【科学的根拠に基づく】炎症性乳がんの全て:特徴・症状から診断、最新の集学的治療、予後までを徹底解説
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【科学的根拠に基づく】炎症性乳がんの全て:特徴・症状から診断、最新の集学的治療、予後までを徹底解説

この記事をお読みの方は、ご自身や大切なご家族が「炎症性乳がん」という聞き慣れない病名を告げられたり、その可能性を指摘されたりして、大きな不安の中にいらっしゃるかもしれません。希少で進行が速いとされるこの病気について、正確で信頼できる情報を探すことは、精神的にも大きな負担となることでしょう。本稿の目的は、そのような方々に向けて、炎症性乳がんに関する最新かつ包括的な医学的知見を、日本の医療事情に合わせて分かりやすく提供することです。科学的根拠に基づいた情報が、患者さんとそのご家族が病気を正しく理解し、納得して治療に臨むための一助となることを目指します。
炎症性乳がんは、乳がん全体の中では非常に稀なタイプです。米国国立がん研究所(NCI)によると、米国では全乳がんの1~5%を占めるに過ぎません1。日本国内でも、その割合は浸潤性乳がんの約0.5~5%と報告されています4。このがんは、乳房の皮膚の下にあるリンパ管にがん細胞が詰まってしまうことでリンパの流れが滞り、乳房が赤く腫れ上がるなど、まるで「炎症」を起こしたかのような特徴的な症状を引き起こします1。しかし、これは細菌感染などによる本当の炎症ではなく、がん細胞による物理的な閉塞が原因です11
この病気は「希少である」ことと「進行が速い(悪性度が高い)」こと、この二つの性質が患者さんに大きな心理的負担を与えます。「希少」であるために情報が少なく、主治医でさえも経験が豊富ではないかもしれないという孤独感や不安を抱きがちです。また、「進行が速い」という言葉は、予後や治療の緊急性に対する強い恐怖を直接的に引き起こします。
だからこそ、本稿では、この二重の不安に正面から向き合います。希少であるがゆえの情報の乏しさを補うため、日本乳癌学会の診療ガイドライン3や、NCI1をはじめとする国際的な専門機関の最新の見解に基づいた、深く、具体的な情報を提供します。そして、進行が速いという事実に対しては、現在確立されている強力な治療戦略「集学的治療」の全体像を段階的に、かつ明確に解説することで、いたずらに恐怖を煽るのではなく、前向きに治療と向き合うための知識を提供します。
この記事を通じて、炎症性乳がんという困難な病気について、その特徴から診断、最新の治療法、そして治療後の生活や利用できる支援制度に至るまで、一貫した信頼性の高い情報を提供し、皆様の道筋を照らす一筋の光となることを心から願っています。

この記事の科学的根拠

本記事は、提供された研究報告書に明示的に引用されている、最高品質の医学的根拠にのみ基づいて作成されています。以下は、実際に参照された情報源とその医学的指導の関連性を示すリストです。

  • 米国国立がん研究所(NCI): 本記事における炎症性乳がんの定義、症状、発生率(米国での全乳がんの1~5%)、標準的な治療法(集学的治療)、および予後に関する統計データの多くは、NCIが提供するファクトシートに基づいています1
  • 日本乳癌学会: 日本国内における炎症性乳がんの位置づけや、治療方針の決定に用いられるTNM分類(T4d)、およびホルモン療法などの薬物療法に関する記述は、同学会の診療ガイドラインを参考にしています313
  • 国際専門家パネルのコンセンサス声明: 診断基準や画像診断(マンモグラフィ、超音波)、生検の重要性に関する記述は、Annals of Oncology誌に掲載された国際的な専門家パネルによる標準化された診断・治療のための合意声明に準拠しています22
  • MDアンダーソンがんセンター: 炎症性乳がん研究の最前線、専門クリニックの存在、そして上野直人医師のような専門家の活動に関する情報は、同センターの公式情報に基づいています4041

要点まとめ

  • 炎症性乳がんは希少(全乳がんの1~5%)かつ進行が速いがんで、しこりではなく皮膚の赤み、腫れ、熱感といった乳腺炎に似た症状で発症します1
  • 特徴的な所見として、皮膚がオレンジの皮のようになる「橙皮状皮膚(とうひじょうひふ)」があります1。抗生物質で改善しない乳腺炎様の症状は、専門医への相談が急がれます。
  • 診断された時点でステージIIIBまたはIVとなり、早期がんではありません1。確定診断には皮膚を含む組織の生検が必須です2
  • 治療は、術前薬物療法、手術、術後放射線・薬物療法を組み合わせた「集学的治療」が標準です1。乳房温存手術は適応となりません。
  • 予後は厳しいとされますが、分子標的薬などの登場により治療成績は向上しています2。統計は過去のデータであり、個人の未来を決定するものではありません。

