ニキビを潰した後の完全ガイド:跡を残さないための正しいケアと皮膚科医が教える最善策
皮膚科疾患

ニキビを潰した後の完全ガイド:跡を残さないための正しいケアと皮膚科医が教える最善策

思わずニキビを潰してしまい、「どうしよう、跡に残るかもしれない」と焦りを感じているあなたへ。その不安、よく分かります。しかし、正しい知識を持って迅速かつ適切に対処すれば、ニキビ跡のリスクを大幅に減らすことが可能です。この記事は、日本皮膚科学会の公式ガイドライン30をはじめとする最新の医学的知見に基づき、ニキビを潰してしまった直後の緊急対応から、長期的なニキビ跡の予防・治療法までを網羅した、信頼性の高い情報を提供するものです。皮膚科専門医の視点から、あなたが今すぐ実践できる最善のケア方法を、段階を追って徹底的に解説します。

本稿の科学的根拠

この記事は、入力された研究報告書で明示的に引用されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。以下のリストには、実際に参照された情報源と、提示された医療指導との直接的な関連性のみが含まれています。

  • 公益社団法人日本皮膚科学会: 本稿における尋常性痤瘡(ニキビ)の標準治療、特に専門的な治療法の推奨度に関する指針は、同学会が発行した「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」30に基づいています。
  • 国際的な皮膚科学研究: 炎症後色素沈着(PIH)や各種ニキビ跡の治療法に関する記述は、PubMed Central (PMC)などで公開されている査読済みの国際的な学術論文や系統的レビュー375253で示されたエビデンスを参考にし、日本の医療状況に合わせて解説しています。
  • 国内の臨床情報: 市販薬の選択や具体的なセルフケア方法については、日本の皮膚科クリニックが公開している専門的な医療情報157を横断的に分析し、一貫性のある推奨事項をまとめています。

要点まとめ

  • ニキビを潰した直後は、決してさらに絞り出さず、清潔なガーゼで優しく膿や血を拭き取ります。
  • 消毒液(特にアルコール)は細胞を傷つけ回復を遅らせる可能性があるため、ぬるま湯の流水で洗い流すのが最善です。
  • 傷口を保護し、湿潤環境を保つために「ハイドロコロイド素材のニキビパッチ」を使用することが強く推奨されます。
  • ニキビ跡(特に茶色いシミ)を防ぐため、回復期には徹底した保湿と紫外線対策(日焼け止め)が不可欠です。
  • 赤み、色素沈着、クレーターなど、ニキビ跡の種類によって治療法は異なります。市販薬でのケアには限界があり、重度の跡には皮膚科での専門治療が必要です。

まずは落ち着いて!ニキビを潰した直後の緊急対処法

ニキビを潰してしまった直後の最初の1時間が、跡を残すかどうかの分かれ道です。パニックにならず、以下の3つのステップを冷静に実行してください。

Step 1: 清潔なガーゼで優しく拭き取る

最初のステップは、細菌の温床となりうる血液や膿を、さらなるダメージを与えずに取り除くことです。清潔な滅菌ガーゼやティッシュペーパーを使い、傷口を優しく押さえるようにして滲出液を吸収させます1。ここで絶対に避けたいのが、ゴシゴシと擦ったり、さらに無理やり絞り出そうとしたりすることです。このような行為は、繊細な周辺組織を傷つけ、皮膚の奥深くへ細菌を押し込み、ニキビ跡の最大の原因である「炎症」を悪化させてしまいます5。目的はあくまで汚染物質の除去であり、強制的な排出ではないことを心に留めてください。

Step 2: 消毒はNG?ぬるま湯で洗い流すのが正解

傷口の消毒については、様々な情報が錯綜しています。一部ではアルコールなどでの殺菌が推奨されていますが1、より現代的で医学的に妥当とされるアプローチはこれを避けることです。アルコールを含む強力な消毒液は「細胞毒性」を持ち、有害な細菌だけでなく、皮膚の治癒を担当するケラチノサイトや線維芽細胞といった自分自身の重要な細胞まで殺してしまいます7。これらの細胞を傷つけることは、創傷治癒を遅らせ、かえって目立つ傷跡のリスクを高める可能性があります。したがって、推奨される行動は、刺激の強い消毒を避け、ぬるま湯の穏やかな流水で傷口を優しく洗い流すことです7。これだけで表面の汚染物質を十分に除去できます。もし消毒が必要だと感じる場合は、アルコールを含まない低刺激性の消毒液(例:塩化ベンザルコニウム含有製品)を選ぶのが、はるかに安全な選択です8

