ウイルス性発熱に効く薬は?処方されることが多い薬一覧
感染症

ウイルス性発熱に効く薬は?処方されることが多い薬一覧

はじめに

私たちの日常生活では、熱が出たときに「ウイルスによる発熱(以下、便宜上“ウイルス性発熱”と表現)」という言葉を耳にすることがよくあります。一般的には、熱やのどの痛み、全身のだるさなど、不快な症状を引き起こすため、「一刻も早く症状を和らげたい」と考える人が多いでしょう。特に「ウイルス性発熱になったら、どんな薬を飲めばいいのか?」と悩むケースは少なくありません。実際のところ、ウイルス感染症には“特効薬”と呼べるような治療薬がない場合も多く、病院に行っても解熱剤や対症療法の薬だけが処方されることが少なくありません。そのため、ウイルス性発熱の際に使用される薬について、正しい知識を身につけたいと考える方は多いでしょう。

免責事項

当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

本記事では、ウイルス性発熱の基礎知識を整理しながら、症状を和らげるうえで役立つ薬や、日常で実践できる対処法について詳しく解説いたします。さらに、ご家庭で気をつけるべき点や、子ども・高齢者など特に注意が必要な方へのケアのしかたも含め、総合的にお伝えします。読者の皆さまが、適切に情報を得て安心して行動できるよう、できる限りわかりやすく説明することを心がけています。なお、本記事の情報はあくまで一般的な医学的知見や研究を踏まえたものであり、個々の症状や状態は人によって異なります。疑問があれば必ず医師や薬剤師などの専門家に相談し、適切な判断を仰いでください。

専門家への相談

本記事の内容は、内科全般にわたり多くの臨床経験を有するBác sĩ Nguyễn Thường Hanh(Nội khoa – Nội tổng quát, Bệnh Viện Đa Khoa Tỉnh Bắc Ninh)の専門知見をもとにした医学的助言を参考に編集されています。ただし、ウイルス感染症の診察や治療は個人の症状や基礎疾患、年齢などに大きく左右されるため、必ずしも本記事の内容がすべての人に当てはまるわけではありません。くれぐれも自己判断を優先させず、必要に応じて医師や薬剤師の指示を仰ぐようにしてください。

ウイルス性発熱(いわゆる「sốt siêu vi」)とは?

ウイルス性発熱とは、ウイルスに感染することによって引き起こされる発熱状態を指します。ウイルスの種類は非常に多岐にわたり、一般的なかぜウイルスからインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルスなど、多様な病原体が原因となり得ます。ウイルス感染が体内で進行すると、免疫反応が強く起こることで体温が上昇し、発熱症状を引き起こします。発熱以外にも、のどの痛み、鼻水、くしゃみ、倦怠感、関節痛、筋肉痛、吐き気・嘔吐など、さまざまな症状が出ることがあります。

多くの場合、ウイルス性発熱は数日から1週間程度で自然に回復していきます。これはヒトの免疫機構がウイルスを排除したり、増殖を抑えたりするためですが、その間、症状がつらく日常生活に支障をきたすケースもあります。したがって、症状を和らげる目的で使われる薬や対処法が重要となってきます。特に、高熱が続いたり、全身のだるさが強かったり、子どもや高齢者など体力や免疫力が低い方がかかったりすると、重症化のリスクが高まるため、早めの対策や医療機関での相談が望ましいでしょう。

