潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis, UC)と診断されたあなた、そしてそれを支えるご家族の皆様は、今、大きな衝撃と不安の中にいらっしゃるかもしれません。これまで経験したことのない症状、聞き慣れない病名、そして「難病」という言葉の響きに、将来への戸惑いを感じるのは当然のことです。しかし、まず最も重要なことをお伝えします。潰瘍性大腸炎は、現代の医療をもってすれば、症状をコントロールし、健康な方とほとんど変わらない生活を送ることが十分に可能な病気です1。完治に至る治療法はまだ確立されていませんが、有効な治療薬や治療法が次々と開発され、多くの患者さんが病状を安定させ(寛解状態)、学業、仕事、趣味、家庭生活を謳歌しています。この記事の目的は、皆様の信頼できる「パートナー」となることです。私たちは、日本および世界の最新の科学的根拠に基づいた、最も正確で包括的な情報を提供します。病気の正体を知り、治療の選択肢を理解し、日常生活で何ができるかを学ぶことは、不安を自信に変え、ご自身の治療に主体的に関わるための第一歩です。このガイドが、皆様が医師や医療チームと効果的に連携し、希望をもって病気と向き合うための一助となることを心から願っています。
本記事の科学的根拠
この記事は、入力された研究報告書に明示的に引用されている最高品質の医学的証拠にのみ基づいています。以下に示すリストには、実際に参照された情報源と、提示された医学的ガイダンスへの直接的な関連性のみが含まれています。
- 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班): 本記事における潰瘍性大腸炎の診断基準、重症度分類、および標準的な治療戦略に関する指針は、日本国内の診療におけるゴールドスタンダードであるこの研究班が作成した『潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針』に基づいています17。
- European Crohn’s and Colitis Organisation (ECCO): 中等症から重症の患者に対する治療選択肢、特に生物学的製剤や新しい治療薬の位置づけに関する記述は、欧州の主要な診療ガイドラインであるECCOガイドラインを参考にしています18。
- American Gastroenterological Association (AGA): 軽症から中等症の治療、特に5-ASA製剤の経口剤と局所製剤の併用療法の有効性に関する推奨は、米国消化器病学会(AGA)のガイドラインに基づいています22。
要点まとめ
- 潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に原因不明の炎症が起こる病気で、「活動期」と「寛解期」を繰り返します。日本の患者数は増加傾向にあります1。
- 現代の治療目標は、症状をなくすこと(臨床的寛解)に加え、内視鏡的に炎症が治まる「粘膜治癒」を達成し、長期的に維持することです18。
- 治療は重症度や炎症範囲に応じて行われ、基本薬の5-ASA製剤からステロイド、免疫調節薬、最先端の生物学的製剤やJAK阻害薬まで多様な選択肢があります6。
- 食事は病状に応じて調整します。活動期は低脂肪・低残渣食で腸を休ませ、寛解期はバランスの取れた食事が基本です14。厳しい制限は不要な場合が多いです。
- 日本の公的支援「指定難病医療費助成制度」を利用することで、医療費の負担を大幅に軽減できます1。
- 寛解期であっても、妊娠の計画、ワクチンの接種、定期的な大腸がん検診など、主治医と相談しながら管理すべき重要な健康課題があります24。
第1部:潰瘍性大腸炎を理解する — 管理への第一歩
1.1. 潰瘍性大腸炎とは?
