【高血圧と高麗人参・紅参】血圧は上がる?下がる?日本人のための安全な使い方ガイド
心血管疾患

【高血圧と高麗人参・紅参】血圧は上がる?下がる?日本人のための安全な使い方ガイド

「高血圧だけど、高麗人参や紅参を飲んでも大丈夫?」「血圧の薬と一緒に飲んで平気なのか心配…。」こうした不安を抱えながら、誰にも相談できずにいる方は少なくありません。韓国のお土産やテレビ・インターネットの広告で高麗人参や紅参(こうじん)の健康効果を目にすると、「血圧にも良さそう」「自然のものだから安心」と感じて試してみたくなる一方で、「高血圧の人は飲んではいけない」という噂も耳にします。

一方、日本国内では高血圧を抱える人が約4,300万人にのぼるとされており4、降圧薬を内服しながら日常生活や仕事、家族のケアを続けている人が大勢います。そのなかで、高麗人参や紅参などのサプリメントや健康食品を「体力づくり」「疲労回復」「血流改善」の目的で取り入れる方も増えていますが、薬との飲み合わせや血圧への影響について、公的な情報は決して多くありません。

本記事では、日本の公的機関や専門学会の情報、高血圧治療ガイドライン、日本や海外で行われた臨床試験・メタ解析(複数の研究をまとめた解析)などをもとに、「高血圧と高麗人参・紅参」の関係をできるだけ分かりやすく整理します。高血圧の人でも飲んでよいケース・注意が必要なケース・避けたほうがよいケースを切り分けながら、具体的なセルフチェックの方法や医療機関への相談の仕方まで、日本で生活する人の目線で解説していきます。

なお、本記事の情報はあくまで一般的な情報提供を目的としており、個々の診断や治療方針を決めるものではありません。現在治療中の方や、これから高麗人参・紅参の利用を検討している方は、記事を参考にしつつ、必ず担当医や薬剤師などの医療専門職に相談してください。

Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について

Japanese Health(JHO)は、健康と美容に関する情報を提供するオンラインプラットフォームです。膨大な医学文献や公的ガイドラインを整理し、日常生活で活用しやすい形でお届けすることを目指しています。

本記事は、JHO(JapaneseHealth.org)編集委員会が、厚生労働省や日本高血圧学会、日本の漢方関連団体、世界保健機関(WHO)、海外の査読付き論文などの信頼できる情報に基づいて作成しました348

具体的には、厚生労働省eJIMが公開している朝鮮ニンジン(Panax ginseng)に関する専門家向け情報やハーブと薬の相互作用の解説12、日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」一般向け解説冊子3、高麗人参・紅参と血圧の関係を検討した国内外のランダム化比較試験およびメタ解析910111213、健康食品の安全性に関する厚生労働科学研究班の報告書7などを参照しています。

原稿の作成には生成AIを「リサーチ補助・構成案作成ツール」として活用していますが、最終的な内容の確認・編集・掲載判断はすべてJHO編集部が行っています。重要な記述や数値、URLについては、一次資料やガイドラインと照らし合わせながら、一つひとつ人の目でチェックしています。

私たちの運営ポリシーや編集プロセスの詳細は、運営者情報(JapaneseHealth.org)をご覧ください。

要点まとめ

  • 日本では約4,300万人の成人が高血圧とされており4、その一部の方が体力維持や疲労回復を目的に高麗人参・紅参のサプリや健康食品を利用しています。
  • 厚生労働省eJIMや米国NCCIHなどの情報によると、一般的な用量・期間(おおむね200mg〜3g/日程度、最長6か月)での内服は比較的安全とされていますが、高血圧の人では血圧が上がる場合と下がる場合の両方が報告されており、個人差があります115
  • 複数のメタ解析やランダム化比較試験では、Panax ginsengや韓国紅参が収縮期血圧(SBP)を数mmHg程度下げる可能性が示されていますが、効果の大きさはあくまで「軽度」であり、標準的な高血圧治療(生活習慣の改善や降圧薬)の代わりにはなりません91011
  • 高麗人参・紅参は、降圧薬、糖尿病薬、抗凝固薬(ワルファリンなど)などと相互作用を起こす可能性があるため、現在治療中の方は自己判断で飲み始めたり、薬を減らしたりせず、必ず主治医や薬剤師に相談することが重要です21416
  • 日本の高血圧治療ガイドライン(JSH2019)では、高麗人参・紅参は標準治療の一部として推奨されておらず、高血圧管理の基本はあくまで減塩・運動・体重管理と、必要に応じた降圧薬であることが明確に示されています3
  • 高血圧の人が高麗人参・紅参を検討する場合は、少量から始めて家庭血圧をこまめに測定し、血圧が大きく変動したり動悸・頭痛・めまいなどが出た場合はすぐに使用を中止し、医療機関に相談することが大切です。
  • 妊娠中・授乳中・小児、重い持病がある方は、NCCIHやeJIMなどが安全性の不確実さを理由に使用を控えるよう注意喚起しているため115、基本的に自己判断での使用は避けるべきと考えられます。