Step 3: ニキビパッチ(ハイドロコロイド)で保護する

清潔なティッシュでそっと水気を拭き取ったら、最後のステップは傷口の保護です。これには「ハイドロコロイド素材」のパッチ(一般にニキビパッチとして販売)が最適です13。これは、従来の乾燥させるタイプの絆創膏や、傷口を空気に晒したままにするよりも、はるかに優れた選択肢です。ハイドロコロイドパッチには、いくつかの重要な機能があります。

  • 滲出液の吸収: 傷口からさらに出てくる液体(滲出液)を吸収し、ゲル化して保持します14
  • 物理的保護: 外部の細菌や、無意識に触ってしまう手からの汚染を防ぐ物理的なバリアとなります1。衣類やマスク、寝具との摩擦からも守ります。
  • 湿潤環境の維持: 最も重要な機能として、傷の治癒に最適な「湿潤環境」を維持します。長年の創傷治癒研究により、傷は乾燥した環境よりも湿潤した環境の方が、早く、そしてきれいに治ることが証明されています。この環境が細胞の遊走や組織の再生を促進するのです。

市販の製品には、鎮静・抗炎症効果を期待してCICA(ツボクサエキス)などが配合されているものもありますが、主たる恩恵はハイドロコロイド素材そのものからもたらされます13

絶対にやってはいけない!悪化を招くNG行動リスト

状況を悪化させないために、以下の行為は絶対に避けてください。

さらに膿を絞り出す

まだ残っているように見える膿や「芯」を、無理に押し出そうとしないでください。この行為はほぼ確実に、皮膚表面下にある毛包壁を破壊し、細菌や炎症性物質を周囲の真皮層に撒き散らすことになります。これが、クレーターのような深く凹んだ萎縮性瘢痕の主な原因であり、何としても避けなければなりません7

手で触る

人間の手には多種多様な細菌が付着しています。無防備な開いた傷口に直接触れることは、これらの微生物を持ち込み、二次感染のリスクを劇的に高め、炎症反応を悪化させる原因となります1

メイクで隠す

コンシーラーやファンデーションなどの微粒子が傷口に入り込むと、異物としてさらなる刺激を引き起こしたり、治癒過程にある毛穴を塞いだりする可能性があります。これにより炎症が長引き、赤みや色素沈着のリスクが高まります1。どうしても隠す必要がある場合は、まずハイドロコロイドパッチで完全にバリアを作り、その上からメイクを施すようにしてください5

不適切な軟膏を塗る

厚く、閉塞性の高い、あるいは非医療用の軟膏を塗布しないでください。例えば、家庭の常備薬として一般的なオロナイン®H軟膏は、開いた炎症性のニキビには適しておらず、刺激を引き起こす可能性があります17。同様に、ワセリンのような製品も、特定の抗炎症作用がなければ細菌を閉じ込めて状態を悪化させることがあります5

過剰な洗顔や摩擦

患部を刺激の強い洗顔料でゴシゴシ洗ったり、スクラブ入りの製品を使ったり、粗いタオルで拭いたりしないでください。このような物理的な刺激は、皮膚の保護バリアをさらに破壊し、赤みや乾燥を助長します。肌はバリア機能の低下を補おうと、かえって皮脂を過剰に分泌するという悪循環に陥ることもあります9

潰した後のスキンケア戦略:肌の回復を早める3つの柱

応急処置が終わったら、次は持続的な治癒戦略に移行します。最初の数日から2週間は、皮膚の自然な修復プロセスをサポートし、長期的な傷跡の形成を防ぐために極めて重要です。

優しい洗顔

引き続き、洗顔は1日2回までとし、低刺激でpHバランスの整った洗顔料を使用します9。洗顔料を直接肌につけるのではなく、まず手で豊かで濃密な泡を立て、その泡で顔を包み込むようにして洗う「泡洗顔」を徹底してください1。指による直接的な摩擦を最小限に抑えることが目的です。

