膀胱炎・腎盂腎炎(尿路感染症)の症状・原因・治し方|女性・男性・妊婦別の注意点
腎臓と尿路の病気

膀胱炎・腎盂腎炎(尿路感染症)の症状・原因・治し方|女性・男性・妊婦別の注意点

「トイレが近い」「排尿時にツーンとした痛みがある」「残尿感がある」。このような症状に悩まされていませんか。これらは尿路感染症の典型的な兆候かもしれません。日本の国立国際医療研究センター(NCGM)の調査によると、尿路感染症は特に入院を要する一般的な感染症であり、入院患者の平均年齢は73.5歳、入院中の死亡率は4.5%にものぼると報告されています1。この事実は、特に女性や高齢者にとって、尿路感染症が単なる不快な症状ではなく、時に深刻な事態を招きかねない健康問題であることを示しています。多くの方が経験する身近な病気だからこそ、正確な知識に基づいた適切な対処が不可欠です。本記事は、日本感染症学会(JAID/JSC)2、米国泌尿器科学会(AUA)3、欧州泌尿器科学会(EAU)4といった国内外の最新の診療ガイドライン、および信頼性の高い学術研究に基づいて、一般の方から医療関係者まで、誰もが理解できるよう尿路感染症の全てを網羅的に解説します。

医学的レビュー担当者:
本記事の内容は、井口腎泌尿器科・内科 新小岩の副院長であり、日本感染症学会/日本化学療法学会の尿路感染症ガイドライン作成委員会の委員長を務められた清田 浩 先生のような、この分野の第一線の専門家の研究成果や監修された診療ガイドラインに準拠しています2567


この記事の科学的根拠

本記事は、入力された研究報告書に明示的に引用されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。以下に、参照された実際の情報源の一部と、提示された医学的ガイダンスとの直接的な関連性を示します。

  • 日本感染症学会/日本化学療法学会 (JAID/JSC): 本記事における日本の標準的な治療法(特に薬剤選択)に関する指針は、JAID/JSCが発行した「感染症治療ガイドライン2015 ―尿路感染症・男性性器感染症―」に基づいています2
  • 米国泌尿器科学会 (AUA): 女性の再発性尿路感染症の管理や予防策(クランベリーの使用など)に関するガイダンスは、AUAが発行した2022年のガイドラインを参考にしています3
  • 欧州泌尿器科学会 (EAU): 尿路感染症の最新の分類法やD-マンノースのような新しい予防選択肢に関する記述は、EAUが発行した2024年版のガイドラインに基づいています4
  • 国立国際医療研究センター (NCGM): 日本国内における尿路感染症の疫学的データ(入院率、死亡率など)は、NCGMによる研究結果を引用しています1
  • 米国疾病予防管理センター (CDC): 日常生活における基本的な予防策や一般的な情報については、CDCが提供する公衆衛生ガイダンスを参考にしています8

要点まとめ

  • 尿路感染症は、頻尿や排尿時痛を引き起こす一般的な感染症ですが、腎盂腎炎に進行すると発熱や背部痛を伴い、重篤化する危険性があります。
  • 主な原因は、大腸菌などの細菌が尿道を遡って感染することです。女性は解剖学的にリスクが高く、高齢者や特定の持病を持つ方も注意が必要です。
  • 治療の基本は、医師から処方された抗菌薬(抗生物質)を指示通りに最後まで飲み切ることです。自己判断で中断すると、再発や薬剤耐性菌の原因となります。
  • 診断は尿検査が基本となり、必要に応じて培養検査で原因菌や有効な薬剤を特定します。重症例では血液検査や画像診断も行われます。
  • 水分補給、排尿の我慢をしない、正しい衛生習慣といった日々の予防策が非常に重要です。再発を繰り返す場合は、専門的な予防法について医師と相談することが推奨されます。

尿路感染症とは?まず知っておきたい基本

尿路感染症(Urinary Tract Infection, UTI)とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道といった尿の通り道である「尿路」のいずれかの部位に細菌が感染して炎症を起こす病気の総称です9。理解を深めるために、まずは尿路の構造と感染症の分類について見ていきましょう。

