【足のアトピー性皮膚炎】かゆみ・湿疹と長く付き合うための原因と対策ガイド
皮膚科疾患

【足のアトピー性皮膚炎】かゆみ・湿疹と長く付き合うための原因と対策ガイド

ふくらはぎや足首、足の甲などに赤みやブツブツ、強いかゆみが出て、つい掻きこわしてしまう…。ストッキングや靴下が当たるだけでヒリヒリしたり、人前で素足を出すのが恥ずかしいと感じていませんか。

足に出るアトピー性皮膚炎や湿疹は、命に関わることは少ないものの、かゆみや見た目のつらさから日常生活の質(QOL)を大きく下げてしまいます。さらに、むくみや静脈瘤がある方では「下肢静脈うっ滞による湿疹(いわゆる静脈性・静脈瘤性湿疹)」が重なっていることもあり、自己判断での放置は思わぬ悪化につながる場合もあります12

本記事では、日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインや厚生労働省の解説、公的な海外ガイドをもとに、足のアトピー性皮膚炎・湿疹について、「なぜ足に出やすいのか」「どこまで自分でケアできるのか」「いつ病院へ行くべきか」を、できるだけわかりやすく整理しました13

なお、ここで説明する内容はあくまで一般的な情報です。実際の診断・治療は個々の状態によって異なりますので、気になる症状がある場合は、必ず医師などの医療専門職に相談してください。

Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について

Japanese Health(JHO)は、健康と美容に関する情報を提供するオンラインプラットフォームです。膨大な医学文献や公的ガイドラインを整理し、日常生活で活用しやすい形でお届けすることを目指しています。

本記事の内容は、主に以下のような一次情報源に基づいて、JHO編集部が生成AIツールのサポートを受けつつ、最終的には人の目で一つひとつ確認しながら作成しています。

  • 厚生労働省・日本皮膚科学会などの公的資料:アトピー性皮膚炎診療ガイドラインや患者向け資料、日本人のデータを含む統計資料などを優先して参照しています13
  • 国内外の医学会ガイドライン・査読付き論文:日本皮膚科学会のガイドライン、日本のアトピー性皮膚炎に関する疫学研究、NHS(英国国民保健サービス)などの静脈性湿疹に関する解説をもとに、足の湿疹の背景を整理しています12
  • 教育機関・医療機関・NHSなどの一次資料:下肢の静脈うっ滞や静脈瘤と湿疹の関係、治療方針・セルフケアに関する実務的な情報として利用しています24

生成AIツールは、文献の要約や構成案作成の「アシスタント」として活用していますが、公開前には必ずJHO編集部が原著資料と照合し、重要な記述を一つひとつ確認しながら、事実関係・数値・URLの妥当性を検証しています。

私たちの運営ポリシーや編集プロセスの詳細は、運営者情報(JapaneseHealth.org)をご覧ください。

要点まとめ

  • アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が慢性的に続き、良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚の病気で、多くの人はアレルギー体質(アトピー素因)を持っています1
  • 足は乾燥しやすく、靴・靴下・ストッキングによるこすれや汗、むくみなどが重なり、アトピー性皮膚炎や静脈うっ滞性湿疹(静脈瘤性湿疹)が出やすい部位です2
  • 治療の基本は、「悪化因子の対策」「スキンケア(保湿)」「外用薬(ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏など)」であり、重症例では生物学的製剤やJAK阻害薬など全身療法が用いられることもあります135
  • 自己判断でステロイド外用薬を長期間漫然と使ったり、市販薬だけで我慢し続けると、皮膚が薄くなったり、感染症や色素沈着、硬くゴツゴツした皮膚(苔癬化)につながることがあります1
  • 足の赤み・腫れ・熱感・強い痛み・急な悪化・発熱などがある場合は、蜂窩織炎や血栓症など別の病気が隠れている可能性があるため、早めに医療機関を受診することが大切です。
  • 生活習慣やスキンケアを整えつつ、必要なときに皮膚科などで専門的な治療を受けることで、かゆみや見た目の悩みを軽減し、長期的に症状をコントロールしやすくなります。