第1部:高血圧の基本と日常生活の見直し

高麗人参や紅参の話に入る前に、「高血圧とはそもそも何か」「どれくらい日本人に多いのか」「放置すると何が問題なのか」を押さえておきましょう。基礎知識を理解しておくことで、サプリメントや健康食品の位置づけも自然と見えてきます。

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1.1. 日本における高血圧の定義と有病率

日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン2019によると、高血圧とは、診察室で測定した血圧が140/90mmHg以上、もしくは家庭血圧が135/85mmHg以上の状態が続いている場合を指します3。上の数字(収縮期血圧:SBP)は心臓が収縮して血液を送り出すときの圧力、下の数字(拡張期血圧:DBP)は心臓が休んでいるときの圧力です。

厚生労働省の報告では、日本の成人のうち約4,300万人が「血圧が高い状態」にあると推計されています4。これはほぼ国民の3人に1人に相当し、特に中高年以降の男性や、高齢の女性で割合が高くなります。自覚症状が乏しいため、「健康診断で指摘されてもそのまま」「忙しくて受診できない」といったケースも多く、気づかないうちに動脈硬化が進行することが問題です。

1.2. 高血圧を放置すると何が起こる?

高血圧はしばしば「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」と呼ばれます。多くの場合、頭痛やめまいなどのはっきりした症状がないまま、長年にわたり血管に負担をかけ続けるからです。長期間コンクリートの水道管に高い水圧をかけ続けると、少しずつ傷がつき、ひび割れが生じるのと同じように、血管の内側も少しずつダメージを受けていきます。

その結果、次のような合併症リスクが高まります3

  • 脳卒中(脳梗塞・脳出血など):脳の血管が詰まったり、破れたりする病気です。突然の片麻痺、ろれつが回らない、激しい頭痛などの症状が現れます。
  • 心筋梗塞・狭心症:心臓を栄養する冠動脈が狭くなったり詰まったりする病気です。胸の痛みや圧迫感、息切れなどが特徴です。
  • 慢性腎臓病・腎不全:腎臓の細い血管が障害され、老廃物をうまく処理できなくなります。
  • 心不全:心臓のポンプ機能が弱まり、少し動いただけで息切れしたり、むくみが出たりします。
  • 眼底出血・視力障害:目の奥の細い血管が傷み、視力低下につながることがあります。

世界保健機関(WHO)の報告によると、心血管疾患は世界の死因の中で最も多く、全死亡の約3割を占めるとされています8。高血圧はその大きな危険因子であり、日本でも例外ではありません。したがって、サプリメントや健康食品による「何となくの安心感」だけで対処するのではなく、ガイドラインに基づいた治療と生活改善が基本になります。

1.3. 悪化させやすい生活習慣とセルフチェック

高麗人参・紅参を検討する前に、まずは日常生活の中で血圧を上げてしまいやすい習慣がないか振り返ってみましょう。高血圧治療ガイドラインや公的情報では、次のようなポイントが繰り返し指摘されています3

  • 塩分のとり過ぎ:味噌汁や漬物、ラーメン、加工食品などから知らないうちに塩分をとり過ぎているケースが多く、1日6g未満を目指すことが推奨されています。
  • 運動不足:通勤や家事以外にほとんど体を動かさない生活は、血圧上昇や体重増加につながります。
  • 飲酒量の多さ:日本酒・ビール・焼酎などのアルコール摂取は、一定量を超えると血圧を上げやすくなります。
  • 喫煙・加熱式たばこ:ニコチンは急激な血圧上昇を招き、動脈硬化を進行させます。
  • 睡眠不足・ストレス:慢性的な睡眠不足や強いストレスは、自律神経のバランスを崩し、血圧を上げやすくします。
表1:高血圧と生活習慣のセルフチェック
こんな生活はありませんか? 考えられる背景・リスク
ラーメンや丼もの、惣菜など外食・中食が週4回以上 塩分過多、カロリー過多により血圧・体重が上がりやすい
ほぼ毎日、晩酌で2合以上の日本酒または同等のアルコールを飲む アルコールによる血圧上昇、心血管リスクの増大
休日でもほとんど歩かず、デスクワークや座位が中心 運動不足により血管の柔軟性が低下し、血圧が上がりやすい
眠る直前までスマートフォンやPCを見ていて、寝つきが悪い 睡眠の質の低下により自律神経が乱れ、血圧が安定しにくい
エナジードリンクやカフェイン飲料を気分転換に何本も飲む カフェインとその他の成分により、一時的な血圧上昇や動悸が起こる可能性

こうした生活習慣を見直すことは、高麗人参・紅参を試すかどうかにかかわらず、高血圧の予防・改善にとって最も重要な土台です。後述するサプリメントの情報とあわせて、自分の生活のどこから変えられそうか、少しずつ整理してみましょう。

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第2部:高麗人参・紅参とは? — 成分と血圧へのメカニズム

次に、高麗人参・紅参そのものについて整理します。同じ「人参」と呼ばれていても、にんじん(野菜)とはまったく別の植物であり、加工方法や成分の違いによって体への作用も変わります。血圧への影響を理解するうえで、まずは基本的な性質を押さえておきましょう。

