心臓の健康は、私たちの生活の質そのものを左右する重要な要素です。しかし、日本では心疾患が依然として主要な死因の一つであり続けており、多くの方々にとって身近で深刻な問題となっています。心疾患はもはや遠い存在ではなく、日本の公衆衛生における喫緊の課題であり、さまざまな側面で脳卒中と並ぶ重要なテーマとなっています。
本記事は、皆さまがご自身の心臓を理解し、守るための総合的なガイドとなることを目指しています。厚生労働省の人口動態統計や患者調査、日本循環器学会(JCS)、日本動脈硬化学会(JAS)、国立循環器病研究センター(NCVC)、世界保健機関(WHO)53など、信頼できる情報源のデータとガイドラインをもとに、心疾患に関する最新かつ実践的な情報を整理しました。
本記事は、JHO(JapaneseHealth.org)編集委員会が、公的機関や専門学会、査読付き論文などの情報を精査し、日本で生活する方々にとって分かりやすい形にまとめたものです。医学的な用語や統計をできるだけかみ砕き、「自分や家族はどのくらいリスクがあるのか」「今日から何を変えればよいのか」を具体的な行動レベルに落とし込めるよう構成しています。
予防、早期発見、治療、そして日常生活での工夫までを一通り読んでいただくことで、心臓の健康を長期的に守るための道筋が、より立体的に見えてくるはずです。
要点まとめ
- 厚生労働省の2022年の統計によると、心疾患(高血圧性を除く)は日本における死因の第2位であり、年間232,964人もの命を奪っています。255
- 日本の心疾患の様相は変化しており、従来の脳卒中心の時代から、心不全や虚血性心疾患が増加する「心不全パンデミック」の時代へと移行しています。2931
- 一次予防が最も重要であり、日本循環器学会(JCS)のガイドラインでは、食塩摂取量を1日6.0g未満に抑えること、適度な有酸素運動、禁煙、適切な体重管理が強く推奨されています。78
- 個々のリスク評価が予防の第一歩です。日本では、久山町研究や吹田研究などに基づいた日本人向けのリスクスコアが臨床現場で活用されており、個人の状況に合わせた管理が可能です。101231
- 心疾患の治療は、薬物療法からカテーテル治療、デバイス治療、再生医療に至るまで大きく進歩していますが、発症を防ぐための生活習慣の改善の重要性は変わりません。
- 健康診断や特定健診を活用し、自分の血圧・脂質・血糖・体重などの「現在地」を把握することが、早期発見と予防の鍵となります。2757
- 胸痛や息切れ、片側の麻痺などの「赤信号サイン」を知っておくことで、「様子を見るべきか、すぐ救急受診すべきか」の判断がしやすくなります。2123
心疾患予防の実践ステップ
日本では心疾患が依然として主要な死因の一つであり、統計上の数字だけでなく、「自分や家族もいつか当事者になるかもしれない」という不安を抱えている方は少なくありません。健康診断で血圧やコレステロールの指摘を受けても、具体的に何から始めれば良いのか分からず、そのまま先送りにしてしまうこともあるでしょう。この記事のように、心臓の仕組みから日本特有のリスク、一次予防まで一気に理解しようとすると情報量の多さに圧倒されるかもしれませんが、一つひとつ整理していけば、日常生活の中で実行できる具体的な行動に落とし込むことができます。
そこでこの補足ガイドでは、本記事の内容をより行動に移しやすくするために、「心臓の基礎理解」「日本で目立つリスク因子」「今日からできる一次予防」という3つの視点でポイントを整理します。まずは心臓と血管全体のイメージをつかむことで、自分の症状や検査結果がどこに関係しているのかが分かりやすくなります。そのうえで、日本人に多い高血圧や脂質異常症、生活習慣の問題をどのようにコントロールすればよいのかを、ガイドラインに沿って具体的に確認していきましょう。全体像をもう一度整理したいときは、心臓・血管の構造から代表的な病気、救急時のサイン、予防策までを体系的にまとめた心血管疾患の総合ガイドもあわせて読み進めると、個々の記事の位置づけがよりクリアになります。
心疾患の一次予防を考える第一歩は、「そもそも心臓がどこにあり、どのように全身へ血液を送っているのか」を自分の身体のイメージとして持つことです。胸のほぼ中央に位置する心臓が、右心系と左心系に分かれた4つの部屋と4つの弁を通して、全身と肺を絶え間なく循環させている仕組みを理解すると、虚血性心疾患や心不全、不整脈といった病気がどの部分のトラブルなのかをつかみやすくなります。また、洞房結節から房室結節、心室へと伝わる電気信号の流れを知ることで、不整脈が「電気系統の不具合」であることもイメージしやすくなるでしょう。こうした心臓の位置関係や構造、代表的な心疾患とのつながりは、心臓の位置と心疾患についてで図や具体例とともに整理されているので、本記事の第1部とあわせて確認しておくと理解がより深まります。