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜(腸管の最も内側の層)に原因不明の炎症が慢性的に続く病気です4。クローン病と並んで「炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease, IBD)」という疾患群に含まれます。この病気の本質は、体を守るはずの免疫システムが異常をきたし、自らの大腸を誤って攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一種と考えられています2。炎症は、原則として直腸から始まり、連続的に大腸の奥側(口側)へと広がっていく特徴があります。
この病気は、症状が強く現れる「活動期」と、症状が落ち着いている「寛解期」を繰り返すことが特徴です5。治療の大きな目標は、この活動期の炎症を速やかに鎮めて寛解状態へと導き、その良好な状態をできるだけ長く維持することにあります7。
日本では、潰瘍性大腸炎は「指定難病97」に定められています1。患者数は年々増加傾向にあり、2015年の調査では約22万人と推定されています1。また、国の医療費助成制度の対象となっている患者さん(特定医療費受給者証所持者)の数は、2022年度で141,387人にのぼります12。発症年齢のピークは20代で、男女差はありません1。働き盛り、学び盛りの若い世代に多いこともこの病気の特徴です。
なぜこの病気になるのか、その正確な原因はまだ解明されていません5。しかし、現在の医学では、遺伝的な要因(病気になりやすい体質)、食生活や衛生環境といった環境要因、腸内細菌のバランス、そして免疫システムの異常、これらが複雑に絡み合って発症すると考えられています2。特に日本で患者数が増加している背景には、食生活の欧米化(高脂肪・高糖質な食事の増加)が関与している可能性が指摘されています1。これは、決して個人の生活習慣だけが原因というわけではなく、現代社会の環境変化が、病気の発症に影響を与えている可能性を示唆しています。
1.2. 症状:体からのサインを正しく認識する
潰瘍性大腸炎の症状は、大腸の炎症の範囲や程度によって様々ですが、特徴的なサインがあります。これらを正しく認識することが、早期発見・早期治療につながります。
主な腸管の症状
- 粘血便(ねんけつべん): 最も特徴的な症状です5。便に血液や粘液(ドロッとしたゼリー状のもの)が混じります。時に、便はなく血液と粘液だけが出ることもあります15。これは、大腸粘膜の炎症によって表面がただれ、出血したり粘液が過剰に分泌されたりするために起こります。
- 下痢: 頻繁に便意をもよおし、軟便や水のような便が出ます6。
- 腹痛: けいれんするような、あるいは持続的な痛みが起こります6。排便前に痛みが強くなることもあります。
- しぶり腹(後重): 何度も便意を感じてトイレに行くものの、便がほとんど出ないか、少量しか出ない状態を指します2。強い腹痛や残便感を伴うことが多く、患者さんにとって大きな苦痛となります。
全身にあらわれる症状(重症の場合)
大腸の炎症が強くなると、その影響は全身に及びます。
- 発熱
- 体重減少
- 全身倦怠感(だるさ)
- 貧血: 慢性的な出血により、めまいや動悸、息切れなどの貧血症状が現れます2。
腸管外合併症
炎症は、大腸だけでなく体の他の部分に及ぶこともあります。これを「腸管外合併症」と呼びます。これらの症状も、診断や治療方針の決定において重要な情報となるため、必ず医師に伝えましょう。
- 関節: 関節の痛みや腫れ(関節炎)
- 皮膚: すねなどにできる痛みを伴う赤いしこり(結節性紅斑)や、皮膚の深い潰瘍(壊疽性膿皮症)
- 眼: 目の充血や痛み、視力のかすみ(ぶどう膜炎、虹彩炎)2
1.3. 診断:医師はどのようにして潰瘍性大腸炎を確定するのか
「もしかして潰瘍性大腸炎かもしれない」と疑われる症状があった場合、医療機関では慎重なプロセスを経て診断を確定します。これは、似たような症状を引き起こす他の病気の可能性を一つひとつ丁寧に取り除き、最も適切な治療法を選択するためです。診断は単一の検査で決まるのではなく、いくつかの検査結果を総合的に判断する「除外診断」のプロセスであることを理解しておくことが重要です。