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2.1. オタネニンジン・高麗人参・紅参・白参の違い

高麗人参や紅参の原料となるのは、学名Panax ginseng(オタネニンジン)というウコギ科の多年草です。日本では「朝鮮人参(ちょうせんにんじん)」「高麗人参(こうらいにんじん)」などと呼ばれ、古くから漢方薬の重要な生薬として利用されてきました15

加工方法の違いによって、次のような名称が使い分けられます。

  • 白参(はくじん):収穫した根をそのまま乾燥させたもの。比較的マイルドな作用とされています。
  • 紅参(こうじん):蒸したあとに乾燥させたもの。加熱・蒸し工程により、一部のジンセノシド(有効成分)が変化し、含有量が増えるとされています1
  • 高麗人参サプリ・エキス:紅参・白参などをエキスや粉末に加工し、カプセルやドリンク、顆粒などの形にした健康食品です。

日本では、医療用・一般用の漢方薬の中にも人参(にんじん)が含まれる処方が存在しますが、これらは医薬品として厳格に成分や用量が管理されています。一方、市販のサプリメントや健康食品は「食品」に分類され、医薬品ほど厳密な有効成分量の規定はありません17。同じ「高麗人参」と書かれていても、商品によってジンセノシドの種類や量が大きく異なる点には注意が必要です。

2.2. ジンセノシドと血管・血圧への影響

高麗人参・紅参の代表的な有効成分は、ジンセノシドと総称されるサポニン類です。アルファベットで表される「Rg3」「Re」「Rb1」など多数の種類があり、それぞれが血管や心臓、神経系、免疫系などにさまざまな影響を与えると考えられています58

血圧との関係で特に重要なのは、以下のようなメカニズムです。

  • 血管内皮機能の改善:ジンセノシドの一部は、一酸化窒素(NO)の産生を促し、血管の内側の細胞(内皮)を保護すると考えられています。NOは血管をゆるめ、血流をスムーズにする働きがあり、フロー・メディエーテッド・ダイレーション(FMD)などの指標改善として観察されています8
  • 抗酸化・抗炎症作用:活性酸素や慢性炎症は動脈硬化の進行に関与しますが、ジンセノシドにはこれらを抑える作用が示されています8
  • 血管平滑筋への直接作用:一部の実験研究では、水抽出やアルコール抽出の違いにより、血管平滑筋(血管の壁をつくる筋肉)に対して収縮・弛緩のいずれかの作用を示すことが報告されています。つまり、条件によっては血圧を下げる方向にも、逆に上げる方向にも働きうるということです5

これらのメカニズムを背景に、高麗人参・紅参が「血流を改善する」「血圧を整える」といったイメージで語られることがありますが、実際の人間での効果は用量・抽出方法・対象者によって大きく異なります。次の節で、臨床試験の結果をもう少し具体的に見ていきます。

2.3. 「血圧が上がる?下がる?」という二面性

高麗人参についてインターネット検索をすると、「高血圧の人は飲んではいけない」「血圧を下げてくれるから高血圧の人に良い」など、正反対の情報が出てきます。この背景には、先ほど述べたような抽出条件や成分の違いに加え、伝統的な漢方の考え方も影響しています。

日本の和漢医薬学の文献や基礎研究では、水抽出エキスの一部に血管収縮作用がみられた一方で、アルコール抽出の一部は血管拡張作用を示したとする報告があります5。また、日本臨床漢方医会のQ&Aでは、体力があり、顔が赤くなりやすい「実証・熱証」の人や、すでに血圧が高い人に高麗人参を用いると、かえって血圧が上がる可能性があると注意喚起されています6

一方、現代医学の臨床試験やメタ解析では、標準的な用量のPanax ginsengや紅参を一定期間摂取した場合、平均としては収縮期血圧が数mmHg下がる傾向が報告されています91011。しかし個々人の反応には幅があり、血圧があまり変わらない人、下がり過ぎる人、逆に上がる人が混ざっている可能性があります。

つまり、高麗人参・紅参は「必ず血圧を上げる」「必ず血圧を下げる」というどちらか一方の存在ではなく、「条件によってどちらにも触れうる」生薬だと理解しておくことが大切です。そのため、高血圧の人が利用する場合は、後述するように家庭血圧の記録や医師への相談が欠かせません。

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第3部:臨床試験から分かっていること — 効果と安全性

ここからは、高麗人参・紅参と血圧の関係について、実際の人を対象とした研究の結果を見ていきます。メタ解析(複数の試験をまとめた解析)やランダム化比較試験(RCT)を中心に、「どのくらい血圧が下がるのか」「安全性はどうか」を整理します。

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3.1. パナックスジンセング全体の効果:メタ解析の結果

2016年にKomishonらが発表したメタ解析では、Panax属のジンセング(Panax ginseng、American ginsengなど)を対象としたランダム化比較試験をまとめ、血圧への影響を評価しています9。対象は高血圧患者だけでなく、比較的健康な成人や前高血圧の人などが含まれていますが、全体として、収縮期血圧が平均でおよそ2mmHg程度低下する傾向が認められました。一方、拡張期血圧については変化が小さく、統計学的に有意でない場合も多く報告されています。