炎症性乳がんの「しるし」:見逃してはいけない特徴的な症状

炎症性乳がんの最大の特徴は、一般的な乳がんのイメージである「しこり」とは全く異なる形で現れることです。多くの場合、はっきりとしたしこりは触れず2、その代わりに皮膚に急激な変化が現れます。これらの症状は数週間から数ヶ月という短期間で急速に進行するため1、少しでも異変を感じたら、決して見過ごさず、速やかに専門医に相談することが極めて重要です。

主な症状

炎症性乳がんの典型的な症状は以下の通りです。

  • 急速な乳房の腫れと赤み(浮腫と発赤): 片方の乳房が急に腫れて大きくなり、重く感じられるようになります。同時に、乳房の皮膚の3分の1以上に、広範囲な赤み(発赤)が現れます1。皮膚の色は、ピンク色、赤紫色、あるいは打撲した後のような青紫色に見えることもあります1
  • 皮膚の質感の変化(橙皮状皮膚): がん細胞がリンパ管を塞ぐことで皮膚がむくみ、毛穴が窪んで見えるようになります。この外見がオレンジの皮に似ていることから、「橙皮状皮膚(とうひじょうひふ)」またはフランス語で「peau d’orange(ポー・ドランジュ)」と呼ばれます。これは炎症性乳がんに非常に特徴的な所見です1
  • 熱感、痛み、かゆみ: 患部の乳房が熱っぽく感じられたり、ズキズキとした痛みや圧痛(押すと痛む)、かゆみを伴ったりすることがあります2
  • 乳頭の変化: それまで正常だった乳頭が平坦になったり、内側に引き込まれたり(陥没乳頭)することがあります8
  • リンパ節の腫れ: 脇の下(腋窩)や鎖骨の上下にあるリンパ節が腫れることがあります14

これらの症状は、がん細胞が乳房の皮膚内にあるリンパ管に広がり、リンパ液の流れを堰き止めてしまうことで生じます2

症状の現れ方に関する注意点

症状の現れ方には個人差があり、特に注意すべき点がいくつかあります。
第一に、肌の色によっては「赤み」が分かりにくい場合があることです。特に肌の色が濃い方の場合、典型的な赤みとしてではなく、皮膚の色の微妙な変化や紫がかった色調として現れることがあります15。そのため、皮膚の色の変化がはっきりしない場合でも、急激な「腫れ」「熱感」「重さ」「皮膚の質感の変化」といった他の症状に注意を払うことが重要です。
第二に、これらの症状は、授乳期によく見られる「乳腺炎」と非常によく似ているため、誤診されやすいという大きな問題点があります。

【最重要】乳腺炎と診断されても、抗生物質で改善しない場合は要注意

炎症性乳がんの症状(赤み、腫れ、熱感、痛み)は、細菌感染によって起こる乳腺炎の症状と酷似しています8。乳腺炎は炎症性乳がんよりもはるかに頻度の高い病気であるため、特に授乳中や妊娠中の女性の場合、最初の診断として乳腺炎が疑われ、抗生物質が処方されることが少なくありません9
しかし、ここが運命の分かれ道となり得ます。炎症性乳がんは抗生物質では全く効果がありません。もし、抗生物質を服用し始めてから7日から10日経っても症状が全く改善しない、あるいはむしろ悪化している場合は、自己判断で様子を見ることは絶対に避けてください。直ちに処方した医師にその旨を伝え、乳腺外科など乳がんを専門とする診療科への紹介を強く求めてください14
炎症性乳がんは極めて進行が速いため、診断が数週間遅れるだけで、病状が大きく進行し、治療の選択肢や予後に深刻な影響を及ぼす可能性があります1。特に、妊娠・授乳中ではない方や閉経後の方にこれらの症状が現れた場合は、より一層、炎症性乳がんの可能性を念頭に置く必要があります14。診断の遅れは、治癒の機会を逃すことに直結しかねないのです21

以下の比較表は、ご自身の症状を客観的に判断するための一助となるでしょう。

表1:炎症性乳がんと一般的な乳腺炎の比較
症状・特徴 炎症性乳がん 一般的な乳腺炎
発症の速さ 急激(数週間~数ヶ月単位で進行)1 急性(数日で発症)
しこり 通常、触知できるしこりは無いことが多い13 しこりや硬結を伴うことが多い
全身の発熱 伴わないことが多い 38度以上の高熱を伴うことが多い
抗生物質の効果 全く効果がない11 通常、数日で症状が改善する
皮膚の状態 オレンジの皮のような凹凸(橙皮状皮膚)が特徴的1 橙皮状皮膚は通常見られない
症状の持続性 治療を開始しない限り、症状は持続・悪化する 適切な治療で軽快する

