【科学的根拠に基づく】女性のための甲状腺完全ガイド:健康、疾患、生涯にわたるケアのすべて
女性の健康

【科学的根拠に基づく】女性のための甲状腺完全ガイド:健康、疾患、生涯にわたるケアのすべて

甲状腺は、首の前方にある蝶のような形をした小さな内分泌腺ですが、その役割は計り知れません。特に女性の健康において、甲状腺は生涯を通じて心身のバランスを司る「体のマエストロ」とも言える重要な存在です。しかし、その重要性にもかかわらず、甲状腺の疾患はしばしば見過ごされがちです。統計によれば、女性は男性に比べて甲状腺疾患を発症する可能性が5倍から10倍も高いとされています11。この事実は、甲状腺の問題が単なる統計上の偏りではなく、女性特有の免疫システムやホルモンの変動と深く結びついていることを示唆しています13。本稿は、JapaneseHealth.org編集委員会が、最新の科学的知見と日本の医療現場の実情に基づき、女性が自身の甲状腺の健康を理解し、生涯にわたって賢明なケアを行うための一助となることを目指して編纂した包括的な解説書です。

この記事の科学的根拠

この記事は、入力された研究報告書で明示的に引用されている最高品質の医学的証拠にのみ基づいています。以下は、参照された実際の情報源と、提示された医学的指針との直接的な関連性を含むリストです。

  • 世界保健機関(WHO): この記事における甲状腺の基本的な機能と医学用語の定義に関する指針は、世界保健機関が公表した報告書に基づいています2
  • 日本甲状腺学会(JTA): 日本におけるバセドウ病および橋本病の診断・治療ガイドラインに関する記述は、日本甲状腺学会が策定した指針に準拠しています1718
  • 米国甲状腺学会(ATA): 妊娠中の甲状腺疾患管理に関する推奨事項は、米国甲状腺学会のガイドラインを参考にしています13
  • 隈病院および伊藤病院: 日本における甲状腺専門治療、特に微小乳頭癌に対する「積極的経過観察」というアプローチに関する記述は、これらの世界的に著名な専門病院の実践と研究に基づいています263135
  • 各種医学論文(PMC/PubMed掲載): 女性における甲状腺疾患の有病率、自己免疫疾患との関連性、PCOSや子宮内膜症との関連性に関するデータは、査読済みの学術論文に基づいています111319

要点まとめ

  • 甲状腺は体の代謝を調節する重要なホルモン(T4、T3)を産生し、その機能は脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって制御されています2
  • 女性は男性よりも甲状腺疾患のリスクが5倍から10倍高く、特に自己免疫疾患であるバセドウ病と橋本病が一般的です11
  • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)は体重減少、動悸、不安感などを引き起こし、甲状腺機能低下症(橋本病など)は疲労感、体重増加、抑うつなどを引き起こします1
  • 妊娠、産後、更年期といった女性のライフステージは甲状腺疾患の発症や症状と密接に関連しており、特に注意深い管理が必要です5613
  • 日本の医療制度では、高額療養費制度などにより、甲状腺疾患の診断・治療における経済的負担が軽減されます29

第一部:甲状腺の健康の基礎

本章では、甲状腺とは何か、そしてなぜそれが特に女性の健康にとって非常に重要なのかを読者が明確に理解できるよう、基本的な知識の土台を築きます。

第1章:甲状腺:体の代謝を司る最高司令官

甲状腺は、首の前方、喉仏(甲状軟骨)のすぐ下に位置する、蝶のような形をした小さな内分泌腺です1。その主な機能は、甲状腺ホルモン、主としてサイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)を産生することであり、これら二つの物質が体の代謝速度を調節します。これらは体温、心拍数からエネルギー消費速度、細胞の成長に至るまで、体内のほぼ全てのプロセスに影響を与えます2
甲状腺の活動は、視床下部-下垂体-甲状腺軸(HPT軸)と呼ばれる洗練されたフィードバックシステムによって制御されています。このプロセスは、家庭のサーモスタットシステムのように考えることができます。脳の視床下部が甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)を産生し、この信号が下垂体を刺激して甲状腺刺激ホルモン(TSH)を分泌させます。TSHはその後、甲状腺に移動し、T4およびT3ホルモンを産生するよう「命令」します2。血中の甲状腺ホルモン濃度が十分に高くなると、それは下垂体と視床下部に逆信号を送り、TSHとTRHの産生を減少させ、それによって甲状腺のホルモン産生を遅らせます。逆に、甲状腺ホルモン濃度が低い場合、下垂体はTSHの分泌を増やして甲状腺をより活発に働かせようとします2
このフィードバック機構こそが、TSH検査が甲状腺機能を評価するための主要なスクリーニングツールである理由です。高いTSH濃度は、甲状腺自体の問題ではなく、甲状腺の機能が低下している状態(甲状腺機能低下症)に対する脳の反応です。その際、下垂体は甲状腺を目覚めさせようと「大声で叫ぶ」(TSHを増加させる)必要があります。逆に、甲状腺が過剰に活動している場合(甲状腺機能亢進症)、下垂体はそれを抑制しようと「ささやく」(TSHを減少させる)のです。この原理を理解することは、患者が自身の検査結果を理解し、治療を遵守するための最初の、そして最も重要な一歩です。
これらのホルモンを合成するために、甲状腺は食物から吸収される必須微量元素であるヨウ素を必要とします1。ヨウ素欠乏は世界的に甲状腺腫の最も一般的な原因ですが、日本や米国のようにヨウ素添加塩が広く使用されている国々では、自己免疫疾患のような他の原因がより一般的です1

第2章:甲状腺疾患の概観

甲状腺疾患は、主に二つのカテゴリーに分類できます。機能の異常(ホルモンの過剰または過少産生)と、構造の問題(甲状腺の腫大やしこりの形成)です。
機能の異常には以下が含まれます:

  • 甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう):甲状腺がホルモンを過剰に産生し、体の代謝プロセスが異常に加速する状態です1。よく見られる症状には、たくさん食べるにもかかわらず体重が減少する、心拍が速くなる、暑がりにる、震え、不安感などがあります1
  • 甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう):甲状腺が十分なホルモンを産生せず、体の代謝プロセスが遅くなる状態です1。典型的な症状は、疲労感、体重増加、寒がり、便秘、乾燥肌などです1

