「そんなに食べていないのに、お腹だけポッコリ膨らんで苦しい」「健康のために選んだ食べ物なのに、食後はガスが溜まってつらい」──こうした悩みを抱えている方は少なくありません。人によっては、仕事中や通勤電車の中、家族の前ではガスを我慢してしまい、誰にも相談できず一人で悩んでいることもあります。
実は、お腹の張りやガスが増える原因は「食べ過ぎ」だけではありません。体質や腸の状態によっては、ヨーグルトや野菜、果物、豆類など、一般的には「体に良い」とされる食品でも、人によっては膨満感やゴロゴロ感を引き起こすことがあります。また、炭酸飲料やアルコール、塩分の多いスナックなど、分かりやすく腸に負担をかける食品もあります。
この記事では、日常的なお腹の張りやガスが気になる方に向けて、「お腹を張らせやすい代表的な13の食べ物」と、それらとの付き合い方をわかりやすく整理します。同時に、生活習慣やストレスなどの要因、過敏性腸症候群(IBS)や腸閉塞など、受診が必要になる病気のサインについても、信頼できる情報源に基づいて解説していきます12。
膨満感そのものは命に関わらないことが多い一方で、生活の質を大きく下げてしまう症状です。「自分の体質や腸の状態を理解し、どんな食べ物をどの程度なら無理なく食べられるか」を見つけることが、つらい症状とうまく付き合う第一歩になります。
Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について
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- 厚生労働省・公的研究機関・自治体:日本人の食事摂取基準や便秘・腹部膨満に関連する情報など、日本人向けの公式データを優先して参照しています。
- 国内の医療機関・専門クリニック:過敏性腸症候群やFODMAP食、食物繊維とお腹の張りの関係などについて解説しているサイトを、一次情報の紹介元として利用しています。
- 海外の公的機関・査読付き論文:乳糖不耐症や特定の糖質が引き起こす膨満感など、日本語情報だけでは補えない部分を補足する目的で参照しています。
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要点まとめ
- お腹の張りやガスは、食べ方やストレスに加え、「特定の糖質や食物繊維」に腸が敏感な体質が関わっていることがあります34。
- ヨーグルト、豆類、キャベツ・ブロッコリーなどの野菜、りんご・すいかなどの果物、小麦製品、乳製品、炭酸飲料、アルコールなどは、一部の人にとって膨満感を起こしやすい代表的な食べ物です456。
- これらの食品は「悪い食べ物」ではなく、量やタイミング、調理法を工夫することで、多くの場合は上手に付き合うことができます。
- 強い腹痛や嘔吐、発熱を伴うお腹の張りが続く場合には、腸閉塞など緊急性の高い病気の可能性もあるため、早めの受診や救急相談(♯7119など)が重要です2。
- 食事日記をつけながら、気になる食べ物を一度にやめるのではなく、少しずつ量を変えてみることで、自分に合う食べ方を見つけやすくなります13。
この記事では、まず「食べ方」や「生活リズム」といった身近な要因から、お腹の張りと関係が深い代表的な13の食べ物を具体的に紹介します。
それでも症状が続く場合に考えられる、腸の疾患やホルモンバランス、体質(乳糖不耐症やFODMAP過敏など)についても段階的に理解できるように構成しました47。
また、日常生活で実践しやすい「今夜からできる工夫」から、数週間〜数か月かけて試したい腸活・食事調整のステップ、お医者さんに相談するタイミングまで、具体的な行動のヒントを整理しています。
この記事を読み進めることで、「自分の膨満感はどのタイプなのか」「どの食べ物をどのくらい気をつければよいのか」「いつどこで誰に相談すればよいのか」がイメージしやすくなることを目指しています。
第1部:お腹の張りの基本と日常生活の見直し
まずは、医学的な病気を疑う前に、多くの人に当てはまりやすい「日常の食べ方」や「選びがちな食べ物」の特徴から整理していきます。ここを確認するだけで、膨満感がぐっと軽くなるケースも少なくありません。
1.1. なぜ食べ物でお腹が張るのか ─ ガス・水分・腸の動きのしくみ
