【医師監修】子供の熱性けいれん完全ガイド|原因・対処法から再発予防・てんかんとの関係まで
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【医師監修】子供の熱性けいれん完全ガイド|原因・対処法から再発予防・てんかんとの関係まで

わが子が突然けいれんを起こす姿は、親にとって何よりも恐ろしい体験です。しかし、熱性けいれんは決して珍しいものではなく、日本の子供たちの7~11%が経験します1。そして、そのほとんどは後遺症なく回復する、予後良好な疾患です2。この記事では、日本で最も権威のある日本小児神経学会の最新ガイドライン(2023年版)に基づき3、保護者の皆様がパニックにならず、わが子のために最善の対応ができるよう、専門家が徹底的に、そして分かりやすく解説します。

この記事の科学的根拠

この記事は、引用元として明記された最高品質の医学的エビデンスにのみ基づいています。以下は、本文中で提示される医学的指導の根拠となった主要な情報源です。

  • 日本小児神経学会: 本記事における熱性けいれんの診断、治療、管理に関する推奨事項の大部分は、「熱性けいれん(熱性発作)診療ガイドライン2023」に基づいています3
  • 米国小児科学会 (American Academy of Pediatrics – AAP): 特に単純型熱性けいれんにおける検査の要否に関する指針は、AAPの公式ガイドラインを重要な参考情報としています4
  • 世界保健機関 (World Health Organization – WHO): 熱性けいれんの定義や保護者への心理的影響に関する記述は、WHOの見解に基づいています2

この記事でわかること(要点まとめ)

  • 熱性けいれんの見た目は恐ろしいが、ほとんどは後遺症なく回復する予後良好なものであること。
  • けいれんが起きたら「あわてず、横向きに、時間を計る」のが基本の対処法であること。
  • けいれんが5分以上続けば救急車を呼ぶべき明確な「5分ルール」があること。
  • 単純型熱性けいれんでは、脳波やCT/MRIなどの詳しい検査は通常不要である理由。
  • 解熱薬はけいれんを予防せず、ジアゼパム坐薬の使用には厳格な基準があること。
  • てんかんへの移行率は低く、特定のリスク因子がなければ一般の子どもとほぼ変わらないこと。

まず知ってほしいこと:熱性けいれんの基本

熱性けいれんに関する正確な基礎知識は、保護者の皆様の過度な不安を和らげ、冷静な判断を助けるための土台となります。

熱性けいれんとは?38℃以上の発熱に伴う発作

熱性けいれんの医学的な定義は、日本小児神経学会ガイドライン20235と米国立衛生研究所(NIH)6の定義を統合すると、「主として生後6ヶ月から5歳(60ヶ月)までの乳幼児期に起こる、通常は38℃以上の発熱に伴う発作性疾患で、髄膜炎などの中枢神経系の感染症や、代謝異常、その他の明らかな発作の原因が見当たらないもの」と解説されます。重要なのは、発作が必ずしも全身の「けいれん(convulsion)」だけではない点です。「体が硬直する」「意識がなくなる」「一点をじっと見つめる」「体がぐにゃっと脱力する」といった、非けいれん性の発作も含まれることを知っておく必要があります5。日本での発生率は7~11%と報告されており7、欧米(2~5%)8に比べて高いことが知られています。これは決して稀な出来事ではなく、多くの家庭が直面する可能性のある身近な問題です。

なぜ起こるの?原因とリスク因子

「なぜうちの子が?」という疑問に対し、現在の医学では、熱性けいれんの原因は一つではなく、複数の要因が関わっていると考えられています。正確な病態生理はまだ完全には解明されていませんが、主に以下の2つの要因が組み合わさることで起こると考えられています8

  1. 発熱を引き起こす感染症に応答して体内で作られるサイトカインなどの化学物質による脳への刺激。
  2. 乳幼児のまだ発達途上にある脳が、刺激に対して敏感であること(脆弱性)。

発作の誘因となるのは、インフルエンザ、突発性発疹の原因となるヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)、アデノウイルスなど、ごくありふれたウイルス感染症が最も一般的です9。特別な病気が原因ではないことがほとんどです。また、最も重要なリスク因子として遺伝的素因が挙げられ、両親やきょうだいに熱性けいれんの既往がある場合にリスクが高まることがわかっています5