第1部:足のアトピー性皮膚炎の基本と日常生活の見直し

最初のステップとして、足のアトピー性皮膚炎・湿疹が起こる「基本的な仕組み」と、「日常生活の中で悪化させやすい習慣」について整理します。いきなり病名を決めつけるのではなく、「自分の生活のどこに負担がかかっているのか」を客観的に振り返ることが、長期的なコントロールへの第一歩です。

1.1. 皮膚のバリア機能と足に湿疹が出やすい理由

アトピー性皮膚炎は、「かゆみを伴う湿疹が慢性的に続き、増悪と軽快を繰り返す」という性質を持つ病気です。患者さんの多くは、アレルギー体質(アトピー素因)や皮膚のバリア機能が生まれつき弱い素因を持っているとされています1

皮膚の最も外側には「角質層」と呼ばれる層があり、レンガとセメントのように角質細胞と脂質が組み合わさることで、外からの刺激やアレルゲン、細菌・ウイルスなどから体を守っています。このバリアが弱くなると、水分が逃げて肌は乾燥しやすくなり、少しの刺激でも赤みやかゆみ、ブツブツ(湿疹)が出やすくなります。

特に足は、次のような理由から湿疹やアトピー性皮膚炎が出やすい部位です。

  • 皮脂が少なく、もともと乾燥しやすい。
  • 靴や靴下、ストッキングなどによる「こすれ」「密閉」が起こりやすく、汗やムレがたまりやすい。
  • 立ち仕事や長時間のデスクワークで血流が滞りやすく、むくみや静脈うっ滞による湿疹(静脈性湿疹)が重なりやすい2
  • 自己処置として市販の湿布や塗り薬、角質ケア用品を使い、それが刺激になって接触皮膚炎(かぶれ)を起こすことがある。

このように、「皮膚のバリア機能の弱さ」と「足特有の環境」が重なることで、足にアトピー性皮膚炎や湿疹が集中して出ているケースも少なくありません。

1.2. 悪化させてしまうNG習慣と見直したいポイント

足のアトピー性皮膚炎・湿疹を悪化させやすい日常の習慣を、具体的な場面とともに見ていきましょう。ここでは「やってしまいがちだけれど、実は悪化させている行動」と、「代わりにおすすめしたい工夫」をセットで整理します。

  • 熱いお湯で長風呂をする
    熱いお湯や長時間の入浴は、一時的に気持ちよくても、皮膚の脂質を奪ってさらに乾燥を進めてしまいます。ぬるめ(38〜40℃)のお湯で短時間の入浴にとどめ、石けんやボディソープは必要な部分だけに使うようにしましょう3
  • ナイロンタオルやスクラブでゴシゴシ洗う
    かゆい部位ほどゴシゴシ洗いたくなりますが、これもバリア機能を壊して悪循環になります。泡立てた石けんを手のひらでやさしくなでる程度にとどめ、こすり洗いは避けましょう。
  • 綿以外の靴下やきついストッキングを一日中はく
    化学繊維や締め付けの強い靴下は、こすれやムレを強めます。肌に直接触れる一枚目は、できるだけ綿素材や肌ざわりの良いものを選び、仕事の都合でストッキングが必須の場合も、帰宅後は早めに脱いで皮膚を休ませましょう。
  • かゆくて眠れないときに、素肌を直接かきむしる
    掻くことで一時的には楽になりますが、皮膚の表面が傷ついてバリア機能が壊れ、細菌感染や色素沈着を招きます。爪を短く切る、綿手袋やレッグウォーマーを重ねて直接肌をかかないよう工夫することも役立ちます。
  • 市販のステロイド外用薬を自己判断で長期間使い続ける
    短期間の使用であれば有効なこともありますが、症状に合わない強さ・量・期間で使うと、皮膚萎縮などの副作用や「塗るのをやめるとすぐ悪化する」という状態につながることがあります1。長引く場合は必ず皮膚科などを受診しましょう。
表1:足のかゆみ・湿疹セルフチェックリスト
こんな症状・状況はありませんか? 考えられる主な背景・原因カテゴリ
すねや足首の皮膚がカサカサで白い粉をふき、冬場に特にかゆみが強い 乾燥肌、アトピー性皮膚炎の素因、保湿不足
立ち仕事が多く、夕方になるとふくらはぎがむくみ、足首まわりが赤黒くてかゆい 静脈うっ滞、静脈瘤に関連した湿疹(静脈性湿疹)の可能性
足の指の間がじゅくじゅくしてかゆく、皮がむける 水虫(足白癬)などの感染症の可能性
新しい靴・靴下・湿布を使い始めてから、当たる部分が赤くかぶれてきた 接触皮膚炎(かぶれ)、ゴム・金属・接着剤などへのアレルギー
夜になると足のかゆみが強く、眠れない日が続いている アトピー性皮膚炎の活動性が高い状態、ストレスや自律神経の乱れ

