乾皮症の包括的マネジメント:病態生理から最新の治療戦略まで
皮膚科疾患

乾皮症の包括的マネジメント:病態生理から最新の治療戦略まで

皮膚の乾燥は、多くの人が日常的に経験するありふれた悩みですが、その背後には単なる美容上の問題から、医学的な介入を必要とする「乾皮症(かんぴしょう)」という病態まで、幅広いスペクトラムが存在します。特に、世界でも類を見ない速さで高齢化が進行する日本において、加齢に伴う皮膚の生理的変化によって引き起こされる乾皮症、そしてそれに続発する皮脂欠乏性湿疹は、高齢者の生活の質(QOL)を著しく低下させる深刻な公衆衛生上の課題となっています。本稿では、この身近でありながら奥深い「皮膚の乾燥」という問題に対し、最新の科学的知見に基づいた包括的な解説を提供します。まず、皮膚のバリア機能という観点から、なぜ皮膚が乾燥するのかという根本的な病態生理を「レンガとモルタル」モデルを用いて解き明かします。次に、保湿剤がどのように作用するのか、その科学的根拠をグリセリン、尿素、セラミドといった主要成分ごとに詳細に分析します。さらに、日本の皮膚科専門医や関連学会が発行する最新の診療ガイドラインに基づき、単に保湿剤を塗るだけではない、「洗浄」「保湿」「紫外線対策」を三本柱とする、エビデンスに基づいた具体的なスキンケア戦略を提示します。この記事が、皮膚の乾燥に悩むすべての方々、そしてそのケアに携わる医療従事者にとって、日々の診療とセルフケアの一助となることを目指します。

本記事の科学的根拠

この記事は、インプットされた研究レポートで明示的に引用されている、最高品質の医学的根拠にのみ基づいて作成されています。以下に示すリストは、実際に参照された情報源と、提示された医学的指導との直接的な関連性を示したものです。

  • 日本皮膚科学会・日本アレルギー学会: アトピー性皮膚炎や皮脂欠乏症の管理に関する推奨事項は、これらの学会が発行する公式の診療ガイドライン(「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2021/2024」「皮脂欠乏症診療の手引き 2021」)に準拠しています215
  • Cochrane共同計画: 保湿剤の有効性に関する最も強力なエビデンスの一つとして、2017年のCochraneシステマティックレビューの結果を引用しています。これは、保湿療法が湿疹の重症度を改善し、ステロイドの使用量を減らすことを示しています27
  • 各種学術論文 (PMC, PubMed, J-Stage): 皮膚バリア機能の分子メカニズム、保湿成分の作用機序、日本の高齢者における皮膚疾患の実態調査など、専門的な知見は査読済みの学術論文に基づいています4516
  • 日本の臨床専門家: 慶田朋子医師や日比野佐和子医師など、日本の第一線で活躍する皮膚科専門医による食事や生活習慣に関する具体的なアドバイスを統合し、記事の臨床的実用性を高めています937

要点まとめ

  • 「乾燥肌」は美容上の概念、「乾皮症」は治療を要する医学的状態であり、両者は連続したスペクトラム上にあります。
  • 皮膚の健康は、角層細胞(レンガ)と細胞間脂質(モルタル)から成る「皮膚バリア機能」によって維持されており、特にセラミドが重要です。
  • 保湿剤は、皮膚を覆い水分の蒸発を防ぐ「閉塞剤」、水分を吸着する「湿潤剤」、皮膚を滑らかにする「軟化剤」の3つのメカニズムで作用します。
  • 効果的なスキンケアの三本柱は「優しく洗う」「正しく保湿する(風呂上がり3分以内がゴールデンタイム)」「毎日日焼け止めを塗る」ことです。
  • 高齢化が進む日本では、高齢者の乾皮症が大きな問題であり、早期からの適切な保湿ケアが合併症予防の鍵となります。

