ニキビ跡と色素沈着の完全ガイド:種類・原因から最新治療法まで皮膚科医が徹底解説
皮膚科疾患

ニキビ跡と色素沈着の完全ガイド:種類・原因から最新治療法まで皮膚科医が徹底解説

ニキビ、そしてその後に残る跡(ニキビ跡、色素沈着)は、多くの日本人にとって深刻な悩みです3。日本の疫学データによれば、日本人の90%以上が一度はニキビを経験し、ニキビ患者の90.8%に何らかの瘢痕(はんこん)が残ると報告されています1。これらの跡は単なる美容上の問題にとどまらず、QOL(生活の質)を著しく低下させ、自信の喪失、対人関係への消極性、さらには抑うつといった心理的な側面にまで深い影響を及ぼすことがあります12。実際、ある調査では、ニキビ跡が気になる方の約8割が恋愛に消極的になっているというデータもあります4。この記事の目的は、ニキビ跡と色素沈着に関する医学的に正しい理解を促し、その種類別の原因、科学的根拠に基づく最新かつ効果的な治療法、そして日々の予防策を包括的に解説することです。これにより、読者の皆様がご自身の状態に最適なケアを選択し、悩みを解決するための一助となることを目指します。JAPANESEHEALTH.ORGは、日本皮膚科学会の公式ガイドライン5や国内外の信頼できる医学研究に基づいた、正確かつ実践的な情報を提供することをお約束します。

要点まとめ

  • ニキビ跡には、皮膚の構造が変化する「瘢痕(赤み、凹み、盛り上がり)」と、色調が変化する「炎症後色素沈着(茶色いシミ)」があり、両者は根本的に異なります。
  • ニキビ跡の最善の予防策は、炎症を伴うニキビを早期に皮膚科で治療し、自分で潰さないことです。紫外線対策も色素沈着を防ぐ上で極めて重要です。
  • セルフケアで改善が期待できるのは、ごく軽度の赤みや色素沈着に限られます。クレーター状の凹みや盛り上がった瘢痕を市販薬で治すことは不可能です。
  • 皮膚科・美容皮膚科では、日本皮膚科学会のガイドライン等に基づき、レーザー、光治療、ケミカルピーリング、ダーマペン、サブシジョン、注入療法など、科学的根拠のある多様な治療法が提供されています。
  • 最適な治療法はニキビ跡の種類、重症度、肌質によって全く異なるため、専門医による正確な診断と、効果・リスク・費用・期間を総合的に理解した上での治療選択が不可欠です。

第1章:ニキビ跡と色素沈着:基本を理解する

1.1. 「ニキビ跡(瘢痕)」とは何か?

ニキビ跡、医学的には「瘢痕(はんこん)」とは、ニキビの炎症が治癒した後に残る、皮膚の永続的な構造的変化または長期的な色調変化を指します6。これは、単なる一時的な赤みやシミとは明確に区別される状態です。瘢痕形成の根本的な原因は、ニキビによる炎症の深さと期間にあります。炎症が皮膚の深い層である真皮層にまで及んだり、長期間続いたりすると、皮膚組織を修復するプロセスが正常に機能しなくなり、瘢痕を残しやすくなります7, 8。具体的には、皮膚の弾力や構造を支えるコラーゲン線維の産生に異常が生じ、コラーゲンが不足して皮膚が凹んだり(萎縮性瘢痕)、逆に過剰に産生されて盛り上がったり(肥厚性瘢痕・ケロイド)することで、構造的な変化が生じるのです6

1.2. 「炎症後色素沈着(PIH)」とは何か?

炎症後色素沈着(Post-Inflammatory Hyperpigmentation, PIH)は、ニキビや湿疹、熱傷など、皮膚に起きた炎症が治癒した後に、メラニン色素が過剰に生成・沈着することで生じる、一過性または持続性の皮膚の色調変化です9。一般的には「シミ」や「茶色い跡」として認識されます。このメカニズムは、炎症によって放出される様々な化学物質(サイトカインやプロスタグランジンなど)が、皮膚の色素を作り出す細胞であるメラノサイトを刺激し、メラニンの産生を亢進させることによります10, 11。PIHには、メラニンが皮膚の浅い層(表皮)に沈着する「表皮性PIH」と、より深い層(真皮)に沈着する「真皮性PIH」があります。表皮性のものは肌のターンオーバーとともに自然に薄くなることが多いですが、真皮性のものは長期間持続する傾向があり、治療への反応性も異なります9

1.3. ニキビ跡(瘢痕)と炎症後色素沈着(PIH)の主な違い

ニキビ跡とPIHはしばしば混同されますが、その性質と治療アプローチは全く異なります。以下の表でその違いを明確に理解しましょう。

特徴 ニキビ跡(瘢痕) 炎症後色素沈着(PIH)
主な変化 皮膚の構造的変化(凹凸、隆起) 皮膚の色調変化(茶色、黒っぽいシミ)
発生する皮膚層 主に真皮層の損傷・変性 主に表皮基底層でのメラニン増加、時に真皮へのメラニン沈着
質感 凹んでいる(萎縮性)、盛り上がっている(肥厚性・ケロイド) 通常は平坦
色調 肌色、赤みを帯びる、白っぽくなることも 茶色、褐色、灰色がかった黒など
自然治癒 構造的変化は自然治癒が困難または不可能 時間経過とともに自然に軽快・消退する可能性が高い
主な原因 重度・長期の炎症による真皮組織の破壊または過剰修復 炎症によるメラノサイトの活性化
治療アプローチ 構造を再建・修正する治療(レーザー、サブシジョン等) メラニン生成抑制、排出促進、分解(外用薬、ピーリング等)

第2章:ニキビ跡・色素沈着の種類と見分け方

ニキビ跡の治療は、その種類を正確に見分けることから始まります。ここでは、日本皮膚科学会および国際的な分類に基づき、各種類の特徴、原因、見分け方のポイントを詳細に解説します。

