【科学的根拠に基づく】乳房温存手術のすべて:適応から術後の生活・費用まで専門医が徹底解説
がん・腫瘍疾患

【科学的根拠に基づく】乳房温存手術のすべて:適応から術後の生活・費用まで専門医が徹底解説

乳がんと診断されたことは、計り知れない不安と多くの疑問を伴う、人生を揺るがす出来事であることと存じます。これからどのような治療が待っているのか、自分の体はどうなるのか、様々な情報が飛び交う中で、確かな道筋を見つけることは容易ではありません。この記事は、乳がん治療の重要な選択肢の一つである「乳房温存手術」について、医学的根拠に基づいた正確な情報を、できる限り分かりやすく、そして皆様の心に寄り添いながらお伝えすることを目的としています。私たちの願いは、皆様がこの記事を通じて正しい知識を得て、ご自身の治療について納得のいく意思決定を、主治医と共に進めていくための一助となることです。乳房温存手術(にゅうぼうおんぞんしゅじゅつ)とは、その名の通り、乳房をすべて切除するのではなく、がん細胞が含まれる腫瘍とその周囲の正常な組織の一部のみを部分的に切除し、できる限り乳房の形とふくらみを残す手術方法です1。この治療法の最大の目的は二つあります。一つは、がんを完全に取り除くという「根治性」の追求、そしてもう一つは、患者様の身体的・精神的な負担を軽減し、治療後の生活の質と乳房の見た目(整容性)を維持することです2。この乳房温存手術は、決して特別な治療法ではありません。現在、日本では乳がんの手術を受ける患者様のうち、約半数がこの方法を選択しており、乳がん治療における標準的な選択肢として確立されています1。多くの先輩方がこの道を歩み、治療を乗り越えてこられました。本稿では、乳房温存手術とはどのような治療なのか、どのような方が対象となるのか、手術の具体的な流れ、そして治療に不可欠な放射線治療について詳しく解説します。さらに、手術後の傷のケア、下着の選び方、仕事への復帰といった日常生活の注意点から、治療にかかる費用、心のケアを支える患者会まで、皆様が抱えるであろうあらゆる疑問や不安に答えるべく、包括的な情報を提供してまいります。この記事が、暗闇の中の一筋の光となり、皆様が希望を持って治療に臨むための確かな羅針盤となることを心から願っています。

医学監修者:
佐治 重聡 (さじ しげひら) 医学博士
福島県立医科大学医学部 腫瘍内科学講座 主任教授
附属病院 腫瘍内科 診療科長


この記事の科学的根拠

この記事は、下記に明記された、質の高い医学的根拠として引用された情報源にのみ基づいて作成されています。以下の一覧は、実際に参照された情報源と、提示された医学的ガイダンスへの直接的な関連性を示しています。

  • 複数の臨床研究および診療ガイドライン: 乳房温存療法が乳房全切除術と同等の生存率であるという指針は、複数の大規模臨床試験の結果に基づいています23
  • 日本乳癌学会: 手術における「切除断端陽性」の定義と、その場合の追加切除の推奨に関する指針は、日本乳癌学会の診療ガイドラインに基づいています23
  • 専門医療機関の情報: 手術の流れ、入院期間、術後のケアに関する具体的な記述は、国立がん研究センター東病院や聖路加国際病院ブレストセンターなどの専門機関が公開する情報に基づいています1516
  • 患者支援団体の情報: 患者様の心のケアとコミュニティに関する情報は、Breast Cancer Network Japan-あけぼの会やNPO法人キャンサーネットジャパンなどの活動実績に基づいています4745

要点まとめ

  • 乳房温存手術は、がんの根治を目指しつつ乳房のふくらみを残す、日本の乳がん治療における標準的な手術法です。
  • 手術後に放射線治療を組み合わせることで、乳房全切除術と長期的な生存率は同等であることが科学的に証明されています2
  • 手術の適応は、腫瘍の大きさや広がり、位置、そして患者様自身の希望などを総合的に判断して決定されます4
  • 術後の生活では、傷のケア、リンパ浮腫の予防、そして心のケアが生活の質を保つ上で非常に重要です。
  • 高額療養費制度などの公的支援により、治療にかかる経済的負担は大幅に軽減されます40

私は温存手術の対象?情報に基づいた意思決定のために

乳房温存手術(BCS)と乳房全切除術(マステクトミー)のどちらを選択するかは、患者様一人ひとりの状況によって異なる、非常に個別性の高い決定です。この選択は、がんの性質や広がりといった医学的な要因だけでなく、患者様ご自身の価値観や希望も大きく関わってきます4。医師と十分に話し合い、ご自身が納得できる治療法を選ぶために、まずはどのような場合に乳房温存手術が適しているのか、その基準を正しく理解することが重要です。

