2025年最新版ITPとの向き合い方:治療選択と「疲れ」などQOL改善の科学的アプローチ
血液疾患

2025年最新版ITPとの向き合い方:治療選択と「疲れ」などQOL改善の科学的アプローチ

免疫性血小板減少症(ITP)は、単に血が止まりにくくなるという身体的な課題だけでなく、日々の生活の質(QOL)にも深刻な影響を及ぼす疾患です。多くの患者さんが、絶え間ない疲労感や不安、そして活動の制限と闘っています。この記事は、2025年までの日本の最新医学ガイドライン12や国際的な知見3、そして大規模な患者調査4のデータに基づき、伝統的な治療法から最新の治療選択肢までを詳細に解説します。さらに重要な点として、多くの患者さんが抱える「疲れ」という深刻な問題に焦点を当て、科学的根拠に基づいたQOLの改善・維持へのアプローチを提案します。私たちの目標は、患者さんとそのご家族が、十分な情報に基づいて治療を選択し、より良い日常生活を送るための一助となる、包括的で信頼性の高い情報を提供することです。

この記事の科学的根拠

この記事は、提供された研究報告書で明示的に引用された最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。以下は、参照された実際の情報源と、提示された医学的ガイダンスとの直接的な関連性を示したリストです。

  • 日本の診療ガイドライン(成人・小児): 本記事における成人と小児の免疫性血小板減少症(ITP)の治療戦略に関する記述は、主に厚生労働省研究班による「成人ITP治療の参照ガイド2019年版」1と、日本小児血液・がん学会による「小児免疫性血小板減少症診療ガイドライン 2022年版」2に基づいています。
  • 国際的な診療ガイドライン(ASH 2019): 日本の推奨事項を補強し、国際的な視点を提供するため、米国血液学会(ASH)の2019年版ガイドライン3を参考に、特にQOL(生活の質)や共同意思決定に関する議論を深めています。
  • I-WISh国際患者調査: 患者さんが実際に経験する「疲れ」や精神的な負担に関する記述は、日本人患者も参加した国際的な大規模調査「I-WISh(ITP World Impact Survey)」4のデータに強く依拠しています。これにより、臨床データだけでは見えにくい患者さんの真の悩みに光を当てています。
  • 難病情報センター: ITPが日本の公的制度においてどのように位置づけられているか(指定難病63)という定義や国内の患者数に関する情報は、最も権威ある情報源である難病情報センター5の公開情報に基づいています。

この記事でわかること

  • ITP(免疫性血小板減少症)は、自己免疫によって血小板が破壊され、生産も抑制される日本の指定難病(63番)です。
  • 治療の目標は血小板数の正常化ではなく、重篤な出血を防ぐ安全なレベルに維持し、生活の質(QOL)を向上させることです。
  • 日本の成人向けガイドラインでは、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌が重要な初期治療選択肢の一つとされています1
  • 国際的な調査4では、患者の8割以上が「疲れ(倦怠感)」を最も大きな悩みの一つとして挙げており、これは医師の認識としばしば乖離があります。
  • ステロイド治療に加え、TPO受容体作動薬やリツキシマブ、脾臓摘出術など多様な治療法が存在し、患者の状態に応じて選択されます。
  • 日本では「指定難病医療費助成制度」が利用可能で、適切な手続きにより治療費の自己負担を軽減できます。

第1部:免疫性血小板減少症(ITP)の基礎知識

ITPを正しく理解することは、不安を和らげ、適切な治療選択を行うための第一歩です。このセクションでは、ITPがどのような病気であるか、その原因、主な症状、そして日本における現状について、科学的根拠に基づいて解説します。

1.1. 免疫性血小板減少症(ITP)とは?

