【医師・専門家監修】妊娠中の人工甘味料:母子の健康への影響に関する包括的科学レビューと実践ガイド
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【医師・専門家監修】妊娠中の人工甘味料:母子の健康への影響に関する包括的科学レビューと実践ガイド

妊娠は、女性の生涯において最も大きな生理的変化を伴う時期の一つであり、食生活への関心も格段に高まります。特に現代社会において、妊娠中の適切な体重管理や、妊娠糖尿病(Gestational Diabetes Mellitus, GDM)のリスク管理の重要性は広く認識されています1。こうした背景から、カロリーや糖質の摂取を抑えるための手段として、人工甘味料(非栄養甘味料、Non-nutritive sweeteners, NNSとも呼ばれる)が急速に普及し、多くの妊婦にとって身近な選択肢となっています2。スーパーマーケットやコンビニエンスストアの棚には、「カロリーゼロ」「糖類ゼロ」といった魅力的な表示を掲げた飲料、ヨーグルト、菓子類が溢れています3。これらは、甘いものを楽しみながらも体重や血糖値をコントロールしたいと願う妊婦にとって、一見すると理想的な解決策のように映るかもしれません。しかし、その安全性、特に母体を通じて胎児に与える長期的な影響については、科学的な議論が続いており、単純な結論には至っていません4。一部の専門家やメディアは強い懸念を表明し3、一方で規制当局は「許容一日摂取量(ADI)の範囲内であれば安全」との見解を維持しています5。この情報の錯綜が、多くの妊婦とその家族に混乱と不安をもたらしているのが現状です。本稿の目的は、この複雑で重要な問題に対し、明確かつ信頼性の高い指針を提供することにあります。日本の妊婦、その家族、そして日々の診療で妊婦に寄り添う産婦人科医、助産師、管理栄養士といった医療従事者の方々に向けて、世界と日本の最新の科学的エビデンスを網羅的かつ公平に統合・分析します。そして、その分析に基づき、日々の生活で実践可能な、最も確かな情報を提供することを目指します。

この記事の科学的根拠

この記事は、入力された研究報告書で明示的に引用されている、国際的な規制機関、学術論文、専門家団体の見解を含む、最高品質の医学的証拠にのみ基づいています。提示された医学的ガイダンスの根拠となる主要な情報源は以下の通りです。

  • 国際機関 (WHO, JECFA): アスパルテームの安全性評価や、非糖質甘味料に関するWHOの新ガイドラインなど、国際的な基準となる評価に基づいています67
  • 各国規制当局 (FDA, EFSA, 厚生労働省): 米国、欧州、日本の規制当局による一日摂取許容量(ADI)の設定や、実際の摂取量調査の結果を反映しています89
  • 査読付き学術論文 (PubMed掲載論文など): 妊娠中の人工甘味料摂取が母子の健康に与える影響を調査した、複数のシステマティックレビュー、メタアナリシス、疫学研究の結果を詳細に分析しています21011
  • 専門家団体の指針: 日本産科婦人科学会や日本栄養士会など、関連する専門家団体の公式な栄養指導に関する文書を参照しています12

要点まとめ

  • **規制と現実のギャップ**: 日本を含む各国の規制当局は、従来の毒性評価に基づき人工甘味料を「ADI(一日摂取許容量)内では安全」としています6。しかし、最新の疫学研究では、母子の長期的な健康への懸念が示されています1011
  • **子どもの将来への影響**: 妊娠中の人工甘味料の摂取は、子どもの将来の肥満リスクを高める可能性が、複数の研究を統合したメタアナリシスで指摘されています11。これは「DOHaD理論」に基づき、胎児期の環境が将来の健康を決定づけるという考え方と関連します13
  • **腸内環境の変化**: 人工甘味料が母親の腸内細菌叢のバランスを崩し、その影響が出産や授乳を通じて子どもに受け継がれる可能性が、作用機序として有力視されています14
  • **推奨される行動**: 科学的な不確実性が残る現状では、「予防原則」に立つことが最も賢明です。本稿では、妊娠中および妊娠を計画している女性は、人工甘味料の摂取を可能な限り避けることを強く推奨します。
  • **賢い代替案**: 甘みは、栄養価の高い果物や、バランスの取れた食事から自然な形で摂ることを基本としましょう。製品購入時は必ず原材料表示を確認し、「糖類ゼロ」の表示に惑わされないことが重要です。

第一章:本稿が解き明かす中心的な問い

本稿の中心に据える問いは、多くの人々が抱く素朴な疑問、すなわち「各国の規制当局が『安全』と認可している物質が、なぜ最新の科学研究で次々と懸念されているのか?」という根本的な矛盾です。この問いは、単に「安全か、危険か」という二元論では答えることができません。その背景には、科学が「安全性」を評価する際の視点の違いが存在します。この矛盾を解き明かすため、本稿では問題を以下の三つの異なる科学的視点から、多層的に掘り下げていくことを宣言します。

  1. 規制の科学 (The Science of Regulation): 各国の規制機関(日本の厚生労働省、米国のFDA、欧州のEFSAなど)が用いる「安全性」の定義とは何か。その根拠となる伝統的な毒性学(Toxicology)的評価、特に「一日摂取許容量(ADI)」がどのように設定され、その評価が持つ強みと限界は何かを検証します。これは、「高用量で毒物や発がん性物質として作用するか?」という問いに答える科学です6
  2. 疫学の科学 (The Science of Epidemiology): 近年増加している、実際の人間集団における長期的な健康への影響を観察する研究(疫学研究)の知見を分析します。これは、「通常の摂取量で、長期的に見て、肥満や代謝異常といった望ましくない健康状態と『関連』があるか?」という問いに答える科学です。これらの研究が示す関連性の強さ(エビデンスの確実性)を慎重に評価します2
  3. メカニズムの科学 (The Science of Mechanisms): 人工甘味料が母子の体に影響を及ぼしうるとされる生物学的な経路、すなわち作用機序を探求します。腸内細菌叢のバランス変化、胎盤の通過、そして胎児期の環境が将来の健康を左右するという「DOHaD理論」など、疫学研究で観察された「関連」を説明しうるメカニズムを解き明かします。

