本稿の科学的基盤
本稿は、引用元として明記された最高品質の医学的根拠にのみ基づいて作成されています。以下は、実際に参照された情報源と、提示された医学的指導との直接的な関連性を示すものです。
- 世界保健機関(WHO)および米国疾病予防管理センター(CDC): HIVとエイズの基本的な定義、感染経路、およびART(抗レトロウイルス療法)の原則に関する指針は、これらの国際的な保健機関の公表するファクトシートに基づいています45。
- PARTNER 1 & 2、Opposites Attract研究: 本稿における「U=U(検出限界値未満=感染しない)」という極めて重要な概念の科学的証明は、数千組の血清不一致カップルを対象としたこれらの画期的な研究結果に基づいています。これらの研究では、ウイルス量が検出限界値未満に抑制されている陽性のパートナーから、陰性のパートナーへの性行為によるHIV感染が一件も報告されませんでした6。
- 日本の厚生労働省、エイズ予防情報ネット(API-Net)、および各支援団体: 日本国内の医療費助成制度(身体障害者手帳、高額療養費制度)に関する具体的な情報や、ぷれいす東京、JaNP+などの支援団体の活動内容は、これらの国内機関が提供する公式情報に基づいています78。
要点まとめ
- HIVは管理可能な慢性疾患です:現代医療により、HIVは死に至る病ではなく、糖尿病や高血圧のように生涯にわたって管理できる慢性疾患となりました。
- 効果的な治療法が存在します:抗レトロウイルス療法(ART)により、HIV陽性者は非感染者とほぼ変わらない健康で長い人生を送ることが期待できます。
- U=U(検出限界値未満=感染しない):治療によってウイルス量が検出できないレベルまで下がると、性行為によって他の人にHIVを感染させる危険性がなくなります。これは科学的に証明された事実です。
- 支援は一人で抱え込むものではありません:日本には、医療費を大幅に軽減する公的制度や、当事者、パートナー、家族を支えるための専門的な支援団体が存在します。
- 支援者の役割は極めて重要です:正しい知識に基づいた精神的なサポートと現実的な手助けは、愛する人が告知の衝撃を乗り越え、前向きに治療に取り組むための大きな力となります。
第一部:最初のステップ – 告知と向き合う
このセクションは、最初のパニックを基礎知識に置き換え、ウイルスに関する情報を解き明かし、事実と神話を区別することを目的としています。
1.1. 知らせを受け止める:感情のための空間を確保する
知らせを受けたとき、支援者にとっての最優先事項は、耳を傾け、相手を評価することなく、安全な空間を作ることです。最初の数時間、数日間は、問題を解決するためではなく、感情的な支えに徹するべき時間です。告知された本人も支援者も、衝撃、怒り、悲しみ、恐怖といった一連の感情を経験することを認識し、それらの感情はすべて正当なものであると受け止める必要があります1。
同様に重要なのは、支援者自身が自らの感情に気づき、それをケアすることです。圧倒されるように感じるのは普通のことです。重要なのは、その感情を大切な人にぶつけることなく処理することです。支援者は、後述する相談窓口など、自分自身のための情報源を利用して、最初の疑問を解消することができます1。
1.2. 現代医療の現実:HIVとエイズの区別
時代遅れの恐怖を払拭するためには、HIVとエイズの違いを明確に理解することが極めて重要です。
- HIVの定義:HIV(Human Immunodeficiency Virus – ヒト免疫不全ウイルス)は、免疫系、特にCD4陽性T細胞(ヘルパーT細胞)と呼ばれる白血球を攻撃するレトロウイルスの一種です3。治療せずに放置すると、ウイルスは徐々に免疫系を破壊していきます。
- エイズの定義:エイズ(AIDS – Acquired Immunodeficiency Syndrome – 後天性免疫不全症候群)は、独立したウイルスではなく、未治療のHIV感染が最も進行した状態を指します9。エイズの診断は、免疫系が深刻なダメージを受けた場合(例:CD4細胞数が200細胞/mm³未満に減少)や、特徴的な日和見感染症やがんが発症した場合に下されます10。