免疫性血小板減少症(Immune Thrombocytopenia、略してITP)は、本来、体を細菌やウイルスから守るはずの免疫系が、誤って自分自身の「血小板」を異物とみなし、攻撃・破壊してしまう自己免疫疾患です6。さらに、免疫の異常は骨髄での血小板の生産をも妨げることがあり、その結果、血液中の血小板数が著しく減少します7

ITPは、他の明らかな原因や病気がない場合に診断される「一次性(特発性)ITP」と、膠原病、感染症、薬剤など、他の病気や要因に伴って発症する「二次性ITP」に大別されます1。この記事では、主に一次性ITPに焦点を当てて解説します。

日本では、ITPは治療が長期にわたり、医療費の負担も大きいことから、公的な支援の対象となる「指定難病63」として位置づけられています。これは、難病情報センターによって明確に定義されており、患者さんが適切な医療支援を受けるための重要な基盤となっています5

1.2. ITPの主な症状:あざや出血から「見過ごされがちな疲れ」まで

ITPの症状は、血小板数の低下レベルに応じて多様ですが、主に出血に関連する症状が現れます。

  • 皮膚・粘膜の出血症状: 最も一般的な症状は、ぶつけた覚えがないのにできる青あざ(紫斑)や、皮膚に現れる赤や紫の小さな点状出血です。歯ぐきからの出血や鼻血も頻繁に見られます8
  • 重篤な出血の危険性: 血小板数が極端に低下すると、消化管出血や、頻度は低いものの生命を脅かす脳出血などの危険性が高まります6。頭痛、めまい、意識障害などの兆候には特に注意が必要です。

【重要】ITP患者の大きな悩み:「倦怠感・疲れ(Fatigue)」の科学的背景
出血症状に加えて、ITP患者さんが最も苦しむ症状の一つが、深刻な「疲れ(倦怠感)」です。国際的な大規模調査であるI-WIShによると、患者の84%が活力の低下を報告し、58%が診断時からの主な症状として疲労感を挙げています4。この「疲れ」は単なる気分の問題ではなく、疾患そのものに関連する生物学的な要因が背景にあると考えられており、患者さんの日常生活、仕事、精神面に大きな影響を与えています9。しかし、この症状はしばしば医師に過小評価される傾向があり、患者さんと医療者の間で認識のギャップが存在することが課題となっています10

1.3. 日本におけるITPの疫学

難病情報センターのデータによると、日本におけるITPの患者数は約25,000人と推定されています5。発症にはいくつかの特徴的な年齢層があり、小児期と思春期に一つのピーク、そして高齢者にもう一つのピークが見られます。また、特に若年から中年の成人では、女性に多く発症する傾向が報告されています11


第2部:ITPの診断プロセス:いかにしてITPと診断されるか

ITPの診断は、単一の決定的な検査によって行われるわけではありません。むしろ、血小板減少を引き起こす他の可能性のある疾患を一つずつ慎重に除外していく「除外診断」というプロセスが極めて重要です。

2.1. 診断の基本:除外診断の重要性

ITPの診断基準は、血小板数が10万/μL未満に減少し、かつ、その原因となる他の疾患や薬剤の使用が認められないことです12。したがって、医師はまず、血小板減少をきたす可能性のある他の全ての要因を検討します。

2.2. 必要な検査:血液検査から骨髄検査まで

診断プロセスでは、以下のような検査が段階的に行われます。

  • 血液検査: 全血球計算(CBC)により、血小板数を正確に測定します。同時に、白血球や赤血球の数や形態も確認し、白血病などの他の血液疾患の可能性を評価します。
  • 他の疾患を除外するための検査: 膠原病(例:全身性エリテマトーデス)、ウイルス感染症(例:C型肝炎、HIV)、甲状腺疾患など、二次性ITPの原因となる病気の有無を調べるための血液検査が行われます3
  • ヘリコバクター・ピロリ菌検査の重要性: 日本の成人ITP診療ガイドラインでは、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染がITPの一因となりうることが指摘されており、その検査が強く推奨されています。感染が陽性の場合、除菌療法が血小板数を改善させる可能性があるためです1
  • 骨髄検査: 骨髄検査は全ての患者に必須ではありませんが、60歳以上の患者、治療への反応が悪い場合、または他の血液疾患が疑われる場合に、骨髄での血小板産生能力を確認するために行われることがあります36