2022年にParkらが行ったメタ解析では、Panax ginsengの血糖・脂質・血圧に対する効果がまとめられています11。この解析でも、高麗人参が高血圧やメタボリックシンドロームの人において、収縮期血圧を軽度ながら低下させる可能性が報告されています。ただし、試験ごとに用量や製剤、対象者の背景が異なり、結果のばらつき(ヘテロジェネイティ)が大きいことが課題とされています。

3.2. 韓国紅参(Korean Red Ginseng)と高血圧:系統的レビュー

2017年にLeeらが発表した系統的レビュー・メタ解析では、韓国紅参を用いたランダム化比較試験に絞って、高血圧や前高血圧の人に対する血圧の変化が検討されました10。この解析によると、紅参はプラセボと比較して、収縮期血圧を有意に低下させる可能性があり、特に軽度〜中等度の高血圧や前高血圧の人で効果が見られやすいとされています。

しかし、試験規模は決して大きくはなく、期間も数週間〜数か月と短いものが中心です。長期間の予後(脳卒中や心筋梗塞の予防効果など)については、現時点で信頼できるデータが不足しており、「高血圧治療薬の代わりになる」とまでは言えません。

3.3. 代表的なランダム化比較試験

個別の試験結果のイメージをつかむため、代表的な研究をいくつか紹介します。

  • Hanら(1998年):本態性高血圧の患者45人を対象に、紅参4.5g/日を8週間投与したところ、24時間血圧のパターンを含め、収縮期血圧の有意な低下が報告されました12。ただし、この試験では降圧薬を使用していない患者が対象であり、現在の標準治療環境とは異なる点に注意が必要です。
  • Jovanovskiら(2020年):2型糖尿病と高血圧を併せ持つ患者80人を対象に、紅参とAmerican ginsengの組み合わせを1日2.25g、12週間摂取した試験では、中央血圧(心臓に近い血管での血圧)が約4mmHg低下し、安全性も概ね良好と報告されています13
  • Mucaloら(2013年):2型糖尿病+高血圧患者にAmerican ginseng 3g/日を12週間投与したところ、一部の指標で動脈硬化の程度(脈波伝播速度:PWV)が改善し、収縮期血圧も軽度に低下したと報告されています17

これらの試験はいずれも、比較的短期間かつ限られた人数を対象としたものであり、結果を日本人全体にそのまま当てはめることはできません。しかし、「適切な用量と期間を守れば、平均的には血圧に悪影響を与えにくく、むしろ軽度の改善が期待できる場合がある」と示唆している点は参考になります。

3.4. 血管機能への影響:FMD・PWVなど

2025年にEsmaeiliらが発表したメタ解析では、高麗人参・紅参の摂取が血管内皮機能や動脈の硬さ(PWV)に与える影響が検討されています8。その結果、フロー・メディエーテッド・ダイレーション(FMD)やPWVなどの指標が改善する傾向が報告されており、血管のしなやかさを保つうえで補助的な役割を果たす可能性が示されています。

ただし、これらの指標は心血管リスクの「間接的な指標」であり、実際に脳卒中や心筋梗塞をどの程度減らせるかについてはまだ不明です。高麗人参・紅参は、あくまで「血管の健康をサポートする可能性のある補助的な選択肢」と捉え、標準治療を置き換えるものではないと理解しておくことが重要です。

3.5. 安全性と副作用:どのくらい安心なのか

Panax ginsengの安全性については、2015年にKimらが44件のランダム化比較試験をまとめて分析しています14。この解析によると、0.9〜6g/日の粉末や200〜4,500mg/日のエキスを2〜24週間使用した範囲では、重篤な有害事象の増加は認められませんでした。よくみられた副作用は、軽度〜中等度の不眠、消化器症状(胃もたれ・下痢など)、頭痛などで、比較的少数です。

厚生労働省eJIMおよび米国NCCIHのファクトシートでも、一般的な用量と期間(成人が数か月以内)に限れば、Panax ginsengは多くの人にとって比較的安全とされています115。しかし、血圧に関しては「上昇」「低下」の両方の報告があり、特に高血圧や心疾患、糖尿病などの持病がある人では注意が必要と明記されています。

さらに、厚生労働科学研究班がまとめた「健康食品の安全性に資する情報提供」の報告書では、朝鮮ニンジンを含む健康食品が関与したと考えられる有害事象の症例報告も登録されており、その中には血圧上昇など循環器症状を伴う例も含まれているとされています7。こうした情報から、「自然のものだから100%安全」とは言えないことが分かります。

3.6. 薬との相互作用と注意すべき人

高麗人参・紅参で特に重要なのは、薬との相互作用です。厚生労働省eJIMの「薬とサプリメントの相互作用」に関する情報や、NCCIH、StatPearlsなどの医療情報源では、次のような注意点が挙げられています21516

