動脈硬化とは?症状・原因・予防法と受診の目安を解説
心血管疾患

動脈硬化とは?症状・原因・予防法と受診の目安を解説

健診で「コレステロールが高いですね」「血圧が少し高めです」と言われると、「このまま動脈硬化が進んで心筋梗塞や脳卒中になったらどうしよう……」と不安になる方は少なくありません。動脈硬化はゆっくり進行し、かなり進むまで自覚症状が出にくいことが特徴です。その一方で、ある日突然、胸の痛みや片側の手足のまひ、ろれつが回らないといった重い症状として現れることもあります。

本記事では、厚生労働省のe-ヘルスネットや日本動脈硬化学会、日本循環器学会などの公的情報に基づき、動脈硬化の基礎知識から症状・原因・検査・治療、そして今日からできる生活習慣の見直しや、どのタイミングで医療機関を受診すべきかまでを、できるだけやさしい言葉で整理して解説します。

「自分や家族がどのくらいリスクがあるのか知りたい」「健診の結果をどう受け止めたらよいかわからない」「いつ病院に行くべきか迷っている」という方が、読み終えたときに次の一歩をイメージしやすくなることを目指しています。

Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について

Japanese Health(JHO)は、健康と美容に関する情報を提供するオンラインプラットフォームです。公的機関や学会が公開している一次情報や査読付き論文などをもとに、日本で生活する方の日常に役立つ形で情報を整理してお届けすることを目指しています。

本記事の内容は、厚生労働省のe-ヘルスネット、日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」、日本心臓財団が公開しているパンフレット、国内外の循環器関連ガイドラインや総説論文などの一次情報源を中心に、JHO編集部がAIツールのサポートを受けつつ、最終的には人の目で一つひとつ確認しながら作成しています。

  • 厚生労働省・自治体・公的研究機関:e-ヘルスネット、人口動態統計、生活習慣病関連の資料など、日本人向けの公式情報を優先して参照しています。
  • 日本の学会ガイドライン・査読付き論文:日本動脈硬化学会のガイドライン、日本循環器学会などのガイドライン、心血管疾患の疫学研究などをもとに、予防・治療の考え方を整理しています。
  • 海外の公的機関・専門施設:世界保健機関(WHO)や海外の専門施設(Mayo Clinic、Cleveland Clinic など)の解説も補助的に参照し、症状や検査・治療法の理解を助けるために用いています。

AIツールは、文献の要約や構成案作成の「アシスタント」として活用していますが、公開前には必ずJHO編集部が原著資料と照合し、重要な記述を一つひとつ確認しながら、事実関係・数値・URLの妥当性を検証しています。

運営ポリシーや編集プロセスの詳細は、運営者情報(JapaneseHealth.org)をご覧ください。

要点まとめ

  • 動脈硬化とは、動脈の壁に脂肪やコレステロールなどがたまって「プラーク」と呼ばれるこぶのようなものができ、血管が狭く硬くもろくなった状態を指します。自覚症状がないまま進行し、心筋梗塞や脳卒中などの原因になります1
  • 高LDLコレステロール血症、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満、運動不足、加齢、家族歴などが、動脈硬化を進める代表的な危険因子です。これらが重なれば重なるほど、将来の心血管イベントリスクが高くなります2
  • 動脈硬化が進行すると、胸の痛み・圧迫感(狭心症)、突然の片側の手足のまひや言葉が出にくい(脳卒中のサイン)、歩くと足が痛くなる(末梢動脈疾患)などの症状として現れることがあります。これらは救急受診が必要なことも多い重要なサインです3
  • 日本では、心疾患と脳血管疾患を合わせた「脳心血管疾患」が主な死因の約2割を占めており、その多くに動脈硬化が関わっているとされています4
  • 生活習慣の見直し(禁煙、食事・運動、体重・血圧・血糖・脂質の管理)と、必要に応じた薬物療法を組み合わせることで、動脈硬化の進行を遅らせたり、心筋梗塞や脳卒中のリスクを減らすことができます5。日本のガイドラインでも、まず生活習慣の改善、そのうえでリスクに応じた薬物療法が推奨されています。