構造の問題には以下が含まれます:

  • 甲状腺腫(こうじょうせんしゅ):甲状腺の異常な腫大です。甲状腺腫は、甲状腺全体のびまん性の腫大である場合もあれば、甲状腺内に一つまたは複数のしこり(結節)が成長することによって引き起こされる場合もあります1。甲状腺腫は必ずしもホルモン機能の異常を伴うわけではありませんが、大きな甲状腺腫は嚥下困難や呼吸困難を引き起こす可能性があります1
  • 甲状腺炎(こうじょうせんえん):甲状腺の炎症状態です。甲状腺炎は首の痛みや腫れを引き起こすことがあり、病期によっては、一時的に甲状腺機能亢進症(損傷した甲状腺からホルモンが漏れ出すため)を引き起こし、その後、甲状腺機能低下症に至ることがあります4
  • 甲状腺結節(こうじょうせんけっせつ):甲状腺内に形成される固形または液体で満たされたしこりです。ほとんどの甲状腺結節は良性(非がん性)ですが、ごく一部は悪性である可能性があります1

甲状腺疾患の多くの症状は非特異的であり、ストレス、加齢、または他の病状と誤解されることがあります1。対照的な症状のパターンを認識することは、患者が潜在的な問題を認識し、迅速に医学的助言を求めるのに役立ちます。

表1:甲状腺機能亢進症と低下症の症状比較
症状の項目 甲状腺機能亢進症の症状(体が「加速」) 甲状腺機能低下症の症状(体が「減速」)
代謝/体重 多食にもかかわらず体重減少、食欲増進4 原因不明の体重増加、痩せにくい、食欲不振4
心血管系 頻脈(心拍数が速い)、動悸1 徐脈(心拍数が遅い)5
精神/エネルギー 不安、いらいら、落ち着きのなさ、不眠、興奮しやすい4 疲労、無気力、エネルギー不足、抑うつ、記憶力低下(「ブレインフォグ」)1
体温 暑がり、多汗、皮膚が熱く湿る1 寒がり、常に寒いと感じる1
皮膚/髪/爪 皮膚が薄くなる、髪が細くもろくなる、脱毛7 乾燥した荒れた皮膚、髪が乾燥してもろくなる、脱毛、爪がもろい1
消化器系 頻繁な排便、下痢4 便秘1
筋肉 筋力低下(特に腕や太もも)、手の震え1 筋力低下、筋肉痛、こむら返り、関節のこわばり1
月経周期 月経不順(通常は軽少または無月経)1 月経不順(通常は過多月経)5
眼(特徴的) 眼球突出、凝視(バセドウ病でよく見られる)4 目の周りのむくみ、顔のむくみ5

第3章:女性の健康に関する懸念:甲状腺疾患における性差

甲状腺疾患は、特に女性に関連する健康問題です。日本および世界中の統計は、顕著な性差を示しています。女性は男性に比べて甲状腺疾患を発症するリスクが5倍から10倍高いのです11。この比率は特定の疾患においてさらに顕著で、バセドウ病では女性対男性の比率が約4対1から10対1、橋本病では10対1から20対1にも達することがあります4
この差の背後にある主な原因は、最も一般的な二つの甲状腺疾患、バセドウ病と橋本病の自己免疫的な性質にあると考えられています13。自己免疫疾患とは、体を細菌やウイルスといった外部の病原体から守る役割を担うべき免疫系が、誤って自分自身の組織や器官を攻撃してしまう状態です10。一般的に、自己免疫疾患は女性に多く見られ、科学者たちはこれがX染色体やエストロゲンのような女性ホルモンの影響による、男女間の免疫機能の違いに関連していると考えています13
さらに、妊娠や産後期といった女性の生涯における大きなホルモン変動の時期は、自己免疫性甲状腺疾患の重要な誘発因子として特定されています5。これらの時期におけるホルモンの急激な変動は、免疫系の反応を変化させ、疾患の発症や再燃を引き起こす可能性があります。
したがって、女性であることは、甲状腺疾患に対する最大の非遺伝的危険因子であると結論づけられます。これは単なる統計上の数字ではありません。それは、疾患の基本的な生物学的側面を反映しています。甲状腺疾患は、女性が偶然多くかかる性別に中立な病気ではなく、女性特有の免疫系や内分泌系と密接に関連した状態なのです。この理解は、女性の生涯を通じた甲状腺の健康診断、治療、およびケアの基盤となります。

第二部:二つの主要な自己免疫性甲状腺疾患

本章では、甲状腺機能障害を持つ患者の大多数に影響を与える二つの状態について深く掘り下げます。

第4章:バセドウ病:常に「オーバードライブ」状態で生きる

バセドウ病は、日本や一部のヨーロッパ諸国でそう呼ばれており、甲状腺機能亢進症の最も一般的な原因です2。これは自己免疫疾患であり、通常20歳から40歳の女性に影響を与えます4

原因

バセドウ病では、免疫系がTSH受容体抗体(TRAb)と呼ばれる異常な抗体を産生します。この抗体は、甲状腺を調節するために下垂体から分泌されるホルモンであるTSHの作用を模倣します。TRAbは甲状腺細胞表面の受容体に絶えず結合し、それらを刺激し続けます。これはまるで「アクセルを踏みっぱなし」にするようなもので、甲状腺にホルモンを制御不能なほど産生させます1

症状

過剰な甲状腺ホルモンは、体の代謝を異常に高いレベルに押し上げ、全身にわたる一連の症状を引き起こします。これらの症状は、体が「高速で走り続けている」感覚とよく表現されます。

  • メルゼブルクの三徴:バセドウ病の古典的な三つの症状は、びまん性甲状腺腫(甲状腺の腫大)、頻脈、および眼球突出です10。しかし、すべての患者がこれら三つの症状をすべて呈するわけではありません10
  • 代謝および心血管系の症状:患者は通常、食欲が増すにもかかわらず急激に体重が減少し、常に暑さを感じ、多量の汗をかき、暑さに耐えられなくなります1。頻脈、動悸は非常によく見られる不快な症状です7
  • 神経および心理的症状:神経系の持続的な刺激は、特に指先の震えを引き起こし、物をつかんだり書いたりすることが困難になります1。心理的には、患者はしばしば不安、落ち着きのなさ、いらいら、集中困難、不眠を感じます4。これらの「目に見えない」症状は、生活の質、人間関係、仕事のパフォーマンスに深刻な影響を与えることが多いですが、見過ごされたり、ストレスと間違えられたりしがちです。
  • 眼球突出(バセドウ病眼症):バセドウ病患者の約30%は、バセドウ病眼症と呼ばれる眼の兆候や症状を示します。この状態は、免疫系が目の周りの組織や筋肉を攻撃し、炎症や腫れを引き起こすときに起こります。症状には、眼球の突出、目に砂が入ったような異物感、光への過敏、複視、まぶたの後退などがあり、「凝視」したような外観を生み出します2
  • その他の症状:患者は筋力低下、下痢を経験することもあり、女性では月経不順や無月経になることがあります4

