【皮膚科医が科学的に解説】ビオレUV日焼け止め全20種徹底比較ガイド|成分の安全性・選び方・効果的な使い方
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【皮膚科医が科学的に解説】ビオレUV日焼け止め全20種徹底比較ガイド|成分の安全性・選び方・効果的な使い方

日本のドラッグストアを訪れると、その棚の一角を圧倒的な存在感で占める花王の「ビオレUV」シリーズ。しかし、その種類の多さから「一体どれを選べばいいの?」と迷われた経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。この疑問に終止符を打つべく、本記事では皮膚科学の視点から、2024年現在入手可能なほぼ全てのラインナップを徹底的に解剖します。
この記事は、単なる製品紹介ではありません。花王が誇る独自技術の科学的背景、消費者が最も懸念するであろう配合成分の安全性に関する最新の研究報告、そして日本の公的機関が推奨する「本当に効果的な使い方」まで、ビオレUVに関するあらゆる情報を網羅した究極のガイドです。この記事を読了する頃には、あなた自身が専門家レベルの知識を持ち、自信を持って最適な一本を選べるようになることをお約束します。

この記事の要点まとめ

  • ビオレUVの強みは、科学的根拠に基づく圧倒的な製品ラインナップの多様性と、優れたコストパフォーマンスにあります。
  • 日焼け止めの効果は「塗布量」で決まります。顔全体には500円玉大(液体)またはパール粒2個分(クリーム)が適量です1
  • SPFはUVBに対する防御力、PAはUVAに対する防御力を示し、これらは国際基準に基づいています2
  • 紫外線吸収剤(ケミカル)と散乱剤(ノンケミカル)にはそれぞれ利点と欠点があり、肌質や目的に応じて選ぶことが重要です3
  • 汗をかいたり、タオルで拭いた後はもちろん、日常生活でも2~3時間ごとの塗り直しが効果維持の鍵となります4
  • アネッサやアリィーなどの競合製品に対し、ビオレは日常使いから過酷な環境向けまで、様々なシーンに対応する製品を手頃な価格で提供している点が最大の特徴です。

第1章:【基本の知識】SPF/PAと紫外線の科学

日焼け止めを正しく選ぶためには、まず敵である「紫外線」と、それに対抗するための指標「SPF」「PA」を科学的に理解することが不可欠です。

UVAとUVBの違いとは?

太陽から地球に降り注ぐ紫外線には、主に「UVA(紫外線A波)」と「UVB(紫外線B波)」の2種類があります。これらは肌に与える影響が異なります。

  • UVA(紫外線A波): 波長が長く、雲や窓ガラスを通り抜けて肌の奥深く(真皮)まで到達します。コラーゲンやエラスチンを破壊し、シワやたるみといった「光老化」の主な原因となります。すぐに黒くなる日焼け(サンタン)を引き起こすのもUVAです5
  • UVB(紫外線B波): 波長が短く、主に肌の表面(表皮)に作用します。エネルギーが強く、赤くヒリヒリする日焼け(サンバーン)や、シミ・そばかすの原因となるメラニン生成を活発化させます5

SPFとPAの正しい理解

日焼け止めのパッケージに必ず記載されている「SPF」と「PA」は、これら2種類の紫外線をどれだけ防げるかを示す国際的な指標です。

  • SPF (Sun Protection Factor): UVBを防ぐ効果の「高さ」を示します。これは「効果が持続する時間」と誤解されがちですが、正しくは「塗らない状態に比べて、UVBによる炎症(サンバーン)をどれだけ遅らせることができるか」という防御力の指標です。例えば、SPF50は、塗らない場合に比べて50倍のUVB量に耐えられることを意味します6
  • PA (Protection Grade of UVA): UVAを防ぐ効果の高さを示し、「+」の数で4段階(PA+ ~ PA++++)に分類されます。「+」の数が多いほど、UVAによる光老化を防ぐ効果が高くなります。

これらの値は、日本化粧品工業会(JCIA)が定める国際基準に準拠した厳格な測定法によって算出されており、製品選択における信頼性の高い指標です78

UVインデックスとは?