泌尿器系の図:腎臓、尿管、膀胱、尿道

感染部位による分類:膀胱炎と腎盂腎炎の違い

尿路感染症は、感染が起きた場所によって大きく二つに分けられます。この違いを理解することは、症状の重篤度を判断し、適切な医療機関受診のタイミングを知る上で非常に重要です。

  • 下部尿路感染症 (Lower UTI): 尿道や膀胱で起こる感染症で、最も一般的なのが「膀胱炎(ぼうこうえん)」です。症状は主に排尿に関連するものに限局されることが多いです。
  • 上部尿路感染症 (Upper UTI): 感染が腎臓まで及んだ状態で、「腎盂腎炎(じんうじんえん)」と呼ばれます。膀胱炎を放置した結果、細菌が尿管を遡って腎臓に達することで発症することが多く、発熱や悪寒、背部痛といった全身症状を伴う、より重篤な状態です。腎盂腎炎は敗血症(血液に細菌が入り込み全身に広がる危険な状態)につながる可能性があり、迅速な治療が必要です9

複雑さによる分類:単純性と複雑性

医療現場では、患者さんの背景によって尿路感染症を「単純性」と「複雑性」に分類することが伝統的に行われてきました。これは治療方針を決定する上で重要な考え方です。

  • 単純性尿路感染症 (Uncomplicated UTI): 尿路に解剖学的・機能的な異常がなく、基礎疾患(糖尿病や免疫不全など)もない健康な非妊娠女性に起こるものを指します2。典型的な膀胱炎がこれにあたります。
  • 複雑性尿路感染症 (Complicated UTI): 尿路の構造的異常(前立腺肥大、尿路結石など)、カテーテルの留置、または男性、妊婦、糖尿病患者さんなど、治りにくい要因を持つ場合に分類されます210。男性の尿路感染症は、基本的に複雑性として扱われます11

なお、欧州泌尿器科学会(EAU)の2024年版ガイドラインでは、より臨床症状に基づいた新しい分類法も提唱されています。これは、感染が局所的か(膀胱炎など)、全身に影響を及ぼしているか(腎盂腎炎など)で判断するアプローチです4。このように、医学の進歩とともに分類の考え方も進化しており、本記事ではこれらの知識を統合して解説を進めます。


尿路感染症の種類別の症状

尿路感染症の症状は、感染が膀胱にとどまっているか、腎臓まで及んでいるかで大きく異なります。ご自身の症状を正しく把握し、適切なタイミングで医療機関を受診するために、両者の違いを明確に理解しておきましょう。

表1:一目でわかる!膀胱炎と腎盂腎炎の症状比較
症状 膀胱炎 (下部尿路感染症) 腎盂腎炎 (上部尿路感染症)
頻尿(トイレが近い)
排尿時痛(排尿時の痛み・灼熱感)
残尿感(尿が残っている感じ)
尿の混濁(尿が白く濁る)
血尿(尿に血が混じる) ✓ (時に) ✓ (時に)
下腹部痛
発熱(38℃以上) ✓ (典型的)
悪寒・戦慄(寒気と震え) ✓ (典型的)
腰・背部痛(片側のことが多い) ✓ (典型的)
吐き気・嘔吐 ✓ (しばしば)

2.1. 膀胱炎の症状

膀胱炎の症状は、主に膀胱や尿道に関連した不快な症状が中心です。具体的には、以下のようなものが挙げられます21112

  • 頻尿 (Frequency): 何度もトイレに行きたくなる。
  • 排尿時痛 (Dysuria): 排尿の終わり際に、焼けつくような、あるいはツーンとする痛みを感じる。
  • 残尿感 (Urgency/Incomplete emptying): 排尿後も尿が残っているようなすっきりしない感じがする。
  • 尿混濁 (Cloudy urine): 尿が白っぽく濁る。これは尿中の白血球や細菌によるものです。
  • 血尿 (Hematuria): 尿に血が混じり、ピンク色や赤色に見えることがあります。
  • 下腹部痛 (Suprapubic pain): 膀胱がある下腹部(恥骨の上あたり)に重苦しい痛みを感じることがあります。