第1部: 乾皮症の病態生理と疫学

1.1. 乾皮症の定義と分類:美容的観点から病態的観点まで

日本の臨床および消費者の文脈において、乾燥肌に関連する用語を明確に区別することは、最も基本的かつ重要な第一歩です。一般的に「乾燥肌(かんそうはだ)」という言葉は、美容やパーソナルケアの分野で使われ、特に季節によって水分が不足しがちな肌質を指します1。対照的に、医学の世界では「乾皮症(かんぴしょう)」や、より具体的には「皮脂欠乏症(ひしけつぼうしょう)」といった用語が用いられ、これらは皮膚のバリア機能の低下を特徴とする、医学的介入を必要とする病的な状態を示します2
この区別は単なる言葉の違いではなく、臨床的な連続性(スペクトラム)を反映しています。環境要因による軽度の乾燥肌から始まった状態も、不適切な管理や加齢などのリスク因子が加わることで、水分と脂質の両方が失われた乾皮症へと進行し、最終的にはバリアが完全に破壊された真の皮膚炎である「皮脂欠乏性湿疹」に至ることがあります。したがって、この病態スペクトラムの各段階で早期に認識し、適切な介入を行うことが極めて重要です。
医学的に、乾皮症(Xerosis Cutis)は、表皮バリア機能の低下に起因する、通常よりも異常で重度の皮膚乾燥状態として定義されます3。典型的な臨床症状には、皮膚の粗造、くすみ、落屑(らくせつ、うろこ状の皮むけ)、つっぱり感などがあり、重症化すると亀裂、掻痒(そうよう、かゆみ)、さらには出血が見られることもあります4。重症度の評価は、日本のガイドラインで提案されているような乾燥度や落屑のスケールを用いて行われます2。また、臨床研究では、経皮水分蒸散量(Transepidermal Water Loss – TEWL)や角層水分量(Stratum Corneum – SC hydration)の測定といった客観的な評価法が、治療効果を定量化するために頻繁に用いられます5

1.2. 皮膚バリア機能と角層の役割

乾燥を防ぎ、外部の刺激から体を守るという皮膚の核となる機能は、その最外層である角層(かくそう、stratum corneum)が担う「皮膚バリア機能」にあります。角層の構造はしばしば「レンガとモルタル」モデルで説明され、約15〜20層の角層細胞(corneocytes、「レンガ」)が、細胞間脂質の基質(「モルタル」)によって強固に結びつけられています4

  • 「レンガ」(角層細胞)と天然保湿因子(NMFs)の役割:
    角層細胞は死んだ細胞ですが、水分保持において重要な役割を果たします。細胞内には、水分を強力に引き寄せて保持する能力を持つ分子の混合物である「天然保湿因子(Natural Moisturizing Factors – NMFs)」が含まれています4。NMFsは角層の乾燥重量の約10%を占め、主に角層細胞の分化の最終段階でフィラグリンというタンパク質が分解されることによって生成されます4。NMFsの主成分はアミノ酸、乳酸、尿素などです。遺伝子変異などによるフィラグリンの欠乏は、アトピー性皮膚炎とそれに伴う重度の乾燥肌の根源的な原因の一つです。
  • 「モルタル」(細胞間脂質)の役割:
    細胞間脂質の基質は、経皮水分蒸散量(TEWL)を防ぎ、バリアの完全性を維持する上で決定的な役割を担います。この「モルタル」層は、セラミド、コレステロール、遊離脂肪酸という3つの主要な脂質成分で構成されています4。中でもセラミドは最も重要な脂質成分で、角層の重量のかなりの部分を占めます。バリアが損傷してTEWLが増加すると、体はサイトカインの連鎖反応を活性化する信号を受け取り、最終的にセラミドの産生を増加させてバリアを修復します4。現代の保湿剤の処方では、この自然な脂質構造を模倣し回復させるために、複数の種類のセラミド(最大9種類)が配合されることがよくあります4

最適な機能を維持するための角層の理想的な水分量は10%から30%です。水分量が10%未満に低下すると、角層の剥離(desquamation)を担う酵素が効率的に働かなくなり、表面に死んだ角層細胞が蓄積して、落屑やごわつきといった現象を引き起こします。同時に、水分不足はバリアを損傷させ、「隙間」を作り出してTEWLを増加させ、病的な悪循環を生み出します4