この三つの視点を統合することで、私たちは「規制当局の言う『安全』」と「最新研究が示す『懸念』」の間に横たわる溝の正体を理解することができます。それは、科学が「フリップフロップ(意見を二転三転させること)」しているのではなく、「安全」という概念そのものに対する科学的理解が、急性毒性の予防から、生涯にわたる代謝プログラミングの最適化へと、より深く、より長期的な視点へと進化している過程の現れなのです。この複雑な全体像を理解することこそが、妊婦自身が賢明な判断を下すための第一歩となります。

第二章:甘味料の辞典:分類と特性

人工甘味料と一括りにされがちですが、その種類は多岐にわたり、化学的な性質や由来は大きく異なります。正確な情報を理解するためには、まずこれらの甘味料を科学的に分類し、それぞれの特性を把握することが不可欠です。本章では、日本の消費者が日常的に接する甘味料を体系的に整理し、具体的な商品例とともに解説します。

2.1. 甘味料の科学的分類

甘味料は、その由来と化学構造に基づき、大きく「合成甘味料」「天然由来甘味料」「糖アルコール」に分類できます。また、これらとは別に、しばしば健康への影響が議論される「異性化糖」についてもここで解説します。

合成甘味料 (Synthetic Sweeteners)

自然界には存在しない、化学的な合成プロセスを経て製造される甘味料です。ごく少量で強い甘味を持つため、カロリーをほとんど付加することなく製品に甘みをつけることができます。

  • アスパルテーム (Aspartame): アミノ酸であるアスパラギン酸とフェニルアラニンから作られます。砂糖の約200倍の甘さを持ちますが、熱に弱い性質があります3。製品表示では「甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物)」と記載されることが一般的です15
  • アセスルファムカリウム (Acesulfame Potassium, Ace-K): 酢酸由来の成分から作られ、砂糖の約200倍の甘さを持ちます。熱に強く、他の甘味料と組み合わせて使用されることが多いのが特徴です3
  • スクラロース (Sucralose): 砂糖(ショ糖)を原料に、その構造を化学的に変化させて作られます。砂糖の約600倍という非常に強い甘味を持ち、熱や酸にも安定しています3
  • サッカリン (Saccharin): 最も古くからある人工甘味料の一つで、砂糖の約200~700倍の甘さを持ちます。一部の歯磨き粉や医薬品にも使用されていますが、後味に独特の苦味を感じることがあります3
  • ネオテーム (Neotame)、アドバンテーム (Advantame): 共にアスパルテームの誘導体で、極めて強い甘味が特徴です。ネオテームは砂糖の約10,000倍、アドバンテームは約20,000~40,000倍の甘さを持ちます3。アドバンテームは「パルスイート® カロリーゼロ」の液体タイプなどに使用されています15

天然由来甘味料 (Natural-Origin Sweeteners)

植物などの天然素材から抽出・精製される甘味料です。「天然」という言葉から安全なイメージを持たれがちですが、これらも高度に精製された食品添加物である点は合成甘味料と同様です。

  • ステビア抽出物 (Stevia Extracts): 南米原産のキク科植物「ステビア」の葉から抽出される甘味成分(ステビオール配糖体)です。砂糖の数百倍の甘さを持ち、カロリーはゼロです16
  • 羅漢果(ラカンカ)抽出物 (Monk Fruit / Luo Han Guo Extracts): 中国・桂林周辺を原産とするウリ科の果物「羅漢果」から抽出される甘味成分です。独特のコクがあり、砂糖の数百倍の甘さを持つとされます16

糖アルコール (Sugar Alcohols)

化学的には糖質の一種ですが、体内で消化・吸収されにくい性質を持つため、血糖値の上昇が緩やかで、カロリーも砂糖より低いのが特徴です。

  • エリスリトール (Erythritol): 果物やキノコ、発酵食品などに含まれる糖アルコールです。摂取してもそのほとんどが吸収されずに尿として排泄されるため、カロリーはゼロとされています17
  • キシリトール (Xylitol)、ソルビトール (Sorbitol): キシリトールは虫歯予防効果で知られ、ガムなどに広く使用されます。ソルビトールも多くの加工食品に利用されます。これらの糖アルコールは、一度に多量に摂取するとお腹が緩くなる(下痢を引き起こす)可能性があります16

避けるべき糖類:異性化糖 (Sugars to Avoid: High-Fructose Corn Syrup)

人工甘味料ではありませんが、清涼飲料水などに多用され、健康への懸念が指摘されているため、ここで特に言及します。「ぶどう糖果糖液糖」や「果糖ぶどう糖液糖」と表示され、主原料はトウモロコシ(コーンシロップ)です3。これらは体内でタンパク質と結びついて老化促進物質であるAGEs(終末糖化産物)を生成するリスクが、ブドウ糖に比べて高いと指摘されています3。妊娠中の食事管理においては、人工甘味料と同様に摂取を控えたい糖類です。

2.2. 日本の食卓で出会う甘味料

これらの甘味料が、実際にどのような商品に使われているのかを知ることは、賢い選択をする上で非常に重要です。以下に、日本のスーパーマーケットでよく見かける代表的な商品と、その主な甘味料を挙げます。