  • 血圧を下げる薬(ARB、ACE阻害薬、カルシウム拮抗薬、利尿薬など):高麗人参・紅参が血圧を下げる方向に働く場合、薬との相乗効果で血圧が下がりすぎ、立ちくらみやふらつき、転倒などのリスクが高まる可能性があります。
  • 糖尿病薬(インスリン、SU薬など):高麗人参が血糖を下げる作用を持つことから、薬と併用すると低血糖を起こしやすくなる可能性が指摘されています。
  • 抗凝固薬(ワルファリンなど):高麗人参がワルファリンの作用を弱める可能性が報告されており、血液のサラサラ効果が不安定になる恐れがあります。
  • 抗うつ薬・精神科の薬(MAO阻害薬など):理論上の相互作用や症例報告があり、慎重な対応が推奨されています。
  • カフェイン・エナジードリンク:カフェインと高麗人参を同時に摂ると、動悸や血圧変動が強く出る可能性があり、特に高血圧の人では注意が必要です122

米国NCCIHは、妊娠中・授乳中・小児について、Panax ginsengの安全性が確立していないことから原則として使用を避けるよう勧告しています15。また、ホルモン感受性腫瘍の既往がある人などでは、エストロゲン様作用の可能性が懸念されています。これらの背景を踏まえると、高血圧に加えて糖尿病、心疾患、腎疾患、がんなどの持病がある人は、自己判断での使用を避け、必ず主治医と相談したうえで検討することが重要です。

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第4部:今日から始める高血圧対策と高麗人参・紅参の付き合い方

ここまでの内容から、高麗人参・紅参は「適切な条件下では血圧や血管機能に良い影響を与える可能性がある一方で、場合によっては血圧を上げたり、薬との相互作用を起こしたりすることもある」といった二面性を持つことが分かりました。では、高血圧の人が現実的にどう付き合えばよいのでしょうか。

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表2:高血圧と高麗人参・紅参のアクションプラン
ステップ アクション 具体例
Level 1:今日からできる生活習慣の調整 減塩・適度な運動・睡眠の確保など、ガイドラインに沿った基本対策を優先する 味噌汁の具を増やして汁を減らす、エレベーターではなく階段を使う、就寝前1〜2時間はスマホを見ない 等
Level 2:家庭血圧の記録と情報整理 朝夕の血圧を1〜2週間記録し、自分の血圧の傾向を把握する 起床後1時間以内と就寝前に座って測定し、数値と体調をノートやアプリに記録する
Level 3:主治医・薬剤師への相談 高麗人参・紅参を検討していること、現在飲んでいる薬・サプリのリストを共有する お薬手帳やサプリのパッケージを持参し、「この高麗人参サプリを試したいのですが」と率直に相談する
Level 4:慎重な試用と経過観察 医師と相談のうえ、少量から一定期間試し、家庭血圧と体調をこまめにチェックする 1日量の半分から開始し、2〜4週間の血圧変化を観察。頭痛・動悸・めまいがあれば中止する
Level 5:長期使用の是非の再検討 6か月以上の連用は原則避け、定期的に主治医と相談しながら継続の必要性を見直す 「半年使ってみて血圧や体調にどう影響したか」を振り返り、メリット・デメリットを話し合う

4.1. 「自然だから安心」という思い込みに注意

漢方薬や高麗人参・紅参などの生薬は、「自然由来」「昔から使われてきた」というイメージから、「薬よりも安全」「副作用はほとんどない」と誤解されがちです。しかし、厚生労働省eJIMや健康食品の安全性に関する研究班の報告でも示されている通り、自然由来の成分であっても、用量や体質、併用薬によっては明確な副作用や相互作用を起こし得ます17

特に高血圧の場合、「薬は減らしたいから、自然なものに頼りたい」という心理から、自己判断で降圧薬を中止して高麗人参・紅参だけに頼ってしまうと、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まるおそれがあります。高麗人参・紅参を取り入れるにしても、「標準治療を補うオプション」であり、「治療そのものの代替ではない」という位置づけを忘れないことが重要です。

4.2. サプリか漢方薬か:日本での位置づけの違い

日本では、高麗人参・紅参を含む製品には大きく分けて2種類あります。

  • 医療用・一般用漢方薬(医薬品):人参湯など、人参を含む漢方処方は医薬品として承認されており、成分や用量が厳密に規定されています。医師の処方や薬剤師の説明のもと使用されるため、薬との相互作用や体質に応じた使い方を相談しやすいという特徴があります。
  • 健康食品・サプリメント(食品):高麗人参エキスや紅参サプリなどは食品として販売されており、医薬品ほど厳密な有効成分量の規定はありません。商品によってジンセノシドの含有量や品質管理に差がある可能性があります17

高血圧の方が人参を活用したい場合、まずは医師に相談のうえ、必要に応じて医療用漢方薬の選択肢を検討する方法もあります。そのうえで、どうしても市販サプリを試したい場合は、製造元や成分表示、安全性に関する情報がしっかり公開されているかを確認し、過度な広告表現(「血圧が正常化する」「薬いらずになる」など)を鵜呑みにしない姿勢が大切です。