第2部:身体の内部要因 — 体質・ホルモン・血流の影響

生活習慣やスキンケアを見直してもなかなか改善しない場合、その背景にはアトピー素因やホルモンバランス、血流の問題など、身体の内側の要因が関わっていることがあります。特に足の湿疹では、アトピー性皮膚炎と静脈うっ滞性湿疹が重なっているケースもあり、体質や持病、ライフステージに応じた視点が必要です12

2.1. アトピー素因とライフステージの影響

日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインでは、アトピー性皮膚炎を「かゆみのある湿疹を主病変とし、多くの患者がアトピー素因(家族歴・既往歴やIgE抗体を産生しやすい体質)を持つ疾患」と定義しています1。家族にアトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎などがある場合、足に限局した湿疹であってもアトピー性皮膚炎の一部として起きている可能性があります。

また、ライフステージによっても足の湿疹の出方が変わることがあります。

  • 成長期・青年期
    スポーツや部活動による汗・ムレ・擦れが増え、すねや足首の湿疹が悪化しやすくなります。合成繊維の靴下やスパッツ、レガースなどの防具が刺激になることもあります。
  • 妊娠・出産期
    ホルモンバランスの変化や体重増加、下肢の血行不良により、足のむくみや静脈瘤が悪化し、それに伴って湿疹やかゆみが出やすくなります。使える薬が制限されることもあるため、自己判断で市販薬を使う前に必ず医師に相談しましょう。
  • 更年期・高齢期
    皮脂や汗の分泌低下により全身の乾燥が進み、特に下肢の乾燥性湿疹やアトピー性皮膚炎が再燃しやすくなります。また、高血圧や心不全、静脈瘤などでむくみや静脈うっ滞が起こり、静脈性湿疹が重なることも少なくありません2

2.2. 血流・むくみ・静脈うっ滞の関係

足に限定して湿疹が出ている場合、「アトピー性皮膚炎」と「静脈うっ滞による湿疹(静脈性湿疹)」が重なっている可能性があります。静脈性湿疹は、足の静脈の弁がうまく働かず、血液が心臓に戻りにくくなることで、ふくらはぎや足首の皮膚に慢性的な炎症が起こる状態です2

典型的には次のような症状がみられます。

  • ふくらはぎや足首の周りに、かゆみを伴う赤み・茶色っぽい色素沈着がある。
  • 夕方になると足が重だるく、靴下の跡がくっきり残る。
  • 表面に静脈瘤(ボコボコした青い血管)が目立つ。
  • 皮膚が硬く、ゴムのように張った感じになってきている。