- 問診と身体診察: まず、どのような症状がいつから続いているか、海外渡航歴や最近の食事内容、服用中の薬などについて詳しく聞き取ります8。これにより、一時的な感染性腸炎などとの区別を行います。例えば、細菌やウイルスによる感染性腸炎は通常1〜2週間で自然に治ることが多いのに対し、潰瘍性大腸炎の症状は数週間以上にわたって持続します2。
- 血液検査: 全身の炎症の程度(CRP、赤沈)、貧血の有無(ヘモグロビン値)、栄養状態(アルブミン値)などを調べます2。これらは病気の重症度を客観的に評価する指標となります。
- 便検査: 便の中に細菌やウイルスがいないかを確認し、感染症を除外します6。また、便中のカルプロテクチンやLRGといったマーカーを測定することで、腸の炎症の程度を客観的に評価することができます2。
- 大腸内視鏡検査(下部消化管内視鏡)と生検: 潰瘍性大腸炎の診断を確定するために最も重要な検査です2。肛門から細いカメラ(内視鏡)を挿入し、大腸の粘膜を直接観察します。これにより、炎症の有無、特徴(赤み、血管が見えなくなる、ただれ、潰瘍など)、そして炎症がどこからどこまで広がっているかを正確に把握します。潰瘍性大腸炎では、炎症が直腸から連続的に広がっているのが典型的な所見です4。検査の際には、粘膜の組織を少量採取(生検)し、顕微鏡で詳しく調べる病理組織学的検査を行うことで、診断をより確実なものにします3。
この一連の丁寧な調査を通じて、医師は他の病気の可能性を排除し、潰瘍性大腸炎の確定診断に至ります。このプロセスは、患者さんにとっては時間がかかると感じられるかもしれませんが、正しい治療への道を確実にするための不可欠なステップなのです。
1.4. 病状の分類:治療方針を決めるための重要な指標
潰瘍性大腸炎の治療は、画一的なものではありません。患者さん一人ひとりの病状に合わせて、最適な治療法が選択されます。そのために、医師は「重症度」と「炎症の範囲(病型)」という2つの重要な指標を用いて病状を分類します6。これらの分類を理解することは、ご自身の状態を客観的に把握し、医師から提案される治療方針の根拠を理解する上で非常に役立ちます。
臨床的重症度による分類
患者さんが経験している症状や検査結果に基づいて、病気の活動性の高さを「軽症」「中等症」「重症」に分類します。これにより、例えば「なぜ入院して点滴治療が必要なのか」といった疑問が、「自分の症状が重症の基準を複数満たしているからだ」と具体的に理解できるようになります。これは、患者さんが治療の意思決定に積極的に参加するための重要な知識となります。
項目 | 軽症 | 重症 |
---|---|---|
① 排便回数 | 4回以下 | 6回以上 |
② 顕血便 | (-)~(+) | (+++) |
③ 発熱 | なし (<37.5℃) | $37.5℃$以上 |
④ 頻脈 | なし (<90回/分) | 90回/分以上 |
⑤ 貧血 | なし (Hb >10 g/dL) | Hb 10 g/dL以下 |
⑥ 赤沈/CRP | 正常 | 赤沈30 mm/h以上 or CRP 3.0 mg/dL以上 |
軽症: 上記6項目すべてを満たすもの。
重症: ①と②に加え、③または④のいずれかを満たし、かつ6項目のうち4項目以上を満たすもの。
中等症: 軽症と重症の中間にあたるもの。
劇症: 重症の中でも特に症状が激しく、1日15回以上の血性下痢や高熱など、さらに厳しい基準を満たす状態4。
※顕血便の程度: (-)なし、(+)半分以下の排便でわずかに血液が付着、(++)ほとんどの排便で明らかな血液の混入、(+++)大部分が血液4。
炎症の範囲(病変の拡がり)による分類
大腸内視鏡検査で確認された炎症の広がりによって、以下の3つのタイプに分類されます。これは、特に局所治療薬(坐薬や注腸剤)を選択する際に重要となります。
- 直腸炎型 (Proctitis): 炎症が直腸(肛門のすぐ奥の部分)に限局しているタイプ。
- 左側大腸炎型 (Left-sided Colitis): 炎症が直腸からS状結腸、下行結腸(体の左側にある大腸)まで広がっているタイプ。