次に押さえておきたいのが、日本で特に重要視されている高血圧のコントロールです。記事中でも触れられているように、高血圧は自覚症状が乏しいまま心筋梗塞や脳卒中、心不全のリスクを静かに高めていく「サイレントキラー」であり、日本循環器学会のガイドラインでは若年〜前期高齢者で130/80mmHg未満を目標とすることが推奨されています。まずは自分の血圧がどのゾーンに入っているのかを把握し、家庭血圧や診察室血圧の数値から、将来の心血管イベントリスクを評価してもらうことが重要です。高血圧の基準や、数値ごとにどの程度リスクが変わるのか、薬物療法が検討されるタイミングなどは、高血圧の基準とリスクで詳しく解説されているので、自分のデータと照らし合わせながら一次予防の出発点を確認してみてください。
同じく見逃せないのが、脂質異常症と動脈硬化の問題です。記事でも述べられているように、LDLコレステロールの慢性的な上昇や中性脂肪の増加は、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす動脈硬化の「土台」となる状態であり、高血圧や糖尿病、喫煙と重なることでリスクはさらに高まります。一次予防の段階では、飽和脂肪酸の多い肉の脂身や加工食品を控え、魚や大豆製品、野菜中心の日本食パターンを意識することが、ガイドラインでも強く推奨されています。また、スタチンなどの薬物療法が必要になるかどうかは、LDL値だけでなく既往歴や合併症を含めた総合的なリスク評価で決まります。動脈硬化の仕組みや、数値ごとの目標値、生活習慣・薬物療法の組み立て方は、血中脂質異常症と動脈硬化対策にまとまっているので、本記事の一次予防パートとセットでチェックすると全体像がつながりやすくなります。
具体的な行動に落とし込む段階では、「減塩」「体重3〜5%減」「有酸素運動の習慣化」といった、ガイドラインが示す現実的な目標を一つずつ生活に組み込んでいくことがポイントになります。例えば、JCSガイドラインが推奨する食塩6g/日未満を目指すには、味噌汁の量を減らす、漬物や加工食品を控える、外食時はスープを飲み干さないといった、日々の小さな工夫の積み重ねが重要です。こうした「減塩の具体的なコツ」や「食事で血圧を下げるための栄養の選び方」は、高血圧対策の栄養学や、有酸素運動の取り入れ方を解説したウォーキングのすすめなどで、より具体的な「やり方」に落とし込むことができます。
一方で、数値やガイドラインだけにとらわれてしまうと、「完璧に守れない自分」を責めてしまい、かえって継続が難しくなることもあります。短期間で一気に結果を出そうとするより、「数か月〜数年というスパンで心血管リスクを下げていく長距離走」と捉え、生活の中で無理なく続けられる工夫を見つけることが大切です。また、胸痛や息切れ、動悸、片側の麻痺など、記事で紹介されている赤旗サインを知っておくことで、「これは様子見ではなく、すぐ受診すべき状態だ」と判断できる安心感にもつながります。食事や運動、ストレス管理を進めるなかで不安や疑問が湧いたときは、一人で抱え込まず、かかりつけ医や循環器専門医と定期的に相談しながら、自分に合ったペースで心臓を守る取り組みを続けていきましょう。
第1部:心臓の驚くべき仕組み ― 構造と機能の基礎知識
私たちの生命活動の中心に位置する心臓は、休むことなく働き続ける驚異的な臓器です。握りこぶしほどの大きさでありながら、1日に約10万回拍動し、全身に血液を送り続けています。その複雑で精巧な仕組みを理解することは、心臓の健康を守るための第一歩となります。
1.1. 心臓はどこにある?―正確な位置と周辺臓器
心臓は、一般的にイメージされる「左胸」だけではなく、胸部のほぼ中央、左右の肺の間に位置しています。この空間は「縦隔(じゅうかく)」と呼ばれます。62 心臓の先端部分(心尖部)がやや左側に傾いているため、心臓の拍動を左胸で感じやすくなっています。
心臓は、前方では胸骨、両側と後方では肋骨や胸椎、そして下方では横隔膜によって守られており、まさに体の中心で厳重に保護された重要な臓器です。63 こうした位置関係を知っておくと、「胸のどのあたりの痛みが心臓由来なのか」「検査画像でどの部分を見ているのか」がイメージしやすくなります。
1.2. 心臓の構造:4つの部屋と4つの弁
心臓は、大きく分けて4つの部屋から構成されています。上部にある2つの部屋が「心房(しんぼう)」(右心房・左心房)、下部にある2つの筋肉質な部屋が「心室(しんしつ)」(右心室・左心室)です。20 右心房は全身から戻ってきた二酸化炭素を多く含む血液(静脈血)を受け取り、右心室へと送ります。右心室はその血液を肺動脈を通じて肺に送り出します。
肺で酸素を豊富に取り込んだ血液(動脈血)は肺静脈を通って左心房に戻り、左心室へと送られます。そして、最も強力なポンプ機能を持つ左心室が、その新鮮な血液を大動脈を介して全身へと力強く送り出します。