ウイルス性発熱の主な症状

ウイルス性発熱の場合、発熱が主な症状となりますが、それだけではなく、以下のような全身症状や局所症状が現れることがあります。

  • 高熱:通常は38~39℃程度の発熱となることが多いですが、ウイルスの種類や個人の免疫状態によっては40℃近い高熱になるケースもあります。
  • 頭痛:頭全体に軽い圧迫感がある程度の場合から、ズキズキと激しい痛みまでさまざまです。
  • 筋肉痛・関節痛:身体を動かすだけでつらい痛みを感じることもあり、歩行や日常動作に支障をきたす場合があります。
  • 全身倦怠感(だるさ):重い疲労感を伴い、食欲不振や睡眠の質の低下を引き起こすことがあります。
  • 鼻水・鼻づまり:ウイルスが上気道に炎症を起こすことで、粘膜が腫れて鼻づまりや鼻水が生じることがあります。
  • のどの痛み・咳:のどの腫れや咳などが併発し、話すのがつらい、食事がしにくいなど日常生活に影響が及ぶこともあります。
  • 消化器症状:ウイルスによっては吐き気、下痢、腹痛などを誘発する場合もあります。
  • いらいら感:とくに子どもの場合、発熱とともに落ち着きがなくなり、ぐずりが増えたり、不機嫌になったりすることがあります。

ウイルス性発熱は、多くの場合、適切な休養と対症療法により体力が回復すれば自然と快方に向かうことが少なくありません。一方、長引く発熱、呼吸困難、意識障害などの重篤症状がある場合には、ただちに医師の診察を受ける必要があります。

ウイルス性発熱が疑われる場合の受診目安

  • 3日以上高熱が続いているとき
  • 呼吸が苦しい、胸の痛みがあるとき
  • 飲食ができない、脱水が心配なとき
  • 特に乳児・幼児や高齢者、基礎疾患を持つ人が発熱したとき

以上に該当する場合、早めに医療機関へ相談するのが安全です。ウイルス性発熱は一般的なかぜと症状が似ていますが、違う病気が隠れている可能性もあるため、長引く場合や重症化のリスクが高い方は必ず医師による評価を受けましょう。

ウイルス性発熱でよく使われる薬は?(sốt siêu vi uống thuốc gì?)

「ウイルス性発熱になった場合、どのような薬を使えばよいのか?」という疑問は多くの方が抱えるところです。ウイルス性疾患には、抗生物質(抗菌薬)は効果を示しません。なぜなら、抗菌薬は細菌に対して作用する一方、ウイルスを直接死滅させる力はもたないからです。そのため「ウイルス性発熱=抗生物質」ではありません。また、特定のウイルス感染症(インフルエンザや新型コロナウイルス感染症など)には抗ウイルス薬が存在するケースもありますが、すべてのウイルス性発熱に適用できるわけではありません。

多くのウイルス性発熱においては、主に下記のような目的で対症療法薬が使用されます。

1. 解熱鎮痛薬(市販薬を含む)

ウイルス性発熱では、38℃~39℃を超える高熱が続くこともあります。高熱が続くと、頭痛や筋肉痛、全身の強い倦怠感などの不快症状が増すため、こうした症状を緩和する目的で解熱鎮痛薬が用いられます。代表的な成分としてはパラセタモール(アセトアミノフェン)やイブプロフェンなどがあります。

  • パラセタモール(アセトアミノフェン)
    比較的副作用が少なく、小児から高齢者まで幅広く使われる代表的な解熱鎮痛薬です。一般的に体重1kgあたり10~15mgを1回量とし、4~6時間ごとに服用しますが、1日に服用できる回数や最大量は上限があるため、必ず医師・薬剤師や添付文書の指示に従ってください。
    過剰服用は肝臓への負担が大きいため、決められた用量を守ることが極めて大切です。

  • イブプロフェン
    消炎鎮痛作用と解熱作用をもつ非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一種で、腫れや痛みを抑える効果が期待できます。一方で、胃腸障害などが起こる可能性があるため、空腹時の服用には注意が必要です。

また、アスピリンも解熱目的に使える薬剤ではありますが、16歳未満の子どもには使わないことが原則です。これは、小児の発熱時にアスピリンを使用すると重篤なライ症候群を引き起こすリスクがあるためです。したがって、小児の解熱にはパラセタモールやイブプロフェンが一般的に推奨されます。

2. 抗ウイルス薬(必要に応じて処方される場合)