乳房温存手術の適応を決める主な要因

乳房温存手術が可能かどうかを判断するためには、いくつかの重要な要素を総合的に評価する必要があります。

  • 腫瘍の大きさと乳房の大きさのバランス: 最も基本的な条件は、腫瘍の大きさと乳房全体の大きさのバランスです4。腫瘍を安全な範囲(マージン)を含めて切除した後に、整容的に満足のいく乳房の形を保てるかどうかが鍵となります。一般的に、腫瘍の直径が3cm未満であることが一つの目安とされますが、これは絶対的な基準ではありません2。乳房が大きな方であれば、より大きな腫瘍でも温存が可能な場合があります。
  • 腫瘍の位置: 腫瘍が乳房内のどこにあるかも重要な要素です。例えば、乳頭や乳輪の近く、あるいは乳房の中心部に腫瘍がある場合、切除によって乳頭が陥没したり、乳房全体の変形が大きくなったりする可能性があります2。このような場合、温存は技術的に可能であっても、整容性の観点から全切除と乳房再建を組み合わせた方が、より美しい仕上がりになることもあります4
  • がんの広がり方: がんが乳房内でどのように広がっているかは、温存の可否を決定する上で極めて重要です。一つの場所にまとまっている「単発性」の腫瘍は温存手術の良い適応です。しかし、乳房内の異なる象限にがんが複数個存在する「多発性」の場合や、広範囲に微細な石灰化が散らばっている場合は、がんを取り残す危険性が高くなるため、温存手術は推奨されません4
  • がんの種類(非浸潤がんか浸潤がんか): がん細胞が乳管や小葉の中にとどまっている「非浸潤がん」か、周囲の組織に広がっている「浸潤がん」かによって、治療全体の計画は変わりますが、腫瘍が局所的であればどちらのタイプでも温存手術の対象となり得ます4
  • 患者様の健康状態と希望: 乳房温存手術後は、残った乳房への放射線治療が原則として必須となります。そのため、患者様が放射線治療を受けられる健康状態であることが絶対条件です2。また、最終的には患者様ご自身が乳房を残したいと強く希望しているかどうかが、意思決定において最も尊重されるべき点です4

乳房温存手術が推奨されない場合(適応外)

一方で、以下のような場合には乳房温存手術が適さない、あるいは推奨されないことがあります。

  • 絶対的な適応外:
    • 妊娠中: 特に妊娠初期から中期にかけては、胎児への影響を避けるため放射線治療ができないため、温存手術は行えません9
    • 広範囲に広がるがん: 画像検査で明らかなように、がんが乳房内に広範囲に広がっている、または多発している場合8
    • 炎症性乳がん: 特殊なタイプの乳がんで、温存手術の対象とはなりません9
  • 相対的な適応外(慎重な判断が必要な場合):
    • 過去に胸部への放射線治療歴がある: 以前にホジキンリンパ腫などで胸部に放射線治療を受けたことがある場合、追加の照射が困難なため温存は難しいです2
    • 膠原病(強皮症など)を合併している: 特定の膠原病を持つ患者様は、放射線による皮膚障害が強く出ることがあり、適応を慎重に判断します9
    • 遺伝性乳がん(HBOC)の可能性がある: BRCA遺伝子変異など、遺伝的な要因が強く疑われる場合、残した乳房に新たながんが発生する危険性(対側乳がんや二次がん)が高いため、予防的な意味合いも含めて全切除術が勧められることがあります8

術前化学療法の役割

当初は腫瘍が大きいために温存手術が難しいと判断された場合でも、手術の前に抗がん剤治療(術前化学療法)を行うことで、腫瘍を小さくできることがあります4。腫瘍が十分に小さくなれば、乳房温存手術が可能になるケースも少なくありません3。これは、治療の選択肢を広げるための重要な戦略です。ご自身の状況がどのケースに当てはまるのかを理解し、主治医と十分に話し合うことが、後悔のない治療選択への第一歩となります。以下のチェックリストは、ご自身の状況を整理し、医師との対話に備えるためのツールとしてご活用ください。

乳房温存手術の適応検討チェックリスト
検討項目 温存手術が適している可能性が高い場合 慎重な検討が必要・適応外となる場合
腫瘍の大きさと乳房のバランス 腫瘍が比較的小さく(目安として3cm以下)、切除後も乳房の形を良好に保てる2 腫瘍が乳房の大きさに比べて大きい、または切除による変形が著しいと予測される4
腫瘍の位置 乳頭・乳輪から離れている7 乳頭・乳輪の直下やその近くにあり、切除すると乳頭の温存が難しい、または変形が大きい2
がんの広がり 腫瘍が1つで、限られた範囲にとどまっている(単発性)4 複数の場所にがんが存在する(多発性)、または乳管内に広範囲に広がっている8
リンパ節転移の状態 腋窩リンパ節への転移がない、またはセンチネルリンパ節生検で転移が陰性。 腋窩リンパ節に明らかな転移がある場合でも温存は可能だが、術後の治療計画を慎重に立てる必要がある2
患者様の健康状態 放射線治療を受けることに支障がない2 妊娠中、特定の膠原病、過去の胸部放射線治療歴など、放射線治療の禁忌がある9
患者様の希望 患者様自身が乳房を残すことを強く希望している4 患者様が放射線治療を避けたい、または再発への不安から全切除を希望している15