これらの部屋の間と、心室の出口には「弁」と呼ばれる扉があり、血液が逆流することなく一方向に流れるように制御しています。具体的には、三尖弁、肺動脈弁、僧帽弁、大動脈弁の4つが存在します。63 これらの弁がうまく閉じなかったり、開きにくくなったりすると、「弁膜症」と呼ばれる病気につながります。
1.3. 血液循環の旅:心臓が全身に命を運ぶ仕組み
心臓を中心とした血液の旅は、生命維持の根幹をなす壮大なプロセスです。その流れは以下のステップで要約できます。62
- 全身を巡り、酸素を細胞に届け終えた血液が、上大静脈・下大静脈を通って右心房に戻ってきます。
- 右心房から右心室へ送られ、肺動脈を通って肺へと向かいます。
- 肺でガス交換が行われ、二酸化炭素が放出され、新たに酸素が取り込まれます。
- 酸素を豊富に含んだ新鮮な血液は、肺静脈を通って左心房に戻ります。
- 左心房から左心室へ送られ、大動脈弁を通って大動脈へと力強く送り出されます。
- 大動脈から枝分かれした無数の血管(動脈・毛細血管・静脈)を通じ、血液は再び全身の隅々まで届けられ、酸素と栄養を供給します。
この一連のサイクルが、私たちの心拍一回ごとに行われています。安静時でも1分間に60〜80回程度、運動時にはそれ以上に頻度が上がり、状況に応じて柔軟に変化します。
1.4. 心臓を動かす電気信号:刺激伝導系
心臓が規則正しく、協調して拍動できるのは、「刺激伝導系」と呼ばれる電気信号システムのおかげです。64 右心房の上部にある「洞房結節(どうぼうけっせつ)」が、心臓の自然なペースメーカーとして働き、リズミカルに電気信号を発生させます。
この信号が心房全体に伝わって心房を収縮させた後、「房室結節(ぼうしつけっせつ)」でわずかに時間を調整され、ヒス束・脚・プルキンエ線維を通って心室へと伝えられます。これにより、心房と心室が絶妙なタイミングで収縮と拡張を繰り返し、効率的なポンプ機能が実現されるのです。このシステムのどこかに異常が生じると、不整脈の原因となります。
刺激伝導系の異常には、脈が遅くなりすぎるタイプ(徐脈性不整脈)や、速くなりすぎるタイプ(頻脈性不整脈)などがあり、動悸やめまい、ふらつき、失神などの症状として現れることがあります。こうした症状が続く場合には、早めに循環器内科での評価を受けることが大切です。61
1.5. 心臓を養う血管:冠動脈と心臓の酸素供給
心臓は全身に血液を送るポンプであると同時に、自身も酸素と栄養を必要とする臓器です。この心臓自体に血液を供給するのが「冠動脈」です。冠動脈が動脈硬化で狭くなったり、血栓で詰まったりすると、心筋に十分な酸素が届かなくなり、狭心症や心筋梗塞を引き起こします。21
冠動脈の状態は、喫煙、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満、運動不足など、多くの生活習慣と密接に関わっています。そのため、一次予防では「冠動脈をいかに守るか」が中心的なテーマとなります。
1.6. 年齢・性別による心臓の特徴とリスク
心疾患のリスクは、年齢や性別によっても異なります。一般的に、加齢とともに動脈硬化が進行し、血管の弾力が失われることで、心筋梗塞や心不全のリスクが高まります。また、閉経前の女性は女性ホルモンの影響もあり、男性に比べて冠動脈疾患のリスクがやや低いとされていますが、閉経後にはリスクが急激に上昇します。46
最近のガイドラインでは、女性特有のリスク(妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病の既往、早期閉経など)や、社会・心理的ストレスも心血管リスクとして重要視されています。女性であっても「自分は大丈夫」と過小評価せず、自分のライフステージに応じたリスクを知ることが大切です。38
第2部:日本の心疾患 ― 統計データと特有のリスク
心疾患は、日本において極めて重大な健康問題です。その規模と特徴を、信頼できる統計データに基づいて理解することは、効果的な予防と対策の基礎となります。
2.1. データで見る日本の心疾患:死亡率と患者数の現実
厚生労働省が発表した最新の人口動態統計によると、2022年における日本の心疾患(高血圧性を除く)による死亡者数は232,964人にのぼり、悪性新生物(がん)に次いで全死因の第2位を占めています。255 これは、日本の総死亡者数の約15%に相当し、社会全体に非常に大きなインパクトを持つ数字です。
さらに、厚生労働省の2023年の患者調査では、高血圧性心疾患を含む心疾患全体で治療を受けている総患者数は3,581,000人と推定されており、多くの国民が心疾患と共に生活している現実を示しています。262728 高齢化の進行に伴い、今後も患者数の増加が懸念されています。