私たちのお腹の中には、常にある程度のガスが存在しています。食事中に飲み込んだ空気や、腸内細菌が食べ物を分解するときに発生するガスなどが、その主な原因です4。通常は、げっぷやおならとして自然に外に出ていきますが、ガスが多すぎたり、腸の動きが低下していたりすると、「お腹がパンパンに張る」「ゴロゴロと音がする」といった不快感につながります58。
特に、以下のような成分を多く含む食品は、大腸で発酵しやすく、ガスを生みやすいとされています67。
- 発酵しやすい糖質(FODMAP):乳糖(ラクトース)、果糖(フルクトース)、フルクタン、ガラクトオリゴ糖、ポリオール(ソルビトールなど)など。
- 不溶性食物繊維:豆類や穀類、根菜類などに多く、適量なら便通を整えますが、急に増やしすぎるとガスや膨満感の原因になります59。
- 炭酸ガスそのもの:炭酸飲料に含まれるガスは、物理的にお腹を膨らませます。
また、ストレスや睡眠不足、運動不足により腸の動きが弱くなると、ガスが腸内に長くとどまりやすくなり、少しのガスでも強い膨満感として感じやすくなります59。
1.2. 悪化させてしまうNG習慣
同じ食べ物でも、「どう食べるか」によってお腹の張り方は変わります。次のような習慣が重なると、ガスが溜まりやすくなります。
- 早食い・かき込むように食べる:空気を一緒に飲み込む量が増え、ガスの元になります。
- よく噛まずに飲み込む:大きなかたまりのまま腸に届き、腸内細菌による分解に時間がかかるため、発酵が進みやすくなります。
- 寝る直前の大量の食事・飲酒:胃腸の動きがゆるやかな時間帯に負担をかけ、もたれや膨満感を長引かせます。
- 食物繊維を急に増やす:「体に良いから」と急に豆類やサラダ、全粒粉パンなどを増やすと、腸が追いつかずにガスが増えることがあります59。
- 炭酸飲料やアルコールを一気飲み:ガスやアルコールが急に腸に届き、張りとムカムカ感を招きます。
まずは、よく噛んでゆっくり食べる、夕食の量を控えめにする、炭酸飲料を「たまの楽しみ」にとどめるといった、シンプルな工夫から始めてみましょう。
| こんな症状・状況はありませんか? | 考えられる主な背景・原因カテゴリ |
|---|---|
| 仕事の合間に早食い・立ち食いが多く、食後すぐにお腹がゴロゴロする | 空気の飲み込み過多、消化不良、腸内ガスの増加 |
| 健康のためにサラダ・豆類・全粒粉を一気に増やしたら、お腹がパンパンになった | 不溶性食物繊維のとり過ぎ、FODMAP食品の急増 |
| 夜遅くに炭酸飲料やお酒を飲んだ翌朝、スカートやズボンがきつく感じる | 炭酸ガス・アルコールによる腸管への刺激と水分貯留 |
| ヨーグルトや牛乳をとると、数時間後にゴロゴロ・下痢を繰り返す | 乳糖不耐症の可能性(乳糖の分解が苦手) |
1.3. お腹を張らせやすい13の食べ物リスト
ここからは、多くの人が「体に良さそう」と考えて日常的に口にしている一方で、体質や食べ方によってはお腹の張りを悪化させやすい代表的な13の食べ物を紹介します。あくまで「上手な付き合い方」を考えるための目安であり、「完全に避けるべき食品」という意味ではありません。
| 食べ物 | お腹が張りやすくなる主な理由 | 上手な付き合い方のヒント |
|---|---|---|
| 1)ヨーグルト | 乳糖(ラクトース)を含み、乳糖不耐症の人ではガス・下痢・膨満感の原因になる710。 | 少量から試す、乳糖ゼロ・低糖タイプを選ぶ、食後にとるなど工夫する。 |
| 2)キャベツ・ブロッコリー・カリフラワーなどのアブラナ科野菜 | フルクタンやラフィノースなど発酵しやすい糖質と不溶性食物繊維を多く含み、ガスが増えやすい6。 | よく加熱して量を控えめにする、少しずつ増やして腸を慣らす。 |
| 3)豆類(大豆・レンズ豆・ひよこ豆など) | 分解されにくいオリゴ糖や不溶性食物繊維が豊富で、腸内発酵を促しやすい6。 | 一晩水に浸してから調理する、少量から始める、他の食品と組み合わせる。 |
| 4)玉ねぎ・にんにく・長ねぎ | フルクタンというFODMAPの一種を含み、敏感な人ではガスと膨満感の原因になる6。 | 加熱して使う、だしの香り付け程度にする、量を調整する。 |
| 5)すいかなどフルクトースの多い果物 | 果糖(フルクトース)が多いと、小腸で吸収しきれず大腸で発酵し、ガスや下痢の原因となることがある6。 | 一度に大量に食べない、他の果物とバランスよくとる。 |