「単純型」と「複雑型」の違いが重要です

熱性けいれんは、その後の対応や予後を考える上で、大きく「単純型」と「複雑型」に分類されます。この分類は、WHO2、米国小児科学会(AAP)10、そして日本のガイドライン5など、世界中の専門機関が用いる標準的なものです。保護者の皆様がお子さんの発作を客観的に振り返り、医師に正確に情報を伝えるための重要なツールとなります。

単純型と複雑型熱性けいれんの比較
特徴 単純型 (Simple Febrile Seizure) 複雑型 (Complex Febrile Seizure) 典拠
1. 持続時間 15分未満で自然に止まる 15分以上続く 2
2. 発作の様子 全身性(体の左右対称に起こる) 焦点性(体の片側だけ、顔だけなど左右非対称) 2
3. 回数 同じ発熱期間中(通常24時間以内)に1回のみ 同じ発熱期間中(通常24時間以内)に複数回繰り返す 2
割合 熱性けいれん全体の約70~80% 熱性けいれん全体の約20~30% 11
予後 極めて良好で、後遺症の心配はまずない 単純型よりは慎重な経過観察や検査が検討される 4

【最重要】わが子がけいれん!その時、親がすべき5つのこと

このセクションは、本記事で最も実用性が求められる部分です。パニック状態の親でも、順を追って行動できるよう、具体的なアクションを提示します。

1. あわてない、安全な場所に寝かせる

何よりもまず、保護者自身が冷静になることが重要です。けいれん発作の見た目は非常に衝撃的ですが、熱性けいれん自体で命を落とすことは極めてまれです12。まずはお子さんの安全を確保しましょう。テーブルの角や硬い家具などがない、床の上などの平らな場所にそっと寝かせてください。

2. 体を横向きにし、気道を確保する

けいれん中は嘔吐を伴うことがあります。吐いたものが喉に詰まって窒息するのが最も危険な合併症の一つです。これを防ぐため、必ず顔と体全体を横向きに寝かせてください13。さらに、呼吸が楽になるように、首元のボタンを外したり、衣服を緩めたりすることも有効です。この「回復体位」は、いざという時に迷わず行動できるよう、動画などで確認しておくと良いでしょう14

3. 時間を計る、様子を観察する

少し落ち着いたら、すぐにスマートフォンの時計などで発作が始まった時間を確認してください。この時間が、後述する救急車を呼ぶべきかの重要な判断基準「5分」を測るために不可欠です。もし余裕があれば、発作の様子(目の向きはどうか、手足の動きは左右対称か、など)を観察し、スマートフォンのビデオ機能で撮影しておくことを強く推奨します。この映像は、言葉で説明するよりもはるかに多くの情報を医師に提供でき、後の正確な診断に非常に役立ちます15

4. 救急車を呼ぶべきか判断する(5分ルール)

保護者が最も迷う「救急車を呼ぶべきか」という点について、明確でシンプルな基準「5分ルール」を提示します16

  • けいれんが5分以上続く場合 → ためらわずに救急車(119番)を呼んでください。なぜなら、5分以上続く発作は自然に止まりにくく、治療が必要な「けいれん重積状態」に移行する可能性が高まるからです9
  • 5分未満で止まっても、意識の戻りが悪い(呼びかけに反応しない)、顔色が紫色や真っ青なままである、呼吸が苦しそう、短いけいれんを何度も繰り返す、といった場合も、すぐに救急車を呼ぶべきです9
  • 5分未満で止まり、その後意識がはっきりしてきて、呼吸も落ち着いている場合は、急いで救急車を呼ぶ必要はありません。しかし、初めての発作であれば、必ず診療時間内に医療機関を受診するようにしてください12