重要な点として、単純性の膀胱炎では通常、38℃を超えるような高熱は出ません2。もし排尿時の症状に加えて高熱が出た場合は、感染が腎臓に及んでいる(腎盂腎炎)可能性を考える必要があります。

2.2. 腎盂腎炎の症状

腎盂腎炎は、膀胱炎の症状に続いて、あるいは同時に、より重い全身症状が現れるのが特徴です。これは細菌が血流に乗り始めているサインであり、緊急の対応が必要です9131415

  • 高熱と悪寒・戦慄 (High fever and chills): 突然38℃以上の高熱が出て、ガタガタと体が震えるほどの強い寒気を感じます。
  • 腰・背部痛 (Flank pain): 感染した側の腎臓がある腰や背中に、叩くと響くような鈍い痛み(叩打痛)を感じます。通常は片側に起こります。
  • 消化器症状 (Gastrointestinal symptoms): 吐き気(悪心)や嘔吐を伴うことがあります。
  • 全身倦怠感 (Malaise): 体が非常にだるく感じます。

【救急受診のサイン】これらの症状があれば直ちに病院へ!

以下の症状が一つでも見られる場合は、重篤な腎盂腎炎や敗血症の可能性があります。夜間や休日であっても、ためらわずに救急外来を受診してください。

  • 38℃以上の高熱と、体を揺さぶるような悪寒・震え
  • 我慢できないほどの強い腰や背中の痛み
  • 吐き気がひどく、水分や食事がとれない
  • 意識がもうろうとする、ひどくだるい

迅速な治療が重症化を防ぐ鍵となります。


尿路感染症の主な原因とリスク要因

尿路感染症は、なぜ起こるのでしょうか。その主な原因は「上行性感染(じょうこうせいかんせん)」と呼ばれるメカニズムです。これは、通常は腸内に存在する細菌、特に大腸菌(E. coli)が、肛門周囲から尿道の入り口に移動し、そこから尿道を遡って膀胱、さらには腎臓へと侵入することで感染を引き起こすというものです2。大腸菌は、単純性尿路感染症の原因菌の約80%を占める最も一般的な原因菌です。それでは、どのような人が尿路感染症になりやすいのでしょうか。リスクを高める要因を、対象者別に詳しく見ていきましょう。

女性に特有のリスク要因

女性は男性に比べて生涯で尿路感染症にかかる確率が非常に高く、その理由は解剖学的な特徴にあります9

  • 解剖学的構造: 女性の尿道は男性に比べて約4cmと短く、直線的です。また、尿道口が細菌の温床となりやすい膣や肛門と近接しているため、細菌が膀胱に到達しやすい環境にあります。
  • 性行為: 性行為によって、膣周辺の細菌が尿道口から押し込まれ、膀胱炎の引き金になることがあります8。これは「ハネムーン膀胱炎」とも呼ばれますが、全ての年齢層で起こり得ます。
  • 妊娠: 妊娠中はホルモンの変化や、大きくなった子宮が膀胱を圧迫することで尿の流れが滞りやすくなり、細菌が繁殖しやすくなります。このため、妊婦は定期的な尿検査が重要です2
  • 閉経: 閉経後は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少により、膣内の自浄作用を担う常在菌(乳酸菌)が減少し、膣や尿道粘膜が萎縮します。これにより、細菌が侵入・増殖しやすくなり、尿路感染症のリスクが高まります2

男性に特有のリスク要因

男性の尿路感染症は女性ほど一般的ではありませんが、発症した場合は「複雑性」として扱われることが多く、その背景には何らかの基礎疾患が隠れている可能性があります11

  • 前立腺の問題: 中高年男性に多い前立腺肥大症は、尿道を圧迫して尿の出を悪くします。尿が完全に出し切れず膀胱内に残る(残尿)と、その中で細菌が繁殖し、感染の原因となります2。急性または慢性の前立腺炎もリスク要因です。