| 6)ガム(シュガーレスガム含む) | かむ回数が多く空気を飲み込みやすいことに加え、ソルビトールなどの糖アルコールがガスや下痢を招きやすい6。 | 長時間かみ続けない、糖アルコールの少ない製品を選ぶ。 |
| 7)小麦・ライ麦を使ったパン・パスタなど | グルテン自体への過敏性に加え、フルクタンや不溶性食物繊維でガスが増えることがある6。 | 量を調整する、玄米やオートミールなど他の穀物と組み合わせる。 |
| 8)炭酸飲料 | 炭酸ガスそのものが胃腸内に溜まり、物理的な膨満感の原因になる4。 | のどが渇いたときの常用ではなく「たまの楽しみ」にし、少しずつ飲む。 |
| 9)コーヒー | カフェインが胃酸分泌や腸の動きを刺激し、空腹時に多量に飲むとムカムカ感や膨満感を招くことがある。 | 食後に少量飲む、カフェインレスコーヒーを試す、牛乳を入れる場合は乳糖不耐症に注意。 |
| 10)塩分の多いスナック・クラッカー | 塩分をとり過ぎると体が水分をため込み、むくみとともに「張った感じ」を強めることがある。 | 毎日の習慣ではなく時々の楽しみにし、量と頻度を決めておく。 |
| 11)りんご・洋なし・もも・プルーンなど | 食物繊維と果糖、ソルビトールなどの糖アルコールを含み、人によってはガス・膨満感の原因となる6。 | 皮をむいて少量から、他の果物と組み合わせる、加熱して食べてみる。 |
| 12)アルコール飲料(特にビール) | アルコールによる腸の刺激に加え、ビールでは炭酸とグルテンが重なり、ガスや下痢・便秘を悪化させることがある。 | 空腹時は避ける、ゆっくり飲む、休肝日をつくる。 |
| 13)牛乳・チーズ・アイスクリームなどの乳製品 | 乳糖不耐症の人では、乳糖が分解されず、腹痛・ガス・膨満感・下痢の原因になる710。 | 乳糖の少ないヨーグルトやチーズを選ぶ、乳糖ゼロ牛乳を使う、少量ずつ試す。 |
ここに挙げた食べ物は、栄養価が高いものも多く、「お腹が張るから絶対に禁止」というわけではありません。むしろ、自分の体質や腸の状態を知りながら、「どれを」「どのくらい」なら快適に食べられるかを探していくことが大切です。
第2部:身体の内部要因 ─ 栄養・ホルモン・体質の影響
生活習慣を見直しても膨満感が続く場合、背景にはホルモンバランスや腸の疾患、乳糖不耐症やFODMAP過敏など、身体の内側の要因が隠れていることがあります。
2.1. 【特に女性】ライフステージとホルモンバランス
女性は、月経前後、排卵期、妊娠中、更年期など、ホルモンバランスが大きく変化するタイミングで、お腹の張りや便秘・下痢を感じやすくなります。女性ホルモンの変動により腸の動きがゆるやかになり、ガスや便が溜まりやすくなるからです。
このような時期には、次のような工夫が役立ちます。
- 食物繊維は急に増やすのではなく、海藻類や野菜、果物をバランスよくとり入れる。
- 炭酸飲料やアルコール、塩分の多いスナックは控えめにして、むくみと膨満感のダブルパンチを避ける。
- ストレッチや軽いウォーキングなどで腸を優しく刺激し、ガスや便をため込みにくくする。
2.2. FODMAPとお腹の不調 ─ 「腸に優しい」つもりが逆効果のことも
近年、お腹の張りや過敏性腸症候群と深く関わっている概念として注目されているのが「FODMAP(フォドマップ)」です。これは、小腸で吸収されにくく、大腸で発酵しやすい短鎖の糖質の総称で、腸内で急速にガスを産生し、腹部膨満感や腹痛を引き起こすことがあります467。
FODMAPを多く含む食品には、次のようなものがあります。
- 乳糖:牛乳、アイスクリーム、ヨーグルトなどの乳製品
- 果糖:すいか、りんご、洋なし、はちみつ、果糖ブドウ糖液糖など
- フルクタン:小麦、ライ麦、玉ねぎ、にんにくなど
- ガラクトオリゴ糖:豆類、レンズ豆、ひよこ豆など
- ポリオール:ソルビトール、マンニトール(シュガーレスガムや一部の果物に含まれる)
腸が敏感な人や過敏性腸症候群の方では、これらの糖質を一度に大量にとると、お腹の張りや痛み、下痢・便秘が悪化することがあると報告されています46。一方で、完全に除去してしまうと食事が大きく制限されてしまうため、医療機関や栄養の専門家と相談しながら、期間を区切って「どの食品がどの程度影響しているのか」を確かめるアプローチが推奨されます。
