【科学的根拠に基づく】肝臓がんのすべて:原因・症状から最新治療法、日本の医療制度まで徹底解説
がん・腫瘍疾患

【科学的根拠に基づく】肝臓がんのすべて:原因・症状から最新治療法、日本の医療制度まで徹底解説

肝臓がんの診断を受けることは、患者様ご本人にとっても、ご家族にとっても、大きな試練であり、精神的な負担となり得るものです。ご自身の病気や治療の選択肢について深く理解することは、不安を乗り越え、主体的に治療と向き合うための重要な第一歩です。JapaneseHealth.org編集委員会は、第一線で活躍する医療専門家の知見に基づき、皆様の歩みに寄り添う、信頼できる羅針盤となることを目指します。本稿では、肝臓がんに関する包括的で最新の、そして何よりも分かりやすい情報を、科学的根拠に基づいて詳細に解説してまいります。

この記事の科学的根拠

本記事は、入力された研究報告書に明示的に引用されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいて作成されています。以下は、参照された実際の情報源と、提示された医学的ガイダンスとの直接的な関連性を示したリストです。

  • 国立がん研究センター がん情報サービス: 本記事における肝臓がんの定義、種類、症状、標準的な治療法、および日本の公式統計データに関する記述は、同センターが提供する情報に基づいています。1218
  • 日本肝臓学会 (JSH): 肝臓がんの治療方針を決定する上で極めて重要な『肝癌診療ガイドライン』は、本記事の治療選択アルゴリズム、各治療法の適応、および日本の専門家による推奨事項の根幹をなすものです。3
  • 医学論文(PubMed等): アテゾリズマブとベバシズマブの併用療法の有効性を示したIMbrave150試験12や、レンバチニブの有効性を検証したREFLECT試験43など、最新の治療法に関する記述は、国際的に評価の高い査読付き医学雑誌に掲載された臨床試験の結果に基づいています。
  • 厚生労働省 (MHLW): 肝炎ウイルス検査の公的支援制度や、高額療養費制度、肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業といった、患者様の経済的負担を軽減するための制度に関する情報は、同省が公開する公式情報に基づいています。1636

要点まとめ

  • 肝臓がんの最大の原因は、かつて主流だったウイルス性肝炎から、肥満や糖尿病に関連する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)へと大きくシフトしており、生活習慣が新たな脅威となっています。
  • 日本の高度な検診システムは、症状のない早期段階でがんを発見する上で世界的に高い評価を受けており、治療成績の向上に直結する最大の強みです。
  • 治療法は、がんの進行度だけでなく、肝臓の機能(肝予備能)を総合的に判断して決定され、手術、局所療法、カテーテル治療、そして全身薬物療法と多岐にわたります。
  • 全身薬物療法では、「アテゾリズマブ+ベバシズマブ」併用療法が新たな標準治療として確立され、進行肝がん患者の生存期間を大きく改善しました。
  • 日本には高額療養費制度や、特定の条件を満たす患者様向けの医療費助成事業があり、高額な治療費の経済的負担を大幅に軽減することが可能です。

肝臓がんとは?診断を深く理解する

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、病気がかなり進行するまで自覚症状が現れにくいという特徴があります13。そのため、がんと診断された際には、まずその病態を正確に理解することが不可欠です。肝臓がんは、その発生起源によって大きく二つに分類されます。

原発性肝がんと転移性肝がん

原発性肝がん(原発性肝がん)は、肝臓自体の細胞からがんが発生するもので、本記事の主要なテーマとなります。一方で、転移性肝がん(転移性肝がん)は、大腸や肺など他の臓器で発生したがんが肝臓に転移してきた状態を指します25
原発性肝がんの中でも、その大部分を占めるのが以下の二種類です。

  • 肝細胞がん (HCC – 肝細胞がん): 全症例の90%以上を占める最も一般的なタイプです。多くは、ウイルス性肝炎やアルコール性肝障害、後述するNASHなどによって長期間にわたり損傷を受けた慢性的な肝臓病を背景に発生します1
  • 肝内胆管がん: 比較的稀で、約5%を占めますが、近年増加傾向にあります。特徴的なのは、ウイルス感染などの明確な基礎疾患がない、比較的健康な肝臓にも発生しうることです25