- 全大腸炎型 (Pancolitis / Extensive Colitis): 炎症がさらに奥の横行結腸や上行結腸(体の右側)まで及んでいるタイプ5。
これらの分類に基づいて、次のパートで解説する具体的な治療戦略が立てられます。
第2部:現代医療の治療戦略 — 日本と世界の科学的根拠に基づく設計図
2.1. 現代治療の目標:症状緩和から粘膜治癒へ
かつて、潰瘍性大腸炎の治療目標は、下痢や腹痛といった辛い症状をなくすこと(臨床的寛解)が中心でした。しかし、近年の研究の進歩により、治療の考え方は大きく進化しています。
現代の治療における最も重要な目標は、「粘膜治癒(ねんまくちゆ)」を達成し、それを維持することです。粘膜治癒とは、症状がないだけでなく、大腸内視鏡で見たときに大腸の粘膜が正常に近い状態にまで回復していることを指します18。なぜこれが重要なのでしょうか。それは、たとえ症状がなくても、粘膜レベルで微細な炎症がくすぶり続けていると、将来的に再燃のリスクが高まったり、長期的な腸管のダメージが蓄積して手術が必要になったり、大腸がんのリスクが高まったりすることがわかってきたからです4。
したがって、現代の治療戦略は以下の3つの段階的な目標を掲げています。
- 短期目標(寛解導入): 活動期の強い炎症を、薬物療法などを用いて迅速に鎮め、症状のない「臨床的寛解」の状態にすること7。
- 究極の目標(粘膜治癒): 臨床的寛解を達成した上で、内視鏡的にも炎症が消失した「粘膜治癒」の状態を目指すこと。
- 長期目標(寛解維持): 粘膜治癒の状態をできるだけ長く、理想的にはステロイドを使わずに維持すること。これにより、再燃を防ぎ、入院や手術を回避し、長期的な合併症のリスクを低減させ、患者さんの生活の質(QOL)を最大限に高めることを目指します4。
この「粘膜治癒」という深いレベルでの寛解を目指す考え方が、寛解期であっても定期的な検査や治療の継続がなぜ重要なのか、という問いへの答えとなります。
2.2. 治療薬の全体像:あなたの選択肢を知る
潰瘍性大腸炎の治療には、炎症を抑えるための様々な薬剤が用いられます。どの薬を選択するかは、前述の重症度や病型、そして患者さん個々の状況によって決まります。まずは、治療の選択肢となる主な薬剤の全体像を把握しましょう。この表は、ご自身が処方されている薬がどのような位置づけにあるのか、また今後どのような選択肢があり得るのかを理解するための「地図」となります。
薬剤クラス | 一般名 | 主な本邦製品名 | 投与経路 | 主な役割 | 主な対象 |
---|---|---|---|---|---|
5-ASA製剤 | メサラジン | ペンタサ, アサコール, リアルダ | 経口, 注腸, 坐剤 | 寛解導入・維持 | 軽症~中等症 |
サラゾスルファピリジン | サラゾピリン | 経口, 坐剤 | 寛解導入・維持 | 軽症~中等症 | |
ステロイド | プレドニゾロン | プレドニン | 経口, 静注 | 寛解導入 (短期) | 中等症~重症 |
ブデソニド | レクタブル | 注腸フォーム | 寛解導入 (局所) | 軽症~中等症 | |
免疫調節薬 | アザチオプリン | イムラン, アザニン | 経口 | 寛解維持 | ステロイド依存例 |
タクロリムス | プログラフ | 経口 | 寛解導入 | ステロイド抵抗例 | |
生物学的製剤 (抗TNFα抗体) | インフリキシマブ | レミケード | 点滴静注 | 寛解導入・維持 | 中等症~重症 |
アダリムマブ | ヒュミラ | 皮下注射 | 寛解導入・維持 | 中等症~重症 | |
ゴリムマブ | シンポニー | 皮下注射 | 寛解導入・維持 | 中等症~重症 | |
生物学的製剤 (抗インテグリン抗体) | ベドリズマブ | エンタイビオ | 点滴静注, 皮下注射 | 寛解導入・維持 | 中等症~重症 |
生物学的製剤 (抗IL-12/23抗体) | ウステキヌマブ | ステラーラ | 点滴静注, 皮下注射 | 寛解導入・維持 | 中等症~重症 |
JAK阻害薬 | トファシチニブ | ゼルヤンツ | 経口 | 寛解導入・維持 | 中等症~重症 |