第3部:【最重要】ITPの最新治療戦略(日本のガイドライン準拠)

ITPの治療は近年大きく進歩しました。ここでは、日本の公式ガイドラインに基づき、成人と小児それぞれの治療戦略、そして将来の展望について詳しく解説します。

3.1. 治療の基本目標:「安全なレベルの維持」とQOL向上

ITP治療における最も重要な目標は、血小板数を完全に正常化させることではなく、生命を脅かすような重篤な出血を防ぐことができる安全なレベル(一般的には3万/μL以上)に維持することです1。これにより、治療に伴う副作用を最小限に抑え、患者さんのQOL(生活の質)を最大限に高めることを目指します。

3.2. 成人ITPの治療フロー

成人ITPの治療は、患者さんの出血リスク、ライフスタイル、合併症などを考慮して個別化されます。日本の「成人ITP治療の参照ガイド2019年版」1に基づいた治療の流れは以下の通りです。

第一選択:ピロリ菌除菌療法とステロイド治療

  • ヘリコバクター・ピロリ菌除菌療法: 日本のガイドラインで特徴的なのは、H. pylori感染陽性のITP患者に対し、除菌療法が第一選択肢の一つとして強く推奨されている点です。約半数の患者で血小板数の改善が見られると報告されており1、副作用の少ない有効な治療法です。
  • 副腎皮質ステロイド: ステロイド(例:プレドニゾロン)は、自己抗体の産生を抑え、血小板の破壊を抑制する強力な薬剤であり、古くから標準治療として用いられています。多くの患者で迅速な効果が期待できますが、長期使用による高血圧、糖尿病、骨粗しょう症、感染症などの副作用管理が非常に重要となります。

第二選択以降:ステロイド抵抗性・依存性の場合の選択肢

ステロイドの効果が不十分、または減量すると再発してしまう場合には、次の段階の治療が検討されます。

  • トロンボポエチン(TPO)受容体作動薬: この薬剤は、骨髄に働きかけて血小板の産生を促進する比較的新しい治療法です。経口薬と皮下注射薬があり、多くの患者で安定した血小板数を維持する効果が示されています12
  • リツキシマブ(抗CD20モノクローナル抗体): 自己抗体を産生するBリンパ球を標的として破壊することで、免疫の異常を根本的に是正しようとする治療法です。
  • 脾臓摘出術(脾摘): 脾臓は血小板が破壊される主要な場所であるため、これを外科的に切除する治療法です。高い寛解率が期待できますが、手術の危険性や術後の重症感染症のリスクを十分に考慮する必要があります3

3.3. 小児ITPの治療フロー

小児のITPは成人と異なり、約8割が半年以内に自然に回復する特徴があります2。そのため、「日本小児血液・がん学会 2022年版ガイドライン」2では、治療方針が大きく異なります。

  • 基本方針:「無治療経過観察」が原則: ほとんどの小児ITPでは、重篤な出血症状がなければ、積極的な治療は行わず、注意深く経過を観察します。
  • 治療介入が必要な場合: 生命を脅かす出血がある、あるいは生活に支障をきたす出血症状が続く場合にのみ、治療が検討されます。
  • 小児で用いられる薬剤: 治療が必要な場合は、副腎皮質ステロイドの短期使用や、免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)が選択されます。

3.4. 緊急時の治療(重篤な出血)

脳出血や消化管出血など、生命に関わる重篤な出血が起きた場合は、IVIG大量療法、ステロイドパルス療法(ステロイドの大量投与)、血小板輸血を組み合わせた緊急治療が行われます12

3.5. 【将来の展望】開発中の新薬と新しい治療アプローチ

ITPの治療は現在も進化し続けています。BTK阻害薬(例:リルザブルチニブ)やFcRn阻害薬(例:エフガルチギモド)など、新しい作用機序を持つ薬剤が開発されており、従来の治療で効果が不十分だった患者さんにとって新たな希望となることが期待されています13

【表1】主な治療選択肢の比較(第二選択以降)