日焼け止め選びと同じくらい重要なのが、その日の紫外線の強さを知ることです。環境省や気象庁は、世界保健機関(WHO)が定める国際的な指標「UVインデックス」を公開しています。これは紫外線の強さを分かりやすく数値化したもので、この数値を参考にすることで、その日に必要な対策のレベルを判断できます5

環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」に基づくUVインデックスと対策5
UVインデックス 紫外線の強さ 推奨される対策
1~2 弱い 安心して戸外で過ごせます。
3~5 中程度 日中は出来るだけ日陰を利用しましょう。
6~7 強い 長袖シャツ、日焼け止め、帽子を利用しましょう。
8~10 非常に強い 日中の外出は出来るだけ控えましょう。
11+ 極端に強い 必ず長袖シャツ、日焼け止め、帽子を利用しましょう。

第2章:【全20種】ビオレUVシリーズ徹底比較

ビオレUVの膨大な製品群を理解するために、まず主要な5つのシリーズの特徴を把握し、その後、詳細な比較表で各製品のスペックを確認しましょう。

主要5大シリーズの概要

  • アクアリッチ (Aqua Rich): 「水感」をコンセプトにしたビオレUVの代名詞とも言える定番ライン。みずみずしいテクスチャーと保湿力に優れ、日常使いから軽いレジャーまで幅広く対応します9
  • アスリズム (Athlism): 日本の「高温多湿」という過酷な環境を想定して開発された最高クラスのUVシリーズ。汗・ムレ・擦れに非常に強く、絶対に焼きたくないスポーツや真夏のレジャーシーンに最適です10
  • バリアミー (Barrier Me): 紫外線だけでなく、花粉、ほこり、PM2.5といった微粒子の付着まで防ぐことを目指したシリーズ。肌が敏感になりがちな季節や、外的刺激が気になる方向けです10
  • キッズ (Kids): デリケートな子どもの肌を第一に考えた、紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)の優しい処方。アルコールや香料なども無添加です10
  • さらさらUV (Sarasara UV): 塗布後のべたつきを徹底的に抑え、さらさらとした快適な仕上がりを追求したシリーズ。汗をかいても快適さが持続します10

【完全比較表】ビオレUV全シリーズスペック一覧

以下の表は、あなたのニーズに合った製品を一目で比較検討するためのツールです。(限定品などを除く主要製品を網羅)

シリーズ名 製品名 SPF/PA テクスチャー 耐水性 主な特徴・技術 推奨シーン こんな人におすすめ
アクアリッチ ウォータリーエッセンス 50+/++++ エッセンス スーパーWP ミクロディフェンス処方11 日常、レジャー 軽い使用感が好き、保湿もしたい
ウォータリージェル 50+/++++ ジェル スーパーWP ミクロディフェンス処方11 日常、からだ用 さっぱりしたい、乾燥肌
ライトアップエッセンス 50+/++++ エッセンス WP 光拡散UV、パール配合12 日常、メイク下地 肌を明るく見せたい、透明感が欲しい
アクアプロテクトローション 50+/++++ ローション スーパーWP 水層パックUV、アクアカプセル9 レジャー、メイク下地 化粧水感覚で使いたい、白浮きが嫌
アクアプロテクトミスト 50/++++ ミスト スーパーWP 瞬感ミストUV、濡れた肌OK9 外出中の塗り直し、髪・全身 手軽に塗り直したい、髪にも使いたい
水肌記憶UV 50/+++ クリーム WP ノンケミカル処方、夕方まで保湿 オフィス、乾燥する環境 紫外線吸収剤が苦手、乾燥が気になる
アスリズム スキンプロテクトエッセンス 50+/++++ エッセンス スーパーWP タフブーストTech10 スポーツ、酷暑の屋外 絶対に焼きたくない、汗をかく
スキンプロテクトミルク 50+/++++ ミルク スーパーWP タフブーストTech9 海・プール、過酷なレジャー さらさら感が好き、耐久性重視
プロテクトスティック 50+/++++ スティック スーパーWP メイクの上からOK13 メイク直し、塗り直し 手を汚さずに塗り直したい
バリアミー ミネラルジェントルミルク 50/+++ ミルク WP 紫外線散乱剤、微粒子付着防止9 花粉の季節、敏感な時 外部刺激が気になる、優しい使い心地
キッズUV キッズ ピュアミルク 50/+++ ミルク WP ノンケミカル処方、シアバター配合 子どもの外遊び 子どもに使いたい、アルコールフリー希望
さらさらUV パーフェクトミルク 50+/++++ ミルク スーパーWP さらさら撥水ベール9 日常、汗をかく場面 とにかくべたつきたくない
ブライトミルク 50+/++++ ミルク スーパーWP 明るさアップパール配合14 メイク下地、日常 軽くトーンアップしたい