性別を問わない一般的なリスク要因

  • 尿路の閉塞: 尿路結石や腫瘍、尿道の狭窄など、尿の流れを妨げる物理的な要因があると、尿が停滞し細菌感染のリスクが高まります2
  • カテーテルの留置: 尿道カテーテル(尿を排出するための管)を長期間留置することは、尿路感染症の最大のリスク要因の一つです。これは「カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)」と呼ばれ、院内感染の主要な原因となっています1617
  • 糖尿病: 血糖コントロールが悪いと、尿中に糖分が増えて細菌の栄養源となるほか、体の免疫機能自体が低下するため、感染しやすくなります1
  • 免疫力の低下: ステロイド薬や免疫抑制剤の使用、あるいは他の疾患によって免疫力が低下している場合も、感染に対する抵抗力が弱まり、尿路感染症を発症しやすくなります1

病院での診断と検査

尿路感染症が疑われる症状がある場合、泌尿器科や内科を受診することが推奨されます。病院では、正確な診断を下すためにいくつかの検査が行われます。事前に流れを知っておくことで、安心して診察に臨むことができます。

4.1. 問診と身体診察

まず、医師は以下のような点について詳しく質問します(問診)3

  • どのような症状がいつからあるか(頻尿、排尿痛、発熱など)
  • 過去に尿路感染症にかかったことがあるか
  • 妊娠の可能性や、糖尿病などの持病の有無
  • 現在服用している薬について

腎盂腎炎が疑われる場合は、背中を軽く叩いて痛み(叩打痛)の有無を確認するなどの身体診察も行われます。

4.2. 尿検査

尿路感染症の診断において最も重要な検査です。通常、2段階の検査が行われます。

  • 採尿のポイント: 正確な検査のためには、出始めの尿を少し捨て、途中の尿(中間尿)をカップに採ることが重要です。これにより、尿道口周辺の細菌による汚染(コンタミネーション)を防ぐことができます18
  • 尿定性検査(試験紙法): 採尿後すぐに行われる簡単な検査で、試験紙(ディップスティック)を尿に浸して色の変化を見ます。特に、亜硝酸塩(細菌の存在を示唆)と白血球エステラーゼ(炎症の存在を示唆)の項目が重要です11
  • 尿沈渣検査: 尿を遠心分離機にかけ、沈殿した成分(沈渣)を顕微鏡で観察します。白血球(膿尿)、赤血球(血尿)、そして細菌の存在を直接確認することで、診断の確実性を高めます18

4.3. 尿培養検査と薬剤感受性試験

この検査は、尿路感染症の「犯人」である細菌を特定し、どの抗菌薬(抗生物質)がその細菌に最も効果的かを調べるために行われます2。尿を特殊な培地で培養し、増殖した細菌の種類を同定するとともに、様々な抗菌薬に対する感受性をテストします。
結果が出るまでに数日かかりますが、以下のような場合には特に重要な検査となります:

  • 腎盂腎炎が疑われる場合
  • 複雑性尿路感染症(男性、妊婦、基礎疾患のある方など)
  • 治療がうまくいかない、または再発を繰り返す場合

この検査は、不適切な抗菌薬の使用を避け、薬剤耐性(AMR)の問題を防ぐ上でも極めて重要です。

4.4. 血液検査と画像診断

これらの検査は、主に腎盂腎炎などの重症例や、複雑性の要因を探るために行われます。

  • 血液検査: 白血球数やCRP(C反応性タンパク)といった炎症反応の程度を調べることで、感染症の重症度を評価します。また、腎機能を確認するためにも行われます18
  • 画像診断: 超音波(エコー)検査やCT検査は、腎臓の腫れや、尿路結石、膿瘍(膿のたまり)、その他の構造的異常の有無を確認するために用いられます。特に、治療への反応が悪い場合や、複雑性尿路感染症の原因を調べる際に有用です2