  • 「パルスイート®」シリーズ (味の素): 日本で最も代表的な低カロリー甘味料の一つです。製品ラインナップによって使用される甘味料は異なりますが、主にアスパルテーム、アセスルファムK、エリスリトール、スクラロース、アドバンテームなどが組み合わせて使用されています3
  • 「ラカントS®」シリーズ (サラヤ): 天然由来の甘味料として人気があります。主成分は「エリスリトール」と「羅漢果エキス」であり、合成甘味料は使用されていません17
  • ダイエット飲料 (Diet Beverages): 「コカ・コーラ ゼロシュガー」や「ペプシジャパンコーラ ゼロ」などのゼロカロリーコーラ飲料では、「スクラロース」と「アセスルファムK」の組み合わせが標準的に使用されています18
  • 人工甘味料不使用の製品例: 全ての甘い加工品に人工甘味料が使われているわけではありません。例えば、ヒット商品である「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」(コカ・コーラ)の原材料表示を見ると、甘みは砂糖や乳製品(全粉乳、脱脂濃縮乳加工品)に由来しており、人工甘味料は使用されていません19

このように、製品のコンセプトやターゲットによって使用される甘味料は様々です。消費者は、製品名や「カロリーゼロ」という表示だけでなく、必ず原材料表示を確認する習慣を身につけることが求められます。

【表1:主要な甘味料の特性比較】
甘味料名 (Sweetener Name) 分類 (Classification) 砂糖との甘味度比 (Sweetness vs. Sugar) カロリー (Caloric Content) 日本での主な使用製品例 (Examples of Use in Japanese Products)
アスパルテーム (Aspartame) 合成甘味料 約200倍 ほぼゼロ パルスイート®、ダイエット飲料、ガム
アセスルファムK (Acesulfame K) 合成甘味料 約200倍 ゼロ ダイエット飲料、菓子類、氷菓
スクラロース (Sucralose) 合成甘味料 約600倍 ゼロ ダイエット飲料、ヨーグルト、プロテインパウダー
サッカリン (Saccharin) 合成甘味料 約200~700倍 ゼロ 歯磨き粉、一部の漬物
ステビア抽出物 (Stevia Extracts) 天然由来甘味料 約200~300倍 ゼロ 飲料、ヨーグルト、卓上甘味料
羅漢果抽出物 (Monk Fruit Extracts) 天然由来甘味料 約100~300倍 ゼロ ラカントS®、のど飴
エリスリトール (Erythritol) 糖アルコール 約0.7倍 ゼロ ラカントS®、菓子類、飲料
キシリトール (Xylitol) 糖アルコール 砂糖と同程度 約60% ガム、タブレット

第三章:公的機関の見解:世界と日本の安全評価

人工甘味料の安全性を語る上で、各国の規制当局や国際機関がどのような科学的根拠に基づいて判断を下しているのかを理解することは不可欠です。これらの機関は、膨大な研究データを評価し、「一日摂取許容量(ADI)」という基準を設けています。本章では、このADIの概念を解説し、世界と日本の公的機関の見解を整理します。しかし、その評価が絶対的なものではなく、新たな科学的知見によってその解釈が問い直されている現状も明らかにします。

3.1. 「一日摂取許容量(ADI)」とは何か?

一日摂取許容量(Acceptable Daily Intake, ADI)とは、「ある物質について、ヒトがその生涯にわたり毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日あたりの摂取量」と定義されています8。これは、食品添加物の安全性を評価する際の国際的な基本指標です。ADIは、主に動物を用いた長期的な毒性試験の結果に基づいて算出されます。具体的には、実験動物に様々な量の化学物質を生涯にわたって投与し、いかなる有害な影響も観察されなかった最大の投与量、すなわち「無毒性量(No-Observed-Adverse-Effect Level, NOAEL)」を特定します。そして、このNOAELに通常100分の1の「安全係数」を適用してADIが設定されます8。この100倍という安全マージンは、動物とヒトとの種差(10倍)およびヒトにおける個人差(10倍)を考慮したものであり、非常に保守的な(安全側に立った)数値設定となっています。このADIという枠組みは、長年にわたり食品添加物の安全性を確保する上で重要な役割を果たしてきました。しかし、その評価の限界も認識する必要があります。ADIの算定根拠となる毒性試験は、主に発がん性、生殖毒性、臓器への直接的な毒性といった、比較的明確な有害事象を指標としています。一方で、近年の科学が注目する腸内細菌叢への影響、免疫系への微細な作用、あるいは次世代の代謝システムを変化させる可能性のある「胎児プログラミング」といった、より複雑で長期的な影響は、従来の毒性評価の枠組みでは十分に捉えきれない可能性があるのです。この点が、後述する規制当局の見解と最新の疫学研究の間に乖離が生じる一因となっています。

3.2. 国際機関の評価:FDA, EFSA, WHO/JECFA

世界の食品安全規制は、主に米国の食品医薬品局(FDA)、欧州食品安全機関(EFSA)、そして国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同食品添加物専門家会議(JECFA)という三つの主要機関の評価に大きく影響されています。これらの機関は、それぞれ独立して、あるいは協調しながら、人工甘味料の安全性を評価し、ADIを設定しています。

アスパルテーム論争の深掘り:IARCとJECFAの見解の相違

2023年7月、アスパルテームの安全性を巡る議論が世界的に再燃しました。WHO傘下のがん専門研究機関である国際がん研究機関(IARC)が、アスパルテームを「グループ2B:ヒトに対して発がん性がある可能性がある」に分類したと発表したためです4。この発表は大きな注目を集めましたが、その意味を正確に理解することが重要です。IARCの分類は、ある物質ががんを引き起こす可能性に関する科学的根拠の「強さ」を評価するものであり、実際の生活におけるがん発症の「リスクの大きさ」を示すものではありません。グループ2Bは、ヒトでの証拠が「限定的」であり、実験動物での証拠も「限定的」な場合に適用される分類です6。一方で、ほぼ時を同じくして、リスク評価を行うJECFAは、入手可能な全てのデータを再評価した結果、「アスパルテームの摂取が有害な影響を及ぼすという説得力のある根拠は得られなかった」とし、既存のADI(40 mg/kg体重/日)を変更する必要はないと結論付けました6。FDAやEFSAもこのJECFAの結論を支持し、ADIの範囲内での摂取は安全であるとの見解を改めて表明しています7。この一見矛盾する二つの結論は、IARCが「ハザード(危害要因)の特定」を、JECFAが「リスク評価」を行うという役割の違いから生じています。IARCは「発がん性の可能性を示す証拠があるか」を問い、JECFAは「通常の摂取量で実際にリスクがあるか」を問うのです。両機関は、ADIを守っていれば健康への悪影響の懸念はないという点で、実質的には大きな隔たりはないとの共同声明を出しています。