この表はあくまで目安です。最終的な診断は専門医による精密検査によってのみ可能です。症状が一つでも当てはまる場合は、ためらわずに乳腺専門医の診察を受けてください。


診断への道のり:確定診断に至るまでの精密検査

炎症性乳がんの診断は、その特徴的な見た目から疑われることが多いですが、確定診断のためには複数の精密検査を段階的に進めていく必要があります。診断プロセスは、患者さんの不安を煽るものではなく、最も効果的な治療法を決定するための極めて重要なステップです。

ステップ1:臨床診断(問診・視診・触診)

診断の第一歩は、乳腺専門医による問診と診察です。医師は、いつからどのような症状が現れたか(発症時期と進行の速さ)、乳房の見た目(赤みや腫れの範囲、橙皮状皮膚の有無)、熱感、痛みなどについて詳しく確認します11
国際的な専門家パネルによって定められた診断の最低基準には、以下の項目が含まれます122

  • 乳房の赤み(紅斑)、むくみ(浮腫)、橙皮状皮膚、および/または熱感の急激な発症
  • 症状が現れてからの期間が6ヶ月以内であること
  • 赤みが乳房の3分の1以上を占めていること

この段階で炎症性乳がんが強く疑われた場合、速やかに次の画像検査へと進みます。

ステップ2:画像診断

画像診断は、乳房内部の状態を客観的に評価し、生検(組織を採取する検査)を行うべき場所を特定するために不可欠です。

  • マンモグラフィ(乳房X線検査)と超音波(エコー)検査: これらは最初に行われる基本的な画像検査です1。しかし、炎症性乳がんは特徴的なしこりを形成しないことが多いため、一般的な乳がんのように「白い影」として写らないことがあります7。マンモグラフィでは、乳房全体の濃度の上昇や、特徴的な所見である皮膚の肥厚(厚みが増すこと)が認められます15。超音波検査は、皮膚の肥厚やリンパ管の拡張を評価したり、生検のための病変を特定したりするのに非常に有用です22
  • MRI検査: MRIはマンモグラフィや超音波検査よりも感度が高く、乳房内の病変をより詳細に捉えることができます22。しかし、検査に時間がかかり費用も高額であるため、全ての症例で最初から行われるわけではありません。マンモグラフィや超音波で生検の対象となる病変がはっきりと特定できない場合に、追加の検査として用いられることがあります22

ステップ3:確定診断(生検)

画像検査でどれほど強く疑われても、最終的な確定診断は、病変の組織の一部を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を確認する「生検(せいけん)」によってのみ下されます。これは診断プロセスにおける「ゴールドスタンダード(最も信頼性の高い基準)」です2

  • 針生検(コアニードルバイオプシー): 画像検査で特定された乳房内の疑わしい部分に、局所麻酔をして少し太い針を刺し、組織を採取します。
  • 皮膚生検(スキンパンチバイオプシー): 炎症性乳がんの典型的な所見である「皮膚のリンパ管へのがん細胞の浸潤(しんじゅん)」を確認するために、赤くなっている部分の皮膚を小さな円筒状のメスでくり抜いて採取することがあります2

炎症性乳がんの診断は、医師が目で見て判断する「臨床所見」と、採取した組織を顕微鏡で調べる「病理所見」の二つが揃って初めて確定します。つまり、特徴的な皮膚症状があっても、生検で「浸潤がん」が証明されなければ炎症性乳がんとは診断されません。逆に、生検でがんが見つかっても、特徴的な皮膚症状がなければ、それは他のタイプの乳がんとなります。この「臨床像」と「病理像」の組み合わせが、診断の鍵を握るのです11

ステップ4:病理診断とステージ(病期)分類

生検で採取された組織は、病理医によって詳細に分析されます。この分析結果は、その後の治療方針を決定する上で最も重要な情報となります。

  • サブタイプ(性質)の分析: がん細胞の表面に、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)を受け取る鍵穴(受容体)があるか(ホルモン受容体陽性/陰性)、そして、がん細胞の増殖に関わる「HER2(ハーツー)」というタンパク質が過剰に作られているか(HER2陽性/陰性)を調べます1。これらの結果によって、ホルモン療法や分子標的薬といった特定の薬剤が効くかどうかが決まります。炎症性乳がんは、ホルモン受容体陰性であることが多いと報告されています3
  • ステージ(病期)分類: がんの広がり具合を示すステージは、TNM分類という国際的な基準で決定されます。炎症性乳がんは、その定義上、がん細胞が皮膚にまで広がっているため、TNM分類では「T4d」に分類されます11。その結果、診断された時点で、遠隔転移(骨や肺、肝臓などへの転移)がなければ「ステージIIIB」、遠隔転移があれば「ステージIV」と診断されます。つまり、早期がんであるステージIやIIに分類されることはありません1

