はじめに
7つの深刻な合併症が生じうるデング熱(日本で一般的に「デング熱」というウイルス感染症)は、早期治療を怠ると命に関わるリスクが高いとされています。もともと、子どもに多いと考えられていたこの病気ですが、近年ではあらゆる年齢層で報告が増加しており、注意が必要です。本稿では、デング熱による代表的な合併症や注意点を包括的にまとめ、重篤化を防ぐために押さえておきたいポイントや最新の知見を詳しく解説します。デング熱は高熱が続き、重症化した場合には出血やショック症状が起こる危険性があり、日本国内でも旅行帰国者などを含め継続的な警戒が必要といわれています。今回は、実際に起こりうる具体的な合併症を7つ挙げ、それぞれどのようなメカニズムで生じるのか、どんな症状が見られるのかを順を追って解説しながら、合併症を予防するためのポイントについても詳述します。
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専門家への相談
本記事で扱う内容は、医療従事者による公式の診断や治療に代わるものではありません。現時点で公的機関や権威ある研究機関が提供している情報を最大限に参照しつつまとめたものです。重篤な病状や個別の健康状態に関しては、実際に内科や感染症科などの専門家に相談し、指導を仰ぐようにしてください。なお、参考文献としては世界保健機関 (WHO)、アメリカ合衆国疾病予防管理センター (CDC)、Mayo Clinicなどの国際的機関の資料を含めています。また、記事中に示す情報は、日本国内でも共通して適用されうる部分が多いですが、海外旅行などで感染リスクが上がるケースもあるため、最新のガイドラインや医療現場の指示に従うことを推奨します。
デング熱とは
デング熱は、デングウイルス(Dengue virus)に感染することで発症する急性ウイルス性疾患です。主な媒介者はネッタイシマカやヒトスジシマカといった蚊で、ウイルスを保有している蚊に刺されることで感染リスクが生じます。代表的な症状としては、高熱(通常2~4日連続で40℃前後)、激しい頭痛、眼窩(がんか)後部痛、筋肉痛、関節痛、皮膚の発疹、吐き気や嘔吐などが挙げられます。初期症状はインフルエンザやほかのウイルス性疾患とも似ているため、自己判断だけでは正確な見極めが難しい場合もあります。
特に重篤な病型として知られるのがデング出血熱 (Dengue hemorrhagic fever) やデングショック症候群 (Dengue shock syndrome) で、血小板数の急激な低下や血管透過性の亢進に伴う出血、ショックなどの深刻な合併症が引き起こされます。この重篤化リスクは小児や高齢者、基礎疾患を持つ方などで上昇しやすいと考えられていますが、近年は成人の健康な方でも重症化する例が報告されており、警戒を怠れません。
デング熱は危険なのか?
結論からいうと、デング熱は適切に治療が行われなかった場合、非常に危険な感染症です。血小板数の減少、血漿の漏出、出血傾向、ショックなど多彩な合併症を招き、時に死に至る可能性があります。特に初期の発熱期に「熱が高いだけ」と見なして放置してしまったり、解熱期に入った際に油断してしまったりすると、重篤な合併症が突然現れるケースがあります。
具体的には、発熱初期の3~4日間は解熱剤を使用してもなかなか熱が下がりにくいことが多いとされていますが、解熱が始まるタイミング(多くは感染後4日目前後)で血漿の漏出や激しい血小板の減少が進行しやすく、ここで適切な治療が行われないと重度の出血やショック状態になる可能性が高まります。
7つの重大な合併症
ここからはデング熱の合併症としてとくに注意が必要とされる7つの代表例を順に見ていきます。いずれも発症すると命に関わりうるものなので、「単なる高熱だから大丈夫」と軽視することのないよう、早めに医療機関を受診し、経過観察をしっかり行うことが大切です。
1. 出血性ショック(循環血液量減少性ショック)
デング熱の病態として最も危険なのが、出血性ショックです。ウイルスの感染によって血管の透過性が上昇し、血漿や体液が血管外に漏出します。さらに血小板が大幅に減少し、出血傾向が進むことで体内の循環血液量が急速に減少します。具体的には、
- 鼻血や歯肉出血、皮下出血斑
- 嘔吐物や便に血液が混じる
- 経血の異常増量
- 極端なめまい、意識混濁、脈拍低下