2.1. 炎症後紅斑(PIE / ニキビ跡の赤み)

原因: 炎症後紅斑(Post-Inflammatory Erythema, PIE)は、ニキビの炎症が治まった後も、炎症によって拡張したり新たに作られたりした真皮の毛細血管が持続することで生じる「赤み」です12。炎症自体は鎮静化しているものの、血管の赤みが皮膚を通して透けて見える状態です。
見た目の特徴: 平坦な赤色やピンク色の斑点で、時に紫色を帯びることもあります。PIHとの重要な違いは、指やガラス板などで圧迫すると一時的に色が薄くなる(血液が移動するため)点です。メラニン色素の増加は伴いません。
自然治癒の可能性と期間: 多くの場合、数週間から数ヶ月で自然に軽快しますが、炎症の程度や肌質によっては半年以上赤みが持続することもあります13

2.2. 炎症後色素沈着(PIH / シミ・茶色いニキビ跡)

原因: ニキビの炎症が引き金となり、メラノサイトが活性化し、メラニン色素が過剰に生成され、表皮や真皮に沈着することで生じます9, 6。特に、炎症が強い場合や、ニキビを掻いたり潰したりする物理的刺激が加わると発生しやすくなります。日本人はPIHを起こしやすい肌質とされています9
見た目の特徴: 形状は平坦で、色は茶色、褐色、灰色がかった黒など様々です。境界は比較的明瞭なものから不明瞭なものまであります。
自然治癒の可能性と期間、悪化要因: 表皮に沈着した浅いものは、肌のターンオーバー(通常約28日周期ですが年齢とともに遅延)に伴い、数ヶ月から1年程度で徐々に薄くなることが多いです14。しかし、真皮まで色素が落ち込んだ深いものは、数年単位で持続したり、完全に消えずに残ることもあります。最大の悪化要因は紫外線であり、その他にも摩擦などの物理的刺激はPIHを濃くする原因となります9, 14

2.3. 萎縮性瘢痕(凹み・クレーター状のニキビ跡)

総論: 萎縮性瘢痕は、一般的に「クレーター」と呼ばれる凹んだニキビ跡です。ニキビの強い炎症が真皮層にまで及び、コラーゲン線維や弾性線維といった皮膚の土台となる組織が破壊・欠損、あるいは変性・癒着することで生じます。一度形成されると自然治癒は極めて困難です15。日本人のニキビ跡では、後述するローリング型が多いとされています14。萎縮性瘢痕は、その形状から主に3つのタイプに分類されます。

2.3.1. アイスピック型 (Ice Pick Scars)

特徴: 直径2mm未満の、まるでアイスピックで刺したかのように深くて狭い、V字型の点状の凹みです16, 12。真皮深層、時には皮下組織にまで達することもあり、治療が最も難しいタイプの一つとされます。
見分け方: 開口部は小さいですが、奥が深いのが特徴です。大きく開いた毛穴のようにも見えます。
好発部位・原因: 主に頬に見られ、嚢胞(のうほう)性ニキビや炎症の強い丘疹を無理に潰した場合などに形成されやすいです。

2.3.2. ボックスカー型 (Boxcar Scars)

特徴: 境界が比較的明瞭で、壁が垂直に切り立ち、底面が平坦な、角張ったU字型あるいは円形の凹みです16, 12。大きさは直径1.5mmから4mm程度と様々で、水痘(みずぼうそう)の跡に似ていることもあります。
見分け方: 辺縁がシャープで、クレーターの底がはっきりと見えます。深さは浅いものから深いものまであります。
原因: 炎症によってコラーゲンが広範囲に破壊され、皮膚が均一に陥没することで生じます。

2.3.3. ローリング型 (Rolling Scars)

特徴: 直径4~5mm以上の、境界が不明瞭でなだらかな、波打つようなM字型あるいは皿状の広い凹みです16, 12。これは、瘢痕組織が深部の組織(筋膜など)と線維性に癒着し、皮膚表面を下に引っ張ることで形成されます。
見分け方: 皮膚を指で伸展させると(引っ張ると)、凹みが浅く見える、または一時的に目立たなくなるのが特徴です。
原因: 真皮から皮下組織にかけての広範な炎症と、その後の組織破壊、線維化による癒着が原因です。
また、日本の研究者によって提唱された「ミニスカー (Mini-scars)」という概念もあります。これは直径0.5mm以上2mm未満の小さな萎縮性瘢痕で、多くのニキビ患者に見られると報告されています1

2.4. 肥厚性瘢痕・ケロイド(盛り上がったニキビ跡)

原因: ニキビの炎症による創傷治癒過程で、コラーゲン線維が過剰に産生され続けることで、組織が盛り上がって形成される瘢痕です17。遺伝的素因(ケロイド体質)も大きく関与していると考えられています18
肥厚性瘢痕とケロイドの違い: この二つはしばしば混同されますが、重要な違いがあります。
肥厚性瘢痕: 元のニキビの範囲を超えずに隆起します。時間経過とともにやや平坦化(退縮)することもあります17
ケロイド: 元のニキビの範囲を超えて、カニの足のように周囲の正常な皮膚に浸潤しながら拡大・増殖する傾向があります。自然に退縮することは稀で、強い痒みや痛みを伴うことが多いのが特徴です17, 18
見た目の特徴: 赤みを伴う、硬く、光沢のある隆起で、形状はドーム状や不整形など様々です。
好発部位: 顎、フェイスライン、前胸部、肩、背中上部など、皮膚に緊張がかかりやすい部位に発生しやすいです。

第3章:ニキビ跡・色素沈着の予防法

ニキビ跡に対する最善の策は、そもそもニキビ跡を作らないことです。瘢痕化は炎症の直接的な結果であるため、ニキビの炎症をいかに早期にかつ適切にコントロールするかが最も重要となります。