血球成分除去療法 | – | アダカラム | 体外循環 | 寛解導入 | 中等症~重症 |
2.3. 軽症~中等症の治療戦略
軽症から中等症の潰瘍性大腸炎の治療は、段階的に炎症をコントロールしていく「ステップアップ療法」が基本となります。
ステップ1:5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤
治療の基本となる薬剤です6。腸管の炎症を直接抑える働きがあり、寛解導入と寛解維持の両方に有効です。投与方法には、飲み薬である経口剤(ペンタサ®、アサコール®、リアルダ®など)と、肛門から直接薬剤を投与する局所製剤(坐剤、注腸剤)があります2。
- 直腸炎型: 坐剤が第一選択となります。
- 左側大腸炎型: 注腸剤が有効です。
- 全大腸炎型: 経口剤が基本となります。
米国消化器病学会(AGA)のガイドラインなどでは、特に左側大腸炎型や全大腸炎型の場合、経口剤と局所製剤を併用することで、より高い治療効果が得られることが示唆されています22。
ステップ2:ステロイド
5-ASA製剤で十分な効果が得られない場合や、活動性が中等症以上の場合には、ステロイドが用いられます2。ステロイドは非常に強力な抗炎症作用を持ちますが、長期使用による副作用のリスクがあるため、あくまで活動期の炎症を抑えるための「短期集中治療」と位置づけられています。
- 局所ステロイド(ブデソニド): レクタブル®注腸フォームのような薬剤は、腸管局所で作用し、全身への吸収が少ないため副作用のリスクが低いのが特徴です。左側大腸炎型などに用いられます2。
- 経口ステロイド(プレドニゾロン): プレドニン®などの経口ステロイドは、より広範囲の炎症や、局所ステロイドで効果不十分な場合に用いられます。重要なのは、ステロイドは寛解維持には用いられず、症状が改善したら8〜12週間かけて徐々に減量し、中止を目指すということです7。
2.4. 中等症~重症の治療戦略
中等症から重症の活動期には、より強力な治療で迅速に炎症をコントロールする必要があります。
初期治療:入院とステロイド静注療法
多くの場合、入院による全身管理が必要となります。絶食によって腸管を休ませ、点滴で水分や栄養を補給しながら、強力な抗炎症作用を持つステロイド(メチルプレドニゾロンなど)を静脈から点滴投与します2。
効果判定と次のステップ
ステロイドの静注療法を開始してから5〜7日程度で効果を判定します7。ここで十分な改善が見られない場合、「ステロイド抵抗例」と判断され、次の強力な治療法への移行が検討されます17。
ステロイド抵抗例・依存例に対する治療選択肢
ステロイドが効かない、あるいは減量すると再燃してしまう(ステロイド依存例)場合には、以下の「アドバンス治療」が選択肢となります。
- カルシニューリン阻害薬(タクロリムスなど): プログラフ®(タクロリムス)のような薬剤は、非常に速やかに効果を発揮するため、重症の患者さんを危険な状態から救うための「救援療法(ブリッジ治療)」として用いられます6。
- 血球成分除去療法(GMA/GCAP): 日本で利用可能な非薬物療法で、血液を体外に取り出し、炎症の原因となる活性化した白血球(特に顆粒球)を特殊なフィルターで除去してから体内に戻す治療法です。副作用が比較的少なく、安全性が高いのが特徴です6。
- 生物学的製剤・JAK阻害薬: これらは、免疫の異常に分子レベルで介入する最先端の治療薬です。
- 抗TNFα抗体製剤(レミケード®、ヒュミラ®、シンポニー®): 最初に登場した生物学的製剤で、寛解導入・維持ともに高い効果が証明されています6。
- 抗インテグリン抗体製剤(エンタイビオ®): 炎症細胞が腸管に侵入するのを防ぐ、腸管選択性の高い薬剤です。全身の免疫抑制が比較的少ないため、感染症のリスクが低い可能性が期待されます18。
- 抗IL-12/23抗体製剤(ステラーラ®): 別の炎症経路を標的とする薬剤で、他の生物学的製剤が効かなかった場合にも効果が期待できます18。
- JAK阻害薬(ゼルヤンツ®など): 注射や点滴ではなく経口で投与できる低分子化合物で、患者さんの利便性が高い治療選択肢です18。