1.3. 原因とリスクファクター

皮膚バリア機能の低下と乾燥肌は、多くの内的および外的要因によって引き起こされる可能性があります。

  • 内的要因 (Endogenous Factors):
    • 加齢: 最も一般的な内的原因の一つです。自然な老化プロセスにより、表皮脂質やNMFsの産生が減少し、細胞のターンオーバーが遅くなるため、皮膚の保湿能力が低下します。日比野佐和子医師によると、皮膚の保水能力は30代で65%に、40代では50%未満にまで低下します9。特に高齢者は皮脂欠乏症の有病率が非常に高く、一部の報告では65歳以上の70%以上が乾燥肌であるとされています2
    • 基礎疾患: アトピー性皮膚炎、乾癬、糖尿病、甲状腺疾患、慢性腎臓病などの全身性疾患は、しばしば重度の乾燥肌を伴います2
    • 薬剤: レチノイド、利尿薬、一部のがん治療薬など、特定の薬剤は副作用として皮膚乾燥を引き起こすことがあります10
  • 外的要因 (Exogenous Factors):
    • 環境: 寒く乾燥した気候や低い湿度、特に冬場は、季節性の乾燥肌の主な原因です。暖房や冷房の使用も室内の湿度を下げ、状態を悪化させます3
    • 生活習慣:
      • 頻繁すぎる入浴や42°C以上の熱いお湯の使用は、角層から保護脂質やNMFsを溶かし出して洗い流してしまいます11
      • 強力でアルカリ性の洗浄剤(伝統的な固形石鹸など)の使用は、皮膚の自然なpHを変化させ、脂質バリアを破壊します4
      • タオルで強くこする、過度な角質除去、洗顔時の摩擦などの物理的な行為は、角層を傷つける可能性があります3
      • 水分摂取不足や長時間の紫外線曝露も皮膚の水分喪失に寄与します3
    • 職業: 美容師、医療従事者、清掃員など、水や化学物質、刺激物に頻繁に接触する仕事に従事する人々は、乾燥肌や接触皮膚炎のリスクが高くなります4

1.4. 日本および世界における疫学

乾燥肌は世界的に一般的な健康問題ですが、特に日本においては特有の疫学的特徴と医療的負担を伴います。

  • 日本における有病率:
    データによると、日本はアトピー性皮膚炎の有病率が高い国の一つであり、この疾患はバリア機能障害と乾燥肌に密接に関連しています。国際的なISAAC調査では、日本の6〜7歳の子供におけるアトピー性皮膚炎の有病率は16.9%と報告されています15。国内調査でも、症状を持つ人の割合は年齢とともに減少し、乳児の6〜32%から大学生の5〜9%になります。しかし、大学職員を対象とした調査では、若年成人、特に20代の女性(10.2%)で依然として有病率が高いことが示されています15
    さらに重要なのは、急速に高齢化が進む日本において、高齢者の乾皮症(皮脂欠乏症)の負担が、静かではあるものの重大な公衆衛生問題となっている点です。日本の65歳以上の人口は総人口の約28.7%を占め(2020年時点で約3617万人)、その数は増加し続けています2。報告によれば、高齢者の70%以上が乾燥肌に罹患しています2。この状態は、身体的な不快感(かゆみ、痛み)だけでなく、慢性的な掻痒、睡眠障害、二次的な皮膚感染症(掻き壊しによる)といったより深刻な合併症への入り口となり、生活の質を著しく低下させます。ある研究では、高齢者介護施設の入所者の約39.7%が乾燥肌と診断され、保湿剤による治療を受けていることが示されており、長期介護の現場におけるこの問題の蔓延を浮き彫りにしています16
  • 世界市場:
    乾燥肌の蔓延は、その治療市場の規模にも反映されています。世界の乾燥肌治療市場は2022年に1340.3億米ドルと評価され、2030年には1820.2億米ドルに達すると予測されており、年平均成長率(CAGR)は5.70%です17。この成長は、スキンケアの重要性に対する人々の認識の高まりと、効果的な製品や治療法への需要が増加していることを示しています。

第2部: 保湿療法の科学的根拠

2.1. 保湿剤の分類と作用機序

保湿療法は、乾燥肌の管理と治療の基盤です。保湿製品に含まれる成分は、主に閉塞(occlusion)、湿潤(humectancy)、軟化(emollience)という3つのメカニズムを通じて作用します。最も効果的な保湿製品は、通常、これら3つのメカニズムで作用する成分を組み合わせ、水分補給とバリア機能の回復を最適化するものです4