炎症性乳がんが疑われる場合、診断のスピードは極めて重要です。なぜなら、このがんは急速に進行するからです。検査の予約や結果説明が遅いと感じた場合は、遠慮なくその旨を医療スタッフに伝え、迅速な対応を求めましょう。多くの専門施設では、この病気の緊急性を理解しており、例えば米国のジョンズ・ホプキンス病院では、生検の結果を24時間以内に報告することを目指し、患者の不安軽減に努めています23。診断プロセスの遅れは、患者さんにとって計り知れないストレスであり、治療成績にも影響しかねません。自身の状況を正確に把握し、積極的に医療チームとコミュニケーションをとることが大切です。


標準治療の全体像:集学的治療(Multimodal Approach)の徹底解説

炎症性乳がんの治療は、一つの治療法だけで完結するものではありません。手術、薬物療法、放射線療法という異なる種類の治療法を、最も効果的な順序で組み合わせる「集学的治療(しゅうがくてきちりょう)」が、世界的な標準治療として確立されています1。この計画的なアプローチにより、治療効果の向上と生存期間の延長が研究で示されています1
遠隔転移のないステージIIIの炎症性乳がんに対する標準的な治療の流れは、以下の3つのフェーズで構成されます。

フェーズ1:術前薬物療法(ネオアジュバント療法)

炎症性乳がんの治療は、多くの方がイメージする「まず手術でがんを取り除く」という流れとは異なります。治療の第一歩は、手術の前に行う薬物療法です。これを「術前薬物療法」または「ネオアジュバント療法」と呼びます1
このアプローチは、一見すると回り道のように思えるかもしれませんが、極めて重要な戦略に基づいています。炎症性乳がんは、診断された時点ですでにがん細胞がリンパ管を通って広範囲に散らばっている可能性が高い「全身病」として捉えられます。そのため、最初に手術で目に見える部分だけを取り除いても、見えないがん細胞が残ってしまい、再発の危険性が非常に高くなります。
そこで、まず全身に効果が及ぶ薬物療法を行うのです。これは、庭に広範囲に根を張った雑草を駆除する作業に似ています。目に見える雑草(乳房のがん)をいきなり引き抜く(手術する)前に、まず強力な除草剤(術前薬物療法)を撒いて、土の中に張り巡らされた見えない根(リンパ管内のがん細胞)までしっかりと叩く。これにより、がんを縮小させて手術をより安全かつ効果的に行えるようにし、さらに全身に散らばった微小ながん細胞を根絶やしにすることで、再発の危険性を大幅に減らすことができるのです1
術前薬物療法で用いられる薬剤は、生検で判明した「サブタイプ」によって決まります。

  • 化学療法(抗がん剤): サブタイプに関わらず、全ての患者さんに行われます。現在、最も標準的なのは、「アンスラサイクリン系薬剤」と「タキサン系薬剤」という2種類の強力な抗がん剤を順次投与する方法です3。治療期間は通常4~6ヶ月で、6サイクル以上の投与が推奨されます1
  • 分子標的治療: がんがHER2陽性の場合、化学療法に加えて、HER2タンパク質を狙い撃ちする分子標的薬である「トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)」と「ペルツズマブ(商品名:パージェタ)」を併用します5。この併用療法は、HER2陽性乳がんの治療成績を劇的に向上させました。

フェーズ2:外科手術

術前薬物療法によってがんが十分に縮小した後、次のステップとして外科手術が行われます。

  • 手術術式: 炎症性乳がんに対する標準的な手術は「改良型乳房切除術(非定型乳房切除術)」です1。これは、患側の乳房全体と、胸の筋肉を覆っている膜、そして脇の下のリンパ節の大部分を切除する手術です。
  • 乳房温存手術について: 炎症性乳がんは、がん細胞が乳房全体にびまん性(広範囲に)に広がっているため、乳房の一部だけを切除する「乳房温存手術」は適応となりません17。がんを完全に取り残しなく切除し、局所再発の危険性を最小限に抑えるためには、乳房全体の切除が不可欠です。

フェーズ3:術後補助療法(アジュバント療法)