このような場合、保湿や外用薬だけでなく、弾性ストッキングや下肢静脈の治療など、「血流の改善」を含めたアプローチが必要となることがあります24。自己判断で強いマッサージを行うと、かえって皮膚を傷つけてしまうこともあるため注意が必要です。

第3部:専門的な診断が必要な病気と見分け方

足の湿疹やかゆみは、すべてがアトピー性皮膚炎とは限りません。特に、「片側だけ」「急にひどくなった」「痛みや熱を伴う」といった場合には、別の病気が隠れている可能性もあります。ここでは代表的な例と、受診の目安となるポイントを整理します。

3.1. アトピー性皮膚炎としての足の湿疹

日本皮膚科学会の診断基準では、アトピー性皮膚炎は「かゆみ」「特徴的な皮疹と分布」「慢性・反復性の経過」の3つが基本項目です1。足の場合、次のような特徴がみられることがあります。

  • 両側のすねや足首、足の甲などに左右対称性の湿疹が見られる。
  • 乾燥した皮膚がベースにあり、その上に赤み・小さなブツブツ・かさぶた・ひっかき傷が混在している。
  • かゆみが強く、特に夜間に悪化しやすい。
  • 他の部位(肘や膝の裏、首、顔など)にもアトピー性皮膚炎の皮疹がある。

このような場合、アトピー性皮膚炎としての治療(保湿・外用薬・生活指導など)を行うことで、足の症状も含めて全身的なコントロールを目指すことになります13

3.2. 静脈うっ滞性湿疹(静脈瘤性湿疹)

中高年以降で、立ち仕事や妊娠・出産の経験がある人、静脈瘤が目立つ人では、静脈うっ滞性湿疹(静脈瘤性湿疹)と呼ばれるタイプの湿疹がみられることがあります2

  • ふくらはぎから足首にかけて、茶色〜赤紫色の色素沈着と、かゆみを伴う湿疹がみられる。
  • 長時間立った後や、夕方以降に症状が悪化しやすい。
  • 皮膚が硬くなり、靴下のゴム跡の部分が特に荒れている。

静脈性湿疹は、皮膚の炎症そのものに対する治療(保湿やステロイド外用薬など)に加えて、下肢静脈瘤のコントロールや弾性ストッキングなどで血流の改善を図ることが重要です24。放置すると、潰瘍(皮膚がただれて穴のようになる状態)を生じることもあるため、早めの受診が勧められます。

3.3. 水虫(足白癬)・接触皮膚炎・その他の病気

足のかゆみ・湿疹の原因として、次のような病気が紛れていることもあります。

  • 水虫(足白癬)
    足の指の間や足裏に、皮むけや小さな水ぶくれ、じゅくじゅくしたただれがみられることがあります。かゆみだけではアトピー性皮膚炎と区別がつきにくいため、必要に応じて皮膚科で真菌検査(顕微鏡検査)を行います。
  • 接触皮膚炎(かぶれ)
    新しい靴、靴下、湿布、軟膏、金属、ゴムなどが肌に触れた部分だけが、くっきりと赤くかぶれることがあります。原因と思われる製品を中止し、必要に応じてパッチテストなどでアレルゲンを調べます。
  • 蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの皮膚感染症
    赤みが急に広がり、熱感や強い痛み、発熱を伴う場合は、細菌感染が疑われます。この場合は早急な受診が必要です。
  • 血栓症や血管系の病気
    片側のふくらはぎだけが急に腫れて痛みが強い、息苦しさを伴うなどの症状がある場合は、深部静脈血栓症などの可能性も考えられます。119番通報など緊急対応が必要となることもあるため、迷ったら早めに医療機関へ相談してください。

第4部:今日から始める足のアトピー性皮膚炎ケア・アクションプラン

原因がアトピー性皮膚炎であっても、静脈性湿疹やその他の要因が重なっていても、「今日からできる小さな工夫」を積み重ねていくことで、かゆみや見た目のつらさを少しずつ減らしていくことができます。ここでは、レベル別のアクションプランを整理します。