| 疾患名 | 年間死亡者数 (2022年) | 人口10万人対死亡率 (2022年) | 総患者数 (2023年) | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 心疾患 (全体) | 232,964 | 191.0 | 3,581,000 | 25, 26 |
| 心不全 | 98,671 | 80.9 | 722,000 | 25, 26 |
| 急性心筋梗塞 | 32,012 | 26.2 | 75,000 | 25, 26 |
| 不整脈および伝導障害 | 36,292 | 29.7 | 1,090,000 | 25, 26 |
| 狭心症 | (個別死亡データなし) | (データなし) | 978,000 | 26 |
この表から分かるように、「心不全」「虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)」「不整脈」はいずれも患者数・死亡数ともに多く、日常診療でも頻繁に遭遇する病気です。また、狭心症は死亡統計上は別項目として扱われないことも多いものの、患者数は約100万人と推計されており、「なんとなく胸が苦しい」「歩くと胸が重い」といった症状の背景に隠れていることがあります。
2.2. 日本の疫学的転換:脳卒中から心不全・虚血性心疾患へ
日本の循環器疾患の様相は、過去数十年で劇的に変化しました。これは「日本の心血管疾患のパラドックス」とも呼ばれ、理解しておくべき重要な動向です。福岡県の久山町で1961年から続けられている世界的に有名な疫学研究「久山町研究」は、高血圧管理の進歩により脳卒中、特に出血性脳卒中が著しく減少したことを明らかにしました。31
しかしその一方で、食生活の欧米化や高齢化に伴い、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)や心不全が新たな脅威として台頭しています。特に、都市部の男性における冠動脈疾患の増加30や、国際的な大規模研究である「世界の疾病負担研究(GBD)2021」が指摘する日本における高いBMI(肥満指数)や糖尿病の悪化傾向は、この転換を加速させる深刻な要因です。56
東京大学の小室一成教授らが警鐘を鳴らすように、日本は今や「心不全パンデミック」の時代に突入しているといわれています。29 これは、心不全患者の増加により、医療・介護・社会保障への負担が今後さらに大きくなることを意味します。
2.3. 主な心疾患の種類と症状
心疾患は単一の病気ではなく、様々な種類があります。ここでは、日本で特に多い疾患の概要と、注意すべき症状を整理します。
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
心臓自身に血液を供給する冠動脈が動脈硬化によって狭くなったり詰まったりすることで、心筋への血流が不足する状態です。2023年の患者調査によると、狭心症の患者数は978,000人、心筋梗塞は75,000人と報告されています。26
症状としては、胸の圧迫感や痛み(狭心症)、冷や汗を伴う激しい胸痛(心筋梗塞)が典型的です。特に、数分〜十数分続く胸の締め付け感が、階段や坂道などの負荷に伴って出現する場合には、狭心症を疑うサインとなります。国立循環器病研究センター(NCVC)はこれらの症状に関する詳細な情報を提供しています。21
心筋梗塞の場合、「胸の真ん中が押しつぶされるように痛い」「冷や汗が止まらない」「吐き気や強い不安感を伴う」といった症状が続くことが多く、我慢したり様子を見るのではなく、救急車の利用を含め、すぐに医療機関を受診することが重要です。
心不全
心臓のポンプ機能が低下し、全身に必要な血液を十分に送り出せなくなった状態を指します。特定の病名というよりも、様々な心疾患の「終末像」として現れることが多い病態です。患者数は722,000人26と非常に多く、高齢化と共に急増しています。
主な症状は、息切れ、足のむくみ、体重増加、倦怠感などです。15 「階段を上がるとすぐ息切れする」「横になると苦しくて枕を高くしないと眠れない」「数日で急に体重が増えた」といった変化は、心不全悪化のサインであることがあります。こうした症状に早く気づき、医師と相談しながら薬物療法や生活調整を行うことで、入院の回数を減らし、生活の質を保つことができます。
不整脈(心房細動など)
心臓の電気信号の異常により、脈が速くなったり、遅くなったり、不規則になったりする状態です。総患者数は1,090,000人26と推定されています。特に心房細動は、動悸や息切れのほか、心臓内に血栓(血の塊)を作りやすく、脳梗塞の大きな原因となるため注意が必要です。61
「ドキドキが急に始まり、数分〜数時間続く」「脈が飛ぶ感覚がある」「階段での息切れが以前より強くなった」といった症状がある場合、不整脈が隠れている可能性があります。心電図やホルター心電図(24時間心電図)などによる評価が重要です。