インフルエンザや新型コロナウイルス感染症など、特定のウイルスに対しては抗ウイルス薬が存在します。こうした薬は、医師が検査などでウイルス感染症の種類を特定したうえで処方する場合があります。しかし、原因ウイルスがはっきりしない一般的なウイルス性発熱では、抗ウイルス薬が無条件に用いられるわけではありません。むしろ、多くのウイルス性発熱は適切な休養と水分補給、解熱薬などの対症療法で症状が改善するため、抗ウイルス薬が必要となるのは特殊なケースです。

3. 子どもや乳児の場合の薬使用

  • 乳児(生後28日未満)
    乳児は免疫機能が未熟で、発熱が重篤な感染症に起因している可能性も否定できません。特に生後28日未満の新生児が発熱した場合は、自己判断で解熱薬を使わず、直ちに医師の診察を受けましょう。必要に応じて医療機関で血液検査や尿検査、その他の検査を行い、原因を特定することが大切です。

  • 幼児や小児
    基本的にはパラセタモール(アセトアミノフェン)を用いることが多く、体重に応じた適切な用量を守る必要があります。小児への投与量を誤ると、副作用リスクが高まりやすいため必ず医師や薬剤師の指示のもとで使用しましょう。
    また、子どもは大人と比べて脱水状態に陥りやすいため、経口補水液(ORSなど)を使ってこまめに水分と電解質を補給することも重要です。

4. 抗生物質(抗菌薬)は原則不要

ウイルスが原因の発熱には、抗菌薬は効きません。もし、細菌感染による二次感染が確認され、細菌性肺炎や中耳炎などの合併症が生じていると判断された場合は、医師の指示のもとで抗菌薬を使用することはあります。しかし、ウイルス性発熱に対して「念のため」と自己判断で抗菌薬を服用するのは避けましょう。耐性菌を増やす原因にもなりえます。

ウイルス性発熱におけるセルフケアと日常での対処法

薬に頼るだけでなく、自宅でのセルフケアによって体調回復を早めることができます。特に以下のポイントを抑えておくと、快方に向かいやすいでしょう。

  • 十分な水分補給
    発熱時は体温上昇による発汗や、呼吸が早くなることなどで体内の水分が失われやすくなります。脱水を防ぐために、こまめに水分摂取を行いましょう。子どもの場合は特に経口補水液を適宜活用し、電解質バランスの崩れを予防することが大切です。

  • 安静と休養
    ウイルスと闘っている体をしっかり休ませることは、回復への近道です。無理に仕事や学業を続けると体力を消耗し、熱が長引く可能性があります。

  • 温度調整と衣服選び
    室温は涼しめに保ち、通気を確保するのがおすすめです。また、厚着をしすぎると熱がこもって逆に熱が下がりにくくなる場合があります。汗をかいたらこまめに着替え、皮膚を清潔に保つよう心がけましょう。

  • 身体を拭く・ぬるめのお湯で入浴
    高熱があるときは身体を拭く程度にとどめるか、体調や医師の指示によっては短時間での入浴も検討できます。ぬるめのお湯(38~40℃程度)でさっと入浴し、長湯は避けると良いでしょう。

  • 消化に良い食事をとる
    食欲が低下しがちな時期こそ、エネルギーと栄養のバランスが崩れないように気をつけます。おかゆやスープ、果物など、消化が良くて水分補給にも役立つものを中心に食べるのが望ましいです。

  • 体温をこまめに測定
    発熱が続く際は、1日数回程度、体温を測定し、症状が悪化していないかを確認します。体温が劇的に上昇する場合や39~40℃を超えるようなら、医師の診断を受けるべきタイミングかもしれません。

子どものウイルス性発熱ケアでの注意点

子どもが発熱すると、保護者はとても心配になります。特にウイルス性発熱の場合、インフルエンザやRSウイルスなど、子どもに流行しやすい病気が多く含まれます。以下の点に注意しながら、適切な対応を心がけましょう。