治療法 作用機序 主な利点 主な注意点・副作用 投与方法
TPO受容体作動薬 骨髄での血小板産生を促進 安定した血小板数維持、経口薬あり 血栓症、骨髄の線維化(まれ) 経口または皮下注射
リツキシマブ 自己抗体を産生するB細胞を破壊 寛解が期待できる 注入反応、感染症リスク 点滴静注
脾臓摘出術 血小板破壊の主要な場を除去 高い寛解率、薬物療法からの解放 手術リスク、術後重症感染症リスク 外科手術

第4部:ITPと生活の質(QOL):データで見る患者の「本当の悩み」

ITPの影響は、検査の数値だけでは測れません。ここでは、国際的な調査データに基づき、患者さんが日常生活で直面する「本当の悩み」に焦点を当てます。

4.1. I-WISh調査が明らかにしたITPのインパクト

日本人患者も参加した国際的な「ITP世界影響調査(I-WISh)」4は、ITPが患者のQOLに与える深刻な影響を明らかにしました。特に注目すべきは、第1部でも触れた「疲れ(倦怠感)」です。この調査では、患者の84%が活力の低下を感じ、半数近くがITPが精神的健康に大きな影響を与えていると回答しました9。これは、出血のリスクに対する不安や、日々の活動が制限されることによるストレスが複合的に作用していることを示唆しています。

【表2】ITPの症状がQOLに与える影響(I-WISh調査より)49

QOLへの影響領域 具体的な内容と調査結果
身体的健康 84%が活力・エネルギーの低下を報告。68%が日常活動に支障ありと回答。
精神的健康 49%が精神的健康に大きな影響ありと回答。不安、抑うつ、孤立感。
社会生活・仕事 56%が趣味や社会活動への参加が困難と回答。36%がキャリア選択に影響あり。
医師との認識ギャップ 患者が最も重い症状と考える「疲れ」は、医師が重いと考える症状のトップ5には入っていなかった。

4.2. 「疲れ(Fatigue)」と科学的に向き合う

ITPに伴う疲れは、単なる「気のせい」ではありません。疾患活動性に関連するサイトカイン(免疫系の情報伝達物質)の異常などが原因として考えられています4。この辛い症状と向き合うためには、まず自身の状態を客観的に把握し、医療者に効果的に伝えることが重要です。日記などを活用して、どのような時に特に疲れを感じるか、それが生活にどう影響しているかを記録し、診察時に具体的に伝えることをお勧めします。

4.3. 食事と運動に関する科学的根拠と注意点

「血小板を増やす特定の食品」というものは、残念ながら科学的には証明されていません。バランスの取れた健康的な食事が基本となります。一方で、運動はQOLの維持に重要ですが、血小板数が低い時期には、転倒や打撲による出血のリスクを避けるため、ウォーキング、ヨガ、水泳など、衝撃の少ない運動を選ぶことが推奨されます14。どのような運動が適切かについては、必ず主治医に相談してください。


第5部:【日本在住者向け】公的支援と情報源の活用法

ITPの治療を続ける上で、経済的な負担や情報の入手は重要な課題です。ここでは、日本で利用できる公的支援制度と信頼できる情報源について解説します。

5.1. 指定難病医療費助成制度の概要

前述の通り、ITPは日本の指定難病です。これにより、重症度分類を満たす患者さんは「指定難病医療費助成制度」を利用でき、医療費の自己負担額に上限が設けられます15。自己負担上限額は、世帯の所得に応じて決定されます。

5.2. 医療費助成の申請方法(ステップ・バイ・ステップ・ガイド)

この制度を利用するためには、お住まいの都道府県または指定都市の窓口(保健所など)への申請が必要です。手続きは複雑に感じられるかもしれませんが、以下のステップに沿って進めるのが一般的です。