3.1. 正しいニキビケアと生活習慣

  • ニキビを潰さない、触らない: 自己判断でニキビを無理に潰すと、毛包壁が破壊され、炎症が真皮のより深い部分へ広がってしまいます。これにより細菌感染のリスクも高まり、結果として重度のニキビ跡が残る最大の原因となります19, 20。特に炎症を起こしている赤ニキビは絶対に触らないことが鉄則です。
  • 適切な洗顔と保湿: 洗顔は1日2回、低刺激性の洗顔料をよく泡立て、肌を擦らずに優しく行います。ゴシゴシ洗いは皮膚への刺激となり、バリア機能を損ない逆効果です20。洗顔後は、肌が乾燥する前に速やかに保湿します。油分が少なく、毛穴を詰まらせにくい「ノンコメドジェニック」と表示された保湿剤を選ぶことが重要です。肌の乾燥はバリア機能の低下を招き、かえって皮脂の過剰分泌や炎症の悪化に繋がります21
  • ノンコメドジェニック製品の選択: スキンケア製品や日焼け止め、化粧下地などは、「ノンコメドジェニックテスト済み」の表示があるものを選ぶと、ニキビの悪化リスクを低減できます。
  • バランスの取れた食事: 近年の研究では、血糖値を急激に上昇させる高GI(グリセミック・インデックス)食品(白米、パン、お菓子など)や一部の乳製品の過剰摂取が、皮脂分泌を促進するホルモン(IGF-1)を介してニキビを悪化させる可能性が指摘されています22。特定の食品を完全に断つのではなく、野菜、果物、魚、豆類などを取り入れたバランスの良い食事を心がけることが大切です。特に、皮膚の健康維持に役立つビタミンB群、ビタミンC、亜鉛などを意識的に摂取することが推奨されます14, 21
  • 十分な睡眠: 睡眠不足は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増やし、ホルモンバランスの乱れや免疫機能の低下を招きます。これにより、ニキビが悪化し、炎症が長引くことで治癒が遅延し、ニキビ跡のリスクが高まります14。質の高い睡眠を毎日7~8時間程度確保するよう努めましょう。
  • ストレス管理: 過度な心理的ストレスもまた、ホルモンバランスに影響を与え、ニキビを悪化させる主要な要因の一つです。適度な運動、趣味、瞑想、リラクゼーションなど、自分に合った方法でストレスを上手に解消することが、肌の健康にも繋がります。
  • その他: 髪の毛が顔にかからないようにする、枕カバーやタオルなどの寝具をこまめに洗濯して清潔に保つといった物理的な刺激や雑菌の繁殖を防ぐことも重要です。

3.2. 紫外線対策の重要性

紫外線対策は、ニキビ跡予防、特に色素沈着(PIH)の予防と悪化防止において、スキンケアの根幹をなす最も重要な要素です。

  • PIHの予防と悪化防止: 紫外線はメラノサイトを強力に刺激し、メラニン生成を促進します。ニキビの炎症がある肌は、この刺激に対して非常に敏感になっており、紫外線を浴びることでPIHが容易に発生し、また既存のPIHがさらに濃くなる最大の原因となります9, 14, 21。ニキビができている最中や治った直後の肌は、特に徹底した紫外線対策が不可欠です。
  • 炎症後紅斑(PIE)への影響: 紫外線は、それ自体が炎症を増悪させる作用を持つため、PIEの赤みを長引かせたり、悪化させたりする可能性があります。
  • 瘢痕組織への影響: 紫外線(特にUVA)は真皮にまで到達し、コラーゲン線維の変性を促す作用があります。これにより、瘢痕組織の正常な治癒プロセスを妨げる可能性も指摘されています。
  • 日焼け止めの選び方と正しい使用法:
    • 日常生活ではSPF30・PA++以上、屋外でのレジャーや長時間の活動ではSPF50+・PA++++など、シーンに合わせて適切な防御指数のものを選択します。
    • 「ノンコメドジェニックテスト済み」「低刺激性」「無香料」「無着色」「紫外線吸収剤フリー(ノンケミカル)」などの表示がある製品が、ニキビ肌にはより適しています。
    • 製品に記載された使用量を守り、十分な量を顔全体にムラなく塗布します。量が少ないと表示通りの効果が得られません。
    • 朝塗るだけでなく、汗をかいた後やタオルで顔を拭いた後、また2~3時間おきにこまめに塗り直すことが効果を持続させる鍵です。
    • 日焼け止めだけに頼らず、帽子、日傘、サングラス、UVカット機能のあるマスクなどを併用し、物理的に紫外線を遮断することも非常に有効です。

3.3. 皮膚科医への早期相談

  • 炎症性ニキビは放置しない: 赤ニキビ(丘疹、膿疱)や、さらに重症化した黄ニキビ(嚢腫、結節)など、炎症を伴うニキビが複数でき始めたら、自己判断で様子を見たり、市販薬だけで対処しようとしたりせず、できるだけ早期に皮膚科を受診することが、ニキビ跡を残さないための最も確実な方法です23, 24
  • 日本皮膚科学会ガイドラインに基づく標準治療の推奨: 皮膚科では、ニキビの種類と重症度を正確に診断し、「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」5に基づいて、アダパレン(ディフェリン®)、過酸化ベンゾイル(ベピオ®)、これらの配合剤(エピデュオ®)、抗菌薬(クリンダマイシン、ナジフロキサシン、オゼノキサシン等の外用薬、あるいはミノサイクリン、ドキシサイクリン等の内服薬)といった標準治療が行われます。これらの治療は炎症を早期に鎮静化し、瘢痕化のリスクを大幅に低減することが科学的に証明されています。
  • 治療開始が遅れるほど、炎症が真皮深層に及び、重度の瘢痕が残るリスクが指数関数的に高まると考えられています25

第4章:ニキビ跡・色素沈着のセルフケアと市販薬(日本市場中心)