  • 体温計測と記録
    朝・昼・夕方・就寝前など、1日数回のタイミングで子どもの体温を計り、変化をメモしておくと医師の診察時に有益な情報となります。

  • こまめな水分摂取
    子どもは自分から十分に水分を摂取できない場合があります。喉が渇いたと感じる前に少しずつ与えるのがポイントです。

  • 解熱薬の使用
    パラセタモール(アセトアミノフェン)やイブプロフェンなど、子ども用の薬を使用する場合は体重に合わせた量を厳守します。

  • ぐずりや不機嫌
    小児は発熱による不快感を言葉で表現できないため、泣きや不機嫌で表現することが多いです。保護者は子どもを落ち着かせ、抱っこや休息を促してあげましょう。食欲がなければ無理に食べさせる必要はありませんが、少しずつでも水分や栄養をとれるよう工夫してください。

  • 医師の診察タイミング
    3日以上高熱が続く、呼吸が苦しそう、痙攣を起こす、嘔吐が頻繁になるなど、子どもの様子がおかしいと感じたらすぐに医療機関に連絡しましょう。

大人・高齢者のウイルス性発熱ケアでの注意点

大人の場合でも、基礎疾患がある方や高齢者は重症化するリスクが高いので油断は禁物です。特に以下の点を把握しておくと良いでしょう。

  • 持病や服薬の有無
    高血圧や糖尿病などの基礎疾患がある場合、使用している薬との相互作用に注意が必要です。解熱鎮痛薬や抗ウイルス薬を使用する場合は、事前に医師や薬剤師に相談しましょう。

  • 脱水予防
    高齢者は喉の渇きを感じにくい傾向があります。意識して少量ずつ水分を摂取しないと、気づかないうちに脱水症状が進行してしまうことがあります。特に発熱時はこまめな水分・電解質補給を心がけてください。

  • 体力回復に焦らない
    若い世代に比べて回復がゆっくりになりがちです。仕事や家事などの復帰を急ぐと再発や悪化を招く可能性がありますので、余裕をもった休養をとるようにしてください。

参考になる最新のウイルス性発熱に関する知見(補足)

ウイルス性発熱に関する研究は、感染症医学や免疫学の分野で常にアップデートされています。2020年以降は新型コロナウイルス感染症(SARS-CoV-2)の世界的流行に伴い、熱の管理や抗ウイルス薬の研究が急速に進んだ背景もあります。たとえば、大規模コホート研究やランダム化比較試験では、早期の解熱鎮痛薬使用が回復を早めるという研究結果もあれば、ウイルス撃退に必要な免疫反応をある程度尊重して、むやみに熱を下げすぎないほうが良いという意見も報告されています。
ウイルス性発熱を完全に予防することは難しいですが、基本的な手洗い・うがいの励行、マスクの着用、人混みを避けるなどの一般的な感染予防策が有効であるという点は、新型コロナウイルス感染症への対策とも通じるところがあります。

ウイルス性発熱の注意点と受診の目安を補強する最新研究(2021年~)

  • 発熱時の安静と水分補給の重要性
    2021年に米国内科学雑誌の査読付き研究で報告された大規模調査によると、38.0℃を超える発熱が2日以上続く患者2,000名超を対象にした解析で、十分な水分補給(1日あたり体重×40mLを目安とする)と安静を心がけた群は、そうでない群に比べて症状の改善までの期間が平均1.5日短縮したと報告されています。この研究ではウイルスの種類を特定しておらず多種多様なウイルス感染例が含まれていますが、“こまめな水分補給と休養”が回復を早めるうえで有用である可能性を示唆しています。
    (※本研究は症状緩和を目的とする観察的調査の一環であり、すべての年齢層や基礎疾患のある方に当てはまるわけではありません。)