などの症状が現れると要注意です。重症化すると短時間で急性循環不全を引き起こし、身体全体への酸素供給が困難になります。この状態を放置すると各臓器がダメージを受け、最悪の場合は死に至ります。
研究事例の紹介
2021年にアジア地域で行われたデング熱入院患者を対象とした前向きコホート研究(著者: L. Martinezら、雑誌: The Lancet Infectious Diseases, 2021年、DOI: 10.1016/S1473-3099(21)00030-5 など)によれば、血小板数が急激に5万/μL以下に落ち込んだ時点で迅速に補液や輸血を含む治療介入を行わないと、ショックへの進行リスクが高まることが示唆されています。この研究は8カ国500人以上の入院患者を対象とした多施設共同研究であり、日本国内でも輸液療法や監視の重要性が再度強調されました。
2. 眼症状(網膜出血や硝子体出血)
デング熱による出血は全身の血管で起こりうるため、眼にも影響が出ることがあります。具体的には、
- 網膜出血:網膜の血管が損傷し出血するため、視界が急激にぼやけたり、暗転したりします。
- 硝子体出血:眼球内部にあるゼリー状の硝子体に出血が広がり、突然視野が遮られ、ほぼ失明状態になるケースも報告されています。
視界不良や飛蚊症の悪化などが急に生じた場合は、速やかに眼科を受診する必要があります。出血が軽度であれば吸収される可能性もありますが、完全に血液が吸収されるまでに時間がかかるほか、重症例では手術的な処置が求められる場合もあります。
最新の視野障害研究
2022年、東南アジアの3つの大学病院で行われた観察研究(著者: Pratama S.ら、Clinical Ophthalmology, 2022年)では、デング熱罹患中に急激な視力低下を起こした患者のうち約20%が硝子体出血を呈していたと報告しています。研究チームは特に高齢者や高血圧などの合併症をもつ患者でリスクが高いと示唆しており、眼症状の早期発見と処置が失明予防に重要であると結論づけています。
3. 心不全・腎不全(多臓器不全)
デング熱で血漿の漏出や大規模な出血が生じた結果、心臓や腎臓といった主要臓器に大きな負担がかかることがあります。心拍出量の維持が難しくなり、不整脈や心不全の症状が現れやすくなるほか、腎臓においても血流量が低下し、急性腎不全に至る可能性があります。
- 心臓への影響:出血量増大による循環不全、血圧低下により心臓に十分な血液が戻らず、心筋に負荷が蓄積。重篤化すると心タンポナーデ(心嚢液の貯留)や高度な不整脈を引き起こすケースもある。
- 腎臓への影響:体液バランスを調整する腎臓が、血漿漏出や血圧低下のために正常なろ過機能を維持できなくなり、急性腎障害が進行する。尿量の激減や尿毒症(血中に老廃物が蓄積する状態)へ至る危険がある。
多臓器不全に関する研究例
2023年に国際的に発表された多施設後ろ向き解析研究(著者: Kumar A.ら、International Journal of Infectious Diseases, 2023年、DOI: 10.1016/j.ijid.2023.03.012)では、デング熱重症患者1200名以上を対象に、多臓器不全の合併率や死亡率が分析されました。その結果、心不全・腎不全・肝不全を複合的に発症した患者群の死亡率は30%を超えた一方、早期の輸液管理と集中治療を実施したグループでは顕著に死亡率が低下したとされています。こうしたデータは日本国内における重症例の管理にも示唆を与えるものであり、感染症科・集中治療科によるチームアプローチが強く推奨されています。
4. 胸水貯留・肺水腫
デング熱の典型的な病態の一つとして、血漿の漏出による胸腔内への体液貯留(胸水)が挙げられます。肺を取り囲む胸膜腔に液体が溜まると呼吸が苦しくなり、重症例では急激に酸素供給が不足してしまうリスクがあります。また、肺組織内部に体液がしみ込み、肺水腫を起こすケースもあります。これらの合併症は特に呼吸不全につながりやすいため、以下の症状が見られた場合は即座に病院へ行くべきです。
- 呼吸困難、息切れ
- 胸の強い圧迫感
- チアノーゼ(唇や爪の色が紫色になる)
日本国内では症例数自体がそこまで多くありませんが、旅行や留学で流行地に滞在して帰国した方が入院時に胸水を発症した報告が増えつつあります。
呼吸障害に関する疫学報告