【最重要】尿路感染症の治療法

尿路感染症の治療は、原因となっている細菌を排除することが目的です。ここでは、国内外のガイドラインに基づいた標準的な治療法について詳しく解説します。

5.1. 治療の基本原則

  • 抗菌薬(抗生物質)が治療の柱: 細菌による感染症であるため、治療の基本は抗菌薬の内服または点滴です8。市販の痛み止めなどは症状を一時的に和らげることはできますが、原因菌を殺すことはできません。
  • 処方された薬は最後まで飲み切る: 症状が良くなっても、自己判断で薬の服用を中止してはいけません。処方された期間、薬をしっかりと飲み切ることが、細菌を完全に死滅させ、再発や薬剤耐性菌の出現を防ぐために不可欠です8
  • 経験的治療と標的治療: 診察直後、医師は最も可能性の高い原因菌を想定して抗菌薬を処方します(経験的治療)。その後、尿培養検査の結果が判明したら、その結果に基づいて最も効果的な薬に変更することがあります(標的治療、またはデ・エスカレーション)2

5.2. 膀胱炎の治療

単純性膀胱炎の場合、通常は3~7日間の抗菌薬内服で治療します。日本感染症学会/日本化学療法学会(JAID/JSC)のガイドラインでは、以下のような薬剤が推奨されています219

表2:急性単純性膀胱炎の推奨抗菌薬(JAID/JSCガイドライン準拠)2
対象患者 第一選択薬 第二選択薬
閉経前女性 レボフロキサシン (LVFX) 500mg 1日1回 (3日間) セフジニル (CFDN) 100mg 1日3回 (5-7日間)
セフポドキシム プロキセチル (CPDX-PR) 100mg 1日2回 (5-7日間)
閉経後女性 セフジニル (CFDN) 100mg 1日3回 (5-7日間)
セフポドキシム プロキセチル (CPDX-PR) 100mg 1日2回 (5-7日間)
レボフロキサシン (LVFX) 500mg 1日1回 (3日間)

【薬剤耐性に関する重要な注意点】

近年、日本国内において大腸菌のニューキノロン系抗菌薬(レボフロキサシンなど)に対する耐性率が上昇していることが問題となっています2021。このため、JAID/JSCガイドラインは2015年のものですが、現在の臨床現場ではセフェム系抗菌薬(セフジニルなど)が第一選択としてより頻繁に用いられる傾向にあります。米国泌尿器科学会(AUA)などの国際的なガイドラインでは、耐性化のリスクが低いニトロフラントイン、ホスホマイシンなどが推奨されていますが、これらは日本では保険適用外となる場合があります3。最終的な薬剤の選択は、地域の耐性菌の状況や患者さん個々の状態を考慮して、医師が判断します。

5.3. 腎盂腎炎の治療

腎盂腎炎の治療は、より強力な抗菌薬を7~14日間と、膀胱炎よりも長期間使用する必要があります2。治療は重症度に応じて、外来での内服治療か、入院での点滴治療かが決定されます。

  • 軽症~中等症(外来治療): 全身状態が比較的良好で、食事がとれる場合は、内服の抗菌薬で治療が可能です。ニューキノロン系やセフェム系の薬が1週間から2週間処方されます2
  • 中等症~重症(入院治療): 高熱、強い倦怠感、吐き気などで食事がとれない場合や、重症化のリスクが高い場合は、入院して点滴による抗菌薬投与が必要です。セフェム系やカルバペネム系といった広域スペクトルの抗菌薬が用いられます218。状態が安定すれば、内服薬に切り替えて退院となります。
表3:急性腎盂腎炎の推奨抗菌薬(JAID/JSCガイドライン準拠)2
重症度 推奨される治療法
軽症~中等症(外来) 内服薬: レボフロキサシン (LVFX) 500mg 1日1回 (7-14日間)など。耐性化を考慮し、他の薬剤が選択されることも多い。
中等症~重症(入院) 点滴薬: セフトリアキソン (CTRX) 1-2g 1日1-2回、またはより強力なタゾバクタム・ピペラシリン (TAZ/PIPC)、カルバペネム系 (MEPM, DRPM)など。