  • 閉塞剤 (Occlusives):
    機序: 主に油性の成分で、皮膚表面に疎水性の膜を形成することで作用します。この膜が物理的なバリアとして機能し、経皮水分蒸散量(TEWL)を大幅に減少させます6。水分の蒸発を防ぐことで、皮膚の深層からの水分が角層に蓄積し、水分補給を助け、自然なバリア修復プロセスを促進します。入浴直後など、肌がまだ湿っているときに塗布すると最大の効果を発揮します20
    例: ワセリンは最も効果的な閉塞剤として知られ、TEWLを約99%減少させることができます7。その他の例としては、ミネラルオイル、パラフィン、ミツロウ、ラノリン、ジメチコンやシクロメチコンのようなシリコーン類があります4
  • 湿潤剤 (Humectants):
    機序: 吸湿性の分子であり、周囲の環境(湿度が高い場合)と皮膚の深層(真皮)の両方から水分分子を引き寄せ、角層内に保持することで作用します6。これにより、角層の水分含有量が直接的に増加します。
    例: グリセリンはスキンケア製品において最も効果的な湿潤剤と見なされています4。その他の一般的な湿潤剤には、尿素、ヒアルロン酸、プロピレングリコール、ソルビトール、乳酸(AHAの一種)、ハチミツなどがあります4
  • 軟化剤 (Emollients):
    機序: 主に脂質であり、剥がれかけている角層細胞間の隙間を埋めることで作用します。この作用により、皮膚表面が滑らかになり、摩擦が減少し、より柔らかい感触が得られます6。多くの軟化剤は閉塞性も持ち合わせており、水分喪失の防止に寄与します。セラミドのようなより先進的な軟化剤は、皮膚を柔らかくするだけでなく、バリアの脂質「モルタル」構造を直接修復・強化することにも関与します。
    例: セラミド、コレステロール、脂肪酸などの生理的脂質、シアバターなどの植物性バター、ココナッツオイルや大豆油などの植物油、スクワレンなどがあります7

湿潤剤に関する注意点として、低湿度の環境下(例えば、エアコンの効いた部屋や乾燥した冬)では、湿潤剤が引き寄せる水分の主な供給源は皮膚の深層(真皮)になります6。もし効果的な閉塞剤が上から塗布されていないと、この水分が容易に環境中へ蒸発してしまい、長期的にはTEWLを増加させ、皮膚をさらに乾燥させる可能性があります。したがって、水分を「引き寄せる」湿潤剤と、その水分を「閉じ込める」閉塞剤の両方を使用した組み合わせ戦略が、最も最適なアプローチとなります。

2.2. 主要な保湿成分の詳細な分析

皮膚科学の進歩は、単に「保湿する」(一時的に水分を与える)ことから、「バリアを修復する」(皮膚が自ら水分を保持する能力を回復させる)ことへと焦点を移してきました。これは、皮膚の天然成分と構造的・機能的に類似した成分の使用が増えていることに反映されています。