第1部:動脈硬化の基本と日常生活の見直し

まずは、動脈硬化がどのような状態なのか、そして日常生活の中で何が血管に負担をかけているのかを整理します。「専門的な病気かもしれない」と不安になる前に、多くの人に共通する生活習慣のポイントを振り返ることで、自分でできる対策を見つけやすくなります。

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1.1. 動脈硬化の基本的なメカニズム

動脈は、心臓から送り出された血液を全身に届ける、しなやかで弾力のある血管です。ところが、加齢や高血圧、脂質異常症、喫煙などが重なると、動脈の内側の壁に脂肪やコレステロールなどが沈着し、「プラーク」と呼ばれるこぶのような盛り上がりができます。このプラークによって血管の内腔が狭くなり、血液が流れにくくなっている状態が「動脈硬化」です1

プラークは、最初は小さくて柔らかい状態ですが、時間の経過とともにカルシウムが沈着して硬くなったり、ある部分がもろくなって破れやすくなったりします。プラークが大きくなって血管の70%前後をふさぐと、その先に十分な血液が届けられず、胸の痛み(狭心症)や歩行時の足の痛みなどの症状が出やすくなります3。さらに、プラークが突然破れてそこに血の固まり(血栓)ができると、血管が一気に詰まり、心筋梗塞や脳梗塞などの急性発作を起こすことがあります。

動脈硬化は、全身のあらゆる動脈で起こり得ますが、特に重要なのは心臓の冠動脈、脳につながる頸動脈・脳動脈、足の動脈、大動脈、腎動脈などです。これらの血管が障害されると、心筋梗塞、狭心症、脳卒中、末梢動脈疾患、大動脈瘤、腎機能障害など、命に関わる病気につながることがあります。

1.2. 動脈硬化を進めてしまうNG生活習慣

日本動脈硬化学会のガイドラインや、日本心臓財団などの資料では、動脈硬化を進める生活習慣として、次のような点が繰り返し指摘されています2,5

  • 喫煙・受動喫煙:たばこの煙に含まれる有害物質は血管の内皮を傷つけ、プラーク形成や血栓を促進します。
  • 食塩の摂りすぎ・脂質の偏り:塩分の多い食事は高血圧を招き、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の多い食事はLDLコレステロールを上げ、動脈硬化を進めます。
  • 運動不足・長時間の座りっぱなし:身体活動が少ないと、肥満や糖尿病、脂質異常症につながり、血管の老化を早める要因になります。
  • 過度の飲酒:適量を超える飲酒は血圧上昇や不整脈、心筋障害などを招きます。
  • 睡眠不足・ストレス:睡眠の質が悪かったり、慢性的なストレスが続いたりすると、自律神経やホルモンバランスが乱れ、血圧や血糖が不安定になります。
  • 不規則な生活・過労:残業続きや夜勤、休みなく働き続ける生活は、上記の要因を重ねて悪化させることがあります。

これらの習慣は、「少しぐらいなら大丈夫」と感じているうちに積み重なっていくのが特徴です。「毎日少しだけ減らす」「週に1回は休肝日にする」といった、小さな一歩からでも改善を始めることが、長い目で見ると大きな差につながります。

表1:セルフチェックリスト — 生活習慣と動脈硬化リスク
こんな状況はありませんか? 考えられる背景・原因カテゴリ
ここ数年、体重が少しずつ増え、ウエストまわりの脂肪が気になる 内臓脂肪型肥満、運動不足、エネルギー過多の食事
仕事が忙しく、夜遅くにまとめて食べることが多い 血糖や脂質の乱れ、夜間の食事による血管への負担
ほぼ毎日たばこを吸っている、または家族がヘビースモーカー 喫煙・受動喫煙による血管内皮の障害と動脈硬化の促進
運動らしい運動は月に数回程度しかしていない 身体活動量の低下による肥満、高血圧、脂質異常症のリスク
健診で「血圧が高め」「コレステロールが高い」と指摘されているが、特に対策していない 高血圧・脂質異常症の放置による動脈硬化リスクの増大

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第2部:身体の内部要因 — 生活習慣病・ホルモン・隠れた不調