表2:足のアトピー性皮膚炎・湿疹 改善アクションプラン
ステップ アクション 具体例
Level 1:今夜からできること 乾燥と刺激を減らす ぬるめのお湯で短時間入浴し、ナイロンタオルでこすらず、入浴後5〜10分以内に保湿剤をたっぷり塗る。寝る前に綿の靴下や手袋を使い、直接かかない工夫をする3
Level 2:今週から見直したい生活習慣 靴・靴下・職場環境を調整する 肌に直接触れる靴下を綿素材に変える、きつすぎるストッキングや靴を見直す。立ち仕事の場合、休憩時間に足を少し高く上げる時間をとる。
Level 3:1〜2か月かけて取り組むこと 定期的な保湿と外用薬の正しい使用 皮膚科で処方された保湿剤・外用薬を、指示通りの量と期間で使う習慣をつくる。症状が落ち着いてもすぐにやめず、維持療法について相談する13
Level 4:長期的に考えたいこと 体重管理・運動・静脈瘤の評価 ウォーキングやストレッチで下肢の血流を促す。静脈瘤や強いむくみがある場合は、血管外科や循環器内科で相談し、必要に応じて弾性ストッキングなどの治療を受ける24

これらのアクションは、すべてを一度に完璧に行う必要はありません。「今日できること」を一つずつ積み重ね、症状の変化をメモしておくことで、受診時にも役立つ情報になります。

第5部:専門家への相談 — いつ・どこで・どのように?

足のアトピー性皮膚炎・湿疹は、自己ケアだけである程度コントロールできる場合もありますが、「我慢しすぎて受診が遅れる」とかえって治りにくくなることもあります。ここでは、受診の目安や、医療機関の選び方、診察を有効活用するポイントを紹介します。

5.1. 受診を検討すべき危険なサイン

  • 赤みが急に広がった、または片側の足だけが急に赤く腫れて熱をもっている。
  • 強い痛みやズキズキする感じがあり、歩くのもつらい。
  • 発熱、寒気、全身のだるさなど、体調の悪化を伴っている。
  • 水ぶくれや膿を持ったようなブツブツが増えている。
  • 潰瘍(皮膚がただれて穴のようになった部分)ができている。

これらの症状がある場合は、蜂窩織炎や重度の静脈うっ滞、血栓症など、アトピー性皮膚炎以外の病気が疑われます。早急に医療機関を受診し、必要に応じて救急外来や119番通報も検討してください。

5.2. 症状に応じた診療科の選び方

  • まず相談しやすいのは皮膚科
    慢性的なかゆみや湿疹、アトピー性皮膚炎が疑われる場合は、皮膚科が基本です。水虫かアトピーか判別がつかない場合も、皮膚科で検査を受けることができます。
  • むくみや静脈瘤が気になる場合
    静脈瘤や強いむくみが目立つ場合は、皮膚科に加えて、血管外科や循環器内科で下肢静脈の評価を受けることが選択肢になります。
  • 持病が多い・薬が多い場合
    糖尿病や心不全、腎臓病など持病がある場合、かかりつけ医(内科など)と皮膚科が連携して治療方針を決めることもあります。

5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安

  • 症状の経過メモ(いつから、どの部位に、どのような症状が出ているか)。
  • 使用中の薬・市販薬・サプリメントのリストや現物(外用薬・湿布・漢方薬など)。
  • 最近撮影した患部の写真(症状が出たり引いたりする場合、スマートフォンなどで記録しておくと役立ちます)。
  • 健康保険証、お薬手帳。

日本の公的医療保険(一般的には自己負担3割)のもとでは、初診料・再診料に加え、必要な検査や処方薬の費用がかかります。具体的な金額は医療機関や検査内容によって異なりますが、「早めに相談して適切な治療を受けることで、長期的な通院や合併症を防ぐ」という意味でも、気になる症状が続くときは早めの受診を検討しましょう。

よくある質問

Q1: 足だけにアトピー性皮膚炎が出ることはありますか?