【表3】指定難病医療費助成の申請手順と必要書類一覧1617

ステップ 実施内容 主な必要書類
ステップ1 「難病指定医」のいる医療機関を受診する。
ステップ2 指定医に「臨床調査個人票」の作成を依頼する。 臨床調査個人票(指定医が作成)
ステップ3 必要書類を準備し、保健所などの窓口に提出する。 申請書、臨床調査個人票、住民票、健康保険証のコピー、所得を確認する書類など
ステップ4 審査後、承認されると「医療受給者証」が交付される。

注意:必要書類は自治体によって異なる場合があるため、申請前に必ずお住まいの地域の窓口にご確認ください。

5.3. 信頼できる情報源と患者会

正確な情報を得て、同じ病気を持つ人々と繋がることは、精神的な支えになります。

  • 難病情報センター: ITPに関する最も信頼できる公的情報源です。疾患の概要、診断基準、治療法などが詳しく解説されています5
  • 日本小児血液・がん学会 (JSPHO): 小児ITPに関する専門的な情報やガイドラインを提供しています18
  • 患者支援団体: NPO法人「血液情報広場・つばさ」19など、日本の患者会では、情報交換や交流会などの活動が行われています。また、米国のPDSA(血小板疾患支援協会)は日本語の資料も提供しています20

よくある質問

Q1. ITPは遺伝しますか?

一般的な一次性ITPは遺伝性疾患とは考えられていません。しかし、ごくまれに家族内で血小板減少症が見られる場合があります。気になる場合は主治医にご相談ください6

Q2. ストレスはITPの原因になりますか?

ストレスが直接ITPを引き起こすという明確な科学的証拠はありません。しかし、ストレスが免疫系のバランスに影響を与える可能性は指摘されており、既存の自己免疫疾患の症状を悪化させる一因となることは考えられます。

Q3. ITPは完治しますか?予後はどうですか?

小児ITPの多くは自然に、あるいは治療によって完治(寛解)します2。成人では慢性化することが多いですが、近年の多様な治療法の登場により、多くの患者さんが血小板数を安全なレベルにコントロールし、通常の生活を送ることが可能になっています。予後は一般的に良好ですが、定期的な通院と管理が重要です1

Q4. 妊娠・出産は可能ですか?注意点は?

ITPの女性でも妊娠・出産は可能です。しかし、妊娠中は血小板数が変動しやすく、母体と胎児の両方に出血のリスクがあるため、血液内科医と産科医による緊密な連携と管理が不可欠です。治療法も胎児への影響を考慮して慎重に選択されます3

Q5. 新型コロナウイルスワクチンなど、各種ワクチン接種はできますか?

一般的に、ITP患者さんでも各種ワクチンの接種は推奨されています。ただし、接種後に一時的に血小板数が減少する可能性が報告されているため、接種のタイミングや接種後の注意点について、事前に主治医とよく相談することが極めて重要です。


結論:ITPを正しく理解し、治療と生活の質を両立させるために

免疫性血小板減少症(ITP)は、複雑で多面的な疾患ですが、医学の進歩により、その管理は大きく変わりました。重要なのは、この病気が出血リスクだけの問題ではなく、「疲れ」をはじめとする生活の質(QOL)に深く関わることを理解することです。日本の診療ガイドライン12や国際的な知見3に基づいた多様な治療選択肢が存在し、公的な医療費助成制度15も整備されています。

この記事で提供された情報が、患者さん自身が治療の意思決定に主体的に参加し、医師と協力して最適な治療法を見つけ、日々の生活における困難を乗り越えるための一助となることを心から願っています。ITPと共に、より良い人生を送ることは十分に可能です。

免責事項本記事の情報は、一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的アドバイスに代わるものではありません。治療方針や生活習慣の変更については、必ず主治医または資格を有する医療専門家にご相談ください。

参考文献

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  3. Neunert C, Terrell DR, Arnold DM, et al. American Society of Hematology 2019 guidelines for immune thrombocytopenia. Blood Adv. 2019;3(23):3829-3866. doi:10.1182/bloodadvances.2019000966. Available from: https://ashpublications.org/bloodadvances/article/3/23/3829/429213/American-Society-of-Hematology-2019-guidelines-for
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