生活習慣を見直すことは非常に大切ですが、それだけでは説明できない要因もあります。もともとの体質やホルモンバランス、すでに診断されている持病など、身体の内側の問題が動脈硬化を進めていることも少なくありません。

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2.1. ライフステージと動脈硬化リスク(特に女性)

男性は中年以降、比較的早い段階から動脈硬化性疾患のリスクが高まります。一方、女性はエストロゲンの影響により閉経前はある程度守られていると考えられていますが、閉経後には男性と同程度、あるいはそれ以上にリスクが上昇することが知られています2

また、妊娠・出産の時期には、「妊娠高血圧症候群」や「妊娠糖尿病」といった状態を経験した女性の、その後の心血管リスクが高まることが報告されています。そのため、出産後も長期的に血圧や血糖、脂質を確認し続けることが大切です。

更年期以降の女性では、ほてりや気分の落ち込み、睡眠の乱れなど、多くの症状が重なりやすくなります。「年齢のせいだから」とすべてを我慢してしまうのではなく、健診結果と合わせて動脈硬化のリスクも一度整理しておくと安心です。

2.2. 生活習慣病と動脈硬化 — 高血圧・脂質異常症・糖尿病・CKD

動脈硬化の進行に強く関わる「内部要因」として、以下のような病気がよく知られています2,5

  • 高LDLコレステロール血症・脂質異常症:血液中のLDLコレステロール(いわゆる「悪玉」)が高いと、動脈の壁に脂質が沈着しやすくなり、プラークが形成されやすくなります。中性脂肪が高い場合やHDLコレステロール(「善玉」)が低い場合も注意が必要です。
  • 高血圧:高い血圧が長く続くと、血管の内側に強い圧力がかかり続けるため、血管の壁が傷つき、弾力性を失いやすくなります。
  • 糖尿病・耐糖能異常:血糖値が高い状態が続くと、血管内皮が傷つき、動脈硬化を加速させます。糖尿病のある方は、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなることが知られています。
  • 慢性腎臓病(CKD):腎機能の低下は、動脈硬化性疾患と密接に関連しており、CKDは心血管リスクを高める重要な因子の一つとされています。
  • 家族性高コレステロール血症などの遺伝性疾患:若い頃から非常に高いLDLコレステロール値を示し、比較的若い年齢で心筋梗塞などを起こしやすい病気です。家族に若くして心筋梗塞になった方がいる場合は、早めの検査が勧められます。

2.3. 健診・人間ドックで確認できるポイント

日本では、特定健診や職場健診などで、動脈硬化に関係する多くの項目を定期的にチェックする仕組みがあります6

  • 血圧
  • LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪
  • 空腹時血糖、HbA1c
  • 体重、BMI、腹囲
  • 尿検査(蛋白尿の有無など)

これらの値が「要経過観察」や「要受診」と指摘された場合、「とりあえず様子を見よう」と先延ばしにしてしまうと、その間にも動脈硬化が静かに進行してしまうことがあります。早めにかかりつけ医や内科を受診し、自分に合った対処方針を相談することが大切です。

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第3部:専門的な診断が必要な動脈硬化関連疾患

生活習慣の見直しは重要ですが、それだけでは防ぎきれない、またはすでに進行している病気が隠れていることもあります。ここでは、動脈硬化が深く関わる代表的な病気と、その特徴的な症状・検査・治療の概要を整理します。

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3.1. 冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)

心臓の表面を走る冠動脈が動脈硬化で狭くなると、心筋に十分な血液が届かなくなり、「狭心症」や「心筋梗塞」を引き起こします3,5

  • 主な症状:胸の中央〜左側の痛み・圧迫感・締め付けられる感じ、みぞおちの不快感、左腕やあご・背中への放散痛、息苦しさ、冷や汗、吐き気など。
  • 狭心症:坂道や階段を上る、急いで歩く、寒い屋外に出るなど、心臓に負担がかかったときに数分間症状が出て、休むとおさまるのが典型的です。
  • 心筋梗塞:胸の痛みが10分以上続く、冷や汗や強い苦しさを伴う、安静にしてもよくならない場合は、心筋梗塞の可能性があります。迷わず119番通報を検討してください。