  • グリセリン: 古典的で非常に効果的な湿潤剤であり、分子が小さいため角層の深くまで浸透できます。X線回折法を用いたある研究では、グリセリンが細胞間だけでなく角層細胞の内部にも浸透し、ソフトケラチン構造に作用して細胞自体の保水能力を高めることが示されました22。ヒアルロン酸と比較して、短期的には吸湿性が劣るかもしれませんが、グリセリンはより優れた長期的な保湿効果を示します23
  • 尿素: NMFsの天然成分であり、二重の作用を持ちます。低濃度(10%未満)では主に強力な湿潤剤として機能します。高濃度(10%以上)では角質溶解作用を示し、魚鱗癬やひび割れたかかとの皮膚のような角化が亢進した状態において、厚い鱗屑や死んだ細胞を柔らかくして剥がすのに役立ちます4。この角質溶解メカニズムは、グリコール酸によるケミカルピーリングと基本的に類似しています24。尿素はまた、バリア機能を改善し、かゆみを軽減することが示されています7
  • ヒアルロン酸: グリコサミノグリカンの一種で、その重量の何倍もの水分を保持する能力で知られています。しかし、分子サイズが大きいため、主に皮膚表面で作用し、保湿膜を形成して即時的なハリと潤い感をもたらします。一方、グリセリンのようなより小さな分子は、内部から水分を供給するために、より深く浸透することができます4
  • セラミド: バリア修復療法の中心的成分です。セラミドは細胞間「モルタル」を構成する主要な脂質であり、角層細胞の結合を維持し、水分喪失を防ぐ上で極めて重要な役割を果たします4。アトピー性皮膚炎のような疾患では、皮膚に先天的なセラミド欠乏が見られます。したがって、外用製品を通じて外部からセラミドを補給することは、損傷したバリア構造を直接回復させるのに役立ちます。セラミドや疑似セラミド(例:セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド)を含む処方が、皮膚の水分量とバリア機能を大幅に改善することが臨床研究で証明されています5
  • 日本で研究されているその他の成分:
    • セリシン: 繭由来のタンパク質で、日本の保湿剤に組み込まれています。ある研究では、セリシンとセラミドNPを含む製品が高齢者の角層水分量を大幅に改善したことが示されました5
    • ポリエーテルおよびリン脂質ポリマー: 日本の科学者たちは、両親媒性ポリエーテルやリン脂質ポリマーといった新しいポリマー技術を開発し、使用感の良い(べたつかない)高機能保湿剤を創出しています。これらは他の有効成分の浸透を制御し、汚染や紫外線などの環境ストレスから皮膚を保護する能力も持ちます26

2.3. 保湿剤の有効性に関する臨床的エビデンスの評価

保湿療法の有効性は、作用機序の理論だけでなく、多くの臨床研究や高レベルのシステマティックレビューによっても証明されています。
最も強力なエビデンスの一つは、2017年のCochraneシステマティックレビューからもたらされました。この分析は、多数のランダム化比較試験に基づいており、以下の重要な結論を導き出しました27

  • 保湿剤の使用は、アトピー性皮膚炎の症状を大幅に改善し、SCORADスコア(重症度評価尺度)の低下で示される。
  • 定期的な保湿剤の使用は、疾患の増悪(フレア)の頻度を減少させる。
  • 保湿剤を使用する患者は、外用コルチコステロイドの使用量が少なくなる傾向があり、それによってステロイドの副作用リスクを低減する効果(ステロイド・スペアリング効果)がある。

特に、このレビューは、グリチルレチン酸、尿素、グリセリンを含むクリームが、基剤(ビヒクル)のみまたは無治療と比較して優れた効果を示したことを強調しています。
日本の研究も価値あるエビデンスを提供しています。老人ホームの高齢者を対象としたある介入研究では、3種類の市販保湿クリームの効果を比較しました。その結果、セリシン/セラミド(保湿剤A)およびスクワレン/疑似セラミド(保湿剤B)を含む製品が、通常のケアのみの群と比較して角層水分量を著しく改善したことが示されました5。これは、特にこの特殊な集団に対して、適切な成分、特にバリア修復成分を選択することの重要性を裏付けています。
以下に、主要な保湿成分をまとめた表を示します。これは臨床医にとって、迅速かつエビデンスに基づいた参照ツールとなります。

表1: 主要な保湿成分の分類、作用機序、および具体例

分類 作用機序 具体例 臨床的注意点
閉塞剤 (Occlusive) 皮膚表面に疎水性の膜を形成し、物理的に経皮水分蒸散(TEWL)を防ぐ。 ワセリン、ミネラルオイル、ジメチコン、ラノリン4 非常に効果的だが、油っぽさや閉塞感を感じることがある。ワセリンはゴールドスタンダード。ジメチコンは比較的べたつきが少ない。
湿潤剤 (Humectant) 真皮や環境から角層へ水分を引き寄せ、表皮の水分量を増加させる。 グリセリン、尿素、ヒアルロン酸(HA)、プロピレングリコール、乳酸(AHA)4 乾燥環境下では、逆方向への水分喪失を防ぐために閉塞剤との併用が望ましい。尿素は10%以上の濃度で角質溶解作用を持つ。
軟化剤 & バリア修復剤 (Emollient & Barrier Repair) 角層細胞間の隙間を埋め、皮膚を滑らかにする。生理的脂質を補給し、バリア構造を回復させる。 セラミド、コレステロール、脂肪酸、シアバター、スクワレン4 アトピー性皮膚炎など、バリアが損傷した疾患に極めて重要。皮膚の自然な構造を模倣する。