セルフケアや市販薬で対応が期待できるのは、主に軽度の炎症後紅斑(赤み)や、表皮にとどまる浅い炎症後色素沈着(シミ)に限られます。萎縮性瘢痕(クレーター)や肥厚性瘢痕・ケロイドといった皮膚の構造が変化してしまった状態を、これらの手段で改善することは極めて困難であることをまず理解しておく必要があります。

4.1. 炎症後紅斑(赤み)へのアプローチ

赤みの原因は持続する微弱な炎症と毛細血管の拡張であるため、抗炎症と保湿によるバリア機能のサポートがケアの中心となります。

  • 抗炎症成分配合の化粧品:
    • グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)アラントインといった、炎症を抑える効果が認められている成分が配合された医薬部外品(薬用化粧品)や化粧水、ジェルを使用することが有効です26, 27。これらの成分が、赤みの原因である持続的な炎症を鎮める手助けをします。
  • 保湿によるバリア機能のサポート:
    • 肌のバリア機能が低下すると、外部からの刺激を受けやすくなり、炎症が再燃しやすくなります。セラミドヒアルロン酸コラーゲンなどの高保湿成分を含む製品で肌を十分に保湿し、バリア機能を正常に保つことが重要です。
  • 刺激を避ける: 摩擦を避ける、熱すぎるお湯での洗顔をしないなど、肌への物理的刺激を最小限に抑えることも、赤みを悪化させないために大切です。

4.2. 炎症後色素沈着(シミ・茶色い跡)へのアプローチ

色素沈着へのアプローチは、メラニンの生成を抑制し、できてしまったメラニンの排出を促進することが基本戦略となります。日本では多くの有効成分が医薬部外品として承認されています。

  • 美白有効成分配合の医薬部外品・化粧品:
    • ビタミンCおよびビタミンC誘導体: メラニン生成抑制作用、できてしまったメラニンの還元(色を薄くする)作用、抗酸化作用、コラーゲン生成促進作用など、多角的な効果が期待できる代表的な成分です。製品例として、ロート製薬の「メラノCC薬用しみ集中対策美容液」28, 29や、小林製薬の「アットノンニキビあとケアジェル」(L-アスコルビン酸2-グルコシド配合)27, 30が挙げられます。
    • トラネキサム酸: メラノサイトを活性化させる因子の一つである「プラスミン」の働きを阻害することで、メラニン生成の指令をブロックします。抗炎症作用も併せ持つため、炎症後の色素沈着に適しています。製品例には、第一三共ヘルスケアの「トランシーノ薬用ホワイトニングシリーズ」31, 32や、資生堂の「イハダ薬用クリアローション」26があります。
    • L-システイン(内服薬): 体の内側からケアするアプローチとして、ビタミンCと協力して過剰なメラニンの生成を抑制し、肌のターンオーバーを正常化してメラニンの排出を助けるL-システインが有効です。抗酸化作用により、肌細胞を酸化ストレスから守る働きもあります。製品例としてエスエス製薬の「ハイチオールCプラス2」33や「トランシーノホワイトCプレミアム/クリア」31が知られています。
    • ハイドロキノン: 強力なメラニン生成抑制作用を持ちますが、日本では医師の処方が一般的です。市販品は低濃度のものに限られるか、安定配合が難しいため、専門医の指導下での使用が望ましい成分です。
    • アゼライン酸: メラニン生成抑制、角化異常の正常化、抗炎症作用など多面的な効果を持ち、海外ではニキビやPIH治療に広く用いられています。日本では一部の化粧品に配合されているほか、医療機関専売品として入手可能です。
  • ピーリング効果のある製品(穏やかなもの):
    • グリコール酸(AHA)サリチル酸(BHA)などが低濃度で配合された洗顔料や美容液は、古い角質を除去し、肌のターンオーバーを穏やかに促進することで、表皮に沈着したメラニンの排出を助ける効果が期待できます14, 21。ただし、肌への刺激となる可能性もあるため、使用頻度や肌質に注意し、刺激を感じたら使用を中止する必要があります。
  • 代表的な市販薬・製品の紹介と限界:
    • アットノンニキビあとケアジェル: ヘパリン類似物質(保湿・血行促進)、ビタミンC誘導体(メラニン生成抑制)、GK2(抗炎症)などを配合。赤みやシミにつながる炎症を抑え、予防することを主目的としています。構造が変化してしまった瘢痕には効果はありません27, 30
    • メラノCC薬用しみ集中対策美容液: 活性型ビタミンCとビタミンE誘導体を配合。シミ・そばかすの予防、ニキビ予防に効果を発揮します。PIHの改善にも期待できますが、深いものや瘢痕には限界があります28, 29
    • トランシーノホワイトCシリーズ(内服): L-システインとビタミンCを主成分とし、体の中からシミや色素沈着を緩和します31, 32
    • これらの製品はあくまで「予防」や「軽微なものの改善補助」という位置づけであり、医療機関での専門的な治療に代わるものではないことを明確に理解することが重要です33

4.3. 凹凸のあるニキビ跡(クレーター、ケロイド)に対するセルフケアの限界

萎縮性瘢痕(クレーター)や肥厚性瘢痕・ケロイドは、真皮層のコラーゲン組織が破壊されたり、異常に増殖したりした結果生じる構造的な変化です。したがって、市販の化粧品や医薬部外品、内服薬の成分が真皮層の構造を再構築することは科学的に不可能であり、これらの製品で凹凸を修復・改善することはできません。インターネット上で見られる「〇〇クリームでクレーターが治る」といった情報は医学的根拠に乏しく、誤った期待を抱かせるものであるため、惑わされないよう注意が必要です。これらの瘢痕に対しては、皮膚科・美容皮膚科での専門的な治療が唯一の改善手段となります。

第5章:皮膚科・美容皮膚科での専門的治療法(日本皮膚科学会ガイドライン準拠)