4.3. 高麗人参入りエナジードリンクに要注意

忙しいビジネスパーソンの中には、「仕事中の眠気覚ましにエナジードリンクを飲んでいる」という方も多いでしょう。エナジードリンクの中には、高麗人参エキスやカフェイン、糖分などが一緒に含まれているものもあり、短時間で元気を感じやすい一方で、血圧や心拍数に影響を与える可能性があります。

厚生労働省eJIMは、エナジードリンクに含まれるカフェインやその他の成分について、過剰摂取が心拍数や血圧の上昇、不安感、不眠などを引き起こすリスクを指摘しています22。高血圧の人が高麗人参入りエナジードリンクを日常的に飲むと、カフェインと高麗人参の刺激作用が重なり、血圧の変動が大きくなる可能性があります。

「高麗人参=健康によい」というイメージだけでエナジードリンクを選ぶのではなく、カフェイン量や糖分、総合的な健康リスクを踏まえて、控えめにする、あるいは避けるという選択も検討しましょう。

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第5部:医療機関への相談 — いつ・どこで・どのように?

高麗人参・紅参を検討している高血圧の方は、「どのタイミングで医師に相談すべきか」「何を準備して受診すると良いか」が気になるところだと思います。ここでは、受診の目安と診療科の選び方、相談をスムーズにするコツを整理します。

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5.1. すぐに受診すべき危険なサイン

次のような症状がある場合は、高麗人参・紅参の使用に関係なく、放置せず早急に医療機関を受診してください。場合によっては救急車(119番)の要請も検討が必要です。

  • 突然の激しい頭痛、意識がぼんやりする、ろれつが回らない、片側の手足が動かしにくい・しびれる
  • 胸の締めつけ感や強い胸痛、冷や汗、息苦しさが突然出現した
  • 安静にしていても息切れがひどく、横になると苦しい、脚のむくみが急にひどくなった
  • 血圧を測ると、収縮期180mmHg以上または拡張期120mmHg以上が続き、上記のような症状を伴う

これらは高血圧緊急症や心筋梗塞、脳卒中などの可能性があり、自己判断で様子を見るのは危険です。高麗人参・紅参を飲んでいるかどうかに関わらず、ただちに医療機関を受診してください。

5.2. 高麗人参・紅参について相談したいときの診療科選び

高血圧や糖尿病、高脂血症などの慢性疾患を治療中の方は、まずは現在かかっている内科・循環器内科・糖尿病内科などの主治医に相談するのが基本です。すでに血圧や血糖のコントロール状況、併用薬の内容を把握しているため、高麗人参・紅参を取り入れた場合の影響を総合的に判断しやすくなります。

  • 主治医がいる場合:次回の定期受診時に、サプリのパッケージや成分表を持参し、「これを試してみたいのですが、血圧や薬との相性はどうでしょうか」と率直に相談しましょう。
  • 主治医がいない場合:健康診断で高血圧を指摘されたが放置している、という方は、まず地域の内科・循環器内科などを受診し、高血圧の評価と治療方針の相談から始めることをおすすめします。そのうえで、高麗人参・紅参について質問してみましょう。
  • 漢方の視点からも相談したい場合:漢方外来や漢方に詳しい医師・薬剤師がいる医療機関・薬局で相談すると、体質や証(しょう)も含めたアドバイスが得られる場合があります。

5.3. 診察時に持参すると役立つもの

  • 家庭血圧の記録:朝夕の血圧を1〜2週間分記録したノートやアプリの画面。「高麗人参・紅参を飲み始める前後でどう変化したか」を示せると、評価がしやすくなります。
  • お薬手帳:現在服用しているすべての薬が分かるもの。市販薬や他のサプリメントも、できるだけ一覧にまとめておきましょう。
  • 高麗人参・紅参製品のパッケージ・成分表:製造元、1日量、ジンセノシド含有量(記載があれば)、他の成分(カフェインなど)が分かるようにしておくと便利です。
  • 気になる症状のメモ:「飲み始めてから頭痛が増えた」「夜眠れなくなった」「動悸がするようになった」など、日付とともにメモしておくと診察時に伝えやすくなります。

これらを準備しておくことで、医師側も「どの程度のリスクがありそうか」「どのような飲み方なら許容できそうか」を判断しやすくなり、建設的な対話がしやすくなります。

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よくある質問

Q1: 高血圧ですが、高麗人参や紅参を飲んでも大丈夫でしょうか?

A1: 一般的な用量・期間(200mg〜3g/日程度、最長6か月)であれば、多くの人で大きな問題は起こりにくいとされていますが1415、高血圧の方では血圧が下がる場合もあれば、上がる場合もあることが報告されています156。そのため、「高血圧でも必ず安全」とは言えません。

まずは高血圧治療ガイドラインに沿った生活習慣の改善と、必要に応じた降圧薬で血圧を安定させることが最優先です3。そのうえで、高麗人参・紅参を追加で試したい場合は、家庭血圧をこまめに測定しながら少量から始め、必ず主治医や薬剤師に相談してください。

Q2: 血圧の薬(ARBやカルシウム拮抗薬など)と高麗人参サプリを一緒に飲んでもいいですか?