原因:ウイルスから生活習慣への劇的な変化

日本における肝臓がんの原因は、この数十年で大きく様変わりしました。この変化を理解することは、現代における危険性を認識する上で極めて重要です。

「伝統的な」原因 – ウイルス性肝炎

かつて、日本の肝臓がんの80%以上は、B型肝炎ウイルス (HBV) またはC型肝炎ウイルス (HCV) の持続的な感染が原因とされていました7。しかし、国民的な検診事業と、極めて効果的な抗ウイルス薬の登場により、ウイルス性肝炎を原因とする肝臓がんは著しく減少し続けています15。それでもなお、これらが主要な危険因子であることに変わりはありません。

「新たな脅威」 – 非ウイルス性の原因

現在、専門家が警鐘を鳴らしているのが、ウイルス感染によらない肝臓がんの急増です。これは現代社会のライフスタイルと密接に関連しています13

  • アルコール性肝障害: 長期にわたる過度の飲酒は、脂肪肝、アルコール性肝炎、そして肝硬変へと肝臓を段階的に破壊し、最終的に肝臓がんを発症させる主要な原因となります27
  • 非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD) と非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH): これは本稿の戦略的な重点項目です。NAFLDは単なる「肝臓の脂肪」ではなく、肥満、2型糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病が複雑に絡み合った「メタボリックシンドローム」の肝臓における現れとされています7。NAFLDが進行し、炎症や線維化を伴うようになるとNASHと呼ばれます。日本国内には数百万人のNAFLD/NASH患者がいると推定され、今後10年間で約10万人の新規肝臓がん患者がNASHから発生するという予測もあり、まさに「静かなる流行」として社会的な対策が急がれています15

症状と進行度

肝臓がんの最も重要な特徴の一つは、初期段階ではほとんど症状がない(無症状)ことです6。これが、後述する定期的な検診が極めて重要である最大の理由です。症状は、病気の進行に伴って現れてきます。

  • 初期の症状(もしあれば): 倦怠感、食欲不振、腹部の張りや不快感など、非常に曖昧で他の病気と区別がつきにくいものがほとんどです31
  • 進行期の症状: 右の上腹部の痛みやしこり、原因不明の体重減少など、より具体的な症状が現れます25
  • 肝機能低下に伴う重篤な症状: がんが大きく進行したり、背景にある肝硬変が悪化したりすると、肝臓の機能が著しく低下します。これにより、皮膚や白目が黄色くなる「黄疸(おうだん)」、お腹に水が溜まって張る「腹水(ふくすい)」、足の「むくみ」、皮膚のかゆみ、出血しやすいなどの症状が出現します。さらに、胸や肩にクモのような形をした赤い血管が浮き出る「クモ状血管腫」や、手のひらが異常に赤くなる「手掌紅斑(しゅしょうこうはん)」といった特徴的な兆候が見られることもあります31

これらの症状を分かりやすく把握するため、以下の表にまとめます。

表1:肝臓がんの進行度別症状の概要
進行度(ステージ) 一般的な症状 特徴的な症状 肝機能低下の兆候
初期 (Early Stage) ほとんどが無症状。倦怠感、食欲不振、上腹部の漠然とした不快感などが見られることがある25 稀。 なし。
進行期 (Advanced Stage) 倦怠感や食欲不振がより顕著になる。 右上腹部の痛みや圧迫感、しこりを触れる、意図しない体重減少25 軽度の黄疸が出現することがある。
末期 (Terminal Stage) 極度の衰弱、深刻な倦怠感。 激しい腹痛、腹部の膨満。 著しい黄疸、大量の腹水、足のむくみ、激しいかゆみ、出血傾向、意識の変化(肝性脳症)25

早期発見の重要性:日本の医療制度における検診と診断

本項では、肝臓がんとの闘いにおける日本医療の最大の強みを明らかにします。それは、世界でも類を見ないほど効果的な早期発見システムであり、これを理解し活用することが、患者様ご自身の予後を大きく左右します。