手術の全行程:術前から退院までをステップ解説

手術という言葉を聞くと、多くの患者様が不安を感じるのは当然のことです。しかし、手術のプロセスが「ブラックボックス」ではなく、一つ一つのステップがどのような目的で行われるのかを具体的に知ることで、その不安は大きく和らぎます。ここでは、乳房温存手術が術前の準備から退院まで、どのような流れで進められるのかを段階的に解説します。

第1段階:術前準備

手術の成功は、精密な術前準備にかかっています。

  • 最終的な画像診断: 手術直前に、MRIや超音波(エコー)検査を再度行い、がんの正確な位置と広がりを最終確認します16。これにより、切除すべき範囲をミリ単位で計画します。
  • マーキング(局在決定): 手で触れることができない小さな腫瘍や石灰化の場合、手術中にその場所を正確に見つけるために「マーキング」という作業が必要です。手術当日または前日に、超音波やマンモグラフィで病変の位置を確認しながら、皮膚の上からマジックで印をつけたり16、細いワイヤー(ガイドワイヤー)を病変部まで挿入して目印にしたりします12。これにより、外科医は迷うことなく最小限の切開で病巣に到達できます。
  • センチネルリンパ節の同定: 乳がんが最初に転移する可能性のあるリンパ節を「センチネルリンパ節」と呼びます。このリンパ節に転移がなければ、他のリンパ節にも転移している可能性は極めて低いと考えられます。手術前に、乳輪部などに青い色素(インジゴカルミンなど)やごく微量の放射性同位元素(RI)を注射し、これらの物質が最初に流れ着くセンチネルリンパ節を特定します18

第2段階:手術の実際

手術は全身麻酔下で行われ、通常1~3時間程度で終了します。

  • 麻酔と皮膚切開: 全身麻酔で完全に眠っている間に手術が始まります。皮膚の切開線は、腫瘍の位置や大きさを考慮し、傷跡がなるべく目立たないように乳輪の縁や乳房のしわに沿って入れられます9
  • 腫瘍の切除: 外科医はマーキングを頼りに腫瘍の位置を確認し、腫瘍そのものだけでなく、再発を防ぐためにその周囲にある正常な乳腺組織を一定の幅(安全域)を含めて切除します1。切除の方法には、腫瘍を中心に円形に切り取る「円状部分切除」や、乳頭に向かって扇形に切り取る「扇状部分切除」などがあります1
  • センチネルリンパ節生検: 事前に同定しておいたセンチネルリンパ節を1~数個摘出し、手術中に迅速病理診断に提出します1。この検査でがん細胞が見つからなければ、腋窩のリンパ節をそれ以上切除する必要はありません(腋窩リンパ節郭清の省略)。
  • 腋窩リンパ節郭清: 迅速診断の結果、センチネルリンパ節にがんの転移が認められた場合は、腋窩(わきの下)のリンパ節をさらに切除する「腋窩リンパ節郭清」が行われることがあります15。これにより、がんの広がりを制御しますが、術後に腕のむくみ(リンパ浮腫)などの後遺症が起こる可能性があります15
  • 整容的な閉創: 腫瘍を切除した後のくぼみが目立たないように、残った乳腺組織を移動させて形を整える処置(オンコプラスティック・サージャリー)が行われることもあります14。また、後の放射線治療の際に、元々がんがあった場所を正確に狙うための目印として、小さなチタン製のクリップを切除した部分に留置することがあります。このクリップは体内に残しても安全で、MRI検査などにも影響はありません19

第3段階:切除断端の重要性

手術で最も重要な概念の一つが「切除断端」です。これは、患者様が術後に「追加切除が必要」と言われ、大きなショックを受ける可能性があるため、事前に正しく理解しておくことが非常に重要です21