合併症

治療されない場合、バセドウ病は深刻な合併症を引き起こす可能性があります。心血管系では、心房細動などの不整脈を引き起こし、長期的には心不全につながる可能性があります7。過剰な甲状腺ホルモンはまた、骨の代謝回転を加速させ、骨粗鬆症や骨折のリスクを高めます7。稀ではあるものの非常に危険な合併症が、甲状腺クリーゼです。これは、未治療の患者において、感染症、手術、または極度のストレスによって甲状腺ホルモン濃度が急激に非常に高いレベルに上昇したときに起こる救急医療状態です。甲状腺クリーゼは高熱、極度の頻脈、心不全、意識障害を引き起こす可能性があり、迅速な救急処置がなければ死亡率が高いです10

第5章:橋本病:静かなる機能低下

橋本病は、慢性甲状腺炎とも呼ばれ、日本のようなヨウ素が充足している地域における甲状腺機能低下症の最も一般的な原因です12。これは最も一般的な甲状腺疾患であり、主に女性、特に中年以降の女性に影響を与えます6。日本の成人女性の10人に1人が橋本病にかかっている可能性があると推定されていますが、すべてが明らかな甲状腺機能低下症に進行するわけではありません9

原因

バセドウ病と同様に、橋本病も自己免疫疾患です。しかし、甲状腺を刺激する代わりに、免疫系は甲状腺細胞を攻撃し、徐々に破壊する抗体を産生します。橋本病で見つかる二つの主要な抗体は、抗サイログロブリンペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)と抗サイログロブリン抗体(TgAb)です17。この破壊プロセスは長年にわたってゆっくりと進行し、甲状腺が十分なホルモンを産生できなくなり、甲状腺機能低下症を引き起こします。

症状

橋本病および甲状腺機能低下症の症状は、しばしば静かに、不明瞭に発現し、加齢、ストレス、またはうつ病の兆候と誤解されやすいです。これが、この病気を女性の健康における「偉大なる詐称者」たらしめているのです。

  • 全身症状:最も一般的な症状には、原因不明の持続的な疲労感、体重増加または減量困難、他人が普通に感じるときでも常に寒いと感じること、そして便秘があります1
  • 外見上の変化:患者は顔、特に目の周りがむくむことがあり、皮膚は乾燥してざらざらになり、髪は乾燥してもろくなり、抜け毛が増えます5。声帯の浮腫により、声がかすれることもあります5
  • 神経および心理的症状:記憶力の低下、集中困難(しばしば「ブレインフォグ」と呼ばれる)、無気力感、動作の緩慢さはよくある訴えです1。うつ病も重要な症状であり、甲状腺機能低下症が原発性のうつ病と誤診されることもあります5
  • 甲状腺腫:甲状腺が攻撃されると、炎症を起こして腫れ、甲状腺腫を形成することがあります。橋本病における甲状腺腫は通常、硬く、痛みを伴いません4。時には、破壊プロセスが肥大の代わりに甲状腺の萎縮につながることもあります9

診断のギャップ

橋本病の重要な特徴は、多くの人が血液中に抗体(TPOAb、TgAb陽性)を持ち、甲状腺腫がありながら、甲状腺機能が完全に正常(TSHおよび甲状腺ホルモン濃度が基準範囲内)である期間が長年にわたって続くことがある点です9。この段階は「正常甲状腺機能」橋本病と呼ばれます。甲状腺の破壊が十分に進行した場合にのみ、甲状腺機能低下症の症状が現れます。この時間的なギャップが、診断が遅れる理由の一つです。

合併症

重度で長期間治療されていない甲状腺機能低下症は、粘液水腫性昏睡と呼ばれる稀ではあるが生命を脅かす合併症につながる可能性があります。この状態は、感染症、鎮静剤、またはストレスによって誘発されることがあり、重度の低体温、傾眠、そして最終的には昏睡を引き起こし、救急治療を必要とします5。未治療の甲状腺機能低下症の他の長期的な合併症には、高コレステロール血症、心臓病、および不妊症が含まれます5

第三部:女性のライフステージを通じた甲状腺の健康

この部分は、このガイドブックを女性にとってユニークなものにする核心であり、甲状腺の健康を生殖と重要なライフステージに結びつけます。

第6章:甲状腺が月経と妊孕性に与える影響

甲状腺は女性の生殖システムと密接かつ双方向の関係を持っています。甲状腺ホルモンは月経周期と卵巣機能の調節に重要な役割を果たします。そのため、甲状腺機能のいかなる不均衡も、それが機能亢進であれ機能低下であれ、月経と妊孕性に大きな影響を与える可能性があります。
甲状腺機能亢進症が引き起こしうる問題:

  • 不規則な月経、通常は周期が長くなる(稀発月経)か、完全に月経がなくなる(無月経)4
  • 無排卵周期による受胎能力の低下。

甲状腺機能低下症も同様の障害を引き起こしますが、通常は逆の傾向があります:

  • 不規則な月経ですが、通常は過多月経(月経が長く、量が多い)または月経周期が短くなる5
  • 甲状腺機能低下症は無排卵周期につながることもあり、これは女性の不妊の一般的な原因です5

これらの理由から、妊娠を計画している女性にとって、正常な甲状腺ホルモンレベルである「正常甲状腺機能(euthyroid)」状態を達成し維持することが非常に重要です。原因不明の不妊症の多くのケースは、潜在的な甲状腺疾患を治療するだけで解決することがあります。そのため、甲状腺機能検査は不妊評価の一環としてしばしば推奨されます13