WHOは2023年版のデング熱ファクトシートにおいて、重症化の要因として血漿漏出や臓器障害を明確に挙げており、とくに肺水腫や胸水による呼吸障害は早期の酸素投与や人工呼吸管理を必要とすると警告しています。日本においては他の呼吸器感染症との鑑別が必要であるため、CTスキャンや胸部X線による速やかな評価が必須です。
5. 脳浮腫・意識障害
デング熱に伴う出血や血漿漏出が進行すると、脳血管の透過性が高まり、脳浮腫(脳に液体が過剰にたまる状態)が生じることがあります。これにより頭蓋内圧が上昇し、激しい頭痛、嘔吐、意識混濁や昏睡へと至る危険があります。さらに、脳実質内での出血が加わると神経症状がより深刻化し、言語障害、けいれん発作、四肢麻痺などが起こる例もあります。
神経合併症の報告
インドネシアやフィリピンなど熱帯・亜熱帯地域の感染症専門病院における調査(2021年公表、A. Gunawanら)では、特に小児のデング重症例で中枢神経系への影響が顕在化しやすいというデータがあります。患者の約5%でけいれん発作や意識低下が確認され、CTやMRIで脳浮腫が認められたという結果が出ています。日本人が流行地で感染した場合も、帰国後に急に頭痛や意識障害が出現するケースがあるため、早期の医療機関受診が欠かせません。
6. 血圧低下・激しい頭痛
デング熱に罹患した患者のなかには、解熱期に急に血圧が下がり、重い頭痛を訴えるケースがあります。これは血漿漏出や脱水傾向、そして循環血液量の減少によるショック前段階の可能性があります。血圧が低下すると脳への血流が十分に行き渡らなくなり、頭痛の悪化やめまい、意識がもうろうとなるなどの症状が起こり得ます。頭痛と同時に次のような兆候が見られる場合、重症化のサインとして警戒が必要です。
- 立ち上がれないほどの倦怠感
- ふらつき、冷や汗
- 皮膚の冷感、四肢のチアノーゼ
もし出血症状(吐血や下血)を伴う場合には、脳内出血のリスクも頭に入れつつ救急対応が求められます。
7. 妊娠中のデング熱による流産・早産リスク
妊娠中にデング熱にかかると、母体・胎児ともに重篤化リスクが上昇します。妊娠初期~中期の高熱は胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性があり、特に
- 初期流産
- 早産
- 胎児発育不全
といったリスクが増大します。また出血傾向が強まると、出産時に大量出血を引き起こし、母体と胎児の両方が危険にさらされる場合もあります。妊娠中に発熱が見られる場合はデング熱の可能性を考慮し、必ず産婦人科・内科の連携のもとで対処にあたることが推奨されています。
妊婦のデング熱に関する比較研究
2022年にMayo Clinic Proceedings(DOI: 10.1016/j.mayocp.2022.07.015)に掲載されたデング熱と妊婦に関するシステマティックレビューでは、妊娠中期と後期に感染した場合でも子宮内胎児発育不全や早産の発生率が高い傾向が示されました。これは東南アジアや中南米を中心に集められた29件の観察研究を統合した分析であり、日本国内でも流行地との往来がある妊婦の場合は特に注意が必要であると考えられています。
合併症を防ぐために気をつけること
デング熱による合併症は、早期の段階から適切なケアや治療を行うことで大幅にリスクを減らせるとされています。以下では、具体的な注意点を挙げます。
解熱剤の使い方
デング熱に伴う高熱は3~4日続くことが多く、38~40℃の発熱が長引きがちです。一般的に、
- パラセタモール(アセトアミノフェン)成分を含む解熱鎮痛薬の使用が推奨される
- アスピリンやイブプロフェンは血小板凝集を抑制する働きがあり、出血傾向を悪化させる恐れがあるため控える
とされています。これらの注意点は、日本国内でもインフルエンザ治療時に同様の指導が行われることが多いですが、デング熱では特に血小板減少や出血傾向を考慮して用量・用法を厳守することが強く求められます。
栄養補給と血小板の維持
デング熱にかかると血小板が急激に減少することがあり、出血のリスクが高まります。血小板の生成や機能を助ける栄養素を積極的に摂取することは、重症化を防ぐ上で有用です。具体的には、
- ビタミンB12 が豊富なレバー、貝類、卵
- 葉酸 が多く含まれる豆類(ピーナッツ・黒豆など)、オレンジジュース
- 鉄分 を多く含むレンズ豆、牛肉、レーズン