世界が認める日本の検診プログラム

日本の肝臓がんサーベイランス(監視・検診)プログラムは、医学界で世界最高水準のものとして広く認識されています10。この成功は偶然ではなく、1980年代から国を挙げて築き上げてきた戦略の成果です。具体的な数字がその有効性を物語っています。このプログラムのおかげで、日本では肝臓がん症例の60%以上が、根治的な治療が十分に可能な極めて早期の段階(BCLCステージ0またはA)で発見されています32。これが、新規患者数が依然として多いにもかかわらず、肝臓がんによる死亡率が日本で減少し続けている大きな要因の一つなのです15

日本の標準的な検診プロセス

日本肝臓学会のガイドラインに基づき、ハイリスク群(HBV・HCV感染者、肝硬変患者)に対して推奨される詳細な検診プロセスを解説します34

  • 対象者:
    • 超ハイリスク群: B型またはC型ウイルス性肝硬変の患者様。
    • ハイリスク群: B型・C型慢性肝炎、またはその他の原因(アルコール、NASHなど)による肝硬変の患者様。
  • 主要な検診方法:
    • 腹部超音波(エコー)検査: 非侵襲的で身体への負担が少ない、検診の基本となる検査です。ハイリスク群では6ヶ月ごと、超ハイリスク群では3~4ヶ月ごとの実施が強く推奨されます10
    • 3種類の腫瘍マーカー測定: これは日本のシステムの独自性であり、最大の強みです。血液検査で測定されるこれらのマーカーは、それぞれががんの存在を示唆する重要な手がかりとなります。
      • AFP (アルファ・フェトプロテイン): 古典的なマーカー。
      • PIVKA-II (DCP): AFPとは独立した重要なマーカー。
      • AFP-L3分画 (レクチン分画): AFPの一種で、肝細胞がんに対する特異度が非常に高いマーカー。

      この3種類すべてのマーカーが定期的な検診目的で国民健康保険の適用となっていることは、他国には見られない日本の大きな利点です10

    • 高度な画像検査: 超ハイリスク群や、超音波・腫瘍マーカーで異常が疑われた場合には、造影剤を使用したダイナミックCTまたはダイナミックMRIといった、より精密な画像検査が6~12ヶ月ごとに推奨されることがあります34

がんが疑われた際の確定診断

検診でがんの疑いがある病変が見つかった場合、以下のプロセスで確定診断が行われます。

  • 精密画像診断: 造影剤を用いたCTやMRI検査が中心となります。これらの検査では、腫瘍の血流動態(血液の流れ方)を詳細に観察でき、多くの場合、体にメスを入れる生検を行うことなく、高い精度で肝細胞がんの確定診断が可能です26
  • 生検 (せいけん): 画像診断だけでは確定できない場合に、体の外から細い針を刺して腫瘍組織の一部を採取し、顕微鏡で調べる検査です。しかし、画像診断技術の進歩により、生検が必要となるケースは減少しています34

厚生労働省は、国民への無料の肝炎ウイルス検査の提供や、肝炎患者の治療費助成など、がんへの進行を未然に防ぐための包括的な支援体制を整えています36

治療法の選択:患者一人ひとりに合わせた個別化への道

肝臓がんの治療法選択は、非常に複雑なプロセスであり、多分野の専門家からなる医療チームによる慎重な検討を要します。本項では、治療方針の決定に影響を与える主要な要素を体系的に解説し、患者様がご自身に提案される治療計画の背景にある論理を理解するための一助とします。

治療方針を決定する「二つの柱」

肝臓がんの治療は、がんそのものの状態だけでなく、がんが育つ「土壌」である肝臓の状態に大きく左右されます。そのため、常に以下の二つの要素が同時に考慮されます。

  1. 肝予備能(かんよびのう): これは治療法を決定する上での最も重要な出発点です。ほとんどの肝臓がん患者様は、背景に慢性肝炎や肝硬変といった病気を抱えているため、治療への耐容力(たいようりょく)が限られます。肝予備能は、一般的に「チャイルド・ピュー分類(Child-Pugh分類)」を用いて評価され、患者様を以下の3つのクラスに分類します。
    • クラスA: 肝機能が比較的良好に保たれている。
    • クラスB: 肝機能が中等度に低下している。
    • クラスC: 肝機能が高度に低下している(非代償性肝硬変)。