WHO新ガイドラインの衝撃:目的論的評価への転換

アスパルテーム論争と並行して、もう一つ重要な動きがありました。2023年5月、WHOは「非糖質甘味料(NSS)に関する新ガイドライン」を発表し、「体重管理や非感染性疾患(NCDs)のリスク低減を目的としてNSSを使用しないよう」条件付きで勧告したのです4。この勧告は、従来のADIに基づく毒性評価とは全く異なる視点からのものです。WHOは、NSSの長期的な使用が体重管理に持続的な利益をもたらすという質の高いエビデンスがないこと、むしろ長期的な使用は成人の2型糖尿病、心血管疾患、および死亡率のリスク増加といった望ましくない影響と関連している可能性があることを、大規模なシステマティックレビューの結果として指摘しました20。これは、食品添加物の評価におけるパラダイムシフトを示唆する重要な出来事です。もはや「毒性がないか」という問いだけでなく、「本来の使用目的(この場合は体重管理)において、長期的に見て本当に有益なのか、そして意図しない不利益はないのか」という、より包括的な視点からの評価が求められるようになったのです。このWHOの勧告は妊娠中に特化したものではありませんが、多くの妊婦が体重や血糖管理を目的として人工甘味料を選択している現状を鑑みれば、その意義は極めて大きいと言えます。

3.3. 日本の規制と実態:厚生労働省・食品安全委員会

日本における食品添加物の規制は、厚生労働省と、リスク評価を専門に行う内閣府食品安全委員会が担っています。日本の規制当局は、基本的にJECFAなどの国際的な評価機関の科学的評価を尊重し、それを基に国内の基準を設定しています6。したがって、アスパルテームをはじめとする主要な人工甘味料のADIは、JECFAが設定した値と同じか、それに準じたものとなっています。

マーケットバスケット方式による摂取量調査

厚生労働省は、国民が実際にどのくらいの食品添加物を摂取しているかを把握するため、「マーケットバスケット方式」による継続的な調査を行っています21。この方式は、スーパーマーケットなどで実際に販売されている多種多様な食品を購入し、それらを平均的な日本人の食生活に合わせて調理・混合した上で、含まれる添加物量を化学的に分析し、一日摂取量を推定するものです21。これまでの調査結果によれば、日本人の成人および小児におけるアセスルファムカリウム、スクラロース、ステビア抽出物などの人工甘味料の平均的な一日摂取量は、いずれもADIの1%にも満たない、非常に低いレベルであることが一貫して報告されています22。この事実は、「通常の食生活を送っている限り、ADIを超えるような過剰摂取に陥る心配はほとんどない」という、規制当局の安全論の重要な根拠となっています。

国内専門家団体の見解

日本産科婦人科学会(JSOG)や日本栄養士会(JDA)といった専門家団体は、現時点では妊娠中の人工甘味料摂取に関する明確で独立したガイドラインを公表していません。一般的な栄養指導に関する文書12や、災害時備蓄品リストにおいて慢性疾患患者向けの品目として人工甘味料が挙げられている例23など、間接的な言及は見られますが、積極的な推奨も、明確な禁止も示されていないのが現状です。これは、科学的コンセンサスが未だ確立されていないことの現れとも言え、個々の医療従事者の判断に委ねられている部分が大きいことを示唆しています。

【表2:主要甘味料の許容一日摂取量(ADI)国際・国内比較】
甘味料名 (Sweetener Name) JECFA / 日本 (mg/kg bw/day) EFSA (EU) (mg/kg bw/day) FDA (USA) (mg/kg bw/day)
アスパルテーム (Aspartame) 406 407 508
アセスルファムK (Acesulfame K) 1524 15 (2025年改訂)24 1524
スクラロース (Sucralose) 1525 1526 527
サッカリン (Saccharin) 528 528 1528
ステビア抽出物 (Stevia Extracts) 429 429 4 (GRAS)27
注: ADIは体重1kgあたり、1日あたりのミリグラム量。EFSAは2025年にアセスルファムKのADIを9から15に引き上げる評価を発表。ステビアはFDAではGRAS (Generally Recognized as Safe) として扱われる。

第四章:「セカンドハンド・シュガー」の科学:母子への影響に関する研究の深掘り

規制当局が設定するADIは、主に成人の健康を基準とした毒性学的評価に基づいています。しかし、妊娠という特殊な期間においては、母親だけでなく、極めて感受性の高い胎児への影響を考慮しなければなりません。近年、胎児期の栄養環境が子どもの将来の健康を決定づけるという「DOHaD理論」が注目される中、母親が摂取する人工甘味料が、まるで「セカンドハンド・シュガー(受動的な糖)」のように胎児に影響を及ぼすのではないかという懸念が、科学的研究によって提起されています。本章では、その最前線の知見を深掘りします。

4.1. DOHaD理論と胎児プログラミング

DOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)理論とは、胎児期から乳幼児期にかけての環境、特に栄養状態が、その後の生涯にわたる健康や疾病リスクに長期的な影響を及ぼすという学説です13。これは、限られた栄養環境に適応するために胎児の遺伝子発現や代謝システムが”プログラミング”され、その変化が出生後、豊かな栄養環境に置かれた際に、肥満、2型糖尿病、アレルギー、心血管疾患などのリスクを高めるという考え方です。このDOHaD理論の文脈において、人工甘味料は新たな研究対象となっています。母親が摂取した人工甘味料、あるいはそれによって変化した母体の代謝環境が、胎盤を通じて胎児に伝わることで、胎児の味覚の感受性や代謝調節機能を”再プログラミング”してしまうのではないか、という仮説です2。カロリーがないにもかかわらず強い甘味シグナルを送る人工甘味料が、胎児の繊細な代謝システムの構築に予期せぬ影響を与える可能性が懸念されているのです。