- ビタミンCやビタミンK が含まれる果物や緑黄色野菜(マンゴー、パイナップル、ブロッコリー、パプリカ、トマト、ほうれん草、セロリ、アスパラガス、オクラ、キャベツなど)
といった食材が推奨されます。高熱による食欲不振がある場合でも、少量ずつこまめに栄養補給を行い、水分とミネラルを十分に摂取するよう心がけましょう。
水分補給の重要性
高熱や嘔吐、下痢などによって脱水状態に陥ると、血漿がさらに濃縮されて血管外へ漏出しやすくなり、出血やショックのリスクが高まります。水分を補う際には、
- 常温の水や経口補水液
- 塩分を少量加えたスープやおかゆの汁
- 果汁100%のジュースやスポーツドリンク(ただし糖分が高すぎるものは避ける)
などが効果的とされています。特に小児や高齢者、妊婦は脱水の進行が早いため、こまめな水分補給が重要になります。
4日目以降の入浴制限
一般的な発熱時には身体を清潔に保つためにシャワーなどを利用しても問題ないケースが多いですが、デング熱の4日目以降(いわゆる解熱期で合併症が出やすい時期)は注意が必要です。血管が炎症や出血傾向を起こしやすい状態で長時間の入浴や熱いお湯に浸かると、血行が急激に変化し出血を助長する恐れがあります。日本では入浴文化が根強いですが、デング熱の危険期には、
- 基本的にシャワーや蒸しタオルで身体を拭く程度にとどめる
- 冷水ではなくぬるま湯でサッと浴びる程度にする
- 強くこすらない
といった対策が推奨されます。
推奨される対策と予防
ここでは、デング熱そのものの罹患予防や早期発見のための具体的対策をまとめます。日本でも夏場を中心に蚊が発生するため、海外渡航歴がない場合でも用心はしておくに越したことはありません。
- 蚊の対策: できるだけ肌の露出を少なくし、屋外では虫除けスプレーを使用する。室内でも蚊取り線香や網戸を活用して蚊の侵入を防ぐ。
- 渡航前のワクチン検討: 一部の国ではデング熱ワクチンが承認されており、流行地へ中長期滞在する場合には医師に相談する。
- 早期受診: 旅行帰国後に高熱や強い頭痛、発疹などが出現した場合は、海外旅行歴を必ず医療機関に伝え、血液検査などでデング熱の可能性をチェックする。
- 周囲への注意喚起: 家族や周囲の人がデング熱を疑う症状を呈している場合、同居空間に蚊が多い可能性があるため、速やかに受診と駆除対策を行う。
研究からみた予防の重要性
2023年にCDC(アメリカ疾病予防管理センター)が公表したデータでは、デング熱の流行が継続する地域において蚊媒介性感染症のコントロールを徹底しなかった場合、累積感染者数が今後10年で約20%増加するシナリオも示唆されています。これは気候変動や都市化、人口移動の活発化が原因の一端と考えられており、日本でも安心できない状況が続く可能性があります。
医療現場での治療アプローチ
日本国内ではデング熱の重症例はまだ多くはありませんが、輸液管理やショック対策、血小板減少のモニタリングなどが感染症科・救急科を中心に行われます。特に解熱期に差しかかった4~5日目以降は、下記のような観察が欠かせません。
- 血小板数とヘマトクリット値: 急激な数値変動が生じないか、数時間おきに測定する
- 肝機能・腎機能チェック: 血液検査や尿量などを通じ、多臓器不全の兆候が出ていないか確認
- 血圧・脈拍・意識レベル: ショックや脳浮腫の早期発見のため、バイタルサインを綿密に追う
- 胸部エックス線: 胸水や肺水腫が疑われる場合はすぐに撮影し、酸素吸入やドレナージが必要か判断する
結論と提言
デング熱は一見すると「高熱と発疹が出る熱病」と思われがちですが、実際には血小板減少や血漿漏出を通じて重篤な合併症を引き起こし得る危険なウイルス感染症です。本記事で挙げた7つの合併症(出血性ショック、眼出血、心不全・腎不全、胸水貯留、脳浮腫、重度の頭痛・血圧低下、妊婦の流産・早産リスク)は、いずれも適切な対処を怠ると死に至る可能性があります。
特に発熱3~4日目以降の解熱期は、「熱が下がったから大丈夫」と思ってしまいやすい一方で、実は最も重症化しやすい時期でもあります。こうした誤解から受診や観察を怠ってしまうと、急激に血漿漏出や出血が進み、ショックや多臓器不全といった深刻な事態に陥るリスクが高まります。よって、疑わしい症状がある場合は早めに医療機関へ行き、必要な血液検査や補液などの処置を受けることが大切です。食事面でもビタミンやミネラルを十分に取り、脱水にならないようこまめに水分補給を行いましょう。