弁膜症
心臓の4つの弁がうまく開かなかったり(狭窄)、完全に閉じなかったり(閉鎖不全)する病気です。加齢に伴う変性やリウマチ熱の後遺症、先天的な異常などが原因となります。進行すると心不全の原因となります。症状としては、労作時の息切れや胸痛、めまい、動悸などがあります。23
高血圧性心疾患
長期間の高血圧により心臓に負担がかかり続け、心臓の壁が厚くなったり(心肥大)、拡張機能が低下したりする状態です。多くの場合、初期には自覚症状がありませんが、進行すると心不全や不整脈を引き起こします。24 「心臓が大きいと言われた」「心電図で左室肥大と指摘された」という場合には、高血圧の管理を含めた包括的な評価が必要です。
その他の心疾患
このほか、心筋症(心筋そのものの病気)、先天性心疾患(生まれつきの心臓の構造異常)、心筋炎・心膜炎(炎症性疾患)など、さまざまな心疾患が存在します。これらは比較的まれなものもありますが、若い世代の突然死の原因になることもあり、専門的な診断と治療が必要です。
第3部:一次予防 ― 発症させないための最強戦略【JCSガイドライン準拠】
心疾患の管理において最も効果的で重要なのは、そもそも病気を発症させない「一次予防」です。ここでは、日本循環器学会(JCS)の最新ガイドライン456や、日本動脈硬化学会(JAS)のガイドラインなどに基づいた、科学的根拠のある予防戦略を分かりやすく整理します。
3.1. あなたのリスクは?―日本人に合わせたリスク評価
予防は、まず自分自身の現在地、つまり個人的なリスクを把握することから始まります。欧米ではSCORE246のようなリスク評価ツールが用いられますが、日本人には日本人特有の体格や生活習慣があります。そのため、国内の研究に基づいた評価が重要です。
日本動脈硬化学会(JAS)の2022年版ガイドラインでは、久山町研究や吹田研究のデータに基づいたリスク評価チャートが提示されており、年齢、性別、血圧、コレステロール値、喫煙の有無、糖尿病の有無などから、将来の冠動脈疾患発症リスクを予測します。1012 こうしたチャートは、健診や外来診療の場で用いられ、個々人に最適化された予防計画を立てる際の重要なツールとなっています。
自分のリスクを把握するうえで、次のようなポイントを確認しておくとよいでしょう。
- 血圧(家庭血圧・診察室血圧)の平均値
- LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の値
- 空腹時血糖値やHbA1c(糖尿病の有無)
- BMI(体格指数)やウエスト周囲径
- 喫煙歴(本数・年数)、飲酒量
- 家族に早発の心筋梗塞や脳卒中を起こした人がいるかどうか
これらの情報をもとに、かかりつけ医や循環器専門医と「今のまま10年後にどのくらいリスクがあるのか」「どの項目を改善すればリスクがどれくらい下がるのか」を一緒に確認していくことが大切です。
3.2. 食事療法:何を、どれだけ食べるべきか
食事は心臓の健康に直接影響します。JCSやJASのガイドラインは、以下の点を強く推奨しています。713
- 減塩: JCSの2023年版ガイドラインでは、高血圧予防・管理のために食塩摂取量を1日6.0g未満とすることを強く推奨しています。68 これは多くの日本人にとって厳しい目標ですが、脳卒中や心不全の予防にとって非常に重要です。
- 脂質管理: 飽和脂肪酸(肉の脂身やバターなど)を控え、魚に含まれるDHAやEPAといった多価不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸)の摂取を増やすことが推奨されます。10
- 日本食の活用: 伝統的な日本食(和食)は、魚、大豆製品、野菜が豊富で心臓に良いとされています。大阪大学の磯博康教授らの研究でも、日本人のライフスタイルと心血管疾患の関連性が示されています。30 ただし、納豆はワーファリンという抗凝固薬と相互作用を起こす可能性58、味噌汁は塩分量に注意が必要など、科学的背景を理解した上での摂取が大切です。
実際の食卓では、「何を減らすか」と同時に「何を増やすか」を意識することがポイントです。例えば、
- 精製された白米やパンだけでなく、雑穀や玄米を取り入れる
- 肉料理の日が続いたら、魚料理や豆腐・納豆をメインにした日を増やす
- おかずの主役に野菜を据える(野菜たっぷりの味噌汁や煮物)
- 塩分を減らす代わりに、出汁や香辛料、柑橘類(レモン・すだち)の酸味で味に変化をつける
こうした工夫を少しずつ積み重ねることで、無理なく継続しやすい「心臓にやさしい食事」を続けることができます。
3.3. 運動療法:推奨される運動の種類と量