2.3. 乳糖不耐症と乳製品 ─ 「お腹がゴロゴロする」原因の一つ
乳糖不耐症とは、乳製品に含まれる乳糖(ラクトース)を分解する酵素が少ないために、乳糖を十分に消化できず、お腹の張りやガス、下痢、腹痛などが起こりやすい体質のことです710。乳糖は大腸に達すると腸内細菌によって発酵され、大量のガスと水分を生み出すため、膨満感やゴロゴロ感が強く出ることがあります。
乳糖不耐症が疑われる場合は、以下のような工夫が役立ちます。
- 牛乳を一度にコップ1杯飲むのではなく、少量ずつ分けて飲む。
- ヨーグルトやチーズなど、乳糖が比較的少ない乳製品から試す。
- 乳糖ゼロや低乳糖の牛乳・ヨーグルトを選ぶ。
- 乳製品と一緒に他の食品をとることで、腸内に届くスピードをゆるやかにする。
自己判断で乳製品を完全にやめてしまうと、カルシウムやビタミンDの摂取量が不足し、骨粗しょう症など別の問題につながることもあります。症状が強い場合は、医師や管理栄養士に相談しながら、無理のない範囲で乳製品との付き合い方を検討していきましょう。
第3部:専門的な診断が必要な疾患
多くの膨満感は、食べ物や生活習慣の調整で改善していきますが、中には病気が隠れているケースもあります。ここでは、代表的な疾患と受診の目安について触れておきます。
3.1. 過敏性腸症候群(IBS)など機能性腸疾患
過敏性腸症候群は、検査をしても明らかな炎症や腫瘍が見つからないにもかかわらず、腹痛や膨満感、下痢・便秘などの症状が慢性的に続く病気です。ストレスや自律神経の乱れ、腸内細菌のバランスの変化などが関わっていると考えられており、FODMAPを多く含む食品で症状が悪化しやすいことも報告されています46。
「緊張すると急にトイレに行きたくなる」「便秘と下痢をくり返す」「検査では異常がないと言われたが、お腹の張りだけ残っている」といった場合には、消化器内科や胃腸科で相談してみるとよいでしょう。
3.2. 腸閉塞(イレウス)など命に関わる病気
ごくまれではありますが、腸の動きが止まったり狭くなったりする「腸閉塞(イレウス)」など、緊急対応が必要な病気によってお腹が極端に張ることがあります。厚生労働省の医薬品関連資料でも、麻痺性イレウスの症状として「お腹がはる」「激しい便秘」「腹痛」「吐き気」「おう吐」などが挙げられており、放置すると命に関わることがあるため注意が必要だとされています2。
次のような症状がある場合は、自己判断で様子を見るのではなく、早めに医療機関を受診するか、症状が強いときは救急外来や救急相談窓口(♯7119など)に相談してください。
- お腹が急にパンパンに張り、触ると強い痛みがある。
- 何度も吐いてしまい、水分もとれない。
- まったく便やガスが出ない状態が続いている。
- 発熱や血圧低下、冷や汗など全身状態の悪化を伴っている。
第4部:今日から始める改善アクションプラン
原因が何であれ、「今この瞬間からできること」「今週末から試せること」「長期的に続けたいこと」を分けて考えると、無理なく生活に取り入れやすくなります。
| ステップ | アクション | 具体例 |
|---|---|---|
| Level 1:今夜からできること | 食べ方と飲み方を整える | 一口30回を目安によく噛む/炭酸飲料を水や温かいお茶に変える/寝る3時間前までに夕食を終える。 |
| Level 2:1〜2週間かけて試すこと | 13の食べ物リストから「自分の怪しい候補」を絞る | ヨーグルトを乳糖ゼロタイプにしてみる/豆類の量を半分にして様子を見る/ガムを控えてみるなど。 |
| Level 3:1か月以上かけて見直すこと | 生活全体のリズムとストレス対策 | 就寝・起床時間を一定にする/週2〜3回の軽い運動を習慣化/ストレス発散の時間をスケジュールに組み込む。 |
| Level 4:専門家と一緒に取り組むこと | 乳糖不耐症やFODMAP過敏が疑われる場合の食事調整 | 消化器内科や栄養の専門家と相談しながら、一時的な低FODMAP食や乳製品の調整を行う46。 |
すべてを一度に変えようとする必要はありません。「自分が続けやすそうだ」と感じるステップから1つ選び、小さな成功体験を積み重ねていくことが、結果的に大きな変化につながります。
第5部:専門家への相談 ─ いつ・どこで・どのように?