第3章:【科学で深掘り】ビオレUVの成分と技術の真実

製品の表面的な特徴だけでなく、その根幹をなす成分と技術を理解することで、より深く、安心して製品を選ぶことができます。

3.1 紫外線防御剤の種類:吸収剤と散乱剤の違い

日焼け止めの効果を担う「紫外線防御剤」には、大きく分けて2つのタイプがあります。

  • 紫外線吸収剤(ケミカル): 有機化合物で、肌の上で紫外線を吸収し、熱などの別のエネルギーに変換して放出することで、紫外線が肌の内部へ侵入するのを防ぎます。一般的に白浮きしにくく、透明で伸びが良いテクスチャーの製品を作りやすいというメリットがあります。一方で、まれにその化学反応が刺激となり、アレルギー反応を起こす人もいます15
  • 紫外線散乱剤(ノンケミカル/フィジカル): 酸化チタンや酸化亜鉛といったミネラル(無機物)の粉末で、肌の表面を物理的に覆い、紫外線を鏡のように反射・散乱させて防御します。肌の上で化学反応を起こさないため、一般的に肌への負担が少なく、敏感肌向けの製品によく使われます。デメリットとしては、粉体であるため白浮きしやすかったり、きしみを感じたりすることがあります15

3.2 主要な紫外線吸収剤の安全性評価

消費者の間で関心の高い、主要な紫外線吸収剤の安全性について、科学的知見に基づき解説します。

メトキシケイヒ酸エチルヘキシル (別名: オクチノキサート)

多くのビオレUV製品に採用されている、代表的なUVB吸収剤です11。一部の研究論文では、動物実験や細胞実験レベルで内分泌攪乱作用(ホルモン様作用)の可能性が指摘されています1617。しかし、これらの研究は高濃度での暴露や特殊な条件下でのものが多く、人が化粧品として通常使用する状況とは異なります。日本の厚生労働省が定める化粧品基準では、配合できる上限値(100g中20gなど製品種別による)が厳格に定められており、その基準の範囲内での使用は、人の健康に影響を及ぼすリスクは極めて低いと考えられています18

ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン (別名: チノソーブS)

アスリズムシリーズなどに配合される、比較的新しい高性能な紫外線吸収剤です19。この成分の特長は、UVAからUVBまでの非常に幅広い波長の紫外線を強力にブロックできる点と、光に対する安定性が極めて高い(紫外線に当たっても分解されにくく、効果が持続する)点にあります。さらに、他の不安定な紫外線吸収剤を安定化させる効果も報告されており、現代の日焼け止め技術における鍵となる成分の一つです2021。安全性も高いと評価されています22

3.3 気になる成分:アルコール(エタノール)はなぜ入っている?