- 治療との決定的な関係:現代医療の目標は、HIVがエイズに進行するのを防ぐことです。効果的な抗レトロウイルス療法(Antiretroviral Therapy – ART)を受ければ、HIVに感染したほとんどの人がエイズを発症することはありません3。この区別は、「エイズ」という言葉に付随する恐ろしく時代遅れのイメージを払拭するために不可欠です。
1.3. HIVの感染経路(と非感染経路):誤解を解く
正確な感染経路の知識を習得することは、家庭内に安全で心配のない生活環境を築くための基盤です。
- 具体的な感染経路:HIVは特定の経路でのみ感染します。これには、予防措置のない性行為(肛門または膣)、ウイルスに汚染された注射器具の共用、そして妊娠・出産・授乳を通じた母子感染が含まれます3。
- 感染の可能性がある体液:ウイルスは以下の体液を介して感染する可能性があります:血液、精液、前精液、直腸液、膣液、母乳4。
- HIVが感染しない行為:日常生活における不必要な不安を軽減するため、HIV感染の危険性がない行為のリストを明確に断言する必要があります。これには以下のものが含まれます:
科学的な事実は、危険性の高い行為(安全でない性行為、注射器の共用)と危険性のない行為(日常的な接触)を明確に区別しています3。しかし、新たに情報を受け取った人にとって、この違いを内面化するのは容易ではないかもしれません。「ウイルス」に対する漠然とした恐怖が忍び寄り、非合理的な不安を引き起こす可能性があります。単に事実を述べるだけでは不十分です。家庭における支援者の主な役割は、生活環境を「正常化する人」になることです。自信を持って一緒に食事をし、同じ浴室を使い、ためらうことなく身体的な愛情表現をすることで、支援者は科学への信頼を積極的に証明しているのです。この生き生きとした行動は、どんな手引書よりも力強いものです。支援者は、単に情報を受け取る受動的な存在ではなく、家族全体の心理的な癒やしにおける積極的な担い手となり、内側から恐怖の壁を打ち破る手助けをするのです。
第二部:健康への道筋 – 治療、予後、そしてU=U
このセクションでは、科学からの朗報を届け、治療がどのように機能し、それが健康と感染の可能性にどれほど革命的な影響を与えるかを解説します。
2.1. 抗レトロウイルス療法(ART)の力
- ARTの仕組み:ARTは、体内でHIVが自己増殖(コピーを作ること)するのを阻害する薬剤の組み合わせです4。これにより、血中のウイルス量(「ウイルス負荷」と呼ばれる)が減少し、免疫系(CD4細胞数で測定)が回復し、より強力になることを可能にします3。
- 現代の治療計画:HIV治療は飛躍的な進歩を遂げました。初期の治療法では不快な副作用を伴う多くの錠剤を服用する必要がありましたが、今日の標準的な治療計画は、しばしば1日1回1錠の服用で済みます13。この単純さが、治療の継続をはるかに容易にしています。
- 服薬遵守の重要性:ARTは生涯にわたる約束であり、医師の指示通りに毎日規則正しく服用しなければなりません4。不規則な服薬はウイルスの薬剤耐性を引き起こし、治療をより複雑にする可能性があります9。
- 開始時期:世界的な医療ガイドラインおよび日本のガイドラインは、CD4細胞数にかかわらず、診断後できるだけ早く治療を開始することを推奨しています3。早期治療は、より良い長期的な健康結果をもたらし、心臓病や腎臓病といったエイズ関連以外の合併症を防ぐのに役立ちます14。
2.2. 予後の革命:長く健康な人生を生きる
HIVは現在、糖尿病や高血圧など、他の管理可能な慢性疾患と同じカテゴリーに分類されています3。継続的な医療ケアと管理が必要ですが、働くこと、人間関係を築くこと、そして充実した人生を送ることを妨げるものではありません。科学的データは、ART治療を早期に開始し、良好に服薬を遵守する人は、ほぼ通常の寿命を期待できることを確認しています3。彼らはHIVの「ために」死ぬのではなく、HIVと「共に」生涯を終えるのです。これは希望を確証し、古い偏見に真っ向から対抗する力強いメッセージです。
2.3. U=U(検出限界値未満=感染しない):パートナーにとって最も重要なメッセージ