第7章:妊娠中および産後の甲状腺健康ガイド

妊娠は女性の体に深刻な生理的変化を要求する時期であり、甲状腺も例外ではありません。この期間中の甲状腺の健康管理は、母子双方にとって極めて重要です。

甲状腺ホルモン需要の増加

妊娠の初期段階から、体の甲状腺ホルモン需要は約20〜50%と大幅に増加します13。これは、エストロゲンホルモンの増加が血中のサイロキシン結合グロブリン(TBG)濃度を上昇させること、また胎盤が甲状腺ホルモンを代謝することによるものです。この需要に応えるため、母親の甲状腺はより活発に働かなければなりません。甲状腺の予備能が低い女性(例えば、潜在的な橋本病やヨウ素欠乏による)は、十分に補うことができず、妊娠中に甲状腺機能低下症に陥る可能性があります13。そのため、以前から甲状腺機能低下症の治療を受けている女性は、妊娠が確認され次第、レボチロキシンの用量を増やす必要があるのが一般的です13

未治療の甲状腺機能障害のリスク

  • 母親に対して:未治療の甲状腺機能低下症は、流産、妊娠高血圧腎症(妊娠中の危険な高血圧状態)、早産、および常位胎盤早期剥離のリスクを高めます5
  • 胎児に対して:母親の甲状腺ホルモンは、胎児の甲状腺が活動を始める前の最初の3ヶ月間、胎児の脳の発達に不可欠です。母親の未治療の甲状腺機能低下症は、後の子供の神経発達とIQに深刻な影響を与える可能性があります5

スクリーニングと治療

米国甲状腺学会(ATA)を含む医学会は、甲状腺疾患のリスクが高い女性に対し、妊娠前または妊娠後すぐにTSH検査を受けることを推奨しています13。出生前ビタミンを通じて十分なヨウ素(1日あたり約150mcg)を補給することが非常に重要です13。レボチロキシン(甲状腺機能低下症用)および抗甲状腺薬(甲状腺機能亢進症用)による治療は、医師の厳密な監督下で妊娠中に安全と見なされています13

産後甲状腺炎

これは、出産後の女性の約5%に発生する一般的でありながら見過ごされがちな状態です13。これは自己免疫性甲状腺炎の一形態で、通常2つのフェーズで進行します。

  • 甲状腺機能亢進フェーズ(産後1〜4ヶ月):炎症を起こした甲状腺からホルモンが漏れ出すことによる。不安、動悸、体重減少といった症状は、新生児の世話のストレスと誤解されることがあります。
  • 甲状腺機能低下フェーズ(産後4〜8ヶ月):甲状腺がホルモンを使い果たしたとき。疲労、うつ、体重増加といった症状は、産後うつや新米ママの通常の疲労と非常に間違えやすいです。

産後期は、甲状腺疾患の診断を見逃すための「完璧な嵐」です。産後甲状腺炎の症状は、新米ママの通常の経験とほぼ完全に一致します。したがって、「普通の新米ママよりも疲れている」と感じる女性は、産後の健康診断でTSH検査を積極的に依頼すべきです。この状態は通常一時的ですが、一部の女性は永続的な甲状腺機能低下症になる可能性があります13

第8章:更年期か、甲状腺機能低下症か?重複する症状を解き明かす

40代および50代の女性にとって、甲状腺機能低下症の症状と閉経周辺期および更年期の症状を区別することは大きな課題です。この重複は、診断が遅れる主な原因の一つであり、多くの女性が、それが単に避けられない老化プロセスの一部であると信じながら、治療可能な病状の症状に苦しむことになります。
甲状腺機能低下症と更年期の両方が、以下のような一連の類似した症状を引き起こす可能性があります6

  • 疲労とエネルギー不足:これは両方の状態における主要な症状です。
  • 体重増加:特に腹部の脂肪増加。
  • 気分の変化:うつ、不安、いらいら。
  • 認知の問題:記憶力の低下、集中困難、いわゆる「ブレインフォグ」。
  • 皮膚と髪の乾燥:通常より多くの脱毛。
  • 月経不順:不規則な周期。
  • 冷え性:寒さに耐えられない。

これらの訴えを持つ40代または50代の女性が医師を訪れると、「それは単に年齢のせい」または「更年期の兆候です」と言われる可能性が非常に高いです。しかし、甲状腺機能低下症の主な原因である橋本病も、この年代で発症することが多いのです6
重要なのは、これら二つの状態が共存する可能性もあるということです。女性は甲状腺機能低下症でありながら、同時に更年期を迎えているかもしれません。確実に区別する唯一の方法は、TSHと甲状腺ホルモンの濃度を調べる血液検査です。女性が更年期のような症状を経験している場合、特にそれが重度であったり生活の質に影響を与えたりしている場合は、医師に甲状腺機能検査を依頼することが合理的かつ必要なステップです。甲状腺機能低下症の診断と治療は、症状の負担を大幅に軽減し、全体的な健康を改善することができます。

第9章:最新の研究動向:甲状腺疾患、PCOS、子宮内膜症の関連性

最近の科学的研究は、甲状腺疾患と、生殖年齢の女性に一般的な二つの婦人科疾患、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)および子宮内膜症との間の複雑な関連性をますます明らかにしています。正確なメカニズムはまだ研究中ですが、観察的証拠は注目すべき関連性を示唆しています。

子宮内膜症と甲状腺疾患

研究のレビューによると、子宮内膜症と甲状腺機能亢進症の状態との間に関連がある傾向が示されています。特に、いくつかの研究では、子宮内膜症の女性は、たとえ低レベルであっても、TRAb(バセドウ病を引き起こす抗体)が陽性である率が高いことが発見されています19。これは、これら二つの病状の間に共通の免疫メカニズムが存在する可能性を示唆しています。しかし、この関連性を確認するためにはさらなる研究が必要です。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と甲状腺疾患

PCOSと甲状腺疾患との関連性はより強固であり、より広範に研究されています。多くの研究が、PCOSと甲状腺機能低下症、特に橋本病による甲状腺機能低下症との間に有意な関連があることを示しています。PCOSの女性は、一般人口と比較して、橋本病の有病率および甲状腺抗体(TPOAbおよびTgAb)の陽性率が高いことが示されています19
この関連性が甲状腺機能低下症自体の状態によるものなのか、それとも自己免疫抗体によるものなのかについては、まだ不確実性が残っています。しかし、この関連性は、多くの臨床医がPCOSと診断された女性に甲状腺機能および甲状腺抗体のスクリーニングを推奨するほど強力です。
注意すべき重要な点は、これが発展途上の研究分野であり、因果関係はまだ証明されていないということです。しかし、これらの発見は、女性の健康に対する包括的なアプローチの重要性を強調しています。PCOSまたは子宮内膜症と診断された女性にとって、潜在的な甲状腺疾患のリスクを認識し、医師とスクリーニングについて話し合うことは、長期的な健康を守るための積極的な一歩となる可能性があります。