定期的な運動は心臓を強くし、多くのリスク因子を同時に改善します。米国心臓協会(AHA)32や欧州心臓病学会(ESC)46、そしてJCSのガイドラインは、いずれも「週に150分以上の中等度の有酸素運動(早歩き、サイクリングなど)、または週に75分以上の高強度の有酸素運動」を推奨しています。760 重要なのは、完璧さよりも「無理なく続けること」です。
中等度の有酸素運動とは、「少し息が弾むが会話はできる」程度の運動強度を指します。具体的には、
- 早歩き(やや速めのウォーキング)
- 軽いジョギング
- サイクリング(平坦な道)
- 水中ウォーキング
などが挙げられます。運動に慣れていない方や持病がある方は、いきなり150分を目指すのではなく、「1日10分から始めて、少しずつ時間を延ばす」というイメージで取り組むと安全です。
すでに心疾患の診断を受けている方や、強い動悸・胸痛・息切れがある方は、自己判断で運動量を増やすのではなく、主治医と相談しながら安全な範囲を確認することが不可欠です。心臓リハビリテーションのプログラム57を活用することで、医療者の見守りのもとで運動習慣を身につけることもできます。
3.4. 禁煙と節酒:リスクを断ち切る
喫煙は、動脈硬化を促進し、血栓を作りやすくする、心臓にとって最悪のリスク因子の一つです。世界保健機関(WHO)53も禁煙の重要性を強調しています。JCSのガイドラインでは、特に日本人女性において喫煙の相対リスクが高いことが指摘されており、禁煙は性別を問わず絶対的な必須事項です。4
「本数が少ないから大丈夫」「加熱式タバコなら安全」といった考えは誤解であり、どのような形態であっても煙草は心血管リスクを高めます。禁煙外来やニコチン代替療法など、医療的なサポートを利用することで、成功率を高めることができます。
また、過度のアルコール摂取は血圧を上昇させ、不整脈(特に心房細動)の原因となるため、節度ある飲酒が求められます。ガイドラインでは、アルコールは「飲まない方がリスクは低い」とされる一方で、飲む場合には量を控えることが推奨されています。49
3.5. ストレス管理と睡眠
心理社会的ストレスや睡眠不足も、心血管疾患の独立したリスク因子として認識されています。ESCの2021年ガイドラインでは、これらの管理の重要性が明確に強調されています。4651 慢性的なストレスは血圧や心拍数を上昇させるだけでなく、過食、喫煙、飲酒量の増加などを通じて間接的にもリスクを高めます。
一方、睡眠時間が短すぎたり、睡眠の質が悪い状態が続くと、肥満・糖尿病・高血圧・心疾患のリスク上昇と関連することが多くの研究で示されています。いびきが大きく、睡眠中に呼吸が止まるような場合には「睡眠時無呼吸症候群」が隠れていることもあり、循環器疾患と密接に関わることが知られています。
3.6. 予防目標の比較:日本と世界のスタンダード
日本のガイドラインは、国際的な標準と多くの点で一致していますが、日本人特有の体質やエビデンスを考慮した独自の部分もあります。以下の表は、主要な一次予防目標に関する日本(JCS)と欧米(AHA/ACC, ESC)のガイドラインを比較したものです。これにより、グローバルな視点での日本の立ち位置が明確になります。
| 管理項目 | 日本循環器学会 (JCS) 2022/2023 | 米国心臓協会/米国心臓病学会 (AHA/ACC) 2019 | 欧州心臓病学会 (ESC) 2021 |
|---|---|---|---|
| 血圧目標 | < 130/80 mmHg (75歳未満) | < 130/80 mmHg | 120–130 mmHg (18–69歳) |
| LDL-C目標 (二次予防、超高リスク) | < 70 mg/dL | ≥50%低下 | < 55 mg/dL かつ ≥50%低下 |
| 食塩摂取量 | < 6.0 g/日 | 最低1000 mg/日の削減 | < 5 g/日 |
| 身体活動 | AHA/ESCに準じる | ≥150分/週 (中等度) | ≥150分/週 (中等度) |
| 出典: JCS7, AHA/ACC33, ESC46 | |||
表から分かるように、日本の基準は欧米とほぼ同等か、場合によってはより厳格な部分もあります。特に食塩摂取量は、日本人の従来の食文化を踏まえると達成が難しい目標ですが、その分、達成できれば大きな効果が期待できます。
3.7. 医師・医療スタッフと一緒につくる「マイ予防プラン」
ガイドラインはあくまで「目安」であり、すべての人に同じ対策が当てはまるわけではありません。持病や年齢、ライフスタイル、仕事や介護などの状況によって、「どこまで目標を目指すか」「どのくらいのペースで取り組むか」は変わってきます。
そのため、かかりつけ医や循環器専門医、看護師、管理栄養士、薬剤師などとチームを組み、「自分にとって現実的で、無理なく続けられるマイ予防プラン」を一緒に考えることが重要です。「必ずこうしなければならない」という完璧主義ではなく、「できることから一つずつ」という姿勢が、長期的には最も大きな効果をもたらします。