検査としては、心電図、血液検査、心エコー、運動負荷試験、CTによる冠動脈の描出、カテーテル検査(冠動脈造影)などが行われます。治療は、薬物療法(抗血小板薬、スタチン、降圧薬など)に加え、必要に応じてカテーテル治療(バルーン拡張術やステント留置)や冠動脈バイパス術が検討されます3

3.2. 脳卒中・一過性脳虚血発作(TIA)

首の頸動脈や脳の動脈が動脈硬化で狭くなったり、プラークが破れて血栓が飛んだりすることで、脳に血液が届かなくなると「脳梗塞」、血管が破れて出血すると「脳出血」や「くも膜下出血」などが起こります。これらをまとめて「脳卒中」と呼びます。

代表的な症状として、次のようなものがあります3

  • 片側の手足・顔が急に動かしにくい、力が入らない、しびれる
  • 急にろれつが回らない、言葉が出てこない、人の言うことが理解しにくい
  • 突然、片方の目が見えにくい、視野の一部が欠ける
  • 急に激しい頭痛がする、今まで経験したことのないような痛み
  • ふらつき、歩行がうまくできない、バランスがとれない

これらの症状が突然出現した場合は、一時的に改善しても「一過性脳虚血発作(TIA)」である可能性があり、脳梗塞の前触れであることもあります。すぐに救急要請(119番)や、脳卒中に対応できる医療機関の受診が必要です。

3.3. 末梢動脈疾患(足の血管の動脈硬化)

足の動脈が動脈硬化で狭くなったり詰まったりすると、「末梢動脈疾患(PAD)」と呼ばれる病気になります3

  • 歩くとふくらはぎや太ももが痛くなり、しばらく休むとまた歩けるようになる(間欠性跛行)
  • 足先が冷たい、色が白っぽい・紫っぽい
  • 軽いけがや靴ずれがなかなか治らない、傷が黒くなってくる

これらは、足先まで十分な血液が届いていないサインです。放置すると、傷口から感染を起こしたり、最悪の場合は壊疽(組織が腐る状態)に至り、足の切断が必要になることさえあります。早期に血管外科や循環器内科などで評価を受けることが重要です。

3.4. 大動脈瘤・腎動脈狭窄など

大動脈は、心臓から全身に血液を送る「太い幹」にあたる血管です。動脈硬化や高血圧などが影響し、大動脈の一部が風船のように膨らんでしまう状態を「大動脈瘤」と呼びます。大動脈瘤は大きくなるまで自覚症状が少ないこともありますが、破裂すると致命的な出血を起こすことがあります。

また、腎臓へ血液を送る腎動脈が狭くなる「腎動脈狭窄」は、難治性高血圧や腎機能低下の原因になることがあります。これらも、動脈硬化と深く関係する病気の一つです。

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第4部:今日から始める動脈硬化予防アクションプラン

動脈硬化のリスクを下げるためにできることは、「特別な人だけが取り組むもの」ではありません。毎日の生活の中で少しずつ続けられる工夫を積み重ねることが、最終的には大きな差につながります。ここでは、今日から・今週から・長期的にと、段階別のアクションを整理します。

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表2:動脈硬化予防アクションプラン
ステップ アクション 具体例
Level 1:今日・今夜からできること 塩分と脂質を少し控える、たばこを1本でも減らす みそ汁を「薄め」にする、ラーメンのスープを全部飲まない、揚げ物の頻度を減らす、今日だけでも禁煙に挑戦する など
Level 1:日常の「ちょい足し」運動 階段を使う、1駅分歩くなどの軽い有酸素運動 エレベーターではなく階段を選ぶ、通勤の一部を徒歩にする、仕事の合間にストレッチをする など
Level 2:今週〜今月から始める習慣づくり 週150分を目安に中等度の運動を継続する 週5日、1日30分の早歩き、サイクリング、水中ウォーキングなどを無理のない範囲で続ける
Level 2:健診結果を「見える化」する 血圧・体重・腹囲・血液検査の値をノートやアプリに記録 前年との比較や、食事・運動との関係を見返せるようにし、かかりつけ医とも共有する
Level 3:長期的なリスク管理 医師と相談しながら、目標値に向けて薬物療法と生活習慣を継続 LDLコレステロールや血圧、血糖の目標値を共有し、数か月〜1年単位での達成状況をフォローする