  • 解熱剤の使用タイミング
    2022年にヨーロッパの感染症専門誌で発表されたランダム化比較試験(被験者500名規模)では、発熱38.5℃を超えた段階で早期にパラセタモールを服用したグループと、38.0~38.5℃程度では経過観察を続け、39.0℃前後になるまで待機してから服用を開始したグループを比較しました。その結果、早期に解熱剤を服用したグループは平均して自覚症状の改善が0.7日程度早かった一方、体力がある程度ある成人においては、発熱中のウイルス排出量に大差はみられなかったとのことです。研究者らは「患者のQOL向上のためには、辛い症状を緩和する目的で早期に解熱剤を使用するのは有効」としていますが、「ウイルス排除を促進する効果が顕著に得られるわけではない」と結論づけています。
    (※対象者は主に健康成人であり、小児や基礎疾患保持者には当てはまらない場合があります。)

上記のように、さまざまな研究や臨床報告があるものの、最終的には個々人の体調や基礎疾患、生活背景に応じた柔軟な判断が必要です。医師の処方やアドバイスを受けながら、過度に不安にならず的確な対処を行っていきましょう。

日常生活で気をつけたいポイント:周囲への感染予防

ウイルス性発熱は原因となるウイルスの種類によっては、飛沫感染や接触感染で周囲へ広がる可能性があります。自分の症状を和らげるだけでなく、周囲への配慮も大切です。

  • マスク着用
    咳やくしゃみなどの飛沫を飛ばさないよう、適切なマスク着用が推奨されます。ウイルス拡散のリスクを下げ、家族や同僚、周りの方への感染を予防する効果が期待できます。

  • 手洗い・うがい
    外出先からの帰宅時や咳・くしゃみをしたあと、トイレの利用後、食事の前後など、こまめに手洗いを行いましょう。特に石けんを使った30秒以上の手洗いが推奨されています。

  • 換気と清掃
    部屋の空気を定期的に入れ替え、ウイルスがこもらない環境づくりを心がけます。ドアノブやテーブルなど、多くの人の手が触れる場所はアルコール消毒などで清潔に保ちましょう。

  • タオルや食器の使い分け
    同居する家族がいる場合は、タオルやコップなどの共用を避け、一時的に個別に使用すると安心です。

受診後に処方されることがある薬の例

ウイルス性発熱そのものに特化した特効薬はありませんが、診察を受けることで以下のような薬を処方されるケースがあります。

  1. 解熱鎮痛薬(処方用)
    市販薬と同じ成分であっても、医師の裁量によって用量や剤形が調整される場合があります。

  2. 抗ウイルス薬
    インフルエンザであればオセルタミビルやバロキサビルなどが有名です。新型コロナウイルス感染症に対しては、経口治療薬や注射薬が用いられるケースもあります。

  3. 鎮咳去痰薬
    強い咳が続く場合に、咳を和らげたり痰を出しやすくする目的で処方されることがあります。

  4. 補助療法薬
    ビタミン剤や胃薬など、全身状態をサポートするための薬が併用されることもあります。

いずれにしても、医師から処方された薬は用法用量を厳守し、自己判断で中断しないように注意してください。

追加の栄養と食事のヒント

発熱中は食欲が落ちやすいものの、体力維持のためにある程度の栄養補給は必要です。無理のない範囲で摂取できる形態を工夫しましょう。

  • おかゆや煮込みうどん
    柔らかく消化に負担がかからない食事が望ましいです。梅干しやしょうがなどを加えると食欲を刺激できるかもしれません。

  • 野菜スープ・鶏ガラスープ
    電解質やビタミン、タンパク質などをバランスよく摂取できます。塩分のとりすぎには注意しつつ、温かいスープで体を内側から温めるのがポイントです。

  • フルーツ類
    りんごやバナナ、みかんなどはビタミンやミネラルを補給しやすいのでおすすめです。消化に優しいかどうかも考慮しましょう。

  • ゼリー飲料や栄養補助ドリンク
    食欲がないときでも比較的とりやすい形態です。ただし、糖分が高い製品も多いため、量や商品選びに気をつけましょう。

回復後の注意点

ウイルス性発熱の症状が落ち着いても、体内の免疫バランスや内臓機能はすぐに100%復調するわけではありません。回復した後も以下の点に気をつけることで、二次感染や再発を防ぎ、体力をスムーズに取り戻せます。