徹底した保湿

この段階で最も重要なステップと言えるのが保湿です。傷ついた皮膚バリアは水分を保持する能力が低下しており(経皮水分蒸散量の増加)、乾燥はさらなる刺激や、それを補おうとする過剰な皮脂分泌を招きます5。適切な保湿は、バリア機能をサポートし、細胞修復のための最適な環境を作り出します。皮膚バリアの主要構成成分である「セラミド」、水分補給のための「ヒアルロン酸」、抗炎症・バリア機能サポート作用のある「ナイアシンアミド」などを含む保湿剤が推奨されます。毛穴を詰まらせないことを保証する「ノンコメドジェニックテスト済み」の表示がある製品を選ぶことが重要です5

必須の紫外線対策

これはニキビ跡ケアにおける譲れない鉄則であり、特に「炎症後色素沈着(PIH)」を防ぐための最重要ステップです。紫外線(UV)は、色素(メラニン)を生成する細胞であるメラノサイトを強力に刺激します。治癒過程にある炎症部位が紫外線を浴びると、メラノサイトが過剰に活性化し、その場所に大量のメラニンを沈着させます。これが、一時的な赤み(PIE)を、長引く茶色いシミ(PIH)に変えてしまう原因です24。この原則は、日本の臨床現場の助言27と国際的な皮膚科学の文献37の両方で強くコンセンサスが得られています。曇りの日や室内でも、毎日SPF30以上の日焼け止めを塗布することが不可欠です。さらなる刺激を避けるため、酸化亜鉛や酸化チタンを含むミネラルベースの低刺激性処方を選ぶと良いでしょう。

市販薬の賢い選び方:ペアアクネ、アットノン、メラノCCの徹底比較

日本の消費者はセルフケアのために市販薬(OTC)に頼ることが多く、その正しい使い方について明確で根拠のあるガイダンスを提供することが不可欠です38。ここでは代表的な製品を比較し、有効成分と最適な使用場面を解説します。

表1: ニキビケア関連市販薬の比較
製品名・分類 主な有効成分 主な作用 最適な使用場面
ペアアクネクリームW
(第2類医薬品)
イブプロフェンピコノール
イソプロピルメチルフェノール21
抗炎症: 赤みや腫れを鎮める
殺菌: アクネ菌を殺菌する
活動的で赤く腫れたニキビ(赤ニキビ)に。炎症を鎮め、細菌の増殖を防ぐために炎症部位に直接塗布する。炎症の初期段階での使用が最も効果的。
アットノン ニキビあとケアジェル
(医薬部外品)
L-アスコルビン酸2-グルコシド(ビタミンC誘導体)
ヘパリン類似物質
グリチルリチン酸ジカリウム22
色素沈着抑制: メラニンの生成を抑える
保湿・血行促進: 肌の水分量を高め、治癒を助ける
抗炎症: 残留した赤みを和らげる
主な炎症が治まった後の回復期に。赤みや茶色いシミが定着するのを防ぎ、肌の質感を改善する。開いた傷には使用しないこと。
メラノCC 美容液
(医薬部外品)
アスコルビン酸(活性型ビタミンC)
酢酸トコフェロール(ビタミンE誘導体)
グリチルリチン酸ジカリウム
イソプロピルメチルフェノール43
抗酸化・色素沈着抑制: 肌を明るくし、メラニン生成を抑える
血行促進: ビタミンEが治癒を促す
抗炎症・殺菌: 軽度の予防作用
ニキビが治った後に残った赤み(PIE)や茶色いシミ(PIH)への対策に。顔全体または気になる跡へのスポット使用が可能。

ニキビ跡の種類別・完全治療ガイド【皮膚科医監修】

長期的な視点では、ニキビ跡(にきびあと)の管理が中心となります。効果的な治療は、まず自分のニキビ跡のタイプを正確に知ることから始まります。

ニキビ跡の分類:あなたのタイプは?