4.2. 母親への影響:妊娠糖尿病(GDM)と腸内環境

胎児への影響を考える前に、まず母親自身への影響を理解する必要があります。特に重要なのが、妊娠糖尿病(GDM)のリスクと腸内環境の変化です。

GDMリスクとの関連

人工甘味料は血糖値を直接上昇させないため、GDMの予防や管理に有効だと考えられてきました。しかし、近年の研究はこの単純な想定に疑問を投げかけています。中国の妊婦422人を対象としたある研究では、人工甘味料(スクラロース、アスパルテーム、サッカリン)の摂取量が多いグループは、少ないグループに比べてGDMの発生率が有意に高く、摂取量の増加がGDMのリスク上昇と関連していることが報告されました(オッズ比 2.66)10。この研究は観察研究であり因果関係を証明するものではありませんが、人工甘味料が腸内細菌叢の変化や糖代謝に関わるホルモン分泌への影響などを介して、間接的に糖代謝異常を引き起こす可能性を示唆する重要な知見です。

腸内細菌叢への影響

人工甘味料が母体の健康に影響を及ぼす主要なメカニズムとして、腸内細菌叢への作用が注目されています。複数の研究が、サッカリン、スクラロース、アスパルテームなどの人工甘味料が、腸内に生息する膨大な数の細菌のバランスを崩す「ディスバイオーシス」を引き起こす可能性を報告しています1014。具体的には、有益なビフィズス菌や乳酸菌などが減少し、一方で炎症などに関与する可能性のある菌が増加することが、動物実験や一部のヒト試験で示されています30。この腸内細菌叢の変化は、糖代謝の異常、軽度の慢性炎症、さらには免疫系の調節不全につながる可能性があり、母体自身の健康状態、ひいては胎児が育つ子宮内環境にも影響を及ぼすと考えられます。

4.3. 胎児・子どもへの影響:最新のシステマティックレビューとメタアナリシス

個別の研究結果は時に相反することがありますが、複数の研究を統計的に統合・評価する「システマティックレビュー」と「メタアナリシス」は、より信頼性の高い結論を導き出すための科学的な手法です。妊娠中の人工甘味料摂取に関する近年のメタアナリシスは、一貫していくつかの懸念される関連性を指摘しています。

早産リスク (Risk of Preterm Delivery)

12万人以上の妊婦を含む3つの大規模コホート研究を統合した2021年のメタアナリシスでは、人工甘味料入り飲料を毎日摂取する習慣が、早産のリスクを1.18倍に高めることと関連していると報告されました2。この結果は、統計的に有意なものでした。デンマークで行われた約6万人の妊婦を対象とした大規模な先行研究でも同様の関連が示唆されています27。欧州食品安全機関(EFSA)はこれらの研究を評価し、「観察された関連性が因果関係を支持するエビデンスはない」との見解を示しています31。確かに、観察研究では他の食生活やライフスタイル要因が結果に影響している可能性(交絡)を完全に排除することは困難です。しかし、複数の大規模研究で同様の傾向が示されている事実は、無視できない重要なシグナルです。このメタアナリシスの著者ら自身も、このエビデンスの確実性を「低い」から「非常に低い」と評価しており、断定的な結論は避けていますが、潜在的なリスクとして真摯に受け止める必要があります2

出生後の体重増加と小児肥満リスク

DOHaD理論の観点から最も注目されているのが、子どもの長期的な体重への影響です。この点に関して、非常に重要なメタアナリシスが2022年に発表されています。この研究は、6つの前向きコホート研究を統合し、妊娠中の非栄養甘味料(NNS)摂取の影響を分析しました32。その結果は驚くべきものでした。妊娠中のNNS摂取は、出生時の赤ちゃんの体重には有意な影響を与えなかったものの、生後1歳時点でのBMI z-score(年齢と性別を考慮した体格指数)を有意に増加させることが明らかになったのです11。さらに、NNSの摂取量が週に1サービング増えるごとに、1歳時点のBMI z-scoreが上昇するという、明確な「用量反応関係」も示されました11。用量反応関係の存在は、観察された関連が偶然ではなく、因果関係である可能性を補強する強力な証拠となります。この研究も、エビデンスの質は全体として「低い」と評価されていますが32、胎児期に受けた影響が、出生後わずか1年という早期に体重増加という形で現れる可能性を示した点で、極めて重要です。これは、母親のカロリーゼロ飲料の選択が、意図せずして子どもの将来の肥満リスクを高めている可能性を示唆しています。

味覚への影響

動物実験のレベルでは、胎児期や授乳期に人工甘味料に曝露された仔が、成長後により強い甘味への嗜好性を示すことが報告されています13。これは、胎児期に脳の報酬系や味覚認知システムが「強い甘味」に慣れてしまい、将来的に甘い食品をより好むような食生活パターンにつながる可能性を示唆しています。

4.4. 作用機序:なぜ影響が出るのか?