第4部:早期発見と最新治療 ― もしもの時のために
万全の予防策を講じても、遺伝的要因や他の要因により心疾患を発症する可能性はゼロではありません。そのため、早期発見の仕組みと最新の治療法について知っておくことも重要です。
4.1. 健康診断(特定健診)の重要性
日本では、40歳から74歳までの国民を対象とした「特定健診・特定保健指導」(通称メタボ健診)が実施されています。これは、心疾患の強力なリスク因子であるメタボリックシンドロームに着目した健康診断です。57
特定健診では、
- 血圧
- 血糖・HbA1c
- 脂質(LDL・HDL・中性脂肪)
- BMIや腹囲
- 喫煙状況や生活習慣に関する問診
などがチェックされます。これらの結果を組み合わせることで、自覚症状のない段階でリスクを早期に発見し、生活習慣の改善や治療につなげることができます。この制度を積極的に活用することが、心臓を守るための賢明な選択です。
4.2. 薬物療法:スタチン、降圧薬などの役割
生活習慣の改善だけでは管理が不十分な場合、医師はガイドラインに基づいた薬物療法を検討します。代表的なものには、LDL(悪玉)コレステロールを下げる「スタチン」、血圧を管理する「降圧薬」、血栓を防ぐ「抗血小板薬」などがあります。JCS/JASのガイドラインでは、心筋梗塞などを一度起こした患者さん(二次予防)のLDLコレステロール目標値を、非常にリスクが高い場合は70mg/dL未満とするなど、厳格な管理が推奨されています。1040
また、心不全や糖尿病を合併している場合には、SGLT2阻害薬などの薬剤が心血管リスク低減に役立つことが報告されており、ガイドラインでも選択肢として位置づけられています。薬の種類や組み合わせは、年齢や腎機能、他の病気とのバランスを見ながら決定されるため、自己判断で中止・増減することは危険です。
4.3. 最新の治療法:カテーテル治療から再生医療まで
心疾患の治療技術は日進月歩で進化しています。狭くなった冠動脈を風船やステント(金属の網)で広げる「カテーテル治療(経皮的冠動脈インターベンション)」は、多くの患者さんで開胸手術を回避できる低侵襲な治療法として広く普及しています。59
また、重症心不全に対しては、薬物療法やペースメーカー・植込み型除細動器(ICD)、心臓再同期療法(CRT)などのデバイス治療に加え、心臓移植や補助人工心臓など、より高度な治療が選択されることもあります。国立循環器病研究センター(NCVC)1718などの先進的な施設では、細胞シートを用いた再生医療など、未来の治療法に向けた研究も精力的に進められています。これらの進歩は、患者さんにとって大きな希望となっています。
4.4. こんな症状が出たらすぐ受診を ― 赤信号サイン
予防や生活改善に取り組んでいても、「これは様子を見てよいのか、それともすぐに受診すべきか」を判断するのは簡単ではありません。次のような症状は、心臓や血管の重大な病気が隠れている可能性があり、救急受診を含め、早急な対応が必要になることがあります。2123
- 冷や汗を伴う強い胸痛が10分以上続く、あるいは繰り返す
- 胸の痛みが、首・顎・左腕・背中に広がるように感じる
- 今まで経験したことのないような息切れや呼吸困難
- 突然の片側の麻痺、呂律が回らない、顔がゆがむなどの症状
- 立っていられないほどのめまい、意識が遠のく感覚、失神
こうした症状が出た場合は、「少し様子を見てから」と先延ばしにせず、救急車の利用も含めて早めに医療機関を受診することが、命を守るうえで非常に重要です。一方で、軽い動悸や息切れなど、緊急性は低いが気になる症状については、かかりつけ医や循環器専門医の外来で相談し、必要に応じて検査を受けるとよいでしょう。
結論:あなたの心臓を守るための行動計画
心疾患は、日本の現代社会が直面する大きな健康課題ですが、その多くは予防可能です。本記事で解説したように、心臓の仕組みを理解し、科学的根拠に基づいた生活習慣を実践することが、健康な心臓を維持するための最も確実な道です。
JCSガイドライン9が示すように、
- 減塩(食塩6g/日未満を目標)
- バランスの取れた食事(魚・大豆・野菜中心)
- 定期的な有酸素運動
- 禁煙と節度ある飲酒
- ストレス管理と良質な睡眠
は、心臓を守るための「黄金律」です。そして何より、定期的な健康診断でご自身の状態を把握し、気になることがあれば専門家である医師に相談することが重要です。家族や職場と協力しながら、少しずつでも生活習慣を整えていくことが、10年後・20年後の心臓の健康につながります。
この情報をきっかけに、ぜひかかりつけの医師と相談し、あなたに合った個別の予防計画を立て、無理のないペースで力強い一歩を踏み出してください。
よくある質問 (FAQ)
毎日味噌汁を飲んでも大丈夫ですか?