5. やってはいけないこと

善意からくる行動が、かえってお子さんを危険にさらすことがあります。以下の禁止事項とその理由を必ず覚えておいてください。

発作時にやってはいけないこと
やってはいけないこと なぜダメなのか?(その理由) 典拠
体を強く押さえつける、揺さぶる けいれんは外部からの力では止められません。かえって骨折や脱臼などの怪我をさせてしまう危険があります。 9
口に指や箸、タオルなどを入れる 「舌を噛むから」というのは俗説です。実際に舌を噛み切ることはほとんどありません。物を入れることで口の中を傷つけたり、窒息させてしまう危険のほうがはるかに高いです。 9
大声で呼びかける、体を叩く 発作中の子どもに意識はないため、外部からの刺激に反応はできません。無意味です。  
水や薬を飲ませようとする 意識がない状態で水分や薬を飲ませようとすると、気管に入ってしまい、誤嚥性肺炎を引き起こす危険があります。  

病院では何をするの?検査と診断の流れ

病院に到着した後の流れを解説し、特に「なぜ検査をしないのか」という保護者の最大の疑問に、専門家の視点からお答えします。

医師はここを見ている:診察のポイント

医師が診断を下す上で、最も重要なのは保護者からの情報です。特に、①発作が何分続いたか、②発作中の手足や目の様子はどうだったか(左右対称だったか)、③発作後の意識の状態はどうだったか、といった情報が極めて重要になります10。医師はこれらの情報と、診察所見(発熱の原因は何か、髄膜炎を疑う兆候はないかなど)を総合して、診断と方針を決定します2

なぜ?単純型なら基本的に検査は不要

わが子がこれほど大変な状態になったのですから、「徹底的に検査してほしい」と願うのは当然の親心です。しかし、専門家が検査を推奨しないのには、明確な理由があります。米国小児科学会(AAP)4や日本小児神経学会17のガイドラインは、典型的な「単純型熱性けいれん」に対して、以下のルーチン検査を推奨していません。

  • 血液検査: 発熱の原因(例:脱水がないかなど)を探る目的以外では、けいれんの原因究明のために行う必要は通常ありません11
  • 脳波(EEG)検査: 脳波検査は、単純型熱性けいれんの後の再発や、将来のてんかん発症を正確に予測する力は限定的です。異常な波が見つかっても、結果的に不要な不安を煽ったり、不必要な治療につながったりする可能性があるため、一律には推奨されません3
  • 頭部CT/MRI検査: これらの画像検査は、放射線被曝(CT)や、小さな子どもでは鎮静薬の使用(MRI)といった負担を伴います。単純型熱性けいれんでは、脳に異常が見つかる可能性は極めて低いため、得られる利益よりも不利益のほうが大きいと考えられています4

結論として、「専門家たちが長年の研究の末にたどり着いた結論は、『単純型熱性けいれんのお子さんを守る最善の方法は、不要な検査を避けること』です。これは何もしないのではなく、お子さんへの負担を最小限にするための、専門的な判断なのです」と理解することが重要です。

髄膜炎を疑う場合など、検査が必要なケース

「検査は不要」という説明は、あくまで「典型的な単純型で、診察上も問題ない場合」に限られます。以下のような、髄膜炎や脳炎といった中枢神経系の感染症を疑う場合には、例外的に検査が必要となります。

  • 医師の診察で、首が硬くて曲がらない、何度も嘔吐する、意識の回復が極端に悪いなどの髄膜炎を疑う兆候がある場合11
  • ヒブ(Hib)ワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種が未完了の乳児(特に生後6~12ヶ月)では、髄膜炎の症状がはっきりしないことがあるため、より慎重に髄液検査(腰椎穿刺)の必要性が検討されます18

また、日本のガイドラインでは、けいれんが15分以上続いた場合(遷延性発作)、意識の回復が悪い場合、発熱の原因となっている感染症自体の治療のために入院が必要な場合などを、入院を考慮する目安として挙げています19

今後のために知っておくべきこと:治療と再発予防

退院後や、次の発熱時に備えるための具体的な知識を解説します。

けいれん予防の坐薬(ジアゼパム)はどんな時に使う?