    例えば、大規模な肝切除手術はクラスAの患者様には安全に行える可能性がありますが、クラスCの患者様にとっては極めて危険な治療となります2

  2. がんの状態(進行度): これは、腫瘍の数、大きさ、そして広がり(主要な血管への浸潤や他臓器への転移の有無)に基づいて評価されます2

日本肝臓学会は、これら二つの柱に基づき、医師が治療法を選択するための指針となる「治療アルゴリズム」を作成しています2。このアルゴリズムは、患者様がご自身の状況でどのような治療が選択肢となりうるかを理解する上で、非常に有用な地図となります。


主要な治療法の詳細解説

手術療法

  • 肝切除(かんせつじょ): 最も根治性が高い治療法とされています。腫瘍を、周囲の正常な肝組織の一部とともに完全に取り除くことを目的とします。通常、肝機能が良好(Child-Pugh AまたはB)で、腫瘍が肝臓内に留まっている(通常1~3個)患者様が対象となります2。腫瘍の大きさだけで手術が不可能と決まるわけではなく、条件が許せば10cmを超える大きな腫瘍も切除の対象となり得ます25
  • 肝移植(かんいしょく): 腫瘍は早期であるものの、肝機能が極めて悪い(Child-Pugh C)ために肝切除に耐えられない患者様にとっての究極の救済策です。日本では脳死ドナーからの肝提供が限られているため、生体肝移植が主流です。移植後の良好な予後を確保するため、対象となる患者は厳格な基準(ミラノ基準:腫瘍1個なら5cm以下、複数なら3個までで各3cm以下など)によって選ばれます5

穿刺局所療法(せんしきょくしょりょうほう)

  • ラジオ波焼灼療法 (RFA – ラジオはしょうしゃくりょうほう): 体への負担が少ない治療法で、皮膚の上から電極のついた針を腫瘍の中心に挿入し、ラジオ波電流によって発生する熱でがん細胞を「焼き切る」治療です。特に、腫瘍が小さい(直径3cm以下かつ3個以内)場合に第一選択となり、その治療効果は手術に匹敵するとされています。手術が困難な場所にある腫瘍や、手術を希望されない患者様にも適しています5

カテーテル治療

  • 肝動脈化学塞栓療法 (TACE – かんどうみゃくかがくそくせんりょうほう): 手術やRFAが困難な、多発性あるいは大きな腫瘍を持つ患者様に対する標準治療です。足の付け根の動脈から細いカテーテルを肝臓の動脈まで進め、腫瘍を栄養する血管を塞栓物質で詰まらせ(兵糧攻め)、同時に抗がん剤を局所的に高濃度で注入します。これにより、腫瘍を壊死させることを目指します2

放射線治療

  • かつて肝臓は放射線に弱い臓器とされ、放射線治療の役割は限定的でした。しかし、体幹部定位放射線治療(SBRT)や粒子線治療(陽子線・重粒子線治療)といった高精度技術の登場により、正常な肝組織への影響を最小限に抑えつつ、腫瘍に大線量を集中させることが可能になりました。現在では、他の治療法が困難な症例や、骨転移などによる症状緩和を目的として、その役割が拡大しています5