第3部: 臨床ガイドラインと包括的治療戦略

3.1. 日本の専門ガイドラインからの推奨事項

日本の医学会は、乾燥肌および関連疾患の管理に関するエビデンスに基づいた推奨事項を提供する詳細な臨床ガイドラインを発行しています。

  • アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2021 & 2024:
    日本皮膚科学会と日本アレルギー学会によって作成されたこのガイドラインは、保湿療法を治療の不可欠な柱と位置づけています。
    • 保湿は基本: 保湿剤の使用は、疾患のすべての重症度レベルにおいて最高レベルで推奨されています(推奨度1、エビデンスレベルA)12
    • 併用と維持: 急性期には、炎症を抑制し症状を改善するために、外用抗炎症薬(コルチコステロイドやタクロリムスなど)と保湿剤を併用すべきです。さらに重要なのは、炎症が寛解した後も、バリア機能の安定性を維持し再発を防ぐために、保湿剤の毎日の継続使用が必要であることです15
    • 先進治療でも必須: ガイドラインはまた、患者が生物学的製剤(デュピルマブなど)やJAK阻害薬のような新しく効果的な全身療法を受けている場合でも、外用保湿剤の継続的な使用は必須であり、省略できないことを強調しています28
  • 皮脂欠乏症診療の手引き 2021:
    このガイドラインは、高齢者に多い乾皮症に特に焦点を当て、この対象者向けの実用的な推奨事項を提供しています。
    • 高齢者への焦点: この文書は高齢者人口における乾皮症の負担を認識し、適切な管理戦略を提案しています2
    • 早期介入: 皮膚に明らかな乾燥、落屑、掻き傷の兆候があり、患者がかゆみを訴えていなくても、湿疹への進行を防ぐために医療用保湿剤による介入を開始することが推奨されています2
    • 頻度と用量: 1日2回の保湿剤塗布が、1日1回よりも皮膚の水分量を改善する上で効果的であることが証明されています2。患者や介護者に正しい用量と塗布方法を指導することが非常に重要です2
    • 洗浄に関する助言: ADGLと同様に、この手引きも石鹸や過度の洗浄剤の使用を避けることを強調しています。これらは乾燥肌を悪化させる可能性があるためです2

3.2. エビデンスに基づくスキンケアの実践

臨床ガイドラインは、乾燥肌管理のゴールドスタンダードと見なされる基本的な「治療の三本柱」について一致した見解を示しています。これらの原則を厳守するよう患者を教育することが、治療の長期的成功の鍵となります。

  1. 優しい洗浄:
    • テクニック: 石鹸成分を含まない(ソープフリー)、無香料、無着色の優しい洗浄製品を使用します。製品を手でよく泡立ててから肌に塗り、タオルやブラシのような摩擦を伴う道具ではなく、手で優しく洗うべきです4
    • 水温: 常にぬるま湯(36〜38°Cが理想)を使用します。熱いお湯は皮膚の自然な保護脂質を溶かして洗い流してしまうため、絶対に避けるべきです4
    • 時間: 入浴や洗顔の時間は5〜10分に制限し、皮膚が水や洗浄剤にさらされる時間を最小限に抑えます34
  2. 積極的な保湿:
    • ゴールデンタイム: 保湿剤を塗る最も効果的なタイミングは、入浴や洗顔直後、理想的には3分以内です。この時、肌はまだ湿っており、クリームを塗ることでその水分を「閉じ込め」、蒸発を防ぐことができます10
    • 適切な用量: 保湿剤の使用量が不十分であることは、治療効果を低下させる一般的な誤りです。「フィンガーチップユニット(FTU)」という概念は、実用的で有用な指針です。1 FTUは、口径5mmのチューブから人差し指の先端から第一関節のしわまで出した量と定義されます。この量(約0.5g)は、大人の手のひら2枚分の面積に塗るのに十分です33。ローションのような液体製品の場合、1 FTUは1円玉大の量と推定できます33。この用量を守ることで、皮膚が必要な有効成分を十分に受け取ることが保証されます30
    • 塗布テクニック: 保湿剤は毛の流れに沿って優しく塗り、強くこすったり、マッサージしたりしないでください。これらの行為は敏感な肌をさらに刺激する可能性があります14
  3. 毎日の紫外線対策:
    • 紫外線(UV)放射は、皮膚のバリア機能を損ない、TEWLを増加させ、乾燥肌を悪化させる要因です。したがって、日焼け止めは、老化や皮膚がんの予防だけでなく、乾燥肌のケアプランに不可欠な一部です1。UVAは雲や窓ガラスを透過するため、天候にかかわらず、屋内にいるときでさえ、毎日広域スペクトルの日焼け止めを使用すべきです14