近年、ECCOなどの欧米のガイドラインでは、特に予後不良因子(若年発症、広範囲の炎症、深い潰瘍など)を持つ中等症〜重症の患者さんに対して、早い段階から生物学的製剤などの強力な治療を開始する「トップダウン治療」や「早期ステップアップ治療」の有効性が示唆されています21。これは、早期に強力な治療で「粘膜治癒」を達成し、長期的な腸管のダメージを防ぐという考え方に基づいています。日本の標準的な治療は段階的なステップアップが基本ですが、ご自身の病状によっては、このような先進的な治療戦略について専門医と相談してみる価値はあるでしょう。
2.5. 寛解維持療法:再燃を防ぐための長期計画
活動期の嵐が過ぎ去り、症状のない穏やかな「寛解期」に入った後も、治療は終わりではありません。症状がないからといって自己判断で服薬を中断してしまうと、高い確率で再燃し、かえって治療が難しくなることがあります。寛解をできるだけ長く維持するための「寛解維持療法」は、潰瘍性大腸炎と長く付き合っていく上で最も重要な要素の一つです7。
- 軽症〜中等症で寛解した場合: 通常、寛解導入に用いた5-ASA製剤を継続して服用します2。
- 中等症〜重症で寛解した場合:
2.6. 外科治療:手術が選択肢となる時
潰瘍性大腸炎の治療の基本は内科的治療ですが、特定の状況下では外科手術が最善の選択肢となることがあります。手術は決して治療の「失敗」ではなく、生活の質(QOL)を劇的に改善し、生命の危険を回避するための有効な治療法です2。
手術が検討される主なケース
- 緊急手術:
- 内科治療に反応しない劇症例
- 中毒性巨大結腸症(大腸が風船のように膨らみ、破裂の危険がある状態)
- 大腸穿孔(大腸に穴が開くこと)
- コントロール不能な大量出血2
- 予定手術:
- 内科治療で十分な効果が得られない難治例
- 薬の副作用が強く、継続が困難な場合
- 大腸がん、あるいはその前段階である異形成(dysplasia)が発見された場合2
標準的な手術方法
現在、標準的に行われるのは、大腸と直腸をすべて切除した上で、小腸の末端を使って便を溜めるための「袋(回腸嚢、J-pouch)」を作成し、それを肛門につなぐ手術(回腸嚢肛門吻合術)です6。この方法により、永久的な人工肛門(ストーマ)を造設することなく、術後も肛門からの排便機能を温存でき、多くの場合、食事や生活の制限もほとんどなくなります。
第3部:潰瘍性大腸炎と生きる — 日常生活のためのアクションプラン
3.1. 食事と栄養:知っておくべき事実と誤解
潰瘍性大腸炎と診断されると、食事に関する不安や疑問が最も大きくなるかもしれません。「何を食べたらいいのか、何を食べたらいけないのか」という問いは、多くの患者さんが抱えるものです。
まず、最も重要な原則は、「特定の食事が潰瘍性大腸炎を根本的に引き起こしたり、治したりするという科学的根拠はない」ということです14。食事療法の目的は、病気を治すことではなく、活動期には症状を悪化させないように腸への負担を減らし、寛解期には良好な栄養状態を維持することにあります。
活動期と寛解期で食事の考え方を変える
食事のポイントは、病状が安定している「寛解期」と、症状が出ている「活動期」で大きく異なります。
- 活動期(症状がある時): 大腸が炎症で敏感になっているため、「低脂肪・低残渣(ていざんさ:食物繊維が少ない)」が基本です。消化が良く、腸を刺激しない食事を心がけましょう。下痢や腹痛を悪化させる可能性がある高脂肪食(揚げ物、脂身の多い肉など)、刺激の強い香辛料、アルコール、カフェイン、冷たい飲み物は避けるのが賢明です28。また、下痢による脱水症状を防ぐため、こまめな水分補給が非常に重要です30。
- 寛解期(症状がない時): 原則として、厳しい食事制限は必要ありません28。暴飲暴食を避け、栄養バランスの取れた食事を心がけることが大切です。ただし、人によっては特定の食品が体調に影響することがあるため(個人差があります)、もし「これを食べると調子が悪くなる」という食品があれば、それを避けるようにしましょう32。寛解期には、食事を楽しむことも生活の質を維持する上で大切な要素です。
項目 | 活動期 – 腸を休ませる | 寛解期 – バランス良く |