  • 断端とは何か: 「断端(だんたん)」とは、切り取った組織の「切り口」のことです。この切り口にがん細胞が存在するかどうかを、病理医が顕微鏡で詳細に調べます。
  • 断端陰性と断端陽性:
    • 断端陰性: 切り口にがん細胞が全く認められない状態です。これは、がんが完全に取り切れた可能性が高いことを意味します。
    • 断端陽性: 切り口にがん細胞が露出している、または非常に近い距離にある状態です4。これは、体内にがん細胞が残っている危険性があることを示唆します。
  • 日本乳癌学会の基準: 日本乳癌学会の診療ガイドラインでは、浸潤がんの場合「切除断端にがん細胞が露出していること」、非浸潤がんの場合「切除断端から2mm未満の距離にがん細胞があること」を断端陽性と定義し、追加の外科的切除を推奨しています23
  • 断端陽性の場合の対応: 手術中の迅速診断または術後の最終的な病理検査で断端陽性と判断された場合、がんの取り残しを防ぐために、再度手術を行って断端部分を追加で切除する(追加切除)か、場合によっては乳房全切除術への変更が必要になることがあります4。これは手術の「失敗」ではなく、より安全性を高めるための計画的な「安全確認」のプロセスです。この可能性を事前に理解しておくことで、万が一追加切除が必要となった際の精神的な衝撃を和らげることができます。

再発を防ぐための重要なパートナー:放射線治療

乳房温存手術を選択した場合、手術は治療の半分が完了したに過ぎません。残りの半分を担うのが、術後の放射線治療です。多くの患者様は手術が終われば一安心と考えがちですが、放射線治療は温存した乳房を長期的に守るための、いわば「必要不可欠なパートナー」です。この治療の重要性を理解し、前向きに取り組むことが、最終的な治療の成功につながります。

なぜ放射線治療が必要なのか

その理由は、乳房温存手術が乳房全切除術と同等の治療成績を誇るための「科学的根拠」そのものにあります。

  • 治療のセット: 乳房温存「療法」という言葉は、単に手術だけを指すのではなく、「部分切除手術」と「放射線治療」を組み合わせた一連の治療パッケージを意味します2。これらは二つで一つの治療と考えるのが標準です。
  • 目に見えないがん細胞への対策: 外科医がどれだけ慎重に腫瘍を摘出しても、手術で切除した周囲の乳腺組織に、顕微鏡レベルの微小ながん細胞が残っている可能性があります2。この目に見えない「がんの芽」を放置すると、数年後に再発(温存乳房内再発)の原因となります。放射線治療の最大の目的は、この残存している可能性のあるがん細胞を根絶することです24
  • 圧倒的な再発予防効果: 数多くの臨床試験により、乳房温存手術後に放射線治療を行うことで、行わなかった場合に比べて温存乳房内の再発率が約3分の1から4分の1にまで劇的に低下することが証明されています2
  • 生存率の確保: 最も重要な点は、この放射線治療を組み合わせることにより、乳房温存療法を受けた患者様の長期的な生存率が、乳房全切除術を受けた患者様と全く変わらないことが確立されていることです2。つまり、放射線治療は、乳房を残しながらも、全切除と同等の「命を守る効果」を得るために不可欠な治療なのです。

放射線治療の実際:患者様の体験

放射線治療は、多くの場合、通院で行われます。

  • 開始時期: 手術の傷が十分に癒え、腕の動きも回復してくる術後2週間から2ヶ月後くらいに開始するのが一般的です。術後に化学療法(抗がん剤治療)を行う場合は、その化学療法がすべて終了してから開始します18
  • 標準的なスケジュール(全乳房照射): 現在の標準治療は、温存した乳房全体に放射線を照射する「全乳房照射」です。月曜日から金曜日までの毎日、1日1回、合計で約3週間から6週間かけて通院します18
  • 治療中の様子: 1回の治療にかかる時間は10~15分程度で、実際に放射線が照射されている時間はわずか1~数分です27。治療中に痛みや熱さを感じることはありません30。治療室では、正確な位置に放射線を当てるために、皮膚に専用のインクで印(マーキング)をつけます。この印は治療が終わるまで消さないように注意が必要です。

副作用とその対処法

放射線治療の副作用は、照射した範囲に限定されます。髪の毛が抜けたり、吐き気がしたりすることはありません18。最も一般的な副作用は皮膚への影響ですが、適切なケアで乗り切ることができます。

  • 皮膚炎: 治療開始から2~3週間経つと、照射した部分の皮膚が日焼けのように赤くなったり、乾燥してヒリヒリしたり、かゆみが出たりすることがあります30。これはごく一般的な反応です。
  • ケアのポイント:
    • 保湿: 処方された軟膏や、刺激の少ない保湿剤をこまめに塗って、皮膚の乾燥を防ぎます30
    • 清潔: 入浴時は、石鹸をよく泡立てて、マーキングをこすらないように優しく手で洗います31
    • 衣類: 柔らかい綿素材など、肌触りの良いゆったりとした下着や衣類を着用し、皮膚への摩擦を避けます30
  • その他の副作用: 治療中や治療後に、一時的なだるさを感じることがあります。また、長期的に見ると、照射した側の乳房が少し硬くなったり、わずかに縮んで小さくなったりすることがあります28。肺や心臓への影響といった重篤な副作用は、現代の精密な照射技術では非常にまれです10