日本の保護者にとって非常に関心の高いジアゼパム坐薬(商品名:ダイアップ®など)ですが、「熱性けいれんを起こしたからといって、すべてのお子さんが使う薬ではない」ことをまず理解する必要があります。安易な使用は避けるべきであり、2023年の日本ガイドラインではその適応が厳格に定められています20。以下の基準を知ることで、保護者は医師と相談するための正しい知識を持つことができます。

ジアゼパム坐薬の使用を検討するケース(日本小児神経学会ガイドライン2023準拠)
基準 典拠
基準1 遷延性発作(持続時間が15分以上)の既往が1回でもある場合 21
基準2 以下の項目(i)~(vi)のうち、2つ以上を満たす熱性けいれんを2回以上繰り返した場合 21
  • (i) 焦点性発作(部分発作)または24時間以内の反復22
  • (ii) 発作前から存在する神経学的異常、発達の遅れ22
  • (iii) 両親・きょうだいに熱性けいれんまたはてんかんの家族歴がある22
  • (iv) 生後12ヶ月未満での発症22
  • (v) 発熱後1時間未満での発作22
  • (vi) 38℃未満の微熱での発作22
注意点: 上記はあくまで医学的な目安です。実際の使用については、ご家族の不安の度合いや、夜間・休日にすぐに医療機関にかかれるかといった社会的状況なども考慮して、最終的に主治医とよく相談して決定することが最も大切です17

解熱薬はけいれんを予防しない

保護者の間で根強く信じられている「熱を早く下げれば、けいれんは防げる」という考えは、科学的には誤りです。日本小児神経学会ガイドライン202323および複数の国際的な研究10は、「解熱薬(アセトアミノフェンやイブプロフェン)をあらかじめ使用しても、熱性けいれんの再発を予防する効果はない」と結論付けています。解熱薬の役割は、あくまで「発熱によるつらさや不快感を和らげ、お子さんを楽にしてあげるため」のものです。けいれん予防が目的ではないことを理解しましょう23。なお、ジアゼパム坐薬と解熱坐薬を併用する際は、ジアゼパムの吸収を妨げないよう、ジアゼパム坐薬を先に使い、少なくとも30分以上あけてから解熱坐薬を使用してください24

抗てんかん薬を毎日飲む治療は?

抗てんかん薬を毎日内服する長期的な予防法は、有効性に対して眠気や肝機能障害などの副作用のリスクが無視できず、利益と不利益を天秤にかけると、ほとんどの熱性けいれんのお子さんにとっては不利益のほうが大きいと考えられています。そのため、現在では「原則として推奨されない」と説明されています10。ジアゼパム坐薬による予防を行ってもなお、長時間の発作を繰り返すなど、ごく限られた重症例において、小児神経の専門医が慎重に検討する治療法です17

将来への不安に答えます:予後と長期的な影響

保護者の最大の不安である「将来への影響」に焦点を当て、正確なデータを用いて安心を提供します。

最も大切なこと:熱性けいれんの予後は良好です

このセクションで最も重要なメッセージは、「単純型熱性けいれんを経験したお子さんの将来は、基本的には、熱性けいれんを経験したことがないお子さんと何ら変わりません」ということです。単純型熱性けいれんが脳にダメージを残したり、その後の知能や学習能力、行動に悪影響を及ぼしたりすることはない、という事実を、米国小児科学会(AAP)4やメイヨー・クリニック25などの複数の権威ある情報源が明言しています。

再びけいれんを起こす可能性は?(再発率)

「また起きるのではないか」という不安に対し、具体的な数字で答えます。熱性けいれんを一度起こしたお子さんが、次の発熱時に再び起こす再発率は、全体で見ると約30%です26。つまり、約70%のお子さんは一度きりで、二度と起こしません。再発率は初発年齢によっても異なり、1歳未満で初めて起こした場合は約50%、1歳以上で初めて起こした場合は約30%とされています27。さらに、再発リスクを高める因子として、日本のガイドラインでも示されている以下の4つの因子が挙げられます10

  • 両親やきょうだいに熱性けいれんの既往がある(家族歴)
  • 初めての発作が1歳未満だった
  • 発熱に気づいてから1時間以内に発作が起きた
  • 発作時の体温が比較的低い(39℃以下だった)

これらのリスク因子が一つもないお子さんの場合、再発率は約15%まで下がることにも触れておきます26

てんかんに移行する確率は?

