すぐに試せる!いびきを止める9つの方法
睡眠ケア

すぐに試せる!いびきを止める9つの方法

はじめに

日々の生活の中で「いびき」は、多くの方にとって身近ながら厄介な問題として知られています。特に睡眠中に周囲の人へ大きな音を与えてしまい、家族やパートナーの睡眠を妨げたり、また本人自身も熟睡感を得られず、翌朝の疲労感や集中力低下を引き起こす場合があります。こうした「いびき」の原因は人によって異なり、体質・肥満・アルコール摂取・鼻づまりなど、さまざまな要因が絡み合って生じると考えられています。

免責事項

当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

本記事では、いびきを軽減し、周囲の人にも自分自身にも快適な睡眠をもたらすための方法を幅広く取り上げます。睡眠環境の見直しから生活習慣・食習慣の調整、呼吸経路の確保など、日常に取り入れやすい工夫について具体的に説明します。さらに、いびきに関連する最新の研究や専門的知見から得られた情報も織り交ぜ、いびきのしくみや改善につながるポイントをわかりやすく掘り下げます。まずは、いびきがなぜ起こるのか、そしてどう対策すると効果的なのかを一緒に整理していきましょう。

専門家への相談

いびきは、生活習慣や体質の改善である程度コントロールできるケースも多く見られますが、人によっては睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの病的状態を伴っている可能性があります。専門医への相談はこうした重篤なリスクを早期に発見し、適切な治療につなげるうえで重要なステップです。海外の大規模医療機関として知られるMayo Clinicや、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)、またはUniversity of Utahなどの睡眠医療センターも、いびき・睡眠関連障害についての解説や研究を豊富に発信しています。本記事では、それらの情報や国内外の信頼できる研究データなどを参考にまとめていますが、もし症状が深刻であったり、不明点が多い場合は、専門家への受診や相談を強くおすすめします。

いびきの影響と注意点

いびきは、単に周囲への騒音となるばかりではなく、本人の睡眠の質にも影響を及ぼします。深い眠りが妨げられると、翌朝の倦怠感や注意力散漫、頭痛などを引き起こすことがあります。さらに最近の研究では、いびき(特に睡眠時無呼吸を伴うケース)が、高血圧や心血管疾患などのリスク増加にも関連があると示唆されています。2023年にJAMAで発表された総説では、いびきが重度の睡眠時無呼吸症候群に移行しやすい場合、長期的に見れば心筋梗塞や脳血管障害のリスクを上げる可能性があるとも指摘されています(Lee W, Nagubadi S, Kryger M, 2023, JAMA, 329(20):1798–1807, doi:10.1001/jama.2023.5763)。

また、2021年に発表された国内の研究(Nishio S ら, 2021, Sleep and Breathing, 25(2):1071-1079, doi:10.1007/s11325-020-02026-w)では、いびきをかく人が後に認知症を発症するリスクとの関連を検討し、「年齢や生活習慣などの要因と相まって、いびきが高頻度にみられると、その後の認知機能への影響を示唆する傾向がある」という結果が報告されました。もちろん、いびきをかくだけですぐに重大な疾患につながるわけではありませんが、生活の質や健康リスクを総合的に考えるうえで、いびきは見過ごせないサインといえるでしょう。

以下では、具体的な改善策や注意点を9つの観点から詳しく解説していきます。


1. 睡眠時の姿勢を変えてみる

なぜ姿勢が大切か

まず注目したいのが睡眠時の姿勢です。いびきは、仰向けで寝ているときに舌根部(舌の付け根)が下がって気道を圧迫し、呼吸経路が狭くなることで音が生じることが多いとされています。横向きに寝ることで気道の確保がしやすくなり、いびきを軽減できる可能性があります。

具体的な工夫

  • 横向き寝を習慣化する
    寝返り防止のクッションなどを使い、背中側に置いて仰向けになりにくい工夫をする。
  • 枕の高さを調整する
    首が反りすぎず、やや高めの枕で気道がまっすぐになるようにすると、いびきを起こしにくい。

これらはとてもシンプルな対策ですが、多くの方が効果を実感しやすい方法でもあります。仰向けで寝るときよりも気道が開きやすいため、まずは姿勢を変えるところから始めてみてください。