第四部:日本における診断と治療のナビゲーション

このセクションでは、日本の医療制度とやり取りするための、実践的で行動可能な情報を提供します。

第10章:疑いから診断へ:明確化への道筋

甲状腺疾患の診断プロセスは、通常、個人が異常な症状や兆候に気づいたときに始まります。このプロセスの各ステップを理解することは、患者が自身の健康管理においてより自信を持ち、主体的になるのに役立ちます。

いつ医師に相談すべきか

以下のいずれかの兆候に気づいた場合は、医師に相談することを検討すべきです4

  • 首の部分に腫れやしこりがある。
  • 表1に記載されている甲状腺機能亢進症または低下症の持続的で説明のつかない症状。
  • 家族に甲状腺疾患の既往歴がある。
  • 妊娠を計画しており、危険因子がある。

どの専門医に相談すべきか

一般の医師でも初期検査は可能ですが、専門的な診断と治療のためには、内分泌内科医に相談することをお勧めします。これらの専門家は、甲状腺疾患を含む内分泌障害に関する深い知識と経験を持っています4

主な検査

診断プロセスには通常、以下の検査が含まれます:

  • 血液検査:これは最も重要なツールです。
    • TSH, FT3, FT4:この検査は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)と甲状腺ホルモンの遊離型(活性型)であるFT4、FT3の濃度を測定します。これらの値の組み合わせにより、甲状腺が正常に機能しているか、過剰に活動しているか、または機能が低下しているかを判断します3
    • 甲状腺自己抗体:これらの検査は、疾患の自己免疫的な原因を特定するのに役立ちます。TRAb(TSH受容体抗体)が陽性であれば、通常バセドウ病と確定診断されます。TPOAb(抗サイログロブリンペルオキシダーゼ抗体)および/またはTgAb(抗サイログロブリン抗体)が陽性であれば、通常は橋本病と確定診断されます10
  • 頸部超音波検査(エコー):超音波は音波を使用して甲状腺の画像を作成します。この検査は痛みがなく非侵襲的で、医師が甲状腺のサイズ、構造を評価し、甲状腺結節の有無、サイズ、特徴を検出するのに役立ちます20
表2:主要な甲状腺血液検査 – 基準値と解釈
検査名 何を測定するか? 日本における典型的な基準範囲* 高値/低値の解釈
TSH (甲状腺刺激ホルモン) 甲状腺ホルモン濃度に対する下垂体の反応。最も感度の高いスクリーニング検査。 0.35 – 4.94 μIU/mL3 高値:原発性甲状腺機能低下症を示唆(甲状腺が十分なホルモンを産生していない)。
低値:原発性甲状腺機能亢進症を示唆(甲状腺が過剰なホルモンを産生している)。
FT4 (遊離サイロキシン) 体が利用できる活性型のT4ホルモン濃度。 0.7 – 1.48 ng/dL3 高値:甲状腺機能亢進症を示唆。
低値:甲状腺機能低下症を示唆。
FT3 (遊離トリヨードサイロニン) 最も強力な活性型甲状腺ホルモンであるT3の濃度。 1.68 – 3.67 pg/mL3 高値:甲状腺機能亢進症を示唆(特定の場合に特に感度が高い)。
低値:甲状腺機能低下症を示唆。
TRAb (TSH受容体抗体) バセドウ病を引き起こす甲状腺刺激性抗体。 通常は陰性。 陽性:バセドウ病の診断をほぼ確定。
TPOAb (抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体) 甲状腺内のTPO酵素を攻撃する抗体。橋本病の指標。 通常は陰性。 陽性:橋本病またはバセドウ病を強く示唆。
TgAb (抗サイログロブリン抗体) 甲状腺内のタンパク質であるサイログロブリンを攻撃する抗体。橋本病の指標。 通常は陰性。 陽性:橋本病を示唆。
*注意:基準範囲は検査室によって若干異なる場合があります。患者は常に自身の具体的な結果について医師と話し合うべきです。

これらの検査を理解することは、患者が診断と治療のフォローアップに積極的に参加し、抽象的な数値を実用的で理解しやすい情報に変えるのに役立ちます。

第11章:バセドウ病の治療ロードマップ

バセドウ病の治療法の選択は、病気の重症度、年齢、併存疾患、妊娠計画、患者の希望など、多くの要因に依存する重要な決定です。日本では、日本甲状腺学会(JTA)のガイドラインに従い、主に3つの治療法が適用されています18

抗甲状腺薬(Antithyroid Drugs – ATDs)

これは、その簡便さと外来で治療を開始できることから、日本および世界の多くの地域で第一選択の治療法となることが多いです16。主な二つの薬はチアマゾール(メタミゾール、MMI、商品名メルカゾール)とプロピルチオウラシル(PTU、商品名プロパジールまたはチウラジール)です。これらは甲状腺のホルモン産生プロセスを阻害することによって作用します。

  • 利点:非侵襲的であり、ほとんどの場合、永続的な甲状腺機能低下症を引き起こしません。
  • 欠点:長期的な治療が必要(通常、少なくとも1〜2年)、薬の中止後の再発率が高い。副作用が発生する可能性があり、最も一般的なものは皮膚の発疹やかゆみです。重篤だが稀な副作用には、肝障害や無顆粒球症(白血球が著しく減少し、重篤な感染症のリスクを高める状態)があります16。患者は無顆粒球症の兆候(高熱、喉の痛み)を認識し、直ちに受診するよう指導される必要があります。

放射性ヨウ素内用療法(Radioactive Iodine – RAI)

この方法は、放射性ヨウ素(¹³¹I)を含むカプセルまたは液体を使用します。甲状腺は体内でヨウ素を吸収する唯一の器官であるため、放射性ヨウ素はそこに集中し、過剰に活動している甲状腺細胞を選択的に破壊します。