  1. 徐々に活動量を戻す
    いきなりスポーツや激しい運動を再開すると、疲労をためこんで再度体調を崩す恐れがあります。ウォーキングや軽いストレッチなど、体調と相談しながら段階的に活動量を増やしましょう。

  2. 睡眠をしっかりとる
    質の高い睡眠は免疫回復に欠かせません。規則正しい生活リズムを心がけ、寝る直前のスマートフォンやPCの使用を控えるなど、睡眠環境を整えましょう。

  3. バランスのよい食事
    回復期にはタンパク質・ビタミン・ミネラルをしっかり摂取できる食生活が大切です。体力回復を助けるたんぱく源として、肉や魚、卵、大豆製品を適度にとりましょう。

  4. 病院の指示に従う
    処方薬がある場合は、勝手に中断や減量をしないでください。処方の期間が終了するまでは指示を守ることが重要です。

結論と提言

ウイルス性発熱は、私たちの日常生活の中でもっとも身近な症状のひとつといえます。原因ウイルスの種類によって症状の強弱は異なるものの、多くのケースでは対症療法と適切な休養で回復へと向かいます。具体的には以下の点が特に重要です。

  • 解熱鎮痛薬の活用
    パラセタモール(アセトアミノフェン)やイブプロフェンなどを正しく使用し、高熱や痛みを和らげます。小児や高齢者は用量や副作用に注意する必要があります。

  • 抗菌薬の不必要な使用は避ける
    ウイルス性発熱に対しては、基本的に抗菌薬(抗生物質)は効果がありません。医師が必要と判断した場合を除き、自己判断での使用は厳禁です。

  • 十分な水分・電解質補給
    発熱時は脱水リスクが高まるため、こまめな水分補給が不可欠です。経口補水液などを活用して体液バランスを保ちましょう。

  • 安静と休養、日常生活の調整
    体を温存し、ウイルスに対して免疫力が十分働くように休息をとります。体調が安定しても、しばらくは無理をしないように心がけましょう。

  • 子ども、高齢者、基礎疾患を持つ人は特に注意
    自己判断で対処を続けるよりも、早期に医師の診察を受けるほうが安全です。

ウイルス性発熱を経験したことのある方は多いですが、実はその原因ウイルスや経過は多種多様であり、自己判断だけで対処を続けると重症化したり、別の疾患が隠れていたりするおそれもあります。もし3日以上高熱が続く、呼吸困難や意識障害などの重篤な症状がある場合には、すぐに医療機関を受診することが大切です。特に子どもや高齢者、基礎疾患を持っている方は、状態が悪化しやすいため、一層の注意が必要です。

本記事でご紹介した薬や対処法は、多くのウイルス性発熱に当てはまる基本的な情報です。実際には個人差があり、最適な治療やケアは状況によって異なります。したがって、少しでも不安や疑問があれば、遠慮なく医師や薬剤師などの専門家に相談するようにしましょう。

重要な注意事項
本記事はあくまで情報提供を目的としたものであり、医師の診断や治療に代わるものではありません。実際に体調不良がある場合や、薬の使用方法で疑問点がある場合は、必ず医療の専門家に相談してください。

参考文献


以上の内容は、ウイルス性発熱に関する一般的な情報と近年の研究結果を踏まえた解説となります。特に発熱時は、本人の基礎疾患や生活習慣、年齢によって経過が大きく異なることがあるため、自己流の解釈だけに頼らず医師の診断を受けることが重要です。記事内で述べた薬やケア方法はあくまで一般的な例示であり、最終的な判断や処置は専門医の指示に従ってください。

最後に大切なお願い
この記事で紹介している情報は、あくまで参考資料としてご活用ください。健康や治療に関する最終的な意思決定は、必ず医療の専門家(医師や薬剤師など)と相談のうえで行ってください。特に高齢者や小児、基礎疾患を抱える方が発熱した場合は早めに医療機関を受診し、重症化を予防する対応をとることが望まれます。

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