A1: アトピー性皮膚炎は全身のさまざまな部位に出る可能性がありますが、体質や生活環境によっては「ほとんど足にしか出ない」という人もいます1。特に、乾燥しやすいすねや足首は、靴下やストッキングによる摩擦、むくみなどが重なり、湿疹が集中しやすい部位です。

ただし、「本当にアトピー性皮膚炎なのか」「静脈うっ滞や水虫など他の病気が重なっていないか」を確認するためにも、一度皮膚科で診断を受けることをおすすめします。

Q2: 足の湿疹が水虫かアトピーか、自分で見分けることはできますか?

A2: 見た目だけで完全に見分けることは難しく、専門家でも顕微鏡検査などを行って判断することがあります。水虫(足白癬)の場合、足の指の間や足裏に皮むけや水ぶくれ、じゅくじゅくしたただれが出ることが多く、かゆみが強いこともあります。

一方、アトピー性皮膚炎では、乾燥した皮膚をベースに赤みやひっかき傷、小さなブツブツが混在していることが多く、肘や膝の裏、首など他の部位にも湿疹があることがよく見られます1。自己判断で水虫薬を塗ると、かぶれ(接触皮膚炎)を起こすこともあるため、気になる場合は皮膚科で検査を受けましょう。

Q3: 市販のステロイド外用薬だけで治してしまっても大丈夫でしょうか?

A3: 市販のステロイド外用薬は、短期間・軽症の湿疹に対しては一定の効果が期待できる場合もあります。しかし、症状に合わない強さや塗り方で長期間使い続けると、皮膚が薄くなる、毛細血管が目立つなどの副作用が生じることがあります13

また、「塗るのをやめるとすぐに悪化する」「だんだん効きが悪くなってきた」と感じる場合は、治療方針の見直しが必要かもしれません。2週間程度使っても改善が不十分なときや、繰り返し再発する場合は、早めに皮膚科を受診して適切な治療計画を立ててもらいましょう。

Q4: 妊娠中や授乳中でも、足のアトピー性皮膚炎の治療はできますか?

A4: 妊娠中・授乳中でも、使える保湿剤や外用薬(ステロイド外用薬・タクロリムス軟膏など)はありますが、薬の種類や強さ、塗る範囲には慎重な調整が必要です13。自己判断で市販薬を増やすのではなく、産婦人科や皮膚科で妊娠・授乳中であることを伝えた上で、適切な治療を相談してください。

特に、足のむくみや静脈瘤が目立つ場合は、静脈うっ滞性湿疹が重なっている可能性もあるため、体重管理や弾性ストッキングの使用なども含めて総合的に対策を考えていきます。

Q5: 子どもが足をかきむしって血が出てしまいます。どう対応すればよいですか?

A5: 子どものアトピー性皮膚炎では、強いかゆみから足をかきむしってしまい、血がにじんだりかさぶたになることも少なくありません1。まずは、適切な強さの外用薬と保湿剤で炎症とかゆみを抑えることが大切です。

その上で、爪を短く切る、寝るときに綿の手袋や長めのパジャマ・レッグウォーマーを使う、日中は気を紛らわせる遊びを取り入れるなど、「直接皮膚をかかない工夫」を家族と一緒に考えていきましょう。繰り返し悪化する場合や、とびひ(伝染性膿痂疹)が疑われる場合は、早めに小児科や皮膚科を受診してください。

Q6: 足の湿疹は完治しますか?それとも一生付き合っていく病気でしょうか?