これは画期的な概念であり、カップルが習得すべき最も重要なメッセージです。英語ではU=U(Undetectable = Untransmittable)として知られています。
- U=Uの定義:「検出限界値未満」とは、ARTによってウイルス量が標準的な血液検査では検出できないほど低いレベルに抑制されていることを意味します3。「感染しない」とは、少なくとも6ヶ月間、ウイルス量が検出限界値未満の状態を維持している人は、性行為を通じてパートナーにHIVを感染させる危険性が全くないことを意味します3。
- 科学的証拠(PARTNER研究):画期的な研究がU=Uが真実であることを証明しました。PARTNER 1、PARTNER 2、そしてOpposites Attract研究は、数千組の血清不一致カップル(一人が陽性、一人が陰性)が何万回ものコンドームなしの性交渉を行ったのを追跡しました。その結果、陽性のパートナーがウイルス量を検出限界値未満に維持している場合、HIV感染例は一例も記録されませんでした6。これは仮説ではなく、証明された科学的事実です。
- 時間的枠組み:ART治療を開始してからウイルス量を検出限界値未満に達成し、維持するまでには最大6ヶ月かかる場合があることを明確にする必要があります6。この初期段階では、コンドームなどの他の予防法を使用することが不可欠です。
U=Uは単なる医学的な事実ではありません。それはカップルにとって深遠な心理的介入です。それは、パートナーが抱く可能性のある最も根深い恐怖、すなわち親密さが感染につながるという恐怖に直接対処します。また、HIVと共に生きる人から罪悪感と恐怖という巨大な重荷を取り除きます。支援者にとって、U=Uを理解し、支持することは、彼らが実行できる最も強力な「具体的な一歩」の一つです。それは彼らが恐怖の立場から自信の立場へと移行することを可能にします。「どうすれば安全にセックスできるか?」という物語を、「私たちは安全にセックスできる」という物語に変えるのです。パートナーと、そして医療提供者とU=Uについて話し合うことで、双方がその意味を完全に理解し、この新しい現実の中で安心感を得ることができます。この共通の理解こそが、関係を支える基盤となります。
第三部:支援者としてのあなたの役割 – 家族とパートナーのための具体的な行動
このセクションでは、知識を行動に移し、支援者のための実践的なツールキットを提供します。
3.1. 支援的なコミュニケーションの技術
- 話すより聞く:積極的な傾聴を強調します。「〜すべきだ」といった命令形の言葉ではなく、「今日はどんな気分?」や「何か気になることはある?」といった開かれた質問を投げかけましょう15。
- 同情ではなく共感:目標は救世主ではなく、伴走者になることです。「かわいそうに」といった哀れみの言葉は相手を弱く感じさせる可能性があり、代わりに「一緒に乗り越えよう」という関心と連帯を示しましょう。
- 「私たち」という言葉を使う:この旅を共通の枠組みに置きます。「私たちは受診の予定をどう管理しようか?」や「私たちの次のステップは、薬について学ぶことだね」といった言葉は、チーム精神を育みます。
- 自己決定権の尊重:診断はあなたの愛する人のものです。誰に、いつ話すかは彼らが決めます16。あなたの役割は、彼らの決定を代行するのではなく、支持することです。
3.2. 日常生活における実践的な支援
- 医療ケアへの同行:医師の診察に同行することを提案しましょう。それは管理するためではなく、「第二の耳」として、メモを取り、明確化のための質問をするためです17。これは、患者が情報過多で圧倒されているときに非常に価値があります。
- 家庭環境:生活に大きな変更は必要ないことを再度伝えます。唯一の具体的な予防策は、カミソリや歯ブラシなど、血液が付着する可能性のあるものを共有しないことです18。恐怖の雰囲気を作り出さないように、これを感染対策ではなく、基本的な衛生措置として捉えましょう。
- 服薬遵守の支援:これは繊細なバランスが求められます。薬の整理箱を準備したり、携帯電話にリマインダーを設定したりするなど、現実的な手助けを申し出ますが、彼らの服薬を「監視」することは避けましょう。それは憤りを生む可能性があります。目標は、あなたの支援を安全網としながら、彼らが自身の健康を自己管理できるように力づけることです18。