日本のガイドラインでは、一次予防(まだ心筋梗塞や脳卒中などの発症歴がない段階)では、まず生活習慣の改善を行い、それでも目標値に達しない場合やリスクが高い場合に薬物療法を検討する、とされています5。すでに心筋梗塞や脳卒中などを経験している方(二次予防)では、生活習慣とともに薬物療法を積極的に行い、より厳格な管理目標が設定されることがあります。

生活改善も薬物療法も、「完璧にできないと意味がない」というものではありません。自分のペースで続けられる範囲から始め、少しずつ習慣化していくことが何より大切です。

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第5部:専門家への相談 — いつ・どこで・どのように?

「この程度の症状なら様子を見てもいいのか」「今すぐ受診したほうがいいのか」「どの診療科に行けばいいのか」と迷うことは少なくありません。このセクションでは、危険なサインと受診の目安、診療科の選び方、診察時に役立つ情報について整理します。

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5.1. すぐに受診・救急要請を考えるべき危険なサイン

  • 胸の中央〜左側に強い痛み・圧迫感が10分以上続く、冷や汗や吐き気を伴う
  • 突然、片側の手足や顔が動かしにくい、しびれる、力が入らない
  • 急に言葉が出てこない、人の言うことが理解しにくい、ろれつが回らない
  • 片目だけ急に見えにくい、視野が欠ける
  • 急激な激しい頭痛(「人生最悪の頭痛」と感じるような痛み)
  • 歩くと足が強く痛み、休まないと歩けない状態が急に悪化した
  • 足先が急に白く冷たくなり、感覚が鈍い・強い痛みがある
  • 突然の強い背中・胸・お腹の痛みが出て、冷や汗や意識の低下を伴う

これらは、心筋梗塞・不安定狭心症、脳卒中、大動脈解離・破裂、急性の下肢虚血など、命に関わる病気のサインである可能性があります。迷ったときは、独りで判断せず、ためらわずに119番通報や救急外来への相談を検討してください。

5.2. 症状に応じた診療科の選び方

  • 胸の痛み・息切れ・動悸などが主な場合:循環器内科、内科
  • 片側のまひ・言語障害・視野障害などが主な場合:脳神経内科、脳神経外科
  • 歩くと足が痛い、足先の冷感・色調変化:血管外科、循環器内科
  • 健診でコレステロールや血圧、血糖の異常を指摘された:内科、糖尿病内科、循環器内科など

まずはかかりつけ医や近くの内科で相談し、必要に応じて専門科へ紹介してもらう方法も一般的です。紹介状があると、病院側もこれまでの経過を把握しやすくなります。

5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安

  • 健康保険証、マイナ保険証
  • お薬手帳(現在服用している薬がわかるもの)
  • 最近の健診結果(血圧・コレステロール・血糖・尿検査など)
  • 症状が出るタイミングや状況をメモしたノート(例:いつ・どこで・どのくらいの時間・どんな痛みかなど)

外来受診の自己負担額は、保険適用3割負担の場合、初診料と基本的な検査で数千円程度からが一般的ですが、心エコーやCT、MRIなどの検査を行うと数千〜1万円以上かかることもあります。費用が不安な場合は、受診前に医療機関へ電話で目安を確認しておくと安心です。

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よくある質問

Q1: 動脈硬化は一度進んだら元に戻らないのでしょうか?

動脈硬化で一度ダメージを受けた血管が、完全に元通りの「若い血管」に戻るわけではありませんが、生活習慣の改善や薬物療法によって、プラークが安定化したり、血管の機能がある程度改善したりすることが示されています5

特に、禁煙、適切な食事と運動、体重管理、血圧・血糖・脂質のコントロールを組み合わせることで、心筋梗塞や脳卒中などの発症リスクを下げられることが多くの研究で報告されています。既に薬を飲んでいる方も、生活習慣の見直しを続けることで治療効果を高めることが期待できます。

Q2: 何歳くらいから動脈硬化を意識すべきですか?