これらの治療法を比較検討しやすくするため、以下の表にまとめました。

表2:肝臓がんの主要治療法の比較概要
治療法 主な対象 目的 長所 短所・副作用
肝切除 Child-Pugh A/B、腫瘍≤3個、遠隔転移なし2 根治 最も高い根治性が期待できる5 侵襲性が高い、良好な肝機能が必要、術後合併症(出血、肝不全)の危険性5
肝移植 Child-Pugh C、腫瘍がミラノ基準内5 根治 がんと基礎にある肝硬変を同時に治療できる5 ドナー不足、大手術、生涯にわたる免疫抑制剤の服用が必要
ラジオ波焼灼療法 (RFA) Child-Pugh A/B、腫瘍≤3個かつ各≤3cm5 根治 低侵襲、回復が早い、繰り返し可能25 腫瘍が大きい、または主要血管に近いと効果減。痛み、発熱、出血の危険性5
肝動脈化学塞栓療法 (TACE) Child-Pugh A/B、多発性で手術/RFAが不能5 腫瘍制御 多発性の腫瘍に有効、繰り返し可能25 根治的ではない。塞栓後症候群(発熱、痛み、嘔気)、肝機能障害の危険性5
放射線治療 (SBRT等) 上記治療が不適格な腫瘍、症状緩和目的39 腫瘍制御/緩和 非侵襲的、困難な部位への選択肢となる39 根治目的の標準治療ではない、放射線性肝障害の可能性40
全身薬物療法 Child-Pugh A、進行・転移例5 延命、病勢制御 全身に効果が及ぶため転移に有効5 根治的ではない、全身性の副作用(倦怠感、皮膚障害、免疫関連など)5

全身薬物療法の新時代:分子標的薬と免疫療法

がんが進行し、肝臓外への転移を来した場合や、局所療法では制御できなくなった場合には、薬物を用いた全身療法が治療の中心となります2。この10年で、この分野は革命的な進歩を遂げ、多くの患者様の運命を変えました。ここでは、その進化の物語を紐解きます。

肝臓がん薬物療法の進化

  1. ソラフェニブの時代: 約10年間、分子標的薬であるソラフェニブは、進行肝がんに対する唯一の初回治療薬でした。プラセボ(偽薬)と比較して患者の生存期間を延長することを示し、この領域に初めて希望をもたらした、まさに標準治療の礎となった薬剤です41
  2. レンバチニブの登場: REFLECT試験の結果は大きな転換点となりました。同じ分子標的薬であるレンバチニブが、全生存期間(OS)においてソラフェニブに劣らない効果を示し、さらに無増悪生存期間(PFS)や奏効率(ORR)といった指標ではソラフェニブを明確に上回ったのです43。これにより、医師と患者は二つ目の強力な初回治療の選択肢を手にしました。
  3. 免疫療法の革命 – IMbrave150試験: これが最も劇的なパラダイムシフトです。IMbrave150試験では、免疫チェックポイント阻害薬であるアテゾリズマブと、血管新生を阻害する分子標的薬ベバシズマブの併用療法が、ソラフェニブと比較されました。その結果、併用療法群は全生存期間(OS中央値 19.2ヶ月 vs 13.4ヶ月)および無増悪生存期間(PFS)の両方で、ソラフェニブを圧倒的に凌駕しました12。この画期的な結果を受け、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法は、日本を含む全世界で、適格な患者に対する最も優先されるべき初回治療(第一選択)として瞬く間に確立されました22

二次治療以降の選択肢

デュルバルマブ+トレメリムマブという別の免疫併用療法もHIMALAYA試験の結果に基づき承認され、初回治療の選択肢はさらに広がりました22。ここで臨床現場の極めて重要な問いが生まれます。「アテゾリズマブ+ベバシズマブ療法が効かなくなった後、次に何をすべきか?」。近年の実臨床データは、その答えを示し始めています。このような状況において、レンバチニブが二次治療として有効であり、患者に病勢コントロールと生存期間の延長をもたらす可能性があることが報告されています4647
この複雑な領域を解読するため、主要な初回治療レジメンを比較した詳細な表が不可欠です。