手術で目に見えるがんを取り除いた後も、治療は終わりではありません。再発を予防するために、術後補助療法(アジュバント療法)が行われます。

  • 放射線治療: 乳房切除術後の放射線治療は、集学的治療において必須の要素です1。手術で乳房を摘出した後の胸壁(胸の皮膚や筋肉)と、鎖骨の上下や脇の下のリンパ節領域に放射線を照射します。これにより、手術で取り切れなかった可能性のある微細ながん細胞を死滅させ、局所再発の危険性をさらに低減させます。
  • 薬物療法(継続): サブタイプに応じて、以下の薬物療法が術後も継続、または開始されます。
    • ホルモン療法: がんがホルモン受容体陽性(ER陽性および/またはPR陽性)の場合、タモキシフェンやアロマターゼ阻害薬といったホルモン剤を、通常5年から10年間服用します。これにより、女性ホルモンががん細胞の増殖を促すのを防ぎます1
    • 分子標的治療: HER2陽性の場合、術前から使用していたトラスツズマブ(とペルツズマブ)の投与を、術後も継続し、合計で1年間の治療を完了させることが標準です1
    • 追加の化学療法: 患者さんの状態や術前化学療法の効果によっては、追加の化学療法が検討されることもあります1

乳房再建について

乳房を失うことは、女性にとって大きな喪失感を伴います。乳房再建は、炎症性乳がんの患者さんにとっても選択肢の一つです。しかし、治療の順序が非常に重要になります。
炎症性乳がんの治療では、術後の放射線治療が極めて重要であるため、乳房再建は手術と同時に行うのではなく、放射線治療が全て完了した後に時期をずらして行う「二期再建(遅延再建)」が原則となります1。これは、再建した乳房(インプラントや自家組織)が放射線治療の効果を妨げたり、合併症の危険性を高めたりするのを避けるためです。
以下の表は、ステージIIIの炎症性乳がんに対する集学的治療の標準的な流れを視覚的にまとめたものです。ご自身の治療がどの段階にあるのかを理解する一助としてご活用ください。

表2:ステージIII 炎症性乳がんの集学的治療の流れ
フェーズ 治療内容 詳細・目的
フェーズ1 術前薬物療法 期間:約4~6ヶ月
・化学療法(必須): アンスラサイクリン系 + タキサン系薬剤
・分子標的治療(HER2陽性の場合): 化学療法 + トラスツズマブ + ペルツズマブ
目的: 全身のがん細胞を攻撃し、乳房のがんを縮小させ、手術を可能にする。
フェーズ2 外科手術 術式:改良型乳房切除術 + 腋窩リンパ節郭清
※乳房温存手術は不可
目的: 薬物療法で縮小した乳房内のがんを物理的に切除する。
フェーズ3 術後補助療法 期間:数ヶ月~10年
・放射線治療(必須): 胸壁 + 所属リンパ節領域
・ホルモン療法(ホルモン受容体陽性の場合): 5~10年間
・分子標的治療(HER2陽性の場合): 術前からの治療を継続し、合計1年間
目的: 残存する可能性のある微小ながん細胞を根絶し、再発を予防する。

この一連の治療計画は、生検で得られた「サブタイプ」という情報に基づいて組み立てられる、非常に個別化された「レシピ」です。ご自身のサブタイプが何か、そしてそれがなぜ特定の薬剤の選択に繋がっているのかを理解することは、治療全体を把握する上で非常に重要です。


予後と治療後の生活について

炎症性乳がんは進行が速く、診断時にすでに進行した状態で見つかることが多いため、他の一般的なタイプの乳がんと比較して予後が厳しい(治療後の経過が良好でない可能性がある)とされています2。この事実は、患者さんとご家族にとって最も受け入れがたい情報かもしれません。しかし、正確な情報を知ることは、今後の人生設計や治療への心構えにとって不可欠です。ここでは、統計データと、その数字をどう捉えるべきかについて、誠実にお伝えします。

予後(プログノーシス)について

予後を示す指標として「5年生存率」がよく用いられます。これは、がんと診断された人のうち、5年後に生存している人の割合を示す統計データです。

  • 米国のデータ: 米国がん協会(ACS)や国立がん研究所(NCI)のデータによると、炎症性乳がん全体の5年相対生存率は約40%です。がんが乳房と周辺のリンパ節に留まっている「局所性(Regional)」の場合で約54%、骨や肺など他の臓器に転移している「遠隔性(Distant)」の場合では約19%と報告されています2
  • 日本のデータ: 日本では炎症性乳がん単独での大規模な生存率データは限られていますが、炎症性乳がんが含まれる「ステージIIIB」の5年生存率は、複数の情報源で50%~59%前後とされています26。より広範な「ステージIII」全体では5年相対生存率が80.7%というデータもあり28、統計の取り方によって数字には幅があります。