動脈硬化の変化そのものは、20〜30代の比較的若い世代から少しずつ始まっていると考えられています。ただし、心筋梗塞や脳卒中などの大きな病気として表面化するのは、一般的には中高年以降が多いとされています4

実際には、「何歳から」というよりも、家族歴(若くして心筋梗塞や脳卒中になった家族がいるか)、喫煙歴、高血圧・脂質異常症・糖尿病などの有無によって、必要な対策の強さやタイミングが変わります。特定健診の対象年齢(40歳以上)になったら、まずは定期的に健診を受け、結果をもとにかかりつけ医と相談することをおすすめします。

Q3: 症状がなくても検査を受けたほうがよい人は?

次のような方は、自覚症状がなくても、血圧や脂質、血糖などを定期的にチェックすることが特に重要とされています2,6

  • 40歳以上で、喫煙、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満などの危険因子を複数持っている方
  • 家族に若くして心筋梗塞や脳卒中になった方がいる(家族歴)
  • 妊娠中に高血圧や糖尿病を指摘された既往がある女性
  • 慢性腎臓病など、動脈硬化と関連が深い持病がある方

健診で異常を指摘された場合は、そのまま放置せず、早めに医療機関で詳しい評価と今後の方針を相談しましょう。

Q4: コレステロールの薬(スタチンなど)は一生飲み続ける必要がありますか?

スタチンなどの脂質低下薬は、LDLコレステロールを下げることで心筋梗塞や脳卒中のリスクを減らす効果が、多くの研究で示されています5。すでに心筋梗塞や脳卒中を経験した方や、リスクが高い方では、長期的な服用が推奨されることが多いのが実情です。

ただし、「一生必ず飲み続けなければならない」と一律に決まっているわけではなく、動脈硬化の程度や他の病気、生活習慣の改善状況、年齢などを総合的に判断して、主治医と相談しながら方針を決めていきます。自己判断で急に中止すると、却ってリスクが高まる場合もあるため、必ず医師と相談のうえで調整しましょう。

Q5: サプリや健康食品だけで動脈硬化を予防できますか?

サプリメントや健康食品の中には、「コレステロールが気になる方に」「血圧が高めの方に」といった表示がなされているものもありますが、これらはあくまで「補助的な食品」であり、薬のように動脈硬化の予防・治療効果が科学的に十分証明されているわけではありません。

日本のガイドラインでも、食習慣の改善(減塩、飽和脂肪酸の制限、野菜・魚の摂取など)と、必要に応じた薬物療法が中心であり、サプリメントに治療の中心的な役割を期待することは推奨されていません2。まずは「食事・運動・禁煙・飲酒の見直し」が基本であることを押さえておきましょう。

Q6: 電子タバコなら動脈硬化への影響は少ないですか?

電子タバコや加熱式タバコは、「紙巻きタバコよりは害が少ない」と宣伝されることがありますが、心血管リスクや動脈硬化への影響についてはまだ十分な長期データがそろっていません。ニコチンそのものが血管を収縮させ、血圧や心拍数を上げる作用があること、また一部の製品では有害物質の曝露も報告されています。

動脈硬化の予防という観点からは、「紙巻きタバコから電子タバコに切り替える」のではなく、「たばこ製品自体から離れる」ことが理想的です。禁煙外来などの医療的支援も活用しながら、徐々に本数を減らし、最終的な禁煙を目指すことをおすすめします。

Q7: 若い人や女性でも動脈硬化になりますか?