  1. 炎症後紅斑 (PIE) – 赤み: 炎症性のニキビが治った後に残る、平坦な赤や紫色のマーク。これは真皮の毛細血管の損傷や拡張が原因で、厳密な意味での瘢痕(組織の欠損や増殖)ではありません4
  2. 炎症後色素沈着 (PIH) – 茶色いシミ: 炎症反応の一部としてメラニン色素が過剰に生成されることで生じる、平坦な茶色や黒っぽいマーク。肌の色が濃い人ほど、より強く、より長く残りやすい傾向があります2537
  3. 萎縮性瘢痕 – クレーター: 炎症によってコラーゲンが失われ、皮膚が陥没した状態。形状によって、深く狭い「アイスピック型」、角張った「ボックスカー型」、なだらかな「ローリング型」に分類されます50
  4. 肥厚性瘢痕・ケロイド – しこり: 治癒過程でコラーゲンが過剰に生成され、盛り上がった状態。肥厚性瘢痕は元の傷の範囲内にとどまりますが、ケロイドは周囲の正常な皮膚にまで広がっていく特徴があります23

【種類別】ニキビ跡の科学的根拠に基づく治療法

このセクションでは、日本皮膚科学会(JDA)の公式な推奨度を基軸に、国際的な科学的コンセンサスを加えて、各治療法を解説します。JDAガイドラインは、日本国内での質の高い臨床試験データが不足しているという理由から、一部の処置に対して保守的な評価(例:C1「行ってもよい」、C2「推奨しない」)を下す傾向があります30。これに対し、国際的なレビューではより強い推奨がなされている治療法も存在します53。ここでは、JDAの推奨度を日本の公式基準として明記しつつ、世界標準の治療選択肢についても情報を提供します。

表2: ニキビ跡の種類別治療法とJDA推奨度
ニキビ跡のタイプ セルフケア・市販薬 専門的な治療(皮膚科) JDA推奨度 (2023) 30
赤み (PIE) 日焼け止め(必須)、ナイアシンアミド、ビタミンC15、CICAなどの鎮静成分 色素レーザー (Vビームなど)24、光治療 (IPL) 外用ビタミンC: C2
レーザー治療: C2(考慮してもよい)
茶色いシミ (PIH) 日焼け止め(必須)24、レチノール配合化粧品、ビタミンC・トラネキサム酸などの美白成分19 処方薬(トレチノイン、アダパレン、ハイドロキノン)、ケミカルピーリング、レーザートーニング ケミカルピーリング: C2
レーザー治療: C2(考慮してもよい)
クレーター (萎縮性瘢痕) 日焼け止め、レチノール配合化粧品(長期使用で多少の効果)、シリコンジェル フラクショナルレーザー、マイクロニードリング(ダーマペンなど)、RFマイクロニードリング(ポテンツァなど)59、TCAクロス、サブシジョン57、ヒアルロン酸注入 フィラー(注入): C2
レーザー・ピーリング: C2
しこり (肥厚性瘢痕) シリコンジェル・シート52 ステロイド局所注射、外科的切除、レーザー治療 ステロイド局所注射: C1
内服薬(トラニラスト): C2
外科的治療: C2

皮膚科に行くべき?受診のタイミングと治療法

セルフケアには限界があります。専門家の助けを求めるべきタイミングを知ることが重要です。

自己流のケアと専門的な「面皰圧出」の違い

この記事の重要な教育的要素は、自宅の鏡の前で行う行為と、クリニックでの医療行為との間にある、天と地ほどの差を明確にすることです。

  • 専門的な面皰圧出(めんぽうあっしゅつ): これは、滅菌された環境で皮膚科医や訓練を受けた専門家が行う医療処置です12。専用の滅菌器具(面皰圧出器)を使い、毛包壁を破壊することなく、コメド(白ニキビや黒ニキビ)の内容物を正確かつ制御された圧力で排出します。JDAガイドラインでも、コメドや炎症性皮疹に対する有効な治療選択肢としてC1(行ってもよい)の推奨を受けています31
  • 自己流で潰すこと: これは、不潔な指や爪、間に合わせの道具でニキビを絞る一般的な行為を指します。この方法は制御不能で非衛生的であり、多くの場合、毛包を皮膚の深部に向かって破裂させます。これにより細菌と炎症が真皮内に広がり、あらゆる種類のニキビ跡、特に萎縮性瘢痕や色素沈着のリスクを著しく増大させます12