これらの数字を目の当たりにして、深い絶望感を覚えるのは当然のことです。しかし、この数字を解釈する際には、非常に重要な点がいくつかあります。
第一に、これらの統計はあくまで過去のデータの平均値であり、あなたの未来を決定するものではありません1。予後は、診断されたステージ(IIIかIVか)、がんのサブタイプ、術前薬物療法への反応、そして患者さん自身の年齢や全体的な健康状態など、多くの要因によって大きく左右されます1
第二に、そして最も希望の持てる点として、医療は日進月歩であり、これらの統計データが最新の治療成績を反映しているとは限らないということです2。例えば、HER2陽性乳がんの治療を劇的に変えた分子標的薬ハーセプチンが、日本で術後補助療法として保険適用されたのは2008年のことです25。つまり、現在利用可能な長期生存率のデータの多くは、こうした現代の強力な治療法が標準となる以前に治療を受けた患者さんに基づいている可能性があります。特にHER2陽性の炎症性乳がんの予後は、分子標的薬の登場によって、過去のデータが示すよりも大幅に改善していると考えられます。
大切なのは、統計の数字に一喜一憂するのではなく、ご自身の個別の状況について、主治医と十分に話し合うことです。治療成績は着実に向上しており、希望は決して失われていません。

治療後の生活:フォローアップとリンパ浮腫

集学的治療という長い道のりを終えた後も、再発の危険性に備え、また治療による後遺症と上手に付き合っていくために、定期的なフォローアップが不可欠です。

  • 定期的な経過観察: 治療終了後も、医師の指示に従って定期的に診察や画像検査(マンモグラフィ、超音波、CTなど)、血液検査を受け、再発や新たな問題がないかを確認し続けます。
  • リンパ浮腫への対策: 炎症性乳がんの治療では、脇の下のリンパ節を切除(腋窩リンパ節郭清)し、さらにその領域に放射線治療を行うため、「リンパ浮腫」という後遺症が起こりやすいとされています16。これは、腕のリンパ液の流れが滞り、腕がむくんでしまう状態です。一度発症すると完治は難しいとされていますが、適切なケアによって症状をコントロールし、悪化を防ぐことは可能です。
    • 症状: 腕のだるさ、重さ、腫れぼったさ、指輪や時計がきつくなるなど。
    • 対策: 専門の理学療法士によるリンパドレナージ(マッサージ)、弾性ストッキングやスリーブの着用、スキンケア、体重管理、過度な負担を避けるなどのセルフケアが重要です。主治医や看護師に相談し、リンパ浮腫外来など専門的なケアを受けられる施設を紹介してもらうことが推奨されます。

治療後の人生は、病気になる前と全く同じとはいかないかもしれません。しかし、適切なケアとサポートを受けながら、自分らしい生活を再建していくことは十分に可能です。


日本国内での治療とサポート:費用と相談先

炎症性乳がんの治療は長期間にわたるため、身体的・精神的な負担だけでなく、経済的な負担も大きな課題となります。ここでは、日本国内で治療を受ける際の費用の目安と、その負担を軽減するための公的支援制度、そして心の支えとなる相談先について解説します。

治療費の目安と公的支援

炎症性乳がんの治療には、検査、入院、手術、薬物療法、放射線療法など、多額の費用がかかります。以下は、保険適用(3割負担)の場合の自己負担額の目安ですが、個々の治療内容によって大きく変動します。

  • 手術・入院費用: 乳房切除術と腋窩リンパ節郭清を行い、約14日間入院した場合、総医療費は約100万円、自己負担額(3割)は約30万円程度が目安となります29
  • 薬物療法(化学療法): 例えばTC療法(ドセタキセル+シクロホスファミド)を3週ごとに4回行う場合、総医療費は約47万円、自己負担額(3割)は約14万円程度です29
  • 薬物療法(分子標的治療): HER2陽性の場合に使用するトラスツズマブ(ハーセプチン)は非常に高額です。1年間(18回)の治療で総医療費は約216万円、自己負担額(3割)は約65万円にもなります29

これらの金額を見て、治療を続けることに経済的な不安を感じるかもしれません。しかし、日本の医療保険制度には、こうした高額な医療費の負担を軽減するための強力なセーフティネットがあります。