動脈硬化は加齢とともに進行しやすくなりますが、若い人や女性でも、家族性高コレステロール血症などの遺伝性疾患、高血圧・糖尿病・肥満・喫煙などの危険因子が重なっている場合には、比較的早い段階から進行することがあります2

特に、若い年齢で心筋梗塞や脳卒中を起こした家族がいる場合や、健診で非常に高いLDLコレステロール値を指摘された場合は、年齢にかかわらず早めに専門医の診察を受けることが大切です。

結論:この記事から持ち帰ってほしいこと

動脈硬化は、ある日突然起こる「事件」ではなく、長い年月をかけて少しずつ進行していく「プロセス」です。その過程の中で、日々の生活や持病の管理の仕方によって、リスクを大きく減らすことも、逆に高めてしまうこともあります。

この記事では、動脈硬化のしくみ、症状や危険なサイン、関連する病気、生活習慣病との関係、今日からできる対策、そして受診の目安までを幅広くご紹介しました。すべてを一度に完璧にこなそうとする必要はありません。まずは「健診結果を見返す」「たばこを1本減らす」「階段を使ってみる」といった、小さな一歩から始めてみてください。

気になる症状がある場合や、健診で異常を指摘された場合は、「まだ大丈夫」と我慢し続けるのではなく、早めに医療機関で相談することが、自分自身と大切な人の健康を守る近道になります。あなたは一人ではありません。必要なときには、医療者や周囲の人に頼りながら、一緒に動脈硬化と向き合っていきましょう。

この記事の編集体制と情報の取り扱いについて

Japanese Health(JHO)は、信頼できる公的情報源と査読付き研究に基づいて、健康・医療・美容に関する情報をわかりやすくお届けすることを目指しています。本記事では、動脈硬化に関する国内外のガイドラインや、日本人に関する疫学データなどを参照し、日本で生活する方の実情に即した形で情報を整理しました。

原稿の作成にあたっては、最新のAI技術を活用して下調べと構成案を作成したうえで、JHO編集部が一次資料(ガイドライン・論文・公的サイトなど)と照合しながら、内容・表現・数値・URLの妥当性を人の目で一つひとつ確認しています。最終的な掲載判断はすべてJHO編集部が行っており、特定の医療機関や企業からの広告・スポンサーシップによって内容が左右されることはありません。

ただし、本サイトの情報はあくまで一般的な情報提供を目的としており、個々の症状に対する診断や治療の決定を直接行うものではありません。気になる症状がある場合や、治療の変更を検討される際は、必ず医師などの医療専門家にご相談ください。

記事内容に誤りや古い情報が含まれている可能性にお気づきの場合は、お手数ですが運営者情報ページ記載の連絡先までお知らせください。事実関係を確認のうえ、必要な訂正・更新を行います。

免責事項 本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言や診断、治療に代わるものではありません。健康上の懸念がある場合や、治療内容の変更・中止等を検討される際には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

  1. 厚生労働省. 動脈硬化. e-ヘルスネット. https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-082.html(最終アクセス日:2025-11-26)

  2. 一般社団法人 日本動脈硬化学会. 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版. https://www.j-athero.org/jp/jas_gl2022/(最終アクセス日:2025-11-26)

  3. 一般社団法人 日本動脈硬化学会. 動脈硬化とは. https://www.j-athero.org/jp/wp-content/uploads/general/pdf/doumyaku_p2023.pdf(最終アクセス日:2025-11-26)

  4. 公益財団法人 日本心臓財団. 動脈硬化を予防しましょう. 生活習慣病シリーズ22. https://www.jhf.or.jp/publish/upload_images/11021d4ca66791c164920f10db78f11fd17c5eb1.pdf(最終アクセス日:2025-11-26)

  5. 生活習慣病の予防と治療を考える会. 動脈硬化. 生活習慣病ガイド. https://seikatsusyukanbyo.com/guide/arteriosclerosis.php(最終アクセス日:2025-11-26)

  6. Mayo Clinic. Arteriosclerosis / atherosclerosis – Symptoms and causes. https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/arteriosclerosis-atherosclerosis/symptoms-causes/syc-20350569(最終アクセス日:2025-11-26)

  7. Cleveland Clinic. Atherosclerosis: Symptoms, Causes & Treatment. https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/16753-atherosclerosis-arterial-disease(最終アクセス日:2025-11-26)

  8. Ohira T, et al. Epidemiology of cardiovascular disease in Japan. Journal of Cardiology. 2024. https://www.journal-of-cardiology.com/article/S0914-5087(23)00200-9/pdf(最終アクセス日:2025-11-26)

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