  • 利点:高い効果、高い治癒率、手術とそのリスクを回避できます。治療は通常、一回の投与で済みます16
  • 欠点:効果が現れるのが遅い(完全な効果が見られるまで数ヶ月かかる)。ほとんどの患者は最終的に永続的な甲状腺機能低下症になり、生涯にわたる甲状腺ホルモン補充療法が必要になります。この治療法は妊娠中または授乳中の女性には絶対禁忌です16。一部の患者ではバセドウ病眼症を悪化させる可能性があります。

手術(甲状腺摘出術)

この方法は、甲状腺の一部または全部を切除することを含みます。これは最も迅速かつ根治的な効果をもたらす治療法です。

  • 利点:即座に病気を治癒させます。非常に大きな甲状腺腫が圧迫症状を引き起こしている患者、抗甲状腺薬に不耐性な患者、または悪性が疑われる甲状腺結節を併発している患者にとって良い選択肢です。
  • 欠点:侵襲的な手技であり、入院を必要とし、出血、感染などの手術リスクが伴います。特有の合併症には、反回神経の損傷(声がれを引き起こす)や副甲状腺の損傷(低カルシウム血症を引き起こす)があります16。甲状腺の全摘出は永続的な甲状腺機能低下症につながり、生涯にわたるホルモン補充療法が必要になります。
表3:バセドウ病の治療選択肢の比較
基準 抗甲状腺薬 (ATDs) 放射性ヨウ素内用療法 (RAI) 手術 (甲状腺摘出術)
作用機序 甲状腺ホルモンの産生を抑制する。 放射線で甲状腺細胞を破壊する。 甲状腺組織を切除する。
効果/治癒率 18-24ヶ月後に約50%の寛解率。再発率が高い。 治癒率 >90%。 治癒率 >95%。
利点 非侵襲的、寛解すれば永続的な機能低下症を避けられる。 高い効果、手術不要、一回限りの費用が比較的低い。 迅速かつ根治的効果、大きな甲状腺腫を解決できる。
欠点/リスク 長期治療が必要、再発率が高い、副作用(発疹、肝機能障害、無顆粒球症)。 永続的な機能低下症を引き起こす、効果発現が遅い、妊娠/授乳中は禁忌、眼症を悪化させる可能性。 侵襲的、手術リスク(神経損傷、副甲状腺損傷)、傷跡が残る、永続的な機能低下症を引き起こす。
適応対象 若年者、軽症、初回治療、妊娠を計画している女性(監督下)。 薬物治療に不応/再発、手術を望まない、早期の妊娠計画がない患者。 非常に大きな甲状腺腫、がんの疑い、薬物不耐性、迅速な結果を望む患者。

治療法の選択は、患者と医師との共同の議論プロセスであり、各方法の利益とリスクを比較検討し、個人の状況と優先順位に最も適した選択肢を見つけることが重要です。

第12章:橋本病と甲状腺機能低下症の管理

多くの治療選択肢があるバセドウ病とは異なり、橋本病とそれが引き起こす甲状腺機能低下症の管理には、唯一無二で非常に効果的なゴールドスタンダードがあります:ホルモン補充療法です。

レボチロキシン補充療法

甲状腺機能低下症の主な治療法は、レボチロキシン(日本の一般的な商品名はチラーヂンS)という合成薬を服用することです5。レボチロキシンは、基本的に甲状腺が自然に産生するT4ホルモンの合成版です。この療法の目標は、橋本病を「治癒」させることではなく(自己免疫プロセスは続くため)、損傷した甲状腺がもはや十分に産生できなくなったホルモンの量を補充することです。

治療の原則

  • 用量の開始と調整:医師は通常、低用量から開始し、主にTSH濃度を基に4〜6週間ごとに血液検査の結果に基づいて徐々に増量します。目標はTSHを正常範囲内に収めることであり、これは体が十分な補充ホルモンを受け取っていることを示します。
  • 定期的な服薬:レボチロキシンは毎日定期的に、通常は朝、空腹時に、朝食やコーヒーを飲む少なくとも30〜60分前に服用する必要があります。食物、カルシウム、鉄、または他の一部の薬と一緒に服用すると、その吸収が低下する可能性があります。
  • 定期的なモニタリング:薬の用量が安定した後、患者は通常、用量が依然として適切であることを確認するために6〜12ヶ月ごとにTSH検査を受ける必要があります。ホルモンの必要量は、年齢、体重の変化、または妊娠によって時間とともに変化する可能性があります。
  • 生涯にわたる治療:ほとんどの患者にとって、橋本病による甲状腺機能低下症は永続的な状態です。したがって、ホルモン補充療法は通常、生涯にわたります15。これは気が重く聞こえるかもしれませんが、レボチロキシンは正しい用量で服用すれば非常に忍容性が高く、副作用が少なく、患者が完全に正常で症状のない生活を送ることを可能にします。

甲状腺機能低下症の成功した管理は、患者の治療遵守に大きく依存します。体が不足しているものを正確に補充することによって、この療法は疲労や体重増加からブレインフォグやうつ病まで、甲状腺機能低下症のほぼすべての症状を逆転させ、エネルギーと生活の質を回復させることができます。

第13章:甲状腺結節とがんへの対応

首にしこりや「結節」が発見されると多くの不安を引き起こす可能性がありますが、ほとんどの甲状腺結節は良性であることを知っておくことが重要です1。甲状腺がんは、最も一般的な内分泌系のがんであるにもかかわらず、一般的に予後が非常に良好で、治癒の可能性が高いです25

甲状腺結節の診断

甲状腺結節が診察や超音波検査で発見された場合、次の診断ステップには通常、以下が含まれます:

  • 詳細な超音波検査:結節の特徴(大きさ、固形か嚢胞か、石灰化の有無、境界が整っているかなど)を評価します。これらの特徴は、医師が悪性のリスクを推定するのに役立ちます。
  • 穿刺吸引細胞診(Fine-Needle Aspiration – FNA):これは結節の性質を判断するための最も重要な検査です。医師は超音波のガイド下で非常に細い針を使い、結節から細胞のサンプルを採取します。このサンプルはその後、細胞病理学者が顕微鏡下でがんの兆候を探すために検査されます。