3.3. ケアする人のケア:あなた自身の精神的健康
支援者が自身のニーズを認識することは極めて重要です。深刻な健康上の診断を乗り越える愛する人を支えることは、感情的にも精神的にも消耗する作業です19。あなたは一人ではありません。次のセクションで挙げる支援団体とつながりましょう。ぷれいす東京のような多くの団体は、パートナーや家族のための特定のプログラムやカウンセリングを提供しています1。同じような経験をした他の人と話すことは、非常に貴重な肯定感をもたらします。自身の趣味、友人関係、習慣を維持することを心がけてください。燃え尽き症候群は現実的な危険であり、空のカップから水を注ぐことはできません。
第四部:日本の制度を乗りこなす:経済的支援とコミュニティ
これは日本に特化した極めて重要な部分であり、最大のストレス要因である「お金」と「孤立」を軽減するための、すぐに実行可能な情報を提供します。
4.1. 医療費の管理:日本の経済的支援ガイド
費用に関する現実として、支援なしでは日本のART治療費は非常に高額であり、月額約20万円、保険の3割負担でも6万円に達する可能性があることを認識する必要があります20。これは大きな不安の原因となり得ます。しかし、日本には治療を手頃な価格で受けられるようにするための強固な制度があります。
- 免疫機能障害による身体障害者手帳:これが最も重要な制度です。HIV感染は「ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害」として障害認定されています18。この手帳を取得することで、医療費が大幅に軽減され、他の社会的福祉も受けられます21。
- 高額療養費制度:これはすべての高額な医療費に対する一般的なセーフティネットです。所得に基づいて、自己負担する医療費に月ごとの上限額を設定します20。この制度は、身体障害者手帳の申請中や、対象とならない場合にも利用できます。
医学的な助言はARTを直ちに開始することです14。しかし、ある日本の情報源によると、実際には身体障害者手帳による経済的支援が得られるまで治療が延期されることが多いと指摘されています20。申請プロセスには1〜2ヶ月かかることがあります23。これは、最善の医療実践と行政上の現実との間に危険なギャップを生み出します。したがって、診断後すぐに支援者が実行できる最も重要な「具体的な一歩」は、愛する人が身体障害者手帳の申請手続きを開始するのを手伝うことです。これは単にお金を節約するためだけではありません。それは、命を救う治療へのタイムリーなアクセスを可能にするためです。ここでの支援者の役割は、書類集めを手伝い、手続きを調べ、パートナーにすぐに申請について医師と話すよう促すという、後方支援と動機づけです。これにより、経済的な助言が、緊急の臨床的介入へと変わるのです。
特徴 | 身体障害者手帳 | 高額療養費制度 |
---|---|---|
概要 | HIVを免疫機能障害の一形態として認定し、広範な支援を提供する福祉制度。 | すべての国民を対象に、月々の医療費自己負担額を制限する一般的な健康保険給付。 |
主な利点 | 月々の医療費自己負担を、低額の固定上限(例:0~20,000円)まで大幅に削減。 | 所得に応じて定められた月々の上限額を超えた費用が払い戻される。 |
対象条件 | 特定のCD4細胞数および/または臨床症状に基づく21。 | 日本の健康保険に加入しているすべての個人。 |
申請 | 医師および市区町村役場を通じた積極的な申請が必要22。 | 通常は自動適用、または保険者への申請が必要。 |
重要な助言 | 直ちに申請を開始すること。これが長期的な費用管理と迅速な治療開始の鍵となる。 | 特に身体障害者手帳の処理中に有効な優れたセーフティネット20。 |
4.2. あなたのコミュニティを見つける:日本の主要な支援ネットワーク
同じ経験を持つ人々とつながることは、患者と支援者の両方にとって、孤立に対する強力な解毒剤となります。
団体 | 主なサービス | 連絡先/ウェブサイト | 対象者 |
---|---|---|---|
