【皮膚科医監修】細菌による皮膚感染症10選:症状・写真・治療法を徹底解説
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【皮膚科医監修】細菌による皮膚感染症10選:症状・写真・治療法を徹底解説

私たちの誰もが、一度はニキビや原因不明の赤い腫れといった皮膚トラブルを経験したことがあるでしょう。しかし、それらのうちどれが一般的な吹き出物で、どれが適切な治療を必要とする細菌性の皮膚感染症なのか、見分けるのは容易ではありません1。細菌による皮膚感染症とは、皮膚のバリア機能が傷ついた箇所から細菌が侵入し、増殖することで引き起こされる病気です2。その重症度は、自然に治る軽微なものから、命に関わる危険な状態まで多岐にわたります。この記事では、日本でよく見られる10種類の細菌性皮膚感染症について、その原因、症状、そして最新の治療法までを、皮膚科専門医の監修のもとで徹底的に解説します。医師による正確な診断が効果的な治療への第一歩であり、この記事が皆様にとって、ご自身の状態を理解し、医療専門家とより円滑にコミュニケーションをとるための一助となることを目指しています3

この記事の要点まとめ

  • 細菌性皮膚感染症は、傷ついた皮膚から細菌が侵入することで発症し、症状は軽度のものから重篤なものまで様々です。
  • 「とびひ」や「蜂窩織炎」のように一般的なものから、緊急治療が必要な「壊死性軟部組織感染症」まで、10種類の疾患を詳しく解説します。
  • 各感染症の見た目の特徴、主な原因菌、治療法を比較した一覧表で、初期症状からの見分け方をサポートします。
  • 急速に広がる赤み、高熱、激しい痛みなど、「危険な兆候(レッドフラグサイン)」を認識し、直ちに医療機関を受診するタイミングを知ることが重要です。
  • 治療は主に抗菌薬が用いられますが、自己判断は禁物です。必ず専門医の診断を受け、適切な指示に従ってください。

10の細菌性皮膚感染症:症状と特徴の比較

多くの皮膚感染症は初期症状が似ているため、自己判断は困難です。以下の比較表は、ご自身の症状を大まかに把握し、専門医に相談する際の参考としてご活用ください4。最終的な診断は必ず医師が行います。

表1:10の細菌性皮膚感染症:症状と特徴の比較
病名 主な原因菌 主な見た目の症状 好発部位 痛み・かゆみ 感染力
伝染性膿痂疹 (とびひ) 黄色ブドウ球菌、レンサ球菌 水ぶくれ(水疱)ができ、破れてじゅくじゅくし、蜂蜜色の厚いかさぶた(痂皮)ができる5 鼻の周り、口、手足 強いかゆみ 非常に高い
蜂窩織炎 レンサ球菌、黄色ブドウ球菌 皮膚が赤く腫れ上がり、熱感を伴う。病変の境界は不明瞭6 下肢、腕、顔 圧痛、張り裂けるような痛み 低い
丹毒 レンサ球菌 鮮やかな赤い腫れで、熱感を伴う。病変の境界は明瞭で、やや盛り上がる7 顔、下肢 痛み、灼熱感 低い
毛包炎 (毛嚢炎) 黄色ブドウ球菌など 毛穴の中心に膿を持った小さな発疹ができ、その周りが赤くなる8 毛のある部位(顔、背中、臀部など) 軽いかゆみや痛み 低い
せつ・よう 黄色ブドウ球菌 赤く硬いしこりができ、強い痛みを伴う。後に中心部が化膿して膿が出る9 うなじ、臀部、脇の下 非常に強い痛み 中程度(膿から)
皮膚膿瘍 黄色ブドウ球菌、混合感染 熱感と痛みを伴う腫瘤(しゅりゅう)ができ、後に柔らかくなり膿がたまる10 どこにでもできる 非常に強い痛み 中程度(膿から)
MRSA皮膚感染症 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 せつや膿瘍に似るが、治療が難しく再発しやすい11 どこにでもできる 痛み 中程度(膿から)
紅色陰癬 Corynebacterium minutissimum 茶色がかった赤色の斑で、細かいしわと鱗屑(りんせつ)が見られる12 皮膚が擦れる部位(脇、股、足指の間) 通常、無症状 非常に低い
化膿性汗腺炎 (慢性炎症性疾患であり、一次感染症ではない) 痛みを伴うおでき、膿瘍、瘻孔(ろうこう)、瘢痕(はんこん)が繰り返しできる13 脇、股、乳房下、臀部 非常に強い痛み(慢性的) 感染しない
壊死性軟部組織感染症 混合感染(多くはレンサ球菌) 赤みと腫れが急速に広がり、見た目に不釣り合いな激痛を伴う。皮膚は紫色や黒色に変化する14 手足、会陰部 激痛 直接は感染しない