新しい放射線治療の選択肢

患者様の負担をさらに軽減するため、新しい照射方法も開発・導入されています。

  • 寡分割照射(短期照射): 1回あたりの放射線量を少し増やし、その分、全体の治療回数と期間を短縮する方法です。例えば、5~6週間かかっていた治療を3~4週間に短縮できます。治療効果や副作用は従来の長期照射と同等であることが示されており、働きながら治療を受ける患者様などにとって大きな利点があります18
  • ブースト照射: 腫瘍があった場所(腫瘍床)は、乳房内で最も再発危険性が高い部位です。この部分にのみ追加で放射線を照射することを「ブースト照射」と呼びます。特に再発危険性が高いと判断される若い患者様などに対して行われ、局所再発率をさらに低下させる効果が期待できます27
  • 加速乳房部分照射(APBI): SAVIなどの新しい機器を用いて、乳房全体ではなく、再発危険性が最も高い腫瘍床の周囲に限定して放射線を照射する先進的な治療法です。治療期間を5日間程度に大幅に短縮できる可能性があります24

これらの新しい選択肢については、すべての患者様が対象となるわけではありません。ご自身の状況に合わせて最適な方法を主治医や放射線治療医と相談することが大切です。

術後の生活:回復とQOL向上のための完全ガイド

手術と放射線治療を乗り越えた後、いよいよ日常生活へと戻っていきます。この時期は、身体的な回復だけでなく、心のケアや生活の質を取り戻すための非常に重要な期間です。ここでは、退院直後から長期的な視点まで、術後の生活を安心して過ごすための具体的な知識と実践的な助言を網羅的に解説します。

第1部:入院中と退院直後の過ごし方

入院期間とドレーン: 乳房温存手術の場合、入院期間は4~5日程度が一般的です19。術後、手術した部位に体液が溜まるのを防ぐため、「ドレーン」と呼ばれる細い管が一時的に留置されることがあります19。この管は、体液の量が減れば数日で抜去されます。
退院直後の生活: 退院する頃には、身の回りのことはほとんど自分でできるようになっています33。しかし、決して無理は禁物です。焦らず、徐々に体の調子を戻していくことを心がけましょう35。絶対安静の必要はありませんが、重いものを持ったり、腕を激しく使ったりする動作は最初の数週間は避けるのが賢明です。

第2部:傷と傷あとのケア

術後の傷跡は多くの患者様が気にされる点です。適切なケアは、傷をきれいに治すだけでなく、心の回復にも繋がります。

  • 傷の洗浄: 退院時には、シャワーで傷を濡らしても問題ない状態になっています33。傷が開くことを怖がる必要はありません。石鹸やボディソープをよく泡立て、傷の上に泡をのせて優しく洗い、シャワーでしっかりと洗い流しましょう31。清潔を保つことが感染予防と治癒促進の基本です。
  • テープ療法: 傷跡がより目立たなくなるように、「テープ療法」が推奨されることがあります。これは、術後1~2週間後、傷が乾いた状態から始めます。医療用のテープを傷に対して垂直に、少し皮膚を寄せるように貼り、3~5日おきに貼り替えます31。このケアを3ヶ月から半年ほど続けることで、傷跡が伸びて広がるのを防ぎ、よりきれいな仕上がりが期待できます。
  • 保湿の重要性: 手術した側の胸部は、神経が切断される影響で感覚が鈍くなり、皮脂や汗が出にくくなるため、非常に乾燥しやすくなります31。乾燥はかゆみや湿疹の原因となるため、入浴後すぐに保湿剤を塗る習慣をつけましょう31。これは放射線治療中も同様に重要です。

第3部:アピアランスケアと下着の選び方

外見の変化へのケアは、自信を取り戻し、前向きな気持ちで過ごすために非常に大切です。

  • 傷と向き合う: 手術後の自分の体を見るのが怖いと感じるのは、ごく自然な感情です。無理に見る必要はありません。まずは鏡越しではなく、自分の手で優しく触れてみることから始めてみましょう31。不安な時は、外来の看護師に付き添ってもらうこともできます33
  • 術後用の下着: 術後すぐは、傷を保護し、腕の動きを妨げないよう、前開きでワイヤーのない、柔らかい素材の下着が推奨されます36
  • 補整下着とパッド: 左右の乳房のバランスを整えるために、補整用のパッドを使用することがあります。これは見た目を整えるだけでなく、体のバランスが崩れることによる姿勢の悪化や肩こりを防ぐ目的もあります36。パッドを入れるポケットが付いた専用の下着も市販されています。