A6: アトピー性皮膚炎は、乳幼児期に発症して学童期以降に自然に良くなる人もいれば、成人期まで症状が続く人もいます1。また、一度良くなったように見えても、ストレスや生活環境の変化、乾燥やむくみなどをきっかけに再び悪化することもあります。

「完全にゼロにする」ことを目指すよりも、「強いかゆみや生活に支障が出る悪化をできるだけ減らし、穏やかな状態を長く保つ」ことを目標にする方が現実的です。適切なスキンケアと治療、生活習慣の工夫を組み合わせることで、症状がほとんど気にならない期間を長く保てる人も少なくありません。

結論:この記事から持ち帰ってほしいこと

足のアトピー性皮膚炎・湿疹は、「かゆみ」と「見た目」の両面で、仕事や家事、外出、ファッションなど日常生活のあらゆる場面に影響を与えます。しかし、その背景には、皮膚のバリア機能の弱さ、生活習慣、血流やむくみ、年齢や体質など、複数の要因が絡み合っていることが多く、一人で原因を特定するのは簡単ではありません。

この記事では、足に湿疹が出やすい理由や、悪化させてしまう習慣、アトピー性皮膚炎と静脈うっ滞性湿疹など他の病気との違い、今日から始められるセルフケア、受診の目安などを整理しました。大切なのは、「自分を責めないこと」と「一人で抱え込まないこと」です。症状が長引いてつらいとき、仕事や家事に支障が出ているとき、見た目の不安で外出をためらってしまうときは、遠慮なく専門家に相談してください。

Japanese Health(JHO)編集部は、厚生労働省や日本の専門学会、世界保健機関(WHO)などの信頼できる情報をもとに、今後も足のアトピー性皮膚炎を含む皮膚トラブルについて、生活者目線で役立つ情報を発信していきます。

この記事の編集体制と情報の取り扱いについて

Japanese Health(JHO)は、信頼できる公的情報源と査読付き研究に基づいて、健康・医療・美容に関する情報をわかりやすくお届けすることを目指しています。

本記事の原稿は、最新の生成AI技術を活用して下調べと構成案を作成したうえで、JHO編集部が一次資料(ガイドライン・論文・公的サイトなど)と照合しながら、内容・表現・数値・URLの妥当性を人の目で一つひとつ確認しています。最終的な掲載判断はすべてJHO編集部が行っています。

本記事で参照している主な情報源には、日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドライン、厚生労働省の患者向け資料、アトピー性皮膚炎に対する生物学的製剤・JAK阻害薬の最適使用推進ガイドライン、NHSによる静脈性湿疹の解説などがあります12345

ただし、本サイトの情報はあくまで一般的な情報提供を目的としており、個々の症状に対する診断や治療の決定を直接行うものではありません。気になる症状がある場合や、治療の変更を検討される際は、必ず医師などの医療専門家にご相談ください。

記事内容に誤りや古い情報が含まれている可能性にお気づきの場合は、お手数ですが運営者情報ページ記載の連絡先までお知らせください。事実関係を確認のうえ、必要な訂正・更新を行います。

免責事項 本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言や診断、治療に代わるものではありません。健康上の懸念がある場合や、治療内容の変更・中止等を検討される際には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

  1. 日本皮膚科学会. アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2021. 2021年. https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/ADGL2021.pdf(最終アクセス日:2025-11-26)

  2. NHS. Varicose eczema. NHS website. https://www.nhs.uk/conditions/varicose-eczema/(最終アクセス日:2025-11-26)

  3. 厚生労働省. アトピー性皮膚炎について. 2015年改訂資料. https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001545840.pdf(最終アクセス日:2025-11-26)

  4. NHS. Varicose eczema – Treatment. NHS website. https://www.nhs.uk/conditions/varicose-eczema/treatment/(最終アクセス日:2025-11-26)

  5. 厚生労働省. 最適使用推進ガイドライン デュピルマブ(遺伝子組換え). 2022年. https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001167635.pdf(最終アクセス日:2025-11-26)

  6. 厚生労働省. 最適使用推進ガイドライン バリシチニブ. 2023年. https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001263146.pdf(最終アクセス日:2025-11-26)

この記事はお役に立ちましたか?
はいいいえ