これらの疫学研究で観察された「関連」は、どのような生物学的メカニズムによって引き起こされるのでしょうか。いくつかの仮説が提唱されていますが、特に有力視されているのが「胎盤通過性」と「腸内細菌叢の継承」です。

胎盤通過性 (Placental Transfer)

胎盤は、母体と胎児をつなぐ生命線であると同時に、有害物質から胎児を守るバリアでもあります。しかし、全ての物質をブロックできるわけではありません。

  • サッカリンとアセスルファムKは、胎盤を通過して胎児の循環系に入ることが確認されています33。特にサッカリンは、胎児の組織からの排泄が遅く、蓄積する可能性が懸念されるため、多くの専門家が妊娠中の摂取を避けるよう勧告しています33
  • アスパルテームは、摂取後すぐにアミノ酸(フェニルアラニン、アスパラギン酸)とメタノールに分解されます。これらの分解物は胎盤を通過しますが、通常の摂取量であれば胎児に有害なレベルには達しないとされています34。ただし、母親がフェニルケトン尿症(PKU)という遺伝性疾患を持つ場合は、フェニルアラニンを代謝できないため、胎児に深刻な影響を及ぼすリスクがあり、摂取は厳禁です33
  • スクラロースは、その多くが吸収されずに排泄されるため、胎盤を通過する量は非常に少ない、あるいは通過しないと一般的に考えられてきました35。しかし、この点についても議論は続いており、絶対的な安全性が確立されているわけではありません。

腸内細菌叢の継承 (Inheritance of Gut Microbiota)

近年、最も注目されている作用機序が、腸内細菌叢を介した世代間の影響です。赤ちゃんの腸内環境は無菌状態で始まるのではなく、母親から受け継いだ細菌によってその基礎が作られます。このプロセスは「マイクロバイオータ・シーディング」と呼ばれ、主に出産時の産道通過や、その後の母乳を通じて行われます36。この文脈で、以下の連鎖が懸念されています。

  1. 母親のNNS摂取が、母親自身の腸内細菌叢のバランスを変化させます(ディスバイオーシス)37
  2. この変化は、母親の母乳、特に栄養と免疫因子が豊富な初乳の細菌叢にも影響を及ぼす可能性が示唆されています36
  3. ディスバイオーシス状態の細菌叢が、出産や授乳を通じて赤ちゃんに受け継がれます3

不適切な初期シーディングは、赤ちゃんの免疫システムや代謝システムの発達に長期的な影響を及ぼし、将来の肥満やアレルギー、その他の代謝性疾患のリスクを高める可能性があるのです。この仮説は、DOHaD理論と腸内細菌科学を結びつけるものであり、なぜカロリーのない物質が子どもの体重増加と関連するのかを説明する、最も説得力のある生物学的メカニズムとして現在研究が進められています。

【表3:妊娠中の人工甘味料摂取と母子のアウトカムに関する主要なヒト研究の要約】
研究(著者, 年) 研究の種類 対象 主要な結果 エビデンスの確実性
Cai C, et al. (2021)2 11研究のメタアナリシス 妊婦 138,007人 NNSの日常的摂取は、早産リスクの増加(RR 1.18)、出生体重の微増(+24g)と関連。 低い~非常に低い (Low to Very Low)
Li G, et al. (2022)11 6研究のメタアナリシス 妊婦・出生児 NNS摂取は、出生時体重に影響しないが、1歳時点のBMI z-scoreを有意に増加させる(WMD 0.19)。用量反応関係あり。 低い (Low)
Zhu Y, et al. (2024)10 症例対照研究 妊婦 422人 NNSの高頻度摂取は、妊娠糖尿病(GDM)のリスク増加と関連(OR 2.66)。 (観察研究のため限定的)
Rios-Covian D, et al. (2023)36 コホート研究 授乳中の母親 NNSの摂取頻度が高い母親の初乳では、特定の細菌(Methanobrevibacter属など)の存在量に変化が見られた。 (探索的研究)
RR: リスク比 (Risk Ratio), WMD: 加重平均差 (Weighted Mean Difference), OR: オッズ比 (Odds Ratio)

第五章:日本の妊婦のための実践アクションプラン

これまでの科学的知見は、妊娠中の人工甘味料摂取に関して複雑な絵姿を提示しています。規制当局は従来の毒性学的評価に基づき「安全」としつつも、最新の疫学研究は母子への長期的な影響に警鐘を鳴らしています。このような状況下で、妊婦とその家族は何を信じ、どのように行動すればよいのでしょうか。本章では、科学的根拠に基づき、日本の生活環境に即した、具体的で実践可能なアクションプランを提案します。

5.1. 結論から導かれる推奨事項

本稿で詳述してきた科学的知見を総合的に判断すると、以下の結論が導かれます。

  • 規制上の安全性: 日本で認可されている人工甘味料は、ADI(一日摂取許容量)の範囲内であれば、発がん性や急性毒性といった観点からは「安全」と評価されています。そして、日本人の平均的な摂取量はADIを大幅に下回っています22
  • 新たな科学的懸念: しかし、エビデンスの確実性はまだ低いものの、複数の大規模な人間を対象とした観察研究(疫学研究)は、妊娠中の人工甘味料摂取が、早産リスクや、特に子どもの将来の肥満リスクの増加と一貫して関連していることを示唆しています211

この「確実な安全」と「不確実だが無視できない懸念」が併存する状況において、最も賢明で責任ある態度は**「予防原則(precautionary principle)」**に立つことです。予防原則とは、科学的な不確実性が存在する状況でも、深刻な、あるいは不可逆的な損害の脅威がある場合には、予防的な措置を講じるべきだという考え方です。胎児は、自ら食を選択することができず、外部からの影響に対して最も感受性が高い存在です。その胎児の生涯にわたる健康に影響を及ぼす可能性が、たとえ低レベルのエビデンスであっても一貫して示唆されている以上、そのリスクは最大限慎重に避けるべきです。したがって、本稿の最も重要な推奨事項は、**「妊娠期間中および妊娠を計画している女性は、人工甘味料の摂取を可能な限り最小限に抑える、あるいは完全に避けること」**です。

5.2. 日本の食品表示を解読する

この推奨を実践するためには、日常生活の中で人工甘味料を的確に見分けるスキルが必要です。日本の食品表示を正しく理解するための具体的なポイントを以下に示します。

原材料表示のチェックポイント

  • 「甘味料」の項目を探す: 原材料名の中に「/」(スラッシュ)があれば、それ以降が食品添加物です。その中に「甘味料」という記載があり、括弧内に具体的な物質名が書かれています。例えば、「甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロース)」といった表示が典型例です15
  • 「L-フェニルアラニン化合物」の表示に注意: アスパルテームを含む製品には、この表示が義務付けられています。これは、遺伝性疾患であるフェニルケトン尿症(PKU)の患者さんへの注意喚起のためです。PKUは非常に稀な疾患ですが、この表示はアスパルテームが含まれている明確な目印となります16
  • 「糖類ゼロ」「カロリーゼロ」に惑わされない: これらの表示は、砂糖やぶどう糖などが含まれていないことを意味しますが、甘みを出すために人工甘味料が使用されている場合がほとんどです3。これらの表示がある製品こそ、原材料表示を注意深く確認する必要があります。