お腹の張りは、「すぐ受診すべき状態」と「様子を見ながら生活改善を試してよい状態」に分かれます。自己判断が難しいときこそ、早めに相談することで安心につながります。
5.1. 受診を検討すべき危険なサイン
- 強い腹痛や発熱、血便、体重減少を伴う膨満感。
- 急にお腹が張り、吐き気・おう吐をくり返し、水分もとれない。
- 便やガスがほとんど出ない状態が続き、苦しさが増していく。
- 胸やけやつかえ感が長期間続き、飲み込みにくさを感じる。
上記のような場合は、早めに消化器内科・胃腸科などを受診してください。夜間や休日で受診が難しいときは、各自治体の救急相談窓口(♯7119など)に電話し、対応を相談する方法もあります。
5.2. 症状に応じた診療科の選び方
- 食べ過ぎ・便秘・ガス溜まりが主な場合:まずは内科(一般内科・消化器内科)へ。
- 長引く下痢・血便・体重減少がある場合:消化器内科で大腸内視鏡検査などを含めて相談を。
- 月経周期や更年期と関連した不調が強い場合:婦人科でホルモンバランスの評価も検討。
- 強い不安やストレスとともに症状が悪化する場合:必要に応じて心療内科・精神科との連携も役立ちます。
5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安
- 食事日記・症状メモ:いつ・何を食べたあとに・どのような症状が出たかを簡単にメモしておくと、原因の絞り込みに大いに役立ちます。
- お薬手帳:服用中のお薬によっては、腸の動きを弱めて膨満感を悪化させるものもあります2。
- 保険証・各種医療証:日本の公的医療保険では、通常3割負担が基本です。診察料に加え、血液検査や画像検査、内視鏡検査などが行われると、数千〜数万円の自己負担になることがあります。
費用が心配な場合は、受診時に「検査はどこまで必要か」「費用の目安はどれくらいか」を遠慮なく確認してみましょう。医療者側も、患者さんの事情を踏まえながら検査の優先順位を一緒に考えてくれます。
よくある質問
Q1: お腹が張るときは、今回紹介された13の食品を全部やめたほうがいいですか?
A1: すべてを一度にやめる必要はありませんし、むしろおすすめできません。今回の13の食品は、体質や腸の状態によって「張りやすくなる可能性があるもの」を整理したリストです。栄養価の高い食品も多いため、まずは食事日記をつけながら「自分が怪しいと感じるもの」から量や頻度を調整してみるのが現実的です。
例えば、毎朝ヨーグルトと豆サラダ、全粒粉パンをいっしょに食べている場合には、まずどれか1つを減らす・種類を変えてみるといった形で試してみましょう。
Q2: ヨーグルトは腸に良いと聞きますが、お腹が張るときは避けるべきですか?
A2: ヨーグルトには腸内環境を整える乳酸菌が含まれており、多くの人にとってはプラスになります。ただし、乳糖不耐症の方や、乳糖に敏感な方では、ヨーグルトでもお腹の張りや下痢の原因になることがあります710。
心配な場合は、乳糖ゼロ・低糖タイプのヨーグルトに変える、食後に少量から試す、他の乳製品の量を減らすなどの工夫をしたうえで、自分の体の反応を観察してみてください。症状が強い場合は、医師や管理栄養士に相談することをおすすめします。
Q3: コーヒーを飲むとガスが増える気がします。やめたほうがいいですか?
A3: コーヒーのカフェインには、胃酸分泌や腸の動きを刺激する作用があり、人によっては膨満感やムカムカ感を感じることがあります。空腹時に濃いコーヒーを一気に飲むと、刺激が強く出やすくなります。
まずは、食後に少量だけ飲む・カフェインレスコーヒーに切り替えてみる・一日の杯数を決めるといった工夫から試してみてください。それでも症状が続く場合には、しばらくお休みして体の変化を観察するのも一つの方法です。
Q4: ガムやキャンディをやめるだけでも、お腹の張りはよくなりますか?