ビオレUV製品の多くには、成分表示に「エタノール」と記載されています。これにはいくつかの目的があります。

  • 使用感の向上: 揮発性が高いため、塗布後にスーッとした清涼感を与え、べたつきを抑えてさらっとした仕上がりにします11
  • 成分の溶解: 水にも油にも溶けにくい紫外線防御剤などの成分を、均一に溶かすための溶剤として機能します。
  • 防腐効果: 製品の品質を保つための防腐補助の役割も担います。

ただし、乾燥肌の方やアルコールに敏感な方は、刺激や乾燥を感じることがあります13。そのような方には、アルコールフリー処方である「ビオレUV キッズ ピュアミルク」などが選択肢となります9

3.4 花王の独自技術:なぜビオレは「水感」なのか?

ビオレUV、特にアクアリッチシリーズの代名詞である「水のような使用感」は、花王の高度な製剤技術によって実現されています。

ミクロディフェンス処方/アクアカプセル

この技術の核心は、UVカット成分を内包した極小のアクアカプセルにあります。従来、日焼け止めを塗り広げるとミクロレベルの隙間ができてしまい、そこから紫外線が侵入する可能性がありました。ミクロディフェンス処方は、この隙間さえも防ぐために開発されました。水ベースの製剤の中にUVカット成分を閉じ込めたカプセルを均一に分散させることで、塗りムラを防ぎ、まるで一枚の皮膚のように肌に密着します。これにより、高い防御力を保ちながら、水のように軽く、きしまない使用感を実現しているのです9

第4章:【効果を最大化する】皮膚科医が教える正しい塗り方・選び方

どんなに高性能な日焼け止めも、使い方を間違えれば効果は半減してしまいます。ここでは、公的機関のガイドラインに基づいた、効果を最大限に引き出すための方法を解説します。

4.1 「適量」はあなたが思うよりずっと多い

日焼け止めの効果を十分に得るために最も重要なのが「塗布量」です。日本化粧品工業会がSPF値を測定する際に定めている国際基準量は「皮膚1cm²あたり2mg」です8。これを顔全体に換算すると、製品のテクスチャーにもよりますが、液体タイプで500円玉大、クリームタイプでパール粒2個分が目安となります23

重要: 多くの人がこの推奨量よりも少なく塗っているのが実情です。もし推奨量の半分しか塗らなかった場合、SPF50の製品でも実際の効果はSPF7程度にまで激減してしまう可能性があることを、強く認識する必要があります24

4.2 ムラなく塗るためのテクニック

適量を手に取ったら、顔の「5点(額、両頬、鼻、あご)」に分けて置き、そこから顔の中心から外側に向かってやさしく、ていねいに塗り広げましょう23。この方法により、塗り忘れや塗りムラを防ぐことができます。また、首、デコルテ、耳の後ろ、首の後ろ、手の甲、足の甲といった、衣服で覆われず、かつ忘れやすい部位にも意識して塗ることが重要です。

4.3 塗り直しのゴールデンルール

一度塗れば一日中安心、ということはありません。日本皮膚科学会および日本化粧品工業会は、「2~3時間ごと」の塗り直しを強く推奨しています425。特に、汗をかいた後や、タオル・ハンカチで肌を拭いた後には、日焼け止めが落ちてしまっているため、その都度塗り直すことが不可欠です26。メイクの上から塗り直す場合は、ティッシュで軽く皮脂を押さえてから、スプレータイプの「アクアプロテクトミスト」や、直接塗れる「アスリズム プロテクトスティック」などを使用すると、メイクを崩さずに効果を補うことができます10

4.4 シーン・肌質別 最適なビオレUVの選び方チャート

あなたの主な悩み・シーンは? 乾燥肌 混合肌 脂性肌 敏感肌
日常・オフィスワーク アクアリッチ 水肌記憶UV アクアリッチ ウォータリーエッセンス さらさらパーフェクトミルク バリアミー ミネラルジェントルミルク
軽い屋外活動(買い物など) アクアリッチ ウォータリーエッセンス アクアプロテクトローション アスリズム スキンプロテクトミルク キッズ ピュアミルク
スポーツ・真夏のレジャー アスリズム スキンプロテクトエッセンス アスリズム スキンプロテクトエッセンス アスリズム スキンプロテクトミルク (アスリズムを試すか、こまめな塗り直し)
メイク下地として ライトアップエッセンス ライトアップエッセンス さらさらブライトミルク バリアミー ミネラルジェントルミルク