緊急受診が必要な危険な兆候(レッドフラグサイン)

以下の症状が一つでも見られる場合は、自己判断で様子を見ずに、直ちに最寄りの医療機関を受診するか、救急車を呼んでください。これらは重篤な感染症のサインである可能性があり、迅速な対応が命を救います15

  • 急速に広がる赤み: 数時間のうちに、赤くなっている範囲が明らかに拡大している14
  • 重い全身症状: 突然の高熱、悪寒、震え、強い倦怠感7
  • 見た目に不釣り合いな激しい痛み: 皮膚の状態から予測されるレベルをはるかに超える、耐え難い痛み。これは壊死性感染症の典型的な兆候です14
  • 皮膚の色の変化: 患部が紫色、灰色、黒色に変色したり、血液や黒っぽい液体を含んだ大きな水ぶくれ(水疱、血疱)ができたりする7
  • 感覚の麻痺: 感染した部分の皮膚がしびれて、触っても感覚がなくなる6
  • 皮膚の下のガス: 腫れている部分を押すと、プチプチという感触(捻髪音)がある。これはガス壊疽の兆候です。
  • 意識の変化: 混乱している、めまいがする、非常に眠そうにしている15
  • 免疫力が低下している方: がんの化学療法中、免疫抑制剤を使用中、あるいは血糖コントロールが不良な糖尿病患者さんなどに発症した場合16

各皮膚感染症の詳細解説

1. 伝染性膿痂疹 (Impetigo / とびひ)

1.1. 概要 (Tổng quan)

伝染性膿痂疹は、一般的に「とびひ」という俗称で知られ、皮膚の浅い部分(表皮)に起こる非常にありふれた感染症です17。この名前は、まるで「飛び火」のように、体のあちこちや他人へと簡単にうつっていく特徴に由来します5。主な原因菌は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)とA群β溶血性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)の2種類です。黄色ブドウ球菌は主に水疱性膿痂疹(水ぶくれができるタイプ)を、レンサ球菌は痂皮性膿痂疹(厚いかさぶたができるタイプ)を引き起こします5。特に、高温多湿な夏場に幼児や小児の間で流行しやすく、保育園や幼稚園などで集団発生することもあります5。アトピー性皮膚炎などで皮膚のバリア機能が低下しているお子様は、掻き傷から細菌が侵入しやすいため、より高いリスクにさらされます18

1.2. 症状と臨床像 (Triệu chứng và Biểu hiện lâm sàng)

とびひは、主に2つのタイプに分けられ、それぞれ特徴的な症状を示します。

  • 水疱性膿痂疹 (すいほうせいのうかしん – 体のブドウ球菌が原因): 小児で最もよく見られるタイプです19。最初はかゆみを伴う小さな赤い水ぶくれとして現れ、急速に大きくなります。水ぶくれは薄くて破れやすく、中には黄色っぽい液体が溜まっています20。破れると皮膚が赤くじゅくじゅくし、滲み出た液体が乾いて、病気を見分けるための重要な手がかりとなる「蜂蜜色の厚いかさぶた(痂皮)」を形成します21
  • 痂皮性膿痂疹 (かひせいのうかしん – 体のレンサ球菌が原因): どの年齢層にも見られます。小さな赤い斑点や膿疱(膿のたまった発疹)から始まり、すぐに破れて厚く、くっついた黄色や茶色がかったかさぶたができます20。水疱性とは異なり、かゆみよりも痛みを伴うことが多く、近くのリンパ節の腫れや発熱、喉の痛みといった全身症状が現れることもあります5

