで多岐にわたります3

  • 身体的後遺症: 手足の麻痺、しびれ、歩行障害、言語障害(ろれつが回らない等)、視野障害など。
  • 高次脳機能障害: 記憶力の低下、集中力・注意力の低下、物事の計画や段取りが難しくなる(遂行機能障害)、感情のコントロールが難しくなる、人格の変化など。
  • 全般的な症状: 慢性的な疲労感、けいれん発作など3

これらの後遺症に対しては、早期からのリハビリテーションが非常に重要です。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった専門家と協力し、失われた機能の回復や、残された機能を最大限に活用して日常生活に適応していくための訓練を行います24

5.2. 定期的なフォローアップの重要性

良性脳腫瘍は、治療後に根治したと思われても、数年あるいは十数年後に再発する可能性がゼロではありません9。特に、手術で腫瘍を完全に取り切れず一部が残存している場合は、そのリスクが高まります25。そのため、治療後も定期的にMRIなどの画像検査を受け、再発の兆候がないかをチェックする長期的なフォローアップが不可欠です。万が一再発した場合でも、早期に発見できれば、放射線治療や再手術など、次の一手を迅速に打つことが可能になります。

5.3. 【日本在住者向け】活用できる公的支援制度

脳腫瘍の治療は、身体的・精神的な負担だけでなく、経済的な負担も大きくなる可能性があります。日本では、そうした負担を軽減するための様々な公的支援制度が整備されています。これらを活用することは、安心して治療に専念するために非常に重要です。

  • 高額療養費制度: 医療機関や薬局で支払った医療費が、1ヶ月で上限額を超えた場合に、その超えた金額が支給される制度です。
  • 傷病手当金: 病気やけがのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に、健康保険から支給されます。
  • 障害年金: 病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。
  • 難病医療費助成制度: 一部の脳腫瘍は、国の指定難病の対象となる場合があります36。対象と認定されると、医療費の自己負担額が軽減されます。

これらの制度の詳細は複雑なため、まずは病院の医療ソーシャルワーカーや、お住まいの市区町村の担当窓口、あるいは社会保険労務士などの専門家に相談することをお勧めします。

5.4. ひとりで悩まないために―日本の患者会・支援団体

同じ病気を経験した仲間との繋がりは、何物にも代えがたい心の支えとなります。日本では、脳腫瘍の患者さんとその家族を支援するための団体が活動しています。

  • NPO法人脳腫瘍ネットワーク(JBTA): 日本最大級の脳腫瘍の患者・家族会です。全国各地での勉強会や交流会の開催、電話やメールでの相談、最新の医療情報の提供、治療環境の改善に向けた政策提言など、多岐にわたる活動を行っています37。診断を受けて間もない方から、長期的なサバイバーまで、多くの当事者が情報交換や精神的なサポートを行っています。
  • 小児脳腫瘍の会: 脳腫瘍と闘う子ども達とその家族を支援するための患者会です。QOLの向上や心のケア、情報の共有を目的として活動しています41

一人で不安を抱え込まず、こうしたコミュニティにアクセスすることで、有益な情報を得られるだけでなく、「自分は一人ではない」という安心感を得ることができます。

よくある質問

Q1:良性脳腫瘍は遺伝しますか?

A1: ほとんどの良性脳腫瘍は、遺伝とは無関係に偶発的に発生します。しかし、ごく一部に、遺伝的な要因が関与するケースがあります。代表的なものに「神経線維腫症2型(NF2)」という遺伝性疾患があり、この疾患を持つ方は、両側の聴神経に神経鞘腫を発症するリスクが非常に高くなります8。ご家族に脳腫瘍と診断された方が複数いるなど、遺伝に関してご心配な点があれば、主治医や遺伝カウンセリングの専門家にご相談ください。

Q2:手術をしないで治ることはありますか?

A2: 脳腫瘍が自然に消えてなくなることは、医学的には極めて稀であり、基本的には期待できません。しかし、前述の通り、小さく無症状で、長期にわたって増大しない腫瘍も多く存在します。このような場合、手術などの積極的な治療を行わずに「経過観察」を続けることで、生涯にわたって問題なく過ごせるケースも少なくありません2。この意味で、「治療をしないで済む」ことはあっても、「何もしないで治る」わけではないとご理解ください。

Q3:治療後、車の運転や仕事への復帰はできますか?

A3: これは、腫瘍の種類や場所、治療後の後遺症の有無や程度によって大きく異なります。車の運転に関しては、脳腫瘍と診断された場合や、けいれん発作を起こしたことがある場合は、道路交通法に基づき、公安委員会への届け出が義務付けられています。運転再開の可否は、病状や治療後の経過を基に、専門医が判断します。英国のDVLA(運転免許庁)の規定でも、脳腫瘍患者の運転には厳しい制限が設けられており、日本でも同様の安全基準が適用されます3。必ず主治医の許可を得てください。仕事への復帰に関しても、個々の状況によります。身体的な制約がない場合でも、高次脳機能障害(集中力の低下など)が業務に影響することもあります。主治医やリハビリの専門家と相談し、必要であれば職場の理解と協力を得て、段階的な復帰(時短勤務や業務内容の調整など)を検討することが重要です。

Q4:セカンドオピニオンは受けた方が良いですか?どこで受けられますか?

A4: はい、セカンドオピニオンは非常に有益であり、積極的に検討することをお勧めします。脳腫瘍は比較的稀な疾患であり、その種類や治療法は多岐にわたります。現在の主治医とは別の専門医の意見を聞くことで、診断や治療方針に対する理解が深まり、より納得して治療に臨むことができます。特に、治療方針の決定に迷いがある場合や、特殊な部位の腫瘍、稀な種類の腫瘍である場合は、セカンドオピニオンの価値はさらに高まります。セカンドオピニオンは、第4.5章で紹介したような大学病院やがん専門病院の多くが「セカンドオピニオン外来」を設けています29。まずは現在の主治医にセカンドオピニオンを受けたい旨を伝え、紹介状(診療情報提供書)や画像データなどの資料を準備してもらうのが一般的な流れです。

結論

良性脳腫瘍との向き合い方は、決して単純な一本道ではありません。本記事で見てきたように、その予後は、腫瘍の生物学的な性質から、発生した場所、選択された治療法、そして患者さん自身の状態まで、実に多くの因子が複雑に絡み合って決まります。しかし、この複雑さの中にこそ、希望があります。かつては「脳の病気」として一括りにされ、なすすべがなかった時代とは異なり、現代医療は個々の腫瘍を分子レベルで理解し、その特性に応じた精密な治療戦略を立てることが可能になりました。手術技術の進歩は、かつては不可能とされた部位の腫瘍に対しても、機能を温存しながらの摘出を可能にしつつあります。これらの科学と医療の着実な進歩により、良性脳腫瘍と診断された多くの人々が、長期にわたり、そして質の高い人生を歩むことが現実となっています。今、あなたがすべき最も重要なことは、信頼できる医療チームと緊密に連携し、本記事で得たような正確な情報に基づいて、ご自身の病状を深く理解し、そして、あなたにとって最善の道を主体的に選択していくことです。この道のりは一人で歩む必要はありません。ご家族、医療者、そして患者会という仲間が、あなたの歩みを支えてくれます。この記事が、あなたの不安を和らげ、未来への一歩を踏み出すための確かな光となることを、心より願っています。

免責事項本記事は、医学的知識の普及と情報提供を目的としており、個別の診断や治療法を推奨するものではありません。診断、治療、および医療に関するあらゆる判断は、必ず担当の医師や専門の医療機関にご相談ください。

参考文献

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