この記事では、自己流で潰す行為をハイリスクな行動として、専門的な圧出を安全で効果的な医療として明確に位置づけ、有害な習慣から有益な臨床ケアへと利用者を導きます。

皮膚科受診を強く推奨する「危険信号」

以下のいずれかの兆候が見られる場合は、速やかに皮膚科専門医に相談してください。

  • 重度の感染の兆候: 患部が非常に痛む、熱を持っている、著しく腫れている、または赤みが周囲に広がっていく場合。
  • 改善が見られない: セルフケアを数日から1週間続けても、顕著な改善が見られない場合2
  • 広範囲または重症のニキビ: ニキビが単発ではなく広範囲にわたる、深く痛みを伴うしこり(嚢胞)を形成する、あるいは常に跡を残す場合。
  • 標準治療へのアクセス: JDAガイドラインで推奨されている、より効果的な処方薬(アダパレンや過酸化ベンゾイル、強力な抗生物質など)による治療を受けるため30

よくある質問

ニキビを潰した後、すぐに市販の薬を塗ってもいいですか?
いいえ、開いた傷口に直接薬を塗ることは推奨されません。最優先すべきは、まずハイドロコロイドパッチで傷口を保護し、外部の刺激や細菌から守ることです。ペアアクネクリームWのような抗炎症・殺菌作用のある薬は、パッチを使用せず、炎症がまだあるが傷口が閉じた状態の赤いニキビに使用するのが最も効果的です21。アットノンニキビあとケアジェルのような跡ケア製品は、傷が完全に治癒し、皮膚表面が滑らかになった後に使用を開始してください22
ニキビパッチはどのくらいの頻度で交換すればいいですか?
ニキビパッチは、滲出液を吸収して中心部が白く大きく膨れ上がったら交換のサインです14。滲出液が少ない場合でも、衛生を保つために少なくとも1日に1回は交換することが推奨されます。貼りっぱなしにすると、かえって細菌が繁殖する温床になる可能性があります。
クレーター状のニキビ跡になってしまったら、もう自力では治せませんか?
はい、残念ながらクレーターとして知られる萎縮性瘢痕は、コラーゲン組織の欠損によって生じるため、セルフケアで完全に元に戻すことは非常に困難です。市販のレチノール製品などで肌の質感をわずかに改善することは可能かもしれませんが、目に見える効果を得るには皮膚科での専門的な治療が不可欠です26。この記事の表2で紹介したフラクショナルレーザー、マイクロニードリング、ケミカルピーリングなどが、コラーゲンの再生を促すための標準的な治療法となります23

結論

ニキビをうっかり潰してしまうことは誰にでも起こり得ることですが、その後の行動が未来の肌を大きく左右します。重要なのは、パニックにならず、本稿で示した科学的根拠に基づくプロトコル—「優しく洗浄し、ハイドロコロイドパッチで保護し、徹底的に保湿と紫外線対策を行う」—を実践することです。これにより、二次感染や深刻なニキビ跡のリスクを最小限に抑えることができます。また、市販薬は症状とタイミングに合わせて賢く利用し、セルフケアで改善しない場合や、跡が残ってしまった場合は、決して一人で悩まず、皮膚科専門医に相談することが、美しく健康な肌を取り戻すための最も確実な道です。あなたの肌は、適切なケアを受ける価値があります。

免責事項
本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスを構成するものではありません。健康に関する懸念や、ご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