注意すべき食品・飲料カテゴリー

以下の製品カテゴリーは、人工甘味料が頻繁に使用されるため、購入の際には特に注意が必要です。

  • ダイエット系炭酸飲料、ゼロカロリー飲料
  • カロリーオフ、糖質オフ、脂肪ゼロなどを謳うヨーグルトや乳酸菌飲料
  • ゼロカロリーのゼリー、プリン
  • 一部のスポーツドリンクやフレーバーウォーター
  • ノンアルコールビール・チューハイ
  • シュガーレスのガム、飴、タブレット
  • 一部のプロテインパウダーや栄養補助食品
  • 低糖質・糖質オフを謳うパンや菓子類

5.3. 妊娠糖尿病(GDM)など、医学的管理が必要な場合の考え方

妊娠糖尿病(GDM)や妊娠前からの肥満を合併している妊婦にとって、厳格な血糖コントロールは母子双方の合併症を予防する上で極めて重要です。このような医学的な管理が必要な場合、人工甘味料の扱いはより慎重な判断が求められます。この場合、自己判断で人工甘味料を多用することは避けるべきです。必ず、担当の産婦人科医や、栄養指導を担当する管理栄養士に相談してください5。専門家は、個々の妊婦の病状、血糖値の推移、食生活全体を評価した上で、リスクとベネフィットを比較衡量し、最適な食事療法を提案します。重要なのは、「無制限に砂糖を摂取する」か「人工甘味料を多用する」かという二者択一に陥らないことです。基本は、バランスの取れた食事療法と適度な運動療法です38。その上で、どうしても甘味が必要な場合に、専門家の指導のもとで、ごく限定的に、かつ一時的に甘味料を使用するという選択肢はあり得ます。しかし、それはあくまで補助的な手段であり、常用すべきではないという認識を持つことが重要です。

5.4. 代替案:自然な甘みを賢く取り入れる

人工甘味料を避けることは、甘みを完全に諦めることではありません。より健康的で自然な方法で、食生活に満足感と彩りをもたらすことができます。

「妊産婦のための食事バランスガイド」の原則に立ち返る

厚生労働省や関連機関が推奨する「妊産婦のための食事バランスガイド」は、健康な食生活の基本です38。特定の食品を避けたり探したりする前に、まずは主食(ごはん、パン)、主菜(肉、魚、卵、大豆製品)、副菜(野菜、きのこ、海藻)を毎食そろえることを心掛けましょう39。バランスの取れた食事は、満足感を得やすくし、甘いものへの過剰な欲求を自然に抑える助けになります。

甘いものが欲しい時の工夫

  • 果物をそのまま食べる: 甘味が欲しい時は、お菓子やジュースの代わりに果物を選びましょう。果物に含まれる果糖は、食物繊維やビタミン、ミネラルといった重要な栄養素と一緒になっているため、血糖値の上昇が緩やかで、体への負担が少ないです3
  • 素材の旨味を活かす: 料理においては、昆布や鰹節からとった「だし」の旨味、野菜の自然な甘みなどを最大限に活かすことで、砂糖や甘味料への依存を減らすことができます。
  • 飲み物はシンプルに: 日常的な水分補給は、水、麦茶、ほうじ茶、ルイボスティーなど、カフェインや糖分を含まないものを基本としましょう38
  • 天然由来甘味料や糖アルコールの位置づけ: ラカントS®(羅漢果・エリスリトール)やステビア製品は、合成甘味料よりは望ましい選択肢と考えられます。しかし、これらも高度に加工された食品であることに変わりはなく、常用するのではなく、たまの楽しみとして少量を使う程度に留めるのが賢明です。特に、エリスリトールなどの糖アルコールは、体質によってはお腹が緩くなる(下痢や腹部膨満感)可能性があるため、摂取量には注意が必要です40
【表4:日本の市販製品に見られる甘味料:見分け方と賢い代替案】
製品カテゴリー (Product Category) よく使われる甘味料 (Commonly Used Sweeteners) 原材料表示の例 (Example on Ingredient List) より望ましい選択肢 (A More Desirable Alternative)
ダイエット炭酸飲料 スクラロース, アセスルファムK 甘味料(スクラロース、アセスルファムK) 無糖の炭酸水にレモンやライムを搾る。麦茶、水。
カロリーオフヨーグルト スクラロース, アスパルテーム 甘味料(スクラロース) 無糖のプレーンヨーグルトに、生の果物や少量のハチミツ、きな粉を加える。
ゼロカロリーゼリー アセスルファムK, スクラロース, アスパルテーム 甘味料(アセスルファムK、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物) 寒天やゼラチンを使って、果汁100%ジュースや果物のピューレで手作りする。果物そのもの。
シュガーレスガム/タブレット アスパルテーム, アセスルファムK, キシリトール 甘味料(キシリトール、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物) 摂取を控える。食後の口直しには、水で口をすすぐ、無糖のお茶を飲む。
ノンアルコール飲料 アセスルファムK, スクラロース 甘味料(アセスルファムK) 無糖の炭酸水、ハーブティー、デカフェの紅茶。
低糖質パン/菓子 スクラロース, エリスリトール 甘味料(スクラロース)、エリスリトール 全粒粉のパン、おにぎり、焼き芋、ナッツ類、甘栗など、加工度の低い食品を選ぶ。