保護者の最大の懸念である「てんかん」について、これも正確なデータを用いて、過度な不安を取り除きます。まず、「熱性けいれんは、てんかんではありません」と明確に区別することが大切です28。その上で、熱性けいれんの既往があるお子さんが将来てんかんを発症する率は、全体で2~7.5%程度と報告されています26。これは一般の子供たちのてんかん発症率(0.5~1%)29よりは高いものの、逆に言えば、熱性けいれんを経験したお子さんの90%以上は、てんかんにはならないという事実を強調すべきです。そして、てんかんへの移行リスクが相対的に高まるのは、特定の因子がある場合に限られることを、以下の表で解説します。

熱性けいれん後のてんかん発症リスクを高める関連因子
関連因子 備考 典拠
1. 複雑型熱性けいれんであった (焦点性、15分以上の遷延性、24時間以内の反復) 17
2. 発作前から、神経学的な異常や明らかな発達の遅れがある   17
3. 両親やきょうだいに「てんかん」の家族歴がある (熱性けいれんの家族歴とは区別して考える) 17
(参考)発熱から1時間以内の発作 日本のガイドラインで関連因子として挙げられている 17
結論: 上記のリスク因子が一つもなければ、将来てんかんを発症する確率は、一般の子供たちとほとんど変わらない約1%です。

この結論は、保護者に具体的な安心感を与える、この記事のクライマックスとも言える重要なメッセージです26

よくある質問(Q&A)

Q1. 予防接種は受けても大丈夫ですか?
A: はい、全ての予防接種を、定められたスケジュール通りに受けることを強く推奨します。予防接種後の発熱によって熱性けいれんが誘発されるごくわずかなリスクよりも、ワクチンで防げる病気(麻疹、ヒブによる細菌性髄膜炎など)にかかり、重症な合併症を起こすリスクのほうがはるかに高いからです10。このことは、日本小児神経学会のガイドラインでも明確に述べられています30。なお、接種前にけいれんを心配して解熱薬を飲ませておく「予防投与」は、ワクチンの効果(抗体産生)を弱めてしまう可能性が指摘されており、推奨されません10
Q2. 夜間や休日に困ったらどこに相談すればいいですか?
A: 判断に迷ったときは、「#8000」(小児救急電話相談事業)に電話してください。お住まいの都道府県の相談窓口に自動的につながり、経験豊富な看護師や医師が、症状に応じたアドバイス(すぐに救急受診すべきか、家で様子を見てもよいかなど)をしてくれます。全国どこからでも利用できる、保護者のための重要なライフラインです。ためらわずに利用しましょう31
Q3. けいれん後、保育園や幼稚園はいつから行けますか?
A: 厚生労働省が発行している「保育所における感染症対策ガイドライン」では、熱性けいれんを起こした場合、解熱した後も24時間程度は家庭で安静にし、様子を見ることが推奨されています32。ただし、これはあくまで一般的な目安です。発熱の原因となった病気の種類や、お子さん本人の全身状態(食欲や元気さなど)によっても異なりますので、最終的にはかかりつけの主治医や園とよく相談して登園を再開してください。
Q4. 熱性けいれんは遺伝しますか?
A: はい、熱性けいれんは、発症に強い遺伝的素因が関わっていることが知られています。研究によれば、両親やきょうだいに熱性けいれんの既往がある場合、そうでないお子さんに比べて発症するリスクが高まります33。しかし、これは決定的なものではなく、家族歴があっても必ず発症するわけではありませんし、逆に家族歴がなくても発症するお子さんもたくさんいます。

結論

熱性けいれんは、その劇的な症状から保護者に大きな恐怖と不安を与えますが、本記事で解説した通り、そのほとんどは「単純型」であり、後遺症を残すことなく良好に回復する疾患です。最も大切なのは、いざという時に保護者があわてず、①安全な場所に寝かせ、②体を横にし、③時間を計る、という基本的な対応を冷静に行うことです。そして、「5分」という時間を一つの目安に、必要であればためらわずに救急車を呼んでください。単純型であれば過度な検査は不要であること、そして再発やてんかんへの移行リスクは多くの人が思うよりずっと低いことを、科学的な根拠に基づいて理解することが、不要な不安から解放されるための鍵となります。この記事が、大切なお子さんを守るための、信頼できる確かな知識となることを心から願っています。

免責事項
本記事は、医学的情報の提供を目的としており、専門的な医学的アドバイスに代わるものではありません。健康に関する懸念や、治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

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