【重要】高額療養費制度を必ず活用しましょう

「高額療養費制度」は、1ヶ月(月の初めから終わりまで)に医療機関の窓口で支払った医療費が、年齢や所得に応じて定められた自己負担限度額を超えた場合に、その超えた金額が後から払い戻される制度です31
さらに便利な仕組みとして、「限度額適用認定証」があります。事前にご自身が加入している健康保険(全国健康保険協会けんぽ、組合健保、国民健康保険など)に申請してこの認定証を入手し、病院の窓口に提示すれば、支払いを最初から自己負担限度額までに抑えることができます32。これにより、後からの払い戻しを待つ必要がなくなり、一時的な高額な立て替え払いを防ぐことができます。
治療を開始する前に、必ずご自身の保険証に記載されている保険者に連絡し、「限度額適用認定証」の申請手続きを行ってください。この制度の活用は、安心して治療を継続するために不可欠です。

その他にも、医療費控除(確定申告)、傷病手当金(会社員の場合)など、利用できる制度があります。詳細は病院の相談窓口(ソーシャルワーカー)などで確認できます。

患者支援団体と相談窓口

同じ病気を経験した仲間との交流は、孤独感を和らげ、貴重な情報交換の場となります。日本には、乳がん患者さんのための支援団体が数多く存在します。

  • 認定NPO法人 あけぼの会: 1978年に一人の患者さんの新聞投書をきっかけに誕生した、日本で最も歴史と規模の大きい乳がん患者支援団体の一つです。「同じ体験をした人と会って話がしたい」という思いから始まり、現在では全国にネットワークを持ち、電話相談や「あけぼのハウス」と呼ばれる交流の場を運営するなど、患者に寄り添った地道な活動を続けています35
  • 専門医・専門病院を探す: 炎症性乳がんのような希少で専門性の高いがんの治療は、経験豊富な医師や施設で行うことが望ましいです。日本乳癌学会のウェブサイトでは専門医を探すことができます37。また、お住まいの地域のがん診療連携拠点病院や、乳腺外科を標榜するクリニックや病院を受診することが第一歩となります。日本の乳がん治療をリードする専門家として、例えば浜松オンコロジーセンターの渡辺亨医師のような腫瘍内科医が、炎症性乳がんに関する情報発信も行っています19

経済的な問題や治療に関する不安は、一人で抱え込まずに、医療機関の相談窓口や患者会などを積極的に利用し、適切なサポートを得ることが大切です。


未来への展望:炎症性乳がんの最新研究

炎症性乳がんは治療が難しいがんである一方、その克服を目指して世界中で活発な研究が進められています。絶望の中にいるかもしれない患者さんにとって、この世界的な闘いの最前線を知ることは、未来への希望に繋がるはずです。
この病気との闘いは、あなた一人だけのものではありません。世界中のトップクラスの科学者や医師が、あなたと同じ病気と闘う人々のために、日々研究を続けています。この事実は、孤立感を打ち破り、患者さんを「静的な診断を受けた存在」から、「進歩し続ける医療分野の一員」へと視点を変える力を持っています。

世界のトップ研究拠点

炎症性乳がんの研究と治療をリードする世界的な拠点が存在します。

  • 米国 MDアンダーソンがんセンター: テキサス州ヒューストンにある世界最大級のがん専門病院です。ここには、2006年に設立された「モーガン・ウェルチ炎症性乳がんクリニック・研究プログラム」という、炎症性乳がんのためだけの専門クリニックと研究部門があります3940。ここでは、基礎研究から臨床応用まで一貫した研究が行われ、世界中から患者が集まり、最新の治療が提供されています41
  • 米国 ダナ・ファーバーがん研究所: ボストンにあるハーバード大学医学部の附属病院で、ここにも炎症性乳がんの専門プログラムがあります39
  • その他の研究機関: デューク大学43、ミシガン大学39など、多くの大学やがんセンターが、この希少がんの解明に取り組んでいます。

日本人研究者の活躍

こうした世界の研究の舞台では、日本人研究者も重要な役割を担っています。その代表的な一人が、長年MDアンダーソンがんセンターで活躍し、現在はハワイ大学がんセンターで炎症性乳がんプログラムを率いる上野直人(うえの なおと)医師です。上野医師は、炎症性乳がんの新たな治療標的の探索や、がんを取り巻く微小環境の解明など、最先端の研究を牽引しています3944。日本人研究者の存在は、日本の患者さんにとって、世界の最先端医療との架け橋となり得る心強い存在です。

新たな治療法への挑戦:臨床試験

新しい治療薬や治療法を開発し、患者さんに届けるために不可欠なのが「臨床試験(りんしょうしけん)」です16。臨床試験は、開発中の治療法が、従来の標準治療よりも安全で効果的かどうかを科学的に検証する研究です。
炎症性乳がんの分野でも、免疫の力を利用してがんを攻撃する「免疫療法」2や、がんの増殖に関わる特定の分子だけを狙う新たな「分子標的薬」など、様々な臨床試験が世界中で行われています。
臨床試験への参加は、標準治療では効果が不十分だった場合に、最新の治療を受けられる可能性があるというメリットがある一方、未知の副作用の危険性なども伴います。臨床試験は、主にがん診療連携拠点病院や大学病院などの大規模な施設で実施されています。ご自身が参加できる臨床試験があるかどうかについては、主治医に相談してみることが、未来への新たな一歩となるかもしれません。