ニキビ跡の専門治療は、その多くが美容目的と見なされるため、公的医療保険が適用されない「自由診療」となります。一方で、活動性のニキビ治療や一部のケロイド治療は「保険診療」の対象です。この違いを理解し、適切な医療機関を選択することが重要です。

保険診療と自由診療の違い
保険診療: 活動性ニキビの治療(炎症を抑える、新たな発生を予防する)や、一部のケロイド・肥厚性瘢痕の治療(ステロイド注射、内服薬など)が対象です。費用は原則3割負担で、1回あたり数千円程度が目安です34
自由診療: 美容的改善を目的とするニキビ跡治療(クレーター、多くの色素沈着、赤み治療など)は保険適用外となります。費用は全額自己負担となり、治療法やクリニックによって大きく異なります35。費用はあくまで目安であり、治療開始前にカウンセリングで必ず総額を確認しましょう。

5.1. 炎症後紅斑(赤み)の治療 (PIE)

PIE治療の基本は、炎症の再燃を防ぎつつ、拡張した毛細血管にアプローチすることです。「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」ではPIEに特化した明確な推奨はありませんが、以下の自由診療が一般的に行われます。

  • 光治療(IPL): セレックVやM22、ステラM22などの機器が用いられます。血液中のヘモグロビンに吸収される波長の光を照射することで、拡張した毛細血管を熱で収縮させ、赤みを改善します。複数回の治療が必要です36。ダウンタイムは軽微な赤み程度で、マイルドな治療法です。費用は1回1万~3万円程度が目安です。
  • 色素レーザー: Vビーム(パルスダイレーザー)などが代表的です。IPLよりも選択的にヘモグロビンに作用し、毛細血管を破壊・収縮させるため、より効果が高いとされます37。ダウンタイムとして内出血や腫れが数日~1週間程度生じることがあります。費用は顔全体で1回3万~10万円程度が目安です。
  • イオン導入/エレクトロポレーション: ビタミンC誘導体やトラネキサム酸などの抗炎症・美白成分を、微弱な電流や電気パルスを用いて皮膚深部に浸透させ、炎症鎮静や赤み軽減を促します38。ダウンタイムはほぼなく、他の治療の補助としても行われます。費用は1回5千円~2万円程度です。

5.2. 炎症後色素沈着(シミ・茶色い跡)の治療 (PIH)

PIH治療は、メラニンの生成抑制と排出促進が二本柱です。

  • 外用薬(自由診療):
    • トレチノイン(ビタミンA誘導体): 表皮のターンオーバーを強力に促進し、メラニンの排出を早めます。コラーゲン産生促進作用もあります。医師の処方が必要で、使用初期には皮剥けや赤みなどの副反応が見られます14
    • ハイドロキノン: メラニンを作り出す酵素「チロシナーゼ」の働きを阻害し、新たなメラニン生成を強力に抑制します。高濃度のものは医師の処方が必要で、刺激感や白斑のリスクに注意が必要です11
    • アゼライン酸: メラニン生成抑制、抗炎症、角化抑制作用を持ち、比較的マイルドで長期使用しやすい成分です11
  • 内服薬(自由診療/一部保険適用): ビタミンC、L-システイン、トラネキサム酸などが処方されます14
  • ケミカルピーリング(自由診療): グリコール酸やサリチル酸マクロゴールなどの薬剤を皮膚に塗布し、古い角質やメラニンを剥離してターンオーバーを促進します39, 15, 14。日本皮膚科学会は面皰(めんぽう)治療においてこれらのピーリングを推奨していますが、保険適用外です40。費用は1回1万~3万円程度です。
  • レーザー治療(自由診療):
    • ピコレーザー(ピコトーニング、ピコフラクショナル): ピコ秒(1兆分の1秒)という極めて短いパルス幅でレーザーを照射し、熱ではなく衝撃波でメラニン色素を微細に破壊します。周辺組織への熱ダメージが少ないため、PIHを悪化させるリスクを抑えながら治療できるのが特徴です39, 41, 42。トーニングは低出力で顔全体に照射し、くすみや浅いシミを改善します。費用は1回1万~5万円程度です。
    • Qスイッチレーザー: ナノ秒(10億分の1秒)のパルスでメラニンを選択的に破壊します。濃いシミには有効ですが、PIHのリスクがピコレーザーより高いとされています。
  • 光治療(IPL)(自由診療): 広帯域の光を照射し、メラニンやヘモグロビンに穏やかに作用します。薄いシミや赤みに効果的ですが、PIHへの効果はマイルドです39

5.3. 萎縮性瘢痕(凹み・クレーター)の治療 (Atrophic Scars)