甲状腺がんと日本のアプローチ

最も一般的な甲状腺がんは、甲状腺乳頭癌(papillary thyroid carcinoma – PTC)です。多くのPTC、特に非常に小さい腫瘍(微小癌、1cm未満)は非常にゆっくりと成長し、転移のリスクが低いです。
この分野における日本の医学の重要な貢献の一つが、「積極的経過観察(active surveillance)」というアプローチです。隈病院のようなトップクラスの専門病院が先駆者となり、この方法は、低リスクの微小乳頭癌に対しては、即時の手術が必ずしも必要ではないと提案しています。その代わり、患者は定期的な超音波検査で厳密に監視されます。手術は、腫瘍が成長したり転移の兆候が見られたりした場合にのみ行われます26。このアプローチにより、多くの患者が不必要な手術とそれに関連するリスク、そして生涯にわたるホルモン補充療法の必要性を回避し、生存予後に影響を与えることなく、高い生活の質を維持するのに役立っています。
このアプローチは、現代医学における重要な哲学を強調しています:「より多くを行うこと」が常に「より良いこと」であるとは限らないということです。適格な患者にとって、積極的経過観察は安全で合理的な選択肢であり、高い生活の質を維持するのに役立ちます。

第14章:費用の現実:コストと保険を理解する

医療費への懸念は、特に慢性疾患の場合、治療を求め、維持する上での大きな障壁となり得ます。幸いなことに、日本の国民皆保険制度は、患者に強固な経済的安全網を提供しています。

日本の医療保険制度

甲状腺疾患の診断と治療のほとんどは、国民健康保険によってカバーされています。この制度の下では、患者は通常、医療機関で総医療費の30%を支払うだけです(70歳未満の場合)27

高額療養費制度

これは、患者の経済的負担を軽減する最も重要な政策の一つです。この制度は、患者の自己負担額に月ごとの上限を設け、その上限額は所得に応じて決まります。ある月の自己負担額の合計がこの上限を超えた場合、超過分は保険から払い戻されます。
これは、手術や放射性ヨウ素治療のような高額な費用がかかる場合に特に役立ちます。例えば、甲状腺手術の総医療費が120万円だったとします。3割の自己負担額は36万円になります。しかし、平均的な収入の人の場合、月々の自己負担上限額は約89,430円です。したがって、患者は89,430円を支払うだけで、残りの270,570円は保険から支払われます28

表4:日本の高額療養費制度(70歳未満対象)
年間所得区分 自己負担限度額(月額)
〜約370万円 57,600円
約370万円~約770万円 80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
約770万円~約1,160万円 167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
約1,160万円~ 252,600円+(総医療費-842,000円)×1%
住民税非課税世帯 35,400円
出典:厚生労働省のデータに基づく29。値は変更される可能性があります。「多数回該当」の場合、12ヶ月以内に4回目以降の支払いから上限額が引き下げられます。

定期的な診察と血液検査の費用は、保険適用後で1回あたり3,000円から6,000円程度で、これに薬代が加わります27
この制度を理解することは、深い安心感をもたらし、患者が経済的な負担を過度に心配することなく治療に集中できるようにします。それは、すべての国民が経済状況に関わらず、質の高い医療ケアを受けられることを保証するものです。

第五部:必須のリソースと支援体制

この最後のセクションでは、読者を甲状腺ケアと支援のより広範なエコシステムに結びつけます。

第15章:専門的ケアを求めて:日本のトップ甲状腺病院紹介

日本は甲状腺疾患の研究と治療において世界をリードする国です。このリーダーシップは主に専門病院に集中しており、そこでは医療サービスの提供だけでなく、現代の甲状腺学を形成する研究や臨床ガイドラインを生み出す強力な学術センターとしても機能しています。患者にとって、これらのセンターで治療を受けることは、最高水準のケアにアクセスすることを意味します。
日本で最も著名な二つの甲状腺専門病院は次のとおりです:

隈病院(神戸市)

  • 概要:1932年に設立された隈病院は、世界で最も大きく、最も有名な甲状腺専門病院の一つです。この病院は、年間18万人以上の外来患者と約2,000件の手術を行う、非常に多くの患者と手術数を誇るセンターです(2019年のデータ)31
  • 強み:隈病院は、特に微小甲状腺乳頭癌に対する「積極的経過観察」法の開発と安全性証明における先駆的役割で有名です。病院の医療チームは、国際的な研究論文を定期的に発表し、医学会で指導的役割を果たすトップエキスパートで構成されています31
  • 主要人物:現在の院長は、著名な内分泌内科専門医であり、病院初の内科出身の院長である赤水尚史医師です33。創設者は隈家であり、理事長は隈夏樹医師です31

伊藤病院(東京都)

  • 概要:80年以上の歴史を持つ伊藤病院は、東京の賑やかな表参道地区に位置する、日本の専門的な甲状腺ケアのもう一つの象徴です35。この病院もまた、甲状腺および副甲状腺疾患の診断と治療のみを専門としています。
  • 強み:伊藤病院は、効率的な患者ケアシステムと、国際的な患者向けに多言語(英語、中国語、韓国語、ロシア語)での医療情報提供で知られています36。東京の本院に加え、伊藤病院グループは名古屋と札幌にも専門クリニックを有し、全国の患者が専門的なケアを受けられるようアクセスを広げています37
  • 主要人物:院長は伊藤公一医師、副院長は杉野公則医師であり、両者ともトップクラスの甲状腺外科医です38

これらの病院が治療の場であるだけでなく、最良の実践とガイドラインの源泉でもあるという事実は、患者に日本で利用可能な最高級の医療水準への信頼を与えます。

第16章:あなたは一人ではない:日本における患者支援

慢性疾患と共に生きることは、身体的にも精神的にも困難な旅路となり得ます。同じ経験を持つ他の人々と繋がることは、慰め、知識、そして力をもたらすことができます。日本では、患者とその家族にとって貴重なリソースとなる献身的な患者支援団体が存在します。

一般社団法人 日本甲状腺協会

  • 役割:これは一般市民と患者のための非営利団体であり、甲状腺疾患に関する意識向上と正確な情報提供を目指して活動しています。
  • 活動:協会は、「世界甲状腺デー」(5月25日)に合わせて日本甲状腺学会(JTA)と協力し、公開セミナーなどの教育イベントを開催しています39。また、「甲状腺連携手帳」のような有用な資料を開発・配布しており、これは患者が治療経過を記録し、医療提供者とより効果的にコミュニケーションをとるためのツールです40