よくある質問

私の診断を確定するために、どのような検査が行われましたか?
炎症性乳がんの確定診断には、通常、医師による視診・触診、マンモグラフィや超音波といった画像診断、そして最も重要なのが、疑わしい部分の組織を採取して顕微鏡で調べる「生検」です2。特に、皮膚のリンパ管にがん細胞が広がっていることを確認するために、皮膚の生検が行われることもあります。
私の乳がんの正確なステージとサブタイプは何ですか?それはなぜ重要ですか?
炎症性乳がんは、診断時には常に「ステージIIIB」または「ステージIV」に分類されます1。ステージはがんの広がり具合を示します。一方、「サブタイプ」はがんの性質(ホルモン受容体やHER2の状態)を示し、どの薬(ホルモン療法や分子標的薬など)が効くかを決定するための最も重要な情報です16。この二つの情報を正確に知ることが、治療方針を理解する第一歩です。
なぜ最初に手術ではなく、薬の治療(術前薬物療法)を行うのですか?
炎症性乳がんは、診断時にすでにがん細胞が広範囲に散らばっている可能性が高い「全身病」と考えられています。そのため、まず全身に効果のある薬物療法を行い、がんを小さくし、目に見えないがん細胞も叩くことが重要だからです。これにより、手術の成功率を高め、再発の危険性を減らすことができます1
なぜ乳房温存手術はできないのですか?
炎症性乳がんは、がん細胞が乳房全体に広範囲(びまん性)に広がっているという特徴があります。そのため、がんを完全に取り残さず切除し、局所再発の危険性を最小限にするためには、乳房の一部だけを切り取る温存手術ではなく、乳房全体を切除する手術が標準治療とされています17
治療の副作用で特に気をつけるべきことは何ですか?
化学療法による吐き気や脱毛、倦怠感など一般的な副作用に加え、炎症性乳がんの治療では「リンパ浮腫」に特に注意が必要です。これは脇の下のリンパ節郭清と放射線治療により、腕のリンパの流れが滞って腕がむくむ後遺症です16。腕のだるさや重さを感じたら、すぐに医療スタッフに相談し、専門的なケア(マッサージや弾性スリーブの着用など)について指導を受けることが大切です。
乳房再建は可能ですか?
はい、可能です。ただし、炎症性乳がんの治療では、手術後の放射線治療が不可欠です。再建した乳房が放射線の影響を受けることを避けるため、通常は手術と同時に再建するのではなく、放射線治療を含む全ての初期治療が終わってから、時期をずらして行う「二期再建(遅延再建)」が推奨されます1
私の状況での予後は、どのように考えればよいですか?
公表されている統計データは、あくまで過去の平均値であり、あなたの未来を予測するものではありません。個人の予後は、ステージ、サブタイプ、治療への反応、年齢、健康状態など多くの要因に左右されます。特に、HER2陽性の場合は分子標的薬の登場で治療成績が大きく向上しています。統計に一喜一憂せず、ご自身の具体的な状況に基づいた見通しを主治医と話し合うことが最も重要です。

結論

炎症性乳がんは、その希少性と進行の速さから、診断された患者さんとご家族に大きな不安と恐怖をもたらします。しかし、本稿で解説してきたように、この病気は決して「打つ手がない」ものではありません。術前薬物療法から始まる集学的治療は、科学的根拠に基づいた世界標準の治療戦略であり、分子標的薬などの進歩によって、その成績は着実に向上しています。
最も大切なことは、不確かな情報に惑わされず、正確な知識を得ることです。ご自身の病状(ステージとサブタイプ)を正しく理解し、提示されている治療計画の意味を把握すること。そして、分からないこと、不安なことは、主治医や看護師、相談窓口の専門家にためらわずに質問することです。リンパ浮腫のような後遺症や、高額療養費制度のような経済的支援についても、事前に知っておくことで、心構えができます。
また、MDアンダーソンがんセンターや上野直人医師のような存在が示すように、あなたと同じ病気と闘う人々のために、世界の研究者たちが日々努力を続けていることを忘れないでください。あなたは一人ではありません。この記事が、暗闇の中にいると感じるあなたの手を取り、前を向いて治療の一歩を踏み出すための、信頼できる確かな光となることを、JHO編集部一同、心より願っています。

免責事項
本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。健康に関する懸念がある場合、またはご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

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