クレーター治療は、真皮層のコラーゲンを再構築させ、凹んだ皮膚を持ち上げることが目標となります。根気強い治療が必要です。

  • フラクショナルレーザー(自由診療): CO2レーザーやエルビウムヤグレーザー(アブレイティブ)、あるいは1550nm波長のレーザー(ノンアブレイティブ)などがあります。皮膚表面に点状に微細な穴を開けるか熱エネルギーを与え、その創傷治癒過程でコラーゲンの産生とリモデリング(再構築)を強力に促し、凹みを徐々に浅くしていきます37, 39, 15, 43, 36。効果が高い反面、アブレイティブタイプは赤み、腫れ、点状出血、かさぶた形成など数日から数週間のダウンタイムを伴います。費用は顔全体で1回3万~15万円程度が目安です。
  • ダーマペン / マイクロニードリング(自由診療): 極細の針で皮膚に多数の微細な穴を意図的に開け、その自己修復力を利用してコラーゲン産生を誘導する治療法です37, 39, 15, 43, 21。成長因子(BENEV44)やPDRN(ポリデオキシリボヌクレオチド)などの薬剤を同時に導入することで、効果を増強することも可能です。ダウンタイムは数日の赤みや点状出血程度です。費用は顔全体で1回2万~5万円程度です。
  • サブシジョン(皮下剝離術)(自由診療): ローリング型や一部のボックスカー型瘢痕で、硬い線維組織が皮膚表面を深部へ引き込んでいる場合に特に有効な治療法です。皮膚表面から特殊な針を挿入し、癒着している線維を物理的に切断することで、凹みを直接持ち上げます15, 45, 46。内出血や腫れが1~2週間続くことがあります。日本では「花房式」46などが知られ、医師の高い技術力が求められる治療です。費用は範囲によりますが数万~数十万円です。
  • 高周波(RF)治療(ポテンツァなどRFニードル)(自由診療): マイクロニードルの先端からRF(高周波)の熱エネルギーを真皮層に直接照射し、コラーゲン産生と皮膚のタイトニングを強力に促します。ダーマペンの物理的刺激とRFの熱刺激の相乗効果が期待できます47, 36。ダウンタイムは数日の赤み程度で、フラクショナルレーザーより短い傾向があります。費用は顔全体で1回5万~15万円程度です。
  • 注入療法(フィラー)(自由診療): 日本皮膚科学会ガイドラインでC2(行ってもよい)推奨の治療法です48。ヒアルロン酸などの充填剤を凹んだ部分に直接注入し、物理的に皮膚を持ち上げます37, 15。効果は即時的ですが、数ヶ月から1年程度で吸収されるため、持続的な効果を得るには繰り返し治療が必要です。
  • ケミカルピーリング(TCA CROSS法)(自由診療): ガイドラインでC2推奨49。TCA(トリクロロ酢酸)という強力な酸を高濃度で使用し、アイスピック型の瘢痕の底に点状に塗布します。瘢痕組織を化学的に破壊し、その後の創傷治癒過程でコラーゲンが生成され、凹みが盛り上がることを狙います50。高度な技術を要する専門的な治療です。
  • 外科的治療(自由診療): 深いアイスピック型やボックスカー型瘢痕に対し、パンチ切除(瘢痕を円筒状にくり抜き縫合する)、パンチグラフト(耳の後ろなどから採った皮膚を移植する)などの方法があります15, 51。形成外科的な専門技術が必要となります。

5.4. 肥厚性瘢痕・ケロイドの治療

このタイプの治療は、瘢痕の増殖を抑え、盛り上がりや赤み、痒みなどの症状を改善することが目的です。保険適用となる治療法が多いのが特徴です。

  • ステロイド局所注射: 日本皮膚科学会ガイドラインでC1(選択肢の一つとして推奨)とされています52。ケナコルト®などのステロイド薬を瘢痕に直接注射します。強力な抗炎症作用と線維芽細胞の増殖抑制作用により、瘢痕の盛り上がり、硬さ、赤み、痒みを改善します。保険適用です35, 37, 17, 53
  • ステロイド外用薬(テープ、軟膏): ドレニゾンテープ®などが用いられます。注射より効果はマイルドですが、家庭で簡便に使用できます。保険適用です35, 17, 53
  • 内服薬(トラニラスト): リザベン®という商品名の抗アレルギー薬ですが、線維芽細胞の増殖やコラーゲン産生を抑制する作用も持ち、ケロイド・肥厚性瘢痕の治療に用いられます。ガイドラインではC2推奨で、保険適用です54, 35, 17
  • 外科的切除: ガイドラインC2推奨55。単純に切除するだけではケロイドは再発率が非常に高いため、通常は術後の放射線治療やステロイド療法との併用が必須です。保険適用となる場合があります53
  • その他の治療法: 色素レーザー(Vビームなど)による赤みの改善53, 17、シリコンジェルシートによる圧迫・保湿療法35, 18、ボトックス注射による瘢痕への伸展刺激の緩和35, 15、柴苓湯(さいれいとう)などの漢方薬17、放射線治療(外科的切除後)18など、様々な選択肢が臨床現場で用いられています。

5.5. 治療選択のポイントと医師との相談

  • 正確な診断の重要性: 最適な治療法を選択するための第一歩は、医師による正確な診断です。PIE、PIH、萎縮性瘢痕の各型、肥厚性瘢痕、ケロイドなど、どのタイプのニキビ跡が主で、どの程度混在しているのかを専門家に見極めてもらう必要があります。
  • 効果・リスク・期間・費用の総合的理解: どんな治療法にもメリットとデメリットがあります。医師から、期待できる効果の程度とその限界、起こりうる副作用や合併症のリスク、ダウンタイムの期間と程度、必要な治療回数と総期間、そして総費用について、十分な説明を受け、全てを理解・納得した上で治療を選択することが極めて重要です。
  • コンビネーションセラピーの可能性: 多くの場合、単一の治療法よりも複数の治療法を組み合わせる(コンビネーションセラピー)ことで、より高い相乗効果が得られます15, 45。例えば、サブシジョンで癒着を剥がした後にフラクショナルレーザーで肌の再生を促す、ダーマペンとケミカルピーリングを組み合わせるなど、医師と相談しながら個々の状態に合わせたオーダーメイドの治療計画を立てます。
  • 日本における皮膚科 vs 美容皮膚科の選択:
    • 皮膚科(保険診療中心): 活動性ニキビの治療、保険適用のケロイド治療、一般的なスキンケア指導を主に行います。まずは気軽に相談できる窓口です。
    • 美容皮膚科(自由診療中心): クレーター治療や美容的改善を目的としたニキビ跡治療を専門とします。レーザー、ダーマペン、サブシジョンなど、治療機器や薬剤の選択肢が豊富です。医師の経験や技術力、カウンセリングの質がクリニックによって大きく異なるため、慎重な選択が求められます34, 47
  • 医師との信頼関係: ニキビ跡治療は長期にわたることが多いため、疑問や不安を気軽に相談でき、信頼できる医師を見つけることが治療成功の鍵となります。必要であればセカンドオピニオンを求めることもためらわないでください。