甲状腺眼症(TED)サポートグループジャパン

  • 役割:これは、バセドウ病眼症(甲状腺眼症またはTEDとも呼ばれる)に苦しむ患者に特化した支援グループです。
  • 活動:グループは、しばしば誤解され、治療が困難なこの状態について、患者とその愛する人々が経験や情報を共有するための安全な場を提供します41。彼らの主要な目標の一つは、患者が必要な治療を受けやすくするために、眼窩減圧術などのバセドウ病眼症治療に対する保険適用を改善するためのロビー活動です41

これらの支援グループに参加することは、患者が孤独感を和らげ、より良い知識を身につけ、自分自身の健康とコミュニティのための積極的な擁護者になるのに役立ちます。

第17章:グローバルおよび国内の状況:主要な医学会

甲状腺疾患に対する医療の質は、専門的な医学会によって設定された基準とガイドラインによって形成されます。これらの組織を知ることは、患者が受ける情報や治療法が最新の科学的証拠とトップエキスパートの合意に基づいていると信頼するのに役立ちます。

日本甲状腺学会 (JTA)

  • 役割:1958年に設立されたJTAは、日本の甲状腺臨床医および研究者のための主要な専門組織です42。これは、「バセドウ病治療ガイドライン」や「慢性甲状腺炎(橋本病)診断の手引き」など、日本における甲状腺疾患の診断および臨床治療ガイドラインを作成・公表する主要な機関です17。これらのガイドラインは、全国の医師にとって核となる参考資料です。

米国甲状腺学会 (ATA)

  • 役割:1923年に設立されたATAは、世界で最も影響力のある甲状腺学会の一つであり、多くの国から1,700人以上の会員を擁しています45
  • 影響力:ATAは、世界中の医師からしばしば参照される、信頼性の高い臨床ガイドラインを公表しています。また、ウェブサイトを通じて患者や一般市民向けに膨大な量の信頼できる教育リソースを提供しています46

世界保健機関 (WHO)

  • 役割:グローバルなレベルでは、WHOは国際基準の設定において重要な役割を果たしています。甲状腺疾患に関しては、WHOは甲状腺腫瘍の組織学的分類を担当しています48。定期的に更新されるWHOの分類は、世界中の病理学者が甲状腺がんを診断・分類するためのゴールドスタンダードであり、診断と研究における世界的な一貫性を保証しています。WHOはまた、甲状腺機能および病態に関連する重要な医学用語を定義しています2

これらの組織の存在は、甲状腺ケアが強固な科学的基盤の上に構築され、患者の利益のために絶えず更新・改善されていることを保証します。

結論:情報を得た患者から、力を与えられた擁護者へ

甲状腺疾患との旅路は、それが機能亢進症、機能低下症、あるいはその他の問題であれ、疑問や不確実性に満ちているかもしれません。しかし、このガイドブックの各章を通じて、一つの核心的なメッセージが強調されてきました:知識こそが力である、ということです。
甲状腺の生理機能を深く理解し、病気の微妙な症状を認識し、利用可能な治療選択肢を把握することで、女性は受動的なケアの受け手から、自身の健康管理における積極的で力を与えられたパートナーへとその役割を変えることができます。疲労や気分の変化といった症状が、単なる「ストレス」や「加齢」ではなく、治療可能な病状の兆候である可能性を知ることは、自信を持って医療の助けを求めることにつながります。バセドウ病の治療選択肢を理解することは、医師との共同意思決定の議論に参加し、自身の人生や優先順位に最も合った道を選ぶことを可能にします。そして、経済的支援制度や患者コミュニティの存在を知ることは、この旅路で孤独ではないと感じさせてくれるでしょう。
適切なケアと管理があれば、甲状腺疾患を持つほとんどの女性は、充実した、健康的で活動的な生活を送ることができます。このガイドブックが、あなたが明確さ、自信、そして楽観主義をもって前途を切り開くために必要なツールを提供できたことを願っています。

よくある質問

食事:海藻やヨウ素が豊富な食品の摂取について心配する必要はありますか?
ほとんどの人にとって、通常のレベルでのヨウ素摂取は安全です。しかし、食事が非常にヨウ素豊富である可能性がある日本では、過剰なヨウ素摂取が、感受性の高い人々、特に橋本病患者において甲状腺機能低下症を引き起こしたり悪化させたりすることがあります17。バセドウ病や甲状腺がんの放射性ヨウ素治療を準備している患者に対しては、治療が効果的であるように、医師は短期間の厳格なヨウ素制限食を指示します51。ヨウ素摂取量については、主治医と相談するのが最善です。
遺伝:母が橋本病の場合、私も発症しますか?
自己免疫性甲状腺疾患には遺伝的要因があります。家族(母、姉妹)にバセドウ病や橋本病の人がいる場合、あなたのリスクは一般人口よりも高くなります16。しかし、遺伝がすべてではありません。ストレス、ウイルス感染、ホルモンの変化といった環境要因も病気の発症に重要な役割を果たします。遺伝的素因があるからといって必ずしも病気になるわけではありませんが、症状に注意を払い、定期的な検査を検討すべきであることを意味します。
生活習慣:ストレスは避けるべきですか?喫煙はどうですか?
ストレスは、バセドウ病を含む自己免疫疾患を誘発したり悪化させたりする可能性のある要因と考えられています16。瞑想、ヨガ、軽い運動などのストレス管理技術を取り入れることは有益かもしれません。
喫煙は特に有害です。バセドウ病治療における抗甲状腺薬の効果を低下させる可能性があり、バセドウ病眼症を悪化させる主要な危険因子です。すべての甲状腺患者に禁煙が強く推奨されます16
旅行:甲状腺疾患があっても日本へ旅行できますか?
全く問題ありません。甲状腺疾患があるからといって、日本への旅行を含め、旅行が妨げられることはありません。重要なのは、旅行期間中十分な薬を持参し、指示通りに定期的に服用することです。甲状腺機能亢進症がある場合、日本の食事がヨウ素豊富である可能性に注意が必要ですが、短期間の摂取であれば通常は大きな問題を引き起こしません。何か懸念がある場合は、旅行前に主治医に相談してください52
免責事項
この記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスを構成するものではありません。健康に関する懸念がある場合、またはご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

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