  1. ニキビを潰した後の正しいケアとは?リスクや傷を残さないための対処法を解説. 青木剛形成外科クリニック. 参照2025-06-23. https://aoki-tsuyoshi.com/column/acne/104464
  2. 【医師監修】潰してしまったニキビの対処法|跡を残さないケアと…. sokuyaku.jp. 参照2025-06-23. https://sokuyaku.jp/column/2024_222.html
  3. ニキビを潰した後の対処法は?適切なケア方法を解説 | 美容皮膚科は…. TCBスキンクリニック. 参照2025-06-23. https://tcbskin.clinic/column/acne-squeeze-aftercare
  4. ニキビを潰した後の赤みを消す方法は?正しいケアや治療法について解説. TCBスキンクリニック. 参照2025-06-23. https://tcbskin.clinic/column/acne-squeeze-erythema
  5. ニキビを潰した後に起こるリスクは?正しい対処法やケア方法を紹介. 千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック. 参照2025-06-23. https://chibanaika-clinic.com/beauty/2024/12/nikibi-risuku/
  6. Q.30ダメだと思いつつもニキビを潰してしまいました。どうしたらいい?. 美容皮膚科タカミクリニック. 参照2025-06-23. https://takamiclinic.or.jp/media/acne/faq/q30/
  7. ニキビが潰れてしまった……! やってはいけないNG行為とおすすめのケア方法. 美肌ドクター. 参照2025-06-23. http://www.bihadadr.com/blog/beauty/2018/09/care-method/
  8. ニキビから血が出たら?跡を残さないケアと防正しい対処法を紹介!. アラジン美容クリニック. 参照2025-06-23. https://aladdin-fukuoka.jp/956/
  9. 芯のあるニキビができたときの対処法は?NG行為も紹介. ユースキン製薬. 参照2025-06-23. https://www.yuskin.co.jp/hadaiku/detail.html?pdid=181
  10. 第19回 ニキビ撲滅大作戦<その4> けっして、してはいけないこと | ビューティ・コラム. 青山ヒフ科クリニック. 参照2025-06-23. https://www.aoyamahihuka.com/beautycolumn/?id=1638253368-443284
  11. 【医師監修】ニキビを潰すと早く治るのは嘘?やってはいけない理由と正しい潰し方を紹介. sokuyaku.jp. 参照2025-06-23. https://sokuyaku.jp/column/2024_215.html
  12. できてしまったニキビを「ニキビ跡」にしないためのセルフケア. フェミークリニック. 参照2025-06-23. https://femmy-cl.com/column/nikibi/selfcare_nikibiato/
  13. 【楽天市場】ニキビパッチ ニキビ にきび ニキビケア CICA配合 日本製 ハイドロコロイド…. 楽天市場. 参照2025-06-23. https://item.rakuten.co.jp/virginbeautyshop/ta-the-spso/
  14. 【医師監修】薬局で買えるニキビパッチおすすめ13選. Excite. 参照2025-06-23. https://www.excite.co.jp/beauty/cosme/acne-patch
  15. ニキビ跡は薬で消せる?よく効く市販薬・医薬品と選び方を紹介. ANS. magazine. 参照2025-06-23. https://ans-skin.com/magazine/acne/acne-scars-medicine/
  16. ニキビを潰した後はどうするべき?悪化やニキビ跡化を防ぐための対処法. フェミークリニック. 参照2025-06-23. https://femmy-cl.com/column/nikibi/nikibi-tsubushita/
  17. ニキビを潰したあとオロナイン®︎H軟膏を使うのはNG?適切な対処法を解説. ミナカラ. 参照2025-06-23. https://minacolor.com/articles/8005
  18. ニキビ跡の赤み・しみにおすすめの市販薬 9選!【薬剤師解説】. EPARKくすりの窓口. 参照2025-06-23. https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/acne-scars-pickup/
  19. 【医師監修】ニキビ跡によく効く薬を解説!市販薬と皮膚科の薬の違いとは?. 東京美肌堂. 参照2025-06-23. https://bihadado.tokyo/media/3195/
  20. 【迷わず選べる】ニキビにおすすめの薬とは?症状と原因も解説. おうち病院. 参照2025-06-23. https://anamne.com/acne-recommended-medicine/
  21. 【ニキビに効く市販薬】ペアアクネクリームWの成分・効果と副作用. EPARKくすりの窓口. 参照2025-06-23. https://www.kusurinomadoguchi.com/column/acne-medicine-component-8155/
  22. アットノン ニキビあとケアジェル – 製品情報. 小林製薬株式会社. 参照2025-06-23. https://www.kobayashi.co.jp/seihin/an_nc/
  23. ニキビ跡の治し方・赤みを消す方法【美容皮膚科解説】. 水の森美容クリニック. 参照2025-06-23. https://www.mizunomori.com/correct/failure/skincare/acnecare/
  24. ニキビ跡をきれいに消す方法. 品川スキンクリニック【公式】. 参照2025-06-23. http://shinagawa-skin.com/contents_erase_acne_scars/
  25. ニキビ跡の効果的な治療方法を種類別に解説. 東京皮膚科・形成外科. 参照2025-06-23. https://tokyoderm.com/column/%E3%83%8B%E3%82%AD%E3%83%93%E8%B7%A1%E3%81%AE%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%B2%BB%E7%99%82%E6%96%B9%E6%B3%95%E3%82%92%E7%A8%AE%E9%A1%9E%E5%88%A5%E3%81%AB%E8%A7%A3%E8%AA%AC/