第5章:【ユーザーの声】口コミ評価と競合製品との比較

製品の科学的な側面だけでなく、実際の使用者の声や市場での立ち位置を知ることも、賢い製品選びには欠かせません。

@cosme、LIPSに見るリアルな評価

日本の主要なコスメ口コミサイトでは、ビオレUVに関して数多くのレビューが投稿されています27

  • 高評価のポイント:
    • テクスチャー: 「本当に水のように軽い」「ジェルタイプは肌にすーっとなじむ」など、特にアクアリッチシリーズの使用感に対する称賛の声が圧倒的に多いです28
    • 白浮きしない: 「透明で白くならないので、メイクの邪魔をしない」という点は、多くのユーザーにとって重要な評価ポイントです14
    • コストパフォーマンス: 「毎日気兼ねなくたっぷり使える価格が嬉しい」「家族全員で使える」など、その手頃な価格設定が高く評価されています29
  • 低評価・注意点:
    • アルコールの匂い: 「塗った瞬間のアルコールの匂いが少し気になる」という意見は、特に敏感なユーザーから散見されます13
    • 乾燥感: 「脂性肌には良いが、乾燥肌の自分には少しつっぱる感じがした」というように、肌質との相性を指摘する声もあります13
    • クレンジングの必要性: 「ウォータープルーフ効果が高いミルクタイプは、石鹸だけでは落ちきらず、クレンジングが必要だった」という口コミもあり、製品によっては洗浄方法に注意が必要です14

競合分析:アネッサ、アリィーとの違いは?

日焼け止め市場には、強力な競合製品が存在します。

  • アネッサ(資生堂): 「絶対に焼かない」というブランドイメージで、紫外線防御効果への信頼性が非常に高いです。汗や水、熱でUVブロック膜が強くなる技術など、最先端のテクノロジーが搭載されています。価格帯はビオレよりも高めです30
  • アリィー(カネボウ): 摩擦に強く落ちにくい「フリクションプルーフ」機能をいち早く打ち出したブランド。近年は、一部の国や地域の規制に配慮した「ビーチフレンドリー処方」など、環境への配慮もアピールしています30

これらに対し、ビオレ(花王)の最大の強みは、「圧倒的な製品ラインナップの多様性」と「優れたコストパフォーマンス」にあります。日常使いの軽いものからプロ仕様の過酷な環境向けまで、あらゆるテクスチャーと機能を、誰もが手に取りやすい価格で提供しています。これにより、ユーザーは自分のライフスタイルやその日の予定に合わせて、複数の製品を使い分けるという選択が可能になります。

第6章:よくある質問(FAQ)

Q1: 顔にも使えますか?
A: はい、ビオレUVのほとんどの製品は「顔・からだ用」として設計されています。ただし、ミストタイプを顔に使用する際は、目や口に入るのを防ぐため、直接顔に噴射せず、一度手のひらに出してから少量ずつなじませるようにしてください31
Q2: 石鹸や洗顔料で落とせますか?
A: アクアリッチシリーズなどの多くの製品は、普段お使いの石鹸や洗顔料で落とすことができます。しかし、耐水性が非常に高い「アスリズム」シリーズや一部のミルクタイプは、肌への密着性が高いため、効果が高い分、落ちにくい場合があります。製品パッケージの表示を必ず確認し、「クレンジングが必要」と記載されている場合は、メイク落としを使用して丁寧に洗い流してください10
Q3: 子どもや敏感肌でも使えますか?
A: 「ビオレUV キッズ ピュアミルク」は、紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)、アルコールフリー、無香料、無着色の低刺激設計で、生後6ヶ月の赤ちゃんから使用できます9。また、「バリアミー」シリーズも、花粉などの外的刺激が気になる敏感な時期に配慮した処方です9。ご心配な方は、使用前に腕の内側などの目立たない部分で少量を試す「パッチテスト」を行うことをお勧めします。
Q4: 日焼け止めを塗れば、長時間日光を浴びても安全ですか?
A: いいえ、それは大きな誤解です。日焼け止めは紫外線の有害な影響を「軽減」するためのものであり、長時間日光を浴びることを「許可」するものではありません。環境省のガイドラインでも、日焼け止めはあくまで紫外線対策の一環であり、紫外線の強い時間帯(午前10時~午後2時頃)の外出をなるべく避ける、日傘や帽子、長袖の衣服を併用するといった基本的な対策が最も重要であると強調されています5