1.3. 診断と受診の目安 (Chẩn đoán và Khi nào cần đi khám)

とびひの診断は、ほとんどの場合、医師が特徴的な皮膚の症状(特に水疱と蜂蜜色のかさぶた)を観察すること(視診)によって行われます18。典型的なケースでは追加の検査は不要です。しかし、治療への反応が悪い場合や非典型的な症状が見られる場合には、病変部から滲出液のサンプルを採取し、原因菌を特定するための培養検査が行われることがあります18。この検査は、薬剤耐性菌(特にMRSA)が疑われる場合に、最も効果的な抗菌薬を選択する上で非常に重要です18

受診の目安: 「お子様やご自身に『とびひ』が疑われる症状を見つけたら、すぐに皮膚科または小児科を受診してください。感染力が非常に強く、合併症を引き起こす可能性もあるため、自己判断で治療を遅らせると症状が悪化し、他人にうつしてしまう危険性があります5。」

1.4. 治療法 (Phương pháp điều trị)

治療の中心は、原因菌を排除するための抗菌薬です22。病変の範囲や重症度に応じて、塗り薬(外用薬)または飲み薬(内服薬)が選択されます。日本では、薬剤耐性菌の増加を考慮して抗菌薬が慎重に選ばれます。かつて広く使われたゲンタマイシンは耐性菌の割合が高くなったため、現在ではより新しい、または効果の高い外用薬が優先される傾向にあります22

表3.1: 伝染性膿痂疹(とびひ)の標準的治療薬
種類 薬剤名(一般名) 主な目的と適応
外用抗菌薬 フシジン酸ナトリウム (Fusidic acid)22
ナジフロキサシン (Nadifloxacin)22
オゼノキサシン (Ozenoxacin)23
局所的な殺菌。軽症で病変が限られている場合に用いる。オゼノキサシン(ゼビアックス®)は1日1回の塗布で済む利点がある23
内服抗菌薬 セフェム系: セファレキシン, セフジニル24
マクロライド系: クラリスロマイシン25
ペネム系: ファロペネム26
全身的な殺菌。病変が広範囲に及ぶ場合や全身症状がある場合に用いる。通常5~7日間服用する。
補助療法 抗ヒスタミン薬: フェキソフェナジン, セチリジン25
亜鉛華軟膏22
ステロイド外用薬25
かゆみを抑え、掻き壊しによる拡大を防ぐ。
皮膚を保護し、滲出液を吸収する。
アトピー性皮膚炎など、他の皮膚炎を合併している場合に用いる。

局所のケア: 患部を清潔に保つことが非常に重要です。毎日シャワーを浴び、石鹸をよく泡立てて優しく洗い、かさぶたや細菌を取り除きます。その後、清潔なタオルで水分を拭き取り、処方された抗菌薬を塗布し、病変部をガーゼで覆うことで、他の部位や他者への感染を防ぎます5

1.5. 予防とセルフケア (Phòng ngừa và Tự chăm sóc)

  • 手指衛生: 石鹸でのこまめな手洗い、特に患部に触れた後は徹底しましょう27
  • 爪の管理: 爪を短く切り、掻き壊しによる皮膚の損傷や爪の下での細菌増殖を防ぎます28
  • 小さな傷のケア: 虫刺されや擦り傷、湿疹などを放置せず、速やかに手当てをして細菌の侵入路を断ちましょう29
  • 感染拡大の防止: 発症中はタオルや衣類、寝具などの共有を避けます。また、病変が完全に乾くまで公衆のプールに入るのはやめましょう。お子様は、医師の許可が出るまで学校や保育園を休む必要があります5