A2: 高麗人参・紅参は、降圧薬と同じ方向に血圧を下げることもあれば、逆に血圧を上げることもあり得ます。また、糖尿病薬や抗凝固薬などとの相互作用も報告されています21516。そのため、血圧の薬と高麗人参サプリを自己判断で併用するのはおすすめできません。

併用を検討する場合は、必ず主治医や薬剤師に相談し、家庭血圧をこまめに測定しながら経過を観察することが重要です。血圧が大きく変動したり、ふらつき・動悸・頭痛などの症状が出た場合は、使用を中止して医療機関を受診してください。

Q3: 紅参サプリは高血圧の人に血圧を下げる効果がありますか?

A3: 韓国紅参を対象としたメタ解析では、前高血圧や軽度〜中等度の高血圧の人において、収縮期血圧が数mmHg程度低下する可能性が示されています10。また、一部のランダム化比較試験では、2型糖尿病と高血圧を併せ持つ人で中央血圧が4mmHgほど下がったという報告もあります13

しかし、効果の大きさは「軽度」であり、個人差も大きいため、「紅参だけで血圧が正常化する」と期待するのは現実的ではありません。高血圧の基本的な治療(生活習慣の改善と降圧薬)を続けながら、その補助的な位置づけで考えるのが妥当です。

Q4: 「高麗人参は低血圧にはいいけれど高血圧には良くない」という噂は本当ですか?

A4: 伝統的な漢方の考え方や一部の基礎研究では、「体力が低下し、血圧が低い人」には人参が適している一方、「体力があり、のぼせやすく血圧が高い人」には不向きとされることがあります56。また、抽出方法や成分の違いにより、血圧を上げる方向に働く場合と下げる方向に働く場合があることも指摘されています。

一方で、現代医学の臨床試験やメタ解析では、適切な用量と期間であれば、平均として収縮期血圧が軽度に低下する結果が多く報告されています91011。つまり、「高血圧の人は絶対にダメ」とも「高血圧の人に必ず良い」とも言い切れず、個々の体質や併用薬、用量・製剤などを踏まえた慎重な判断が必要です。

Q5: 1日の摂取量と期間の目安はどのくらいですか?

A5: NCCIHや安全性のレビューでは、Panax ginsengの一般的な用量として、エキス換算で1日200mg〜3g程度を数週間〜最長6か月までとするのが一つの目安とされています1415。それ以上の高用量や長期連用については、安全性のデータが十分ではありません。

ただし、実際の製品ごとにジンセノシドの含有量や推奨量が異なるため、必ず商品の表示に従い、記載された上限量を超えないようにしましょう。不眠や動悸、頭痛、血圧の変動などの症状が出た場合は、用量を減らすか中止し、医療機関に相談してください。

Q6: 高血圧で糖尿病もありますが、紅参はむしろ良いと聞きました。本当でしょうか?

A6: 一部の試験では、2型糖尿病と高血圧を併せ持つ人に紅参やAmerican ginsengを投与したところ、血糖や血圧、血管機能の指標が軽度に改善したと報告されています111317。そのため、「補助的には一定のプラス効果が期待できる可能性がある」と言えます。

しかし、糖尿病薬との併用で低血糖を起こすリスクや、腎機能への影響など、考慮すべき点も多くあります215。主治医と十分に相談し、血糖値・血圧・腎機能などを定期的にチェックしながら慎重に判断することが必要です。

Q7: 高麗人参入りのエナジードリンクは血圧に悪影響がありますか?

A7: エナジードリンクには高麗人参エキス以外にも、多量のカフェインや糖分、その他の成分が含まれていることが多く、これらが心拍数や血圧を一時的に上げる可能性があります22。高血圧の方が常用すると、血圧の変動が大きくなり、動悸や不眠、不安感などの症状が出やすくなるおそれがあります。

高血圧の管理という観点からは、高麗人参入りかどうかにかかわらず、エナジードリンクの常用は控えるのが無難です。どうしても飲む場合でも、量と頻度をできるだけ少なくし、血圧や体調の変化に注意しましょう。

Q8: 妊娠中・授乳中、または更年期の女性が高麗人参を飲んでも大丈夫ですか?

A8: NCCIHやeJIMは、妊娠中や授乳中、小児における高麗人参の安全性が確立していないことから、原則として使用を避けるよう注意喚起しています115。また、一部でエストロゲン様作用の可能性も指摘されており、ホルモン感受性腫瘍の既往がある方などでは慎重な判断が必要です。

更年期症状の緩和を目的に高麗人参・紅参を検討する場合も、自己判断での使用は避け、婦人科や更年期外来などで相談しながら、他の治療法や漢方薬の選択肢も含めて検討することをおすすめします。

Q9: 漢方薬に含まれる人参と、市販の高麗人参サプリは何が違いますか?