3.3. 生活習慣・環境指導

包括的な管理戦略は、単に薬を塗ることだけにとどまりません。日本の専門家は、皮膚が全身の健康を映す鏡であるという深い理解に基づき、非常に具体的な生活習慣のアドバイスをしばしば取り入れます。

  • 食事: 日本で著名な皮膚科医である慶田朋子医師は、内側からの栄養の重要性を強調しています。彼女は、体がセラミドを合成するための原料となるオメガ3脂肪酸(チアシード、えごま油などに含まれる)のような健康的な脂肪の摂取を推奨しています。また、ヨーグルトや納豆などの発酵食品は腸内細菌叢を改善するとされ、これが皮膚の保湿機能に良い影響を与える可能性があるというエビデンスがあります37。タンパク質、ビタミン(特にA、B、C)、ミネラルが豊富なバランスの取れた食事は、健康な皮膚細胞を構築するための基礎です38
  • 生活環境: 室内の湿度を最適(約50〜60%)に保つことが非常に重要です。特に冬場や暖房・冷房使用時には、加湿器を使用することで、皮膚から環境への水分喪失を防ぐことができます32
  • 衣類と接触素材の選択: 特に下着や寝具には、綿やシルクのような柔らかく、通気性が良く、刺激の少ない素材を選ぶべきです。ウールのような粗い生地や、静電気を帯びやすく摩擦を引き起こす可能性のある合成繊維は、かゆみや乾燥を悪化させる可能性があるため避けるべきです34
  • その他の要因: 皮膚の修復と再生に必要な成長ホルモンは主に睡眠中に分泌されるため、十分な睡眠を確保することが重要です。ストレス管理や禁煙も、健康な皮膚を維持するために重要な要素です34

3.4. 補助療法および先進的治療法

乾燥肌が症候性(赤み、かゆみ、丘疹)の皮膚炎に進行した場合、抗炎症療法の追加が必要になります。

  • 湿疹化した場合:
    • 外用コルチコステロイド (TCS): 炎症の増悪を管理するための第一選択療法です。ステロイドの強さ(弱いものから非常に強いものまで)の選択は、炎症の重症度と病変部位によって決まります35
    • 外用カルシニューリン阻害薬 (TCIs): タクロリムスやピメクロリムスのような薬剤は、効果的な非ステロイド性の代替選択肢です。これらは顔、まぶた、間擦部などの敏感な部位に特に有用で、これらの部位ではステロイドの長期使用を避ける必要があります35
  • 重症/難治性の場合:
    外用療法に反応しない中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者には、全身療法が検討されることがあります。これらの選択肢には、炎症性サイトカインを標的とする生物学的製剤(デュピルマブ、ネモリズマブ、トラロキヌマブなど)や経口JAK阻害薬が含まれます。これらの薬剤の使用は、専門のガイドラインに厳密に従う必要があります42