心臓に良いサプリメントはありますか?
冬場の入浴中に心臓発作が多いと聞きましたが、なぜですか?
これは「ヒートショック」として知られる現象で、暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動し、その後熱いお湯に浸かるという急激な温度変化によって血圧が大きく変動することが原因です。60 血圧の乱高下は心臓に大きな負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中の引き金となることがあります。
予防策として、脱衣所や浴室をあらかじめ暖めておく、お湯の温度を41度以下に設定する、かけ湯をしてから湯船に入る、長湯を避ける、高齢者や持病のある方は一人での入浴を避ける、などの対策が非常に重要です。
胸の痛みや動悸があるとき、いつ救急車を呼ぶべきですか?
次のような場合は、心筋梗塞や重い不整脈などの可能性があり、救急車の利用を含めて早急な受診が推奨されます。21
- 冷や汗を伴う強い胸痛が10分以上続く、または繰り返すとき
- 胸の痛みが首・顎・左腕・背中に広がるように感じるとき
- 胸の違和感に加えて息苦しさや吐き気、強い不安感があるとき
- 胸痛とともに、片側の麻痺や言語障害などの症状があるとき
一方で、数秒〜数分でおさまる軽い違和感や、運動量に見合った息切れなどは、かかりつけ医や循環器専門医の外来で相談し、心電図やエコー検査などを受けて原因を確認していくことが大切です。
心疾患があっても運動を続けても大丈夫ですか?
多くの場合、適切にコントロールされた心疾患をお持ちの方でも、医師の指示のもとであれば運動を続けることができます。むしろ、心臓リハビリテーションとしての運動は、再発予防や生活の質の向上に役立つことが知られています。57
ただし、以下の点には注意が必要です。
- 運動量や強度は、主治医と相談して決める(急にきつい運動を始めない)
- 胸痛・強い息切れ・めまい・動悸が出たらすぐに中止し、医師に連絡する
- 体調が悪い日や発熱時は無理をしない
自分に合った安全な運動プランを作るために、受診時に「どの程度の運動ならしてよいか」を具体的に尋ねておくと安心です。
家族に心臓病の人がいると、自分も必ず心臓病になりますか?
家族に心筋梗塞や心不全などの心疾患を起こした人がいる場合、遺伝的な体質や生活習慣が似ていることから、リスクが高くなる傾向はあります。しかし、「必ず同じ病気になる」というわけではありません。46
むしろ家族歴が分かっていることは、「早めに対策を始められる」という意味で大きな強みです。若い頃から血圧や脂質、血糖のチェックを行い、喫煙を控え、食事・運動・体重管理に気を配ることで、リスクを大きく下げることができます。
健康診断で「要精密検査」と言われました。どうすればよいですか?
「要精密検査」という結果は、「すぐに重い病気である」という意味ではなく、「もう少し詳しい検査が必要」というサインです。放置してしまうと、治療のタイミングを逃してしまうことがあります。27
まずは、通知に記載されている期限や案内を確認し、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。健診結果の用紙を持参し、「どの項目が基準から外れているのか」「今後どのような検査・治療が必要か」「生活習慣で気をつけるべき点は何か」を医師と一緒に確認することが大切です。
免責事項 本記事は、信頼できる公的機関や専門学会、査読付き論文などの情報に基づき、一般的な情報提供のみを目的として作成されています。個々の診断や治療方針は、症状や検査結果、全身状態によって大きく異なります。健康上の問題や症状がある場合は、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。
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