第6章:ニキビ跡治療の現実:期間、費用、そして心のケア

6.1. 治療期間の目安

ニキビ跡治療の期間は、症状や治療法によって大きく異なります。1回の治療で劇的に改善することは稀であり、根気強い継続が不可欠です。

  • PIEや軽度のPIH: 数週間から数ヶ月のスキンケアやマイルドな治療で改善が見られることもあります。
  • 深いPIH、萎縮性瘢痕、肥厚性瘢痕・ケロイド: 数ヶ月から数年単位の長期的な治療が必要となることが一般的です43, 56。例えば、フラクショナルレーザーやダーマペンは通常、1ヶ月以上の間隔を空けて3~5回以上の治療を繰り返します。焦らずに医師の指示に従い、治療を継続することが最終的な結果に繋がります。

6.2. 費用の目安と保険適用について(再掲・詳細)

費用は治療を選択する上で非常に重要な要素です。以下に保険適用と自由診療の費用の目安をまとめますが、これらはあくまで参考であり、地域やクリニックにより大きく変動します。

  • 保険適用の範囲:
    • 活動性ニキビ自体の治療(外用薬、内服薬、一部の処置)。
    • ケロイドと診断された場合のステロイド注射、トラニラスト内服、外科的切除(施設による)、放射線治療など5, 35, 34, 47, 17
    • 注意点として、同じ疾患でも治療目的(機能障害の改善か、純粋な美容改善か)や医師の判断、施設の基準によって保険適用の可否が異なる場合があります。
  • 自由診療の費用例(顔全体・1回あたりの目安):
    • 初診料・再診料: 3,000円~10,000円程度
    • ケミカルピーリング: 10,000円~30,000円程度34
    • イオン導入/エレクトロポレーション: 5,000円~20,000円程度34
    • 光治療(IPL): 10,000円~50,000円程度34
    • 色素レーザー(Vビーム等): 30,000円~100,000円程度
    • ピコレーザー(トーニング): 15,000円~50,000円程度
    • フラクショナルレーザー(CO2等): 30,000円~150,000円程度
    • ダーマペン/RFニードル: 20,000円~150,000円程度
    • サブシジョン: 50,000円~数十万円
    • ヒアルロン酸注入: 1本(1cc) 60,000円~100,000円程度
    • 多くのクリニックでは、複数回のコース契約により1回あたりの単価が割安になるプランが設定されています。治療開始前に、麻酔代や薬代などを含めた総額を必ず確認することが重要です。

6.3. ニキビ跡が心に与える影響と対処法

  • QOL低下、自己肯定感の低下、対人関係への影響: ニキビ跡は単なる外見上の問題ではなく、患者のQOL(生活の質)を著しく低下させることが多くの研究で報告されています57, 2。自信を失い、自己評価が低下し、抑うつ気分、不安感、対人恐怖、社会的引きこもりなどを引き起こすことも少なくありません。特に人格形成や社会性の発達に重要な思春期・青年期においては、その影響はより深刻になる可能性があります。日本の調査では、ニキビ跡が気になる人の約8割が恋愛に対して消極的になるという衝撃的なデータも存在します4
  • 専門家(皮膚科医、カウンセラー、臨床心理士)への相談の重要性: 皮膚科医は、適切な治療によって外見上の改善を図り、それが心理的な負担の軽減に繋がることを目指します。しかし、心理的な苦痛が非常に大きい場合には、皮膚科医からの紹介、あるいは自身で、カウンセラーや臨床心理士などの「心の専門家」へ相談することも非常に有効な選択肢です。物事の捉え方や考え方の癖を修正する認知行動療法などが有効な場合もあります。
  • 治療への現実的な期待を持つこと: ニキビ跡治療は魔法ではありません。時間と根気が必要であり、完全に元通りの皮膚に戻ることは難しい場合がある、という現実を受け入れることも大切です。治療の目標を「完全に消す」ことではなく、「今より目立たなくして、自信を持って生活できるようになる」ことに設定し、医師と目標を共有しながら、小さな改善でも肯定的に捉え、前向きに取り組む姿勢が治療の成功を支えます。
  • 正しい情報へのアクセス: インターネットには不正確な情報や過大な広告が溢れています。信頼できる情報源(学会のサイト、医療機関の情報、この記事など)からニキビ跡に関する正確な知識を得ることで、不必要な不安や誤った自己判断を避け、冷静に治療と向き合うことができます。

よくある質問(FAQ)

Q1: ニキビ跡は完全に消えますか?
A: これは最も多い質問ですが、答えは「ニキビ跡の種類と重症度による」となります。炎症後紅斑(赤み)や表皮にとどまる浅い炎症後色素沈着(シミ)は、適切なケアや治療により、かなり目立たなくなり、場合によってはほぼ分からなくなることも期待できます。しかし、真皮の構造が変化してしまった深い萎縮性瘢痕(クレーター)やケロイドは、現在の医療技術をもってしても、完全に元の傷一つない状態に戻すことは非常に難しいのが現実です。これらの瘢痕治療の主な目標は、凹凸や盛り上がりを可能な限り浅くし、質感や色調を周囲の皮膚に近づけ、メイクでカバーしやすくなるなど、目立たなくすること、そしてそれによって患者様のQOLを改善することです。治療により大幅な改善が見られるケースも数多くありますので、諦めずに専門医にご相談ください。
Q2: どの治療法が一番効果がありますか?
A: 「この治療法が一番」と断言できる単一の治療法は存在しません。なぜなら、最適な治療法は、ニキビ跡の種類(赤み、色素沈着、アイスピック型、ボックスカー型、ローリング型、肥厚性瘢痕、ケロイドなど、あるいはそれらの混在)、瘢痕の深さや範囲、患者様の肌質(乾燥肌、脂性肌、敏感肌など)、年齢、体質(ケロイド体質など)、ライフスタイル(許容できるダウンタイムの期間)、そしてご予算など、非常に多くの要因によって全く異なるからです15。重要なのは、専門医による正確な診断のもと、これらの要素を総合的に考慮し、個々の患者様に合わせたオーダーメイドの治療計画を立てることです。多くの場合、サブシジョンとフラクショナルレーザーを組み合わせるなど、複数の治療法を組み合わせることで、より高い効果が得られます。
Q3: 治療中の痛みはどの程度ですか?
A: 治療法によって痛みの程度は大きく異なります。