表3:肝臓がん初回全身薬物療法の主要レジメン比較
レジメン 根拠となる主要試験 有効性 (OS/PFS vs ソラフェニブ) 注意すべき主な副作用 現在の位置づけ
アテゾリズマブ+ベバシズマブ IMbrave15012 優越性: OS 19.2ヶ月, PFS 6.9ヶ月45 ベバシズマブ関連:高血圧、蛋白尿、出血リスク。アテゾリズマブ関連:免疫関連有害事象(肺炎、肝炎、甲状腺機能異常など)12 第一選択の標準治療。禁忌(例:高い出血リスク)がない限り、最も優先される22
レンバチニブ REFLECT43 非劣性(OS): OS 13.6ヶ月。PFSとORRで優越性42 高血圧、倦怠感、食欲減退、下痢、手足症候群43 重要な代替初回治療選択肢。特に免疫療法に禁忌がある場合や不適格な場合に考慮される22
ソラフェニブ SHARP, Asia-Pacific43 比較対照の標準: OS 約10.7-12.3ヶ月42 手足症候群、下痢、倦怠感43 現在、初回治療での優先度は低いが、二次治療などでの選択肢となりうる47

予後と統計:日本における最新データ

予後に関する情報を提供することは、非常に慎重さを要しますが、不可欠な部分でもあります。ここでは、データを誠実に、文脈を添えて提示し、常に医学の進歩と早期発見の重要性に基づいた希望とともに解説します。

日本の主要な統計データ

国立がん研究センターおよび厚生労働省の最新データに基づくと、以下のようになります。

  • 罹患数(りかんすう): 日本では年間約34,675人が新たに肝臓がんと診断されています(2021年データ)18
  • 死亡数(しぼうすう): 年間約22,908人が肝臓がんにより亡くなっています(2023年データ)。しかし、強調すべき重要な点は、この数字は2000年代半ばをピークに明確な減少傾向にあることです。これは主に、C型肝炎の制御と効果的な検診プログラムの成功によるものです15
  • 5年相対生存率: すべての病期を合わせた診断後5年時点での相対生存率は、約35.8%です(2009-2011年データ)18

データの背景を理解する:数字が全てを語るわけではない

患者様にお伝えしたい最も重要なことは、この35.8%という数字はあくまで全体の平均値であるということです。個々の患者様の予後は、以下の要素によって大きく変動します。

  • 診断時の病期(ステージ): これが最も決定的な因子です。根治治療が可能な早期(BCLC 0/A)に発見された患者様の予後は、転移期に診断された患者様よりもはるかに良好です。
  • 肝機能 (Child-Pugh分類): 肝機能が良好であればあるほど、より効果的な治療法を適用できます。
  • 治療への反応性: 個々の患者様が治療にどう反応するかは様々です。

このセクションは、本稿で繰り返し強調してきた早期発見の重要性(2.3項)と再び結びつきます。ご自身の予後を改善する最善の方法は、治癒可能な段階で病気を発見することに尽きるのです。

患者支援:経済的負担の軽減と治療後の生活

がんとの闘いは、医療的な側面だけでなく、経済的、心理的な負担も伴います。本項では、患者様とご家族がこの道のりを歩む上での実践的で有用な支援情報を提供します。

経済的負担の軽減

日本には、医療費の負担を軽減するための手厚い支援制度が存在します。ここでは主要な二つの仕組みを分かりやすく解説します。

  • 高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど): これは公的医療保険の根幹をなす制度です。年齢や所得に応じて、医療費の自己負担額に月ごとの上限が設けられており、上限を超えた分は保険から支払われます。例えば、70歳未満で標準的な所得の方が、1ヶ月の総医療費が100万円かかった場合でも、自己負担は3割の30万円ではなく、計算式に基づいた上限額(例:約87,430円)に抑えられます48
  • 肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業: これは、特定の所得基準(年収約370万円)を下回る、B型またはC型ウイルスを原因とする肝がん・重度肝硬変の患者様を対象とした、国の特別な助成事業です。この制度の対象となると、分子標的薬や粒子線治療といった高額な治療にかかる月々の自己負担額が、原則として1万円(または所得に応じて2万円)にまで軽減されます16。これは多くのご家庭の経済的な不安を大きく和らげる、非常に価値のある情報です。