A4: ガムやシュガーレスキャンディには、ソルビトールなどの糖アルコールが含まれていることが多く、これらは腸で吸収されにくく、大腸で発酵してガスを生みやすいとされています6。また、ガムをかんでいるときは空気を飲み込みやすく、それ自体もガスの元になります。
お腹の張りが気になる時期だけでも、ガムやシュガーレスキャンディを控えてみると、症状が軽くなる方は少なくありません。変化があれば、あなたの膨満感の一因になっていた可能性が高いと言えます。
Q5: 炭酸水なら砂糖が入っていないので大丈夫ですか?
A5: 砂糖が入っていない炭酸水は、血糖値やカロリーの面ではメリットがありますが、炭酸ガスそのものは同じようにお腹を膨らませます。炭酸が苦手な人や、もともとガスが溜まりやすい人では、無糖の炭酸水でも膨満感が出ることがあります4。
どうしても飲みたい場合は、少量ずつゆっくり飲む、食事中ではなく合間に飲む、常用ではなく「気分転換として時々飲む」程度にとどめるとよいでしょう。
Q6: 便秘ではないのにお腹だけ張ります。受診したほうがいいですか?
A6: 便通がほぼ毎日あっても、ガスが溜まりやすかったり、腸が敏感だったりすることで、お腹の張りを感じることはあります59。まずは、食べ方や13の食べ物リスト、ストレスや睡眠の状態を見直し、2〜3週間ほどセルフケアを試してみるとよいでしょう。
それでも改善しない、あるいは腹痛や体重減少、血便、発熱など気になる症状がある場合には、念のため一度消化器内科で相談することをおすすめします。
Q7: 妊娠中ですが、お腹の張りとガスが増えています。危険ではありませんか?
A7: 妊娠中はホルモンの影響で腸の動きがゆるやかになり、便秘やガスが溜まりやすくなることが知られています。そのため、妊娠前よりお腹の張りを感じやすくなるのは珍しくありません。
ただし、強い腹痛や出血、破水のような症状を伴う場合は、早めに産科・婦人科を受診してください。自己判断が難しいときは、かかりつけの産科に電話で相談してみましょう。
結論:この記事から持ち帰ってほしいこと
お腹の張りやガスは、多くの人が一度は経験する身近な不調ですが、その背景には「食べ方・生活習慣・特定の食べ物・体質・病気」など、いくつもの要素が重なっています。今回紹介した13の食べ物は、その中でもとくに膨満感と関わりやすい代表例です。
大切なのは、「自分に合わない食品をすべて禁止すること」ではなく、「自分の体がどの食品にどのくらい反応するのか」を知り、無理のない範囲で調整していくことです。食事日記や簡単なセルフチェック、少しずつ量や組み合わせを変えてみる工夫を続けることで、「これなら大丈夫」というラインが見えてきます。
一方で、強い腹痛や嘔吐、発熱、体重減少、血便などを伴う膨満感は、命に関わる病気が隠れている可能性もあります。気になる症状が続くときは、一人で抱え込まず、早めに医療機関や相談窓口を頼ってください。
あなたのお腹の不調は、「我慢するしかないもの」ではありません。小さな一歩からで構いませんので、今日からできることを少しずつ試しながら、自分の腸と上手に付き合っていきましょう。
この記事の編集体制と情報の取り扱いについて
Japanese Health(JHO)は、信頼できる公的情報源と査読付き研究に基づいて、健康・医療・美容に関する情報をわかりやすくお届けすることを目指しています。
本記事の原稿は、最新のAI技術を活用して下調べと構成案を作成したうえで、JHO(JapaneseHealth.org)編集委員会が一次資料(ガイドライン・論文・公的サイトなど)と照合しながら、内容・表現・数値・URLの妥当性を人の目で一つひとつ確認しています。最終的な掲載判断はすべてJHO編集部が行っています。
ただし、本サイトの情報はあくまで一般的な情報提供を目的としており、個々の症状に対する診断や治療の決定を直接行うものではありません。気になる症状がある場合や、治療の変更を検討される際は、必ず医師などの医療専門家にご相談ください。
記事内容に誤りや古い情報が含まれている可能性にお気づきの場合は、お手数ですが運営者情報ページ記載の連絡先までお知らせください。事実関係を確認のうえ、必要な訂正・更新を行います。
参考文献
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