  26. 自力で治せるニキビ跡の種類と治し方を解説. はなふさ皮膚科. 参照2025-06-23. https://hanafusa-hifuka-beauty.com/disease/acne-scars/self-reliance/
  27. 皮膚科で行うニキビ治療の定番コメド圧出(面ぽう圧出). 東京イセアクリニック. 参照2025-06-23. https://www.tokyoisea.com/acne/treatment/pressure.html
  28. コメド圧出 | 美容外科・美容皮膚科なら表参道スキンクリニック[公式]. 参照2025-06-23. https://omotesando-skin.jp/menu/comedo/
  29. コメド圧出(ニキビ芯出し). 金沢中央クリニック. 参照2025-06-23. https://www.kanazawa-chuoh-clinic.com/menu/nikibi/comedo/
  30. 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023. 公益社団法人日本皮膚科学会. 参照2025-06-23. https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/zasou2023.pdf
  31. 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023. Mindsガイドラインライブラリ. 参照2025-06-23. https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00827/
  32. 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023. J-Stage. 参照2025-06-23. https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/133/3/133_407/_article/-char/ja/
  33. Japanese Dermatological Association Guidelines: Guidelines for the treatment of acne vulgaris 2017. PubMed. 参照2025-06-23. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29782039/
  34. 【医師監修】ニキビ・ニキビ跡の原因と治し方|傷跡(きずあと)改善薬アットノン. 小林製薬. 参照2025-06-23. https://www.kobayashi.co.jp/brand/atnon/tieup03/
  35. 令和時代のニキビ治療. AMR対策. 参照2025-06-23. https://amr.jihs.go.jp/pdf/20220127_press.pdf
  36. ニキビパッチ|薬局やドラックストアなどでも買えるおすすめパッチの人気ランキング. カウナラ. 参照2025-06-23. https://kaunara.cplaza.ne.jp/rankings/8603/
  37. Davis EC, Callender VD. Postinflammatory Hyperpigmentation: A Review of the Epidemiology, Clinical Features, and Treatment Options in Skin of Color. J Clin Aesthet Dermatol. 2010 Jul;3(7):20-31. PMID: 20725554; PMCID: PMC2921758. Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2921758/
  38. 特集:にきび治療 治療法と治療薬|Web医事新報. 日本医事新報社. 参照2025-06-23. https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=19464
  39. 本邦における尋常性痤瘡のアンケートによる疫学的調査成績. CiNii Research. 参照2025-06-23. https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001205738698112
  40. ペアアクネクリーム W. LION. 参照2025-06-23. https://www.lion.co.jp/ja/products/pdf/069-01.pdf
  41. 小林製薬 アットノン ニキビあとケアジェル (10g) ニキビケア 【医薬部外品】. ツルハドラッグ. 参照2025-06-23. https://shop.tsuruha.co.jp/10136855.html
  42. アットノン ニキビあとケアジェル 10g【医薬部外品】. 富士薬品. 参照2025-06-23. https://www.e-fujiyakuhin.jp/SHOP/4987072056486.html
  43. メラノCC 薬用 しみ 集中対策 美容液 | ロート製薬: 商品情報サイト. 参照2025-06-23. https://jp.rohto.com/melanocc/essence/
  44. メラノCC 薬用しみ集中対策美容液 20ml ロート製薬. LOHACO. 参照2025-06-23. https://lohaco.yahoo.co.jp/store/h-lohaco/item/u877925/
  45. 尋常性痤瘡治療ガイドライン 2016. 公益社団法人日本皮膚科学会. 参照2025-06-23. https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/acne%20guideline.pdf
  46. 尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017. 公益社団法人日本皮膚科学会. 参照2025-06-23. https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/acne_guideline2017.pdf
  47. Bonaventure A, et al. Acne-induced Post-inflammatory Hyperpigmentation: From Grading to Treatment. Acta Derm Venereol. 2024 Apr 18;104:adv31230. doi: 10.2340/actadv.v104.31230. PMID: 40263971. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40263971/