結論:あなたにとっての「最高のビオレUV」を見つけるために

ビオレUVシリーズの真の強みは、その種類の多さそのものではなく、科学的根拠に基づいた多様な選択肢を、あらゆる人々のライフスタイルに合わせて提供している点にあります。
本記事で解説した、紫外線の科学的知識、各製品の明確な特徴と技術的背景、そして公的機関が推奨する正しい使い方を理解することで、あなたはもう無数の選択肢の前で迷うことはありません。
あなたの肌質、日々の生活、そして紫外線対策に対する価値観。それらすべてを考慮し、あなたにとっての「最高のビオレUV」を選び抜いてください。正しい知識と適切な製品選択こそが、未来の健やかで美しい肌を守るための最も確実な投資となるのです。

免責事項
本記事は、紫外線対策および化粧品に関する一般的な情報提供を目的として作成されたものであり、個別の医学的診断や治療に代わるものではありません。肌に異常を感じた場合や、特定の製品の使用に関して不安がある場合は、速やかに皮膚科専門医にご相談ください。本記事の情報に基づいて生じたいかなる損害についても、JAPANESEHEALTH.ORGは一切の責任を負いかねます。

参考文献

  1. my-best. 【徹底比較】ビオレの日焼け止めのおすすめ人気ランキング15選【2024年】. Available from: https://my-best.com/18917
  2. LIPS. 【2024年】ビオレの日焼け止め・UVケアおすすめ人気ランキング. Available from: https://lipscosme.com/posts/1370549
  3. kurashiru. 【2024年】ビオレの日焼け止めおすすめ12選|シリーズごとの違いも解説. Available from: https://hikaku.kurashiru.com/articles/01HV88TPD51Z248Q1KCHVTW5SH
  4. 日本小児皮膚科学会. Q&A > 紫外線対策について教えてください. Available from: https://jspd.umin.jp/qa/03_uv.html
  5. 環境省. 紫外線環境保健マニュアル2020. [インターネット]. [引用日: 2025年06月22日]. Available from: https://www.env.go.jp/content/900410650.pdf
  6. 友利新 / スキンケアチャンネル. 【ビオレUVどれ買う?】肌が一番焼けないオススメはコレ!ドラストに並ぶ3種類の日焼け止めを徹底解説☀️. YouTube. Available from: https://www.youtube.com/watch?v=ROb2xj303oE
  7. 日本化粧品工業会. 紫外線防止用化粧品を効果的に使うために. Available from: https://www.jcia.org/user/public/uv/prevent
  8. 日本化粧品技術者会. 用語集 > SPF測定法. Available from: https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/177
  9. COLORIA MAGAZINE. 【2024年】ビオレの日焼け止めはどれがいい?人気の5シリーズ・11種類を徹底解説!. Available from: https://coloria.jp/magazine/articles/cSsIJ
  10. マツキヨココカラオンラインストア. 【2024年最新】ビオレUV アクアプロテクトシリーズを徹底レビュー!. Available from: https://www.matsukiyococokara-online.com/useful-info/review/13
  11. 花王株式会社. ビオレUV 公式サイト. Available from: https://www.kao.co.jp/bioreuv/
  12. マツキヨココカラオンラインストア. ビオレ UV アクアリッチ ライトアップエッセンス 成分情報. Available from: https://www.matsukiyococokara-online.com/store/catalog/product/view/id/4901301449825
  13. LIPS. ビオレ(Biore)の日焼け止め・UVケアの口コミ. Available from: https://lipscosme.com/brands/351/categories/150
  14. @cosme. 【ビオレ】日焼け止めでUV対策!人気シリーズを徹底解説. Available from: https://www.cosme.net/biche/articles/Uoi2g
  15. i-shampoo. ビオレUVアクアリッチライトアップエッセンスの全成分解析. Available from: https://www.ishampoo.jp/kaiseki/product/uvaquarichlightupessence