ぷれいす東京 (Place Tokyo) | 電話・対面相談、当事者・パートナー・家族向けのピアサポートグループ、セミナー。 | 電話: 0120-02-8341 (ポジティブライン); ptokyo.org1 | 当事者、パートナー、家族、友人。 |
JaNP+ (日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス) | 全国規模のネットワーク、情報共有、政策提言、ピア交流イベント。 | janpplus.jp24 | 主にHIV陽性者。 |
CHARM (大阪) | 多様なグループ(女性、高齢者等)への支援プログラム、メール相談。 | charm.or.jp (例)25 | 当事者、パートナー、家族。 |
エイズ予防財団 (JFAP) | 全国規模の電話相談、情報提供。 | 電話: 0120-177-812 (API-Net); api-net.jfap.or.jp26 | 一般市民、疑問を持つ人々。 |
第五部:パートナーへの特別な配慮
このセクションは、恋愛関係において生じる、繊細で具体的な問いに対処します。
5.1. U=U時代の親密さと性の健康
診断は恐怖と距離を生み出すことがあります。U=Uの科学は、性生活における自信と親密さを再構築するための鍵です27。ウイルス量が検出限界値未満に維持されていれば、HIVの感染リスクはゼロです。この新しい文脈におけるコンドームの役割は、U=Uの原則に基づけばHIV予防には不要ですが、他の性感染症(STI)を防ぐ上で依然として非常に効果的です12。これにより、カップルは自分たちの性の健康について情報に基づいた選択を共に下すことができます。また、たとえ両方のパートナーがHIV陽性であっても、異なる、潜在的に薬剤耐性を持つウイルス株の感染(HIV重複感染)を防ぐためにコンドームの使用が推奨されます3。
5.2. あなた自身の健康を守る:HIV検査とPrEP
HIV陰性のパートナーは検査を受けるべきです。これは確実性と安心感をもたらし、双方にとって責任ある一歩です28。曝露から検査でウイルスが検出可能になるまでの期間である「ウィンドウ期」について理解することが重要です9。
PrEP(曝露前予防内服)は強力な予防ツールです。これはHIV陰性の人がHIV感染を防ぐために服用できる薬(通常は毎日1錠)です29。支援者は自身の医師とPrEPについて話し合うべきです。PrEPは、陰性のパートナーが自己防衛において主導権を握ることを可能にする選択肢であり、特にパートナーがウイルス量検出限界値未満を達成する前の初期段階で有効です。
PEP(曝露後予防内服)は緊急措置であり、感染の可能性があった曝露後72時間以内に行うARTのコースで、感染を防ぐためのものです9。
5.3. 未来の計画:子どもを持つこと
HIVに影響を受ける個人やカップルが、HIV陰性の子供を持つことは完全に可能です16。これは希望に満ちた現実です。
- 母親がHIV陽性の場合、妊娠中および出産時のART服用と、授乳を避けることで、感染リスクを1-2%未満に減少させます3。
- 父親がHIV陽性でウイルス量が検出限界値未満(U=U)の場合、母親への感染リスクはありません。
- 生殖補助医療も選択肢の一つです16。
重要なメッセージは、事前に計画を立て、HIVの専門家や産婦人科医と話すことです。家族を持つことは、現実的で達成可能な目標なのです。
結論
本稿は、今日におけるHIVとの生活について、包括的で希望に満ちた視点を提供しました。心に留めておくべき最も重要なメッセージは以下の通りです:
- HIVは管理可能な慢性疾患です。
- 治療(ART)は長く健康な人生をもたらし、HIVを感染不能にします(U=U)。
- 支援者の役割は極めて重要であり、感情的・実際的な援助と制度利用の案内が中心となります。
- 日本にはあなたを助けるための強固な経済的・社会的支援制度があります。
この診断は終わりではなく、新しい章の始まりです。正確な情報、相互の支え、そして希望をもって共に立ち向かうことで、あなたとあなたの愛する人はこの旅を乗り越え、かつて描いたのと同じように、明るく愛情に満ちた未来を築くことができるのです。
参考文献
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