特集:知っておきたい尿路感染症の予防策

一度かかると再発しやすいのが尿路感染症の厄介な点です。特に年間に2回以上、あるいは半年に1回以上繰り返す場合を「再発性尿路感染症」と呼びます22。ここでは、再発を防ぐための様々な予防策を、科学的根拠に基づいてご紹介します。

6.1. 日常生活でできるセルフケア

以下の基本的な生活習慣は、全ての尿路感染症の予防の土台となります。

  • 十分な水分摂取: 水をたくさん飲むことで尿量を増やし、膀胱内の細菌を物理的に洗い流す効果が期待できます8。1日に1.5~2リットルを目安にしましょう。
  • 排尿を我慢しない: 尿意を感じたらすぐにトイレに行く習慣をつけましょう。尿が膀胱に長く留まると、細菌が増殖する時間を与えてしまいます。
  • 正しい清拭: 排便後は、細菌が多い肛門から尿道へ菌が移動するのを防ぐため、必ず「前から後ろ」に向かって拭くように徹底してください8
  • 性交後のケア: 性交後に排尿することは、尿道に入り込んだ可能性のある細菌を洗い流すのに役立つと考えられています8
  • 刺激の強い製品を避ける: デリケートゾーン用のスプレーや、刺激の強い石鹸、殺菌剤の使いすぎは、膣内の正常な細菌叢のバランスを崩し、かえって感染のリスクを高めることがあります8

6.2. 科学的根拠に基づく選択肢

セルフケアに加えて、特定のサプリメントや治療法が予防に役立つ可能性が研究されています。

  • クランベリー製品: 「クランベリーが膀胱炎予防に良い」と聞いたことがあるかもしれません。これは、クランベリーに含まれるプロアントシアニジンという成分が、大腸菌が膀胱の壁に付着するのを防ぐ作用によると考えられています23。米国泌尿器科学会(AUA)のガイドラインでは、再発性尿路感染症の女性に対して、選択肢の一つとして条件付きで推奨されています3。しかし、その有効性については研究によって結果が異なり、信頼性の高いコクランレビューでは「現時点では有効性を示す十分な根拠はない」とも結論付けられています2425。試してみたい場合は、糖分の少ない純粋なジュースやサプリメントを選び、医師に相談することをお勧めします。
  • D-マンノース: D-マンノースは、クランベリーと同様に細菌の付着を防ぐ効果が期待される単糖の一種です。欧州の一部の研究では、再発予防において抗菌薬と同程度の効果があったと報告されていますが26、まだ質の高い大規模な研究は少なく、さらなる検証が待たれる状況です427
  • 閉経後女性への局所エストロゲン療法: これは科学的根拠が比較的しっかりしている方法です。閉経後の女性が再発性尿路感染症に悩まされている場合、エストロゲンを含む膣錠やクリームを局所的に使用することで、膣内の環境が改善され、感染リスクを有意に減少させることが多くの研究で示されています3

6.3. 漢方薬によるアプローチ

漢方医学では、尿路感染症の症状緩和や、再発を繰り返しにくい体質への改善を目的として漢方薬が用いられることがあります。ただし、急性の細菌感染に対しては抗菌薬が治療の第一選択であり、漢方薬はあくまで補助的な位置づけです。

  • 猪苓湯(ちょれいとう): 比較的体力がある方で、排尿時痛、残尿感、頻尿などの症状がある場合に用いられます。利水作用(尿の出を良くする作用)と抗炎症作用があります28
  • 五淋散(ごりんさん): 体力に関わらず使用でき、頻尿や排尿痛、血尿など、炎症が比較的強い場合に使用されることが多い処方です29

これらの漢方薬は、患者さん一人ひとりの体質や症状の現れ方(証)に合わせて選択されるため、専門の医師や薬剤師に相談することが重要です30

6.4. 抗菌薬の予防内服

生活習慣の改善や他の予防法を試しても、頻繁に(例えば年に3回以上)尿路感染症を繰り返す重度のケースでは、医師の判断により、少量の抗菌薬を長期間(半年~1年など)毎日服用したり、性交後に1回だけ服用したりする方法(予防内服)が検討されることがあります3。この方法は効果的ですが、副作用や薬剤耐性菌のリスクも伴うため、その利益と不利益を十分に検討した上で、厳密な管理のもとで行われます。


よくある質問

妊娠中に膀胱炎になったら、赤ちゃんに影響はありますか?