第4部:身体的な後遺症とその管理

術後には、いくつかの身体的な変化や後遺症が起こる可能性があります。これらを正しく理解し、適切に対処することが生活の質の維持に繋がります。

  • 痛みと感覚の変化: 術後1ヶ月程度は、個人差はありますが、傷の痛みや引きつれ感(突っ張り感)が続くことがあります31。特に天気の悪い日や寒い日に強く感じることがあります。この突っ張り感は、皮膚が徐々に伸びることで3~6ヶ月ほどで改善していきます31。温かいタオルで温めると楽になることもあります。
  • リンパ浮腫: 腋窩リンパ節郭清を行った場合や、わきの下に放射線治療を受けた場合に、腕のリンパ液の流れが悪くなり、腕がむくむ「リンパ浮腫」が起こることがあります15。これは一度発症すると完治が難しい合併症のため、「予防」が何よりも重要です。
    • 予防のポイント: 手術した側の腕の皮膚を清潔に保ち、保湿を徹底して、虫刺されや切り傷、日焼けなどを避ける36。手術した側の腕での採血、点滴、血圧測定は原則として避ける33。重い荷物を長時間持ち続けたり、腕を締め付けるような服装や装飾品を避けたりする。適度な運動を心がける。
  • モンドール病: 術後に、胸やわきの下に硬いひものようなものが触れることがあります。これは皮下の静脈の炎症によるもので「モンドール病」と呼ばれます。痛みや引きつれ感を伴うことがありますが、良性の変化であり、数ヶ月で自然に治まりますので心配はいりません36

第5部:日常生活への復帰

治療後の生活に見通しを持つことは、不安を軽減し、社会復帰をスムーズにするために役立ちます。

  • 仕事への復帰: 退院後、いつから仕事に戻れるかという明確な決まりはありません。事務職など体の負担が少ない仕事であれば、術後2~4週間で徐々に復帰される方が多いです33。仕事の種類やご自身の体調を考慮し、職場と相談しながら無理のないペースで進めましょう。患者様の体験談の中には、治療と仕事を両立させた力強い経験が数多く語られています37
  • リハビリと運動: 日常生活の動作そのものがリハビリになります33。手術した側の肩を動かすリハビリテーションは、通常、術後1週間くらいから積極的に行うことが推奨されます33
  • 車の運転や入浴: 車の運転は、腕の痛みや動きに問題がなければ可能ですが、最初は短時間から始めましょう。湯船に浸かる入浴は、傷の状態が安定してから、主治医の許可を得て再開します33

以下のタイムラインは、回復過程の一般的な目安です。個人差があるため、あくまで参考としてご覧ください。

術後回復のタイムライン(目安)
時期 身体の変化・感覚 可能な活動 ケアのポイント
術後1週目 痛み、腫れ、ドレーン留置。感覚が鈍い。 軽い身の回りのこと、短時間の歩行。 痛みの管理、ドレーンの管理、処方された薬の服用。
術後2~4週 痛みが軽減。突っ張り感やしびれを感じ始める。 事務仕事、軽い家事、散歩。 傷の洗浄開始、テープ療法開始、肩のリハビリ開始33
術後1~3ヶ月 突っ張り感が続くが徐々に改善。感覚が少しずつ戻る。 車の運転(医師の許可後)、ほとんどの日常生活、軽い運動。 放射線治療の開始と皮膚ケア、リンパ浮腫の予防意識31
術後3ヶ月以降 身体的な回復が進む。傷跡が成熟し始める。 ほとんどの運動が可能に。徐々に負荷を上げていく。 継続的な保湿と傷跡ケア、定期検診、自己検診の習慣化。

どんな些細なことでも、気になることがあれば一人で抱え込まず、主治医や看護師に相談することが、安心して回復への道を進むための鍵となります33

治療費について:日本の医療制度における費用の目安

がん治療を進める上で、身体的・精神的な負担と並んで大きな不安要素となるのが、治療にかかる費用です。ここでは、乳房温存手術とそれに伴う治療にどのくらいの費用がかかるのか、そしてその負担を軽減するための日本の公的医療制度について解説します。

治療費の概算

乳がんの治療費は、手術の種類、入院期間、その後の治療内容(放射線治療、薬物療法など)によって大きく異なります。以下に示すのは、あくまで一般的な目安です。

  • 乳房温存手術(部分切除術)の費用: 手術そのものにかかる医療費の総額(10割負担の場合)は、30万円~50万円程度が目安です39
  • 放射線治療の費用: 術後に行われる標準的な放射線治療(全乳房照射25回程度)の医療費総額は、約30万円程度です41
  • その他の費用: 上記に加えて、入院費、術前の検査費用、術後の薬物療法(ホルモン療法や抗がん剤治療)の費用などがかかります。例えば、抗がん剤治療は1回あたり10万円~20万円かかる可能性があり39、ホルモン療法を5年間続けると総額で85万円~100万円程度になることもあります41