2. 蜂窩織炎 (Cellulitis)

2.1. 概要 (Tổng quan)

蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、皮膚の深い層である真皮深層から皮下組織にかけて起こる急性の細菌感染症です6。表面的な感染とは異なり、急速に広がる性質があり、治療が遅れると重篤な合併症を引き起こす可能性があります30。主な原因菌は、とびひ同様、レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)と黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)です6。これらの細菌は、切り傷、擦り傷、虫刺されといったごく小さな皮膚の傷や、他の病気によって傷ついた皮膚から体内に侵入します。特に、以下の要因は蜂窩織炎のリスクを高めます。

  • 皮膚バリアの損傷: あらゆる傷が細菌の入り口となります。特に、足の水虫(みずむし)によって生じた皮膚のひび割れは、下肢の蜂窩織炎の最も一般的な侵入経路の一つです31
  • 浮腫(むくみ): 慢性的な静脈の血流障害やリンパ浮腫による足のむくみは、局所の免疫力を低下させ、感染の温床となります6
  • 肥満や糖尿病: これらの状態は血行や免疫機能に影響を与え、感染症にかかりやすくなります30
  • 免疫力の低下: 病気や免疫抑制剤の使用により、体の抵抗力が弱っている状態。

2.2. 症状と臨床像 (Triệu chứng và Biểu hiện lâm sàng)

蜂窩織炎の症状は急速に現れ、局所の炎症を示す一連の兆候が特徴です。

  • 発赤 (ほっせき): 皮膚が赤くなり、その範囲が広がっていきます。丹毒(たんどく)との重要な違いは、この赤みの境界が不明瞭で、正常な皮膚との境目がはっきりしない点です6
  • 腫脹 (しゅちょう): 患部がパンパンに腫れ上がり、皮膚が光沢を帯びることもあります。
  • 熱感 (ねっかん): 触れると、周囲の皮膚よりも明らかに熱く感じます。
  • 疼痛 (とうつう): 患部には通常、痛みがあり、押すとさらに痛みが強まります(圧痛)。

皮膚の表面は、浮腫のためにオレンジの皮のようにデコボコして見えることがあります(橙皮状皮膚)6。最も頻繁に発生するのはすね(下腿)ですが、手や顔など、体のどの部分にも起こり得ます6。局所症状に加えて、発熱、悪寒、倦怠感、筋肉痛などの全身症状を伴うこともあります14

2.3. 診断と受診の目安 (Chẩn đoán và Khi nào cần đi khám)

診断は主に、診察時の特徴的な臨床症状に基づいて下されます14。合併症のない典型的なケースでは、血液培養や組織サンプル採取といった検査は、原因菌が特定できる確率が比較的低いため、通常は行われません32。医師は、治療効果を判断するために、赤くなっている範囲の境界にペンで印をつけ、その拡大や縮小を追跡することがあります。

受診の目安: 「体のどこか一部の皮膚が、突然赤く腫れ、熱っぽくなり、痛みを伴うようになったら、できるだけ早く医師の診察を受けてください。蜂窩織炎は急速に進行することがあり、治療の遅れは危険な合併症につながる可能性があります14。」

2.4. 治療法 (Phương pháp điều trị)

治療の主目的は、抗菌薬によって感染を抑え、症状を和らげ、合併症を防ぐことです。日本の診療実態調査によると、合併症のない蜂窩織炎に対しては、原因菌として最も頻度の高いレンサ球菌と黄色ブドウ球菌(MSSA)の両方に効果的な第一世代セフェム系抗菌薬が、第一選択薬として最も多く選ばれています(皮膚科医の82.9%)33