妊娠中の尿路感染症は、決して放置してはいけません。症状がない「無症候性細菌尿」であっても、治療しないと約30%が腎盂腎炎に進行し、早産や低出生体重児のリスクを高めることが知られています。そのため、妊婦検診で細菌尿が見つかった場合は、症状がなくても治療の対象となります。治療には、胎児への安全性が比較的高いとされるセフェム系やペニシリン系の抗菌薬が選択されます。一方で、キノロン系、テトラサイクリン系、ST合剤などは妊娠中、特に特定の時期には使用を避けるべきとされています2。気になる症状があれば、すぐに産婦人科医に相談してください。

高齢の家族が尿路感染症にかかった時の注意点は何ですか?

高齢者の尿路感染症は、典型的な排尿症状(痛みや頻尿)が現れにくいという特徴があります。代わりに、「なんとなく元気がない」「食欲がない」「急に混乱し始めた(せん妄)」「失禁するようになった」といった非典型的な症状がサインとなることが多いです11。これらの変化を見逃すと、重篤な腎盂腎炎や敗血症に進行しやすく、特に高齢者は脱水も起こしやすいため注意が必要です。日本での調査でも、尿路感染症による入院患者の死亡率は4.5%と報告されており1、決して軽視できない病気です。ご家族の様子に普段と違う変化が見られたら、尿路感染症の可能性も念頭に置き、早めに医療機関に相談することが大切です。

市販薬で自力で治せますか?

結論から言うと、市販薬だけで尿路感染症を「治す」ことはできません。市販されている薬の多くは、痛みや炎症を和らげる対症療法薬や、利尿作用のある生薬製剤(漢方薬など)です。これらは一時的に症状を楽にすることはできますが、原因となっている細菌を殺す力はありません。根本的な治療には、医師の診断に基づいた適切な抗菌薬が不可欠です。市販薬で症状をごまかしているうちに、膀胱炎から重篤な腎盂腎炎に進行してしまう危険性もあります。症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

膀胱炎はオンライン診療で診てもらえますか?

はい、近年では多くのクリニックがオンライン診療に対応しています。特に、症状が典型的で、他に合併症のない女性の急性単純性膀胱炎などは、オンライン診療の良い適応となります31。ビデオ通話などを通じて医師が問診を行い、診断を下し、電子処方箋を発行してくれます。患者さんはその処方箋を使って、お近くの薬局で薬を受け取ることができます。ただし、症状が重い場合、腎盂腎炎が疑われる場合、または再発を繰り返している複雑なケースでは、対面での診察や詳細な検査が必要となるため、医師の指示に従ってください。

結論

尿路感染症は、多くの人が経験するありふれた病気ですが、その背後には単純な膀胱炎から命に関わる腎盂腎炎まで、様々な病態が存在します。この記事を通じて、症状の違いを正しく理解し、特に「発熱」や「背部痛」といった危険なサインを見逃さないことの重要性を強調してきました。治療の鍵は、医師の診断のもと、処方された抗菌薬を最後まで確実に服用することです。そして、再発を防ぐためには、日々の水分摂取や衛生習慣といった地道な予防策が何よりも効果的です。

あなたの体からの小さなサインに耳を傾け、不安や疑問があれば、決して一人で抱え込まずに専門家である医師に相談してください。健康に関する正しい知識を持ち、主体的に行動することが、健やかな毎日を送るための第一歩となるでしょう。

免責事項本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスを構成するものではありません。健康上の懸念がある場合、またはご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

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