これらの費用を合計すると、治療の初年度にかかる医療費の総額は100万円を超えることも珍しくありません42

公的医療保険と自己負担額

幸いなことに、日本では国民皆保険制度が整備されており、これらの治療のほとんどは公的医療保険の適用対象となります。そのため、患者様が窓口で実際に支払う金額(自己負担額)は、かかった医療費総額の1割から3割(年齢や所得による)となります。例えば、手術と入院にかかる医療費総額が100万円だった場合、自己負担3割の方の窓口での支払いは30万円となります44

高額療養費制度:自己負担を大きく軽減する仕組み

「自己負担が3割でも、月々の支払いが数十万円になるのは負担が大きい」と感じるかもしれません。しかし、日本の医療制度には、家計の負担が過大にならないようにするための、非常に重要なセーフティネットがあります。それが「高額療養費制度」です。この制度は、1ヶ月(月の1日から末日まで)にかかった医療費の自己負担額が、所得に応じて定められた上限額(自己負担限度額)を超えた場合に、その超えた金額が後から払い戻される仕組みです40。例えば、一般的な所得区分(年収約370~770万円)の方の場合、1ヶ月の自己負担限度額は約8万円強です。仮に1ヶ月の医療費総額が100万円で、自己負担額が30万円になったとしても、この制度を利用すれば、最終的な自己負担は約8万7000円程度に抑えられます44。事前に「限度額適用認定証」を健康保険組合や市町村の窓口で申請し、病院の窓口に提示すれば、最初から支払いを自己負担限度額までにすることも可能です。この高額療養費制度の存在により、乳がんのような高額な治療を受ける場合でも、患者様の経済的な負担は大幅に軽減されます。治療費について不安な点は、病院の相談窓口(がん相談支援センターなど)やソーシャルワーカーに相談することで、利用できる制度について詳しい情報を得ることができます。

あなたは一人ではありません:心のサポートと患者コミュニティ

乳がんとの闘いは、身体的な治療だけでなく、精神的な側面も非常に大きいものです。診断の衝撃、治療への不安、将来への懸念、外見の変化への戸惑いなど、様々な感情が押し寄せるのは当然のことです2。このような時、自分一人で全てを抱え込む必要はありません。日本には、同じ経験をした仲間と繋がり、支え合うための素晴らしい患者コミュニティが数多く存在します。専門家による医学的な情報と同じくらい、あるいはそれ以上に、先輩患者からの実体験に基づいた助言や共感が、困難な時期を乗り越えるための大きな力となります45。ここでは、信頼できる主要な患者支援団体をいくつかご紹介します。

  • Breast Cancer Network Japan-あけぼの会 (Akebonokai): 1978年に設立された、日本で最も歴史のある乳がん患者会の一つです47。”同じ体験をした人と会って話がしたい”という思いから始まり、「今一番困っている人の役に立つ」ことを活動の核としています。全国各地に支部があり、月例の相談会「あけぼのハウス」や医療講演会、会員向けの会報発行など、地域に根差したきめ細やかなサポートを提供しています。長年の活動で培われた信頼と豊富な経験は、多くの患者様にとって心強い存在です47
  • 若年性乳がんサポートコミュニティ Pink Ring (Pink Ring): その名の通り、40歳以下で乳がんに罹患した「若年性乳がん」の患者様とその家族を対象としたコミュニティです48。若い世代ならではの特有の悩み、例えば、妊よう性(妊娠・出産する力)の温存、恋愛・結婚、仕事と治療の両立、子育てといったテーマに焦点を当てた活動が特徴です。オンラインでの交流会や全国各地でのキャラバンイベントなどを通じて、同世代の仲間と繋がり、孤立感を和らげ、特有の課題を共有できる場を提供しています48
  • NPO法人キャンサーネットジャパン (CancerNet Japan): 科学的根拠に基づく医療情報の提供を理念とするNPO法人で、乳がんに関しても多岐にわたる支援プログラムを展開しています45。特筆すべきは、専門的な養成講座を修了した「乳がん体験者コーディネーター(BEC)」によるおしゃべりサロンです。ここでは、体験者ならではの知恵と、客観的な情報に基づいた助言の両方を得ることができます。また、患者数が少なく情報交換の場が限られがちな「男性乳がん」の患者様のための交流会(メンズBC)を定期的に開催するなど、多様なニーズに応える活動を行っています45

これらのコミュニティに参加することで、治療に関する実用的な情報を得られるだけでなく、「自分は一人ではない」という安心感を得ることができます。ウェブサイトを訪れたり、オンラインイベントに参加したりすることから、第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

よくある質問

結局、乳房温存手術と乳房全切除術、それぞれの利点・欠点は何ですか?
これは最も重要な質問の一つです。どちらの術式もがんを治すという点では同等の効果が期待できますが、それぞれに特徴があります。以下の表に要点をまとめました。