表2: 主要な臨床ガイドラインにおける乾燥肌ケア推奨事項の比較

項目 アトピー性皮膚炎GL 2024 (日本) 皮脂欠乏症の手引き 2021 (日本) 国際ガイドライン (例: AAFP/Cochrane)
洗浄 ぬるま湯(<42°C)、低刺激性洗浄料、擦らない12 特に高齢者では石鹸の使いすぎを避ける2 5-10分の入浴、ぬるま湯、ソープフリー洗浄料35
保湿 (タイミング) 入浴後、必要に応じて抗炎症薬と併用 (推奨1, Evi A)15 水分を閉じ込めるために入浴後に塗布2 入浴後3分以内に塗布35
保湿 (頻度) 予防のために無症状でも毎日継続15 1日1〜2回、2回の方がより効果的2 少なくとも1日1〜2回34
保湿 (用量) 治療部位を覆うのに十分な量を使用 患者/介護者への具体的な用量指導 (例: FTU)33 十分な量を塗布 (liberal application)35
紫外線対策 増悪因子を避けるために推奨36 (比較的強調されない) (ADの文脈では比較的強調されないが、一般原則)
生活習慣指導 既知の刺激因子(衣類、汗)を避ける36 乾燥環境(冷暖房)に注意2 柔らかい通気性のある衣類を着用、ストレス管理34

よくある質問

Q1: 「乾燥肌」と「乾皮症」の違いは何ですか?
「乾燥肌」は主に美容上の文脈で使われる言葉で、一時的または体質的に肌が乾燥しやすい状態を指します1。一方、「乾皮症」は医学用語で、皮膚のバリア機能が著しく低下し、落屑(皮むけ)やかゆみなどを伴う病的な状態です。治療しないと「皮脂欠乏性湿疹」という皮膚炎に進行する可能性があるため、医療機関での相談が推奨されます2
Q2: 保湿剤はいつ、どのくらい塗るのが最も効果的ですか?
最も効果的なタイミングは、お風呂上がりや洗顔後3分以内の「ゴールデンタイム」です。肌がまだ潤っているうちに塗ることで、水分を閉じ込めることができます10。量は、少なすぎると効果がありません。「フィンガーチップユニット(FTU)」を目安にし、人差し指の先から第一関節まで出した量(約0.5g)で、大人の手のひら2枚分の面積に塗るのが適切です33。これを1日1〜2回、優しく塗るのが基本です。
Q3: セラミドが重要だと聞きますが、なぜですか?
皮膚のバリア機能は、角層細胞という「レンガ」と、その隙間を埋める細胞間脂質という「モルタル」で成り立っています。セラミドは、この「モルタル」の主成分であり、レンガ同士を繋ぎ止め、水分の蒸発を防ぐ上で最も重要な役割を果たしています4。乾燥肌やアトピー性皮膚炎では、このセラミドが不足しているため、セラミド配合の保湿剤で外から補うことが、バリア機能の根本的な修復につながります。
Q4: 熱いお風呂が好きなのですが、肌の乾燥には良くないのですか?
はい、良くありません。42°C以上の熱いお湯は、皮膚の表面を保護している大切な皮脂や細胞間脂質(セラミドなど)を溶かし出し、洗い流してしまいます11。これにより皮膚のバリア機能が低下し、乾燥が悪化します。入浴は38°C前後のぬるま湯で、5〜10分程度に留めるのが理想的です。

結論と今後の展望

乾皮症の管理は、単一の治療法に頼るのではなく、病態生理の深い理解に基づいた多角的なアプローチを必要とします。本稿で詳述したように、その核心は、角層の「レンガとモルタル」構造によって担われる皮膚バリア機能の維持と修復にあります。臨床現場における我々の使命は、この科学的根拠を、患者一人ひとりの生活に根差した、実践可能かつ持続可能なケアプランへと落とし込むことです。
「洗浄」「保湿」「紫外線対策」という三本柱は、その普遍的な基本原則です。しかし、真に個別化された治療を実現するためには、患者の年齢、基礎疾患の有無、生活環境、そして社会的背景までを考慮に入れる必要があります。特に、日本の高齢者人口における乾皮症の管理は、介護者への教育や施設環境の整備といった、より広範な視点からの介入が不可欠です。
今後の展望として、皮膚マイクロバイオーム(皮膚常在菌叢)とバリア機能との関連性や、特定のシグナル伝達経路を標的とした新しい保湿成分の開発など、更なる研究の進展が期待されます。しかし、どのような先進的な治療法が登場しようとも、患者自身が自らの皮膚の状態を理解し、日々の地道なスキンケアを継続することの重要性は揺るぎません。したがって、我々医療提供者の最も重要な役割は、信頼できる情報を提供し、患者が自身の健康の主体的な管理者となることを支援し続けることにあると言えるでしょう。

免責事項
本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスを構成するものではありません。健康上の懸念がある場合、またはご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

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