---|---|---|
基本方針 | 低脂肪・低残渣(低食物繊維)・高エネルギー・高たんぱく | バランスの取れた食事。厳密な制限は不要。 |
主食 | おかゆ, うどん, 食パンなど消化の良いもの | ごはん, パスタなど通常通り |
たんぱく質 | 脂肪の少ない鶏ささみ, 白身魚, 豆腐, 卵 | 脂肪の多い肉は控えめにしつつ、通常通り |
脂質 | 厳しく制限。揚げ物, バター, 脂身の多い肉は避ける | 過剰摂取は避けるが、適量は問題ない |
食物繊維 | 消化の悪い不溶性食物繊維(きのこ, 海藻, ごぼうなど)は避ける | 制限は不要。バランス良く摂取。 |
飲料 | 冷たいもの, 炭酸飲料, アルコール, コーヒーは避ける。水分補給は常温で。 | 適量であれば問題ないことが多いが、個人差あり |
その他 | 刺激の強い香辛料は避ける | 暴飲暴食を避ける |
3.2. ライフスタイル、運動、ストレス管理
潰瘍性大腸炎は、身体的な側面だけでなく、精神的な側面も生活の質に大きく影響します。
- ストレス: ストレスが直接的に潰瘍性大腸炎を引き起こすわけではありません。しかし、強いストレスや疲労、睡眠不足は免疫系のバランスを崩し、症状を悪化させる「引き金(トリガー)」になることがあります2。十分な睡眠をとり、自分に合ったリラクゼーション法(趣味、音楽鑑賞、軽い運動など)を見つけて、上手にストレスを管理することが、寛解を維持する上で役立ちます。
- 運動: 寛解期であれば、運動を制限する必要はありません。むしろ、ウォーキングやヨガなどの軽度から中等度の運動は、体力維持やストレス解消に繋がり、有益であると考えられています31。ただし、活動期で体調が優れない時は、無理をせず安静にすることが大切です。
- 喫煙: 喫煙は、クローン病では明確な増悪因子ですが、潰瘍性大腸炎との関係は複雑です。一部の研究では喫煙者で発症リスクが低いという報告もありますが、喫煙は肺がんや心臓病など他の多くの深刻な健康問題を引き起こすため、総合的に見て禁煙が強く推奨されます6。
3.3. 日本の医療制度を賢く利用する
潰瘍性大腸炎は、長期にわたる治療が必要となるため、医療費の負担が心配になる方も多いでしょう。日本では、このような患者さんの負担を軽減するための公的な支援制度が整備されています。
指定難病医療費助成制度
潰瘍性大腸炎は国の指定難病であるため、重症度などの一定の基準を満たす場合、「指定難病医療費助成制度」を利用することができます1。この制度の認定を受けると、潰瘍性大腸炎に関連する医療費(診察、検査、薬剤費など)の自己負担額に上限が設けられ、負担が大幅に軽減されます。
- 対象者: 原則として、重症度分類で「中等症」以上の方が対象となります。ただし、軽症であっても、高額な医療(生物学的製剤など)を継続する必要がある場合は対象となることがあります。
- 申請手続き: 申請には、主治医が作成した「臨床調査個人票」などの書類を揃えて、お住まいの都道府県または指定都市の窓口(保健所など)に提出する必要があります。
- メリット: 認定されると、世帯の所得に応じて自己負担上限額が月額で定められます。その上限額を超えた分の医療費は助成されるため、安心して治療を継続することができます。
この制度は、患者さんが経済的な心配をせずに適切な治療を受け続けるための重要なセーフティネットです。ご自身の病状が対象となるか、まずは主治医や病院のソーシャルワーカーに相談してみましょう。
3.4. 知っておくべき重要事項:妊娠、ワクチン、がん検診
寛解期を長く維持し、健康な生活を送るためには、治療以外にも積極的に管理すべき重要な健康課題があります。
妊娠・出産
潰瘍性大腸炎であっても、健康な赤ちゃんを妊娠・出産することは十分に可能です。最も重要なことは、「病状が安定している寛解期に妊娠を計画すること」です2。活動期に妊娠すると、母体にも胎児にもリスクが高まる可能性があります。妊娠を希望する場合は、必ず事前に消化器内科の主治医と産婦人科医に相談し、治療を継続しながら安全に出産を迎えられるよう計画を立てることが不可欠です。多くの治療薬は妊娠中も安全に継続可能であり、自己判断で中断することはかえって危険です。