表3.2: 蜂窩織炎の標準的治療薬
状況 治療法 薬剤名(一般名)
軽症~中等症(外来) 第一選択 セフェム系: セファレキシン (Cefalexin)6
  代替選択(ペニシリンアレルギー) クリンダマイシン (Clindamycin)6
重症(入院) 静脈内投与 セフェム系: セファゾリン (Cefazolin)34
MRSAの疑い or 治療不応 抗MRSA薬(入院) バンコマイシン (Vancomycin)11
リネゾリド (Linezolid)11

補助療法: 抗菌薬治療と並行して、以下のケアが回復を早めるために重要です。

  • 安静: 患部への負担を減らすため、運動などを控えます。
  • 患部の挙上: 感染部位が手足の場合、心臓より高い位置に保つことで、腫れと痛みが軽減されます35
  • 冷却: 患部を冷やすことで、痛みや熱感を和らげることができます14
  • 鎮痛: 必要に応じて、アセトアミノフェンなどの市販の鎮痛薬を使用できます。

2.5. 予防とセルフケア (Phòng ngừa và Tự chăm sóc)

蜂窩織炎の再発を防ぐためには、リスク要因を管理することが鍵となります。

  • スキンケア: 皮膚を清潔に保ち、保湿剤で潤いを与えることで、皮膚のバリア機能を維持します14
  • 傷の管理: 小さな傷も軽視せず、石鹸と水で洗浄し、清潔な絆創膏で保護します31
  • 基礎疾患の治療: 水虫、湿疹、静脈瘤などの基礎にある病気をしっかりと治療することが、最も効果的な再発予防策です31
  • 体重と血糖の管理: 適正体重を維持し、糖尿病のある方は血糖値を良好にコントロールしましょう。

よくある質問 (FAQ)

蜂窩織炎は自然に治りますか?
ごく軽症の場合を除き、蜂窩織炎が自然に治ることは稀です。皮膚の深い部分の感染症であるため、適切な抗菌薬による治療が不可欠です。治療せずに放置すると、感染が血液中に広がる敗血症や、骨に感染が及ぶ骨髄炎、あるいは壊死性軟部組織感染症といった、命に関わる重篤な合併症を引き起こす可能性があります14。したがって、蜂窩織炎が疑われる症状があれば、速やかに医療機関を受診することが極めて重要です。
とびひは大人にもうつりますか?
はい、とびひは大人にもうつります。子供に多い病気ですが、接触感染によって年齢に関係なく感染する可能性があります。特に、アトピー性皮膚炎などで皮膚のバリア機能が低下している大人や、家庭内にお子様のとびひ患者がいる場合は注意が必要です。感染した場合は、子供と同様に抗菌薬による治療が必要となります28
「せつ(おでき)」と「よう」の違いは何ですか?
「せつ」と「よう」は、どちらも毛穴の深い部分から始まるブドウ球菌による感染症ですが、その規模が異なります。「せつ」は、一つの毛穴(毛包)が深く感染して硬いしこりとなった状態を指します。いわゆる「おでき」です9。「よう」は、隣接する複数の毛穴が同時に感染し、それらが皮下で融合して、より大きく、より深く、より重症化した状態を指します。「よう」は「せつ」よりも強い痛み、高熱、倦怠感などの全身症状を伴うことが多く、皮膚の壊死や瘢痕(傷跡)を残しやすいという特徴があります36

結論

細菌による皮膚感染症は、日常的に遭遇する可能性のある身近な病気ですが、その種類と重症度は様々です。この記事で解説したように、単純な「おでき」に見えても、その背景には治療が必要な感染症が隠れている可能性があります。重要なのは、皮膚の異常に気づいた際に自己判断で放置したり、不適切な市販薬を使用したりせず、早期に専門医の診断を仰ぐことです。特に、急速に広がる赤みや激しい痛み、高熱といった「危険な兆候」を見逃さないことが、重篤な事態を避けるための鍵となります。ご自身の体のサインに耳を傾け、正しい知識を持って、適切な医療機関に相談する勇気を持つことが、皆様の健康を守る上で最も大切な一歩です。

免責事項
この記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスに代わるものではありません。健康上の問題や症状がある場合は、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

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