A9: 漢方薬に含まれる人参(にんじん)は、医薬品として製造・販売されており、成分や用量が厳格に管理されています。一方、市販の高麗人参サプリや紅参エキスは「食品」として扱われ、ジンセノシドの含有量や品質管理の基準が医薬品ほど厳しくない場合があります17

高血圧や他の持病がある方が人参を利用したい場合、まずは医療機関で漢方薬も含めた治療の選択肢を相談し、そのうえで必要に応じてサプリメントの利用を検討する、という順番が安全です。

Q10: 高血圧の人が高麗人参を飲むとき、家庭での血圧チェックはどうすればいいですか?

A10: 日本高血圧学会は、家庭血圧を「朝晩の決まったタイミング」で継続して測定することを推奨しています3。高麗人参・紅参を試す場合も、このルールに沿って測定するのがおすすめです。

  • 朝:起床後1時間以内、排尿後、朝食や薬を飲む前、座って1〜2分安静にしてから測る
  • 夜:就寝前、座って1〜2分安静にしてから測る

それぞれ2回ずつ測って平均値を記録し、「高麗人参・紅参を飲み始める前後でどう変化したか」「用量を変えたときにどう変わったか」を確認しましょう。変化が大きい場合や、頭痛・めまい・動悸などの症状が出た場合は、すぐに使用を中止し、医療機関に相談してください。

結論:この記事から持ち帰ってほしいこと

高麗人参・紅参は、長い歴史を持つ生薬であり、適切な条件で用いれば血管機能や血圧、代謝に良い影響を与える可能性が示されています。一方で、用量や体質、併用薬によっては血圧を上げたり、薬の作用に影響を与えたりすることもあり、「自然のものだから完全に安全」「高血圧の人にとって必ずプラスになる」とは言えません。

日本高血圧学会のガイドラインや厚生労働省の情報が示す通り、高血圧管理の基本はあくまで減塩・運動・体重管理と、必要に応じた降圧薬です34。高麗人参・紅参を取り入れるときは、この土台をしっかり整えたうえで、「補助的なオプション」として位置づけることが大切です。

もし高麗人参・紅参に興味がある場合は、まず家庭血圧を記録し、現在のコントロール状況を把握しましょう。そのうえで、主治医や薬剤師に相談し、少量から始めて血圧や体調の変化を丁寧に観察する。違和感があればすぐに中止し、決して自己判断で薬を減らしたり中止したりしない——これが、安全に活用するための基本ルールです。

高血圧と向き合う生活は、時に長く、孤独に感じることもあるかもしれません。しかし、ガイドラインに基づいた治療と生活習慣の見直し、必要に応じた補助的な手段を組み合わせることで、リスクを抑えつつ自分らしい毎日を送ることは十分に可能です。本記事が、その一歩を踏み出すための判断材料となれば幸いです。

この記事の編集体制と情報の取り扱いについて

Japanese Health(JHO)は、信頼できる公的情報源と査読付き研究に基づいて、健康・医療・美容に関する情報をわかりやすくお届けすることを目指しています。本記事では、厚生労働省eJIM、日本高血圧学会、高麗人参・紅参に関する国内外の臨床研究、世界保健機関(WHO)や米国NCCIHなどの一次情報をもとに、高血圧と高麗人参・紅参の関係を整理しました13815

原稿の作成にあたっては、最新のAI技術をリサーチや構成案作成の補助として活用しつつ、JHO編集部が一次資料(ガイドライン・論文・公的サイトなど)と照合しながら、内容・表現・数値・URLの妥当性を一つひとつ人の目で確認しています。最終的な掲載判断や表現の調整は、すべてJHO編集部が行っています。

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免責事項 本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言や診断、治療に代わるものではありません。健康上の懸念がある場合や、治療内容の変更・中止等を検討される際には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

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  2. 厚生労働省eJIM. 薬とハーブの相互作用について知っておくべき6つのこと. 2024年. https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/communication/c03/44.html?utm_source=chatgpt.com(最終アクセス日:2025-11-25)

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  6. 日本臨床漢方医会. 漢方Q&A - 漢方薬について③高麗人参とは?. 公開年不詳. https://kampo-ikai.jp/faq/medicine3/(最終アクセス日:2025-11-25)

  7. 厚生労働科学研究班. 健康食品の安全性確保に資する情報提供. 2021年. https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202024006A-buntan_0.pdf?utm_source=chatgpt.com(最終アクセス日:2025-11-25)

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  20. FHC株式会社. 高麗人参は高血圧を調節するんだね. 2013年. https://www.fhc777.jp/2013/06/12/%E9%AB%98%E9%BA%97%E4%BA%BA%E5%8F%82%E3%81%AF%E9%AB%98%E8%A1%80%E5%9C%A7%E3%82%92%E8%AA%BF%E7%AF%80%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%93%E3%81%A0%E3%81%AD/?utm_source=chatgpt.com(最終アクセス日:2025-11-25)

  21. 厚生労働省eJIM. 不安[各種疾患 – 医療者](エナジードリンク等の成分解説を含む). 公開年不詳. https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/overseas/c05/04.html?utm_source=chatgpt.com(最終アクセス日:2025-11-25)

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