ワクチン
ステロイド、免疫調節薬、生物学的製剤など、免疫を抑制する作用のある薬を使用している場合、体の抵抗力が低下します。そのため、生ワクチン(麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘など、弱毒化したウイルスや細菌を使うワクチン)の接種は、ワクチンによって感染症を発症するリスクがあるため、原則として禁忌(接種してはいけない)となります8。したがって、これらの強力な治療を開始する前に、必要なワクチンは済ませておくことが非常に重要です。インフルエンザワクチンや新型コロナウイルスのmRNAワクチンなどの不活化ワクチンは、安全に接種でき、むしろ感染症予防のために推奨されます。
大腸がんサーベイランス(検診)
潰瘍性大腸炎が長期間(特に発症から8〜10年以上)、かつ広範囲(特に全大腸炎型)にわたって続くと、大腸がんを発症するリスクが健康な人よりも高くなることが知られています4。このリスクを管理するため、たとえ症状がない寛解期であっても、定期的な大腸内視鏡検査による「サーベイランス(監視)」が不可欠です。通常、1〜2年に1回の内視鏡検査で、がんやその前段階である「異形成(dysplasia)」がないかをチェックします。これにより、万が一がんが発生しても早期に発見し、治療することが可能になります。なお、5-ASA製剤を継続して服用することが、大腸がんのリスクを低減させる可能性も報告されています4。
よくある質問
潰瘍性大腸炎は完治しますか?
現時点では、潰瘍性大腸炎を完治させる治療法は確立されていません1。しかし、この記事で解説したように、非常に効果的な治療薬が多数存在し、症状をコントロールして「寛解」という病状が落ち着いた状態を長期間維持することは十分に可能です。現代の治療目標である「粘膜治癒」を達成できれば、健康な方とほとんど変わらない日常生活を送ることができます。
薬を一生飲み続けなければならないのでしょうか?
多くの場合、寛解状態を維持するために薬の継続が必要となります7。症状がないからといって自己判断で薬をやめてしまうと、高い確率で再燃(症状が再び悪化すること)が起こります。再燃すると、以前よりも強い治療が必要になることもあるため、主治医の指示に従って寛解維持療法を続けることが、長期的に見て良好な状態を保つための最も確実な方法です。
食事で気をつけることは何ですか?
遺伝するのでしょうか?
潰瘍性大腸炎の発症には、遺伝的な要因が関わっていると考えられていますが、単純に親から子へ遺伝する病気ではありません2。病気になりやすい体質(遺伝的素因)に、食生活などの環境要因や免疫系の異常が複雑に絡み合って発症すると考えられています。ご家族に患者さんがいる場合、発症する可能性は少し高くなりますが、必ずしも発症するわけではありません。
結論
潰瘍性大腸炎は、確かに「難病」とされていますが、決して「不治の病」ではありません。この記事を通して、病気の正体、科学的根拠に基づいた多様な治療選択肢、そして日常生活における具体的な管理方法について、深くご理解いただけたことと思います。最も大切なことは、正しい知識を身につけ、ご自身の病状を理解し、主治医と信頼関係を築きながら、治療の意思決定に主体的に参加することです。
治療の進歩は目覚ましく、新しい治療薬が次々と登場し、治療の未来はさらに明るくなっています35。不安や疑問があれば一人で抱え込まず、医師や医療スタッフ、そして同じ病気を持つ仲間と共有してください。この包括的ガイドが、あなたが希望を持って潰瘍性大腸炎と向き合い、自分らしい充実した人生を歩んでいくための一助となることを、JAPANESEHEALTH.ORG編集部一同、心より願っています。
免責事項
本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスを構成するものではありません。健康に関する懸念がある場合、またはご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。
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