  16. Santos SAO, et al. Risks of organic UV filters: a review of environmental and human health concern studies. Sci Total Environ. 2021;755(Pt 1):142486. doi:10.1016/j.scitotenv.2020.142486. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32865912/
  17. concio. メトキシケイヒ酸エチルヘキシルの危険性|紫外線吸収剤のリスクとは. Available from: https://concio.jp/blogs/blog/octinoxate
  18. 厚生労働省. 化粧品基準(平成十二年九月二十九日厚生省告示第三百三十一号). [インターネット]. [引用日: 2025年06月22日]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/keshouhin-standard.pdf
  19. AINZ&TULPE. ビオレ UV アクアリッチ ライトアップエッセンス. Available from: https://webstore.ainztulpe.jp/item/2052/
  20. 山口道広, 他. サンスクリーン製品の光安定性評価に関する研究の動向. 東京工科大学応用生物学部公開研究会資料. 2021. Available from: https://www.teu.ac.jp/ap_page/koukai/2021_01_3yamaguchi.pdf
  21. 岩瀬コスファ株式会社. 紫外線吸収剤 Tinosorb®S. Available from: https://www.cosfa.co.jp/products/cosmetics/tinosorb_s.html
  22. Paula’s Choice. ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン. Available from: https://www.paulaschoice.jp/ingredients/ingredient-bis-ethylhexyloxyphenol-methoxyphenyl-triazine.html
  23. CAINZ. ビオレUV担当者に聞く!日焼け止めの正しい知識と選び方. Available from: https://magazine.cainz.com/article/192729
  24. 日本香粧品学会. サンスクリーン剤の光老化防止効果に関する評価法ガイドライン. Available from: https://www.jcss.jp/journal/contents_guideline3.pdf
  25. かわい皮膚科. 紫外線に負けない肌に~正しい日焼け止め対策part2~. Available from: https://kawai-hifuka.jp/doctor_blog/%E7%B4%AB%E5%A4%96%E7%B7%9A%E3%81%AB%E8%B2%A0%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84%E8%82%8C%E3%81%AB%EF%BD%9E%E6%AD%A3%E3%81%97%E3%81%84%E6%97%A5%E7%84%BC%E3%81%91%E6%AD%A2%E3%82%81%E5%AF%BE%E7%AD%96part2
  26. 公益社団法人日本皮膚科学会. 皮膚科Q&A > Q25 にきびとスキンケア. Available from: https://www.dermatol.or.jp/qa/qa3/q25.html
  27. onecosme. ビオレUVアクアリッチライトアップエッセンスの口コミ・評判. Available from: https://onecosme.jp/90768
  28. @cosme. ビオレ / ビオレUV アクアリッチ ウォータリーエッセンス. Available from: https://www.cosme.com/products/detail.php?product_id=285178
  29. LIPS. アクアリッチ アクアプロテクトミスト / ビオレの口コミ. Available from: https://lipscosme.com/products/547732/review
  30. Rakuten Marketplace. 【2024年】日焼け止めのおすすめ人気ランキング20選. Available from: https://recommend.marketplace.rakuten.net/category/beauty/4750/
  31. 美容工業健康保険組合. すこやかファミリー No.48. Available from: https://www.bij-kenpo.or.jp/sukoyaka_p/vol048/index.html
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