  48. Bonaventure A, et al. Acne-induced Post-inflammatory Hyperpigmentation: From Grading to Treatment. PMC. 参照2025-06-23. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12041799/
  49. Silpa-archa N, et al. Postinflammatory Hyperpigmentation. StatPearls – NCBI Bookshelf. 参照2025-06-23. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK559150/
  50. Kravvas G, Al-Niaimi F. A systematic review of treatments for acne scarring. Part 1: Non-energy-based techniques. Scars, Burns & Healing. 2018;4.
  51. Aslam A, et al. Treating Acne Scars: What’s New? Consensus from the Experts. PMC. 参照2025-06-23. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4570086/
  52. Fabbrocini G, et al. Acne Scars: Pathogenesis, Classification and Treatment. Dermatol Res Pract. 2010;2010:893080. doi: 10.1155/2010/893080. Epub 2010 Oct 14. PMID: 21151433; PMCID: PMC2958495. Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2958495/
  53. Alexis AF, et al. Treatment recommendations for acne-associated hyperpigmentation: Results of the Delphi consensus process and a literature review. J Am Acad Dermatol. 2023 Sep;89(3):553-562. doi: 10.1016/j.jaad.2023.03.029. Epub 2023 Mar 15. PMID: 36924935. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36924935/
  54. Searle T, et al. Post-inflammatory hyperpigmentation: A systematic review of treatment outcomes. J Cosmet Dermatol. 2023 Nov;22(11):3013-3039. doi: 10.1111/jocd.15990. Epub 2023 Oct 17. PMID: 37843491. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37843491/
  55. Tan J, et al. Acne Scarring Management: Systematic Review and Evaluation of the Evidence. Am J Clin Dermatol. 2018 Oct;19(5):639-657. doi: 10.1007/s40257-018-0359-5. PMID: 29744784. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29744784/
  56. 尋常性ざ瘡・酒さ治療ガイドライン2023を一覧に追加. m3.com. 参照2025-06-23. https://www.m3.com/clinical/news/1232894
  57. ニキビ跡は消せる?自宅できるケアのポイント. はなふさ皮膚科. 参照2025-06-23. https://mitakabiyou.com/column/%E3%83%8B%E3%82%AD%E3%83%93%E8%B7%A1%E3%81%AF%E6%B6%88%E3%81%9B%E3%82%8B%EF%BC%9F%E8%87%AA%E5%AE%85%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%82%B1%E3%82%A2%E3%81%AE%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88
  58. Kubiak K, et al. Methods for the Improvement of Acne Scars Used in Dermatology and Cosmetology: A Review. J Clin Med. 2022 May 27;11(11):3057. doi: 10.3390/jcm11113057. PMID: 35683449; PMCID: PMC9180023. Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9147527/
  59. ニキビ・ニキビ跡について. 鼻岡けいこ皮フ科クリニック. 参照2025-06-23. https://hanaoka-hifuka.jp/acne/
  60. ニキビ痕(あと)を残さないためのスキンケア. コラージュリペア. 参照2025-06-23. https://www.collage.ne.jp/repair/acne_care/
  61. 林伸和 医師(はやしのぶかず)|ドクターズガイド. 時事メディカル. 参照2025-06-23. https://medical.jiji.com/doctor/1977
  62. 教授挨拶 | 藤田医科大学 応用細胞再生医学講座. 参照2025-06-23. http://www.fujita-hu.ac.jp/~stemcell/professor.html
  63. Dreno B, et al. Expert Opinion: Efficacy of a new cosmetic product in the management of early acne scars. J Cosmet Dermatol. 2021 Jan;20(1):164-169. doi: 10.1111/jocd.13479. Epub 2020 Jun 9. PMID: 32420658.
この記事はお役に立ちましたか?
はいいいえ