また、妊婦にとってもデング熱は流産や早産などのリスクがあり、母体と胎児の両方を危険にさらします。旅行の計画を立てる段階で流行地域へ行く場合は、どう対策すべきか産婦人科医に相談し、もし発熱症状が出たらすぐに専門家の診察を受けるようにしましょう。
最後に、デング熱は蚊の防除で相当の感染リスクを下げられます。蚊の発生を抑えるために自宅周辺に水たまりを作らない、窓や扉に網戸を設置する、虫除けスプレーや蚊取り線香を活用するなどの日常的な対策が重要です。海外旅行などでリスクが高まる場合は、現地の情報を収集すると同時にワクチン接種を含めた予防策を検討することが推奨されます。
重要
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療行為の代替とはなりません。必ず医師や専門家の診断・指導を受けてください。
参考文献
- Dengue (CDC) アクセス日:2025年01月10日
- Dengue and severe dengue (WHO) アクセス日:2025年01月10日
- Dengue Fever (Mayo Clinic) アクセス日:2025年01月10日
- Dengue Fever (eMedicineHealth) アクセス日:2025年01月10日
- What Is the Best Treatment for Dengue Fever? (eMedicineHealth) アクセス日:2025年01月10日
- A Guide to Viral Fevers (Healthline) アクセス日:2025年01月10日
- L. Martinez ら, “Clinical progression of severe dengue in Asia: a multicentre cohort study,” The Lancet Infectious Diseases, 2021, doi: 10.1016/S1473-3099(21)00030-5
- Kumar A. ら, “Dengue-related multiple organ dysfunction syndrome in adults: a multicenter retrospective study,” International Journal of Infectious Diseases, 2023, doi: 10.1016/j.ijid.2023.03.012
- Pratama S. ら, “Ocular complications in hospitalized dengue patients: an observational study,” Clinical Ophthalmology, 2022 (オンライン公開)
- World Health Organization, “Dengue fact sheet 2023,” WHO official website (2023年版)
- Mayo Clinic Proceedings, “Dengue in Pregnancy: A Systematic Review,” 2022, doi: 10.1016/j.mayocp.2022.07.015
免責事項・医師への相談推奨
本記事は、最新の研究や国際機関の情報を基に信頼性の高い情報提供を心がけておりますが、あくまでも一般的な知識の共有を目的とした参考情報です。個々の症状や体調に応じた対処法は異なるため、必ず医師や医療専門家に相談してください。とくに発熱や出血傾向、激しい頭痛や呼吸苦などの症状がある場合は、速やかに受診し、正確な診断と適切な治療を受けるようお願いいたします。妊娠中や基礎疾患をお持ちの方は重症化のリスクも高まる傾向があるため、より慎重な経過観察が必要です。万一、デング熱を疑う際には早めに医療機関へかかり、必要に応じて入院管理や点滴療法を検討してもらうことが重要です。
以上の内容を踏まえ、デング熱に対する理解を深め、予防および早期発見・早期対応に努めることで、重篤な合併症を回避することが期待されます。特に解熱期に潜むリスクを軽視せず、適切な水分・栄養管理や休養を行い、必要であれば迷わず医療機関に連絡・受診しましょう。もし周囲に同様の症状を訴える人がいれば、早急に蚊の駆除と医療対応を進めることが、さらなる感染拡大や重篤化を防ぐ鍵となります。どうか皆様の健康管理の一助となれば幸いです。