治療後の生活

腫瘍の治療が成功しても、それが終わりではありません。肝臓がんは再発率が高いため、治療後の継続的な経過観察とケアが極めて重要です。

  • 再発のサーベイランス: 定期的な通院スケジュールを遵守することの重要性を強調します。経過観察は通常、最初の検診プロセスと同様に、超音波検査や腫瘍マーカー測定によって行われ、再発の兆候を早期に捉えることを目指します2
  • 緩和ケア・支持療法: 緩和ケアは終末期のためだけのものではありません。診断された時点から始まる、包括的ながん医療の不可欠な一部です。その目的は、病気そのものによる症状(痛み、倦怠感など)や治療の副作用を管理し、あらゆる段階で患者様の生活の質(QOL)を向上させることにあります2
  • リハビリテーション: 治療中および治療後の患者様が、身体的な筋力、精神的な強さ、そして日常生活動作(ADL)を維持するのを助けるため、理学療法や栄養指導を含むリハビリテーションプログラムの役割にも触れます2

よくある質問

肝臓がんは遺伝するのでしょうか?
一般的に、肝臓がんそのものが直接的に遺伝することは稀です。しかし、主要な原因であるB型肝炎ウイルスは母子感染などで家族内に集積することがあります。また、アルコールへの耐性や、肥満や糖尿病といった生活習慣病になりやすい体質も遺伝的要因が関与するため、間接的に家族内で発生リスクが高まる可能性はあります。ご家族に肝臓がんや肝臓病の方がいらっしゃる場合は、一度肝炎ウイルス検査を受けることが推奨されます736
治療中も仕事を続けることはできますか?
これは治療法や病状、仕事の内容によって大きく異なります。ラジオ波焼灼療法(RFA)のような低侵襲治療では、短期間の入院で職場復帰が可能な場合も多いです。一方、肝切除のような大きな手術や、副作用の管理が必要な全身薬物療法では、長期の休養が必要になることがあります。重要なのは、主治医や職場の産業医、ソーシャルワーカーなどと十分に相談し、ご自身の体調を最優先した上で、無理のない働き方(時短勤務、在宅勤務など)を模索することです50
免疫療法の副作用はどのようなものですか?
免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞に対する免疫のブレーキを外すことで効果を発揮しますが、同時に正常な細胞に対する免疫も活性化させてしまうことがあります。これにより、「免疫関連有害事象(irAE)」と呼ばれる特有の副作用が起こる可能性があります。具体的には、間質性肺炎、甲状腺機能異常、1型糖尿病、大腸炎、肝炎、皮膚障害など多岐にわたります12。これらの副作用は早期発見・早期対応が極めて重要ですので、治療中は些細な体調の変化でも速やかに医療スタッフに報告することが大切です。
最新の治療はどこで受けられますか?
肝臓がんの専門的な治療は、複数の診療科(消化器内科、肝胆膵外科、放射線科など)が連携して集学的な治療方針を決定できる体制が整った医療機関で受けることが望ましいです。日本肝臓学会や日本癌治療学会は、専門医や認定施設をウェブサイトで公開しています。また、国が指定する「がん診療連携拠点病院」は、質の高いがん医療を提供する中心的な役割を担っています。主治医と相談の上、これらの情報を参考に医療機関を選ぶことが推奨されます4

結論

肝臓がんは、依然として大きな課題を抱える疾患ですが、本稿で詳述してきたように、その理解と治療は飛躍的な進歩を遂げています。日本の世界に誇る検診システムによる「早期発見」は、予後を改善するための最も強力な武器です。そして、手術から薬物療法に至るまで、治療の選択肢はかつてなく多様化し、個々の患者様の状態に合わせた「個別化医療」が現実のものとなっています。特に、免疫療法を中心とした新薬の登場は、これまで治療が困難であった進行がんの患者様にも新たな希望をもたらしました。
しかし、最も重要なのは、患者様ご自身が正確な情報に基づいてご自身の病気を理解し、医療チームと信頼関係を築き、主体的に治療に参加することです。経済的な負担を軽減する社会制度も整備されています。JapaneseHealth.orgは、この困難な道のりを歩むすべての患者様とご家族が、希望を持って一歩を踏み出すための、信頼できる情報を提供し続けることをお約束します。

免責事項
本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。健康上の懸念がある場合や、ご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

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