2. 体重管理に気を配る

肥満といびき

肥満傾向にある人は、首周りや喉の周辺に脂肪組織がつきやすく、結果的に気道が狭くなることによっていびきのリスクが高まるといわれています。もちろん、痩せている方でもいびきをかく場合はありますが、体重増加とともにいびきがひどくなったケースも多々あります。

改善策

  • 適度な運動
    ジョギングやウォーキング、ストレッチなど、有酸素運動を中心に生活習慣に取り入れる。
  • バランスの良い食事
    就寝直前の重たい食事や糖質・脂質過多を避け、野菜やたんぱく質をバランスよく摂取する。

体重を適正範囲に保つことは、いびきだけでなく生活習慣病の予防にも役立ちます。もし近頃体重が増えてからいびきが目立ち始めたという方は、健康的なダイエットも視野に入れてみるとよいでしょう。


3. 就寝前の飲酒を控える

アルコールの影響

アルコールは一時的に筋肉を弛緩させる作用があるため、喉の筋肉が緩みやすくなり、気道が狭くなっていびきをかきやすくなります。普段いびきをかかない人でも、お酒を飲んだ日にはいびきがひどくなることがあります。

避けたいタイミング

  • 就寝前4~5時間以内の飲酒
    就寝直前の飲酒がいびきを助長する。
  • 過度な飲酒
    喉の筋肉を必要以上に弛緩させ、さらに睡眠の質そのものを下げる。

どうしてもお酒を楽しみたい場合は、就寝まで十分に時間をあける、あるいは量を控えめにするなどの工夫が大切です。


4. 規則正しい睡眠サイクル

睡眠不足といびきの関係

不規則な生活リズムや慢性的な睡眠不足は、深い眠りに入りすぎる(過度に疲れ、いびきが強くなる)要因になります。疲労が蓄積しているときほど喉や口周りの筋肉が弛緩しやすく、結果的にいびきの音が大きくなる傾向があるとされています。

改善のポイント

  • 就寝・起床時間の固定
    平日と休日のリズムをできるだけ揃えると、体内時計が整いやすい。
  • 短時間でも昼寝を活用
    日中に20~30分程度の昼寝をとると、夜間の疲労度が軽減される場合がある。

規則正しい睡眠サイクルを保つことで、深い睡眠における筋肉の弛緩をほどよく抑えられる可能性があり、いびきの軽減に役立つと考えられています。


5. 鼻を通りやすく保つ

鼻づまりの影響

鼻炎やアレルギー、風邪などによる鼻づまりは、気道の通り道が狭くなる要因の一つです。鼻呼吸が困難だと口呼吸になりやすく、いびきをかきやすい状態に陥りがちです。

対策

  • アレルゲン除去
    部屋のホコリやペットの毛などをこまめに掃除して減らす。
  • 入浴時のスチーム効果
    就寝前にお風呂に入り、温かい蒸気を吸い込むことで、鼻や喉が潤い通りやすくなる。
  • 食塩水で鼻を洗浄
    市販の生理食塩水や専用の鼻洗浄キットを使い、寝る前に鼻を洗っておくと通りが良くなる。

また、ペパーミントなどのハーブ系オイルを使ったうがいも、喉周りの粘膜を緩和しやすいと言われています。ただし、アレルギー体質の方や持病のある方は、オイル等の使用方法について医師に相談するのもよいでしょう。


6. 枕や寝具を見直す

ダニ・ホコリといびき

枕や布団、ベッドには長期間使用するほどダニやホコリがたまりやすく、それらがアレルギー症状を引き起こすきっかけになることもあります。就寝時に鼻がムズムズしたり、鼻詰まりを起こしたりすると、口で息をするようになり、いびきが増大するという悪循環が考えられます。

対策

  • 定期的な洗濯・乾燥
    枕カバーやシーツをこまめに洗い、太陽光や乾燥機で十分に乾燥させる。
  • 寝室の換気・掃除
    エアコンや扇風機の羽に溜まるホコリもいびきの一因になりうるため、こまめな掃除が肝心。
  • 枕の買い替え時期
    少なくとも半年に一度くらいの頻度で枕を新調、あるいは洗濯や内部のクッション材を見直す。