比較項目 乳房温存手術 乳房切除術(全摘)
乳房の見た目 乳房のふくらみが残る。ただし、変形や左右差が生じる可能性あり49 乳房が平らになる。乳房再建術でふくらみを取り戻すことは可能14
生存率 全切除術と同等(放射線治療の併用が前提)3 温存手術と同等3
温存乳房内の再発危険性 全切除術よりは高いが、放射線治療で大幅に危険性を低減できる5 非常に低い(乳腺組織がほぼないため)7
放射線治療の必要性 ほぼすべての場合で必須2 リンパ節転移が多いなど、高危険性の場合に推奨される7
身体への負担・回復 一般的に手術の範囲が狭く、回復が早い傾向にある1 手術の範囲が広く、回復にやや時間がかかることがある49
心理的影響 乳房を失う喪失感が少なく、生活の質が高いとされる2 乳房喪失による心理的負担を感じる場合があるが、再建により軽減可能7

最終的な選択は、これらの利点・欠点をご自身の価値観と照らし合わせ、医学的な適応を踏まえて主治医と相談して決定することが最も重要です。

温存手術を選ぶと、全摘手術より生存率が低くなるのではないかと心配です。
その心配は全くありません。これは非常に重要なポイントです。過去に行われた複数の大規模な臨床試験により、「乳房温存手術と術後の放射線治療を組み合わせた治療」と「乳房全切除術」を比較した結果、長期的な生存率に差はないことが科学的に証明されています2。乳房を残すという選択が、命の危険を高めることには繋がりませんので、ご安心ください。
温存した乳房にがんが再発する実際の確率はどのくらいですか?
乳房温存手術後に適切な放射線治療を行った場合でも、温存した乳房内にがんが再発する(温存乳房内再発)危険性はゼロではありません。しかし、その危険性は大幅に抑えられます。一般的に、10年間のうちに温存乳房内再発が起こる確率は5%~10%程度とされています。これは、90%以上の人が再発なく過ごせることを意味します。万が一、温存乳房内に再発した場合でも、早期に発見すれば、改めて手術(多くは乳房全切除術)を行うことで治癒を目指すことが可能です3。そのため、術後の定期的な検診と自己検診が非常に重要になります。
温存手術でも、乳房再建のような整容性を高めることはできますか?
はい、可能です。近年では「オンコプラスティック・サージャリー」という考え方が普及しています。これは、がんを切除する「腫瘍学」と、形を美しく整える「形成外科学」を融合させたアプローチです。乳房温存手術の際に、腫瘍を切除したことで生じるくぼみや変形を最小限に抑えるため、残った乳腺組織を移動させたり、周囲の脂肪組織を充填したりして、乳房の形を再建・形成する技術が用いられます14。これにより、温存手術後の整容的な満足度を大きく向上させることができます。
遺伝性乳がん(BRCA遺伝子変異など)の場合でも、温存手術は選択できますか?
これは非常に慎重な判断が求められるケースです。遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の患者様は、生涯にわたって乳がんを発症する危険性が非常に高いことが知られています。そのため、乳房温存手術を受けた場合、残した乳腺組織から新たな乳がん(二次がん)が発生する危険性が、遺伝性でない方と比べて高くなります11。また、反対側の乳房にがんができる危険性も高いです。こうした理由から、遺伝性乳がんの患者様に対しては、治療と同時に将来のがん発症危険性を低減する「リスク低減乳房切除術(予防的全切除)」として、両側の乳房全切除術が推奨されることが多くなります。もちろん、最終的な決定は患者様の希望が尊重されますが、遺伝カウンセリングなどを通じて、専門家と十分に利点と欠点について話し合うことが不可欠です。

結論

本稿では、乳房温存手術について、その適応から手術の実際、術後のケア、そして生活や費用に至るまで、包括的に解説してまいりました。重要な点を改めてまとめます。乳房温存療法は、がんの根治性と整容性の両立を目指す、安全で標準的な治療法です。術後の放射線治療を組み合わせることで、乳房全切除術と同等の長期生存率が期待できます。手術が可能かどうかは、がんの大きさや広がり、位置、そして患者様ご自身の希望や健康状態を総合的に判断して決まります。術後の生活では、傷のケア、リンパ浮腫の予防、そして心のケアが生活の質を維持するために非常に重要です。高額療養費制度など、日本の公的医療保険制度が経済的な負担を大きく軽減してくれます。乳がんの治療は、医師から与えられるものだけではありません。患者様ご自身が正しい知識を持ち、自らの体と心について深く理解し、医療チームと対等なパートナーとして対話を重ねていく中で、最も納得のいく道筋が見えてくるはずです。治療の目的は、単に病気を治すことだけでなく、治療後もその人らしく、豊かに生きていくことです。この記事が、そのための力強い一助となれば幸いです。

免責事項
本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。健康に関する懸念や、ご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

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