よくある質問

妊娠糖尿病(GDM)と診断されました。血糖管理のために人工甘味料を使ってもよいでしょうか?
自己判断で人工甘味料を多用することは絶対に避けてください。GDMの管理は、バランスの取れた食事療法と適度な運動が基本です。人工甘味料の使用については、リスクとベネフィットを総合的に判断する必要があるため、必ず担当の産婦人科医や管理栄養士に相談してください538。専門家の指導のもと、補助的にごく少量を使用する場合でも、常用は避けるべきという認識が重要です。
「天然由来」のステビアや羅漢果なら安全ですか?
「天然由来」という言葉から安全なイメージを持たれがちですが、これらも高度に精製された食品添加物であることに変わりはありません16。合成甘味料と同様に、子どもの将来の健康への影響に関する長期的なデータはまだ十分ではありません。したがって、合成甘味料よりは望ましい選択肢かもしれませんが、常用はせず、たまの楽しみとして少量を使う程度に留めるのが賢明なアプローチです。
うっかり人工甘味料入りの食品を食べてしまいました。胎児に影響はありますか?
一度や二度、少量摂取したからといって、直ちに胎児に深刻な影響が出る可能性は極めて低いと考えられます。日本の規制当局が示す通り、通常の摂取量がADI(一日摂取許容量)を大きく超えることは稀です22。大切なのは、過度に心配しすぎず、今後の食生活で意識的に避けていくことです。不安な場合は、かかりつけの医師に相談して安心を得ることも良いでしょう。
最も避けるべき人工甘味料はどれですか?
全ての人工甘味料を可能な限り避けることが推奨されますが、特にサッカリンは胎盤を通過しやすく、胎児の組織から排泄されにくいという特性が指摘されているため、多くの専門家が妊娠中の摂取を避けるよう勧告しています33

結論:科学的根拠に基づく、健やかな妊娠のための最終提言

本稿では、妊娠中の人工甘味料摂取の安全性について、規制の科学、疫学の科学、そしてメカニズムの科学という三つの異なる視点から、最新の知見を網羅的に分析してきました。複雑に絡み合う情報を整理し、今、私たちが何を確信でき、何に不確実性が残るのかを明確にした上で、JAPANESEHEALTH.ORGとしての最終的な推奨を提示します。

6.1. 知見の総括:確実なこと、不確実なこと

確実なこと (What is Certain)

  • 日本を含む世界各国の規制当局は、主要な人工甘味料について、ADI(一日摂取許容量)を設定しています。このADIは、従来の毒性学的評価に基づけば、この範囲内での摂取は「安全」と見なされています6
  • 日本人の平均的な人工甘味料の摂取量は、ADIを大幅に下回るごく微量であり、通常の食生活でADIを超えることは極めて稀です22

不確実だが懸念されること (What is Uncertain but Concerning)

  • 近年発表された質の高い疫学研究、特に複数の研究を統合したメタアナリシスは、妊娠中の人工甘味料の習慣的な摂取と、母子の健康への望ましくないアウトカムとの間に、一貫した「関連性」を示唆しています。具体的には、早産のリスク増加2や、出生後の子どもの体重増加(将来の肥満リスク)11との関連です。
  • これらの研究が示すエビデンスの確実性は、現時点では「低い」あるいは「非常に低い」と評価されています。しかし、複数の大規模な人間集団で同様の傾向が繰り返し観察されているという事実は、偶然とは考えにくく、無視できない科学的な「シグナル」と捉えるべきです。
  • この関連性を説明しうる生物学的なメカニズムとして、人工甘味料による母親の腸内細菌叢のバランス変化(ディスバイオーシス)と、それが出産や授乳を通じて子どもに継承されるという仮説が最も有力視されています3

6.2. JAPANESEHEALTH.ORGとしての最終的な推奨

確実な安全性の保証がない中で、科学的な不確実性が存在し、かつその影響が次世代に及ぶ可能性がある場合、社会が取るべき最も責任ある態度は「予防原則」に立つことです。胎児は、自らの意思でリスクを回避することができない、最も保護されるべき存在です。その胎児の生涯にわたる健康に対し、たとえ現時点では証明が不十分であっても、潜在的なリスクが一貫して示唆されている以上、その曝露は賢明にも避けるべきであると、私たちは考えます。この立場に基づき、JAPANESEHEALTH.ORGは以下の通り、最終的な推奨を明確に発信します。

「妊娠中および妊娠を計画している女性は、ご自身の健康管理、そして未来に生まれてくるお子様の健やかな発育のために、人工甘味料を含む食品および飲料の摂取を、意識的に、そして可能な限り避けることを強く推奨します。甘みは、果物やバランスの取れた食事といった、自然で栄養価の高い食品から摂ることを基本としてください。」

この推奨は、単にリスクを回避するだけでなく、より質の高い栄養摂取へと食生活を転換する積極的な機会と捉えるべきです。

6.3. 未来への展望:母親となる女性へのエンパワーメント

本稿が目指したのは、単に情報を提供するだけでなく、妊婦一人ひとりが氾濫する情報に惑わされることなく、科学的根拠に基づいて自らの食生活を主体的に、そして自信を持って選択できるようになるための一助となることです。妊娠中の食生活に関する不安や疑問は、決して一人で抱え込むべきではありません。本稿で得た知識を基に、ぜひ、かかりつけの産婦人科医、助産師、管理栄養士といった専門家と積極的に対話してください。あなたの健康状態やライフスタイルに合わせた、個別最適化されたアドバイスを得ることが、最も安全で確実な道です。科学は常に進歩し、今日の「不確実性」は明日の「確信」に変わるかもしれません。しかし、新しい生命を育むというかけがえのない期間において、私たちは常に最も安全な道を選ぶ権利と責任があります。このレポートが、すべての女性が健やかで喜びに満ちたマタニティライフを送り、そして次世代が最高の健康状態でその人生をスタートできる未来に貢献できることを、心から願っています。

免責事項
本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスを構成するものではありません。健康上の懸念がある場合、またはご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

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