寝室全体を常に清潔に保つことは、いびきの原因となりうるアレルゲンの除去にもつながります。


7. 寝る前の水分補給

なぜ水分が重要か

就寝前にコップ1杯の水またはハーブティーを飲むことは、喉や鼻粘膜の潤いを保つうえで有効です。のどが乾燥すると、粘膜が刺激されやすくなり、いびきをかきやすくなるという報告もあります。

摂取量の目安

  • 水分摂取目安
    成人女性で1日2.5リットル前後、成人男性で1日3.5リットル前後を目安にするとよいとされています(食事からの水分も含む)。
  • ハーブティーやホットドリンク
    就寝前のリラックス効果も期待できる。例:カモミールティー、ギンナン入りのお茶など。ただしカフェインの入ったお茶・コーヒーは避ける。

水分補給は体内のコンディションを整えるだけでなく、粘膜の乾燥を防ぐことでいびき対策に一役買います。


8. 夕食のとり方とタイミング

胃腸への負担

就寝前に大量の食事をすると、消化活動が就寝時まで続き、腹圧が高まって呼吸がしにくくなることがあります。特に脂質の多い食事は消化に時間がかかり、満腹感による圧迫感がいびきを悪化させる要因になる可能性があります。

ポイント

  • 就寝2時間前には食事を終える
    食後はある程度体を動かしてから眠りにつくほうがベター。
  • 消化の良い食品を選ぶ
    脂っこい食事や甘い物の大量摂取はできるだけ避ける。

体の深いリラックスを得るためにも、適度な時間帯に軽めの夕食をとる習慣を心がけましょう。


9. 適度な運動習慣を続ける

運動と睡眠の関係

有酸素運動や筋力トレーニングを定期的に行うことで、全身の血行が促進され、首・喉周りの筋肉のサポートも強化されると言われています。肥満対策としても、運動は重要な役割を果たします。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のデータによると、定期的な運動を行う群は睡眠障害のリスクが低いとする報告があります(Unhealthy Sleep-Related Behaviors, CDC, 31/1/2023 参照)。

運動の種類

  • ウォーキングやジョギング
    無理のないペースで週に数回、1回あたり30分~1時間程度を目標にすると継続しやすい。
  • ストレッチやヨガ
    就寝前に行う軽めのストレッチやヨガは、筋肉をほぐしリラックス効果を高める。

運動を継続することで全身の代謝がよくなり、太りにくい体質づくりだけでなく、睡眠の質向上にも寄与すると期待されています。


いびきが続く場合の対処

上記のような生活習慣や睡眠環境の見直しで改善がみられない場合や、家族から「息が止まっているように見える」「いびきの音が極端に大きい」といった指摘があった場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性もあるため、早めに医療機関で検査を受けましょう。専門的な治療として、マウスピースや持続陽圧呼吸療法(CPAP)装置などを使う場合もあります。


結論と提言

いびきは誰にでも起こりうる身近な悩みですが、その原因や程度は多種多様です。本記事では、いびきを軽減するための9つの視点――「睡眠時の姿勢」「体重管理」「就寝前の飲酒回避」「規則正しい睡眠サイクル」「鼻づまりの解消」「寝具の見直し」「寝る前の水分補給」「夕食のタイミング・内容」「適度な運動習慣」を中心に解説しました。生活習慣の工夫や環境の改善を行うだけでも、かなりの方がいびきを減らす効果を期待できます。また、いびきには慢性的な健康リスクも隠れている可能性があり、重篤化すると睡眠時無呼吸症候群や心血管系疾患のリスクを高めるケースも報告されています。

もし、これらの対策を試しても改善が見られない場合や、日中の強い眠気や頭痛、家族・同居人から「夜中に呼吸が止まっている」といった指摘を受ける場合は、必ず医療機関を受診し、専門家の診断を仰いでください。睡眠は健康維持の基盤であり、いびき改善は日常生活の質を上げるきっかけにもなります。自身と周囲の快適な睡眠のために、早めの対処を心がけてみてください。


参考文献


免責事項
本記事は健康に関する一般的な情報を提供することのみを目的として作成されています。医学的診断や治療を代替するものではありません。具体的な治療や投薬に関する判断は、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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