  • 軽微~ほぼなし: イオン導入、エレクトロポレーション、一部の穏やかな光治療(IPL)、外用薬・内服薬。
  • チクチク、ピリピリする程度: ケミカルピーリング、ダーマペン、RFニードル、ピコトーニングなどのレーザー治療。これらの多くは、治療前に麻酔クリームを塗布することで、痛みは大幅に軽減されます。
  • ある程度の痛み: フラクショナルCO2レーザー、サブシジョン、ステロイド注射など。これらも麻酔クリームや局所麻酔注射、冷却装置などを併用し、痛みを最大限コントロールしながら行います。

痛みは個人差も大きいため、不安な場合は事前に医師にしっかりと伝え、痛みを最小限にするための対策を十分に相談することが大切です。

Q4: 治療後に気をつけることは?
A: 治療の種類によって注意点は異なりますが、一般的に以下の点が非常に重要です。

  • 紫外線対策: 治療後の肌は非常にデリケートで、紫外線の影響を強く受けやすい状態です。色素沈着の再発や悪化を防ぐため、日焼け止め(SPF30・PA++以上、低刺激性のもの)を毎日欠かさず使用し、帽子や日傘も活用してください。これは最も重要なアフターケアです。
  • 保湿: 治療により肌のバリア機能が一時的に低下し、乾燥しやすくなることがあります。十分な保湿を心がけ、低刺激性の保湿剤で肌を保護してください。
  • 刺激を避ける: 治療部位を強く擦ったり、掻いたりしないようにしてください。洗顔やスキンケアも、摩擦を与えないように優しく行います。
  • 医師の指示の遵守: 処方された外用薬や内服薬の使用方法、通院スケジュール、自宅でのケア方法など、医師からの指示は必ず厳密に守ってください。
  • ダウンタイム中の過ごし方: 赤み、腫れ、内出血、かさぶたなどが出ている期間は、メイクを控える、激しい運動や飲酒、長時間の入浴を避けるなど、血行が良くなる行為を控えるよう指示されることがあります。医師の指示にしっかり従ってください。
  • 異常を感じたら、自己判断せずすぐに治療を受けたクリニックに連絡することも重要です。
Q5: 日本でニキビ跡治療を受ける際、皮膚科と美容皮膚科どちらが良いですか?
A: これは目的とニキビ跡の状態によって選択が異なります。

  • 皮膚科(保険診療が中心のクリニック)を選ぶのが適している場合:
    • 現在も活動性のニキビが多数あり、まずはニキビ自体の治療を優先する必要がある場合。
    • ケロイドと診断され、保険適用のある治療(ステロイド注射、内服薬など)を希望する場合。
    • まずは保険診療の範囲で、一般的なスキンケア指導や軽度の赤み・色素沈着について相談したい場合の最初の窓口として。
  • 美容皮膚科(自由診療が中心のクリニック)を選ぶのが適している場合:
    • 活動性のニキビがほぼ治まり、残ったニキビ跡の本格的な治療を希望する場合。
    • 萎縮性瘢痕(クレーター)や、美容的な改善を強く希望する炎症後色素沈着や赤みでお悩みの場。
    • レーザー治療、ダーマペン、サブシジョン、高周波治療、注入療法など、より専門的で多様な治療選択肢を求めている場合。

美容皮膚科では、医師の経験や技術、保有している医療機器、カウンセリングの丁寧さなどがクリニックによって大きく異なります。事前にウェブサイトで症例写真や治療方針を確認するなど、情報収集を十分に行い、信頼できるクリニックを選ぶことが非常に重要です34。まずはかかりつけの皮膚科医に相談し、必要に応じて専門性の高い美容皮膚科を紹介してもらうという方法も良いでしょう。

結論

ニキビ跡や炎症後色素沈着は、その種類と原因を正しく理解し、ご自身の状態に合った適切な予防策と治療法を選択することで、改善が大いに期待できる症状です。最も重要なのは、ニキビの炎症を早期に抑え、瘢痕化のリスクを最小限にすることです。万が一ニキビ跡が残ってしまった場合でも、決して諦める必要はありません。セルフケアで対応できるのは軽微なものが中心であり、特に凹凸のある瘢痕や治りにくい色素沈着には、皮膚科・美容皮膚科での専門的な治療が不可欠です。現在の医療では、日本皮膚科学会のガイドラインや最新の医学的知見に基づいた多様な治療法が提供されています。治療には時間と費用、そして根気が必要となることもありますが、専門医とよく相談し、信頼関係のもとで二人三脚で治療に取り組むことが、悩みを解決するための最も確実な道です。この記事が、ニキビ跡や色素沈着に悩む皆様にとって、正しい知識を得て、前向きな一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。JAPANESEHEALTH.ORGは、読者の皆様の肌の健康とQOL向上を心より応援しています。

健康に関する注意事項

  • この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的診断や治療に代わるものではありません。
  • ニキビやニキビ跡に関する症状でお悩みの場合は、自己判断せず、必ず皮膚科専門医にご相談ください。
  • 市販薬や化粧品を使用する際は、必ず使用上の注意をよく読み、ご自身の肌に合うか確認してからご使用ください。異常を感じた場合は直ちに使用を中止し、専門医にご相談ください。
免責事項
この記事は医学的アドバイスに代わるものではなく、症状がある場合は専門家にご相談ください。

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